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国内でも3月3日の発売以来、圧倒的なコストパフォーマンスから人気爆発のRyzen CPU最上位「Ryzen 7 1800X」とGTX 10XXシリーズ最上位で史上最速となる「GTX 1080 Ti」のサイコムオリジナル簡易水冷グラフィックボードを搭載したBTO PC「G-Master Hydro X470A」をサイコム社からお借りできたのでレビューします。
本格水冷自作erが勧める一押しのBTO PCと称して簡易水冷化グラボと「Fractal Design Define R5」という高い拡張性を誇る自作er界隈で高評価のPCケースを採用した「G-Master Hydro Z270」や上位モデルの「G-Master Hydro-X99II」を以前からおすすめしていました。今回レビュー用サンプルとしてお借りできた「G-Master Hydro X370A」は、拡張性の高いPCケースや整然とした組み立て品質など従来モデルの魅力はそのままに、マルチスレッド性能がIntel CPU比コスパ2倍で人気爆発の8コア16スレッド「Ryzen 7 1800X」とサイコムオリジナル簡易水冷化「GeForce GTX 1080 Ti」を搭載した17年上半期で最もホットなパーツを採用したハイエンドBTO PCです。
サイコム G-Master Hydro X470A
今回提供いただいたレビュー用サンプルの詳細スペック(BTOカスタマイズ)は次のようになっています。
「G-Master Hydro X370A」 レビュー用サンプル詳細スペック | |
OS | Windows10 Home (64bit) DSP版 |
CPU | AMD Ryzen 7 1800X (8コア16スレッド、8コア同時3.7GHz) |
CPUクーラー | サイコムオリジナルAsetek 550LC Enermax UCTB12P [PWM、500~1500RPM] |
マザーボード | ASRock Fatal1ty X370 Gaming K4 <製品公式ページ> |
メモリ | Crucial Ballistix Sprots LT Gray BLS2K8G4D240FSB 16GB [8GB*2枚] DDR4-2133 |
システムストレージ | intel 600p Series NVME M.2 SSD 512GB SSDPEKKW512G7X1 |
データストレージ | TOSHIBA DT01ACA100 HDD 1TB |
光学ドライブ | 【黒】DVDドライブ LG GH24NSD1 |
グラフィックボード | 簡易水冷 GeForce GTX 1080 Ti Asetek 740GN |
ラジエーターファン | Enermax UCTB12 [3PIN、900RPM] |
PCケース | Fractal Design DEFINE R5 Black Window |
LEDイルミネーション | あり、リモコン操作可能 |
電源ユニット | SilverStone Strider Gold S SST-ST75F-GS V2 [750W、Gold認証] <製品公式ページ> |
【執筆:2017年5月2日、更新:】
注:記事中の価格については記事執筆当時、更新当時のものが混ざっている場合があります。閲覧時現在の価格と異なる場合がありますがご了承ください。
G-Master Hydro X370A レビュー目次
1.G-Master Hydro X370Aの梱包・付属品
2.G-Master Hydro X370Aの外観
3.G-Master Hydro X370Aの内部構造
4.Define R5搭載ファンコントロール機能
5.リモコン操作可能なLEDイルミネーション
6.簡易水冷化GTX 1080 Tiについて
7.AMD Ryzen 7 1800XなどAMD Ryzen CPUについて
8.G-Master Hydro X370AのCPU性能
9.G-Master Hydro X370Aのゲーム・GPU性能
10.Ryzen 7 1800XとGTX 1080 Tiの全力を引き出すデュアル簡易水冷クーラー
11.G-Master Hydro X370Aの消費電力・静音性
12.G-Master Hydro X370Aのレビューまとめ
おまけ1.サイコム G-Master Hydroシリーズの選び方
おまけ2.Ryzen&GTX 1080 Ti搭載BTO PCのカスタマイズ指南
おまけ3.簡易水冷は排気よりも吸気のほうが冷える
おまけ4.Define R5ならオシャレな本格水冷もできる
G-Master Hydro X370Aの梱包・付属品
まず最初にサイコムから購入した「G-Master Hydro X370A」がユーザーの手元にどんな状態で届くのかをご紹介しようと思います。(今回の機体はレビュー用サンプルですが一般販売分と同じ梱包であることは確認済みです。)配送業者からは下画像のような段ボール箱に梱包されて製品が届きました。精密機器注意や天地無用などの注意書きもあり、配送業者のクロネコヤマトも注意して配達してくれました。60*60*50cmサイズとかなり大きい段ボール箱で重量も重かったのですが持ち手用の穴が段ボール箱の横に開いていたので持ち運びは楽でした。成人男性であれば持ち手を取れば持ち運びには特に困ることはないと思います。
段ボール箱を開けると上側にはマザーボードやSSDのリテール品の箱が入っており、隙間をクッションで埋められていました。この下側にピッタリサイズでDefine R5の梱包箱が入っています。
BTO PC本体はDefine R5のPCケース単体販売用の段ボール箱を利用して梱包されており、発泡スチロールのスペーサーで固定されています。
マザーボードの箱の中には各種製品マニュアルやACコンセントケーブルなど利用上重要なものや各パーツの付属品が入っています。マザボの箱には大きい再剥離シールで「付属品が入っていますよ」と書いてあるので見逃すことはないと思います。
ストレージの増設などに使うネジ類やケーブルタイなどPCケース「Fractal Design DEFINE R5」の付属品類は専用の小さい箱に収められています。
マニュアルやドライバCD類はビニール袋の中にまとめられていました。
デフォルトで採用されているマザーボード「ASRock Fatal1ty X370 Gaming K4」については日本語にローカライズされた詳細マニュアルが付属します。
また「ASRock Fatal1ty X370 Gaming K4」は自作PCパーツとして一般販売されている製品であり、製品版でもマザーボードに同梱されている、GTX 10XXシリーズの広帯域SLI接続に対応した1スロットスペース型のSLI HBブリッジも付属します。
標準搭載される電源ユニット「SilverStone Strider Gold S SST-ST75F-GS V2」にはグラフィックボードようのPCI-E補助電源8(6+2)PINが4つ搭載されており、GTX 1080 Tiモデルの場合はデフォルトで8+6PINで2コネクタ使用されていますが、残り2つ分のコネクタケーブルも付属するのでグラフィックボードの増設も可能です。
ただし将来的にGTX 1080やGTX 1080 TiのマルチGPU環境の構築を見据えている場合は電源容量的に安定させるため1000W以上の容量のある上位の電源ユニットにカスタマイズ推奨です。
「G-Master Hydro X370A」にデフォルトで採用されているマザーボードはX370チップセットを搭載したASRock製の高品質な「Fatal1ty X370 Gaming K4」です。ASRock製のマザーボードは基本的なところを押さえた日本語マニュアルが付属しています。
日本語マニュアル:http://asrock.pc.cdn.bitgravity.com/Manual/Fatal1ty%20X370%20Gaming%20K4_jp.pdf
