ASRock Z270 Taichi


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日本国内では”太極”の表記で馴染みのあるコードネーム「Taichi」を冠し、どちらが陰でどちらが陽かは意見が分かれると思いますが価格と性能のバランス追求をコンセプトに、デザイン面では「太極図」を模したユニークなマザーボード「ASRock Z270 Taichi」のレビュー用サンプルをお借りできたので、2月17日の国内発売予定日に先駆けてレビューします。
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製品公式ページ:http://www.asrock.com/mb/Intel/Z270%20Taichi/index.jp.asp
マニュアル:http://asrock.pc.cdn.bitgravity.com/Manual/Z270%20Taichi_jp.pdf
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ちなみにASRockにおける「Taichi」ブランドの歴史は比較的新しく、16年6月に発売されたエンスー向けCPUであるIntel Broadwell-E対応の後期X99マザーボードとして初登場しました。
それでは「TaichiってASRockのマザボブランドの中でどんな位置づけなのか?」というと、ASRockではゲーミングマザーボードのブランドは「Fatal1ty」と名付けられており、その最上位として「Fatal1ty Professional Gaming i7」が存在します。X99やZ270のチップセットを搭載した「Fatal1ty Professional Gaming i7」と「Taichi」を見比べると一目瞭然なのですが、「Taichi」は「Fatal1ty Professional Gaming i7」から付加価値性の高い一部機能をオミットした廉価版という位置付けになっています。
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ASRock Z270 Taichi レビュー目次


1.ASRock Z270 Taichiの外観・付属品
2.ASRock Z270 Taichiの基板上コンポーネント詳細
3.ASRock Z270 Taichiへのパーツ組み込み(ギャラリー)
4.ASRock Z270 Taichiの検証機材セットアップ
5.ASRock Z270 TaichiのBIOSについて
6.ASRock AURA RGB LEDについて
7.
ASRock Z270 Taichiの動作検証・OC耐性
8.ASRock Z270 Taichiのレビューまとめ


ASRock Z270 Taichiの外観・付属品

まず最初にASRock Z270 Taichiの外観と付属品をチェックしていきます。
ASRock Z270 Taichiはマザーボードのパッケージとしては珍しくキャラメル箱と呼ばれる外箱に内パッケージという構造になっていました。
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内パッケージを開くと上段には各種付属品が入っていました。付属品を取り出すと2重底になっており下段にはマザーボード本体が静電防止ビニールに入った状態で収められていました。
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組み立て関連の付属はSATAケーブル4本、リアI/Oパネル、WiFiアンテナ、M.2 SSD固定ネジ*3、SLIブリッジ、SLI HBブリッジです。
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SLIブリッジについては200シリーズマザーボードからは従来のSLIブリッジだけでなくGTX 10XXシリーズの広帯域SLI接続に対応したSLI HBブリッジが付属するようになっており、ASRock Z270 Taichiには1スロットスペース型SLI HBブリッジが入っていました。
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マニュアル類は、日本語のソフトウェアマニュアル、多言語の簡易マニュアル、ドライバCDが付属します。ドライバ類についてはそろそろUSBメモリに移行して欲しいところ。
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多言語マニュアルには日本語のページもありますが、オンラインで公開されている日本語マニュアルのほうがページ数も多く詳細に説明されているのでオンラインマニュアルの参照を推奨します。
マニュアル:http://asrock.pc.cdn.bitgravity.com/Manual/Z270%20Taichi_jp.pdf


