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Intelの最新エンスー向けCPU Skylake-Xとして17年7月に投入された10コア20スレッド「Core i9 7900X」、8コア16スレッド「Core i7 7820X」、6コア12スレッド「Core i7 7800X」を搭載するBTO PCについて比較とおすすめ機種の紹介をします。
NVIDIA GTX 10XXシリーズやAMD RX 5XXシリーズなどの最新GPU(グラフィックボード)を備えた高性能ゲーミングPCがBTO PCメーカーから早速リリースされているので、Intel Skylake-X CPUを搭載するおすすめBTO PCについて詳しく紹介していきます。
Intel SkyLake-Xのラインナップとスペック | ||||||
コア数/ スレッド数 |
PCI-E レーン数 |
ベース クロック |
TB2 | TB3 | 価格 | |
Core i9 7980XE |
18C/36T | 44 | 2.6 GHz | 4.2 GHz | 4.4 GHz | 25万円 |
Core i9 7960X |
16C/32T | 44 | 2.8 GHz | 4.2 GHz | 4.4 GHz | 19万円 |
Core i9 7940X |
14C/28T | 44 | 3.1 GHz | 4.3 GHz | 4.4 GHz | 16万円 |
Core i9 7920X |
12C/24T | 44 | 2.9 GHz | 4.3 GHz | 4.4 GHz | 12万円 |
Core i9 7900X |
10C/20T | 44 | 3.3 GHz | 4.3 GHz | 4.5 GHz | 12万円 |
Core i7 7820X |
8C/16T | 28 | 3.6 GHz | 4.3 GHz | 4.5 GHz | 7万円 |
Core i7 7800X |
6C/12T | 28 | 3.5 GHz | 4.0 GHz | – | 5万円 |
【執筆:2017年8月1日、最終更新日時:2017年8月15日】
*Core i9 7920X~7980XE等上位モデル採用BTO PCについては後日更新予定です。
目次
1.CPUの性能についての基本知識
2.Intel Skylake-Xの特徴は?
3.Intel Skylake-X搭載BTO PCを選ぶべき理由は?
3-1.PCI-E帯域やCPU性能のボトルネックについて
3-2.CPUエンコードによるリアルタイム配信について
4.Skylake-Xに最適なグラフィックボードを選ぶ
5.BTO PC詳細スペックの賢い決め方
6.Skylake-X搭載BTO PCの各社ラインナップ
7.Skylake-X搭載BTO PCの価格比較
8.Skylake-Xを搭載するおすすめBTO PCまとめ
CPUの性能についての基本知識
Skylake-Xを搭載したBTO PCについて紹介する前に、最初にPCに関する基礎知識を説明します。CPUの性能はものすごく単純に考えれば「スレッド数×コアクロック」となります。
例えば1コアのCPUがあったとします。このCPUが1.0GHzで動くとき、Hzというのは1秒間に1回という単位なので、このCPUは1.0秒間に1×10の9乗回の計算ができます。2.0GHzであれば2.0×10の9乗回ですね。
2コアのCPUが1.0GHzで動くときも2.0×10の9乗回計算ができます。
今は単純に”CPUのコア”と呼んでいますが、1つのコアの中には様々な演算機が組み込まれています。例えば足し算専用の演算機と掛け算専用の演算機が1つのコアに組み込まれているとして、1秒間に1×10の9乗回の足し算をしろという仕事が与えられたら、1コア1GHzのCPUは1秒間でその仕事を終えますが、その1秒の間、コアの中にある掛け算用の演算機は止まったままでもったいないですよね。
なので個別に行える1×10の9乗回の足し算と1×10の9乗回の掛け算をしろ、と言われたときに1コアの中の足し算用の演算機と掛け算用の演算機を同時に動かしてCPUコアの中にあるリソースを有効活用しよう、というのが「マルチスレッディング」というCPUの機能になっています。
マルチスレッディングについてはIntel CPUでは「ハイパースレッディング(Hyper Threading)」、AMD CPUでは「サイマルテイニアス マルチスレッディング(Simultaneous multithreading)」と名付けられています。
物理的には1コアしかありませんが見かけ上は2コアで動作していると見なせるので、論理2コアなどとも呼び、2コア4スレッドとか4コア8スレッドと呼ばれます。
マルチスレッディングを行えない4コアCPUに比べて行うことのできる4コア8スレッドのCPUは理想的には同じ時間内に2倍の計算が可能です。マルチスレッディングが登場したての頃はプログラム側の対応が未熟だったので大した差はないとも言われていましたが、最近はプログラムも大分賢くなってきており、ハイパースレッディングの恩恵を受けられるシーンも増えています。
というわけで最初に書いたようにCPUの性能は「スレッド数×コアクロック」と考えればOKです。
Intel Skylake-Xの特徴は?