カスタマイズ項目からは日本語マニュアルで定評のあるASUS製マザーボードの「ASUS PRIME X370-PRO」や当サイトでも個別に製品レビューを行った「MSI X370 GAMING PRO CARBON」も選択可能です。
・「MSI X370 GAMING PRO CARBON」をレビュー
G-Master Hydro X370Aのケース外観
「G-Master Hydro X370A」の外観ということで「Fractal Design Define R5」をチェックします。Define R5のフロントは5インチドライブなどもないフラットパネルデザインになっていますが、フロントパネルは片開きのドアになっています。フラットデザインですがドア枠側面にはスリットがあるので窒息ケースというわけではなく適度な吸気も可能です。
フロントパネルはプラスチック製ですがヘアラインアルミニウムを模した表面加工がされているので高級感があります。サイドパネルは傷の目立ちにくいシボ加工のスチールパネルです。
ドアの裏側には5インチドライブベイが2基と下側にはプラスチック製のファンガードがあり、今回のBTO PCでは最上段にDVDドライブが搭載され、下側にはツールレスで取り外しできるプラスチックのツメで固定されたベイカバーがつけられています。DVDドライブのロゴ直上にあるスイッチはファンコンの3段階スイッチになっています。
下側のファンガードもプラスチックのツメで固定されているのでツールレスで簡単に取り外しができ、ファンガードの後ろには120mmもしくは140mmのファンを2基搭載できます。デフォルトではPCケースに付属する「Fractal Design Dynamic GP14 140mm」(3PIN、1000RPM、公式ページ)が吸気で搭載されていました。ファンの裏側にはストレージがあるので高回転HDDのような発熱の大きいパーツも直に冷やしてくれる構造です。
フロントパネルの裏側には静音性を上げる厚手の吸音素材が貼り付けられています。またフロントパネルを開くときの軸はケース本体と扉でネジ止めされているので、右開きと左開きを交換可能になっています。
なおこの吸音素材はサイドパネルやトップカバーにも貼り付けられています。
PCケース足のインシュレーターは高級感のあるシルバー塗装で、底は滑り止めのゴムが付いています。
PCケースの底一面を覆う大型のダストフィルターもスライド式で簡単にケース前方から引き抜くことができます。ケース外側にフィルターが付いているのでケース底面にファンを搭載するなら吸気で使うのがおすすめです。簡易水冷では水路内エアの関係でラジエータ―の底置きは推奨できませんが、本格水冷なら底面に大型ラジエーターを搭載するのもいいですね。
今回レビューサンプルとして送られてきたものはアクリルウインドウありのモデルだったので、左側のサイドパネルに大型アクリルウィンドウが搭載されており、ケース内部が一望できます。また後程紹介しますがオプションでLEDイルミネーションも搭載されているのでPCケース内をカッコよくライトアップ可能です。
マザボ裏のサイドパネルはネジ止めだけで固定されていますが、マザボ側はネジ止めに加えてバネ仕掛けのツメでも固定可能です。ネジは使わずツメだけでも固定できるのでストレージの交換などで頻繁にケース内部にアクセスするなら非常に便利です。
ケーストップのフロント側にはUSB端子、ヘッドホン・マイク端子、電源スイッチなどがあります。USB端子は2.0と3.0が2端子ずつ設置されています。電源ボタンはPCの電源が入ると青色LEDが点灯します。
ケーストップのファンホールにはサイコム限定の特製ダストフィルターが搭載されています。トップにラジを搭載している「Define R5」ユーザーなら単品で売ってほしい人も多いのではないでしょうか。ダストフィルターは厚さ2mmくらいの金属製で裏側にはマグネットが四辺に貼られているので、スチール製のケース本体シャーシにくっつきます。マグネット固定なのでフィルターのクリーニングも容易です。
デフォルトのカバーを外しただけの状態よりも格段に外見がカッコよくなるので、これ目当てに「Define R5」を使った初めての自作PC代わりに、サイコムのBTO PCを買うのもありだと思います。
最後にケースではなくマザボのバックパネルIOと電源ユニットになります。電源ユニットはハードウェアスイッチが付いているのでパーツ換装時も安心です。バックパネルIOはカスタマイズ選択するマザーボードにもよりますが、標準採用されるASRock Fatal1ty X370 Gaming K4では6基USB3.0に加えて最新規格のUSB3.1もType-AとType-Cの2つが搭載され高速外付けストレージが利用可能です。
ケース外観のチェックで「Fractal Design Define R5」についていろいろ確認しましたが、パネルは厚手でペラペラしておらず、シャーシもガタガタした感じは全くないので工作精度は非常に高いと感じました。
G-Master Hydro X370Aのケース名部構造
続いてPCケースの内側をチェックしていきます。写真のように各種ケーブル類もケーブルタイや裏配線を使って綺麗にマネジメントされています。配線がてきとうな管理人の自作PCとは配線の綺麗さが雲泥の差です。
G-Master Hydro X370Aのレビュー用サンプルに採用されているマザーボード「ASRock Fatal1ty X370 Gaming K4」はゲーミングマザーボードらしいブラック&レッドのカラーリングになっています。
同マザーボードには重量級グラフィックボードの負荷に耐えるためPCI-Ex16には16年から流行り始めた補強メタルアーマーが搭載されてています。ハイエンドグラボは1Kgを超えるものも少なくないのでメタルアーマー搭載のマザーボードはハイエンドグラボユーザーにとってかなり安心感があります。GTX 10XXシリーズ用の高帯域SLI HBブリッジが付属するので、グラフィックボードの増設でマルチGPU環境の構築も可能です。
マザボ裏側のケーブルも裏配線だからといって手を抜かず綺麗にケーブルマネジメントされていました。マザーボードトレイにはCPUクーラー固定用バックプレート部分のホールも十分に広くとってあるのでバックプレート型のCPUクーラーもマザーボードをPCケースに装着したままで交換可能です。
CPU周りも簡易水冷クーラー採用なのでハインエンド空冷クーラーに比べてCPU周りのスペースにかなり余裕があります。今回のサンプル機ではヒートシンクなしのメモリが使われていますが、大型ヒートシンクを搭載したOCメモリでもクーラーとの干渉を気にしなくていいのも簡易水冷クーラーの利点の一つです。
CPU水冷ヘッドのポンプケーブルはマザーボード右上にある水冷ポンプ用ファン端子に接続されています。
トップフロントにはCPUクーラーのラジエーターとファン、トップリアにはケースフロントに搭載されていたものと同じ「Dynamic GP14」がそれぞれ排気で設置されています。またケースリアファン部分にはグラボ用のラジエーターとファンがこれも排気で設置されていました。
ラジエーターの冷却ファンはCPU用には「Enermax UCTB12P (PWM、500~1500RPM)」、GPU用には「Enermax UCTB12 (3PIN、900RPM固定)」が搭載されています。
CPUソケットには8コア16スレッドRyzen 7 CPUの最上位モデルであるRyzen 7 1800Xが設置されており、メモリスロットには8GBのメモリが2枚装着されていました。
今回のサンプル機にはメモリヒートシンクが装着された「Crucial Ballistix Sprots LT Gray」というDDR4メモリが採用されていました。簡易水冷CPUクーラーは空冷クーラーと違ってCPUソケット周辺に直接風が当たりませんが、ヒートシンク付きメモリならメモリ自体の発熱についても安心です。
8段のストレージマウンタのラック部分はいずれもツールレスで着脱可能なのでHDDやSSDの増設も簡単です。ストレージのSATAやSATA電源のコネクタはマザボ裏側に向くのでPCケース裏側からケーブルコネクタへのアクセスも容易で表から配線が隠れてスッキリします。