マザーボード全体像は次のようになっています。
ASRock Z270 TaichiはATXフォームファクタのマザーボードとなっており、ブラックのPCB基板を背景に白色をアクセントカラーに、Taichiの名前通りマザーボード全体で太極図を模したモノトーンなデザインです。PCB基板には湿度による電気短絡を防ぎ安定動作を助ける「高密度ガラス繊維PCB」が採用されています。
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マザーボード右下のチップセット用ヒートシンクは太極図の一部を切り取るモノトーンなデザインで、黒色部分にはASRockのメーカーロゴが入っています。
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リアI/O寄りとマザーボード上部を占拠するVRM電源ヒートシンクもチップセットクーラーと同様に太極図の一部を構成するモノトーンデザインです。白一色のリアI/Oカバーも装着されています。
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VRM電源フェーズ数は3万円台の他社マザーボードが10or11フェーズですが、ASRock Z270 Taichiは特盛14フェーズでとなっており、K付きアンロックCPUを大幅にオーバークロックしても安定した電力供給が可能な数が実装されています。(写真では14フェーズに見えますが公式ページの公表では12フェーズ)
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VRM電源クーラーにはヒートシンク全体で効率的に放熱を行うため熱の拡散を速めるヒートパイプが組み込まれています。
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チップセットとVRM電源のクーラーを外してみました。チップセットクーラーはZ270チップセットのみとサーマルパッド経由で接触しています。VRM電源部分についてはやはり14フェーズあるように見えます。
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重量計を使用して重さを測定してみたところ、ASRock Z270 Taichiは904gとなっており、同じくATXのASUS ROG MAXIMUS HERO ALPHAが1064g、SUPERMICRO C7Z270-CGは833gで平均的なATXマザーボードの重量でした。
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リアI/Oには最新USB3.1のType-AとType-Cコネクタやゲーマーには嬉しいPS/2端子など新旧取り揃えたインターフェースが実装されています。USB端子についてはUSB3.0端子が4基搭載されています。マウス・キーボードなど各種周辺機器でも使用することを考えるとHTC Viveは問題なさそうですが、USB3.0端子を多く要求するOculus Riftの利用にはUSBハブやPCI- Eスロットへの増設など工夫が必要になりそうです。
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ネットワーク関連では低CPU負荷かつ高スループットで定評のあるIntel純正のLANコントローラーが採用された有線LAN端子2基に加えてWiFi&Bluetoothモジュールが設置されています。
ビデオ出力にはHDMIとDisplayPortが設置されていますが、HDMI端子については4K・60FPSに非対応で4K・30FPSが上限となるver1.4対応でした。KabyLake用のマザーボードではリアI/OのHDMI端子で4K・60FPSに対応したHDMI2.0を搭載するものは非常に少ないようなので外部GPU(グラフィックボード)を使用しないユーザーは注意が必要です。


ASRock Z270 Taichiの基板上コンポーネント詳細

続いて「ASRock Z270 Taichi」のマザーボード基板上の各種コンポーネントをチェックしていきます。
システムメモリ用のDDR4メモリスロットですが、CPUソケット右側に4基のスロットが設置されています。
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固定時のツメはマザーボード上側(上写真の右側)の片側ラッチとなっています。グラフィックカードのあるPCI-Eスロット側はラッチがないので干渉の心配もありません。
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グラフィックボードなどを設置するPCI-Eスロットは上から[x1、x16、N/A、x16(x4)、x16(x8)、x1、x16(x4)]サイズが設置されています。()内はスロットの最大レーン数です。グラフィックボードを2スロットに配置することで、大型ハイエンド空冷CPUクーラーとグラフィックボードが干渉することを回避しています。なおPCI-E拡張スロットの排他利用についてはアーマー付きの3つのスロットのレーン制限のみです。(参考画像
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グラフィックボード向けのx16スロットは2スロットと5スロットに配置されており、現在主流な2スロット占有グラフィックボードを使用しても下位グラフィックボードが上位グラフィックボードのエアフローを妨げないよう配慮されています。付属のSLI HBブリッジも1スロットスペース型になっているので、NVIDIAの最新GPUであるGTX 1080やGTX 1070を使用したマルチGPU SLI環境を構築可能です。
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最近のトレンドとしてはグラフィックボード用のx16スロットには1Kgを超える重量級グラボの重さに耐えるメタルアーマーが採用されており、ASRockの「STEEL SLOT」ではスロット全体に金属アーマーを装着して、アーマー自体は四隅をハンダで固定する構造になっています。(下写真はASRock Fatal1ty Z270 Gaming-ITX/acのもの)
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最上段のx1スロットは右端に切り込みが入れられているので、通信速度がPCI-Ex1で問題なければx2サイズ以上の拡張カードも使用可能になっています。
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最下段のx16スロットもメタルアーマー採用ですが、4段目のスロットとともにレーン数がx4なのでPCI-E NVMe SSD用のスロットになっています。メタルアーマーのない4段目のPCI-Ex16(x4)スロットはNVMe SSDを接続した場合、OSの起動ディスクに対応しています。
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200シリーズマザーボードではSATA端子を削っているメーカーが多いですが、ASRock Z270 TaichiではSATAストレージ用の端子は10基(0~5とA1~A4)搭載されています。SATA_0~5の6基はチップセットのIntel製コントローラーによる接続で、SATA_A1~A4はASMedia製のコントローラーによる接続です。
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NVMe SSDやKabyLakeからサポートの開始されたIntel Optaneに対応するPCI-Ex4接続のM.2 スロットはCPUソケット下に1基、PCI-Eの第5スロットと第7スロットの間に2基の計3基が設置されています。3基のM.2スロットはいずれもNVMe接続だけでなくSATA接続にも対応しています。
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M.2スロット_1とSATA_0/1, M.2スロット_2とSATA_4/5は排他利用になっています。またSATA接続のM.2 SSDをM2スロット_3に接続した場合はSATA_3が無効になります。

