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AMD RADEON RX 480(とたぶんRX 470やRX 460)のファン制御の挙動が意味不明なまま、管理人が気づいてから1,2ヶ月ほど経っていつまでも修正されないのでAfterBurnerを使って制御する方法を紹介します。


最近のグラフィックボードクーラーはセミファンレスに対応しているので、ファン回転数-GPU温度の比例は単純な1直線や曲線ではなく、ヒステリシスループになっていることが多いです。ヒステリシスについて簡単に説明すると、「アイドル→負荷」「負荷→アイドル」で比例曲線が異なっており2つの曲線を組み合わせでできている比例関係のことです。2つの曲線を組み合わせるとループ(ひし形っぽい形)ができ、これはヒステリシスループと呼ばれます。

例えばGIGABYTE GTX 1070 ITX OCで「FF14ベンチ1回目→Deus Ex 2016のメニュー画面数分間→FF14ベンチ2回目」の負荷をかけるとファン回転数とGPU温度の散布図が次のようになります。セミファンレス対応なので底辺はありませんが綺麗にひし形のヒステリシスループができていますね。
fan_temp_GTX1070

では件のRX 480(測定値はオリファン)のファン制御がどうなっているかというと同じ負荷をかけたらこうなります。RX 480では足が3本になるのはまあ許すとしても、オレンジの枠で囲った部分のような意味不明なファンの挙動が……。
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ちなみにこのRX 480をファン回転数1400PPM固定でFF14ベンチを回すとこうなります。
temp_RX 480
1400RPMで回せば最大72度で運用できるという結果になっています。ベンチ板測定なので80度を上限に1割マージンを取って1400RPMに固定しました。PCケース内運用でもう少しマージンが必要なら1600RPMくらい回してもいいと思います。少なくともデフォルトのように2000RPMを超える意味不明なファン制御が必要ないのは自明ですね。


ということでRX 480をはじめとしてRX 4XXシリーズはファン回転数の挙動が意味不明に荒ぶっているので、AfterBurnerからマニュアルでファン回転数-GPU温度の比例を設定する方法を紹介します。

まず最初にAfterBurnerからファン回転数固定モードでスライダーを使ってファン回転数を固定します。
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RX 480グラフィックボードであればファン回転数1400~1800くらいの間で適当に設定してからFF14ベンチからFireStrikeのストレステストを回してください。この間にGPU温度が70~75度以下に収まっていればOKなので、スライダーで固定した時の数字を覚えておいてください。
静音性に問題なければこのまま固定モードで使用してもOKです。

続いてファン回転数-GPU温度のマニュアル制御モードを使用します。
上で固定したファン回転数とその時の最大温度を比例直線の途中に入れるようにしてあとはお好みで設定してください。負荷時はだいたいその辺りで安定します。下の画像だと65~75度の間でファン回転率を39~41%にしています。
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セミファンレス機能を使いたい人は、RX 480の場合はアイドルでも50度くらいになるので60度以下でファン使用率を0にしてください。あと赤で囲った「Temperature hysteresis」の項目を0~15の値で設定します。数字が大きいほどファンストップの閾値を超えても余分に冷却してくれる(ヒステリシスループができる)ので適当に7~10くらいで設定してください。








(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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