2段の5インチドライブベイ、上側5段と下側3段のストレージマウンタはいずれも手回しネジ(ハンドスクリュー)等でネジ止め固定されており取り外しも可能な構造のため、将来的に本格水冷を導入する場合はこれらを外してポンプやリザーバーの設置スペースを確保できます。
本格水冷導入でストレージマウンタを外した場合もマザボ裏側には2.5インチドライブマウンタがあるのでストレージの設置に困ることはないと思います。(本格水冷化についてはBTO PCのレビューからは話が逸れるのでこの辺りにして、最後のおまけで簡単に紹介します。)
電源ユニットにはデフォルト構成のSilverStone Strider(型番:Gold S SST-ST75F-GS V2、電源容量750W、Gold認証)が搭載されていました。電源ユニットの周りも裏配線ホールを有効活用されてケーブルマネジメントも綺麗にまとまっています。
プラグインコネクタについてはPCI-E 8(6+2)PIN*2用の青色8PINコネクタ1つとSATA用の黒色6PINコネクタ1つに空きがありました。これらのコネクタに装着するためのプラグインケーブルは上で紹介したようにマニュアル類と同封されているので増設可能です。
なおGTX 1080 Tiのシングルであれば標準搭載の電源ユニットで問題ありませんが、GTX 1080 TiやGTX 1080でマルチGPUのSLI環境を構築する場合、RyzenCPUと組み合わせると消費電力は800Wを超える可能性があります。もしも将来的にSLI環境の構築を検討している場合は電源容量が1000W以上の電源へアップグレードすることをおすすめします。上位の電源ユニットとしては「CoolerMaster V1200」や「Corsair HX1200i」などがおすすめです。
標準搭載マザーボード「ASRock Fatal1ty X370 Gaming K4」のストレージコネクタとしてはSATAコネクタが6基と次世代NVMe規格に対応したM.2スロットが2基搭載されています。
データストレージのHDDと光学ドライブで2基のSATA端子がすでに使用されており増設可能なSATAには4基の空きがあります。M.2スロットについてはPCI-Ex4帯域対応したスロットはシステムストレージに使用されており、下写真の緑線で囲った空きのM.2スロットにはSATA接続もしくはPCI-E2.0x4帯域でNVMe接続のM.2 SSDが使用可能です。
システムストレージには最上段PCI-Ex16スロットの直上に設置されたM.2スロットに「intel 600p Series NVME M.2 SSD 512GB SSDPEKKW512G7X1」というシーケンシャルリード1800MB/sの高速SSDが搭載されています。同SSDにはサーマルスロットリングによるアクセス速度低下の発生を緩和することが可能なM.2 SSD用のサイコムオリジナルヒートシンクが装着されていました。
またASRock Fatal1ty X370 Gaming K4にはWifi・Bluetoothモジュール用のM-Key型M.2スロットも設置されていました。カード固定用ネジも付属するので対応する無線LANモジュールを別途購入することで、無線LAN機能を増設可能です。同マザーボードではありませんがのM-Key型M.2スロットを使用した無線LAN増設については過去に導入方法を記事にしているので参考にしてみてください。
管理人がPCケースをチェックする時の小姑窓さっし的な項目、PCI-Eスロットの固定ネジとシャーシの干渉についてですが、固定ネジ直情のシャーシはカットされており、ネジにシャーシが被っておらずしっかりとクリアランスが確保されています。これならドライバーでネジ止めも簡単です。
サイコム独自の取り組みとして、水平方向の滑落や垂直方向のグラボの垂れ下がりを防止するためのグラフィックボードプロテクターも標準装備されています。サイコムのハイエンドグラボユーザーへの配慮が伺えます。
最初に書いた通り、「G-Master Hydro X370A」のケース内部は裏配線スペースも活用されており、各種ケーブルマネジメントも工夫され綺麗にまとまっていました。各種パーツも自作PC向けの高品質なものが採用されておりこだわりの強い自作er目線からみても非常に完成度の高いBTO PCです。
Define R5搭載ファンコントロール機能
G-Master HydroにはCPUラジエーター用のファン、GPUラジエーター用のファン、フロント吸気ファン、トップ排気ファンの4つのケースファンがデフォルトで搭載されています。このうちCPUラジエーター用のファンはマザボ上のCPUファン端子にPWMで接続されており、GPUラジエーター用のファンはグラボ基板上から伸びるファンコネクタに繋がれています。フロントとトップに設置された残る2つのケースファンはDefine R5のPCケースに搭載されているファンコンから給電およびファン回転数の操作がされる構成になっています。
ケース搭載のファンコン機能については公式マニュアルでわかり易く図説されています。電源ユニットのSATA電源から電力供給されて、3つの3PINファンコネクタに分岐し、全てケースフロントの3段階ファンコンスイッチで速度調整できます。
ファンコンは単純な電圧制御だと思うので、定格ファン回転速度の100%、80%、60%の回転数になるよう調整されるはずです。「Dynamic GP14」は定格1000RPMなのでファンコン機能を使うことで600~1000RPMの回転数で調整が可能になっています。(詳しい仕様は調べても見つからなかったのですが電圧制御なので安定動作のためせいぜい下限は60~70%だと思います。)
ファンコネクタは3PINタイプなので4PINファンを接続したい場合は3PIN-4PINファン変換ケーブルが必要になります。(PWM機能は使えません) SATA電源やファンケーブルは全て裏配線で他のケーブルと一緒に綺麗にまとめられていました。
リモコン操作可能なLEDイルミネーション
G-Master Hydro X370Aで採用されるPCケース「Fractal Design Define R5」にはカスタマイズ項目としてカラーバリエーションの黒or白に加えて、静音重視でサイドパネルに吸音素材が張られたソリッドパネル版と、ケース内部を一望できるアクリルウィンドウ搭載版の各組合せで計4種から選択できます。このうちアクリルウィンドウのカスタマイズを選択した場合、ケースオプションとしてLEDイルミネーションが利用可能になります。LEDイルミネーションは次のようにリモコンを使って発光カラーや発光パターンを自由に変更できます。
LEDイルミネーションの電源・操作ユニットはPCケース内の3.5インチストレージマウンタの側面にマジックテープで固定されていました。ちなみにこのLEDイルミユニットは海渡電子というLEDパーツメーカーの商品で一般販売もされています。
リモコンからはLEDの点灯&消灯、輝度の調整、発光カラー16種類、静止点灯以外の4種の発光パターンが選択可能になっています。
LEDイルミネーションの操作ユニットの赤外線受光部は電源ユニットのプラグインケーブル付近にケーブルタイで固定されており、アクリルウィンドウ越しにここを狙うようにしてスイッチを押すとスムーズにLEDの調整ができます。
RGB LEDテープはPCケース底面の手前とアクリルウィンドウサイドパネルの上部に2本設置されています。
サイドパネルに設置されたLEDテープについてはサイドパネル開閉時に簡単にコネクタを着脱できるようになっています。LEDテープのコネクタには極性があるので、矢印マークが一致するように接続してください。
リモコンからの簡単操作で発光カラーや発光パターンをその日の気分で変えられて、ケース内部を魅せる機能としては飽きにくい万能性があります。カスタマイズ価格も4000円以下ですし、迷ったらとりあえず追加しておいても損はない機能だと思いました。
【余談】