USB3.0端子はメモリスロットの左端のマザーボードの端側に設置されています。USB3.0の内部端子が横に2つ並んでいるのはそれなりに見かける光景ですが、一般のUSB3.0 Type-A端子がマザーボード上に設置されているのが非常に目を引きます。どういう想定で設置したんでしょうか気になりますね。
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マザーボード下にも内部USB2.0端子が3基設置されていました。リアI/OにUSB端子が少ない分、マザーボード上の内部USB端子は2.0と3.0ともに充実しているので各自でPCIスロットに増設すればUSB端子が不足するということはないと思います。
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リアパネルにはCMOSクリアのハードウェアスイッチ実装されておりOC設定に失敗してもPCケースを開くことなくBIOSの設定をクリアできるので手動でOCを行うユーザーにとっても便利です。ただし位置はリアI/Oの隅になっているものの、抜き差しの多いUSB端子が直近にあるので誤押下の心配があるのは気になりました。
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ATXマザーボードなので有線LANが2基設置されていることもあり実際に使用するユーザーは限られるように思いますが、無線LAN&Bluetooth対応のモジュールも実装されています。Wi-FiはIEEE802.11ac/n/a/g/b、Bluetoothはver4.0に対応しています。付属のスティック型アンテナと組み合わせることでコンパクトながら検出力の強い無線環境を簡単に構築できます。
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ASRock Z270 Taichはオンボードサウンドに「Purity Sound 4」というハード&ソフト高音質ソリューションが採用されています。アナログ出力はニチコン製オーディオ向けキャパシタやSN比120dBのDACなど高品質素子を採用し、7.1チャンネル HDオーディオに対応しており、デジタル出力でもオーディオ用の外部アンプ等との接続にも最適な光デジタル端子が設置されています。
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リアI/Oに設置されたUSB3.1 Type-A&C端子はASMedia製コントローラー「ASM2142」が採用されており、コントローラーチップはマザーボード裏面のリアI/O寄りに実装されていました。
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マザーボード右下にはパワースイッチなどのフロントI/O用オンボードヘッダーがあります。他社製品の一部で採用されるQ-ConnectorはないのでPINアサインの確認はマニュアルを見てください。
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マザーボード基板右下にはPOSTエラーのチェックができるQ-Code LEDが設置されていました。実はASRockから発表されているゲーミングマザーボード「Fatal1ty Z270 Professional Gaming i7」ではASRock Z270 Taichiとほぼ同じマザーボードのレイアウトが採用されており、Q-Code LEDすぐ右の空きスペースはパワー・リセットスイッチの設置場所になっていますがASRock Z270 Taichiでは空きスペースのまま放置されていました。動作検証の際には便利な機能なのでオミットせずにスイッチはそのまま実装して欲しかったです。
DSC04110Fatal1ty Z270 Professional Gaming i7(L2)
冷却ファンを接続するためのコネクタについてはPWM対応4PINファンコネクタがマザーボード上に5基設置されています。CPUソケット周辺にCPUファン端子CPUオプションファン端子(水冷ポンプ対応)ケースファン端子2基の計4基が設置されており、加えて上のQ-Code LEDの写真でLEDの右側にケースファン端子(水冷ポンプ対応)が設置されています。
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あとマザーボード下にはASRockではThundebolt3 AIC Connecterと呼ばれるコネクタも実装されていました。この端子を使用することで、ASRockからはThundebolt3のPCI-E拡張ボードはリリースされていませんが「ASUS Thundebolt EX3」や「GIGABYTE GC-ALPINE RIDGE(レビュー記事)」などの拡張ボードを使用できます。先日レビューした「ASRock Fatal1ty Z270 Gaming-ITX/ac」はリアI/OのTB3が外付けグラボをサポートしていたので、ASRockからもぜひTB3拡張ボードをリリースしてもらいたいです。
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ASRock Z270 Taichiへのパーツ組み込み

