gtx-1080-sli-2



スポンサードリンク




海外の先行レビューでGTX1080を2枚用いたSLIベンチマークが公開され、同時に若干曖昧だった新型SLIのハード的、機能的な変更点なども詳細に説明されました。
ソース:http://www.hardwarezone.com.sg/m/feature-preview-nvidia-geforce-gtx-1080-sli-benchmarked

新型SLIのレビュー

当ブログでも実際にGTX1080の新型SLIについてレビューを行いました。
GTX1080の新型SLI「dual-link SLI mode」をレビュー。定格SLIで性能はどこまで伸びるのか!?
DSC05412



新型SLIの仕様やハードウェアについて

GTX1080から新たに採用された高帯域のSLIについて具体的な情報が判明しました。
変更点は大きく次の2つになります
  • SLIの動作周波数が400MHzから650MHzに拡張
  • SLI端子を2重に用いる「dual-link SLI mode」の追加

まず1点目「SLIの動作周波数が400MHzから650MHzに拡張」についてですが、Maxwell以下のNVIDIAの旧型GPUではSLIブリッジを用いたマルチGPU間で同期を行う動作周波数は400MHzでしたが、GTX1080を始めとしてPascal以降の新型GPUで650MHzに一律で拡張されています。ASUSやEVGAからリリースされていたSLI Bridge(LED Bridge等と呼ばれている)の売り文句とは違い、新型SLIでは実際に高解像度・高リフレッシュレートにおけるSLI動作の安定・性能向上が見込めます
加えて、この帯域の拡張は新型のSLIブリッジを使用する必要はなく、旧型のSLIブリッジを使用してGTX1080をつないだ場合も650MHzの帯域でリンクされるとNVIDIAが語っています。
In fact, NVIDIA says that certain older SLI bridges – custom bridges with LED lighting to be specific – will also be able to operate at 650MHz when used with the GeForce GTX 1080.

gtx-1080-sli_0

次に「SLI端子を2重に用いる「dual-link SLI mode」の追加」について説明します。すでに知られているように従来の2way-SLIでは各GPUのSLI端子1つを接続するだけでしたが、新型のSLIブリッジは2つのGPUを接続する際に各GPUに搭載された2つの端子を使用するようにハード自体が変わっています。下画像の新型SLIブリッジは「high bandwidth SLI bridge」(略称:SLI HB)と呼ばれています。
NVIDIA-Pascal-SLI-HB
このハード面における接続方法の変更に伴い、従来のSLIモードとは別に、SLI端子を2つずつ使ってGPU間で2重に接続を行うモード「dual-link SLI mode」が追加されました。ではこの「dual-link SLI mode」は新型SLIブリッジでないと動作しないのか?というとそんなことはなく、従来のSLIブリッジを2つ並列接続してしまえば問題なく「dual-link SLI mode」で動くようです。今回のソースのベンチマークでは従来のSLIブリッジを2重に繋ぐという方法がとられています。

ただしNVIDIAは「旧型のSLIブリッジでは性能に制限がかかるかもしれない」とも同時に言及しているので、レビュアーによると、ひょっとしたら純正のSLI HBを使った場合今回のベンチマークよりも良好なパフォーマンスになるかもしれないからその点を念頭に置いて結果を見て欲しいとのことです。

新型SLI(暫定)のベンチマーク結果

前置きが長くなりましたが新型SLIを用いたGTX1080のベンチマークスコアは次のようになっています。
gtx-1080-sli-3dmark

gtx-1080-sli-som

gtx-1080-sli-the-division

FireStrikeとMiddle Earth: Shadow of Mordorでは解像度が大きくなるほどSLI時にパフォーマンスが伸びてSLI効率が高くなっているのが面白いです。
Divisionも似た傾向ですが、元々のSLI効率が悪すぎていまいち恩恵を感じられない感じですね。

なおAshes of the Singularityのベンチ結果もありましたが、信用ならないベンチ筆頭という管理人の独断と偏見から載せていません。気になる方はソースをご確認ください。

Pascal以降の3way-SLI、4way-SLIについて

最後に、3way-SLI、4way-SLIについてはPascal以降では順当な性能向上を得るための最適化が困難なので(意訳:NVIDIAは最適化をするのが面倒になった)、NVIDIAによる公式のサポートは行わないようです。おそらくゲーム開発者向けにゲーム側から3way-SLI、4way-SLIを有効にする認証キーを配布して最適化もゲーム開発者に丸投げする形になると思われます。
実際2015年の発売のPCゲームの多くで発売直後はSLI時のGPU使用率が低く、GPU使用率が90~100%に張り付くように修正されるまで1,2か月待たされることもしばしば。そんな風にSLI効率の安定が後手後手だったのを見ても、NVIDIAとしては従来通りのSLIサポートが困難だったのだと思います。単純に考えても3way-SLI、4way-SLIをサポート外にするだけでゲームごとのドライバ最適化の労力は1/3ですからね。
Pascalでシングルスロット水冷化できるようになったら3Wayに初挑戦しようと思っていたのでちょっと残念。

追記―――
ドライバ368.22では既存の環境でも3way-SLIが使えなくなるという報告がありました。3way-SLI、4way-SLIを有効にする認証キーというのはもしかしたらユーザー側で使うものなのかもしれません。
https://forums.geforce.com/default/topic/937974/geforce-drivers/how-to-enable-3-way-sli-with-368-22-/

追記―――
上のフォーラムでほかのユーザーはドライバ368.22でも3way-SLIが使えるとの報告もあるようです。







(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



スポンサードリンク