G-Master Hydro X370Aの標準マザーボード「Fatal1ty X370 Gaming K4」やカスタマイズ項目である「ASUS PRIME X370-PRO」「MSI X370 GAMING PRO CARBON」などはいずれも上記LEDイルミネーションに採用されている汎用4PIN LEDヘッダーに対応したLEDイルミネーション操作機能を備えています。
これらのマザーボード機能を利用する形ならば、マザーボード備え付けのLEDイルミネーションとLEDテープのイルミネーションを同期操作することも可能になるのでこちらの機能を活用して欲しいと感じました。
「Fatal1ty X370 Gaming K4」ではマザーボード右端中央と右下に計3基の汎用RGB LED 4PNヘッダーが実装されており、変換・延長ケーブル(「延長ケーブル」「オス型アダプタ」「2分岐ケーブル」「3分岐ケーブル」など)を利用してLEDテープを接続することでマザーボードの専用アプリからLEDイルミネーションを調整可能です。
簡易水冷化GTX 1080 Tiについて
サイコムはBTO PCメーカーとしてグラフィックボードの簡易水冷化MODの先陣を切っています。PCIスロットというスペース制限を受ける空冷クーラーに比べて圧倒的な冷却性能と類い稀な静音性を発揮する簡易水冷化ハイエンドGPUを搭載している点は「G-Master Hydro X370A」の最大の見どころと言っても過言ではありません。そんなサイコムの工場で簡易水冷化されたGTX 1080 Tiをチェックしていきます。
今回お借りした「G-Master Hydro X370A」のサンプル機にはManliという国内では若干マイナーなグラフィックボードベンダー製のブロアーファンGPUクーラーを搭載した廉価モデルGTX 1080 TiをAsetek製簡易水冷クーラーで簡易水冷化が施されていました。
簡易水冷MODの元になるグラフィックボードが廉価モデルということでバックプレートが装着されていません。ATX配置ではグラフィックボード背面が上を向くので、放熱補助の役割を果たすサイコム印入りのアルミ製バックプレートが追加されるとさらに嬉しいのですが。
簡易水冷クーラーはGPUコアのみを冷やす構造になっているので、VRAMやVRM電源部分の冷却用にブロアーファンを使うハイブリッド構造になっています。
GTX 1070とGTX 1080の簡易水冷グラフィックボードにはビデオ出力にDVI-Dがありますが、GTX 1080 TiにはDVI-Dがありません。DVI-Dを使用したいユーザーはDisplayPortのビデオ出力変換ケーブルを別途購入する必要があるので注意してください。
ラジエーターは120mm四方、厚さは25mmと簡易水冷クーラーのものとしては一般的なサイズです。
気になっている人も多いと思いますが、ラジエーターファンについては、グラボ基板から分岐したケーブルが水冷チューブと同じくグラボ横の穴から出ており一般的な自作PC用の3PINファンコネクタで接続されています。より高回転で冷却性の高いファンやLED付きファンなどに自由に交換可能です。
ただしグラボ基板上のファンコネクタはPWMの4PINになっており、電圧制御によるファン速度の調整には対応しておらず、ラジエーターファン用の分岐延長ケーブルは電力用の2PINのみが伸びているためラジエーターファンはファンの定格回転速度で固定動作となります。速度調整はできないため12cmファンの場合1200~1400RPMを超えるとファンノイズが気になり始めると思うので換装の際は注意してください。
GPU用ラジエーターファンの回転数がPWM調整できない理由についてサイコムからは、『初心者のユーザーが誤ってBIOSを調整してファンを停止させる懸念があった為、安全策としてVGAラジエーターファンは常時100%で回る仕様となっております。』と説明されております。また上述の理由でラジエーターファンは一定速度で動作となるため、GPU基板上のタコメーター端子はラジエーターファンではなくGPU温度ソースのPWM調整となるブロアーファンの回転速度が参照される仕様になっています。
ケース内ではファンケーブルはグラボの下側を経由してPCIブラケットとPCIスロットの隙間を通ります。余ったケーブルはラジエーターとファンの後ろ側に収納されているのでケーブルは全く目立ちません。
GPU用のラジエーターに搭載されているのは「Enermax UCTB12 (定格900RPM)」というファンです。上で述べたようにラジエーターファンは速度調整ができないので900RPMの一定回転速度で動作しました。
簡易水冷化されたGTX 1080 Tiについて1点不満を上げるとすれば、グラフィックボード側面のチューブの出入り口がSLI端子の直下になっておりSLIブリッジと水冷チューブが干渉するので、同グラフィックボードをプライマリに据えてマルチGPU環境に増設不可能なところです。
過去にレビューを行った簡易水冷化GTX 1080ではチューブの出入り口が右寄りになっておりSLIブリッジも使用可能だったのでこの部分はできれば改良に期待したいです。
一応、簡易水冷化GTX 1080 TiをセカンダリGPUにすることでGTX 1080 Ti Founders Editionなどリファレンス基板採用のGTX 1080 Tiグラフィックボードと組み合わせてSLI環境の増設が可能でした。(グラフィックボード増設時は電源容量に注意してください。)
AMD Ryzen 7 1800XなどAMD Ryzen CPUについて
8コア16スレッドAMD Ryzen 7 1800Xなど「G-Master Hydro X370A」に搭載可能なAMD Ryzen CPUについて簡単にご紹介します。AMD Ryzen 7の最上位の「AMD Ryzen 7 1800X」と競合の「Intel i7 6900K」については、どちらもユーザーによるオーバークロックが可能なので単純な比較は難しいのですが、デフォルトクロックにおける性能を比較すると、動画のエンコードなどに影響するマルチスレッド性能では「AMD Ryzen 7 1800X」が僅差で勝利しており、PCゲーム性能に影響の大きいシングルスレッド性能でも最新のIntel CPUと伯仲する性能を発揮します。
またIntelのメインストリーム向け最上位となる「i7 7700K」と競合する「AMD Ryzen 7 1700」を比較すると、エンコード性能ではコア/スレッド数が倍の「AMD Ryzen 7 1700」が圧倒し、上位モデルの比較同様にシングルスレッド性能で伯仲するのでPCゲームにおいても同等のパフォーマンスが期待できます。
「AMD Ryzen」のすごさをまとめると、同コア/スレッド数(マルチスレッド性能)の競合CPUに対して価格は半額であり、AMD CPUの弱点であったシングルスレッド性能をIntelの最新CPU並みに引き上げたことで、コストパフォーマンスが2倍という価格破壊を引き起こしたことです。このコストパフォーマンスはCPU単体はもちろん、Ryzenを搭載するBTO PCの価格にも反映されています。
なおAMD Ryzen CPUの性能を最大限に発揮するためには、Windows OS上の電源プランで「高パフォーマンス」もしくは「AMD Ryzen Balanced」を選択する必要があるので注意してください。(当レビューの検証では「高パフォーマンス」を採用しています。)
「AMD Ryzen Balanced」はWindows OSに標準では搭載されておらず、同電源プランはAMD公式ページから4月20日に配布開始されたver17.10以降の最新のチップセットドライバーをダウンロードしてインストールすることで表示されます。
AMD公式ダウンロード:http://support.amd.com/ja-jp/download/chipset?os=Windows+10+-+64
「高パフォーマンス」設定では省電力機能が完全に無効化されてアイドル時でもコアクロックが高くなり消費電力も上がります。Windowsに標準搭載される「バランス」ではアイドル時にコアクロックが下がり消費電力を抑えることができますが一部の状況でパフォーマンスが下がるためRyzen環境に最適化された「AMD Ryzen Balanced」がAMD公式より配布されました。