ASRock Z270 TaichiにDDR4メモリとCPUクーラーを設置してみました。内容的には写真のギャラリーだけになっています。
DDR4メモリには「Corsair Dominator Platinum Special Edition」(レビュー記事)、CPUクーラーには「Thermaltake Engine 27」(レビュー記事)を使用しています。(自作PCにおけるスノー的存在)
ASRock Z270 Taichiは陰陽で白と黒の勾玉の形状が合わさって円になる太極図を模したデザインになっており、CPUソケットやメモリスロット部分は丁度、陰の領域なので黒色CPUクーラーやメモリを設置するとマザーボードのデザインコンセプトと一致してコントラストのきいた組み合わせになります。DSC04112
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ASRock Z270 Taichiの検証機材セットアップ

ASRock Z270 Taichiを使用して検証機材と組み合わせてベンチ機を構築しました。
ASRock Z270 Taichi以外の検証機材は次のようになっています。
テストベンチ機の構成
CPU Intel Core i7 7700K
殻割り&クマメタル化(レビュー
CPUクーラー CoolerMaster
MasterLiquid Pro 120 (レビュー
メインメモリ Corsair Dominator Platinum
Special Edition
DDR4 8GB*4=32GB (レビュー
CPUベンチ用
ビデオカード
ASUS GeForce GT730
ファンレス GT730-SL-2GD3-BRK
システムストレージ
Samsung 960 PRO 512GB
NVMe接続M.2 SSD (レビュー
OS Windows10 64bit Home
電源ユニット Corsair RM650i (レビュー

検証機材のCPUには最新KabyLake CPUのデスクトップ向け最上位となるi7 7700Kを殻割りしてCPUダイとヒートスプレッダ間には液体金属グリスのThermal Grizzly Conductonaut(レビュー記事)に塗りなおしたものを使用しています。また熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。熱伝導効率も高く、柔らかいグリスで塗布しやすいのでおすすめです。
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グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
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以上で検証機材のセットアップが完了となります。
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あと折角なのでマザーボード基板上のUSB3.0 Type-A端子にBIOSのスクショ撮影用のUSBメモリを装着しようと思ったところ隣のATX 24PINと干渉しました。2mm程しか幅がないのでやはり使い道は難しいです。
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ASRock Z270 TaichiのBIOSについて

ASRock Z270 TaichiのBIOSのUIについてチェックします。
BIOSに最初にアクセスするとイージーモードというグラフィカルな画面が表示されます。パッと見の見栄えは良いのですが詳細モードのほうが結局のところ使いやすいので「F6」キーを押してサクッと詳細モード移るのがおすすめです。「アドバンスド-UEFI設定スタイル」の項目で起動時のモードは指定できます。
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ASRock Z270 TaichiのBIOSについては多言語に対応しており、「Save Changes and Exit」が「変更がそして退出することを保存します」のように翻訳が怪しい部分はあるものの日本語にも対応しているので初心者ユーザーにも優しいBIOSだと思います。BIOSのアップデートもBIOS上から簡単に行えます。
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アドバンスドのストレージ設定からはSATAストレージだけでなく、M.2スロットに接続されたSATA接続M.2 SSDやNVMe接続M.2 SSDの一覧が確認できます。またアドバンスドのACPI設定からはキーボードやマウスなどスリープを解除可能なデバイスの設定が行えます。
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ファンコントロール機能について紹介します。
ASRock Z270 Taichiのファンコン機能は設置されている5つのファン端子を個別に「標準/サイレント/パフォーマンス/最大速度」の4種類のプリセット設定に加えて、個別に温度・ファン速度の比例グラフを指定できる「カスタマイズ」の5つのモードを使用できます。
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「カスタマイズ」モードでは比例カーブを決める温度とファン速度を4つ指定できます。CPUファンはCPUソースで固定ですが、CPU_OPTとケースファン3基はソースとなるセンサーにCPU温度とマザーボード温度の2つから選択できます。外部温度センサーには非対応です。
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各種モニターとファン端子コントロールの間に「Fan Tuning」と「Fan-Tasticチューニング」という項目があります。「Fan Tuning」はワンクリックで自動で接続された冷却ファンの動作を最適化してくれる機能です。「Fan-Tasticチューニング」はグラフィカルUIによるファンコントールの設定機能になっています。機能的には上で紹介したコンソールのファンコンと同じで、グラフィカルUIでわかりやすく設定できるよという機能になっています。直感的にわかりますし直打ちが苦手な人にはありがたい機能だと思います。
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同社の100シリーズマザボでは設定を保存するまではファンコン設定値がファンの動作に反映されませんでしたが、ASRock Z270 Taichiは設定中でもファン動作に反映されるように改良されていました。