ちなみにG-Master Hydro X370Aについてアイドル時の消費電力をチェックしてみたところ「高パフォーマンス」と「AMD Ryzen Balanced」の違いは7W程度でした。
バッテリー消費が気になるモバイル環境とは違ってデスクトップ環境であれば消費電力が若干増える以外は「高パフォーマンス」でも特に問題ないと思うので、個人的には総合的に性能が高い「高パフォーマンス」がおすすめです。
G-Master Hydro X370AのCPU・ストレージ性能
ここからは本題ともいえる簡易水冷GTX 1080 Ti&Ryzen 7 1800Xを搭載した「G-Master Hydro X370A」の性能をチェックしていきます。まずはAMD Ryzen CPUの最上位となる8コア16スレッドのRyzen 7 1800Xの性能をチェックします。
Ryzen環境ではメモリクロックも重要になってきますが、今回のレビュー用サンプルには「Crucial Ballistix Sprots LT Gray BLS2K8G4D240FSB」というメモリが採用されており動作周波数は2400MHzでした。
Ryzen 7 1800Xは全コアに同時に負荷がかかった場合、冷却が十分であれば最大で全コア同時3.7GHz動作となります。加えてXFRという冷却性能依存の自動OC機能があり、中程度の負荷時には8つのコアのうち1つが最大で4.1GHzで動作します。
CPU性能のベンチとしてよく使われるCinebenchではRyzen 7 1800Xのスコアは1602でした。ベンチマークスコア上ではIntelのメインストリーム向け最上位となるi7 7700Kよりも70%も高速となっています。今回の検証機材ではありませんが、i7 7700Kの競合として位置づけられる下位モデルのRyzen 7 1700も7700Kと同価格ながら7700Kを大きく上回るマルチスレッド性能を発揮します。
また再生時間8分でWQHD解像度、60FPSの容量4.7GBの動画でAviutl+x264を使ってエンコードを行いました。「G-Master Hydro X370A」搭載のRyzen 7 1800Xではエンコード時間は15分6秒でした。
Aviutl&x264による実用的なエンコードにおける、単位時間当たりのエンコード性能比較において、Ryzen 7 1800Xは流石に8コア16スレッドCPUということもありi7 7700Kを50%近く上回る結果となっています。
8コア16スレッドのRyzen 7 1800Xであれば動画編集などマルチスレッド性能が要求されるタスクでも快適に動作が可能であり、同スペックのIntel競合製品と比較して抜群のコストパフォーマンスを実現しています。
またRyzen 7 1800Xで同じ動画を使用して4周のエンコードを行った際のCPU温度、各コアの動作クロック、CPU全体の使用率の推移をグラフ化しました。CPU全体の使用率は基本的に90~100%にはりついていますが、CPU温度は最大68度で安定動作していました。この時のCPUラジエーターファンの回転数は1100RPM程度で非常に静かに動作しています。
エンコードテスト終盤にスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE」を使用してマザーボードのVRM電源部分の発熱についてもチェックしてみました。「G-Master Hydro X370A」に標準搭載されるマザーボード「ASRock Fatal1ty X370 Gaming K4」はVRM電源が12フェーズとRyzen対応AM4マザーボードの中でも多めに実装されているのでRyzen 7 1800Xのフルロード下でも負荷が上手く分散して、VRM電源周りに直接風の当たらない簡易水冷環境ながら70度半ばという良好な温度になっており安心して使用できます。
続いてゲーム性能を見る前にストレージの性能についてもチェックしておきます。
今回G-Master Hydro X370Aのサンプル機には連続リード1800MB/sの高速NVMe M.2 SSDである「Intel 600P」と一般的な3.5インチSATA HDDが搭載されていました。この2つについてストレージのベンチマークとしては定番のCrystalDiskMarkを行ったところ次のようなスコアになりました。
HDDはSSDに比べて連続リードだけでなくランダムリードも大幅に遅くなっているのが上のベンチマークスコアからもわかりますが、実際にPCゲームのThe Witcher3を使用してゲームのロード時間を比較してみました。
上の比較動画のようにHDDとSSDでは実際のPCゲームロード時間に倍近い差が出ています。HDDとSSDのロード時間の違いについてはゲームによっても変わってきますが、基本的にSSDのほうがPCゲームのロードは圧倒的に速いのでシステムストレージだけでなくPCゲームのインストール用ストレージにも必ずSSDを選択してください。容量単価の安いHDDについては動画ファイルなどの保存用ストレージとして使用するのがおすすめです。
システムストレージに使用されている「Intel 600P」は連続リード1800MB/sの高速NVMe規格に対応する反面、発熱が大きいことも知られていますが、内部構造で紹介したようにサイコムのBTO PCではカスタマイズ項目から「サイコムオリジナルM.2 SSDヒートシンク」が追加可能です。
同ヒートシンクの性能を測るべく負荷にはCrystalDiskMarkを使用して複数回ループさせてその間のSSD温度の推移をグラフ化しました。SSD温度はソフトウェア読みで最大66度となっており、リード・ライト共にサーマルストロットリングによる性能低下は発生していません。
ヒートシンクの表面温度をサーモグラフィで確認したところ60~70度程度になっており、SSDからヒートシンクへしっかりと熱が拡散しているのがわかります。
サイコムのBTO PCでNVMe M.2 SSDをシステムストレージに選択するのであれば、サーマルスロットリングの発生を緩和可能なオリジナルM.2 SSDヒートシンクの追加はおすすめだと思います。
G-Master Hydro X370Aのゲーム性能
G-Master Hydro X370A含めG-Master Hydroシリーズの最大のアピールポイントである簡易水冷グラフィックボードの中で17年最上位となるGTX 1080 Tiの簡易水冷グラフィックボードのゲーム性能をチェックしていきます。まずは先日公開されたばかりのFFXIV 紅蓮のリベレーターの新ベンチマークを試してみました。Ryzen 7 1800XとGTX 1080 Tiを搭載するG-Master Hydro X370Aであれば、国内でも人気の高いMMO RPG「FF14」を4K解像度の最高品質でも快適にプレイ可能です。
加えてGTX 10XXシリーズなどNVIDIA製GPUを搭載するグラフィックボードではプレイ動画撮影機能「Shadow Play」を使用可能です。同機能は動作が非常に軽快で、GTX 1080 TiとRyzen 7 1800Xを搭載するG-Master Hydro X370Aならゲーム中のパフォーマンスを95%以上維持したままで4K解像度のプレイ動画の録画が可能で、マルチスレッド性能に優れるRyzen 7 1800Xの性能を生かしてそのまま動画を編集できます。実際にFFXIV 紅蓮のリベレーターの新ベンチマークで4K解像度の動画を録画してみました。