ブートとOSインストール周りについて紹介します。とはいってもASRock Z270 Taichiのブート回りは下画像のように非常に簡潔にまとめられており初心者でも迷うことはないと思います。
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OSのインストールも「起動順序 #1」に「UEFI 〇〇」というOSインストールメディアを設定して保存&退出でOKです。ブート回りであえて不満点を挙げるとすれば特定デバイスを指定して起動する機能「Boot override」がないことくらいだと思います。
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OSのインストールからブート回りの紹介は以上です。
最後に下のブート設定で電源ONからWindoes10のデスクトップ表示までの時間を計測したところ17秒でした。
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ASRock AURA RGB LEDについて

ASRockでも200シリーズマザーボードから備え付けのLEDイルミネーションや4PIN RGB LEDテープに対応したLEDイルミネーション調整機能「ASRock AURA RGB LED」が追加されました。ちなみに名前の似ている「ASUS AURA Sync」とは無関係な機能です。
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ASRock Z270 Taichiではチップセットクーラー周辺のLEDイルミネーションに加えて4PIN RGB LEDテープに対応した4PIN LEDヘッダーが1基設置されています。
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LEDイルミネーション調整機能は各社からリリースされているものの、「ASRock AURA RGB LED」の特徴としてBIOS上のグラフィカルUIでLEDイルミネーションの調整をデスクトップアプリ同様に行えます。いちいち専用アプリをインストールするのが面倒なのでBIOSから全て設定できるのは非常に便利です。
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BIOSの詳細モードでツールのAURA RGB LEDからLEDイルミネーションの設定画面にアクセスできます。使用しているマザーボードに合わせて写真も表示されており、チップセットとLEDテープの個別設定や全パーツの同期設定など自由にLEDイルミネーションの発光カラーとパターンを設定できます。
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RGBカラーリングを使用して256の3乗の種類の発光カラーを自由に設定できます。
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発光パターンには「Static」「Breathing」「Strobe」「Cycling」「Random」「Music」「Wave」を選択できます。赤→緑→青に緩やかに変化するカラーサイクルについては「Cycling」ではなく「Wave」が対応しています。
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ASRock Z270 Taichiの動作検証・OC耐性

ASRock Z270 Taichiを使用した検証機の構築も完了したので動作検証とOC耐性をチェックしていきます。

なおオーバークロックはメーカー保証外の行為であり製品の破損やデータの消失もすべて自己責任となります。オーバークロック検証時は最小構成(CPU、マザーボード、メモリ、システムストレージ、グラフィックボード)以外は基本的にすべて外し、可能ならOC検証用のシステムストレージを用意するなど細心の注意を払ってください。

ASRock Z270 Taichi(と一部のASRock製マザーボード)のオーバークロック設定はOCツールというトップメニューの項目にまとめられ、下位グループとして「CPU設定」「DRAM設定」「電圧設定」の3種類が用意されています。
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CPU設定には「長い時間のパワー限界」「短時間電力制限」という2つの電力制限機能があります。デフォルトの状態では「自動」になっていますが、基本的に省電力機能(+若干のシステム保護機能)なので常識的なコア電圧範囲内でOCをするだけであれば設定値は大きくしておけば大丈夫です。OCを行う場合は前準備としてパワーリミットがかからないように、単位はWなので「200」あたりを入力しておけば十分だと思います。
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ASRock Z270 Taichiなど一部のOC機能が強化されたASRockのZ270チップセット搭載マザーボードには電圧設定において「Voltage Mode」という設定項目が用意されており、一般的な電圧範囲で設定可能な「Stable Mode」に加えてぶっ壊れ覚悟でさらなるOCを目指す電圧キャップが外された「OC Mode」があります。「Stable Mode」ではCPUコア電圧の上限は1.500Vですが、「OC Mode」では2.000Vまで設定可能です。恐れ知らずなLN2極冷OCerには嬉しい機能ですね。
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あとASRock Z270 Taichiには100シリーズマザボの後期発売品に採用されていた「Hyper BCLK Engine」をさらに強化した「Hyper BCLK Engine II」という外部ベースクロックジェネレータが実装されています。
「Hyper BCLK Engine II」はi7 7700Kやi7 7600Kなど倍率変更によるIntel公式サポートのオーバークロックにおいても正確なクロック波形の提供やBCLKの調整に役立つモジュールです
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加えてZ170M OC Formulaなど一部の機種では”ベースクロックの変更によるNon-K OCを簡単に実行させてくれる”という大きい声では言えない副次機能があり管理人はこれを勝手に「Hyper-OC」と呼んでいました。ASRock Z270 Taichiでも同機能を使えるといいなあと期待していたのですが残念ながらi5 6400で試したところZ170M OC Formulaで表示されたBCLK周波数に関する設定項目は表示されませんでした。
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CPUコアクロック(コア倍率)の変更について説明します。
コアクロックはコア数に対して各コアに最大動作クロック(BCLKに対する倍率)を指定できます。「コア0:コア1:コア2:コア3」を倍率として、例えば「45:43:43:42」のようにバラバラに指定した場合、4つのコアのうち1つに負荷が掛かる場合は4コアのうち1つが45倍動作、2つと3つの場合は43、4つの場合は42となります。

一般ユーザーがCPUのOCを行う場合は全コアの最大倍率を一致させると思いますが、同マザボの場合は「CPUレシオ(倍率): すべてのコア」「All Core: 50」と設定することでデフォルトのベースクロック100MHzの50倍で5.0GHzで動作します。
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同マザーボードでCPUコアクロックのOCを行う際の注意点としてコアクロックを倍率変更でOCすると、CPUキャッシュ(Cache、Ringなど)の倍率も自動的にBIOS側が上げてきます。ASRock Z270 Taichiの場合はコアクロックの倍率を50倍にするとキャッシュの倍率も50倍になります。キャッシュはコアクロックの-2倍かデフォルトが多い中、珍しい挙動でコア電圧の設定にも影響してくるのでキャッシュ倍率を自動で設定する場合は少し注意が必要です。
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CPU設定のCPUキャッシュレシオの項目をデフォルトの自動に設定しているためこのような動作になっているのですが、CPUコアクロックに対してキャッシュクロックが連動するかどうかはマザーボードごとに異なるのでOCを行う場合は注意していください。キャッシュの倍率もコアクロックと同じ要領で設定可能です。
キャッシュを50倍で動作させるとコア・キャッシュ電圧が1.400V程度必要になるので今回は最大倍率を48倍に固定しました。
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続いてコア電圧の調整を行います。
ASRock Z270 TaichiではCPUコア電圧にマニュアルの設定値を固定する「固定」モードとCPUに設定された比例値にオフセットかける「オフセット」モードの2種類が使用できます。
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オフセットモードはCPU負荷に比例して電圧が設定されており、低負荷時は電圧が下がるので省電力に優れるのですが、OCをする場合はマザーボードによって挙動に差があり安定する設定を見極めるのが難しいので、個人的にはオフセットは定格向け、OCには固定値適用の固定モードを推奨しています。
仮にOCでオフセットを使う場合も最初はコアクロックに対して安定する電圧を見極める必要があるので、まずは固定モードを使用します。
ちなみにマザーボードにより対応しているモードは異なりますが、CPUのオーバークロックに付随するコア電圧のモードの概略図は次のようになっています。
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今回、検証に使用しているi7 7700Kは「ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA」でコア電圧1.350~1.360Vで5.0GHzが安定動作したので、当初「ASRock Z270 Taichi」においても固定モードで1.350Vとしたのですが、コア電圧が指定値の+0.040~0.050Vほど盛られた状態で動作しました。そのため自動で盛られるコア電圧を考えて指定値を1.330Vにしました。
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あとデフォルト設定では自動になっている「ロードライン・キャリブレーション(負荷時のコア電圧の低下を防ぐ機能)」はレベル1を指定してください。今回の検証環境では自動のままですと5.0GHzで負荷をかけるとBSODで正常に動作しませんでした。