G-Master Hydro X370Aを使用して最新の高画質PCゲーム各種についてベンチマーク測定を行いました。解像度はフルHD、WQHD、ウルトラワイドQHD(UWQHD, 3440*1440)の3種類について行っており、同一のグラフィック設定で同一のシーンについて平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったタイトルは、Assassin's Creed Syndicate(グラフィック設定)、Battlefield 1(最高設定プリセット、DX12)、The Division(グラフィック設定)、For Honor(超高設定プリセット)、Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)、Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)、Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)、Titanfall 2(グラフィック設定)、WatchDogs_2(最高設定プリセット)、The Witcher3(グラフィック設定)以上の10タイトルです。
GTX 10XXシリーズ最上位モデルとなる「GeForce GTX 1080 Ti」は昨年5月末にNew Kingとして鳴り物入りで登場したGTX 1080よりも30%程度高速です。昨年8月に前世代TITAN X Maxwellよりも50%以上高速というバケモノGPUとして登場したTITAN X Pascalを僅差で上回るという圧倒的な性能を誇っており、1200ドルのTITAN X Pascalに対して699ドルという圧倒的な安価さも兼ね備えたGTX 1080 Tiは究極のハイエンドグラフィックボードと言っても過言ではない製品です。
「G-Master Hydro X370A」では簡易水冷化グラフィックボードとして、同サンプル機に搭載されたGTX 1080 Ti以外にも下位モデルのGTX 1080やGTX 1070もカスタマイズから選択可能です。
2016~2017年に発売された最新の高画質PCゲームに関していうとGTX 1070はフルHD・最高画質で快適にプレイ可能な性能があり、フルHDの60FPSオーバーやWQHDに対応可能なGTX 1080、UWQHDや4Kに対応可能なGTX 1080 Tiのような住み分けになっています。この中でも最下位のGTX 1070でも十分に高性能ですが要求されるグラフィック性能はゲームごとにも異なるので自分がプレイしたいゲームや予算に合わせて3つのGPUから最適なものを選んでください。
Ryzen 7 1800XとGTX 1080 Tiの全力を引き出すデュアル簡易水冷クーラー
G-Master Hydro X370AはCPUとグラフィックボードに簡易水冷クーラーを採用したデュアル水冷仕様が最大の魅力なので、Ryzen 7 1800XのCPUクーラーにWraith Maxを採用し、空冷のGTX 1080 Ti Founders Editionを搭載した一般的なBTO PC環境を再現して比較対象としました。CPU性能についてG-Master Hydro X370AとRyzen 7 1800Xを搭載した一般的なBTO PCを動画エンコードによるストレステスト中のCPU温度やコアクロックについて比較してみました。
Ryzen 7 1800XなどRyzen CPUはCPU温度によるコアクロック制御が行われる仕様になっており、一般的な空冷環境ではCPU温度が75度(Tctlは95度)を上回らないように制御されています。そのためWraith Maxの空冷環境であってもCPU温度の上限が75度になっています。
Ryzen 7 1800Xは上で説明したように冷却環境が十分であれば全コア同時に3.7GHz動作となりますが、Ryzen 7 1800Xを搭載した一般的なBTO PCで採用されるWraith MaxをCPUクーラーとして搭載している場合、ファン回転数を2200RPMで回してもコアクロックが3.5GHzまで下がり、2500RPMまで上げても簡易水冷CPUクーラーを800RPMで緩く回している時のコアクロックと比べると安定性で劣ります。
一般的なBTO PCに採用されるCPUクーラーのWraith Maxでは熱ダレによってコアクロックに制限がかかるため最大性能を発揮できない状況が想定されますが、簡易水冷CPUクーラーを採用する「G-Master Hydro X370A」であれば静音性を維持したままでRyzen 7 1800Xのフルパワーを発揮させることが可能です。
続いて簡易水冷GPUクーラーを搭載するGTX 1080 Tiが一般的な空冷ブロアーファンを搭載するGTX 1080 Tiに対して冷却面でどれくらい有利なのかをチェックしていきます。
検証負荷としてはFireStrike Extreme ストレステスト、比較対象にはGTX 1080 Ti Founders Editionを使用しています。ストレステスト中のGPU温度とファン回転数を比較したところ次のようになりました。
空冷GTX 1080 TiではGPU温度が84度まで達しているのに対し、簡易水冷化されたGTX 1080 Tiは60度台に収まっています。ファン回転数も空冷が2400RPMに対して、ほぼ無音の900RPMのラジエーターファンと1600RPM程度のブロアーファンなので簡易水冷のほうが静音で動作しています。
簡易水冷化GTX 1080 Tiは比較対象のGTX 1080 Ti Founders EditionとGPUスペック上は同じコアクロックになっていますですが、ストレステスト中のGPU温度が低い値を維持しているのでコアクロックも安定しており、空冷が平均1600MHz程度まで下がっている一方で、簡易水冷GTX 1080 Tiは平均1800MHzを維持しています。
Fire Strike Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせて実用の冷却性能を確認してみました。PCケースに入れて長時間負荷をかけても最大温度は64度で、コアロックの平均値は1796MHzでした。
1時間のストレステスト終盤にスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE」を使用してゲーム負荷時のグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
GTX 10XXシリーズの上位モデルではVRM電源部分の温度がかなり高くなりがちですが、簡易水冷化されたGTX 1080 TiのVRM電源部分は70度前後と良好な数字になっています。
また実働ストレステスト中の0分, 10分, 20分…について30秒間の平均FPSの推移をチェックしました。簡易水冷CPUクーラーを搭載するG-Master Hydro X370Aでは長時間負荷の後半も熱ダレによる性能低下は少なく、空冷環境よりも高いパフォーマンスが発揮できました。
G-Master Hydro X370Aの静音性・消費電力
簡易水冷GTX 1080 Ti&Ryzen 7 1800X搭載を搭載する「G-Master Hydro X370A」の静音性についてですが、ケースファンとラジエーターファンはいずれも1000RPM以下で動作しており、ファンノイズが耳障りということはまずないと思います。- CPUラジエーターファン: 定格1500RPMのPWMファンでCPUが70度でも1100RPM程度
(注:マザーボードのファンコンによって1500RPM以下の範囲で若干変化) - GPUラジエーターファン: 定格900RPMのファンで900RPMの一定速度で動作
- ケースファン: ファンコンスイッチで600~1000RPMで手動操作可能
サウンドレベルメーターを使用して実際にで騒音値を測定し比較を行いました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも不快に感じたり感じなかったりと音の性質にもよるので注意してください。
デュアル水冷化された「G-Master Hydro X370A」ではエンコードなどのCPU負荷時やゲーム負荷時においてノイズレベルは40dB以下なのでかすかにファンの動作音が聞こえる程度となっています。Ryzen 7 1800XとGTX 1080 Tiを搭載する空冷環境の一般的なBTO PCより高い静音性を発揮しています。
またファンノイズのボトルネックともいえるグラフィックボード上のブロアーファンの回転数をMSI AfterBurnerというチューニングソフトを使用して操作してみました。