上記の設定を適用したところ、ASRock Z270 Taichiを使用してi7 7700Kをコアクロック5.0GHz、キャッシュ4.8GHzにOCしてOSを正常に起動できました。
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またCPUに負荷が掛かった時のコア電圧はHWInfo読みで最大1.376Vとなりました。設定値よりも負荷時の電圧が+0.046Vとなっており発熱管理やコアクロックに対する動作可能電圧がシビアになってくる場合、OC設定は難しくなりそうです。
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CineBenchもi7 7700Kのコア5.0GHz、キャッシュ4.8GHzオーバークロックでクリアできました。
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続いてこのOC設定を使用してストレステストを実行しました。
検証方法については、FF14ベンチマークの動画(再生時間8分、WQHD解像度、60FPS、容量4.7GB)でAviutl+x264を使ってエンコードを行いました。エンコード時間はi7 7700Kの場合20分ほどです。エンコード中のファン回転数は一定値に固定しています。
注:CPUのストレステストについてはOCCTなど専用負荷ソフトを使用する検証が多いですが、当サイトではPCゲームや動画のエンコードなど一般的なユースで安定動作すればOKとういう観点から管理人の経験的に上の検証方法をストレステストとして採用しています。

ストレステスト中のCPU温度とCPU使用率のログは次のようになり、マザーボードにASRock Z270 Taichiを使用することでi7 7700Kにコア5.0GHz、キャッシュ4.8GHzにOCしてストレステストをクリアできました。CPUクーラーのファン回転数は1200RPMです。
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またスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE」を使用してストレステスト終盤のマザーボード上の各所の温度をチェックした結果が次のようになっています。
ASRock Z270 TaichiはVRM電源のフェーズ数は14フェーズと特盛なだけあってVRM周りの温度が80度に迫る70度後半とかなり高い温度になりました。またチップセット付近も50度を超えておりこちらも比較的高温です。
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チップセットが50度、VRM電源が70度後半というのは200シリーズマザボレビュー5件目にして初めての経験だったので、念のためキャッシュを4.2GHzに落として再度検証してみましたがやはり比較的高い温度になりました。
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チップセット周りの温度は許容範囲内ですが、VRM電源まわりについては冷却ファンで風を当てるなど冷却には少し注意したほうがいいかもしれません。


メモリのオーバークロックについてもBIOS設定の確認と実際にXMPを使用したOCプロファイルの適用を実行してみました。
なおメモリの性能について簡単に言うと「動作クロックが高く」「タイミングが小さい」ほど性能は高くなります。そのためメモリOCを手動で行う手順を簡単にすると「電圧を上げて動作可能なクロックを探し」、「そのクロックにおいて正常に動作する最小のタイミングを探る」という2つの手順を繰り返すことになります。
一方でXMPによるメモリOCは上の手順によるOCをメーカー側がすでに行い動作確認をしているので、メーカーが動作確認を行ったOCプロファイルを適用するだけで簡単にメモリをオーバークロックできます。