定格ではGPU温度の上昇に合わせてブロアーファンが1800RPM程度まで上昇しますが、GPUコアは簡易水冷CPUクーラーによって冷却されており、ブロアーファンの役割はグラフィックボード基板上のVRAMチップとVRM電部分の冷却なので回転数を落としても問題ないのではないか?と思った次第です。
実際に定格の1800RPMに加えて1500RPM、1200RPMに回転数を下げ、Fire Strike Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせてGPUコア温度、VRM電源部分温度(サーモグラフィ読み)、ファンノイズの3種類を比較してみたところ次のようになりました。
ブロアーファンの回転数を下げるとGPUコア温度とVRM電源温度は上がりますが、同時にシステム全体のファンノイズが下がります。GPUコア温度とVRM電源温度の上昇も許容範囲内だと思いますし、静音性を上げる手段としてブロアーファンの手動制御というのは結構有効なのではないかと感じました。
「G-Master Hydro X370A」の消費電力を測定しました。測定機器にはスマホ接続できるワットチェッカーをつかって検証システム全体の電力(変換損含む)をチェックしています。
測定における電源負荷としては「動画のエンコード」と「FireStrike Extreme ストレステスト」を使用しています。簡易水冷GTX 1080 TiとRyzen 7 1800X搭載の「G-Master Hydro X370A」で動画エンコードなどでCPUに大幅な負荷のかかるシーンにおける消費電力は200W程度、ゲーム負荷時の消費電力は350W程度となりました。
いずれも標準搭載される電源ユニットの電源容量750W内に収まっており長時間の高負荷が続いても安定動作が見込めます。FireStrike Extreme ストレステストよりもCPU負荷のより重いゲームであって+50~100Wを想定しておけばいいので、「G-Master Hydro X370A」にデフォルトで搭載される750W電源であれば余裕で対応可能です。
G-Master Hydro X370Aのレビューまとめ
最後にRyzen 7 1800Xと簡易水冷GTX 1080 Ti搭載のBTO PC「サイコム G-Master Hydro X370A」の実機サンプルを検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- とにかく簡易水冷GTX 1080 Tiは空冷よりも抜群に冷える
- GTX 1080 TiはシングルGPU最強性能なので最新PCゲームで最も快適なプレイ環境を実現
- GTX 1080やGTX 1070などコスパの高いハイエンドGPUの簡易水冷グラボも選択可能
- CPUクーラーも簡易水冷なのでRyzen 7 1800Xがフルパワーで安定動作可能
- Ryzen 7 CPUは8コア16スレッド環境としてはIntel環境よりも2倍以上のコストパフォーマンスを実現
- 同スペックの一般的な空冷PCよりも高い静音性を発揮
- PCケースのDefine R5はメンテナンス性や拡張性などユーザービリティーに優れている
- サイコムオリジナルのDefine R5用トップパネルダストフィルターが付いてくる
- カスタマイズ項目のリモコン付きLEDイルミネーションがオシャレでカッコいい
- Ryzen環境は発売して間もなく発展途上なのでトラブル遭遇の可能性も。
- Ryzen環境はPCゲームの100FPS以上ではIntel環境に比べてCPUボトルネックが発生する(17年5月)
- 簡易水冷化GTX 1080 Tiの水冷チューブ出入り口がSLI端子の位置と被っている
- 管理人の趣味的にはラジエーターファンは吸気がおすすめ (自分で簡単に変更可能)
- 空冷採用の同社or他社BTO PCに比べて値が張る
8コア16スレッドのRyzen 7 1800Xと17年最速GPUであるGPU 1080 Tiの両方を簡易水冷CPUクーラーで冷却するデュアル水冷システムが「G-Master Hydro X370A」最大の魅力です。同スペックの一般的な空冷BTO PCと比較して「G-Master Hydro X370A」はCPUやGPUの温度が低くパフォーマンスが高い位置で安定することはもちろん、静音性の面でもデュアル水冷は大きなメリットがあります。
実機を触ってみた一番正直な感想としては「G-Master Hydro X370A」は所謂BTO PCというよりも、非常に完成度の高い自作PCが出来上がった状態で手に入ると考えるほうが近い気がしました。グラボのアップグレードやCPU&マザボの交換を行っても流用の効くパーツばかりなのでゼロからの自作PCはハードルが高いという人はまずこのBTO PCから参入しても良いと思います。
気づけばメイン機に車が買えるくらい投資していた管理人からしても「G-Master Hydro X370A」は基本的に非の打ちどころがなく、同スペックの同社or他社の空冷グラボ搭載BTO PCに比べて2~4万円程高くなりますが予算が許すのであれば、「G-Master Hydro X370A」は文句なしにおすすめのBTO PCです。
以上、Ryzen 7 1800X&簡易水冷GTX 1080 Ti搭載BTO PC「G-Master Hydro X370A」のレビューでした。
サイコム G-Master Hydro X470A
おまけ1:サイコム G-Master Hydroシリーズの選び方
今回レビューしたG-Master Hydro X470AなどCPUとGPUのデュアル水冷を採用するG-Master Hydroシリーズには「Intel CoffeeLake-S CPU&Z370チップセット」「Intel Skylake-X CPU&X299チップセット」「AMD Ryzen 7/5 CPU&X470チップセット」の3つのプラットフォームごとにモデルがリリースされています。CPUとマザーボードの組み合わせ別で簡単にまとめると次のような違いがあります。
Intel KabyLake Core i7 7700K |
Intel Core i9 7980XE~7900X |
AMD Ryzen 7 2700X~2700 |
|
PCゲーム | コアクロックが高くシングルスレッド性能が高いので、100FPSオーバーでも安定しやすい。 PCゲーム用CPUとしては鉄板 |
コアクロックは7700Kに比べると低いのでPCゲーム利用の場合は手動OCしたいところ。 GTX 1080 TiのSLIなどで高解像度100FPSオーバーを狙う時に真価を発揮 |
一般的なPCゲーム環境の60FPSターゲットであればフルHDから4Kまで問題なし。 100FPSオーバーを狙う場合はIntel環境にやや劣る |
マルチ スレッド 性能 |
6コア12スレッドなので動画編集もそこそここなせる | 8~18コアでマルチスレッド性能も高いので4K動画編集なども余裕 | |
価格 | 40000円程度とハイエンドPCゲーム向きCPUとしては安価 | 同コアのRyzen環境に比べてかなり高価 | コア数・マルチスレッド性能から考えると非常にコスパが高い |
BTO PC | G-Master Hydro Z370 G-Master Hydro Z270 Mini G-Master Hydro Z270 ITX |
G-Master Hydro-X299 | G-Master Hydro X470A |
簡易水冷GTX 1080 Ti搭載のBTO PCでマルチスレッドCPU性能をそこまで求めずPCゲーム特化でリーズナブルなメインストリームCPUを狙うならi7 7700Kが選択可能な「G-Master Hydro Z370」がおすすめです。
価格的には非常に高価ななので、マルチスレッド性能のコストパフォーマンスではAMD Ryzen環境に劣りますが、多コアのマルチスレッド性能とGTX 1080 Tiなどハイエンドグラフィックボードを搭載し高解像度・ハイフレームレートのゲーム性能を両立するなら「G-Master Hydro-X299」もおすすめです。