ASRock Z270 Taichiでは「自動(カスタム設定)」「XMP」の2種類からメモリの動作クロックとタイミングを設定できます。
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「自動」では多くのDDR4メモリで動作クロック2133MHzと個別に設定されたタイミングによる定格動作となり、「XMP」は各メモリメーカーが一定環境で動作確認を行ったメモリのオーバークロックプロファイルがメモリに収録されており、その値が適用されます。「自動」が事実上のカスタム設定モードになっており、最大4133MHzまでの動作クロック設定が可能で、タイミングの値も個別に打ち込みが可能です。
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今回は「Corsair Dominator Platinum Special Edition(CMD32GX4M4C3200C14M)」に収録されたXMPプロファイルによって3200MHzにオーバークロックしました。
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ちなみにSkyLakeやKabyLake CPUでDDR4メモリの動作クロックを3000MHz以上にOCする場合はDRAM電圧だけでなく「電圧設定」の項目内にある「VCCSA」も適度に盛ってやるとメモリOCの動作が安定します。なお同マザーボードではXMP適用時に「VCCSA:自動」になっていると勝手に電圧を盛ってくれます。
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上のように設定を行うことでASRock Z270 Taichiでメモリ周波数を3200MHzへOCも簡単に実現することができました。
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ASRock Z270 Taichiのレビューまとめ

最後に価格と性能のバランスを追求したマザーボード「ASRock Z270 Taichi」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 白と黒のモノトーンで製品名の”太極(Taichi)図”を模したユニークなデザイン
  • 14フェーズの特盛VRM電源フェーズで大幅なオーバークロックにも対応可能
  • 検証機ではi7 7700Kの5.0GHzオーバークロックで正常動作
  • コア電圧を最大2.000Vに設定可能なOC Mode
  • 3基のPCI-Ex16スロットに補強用メタルアーマーを採用
  • BIOS上でフルコントロール可能なLEDイルミ機能「ASRock AURA RGB LED」
  • SATA端子10基&M.2スロット3基でストレージ端子が充実している
  • NVIDIA GTX 10XXシリーズのマルチGPU用の新型SLI HBブリッジが付属する
  • Wi-FiはIEEE802.11ac/n/a/g/b、Bluetoothはver4.0に対応した無線LAN搭載
  • ニチコンキャパシタ採用、7.1chサラウンド対応など充実のオーディオ機能
悪いところor注意点
  • オンボードのスタート・リセットスイッチがない
  • HDMI端子はver1.4で4K・30FPSが上限
  • リアI/OのUSB端子が4基と少なめ
  • VRM電源周りの発熱が大きい
  • マザーボード基板上のUSB3.0 Type-A端子の使い道が謎?

200シリーズマザーボードに入ってから各社が1週回って無難なデザインに落ち着き始めているなか、白と黒のモノトーン調で製品名の”太極(Taichi)図”を模したユニークなデザインを採用する「ASRock Z270 Taichi」ですが、ハード・ソフト面では新旧のマザーボードトレンドを取り揃えZ270チップセット搭載マザーボードとして上手くまとまった製品に仕上がっていると感じました。
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冒頭でも紹介したようにTaichiというブランドは事実上、ASRockのゲーミングブランド「Fatal1ty」最上位の「Fatal1ty Professional Gaming i7」から付加価値性の高いものをオミットして価格を抑えたブランドという位置づけになっており、確かにTaichiブランドの処女作であるX99 Taichiはエンスー向けX99チップセット搭載で200ドルとコスパの光る製品でした。しかしながらZ270チップセットを採用するマザーボードで200ドルとなると一般的にはハイエンド機種に該当する価格帯になってしまい立ち位置が微妙になってしまった感は否めません。
とはいえASRock Z270 Taichiは「コスパを追求」という冠を外したとしても国内価格3万円台のASUS MAXIMUS IX HEROやMSI Z270 GAMING M7などZ270マザボのハイエンド帯他社製品と比較しても遜色ない性能と品質を維持しています。

かつては変態とも呼ばれたマザボブランドASRockですがここ最近でハード的なピーキーさはなくなったものの、デザイン面がユニークなものをいくつも輩出しておりASRock Z270 Taichiもその一角を占めています。
ハードやソフト面で高い性能と品質を維持しつつ一風変わったデザインのマザーボードをお探しなら「ASRock Z270 Taichi」はお勧めできる価格と性能のバランスを追求した”ハイエンド”なZ270マザーボードだと思います。

以上、「ASRock Z270 Taichi」のレビューでした。
ASRock Z270 Taichi





事実上のフルスペック上位モデルとなる「ASRock Fatal1ty Z270 Professional Gaming i7」も発売中です。


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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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