おまけ2:Ryzen&GTX 1080 Ti搭載BTO PCのカスタマイズ指南
AMD Ryzen CPUとGTX 1080 Tiを搭載するBTO PCの最適なカスタマイズ方法について簡単に解説しておきます。- CPUについては17年最速GPUであるGTX 1080 Tiを搭載するならRyzen 7最上位のRyzen 7 1800Xを選ぶのがおすすめです。メーカー保証外ですが自己責任でOCするなら同じく8コア16スレッドモデルでデフォルトでコアクロックが低く安価なRyzen 7 1700でもいいと思います。
- システムメモリはゲーム用途なら16GBあれば十分です。Ryzen環境は17年4月現在メモリの相性問題が厳しいので8GBメモリを2枚の構成がおすすめです。
- 電源容量は700W以上もあれば問題ありません。変換効率もGoldでいいと思います。
- システムストレージ(WindowsOSをインストールするストレージ)は必ずHDDではなくSSDを選んでください。HDDよりもGB単価は上がりますが実際に体感できるレベルでSSDのほうがキビキビ動きます。Windows10をインストールするシステムドライブのサイズは240GB以上であればOKです。
PCゲーム用ストレージはシステムとは別に用意するほうが後々便利、HDDではなくSSD推奨です。ゲーム用は可能なら960GB、少なくても480GBが望ましいです。
- マザーボードは「X370」とか「B350」とかチップセット名だけでなく「ASRock Fatal1ty X370 Gaming K4」のように市販のマザーボード名が記載されているor市販マザボを選択できるBTOが推奨です。市販のマザボであれば専用のマニュアルも存在しますし、何かトラブルがあってもググって解決法を見つけるのが容易になります。マザボメーカーは日本語マニュアルが一番しっかりしているのでASUS製のものを選ぶのが鉄板です。MSIやASRockも次いで定評があります。
おまけ3:簡易水冷は排気よりも吸気のほうが冷える
水冷、特に簡易水冷クーラーを使用する上でよくある間違いに「吸気よりも排気のほうが冷える」「吸気にするとケース内部の温度が上がってパーツが壊れる」というものがあります。端的にいって「冷える排気」は存在しますが、「吸気よりも冷える排気」というものはまず存在しませんし、吸気にすることでパーツが壊れることはほぼありえません。
特に後者については内排気グラフィックボードの存在を全否定するような話です。
予め補足をしておくと吸気と排気でパフォーマンスに若干の差があることに関してはサイコム側も確認済みです。「製造後の検証行程でファンの動作チェックが容易であるというサイコム側の都合」や「お客様自身でファンの回転を視覚的に確認したいという要望」等を反映して「G-Master Hydro X370A」等のG-Master Hydroシリーズではラジエーターのファンはプッシュ排気で構成しているとのことです。
かなりざっくりとですが理論的な(といっても中学・高校物理のお話です)説明はこちらの記事をお読みいただくとして、実際に「G-Master Hydro Z170」を使ってラジの吸気と排気どっちが冷えるのか、加えてGTX 1080のリファレンス空冷クーラーに対して簡易水冷がどれくらい冷えるのかを比べてみます。
とりあえず今回はCPU用のラジエーターファンには手を加えず、GPU用のラジエーターファンを吸気(プッシュ)に変えてデフォルトの状態と比べてどうなるのか検証してみました。
換装は非常に簡単です。デフォルトの状態では、
短いネジ ー ケース ー ラジ ー ファン ー 長いネジ
のように固定されているので
長いネジ ー ケース ー ファン ー ラジ
のように固定し直すだけで完了です。
ラジ&ファンの構成をプッシュ吸気に変更するとこんな感じになります。
吸気・排気別の温度の測定方法についてはアイドル状態で10分以上放置してから、3DMark FireStrike Extremeのストレステストで10分間ほど負荷を掛けてAfterBurnerやHWinfoでその間の各種ログをとりました。
グラボラジの排気、グラボラジの吸気、Founders Edition(FE)の温度推移は次のようになりました。グラフを見ての通り吸気ではコア温度が最大56度で推移しているのに対して、排気では最大60度で推移しており、吸気のほうが排気よりも4度程度の冷えるという結果になっています。またアイドル時についても同様に3~4度の温度差が発生していました。加えて同条件でリファレンス外排気空冷クーラーのFounders Editionが80度まで温度が上がることを考えれば冒頭で述べたように”「冷える排気」は存在しますが「吸気よりも冷える排気」というものはまず存在しない”という一例が確認できたと思います。
ラジエーターファンは900RPMという非常にゆっくりした速度で回転し続けていますが、それでも簡易水冷クーラーであればGTX 1080を余裕で冷やせています。50~60度で運用しようとすればベンダーオリジナルクーラー採用のモデルでも1500RPM以上のファン回転速度が必要になってくるのを考えると静音性もかなり優秀であることがわかります。
続いて各構成におけるストレステスト終盤のフレームレートの推移グラフと、ストレステスト全体での平均FPSは次のグラフのようになりました。コア温度差に比例する形で吸気では排気よりも若干FPSか高くなっており、空冷のFE比では簡易水冷は2~3FPSは性能が高くなっています。
また吸気にするとケース内部の温度が上がりその他パーツが壊れるという迷信についても検証を行いました。HWinfoでCPU温度、M/B温度、SSD(システムストレージ)温度のログをチェックしストレステスト中の最大温度を各構成で比較しました。グラフを見ての通り結論を端的に述べるならせいぜい5度以下の差しかないので吸気でも排気でもそれらの違いが原因でパーツが壊れるということはまずありえません。
まずCPU温度については「吸気>FE>排気」の順に高くなっています。グラボ吸気よりもグラボ排気のほうが排気を採用しているCPUで温度が下がるのは妥当な結果だと思います。FEは外排気クーラーなので吸気よりも冷えるものの、80度の熱源がケース内にあるためGPU排気よりもCPU温度が高くなっているようです。
続いてマザーボードの温度は「FE>排気>吸気」の順に高くなっています。これについてはグラボがPCIスロット経由で物理的に繋がっているので、単純にGPU温度に比例する形になっているのだと思います。
最後にケースフロントに置かれているSSDについてはほぼ横並びになりました。
結論をまとめますと、いずれの構成でも温度差は大したことはなく吸気にしたからといってその他のパーツが壊れるということは100%ありません。また今回の検証ではGPUを吸気にするとCPU温度が上がってしまい一見ダメなように思えますが、これはGPU吸気に対してCPUが排気になっているからです。CPUも吸気にして残りのケースファン2個を排気構成にすれば吸気と排気が釣り合うので全く問題ありません。
ということでユーザーの手で簡単に変更可能なので簡易水冷ラジエーターは吸気がおすすめです。
おまけ4:Define R5ならオシャレな本格水冷もできる
将来的には本格水冷に挑戦したい!という方にも前例が大量にあります。ラジエータの積載可能なサイズ一覧も公式が紹介しているのでわかりやすいのもいいです。本格水冷について知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
・自作PCに本格水冷を導入するための基本と予備知識
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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どのくらいの期間を目安にメンテナンスすれば良いのでしょうか。
外してお店に持っていけば良いんですよね?