Intel Skylake-Xの長所はとしては、「従来の同コア数モデルと比較して大幅に安価になったこと」、「ターボブーストクロックがメインストリームCPU相当の4.0GHz以上に引き上げられたこと」の2つが挙げられます。Intel Core CPU簡易比較 | ||||
CPU名 | コア数 | スレッド数 | コアクロック | 価格 |
i9 7900X | 10 | 20 | 3.5~4.0GHz | 12万円 |
i7 6950X | 10 | 20 | 3.5GHz | 19万円 |
i7 7820X | 8 | 16 | 3.6~4.0GHz | 7.4万円 |
i7 6900K | 8 | 16 | 3.7GHz | 12万円 |
i7 7800X |
6 | 12 | 4.0GHz | 4.8万円 |
i7 6850K ~6800K |
6 | 12 | 3.6~3.8GHz | 7万円前後 |
i7 7700K ~7700 |
4 | 8 | 3.6~4.4GHz | 4万円前後 |
AMD Ryzen CPU簡易比較 | ||||
CPU名 | コア数 | スレッド数 | コアクロック | 価格 |
Ryzen 7 |
8 | 16 | 3.4~4.0GHz | 4~6万円 |
Ryzen 5 |
4 or 6 |
8 or 12 | 3.5~3.9GHz | 2.5万円前後 |
AMD Ryzen CPUの発売以前はデスクトップPC向けのミドル帯以上のCPUについてIntelのメインストリーム向けCPUであるi5やi7がほぼ独占状態でした。特に8コア16スレッドCPUについては2014年にi7 5960Xが発売されて以来、Intelの独壇場で12万円という非常に高額な状態が続いていました。
そんな中、17年2月末に発表されたAMD Ryzen CPUの上位モデル「Ryzen 7」はこれまで10万円を超えていた8コア16スレッドCPUでありながら、4.0~6.3万円という圧倒的な安さで市場を席巻しました。
そんなRyzen 7や今後発売予定のRyzen ThreadRipperに対抗するためにSkylake-X CPUがIntelより投入されたので、6コアのi7 7800Xから10コアのi9 7900Xまでいずれも同コア数の同社エンスー向けCPU旧モデルと比較すると大幅に価格が下がっているところがSkylake-Xの特徴の1つです。
電力設定次第で全コアにフル負荷がかかる場面での同時コアクロックは変動するものの、Skylake-X CPUではターボ―ブーストのコアクロックがRyzen CPUのコアクロックの限界に近い4.0GHz以上に設定されているところも注目ポイントです。Windowsの起動やPCゲームのプレイなど小さい負荷でCPUを使用する時でも、これまではメインストリームCPUに比べて低いターボブーストクロックに制限されていましたが、そういった場面でシングルスレッド性能を底上げして快適な動作を実現しています。またコアクロック当たりの性能で比較して従来のIntel CPUよりも性能が伸びています。
Intel Skylake-X搭載BTO PCを選ぶべき理由は?
上で簡単にIntel Skylake-X CPUの特徴を上げましたが、そのうちの1つ価格が安くなったことでIntel Skylake-X CPUを搭載したBTO PCは購入しやすくなりました。ではIntel Skylake-X CPUを搭載したBTO PCが予算面で現実的な選択肢に上ったとして、Skylake-X搭載BTO PCを選ぶべき理由は何があるかというと「6コア以上の多コア多スレッドCPUゆえにマルチスレッド性能が高いこと」、「CPU直結のPCI-EレーンがメインストリームCPUよりも多いこと」の2つが挙げられます。もう少し踏み込んで具体的にSkylake-X CPUが要求される実用的な用途を紹介すると、
- ハイエンドグラフィックボードを搭載するマルチGPU環境を構築する
- 動画編集やリアルタイム配信など純粋にマルチタスクなクリエイティブ作業を行う
前者のマルチGPU環境の構築については「PCI-Eレーン帯域に依存するボトルネック」と「CPUのマルチスレッド性能依存するボトルネック」の2つが影響してくるのでこれについて解説します。
また後者のクリエイティブ作業についてはCPUを使用したリアルタイムエンコードを行いたい場合について、CPUのコア数やマルチスレッド性能によってどのような差が生まれるのかを実際に検証してみたのでその結果を紹介します。
1.PCI-E帯域やCPU性能のボトルネックについて
Skylake-X搭載BTO PCを選ぶべき理由の1つとしてマルチGPU環境を構築する場合が挙げられます。具体的にはCPU直結PCI-Eレーン数と単純なCPUのマルチスレッド性能によるボトルネックから最新ハイエンドGPUのマルチ環境がフルパワーを発揮できない状態になるのを回避するためです。2017年現在、GTX 1080 Tiのようなグラフィック性能が非常に高いグラフィックボードをマルチGPUとして搭載するPCへの採用が推奨されるIntel CPUの候補は次の4つとなります。メインストリーム向けCPUのKabyLakeのi7 7700Kとエンスー向けCPUのSkylake-Xではマザーボード(チップセット)が異なるので各BTO PCメーカーのリリースしているBTO PCのモデルが完全に別になります。
ハイエンドGPUのマルチ環境と組み合わせるCPU | |||||
世代 | CPU | PCI-Eレーン数 | コア数/スレッド数 | コアクロック | マザーボード チップセット |
KabyLake | i7 7700K | 16 | 4コア8スレッド | 4.5GHz | Z270 |
Skylake-X | i7 7800X | 28 | 6コア12スレッド | 4.0GHz | X299 |
i7 7820K | 28 |
8コア16スレッド | 3.6~4.0GHz | ||
i9 7900X ~ i9 7980XE |
44 |
10コア20スレッド ~ 18コア36スレッド |
3.5~4.0GHz |
コア/スレッド数が増えるほどコアクロックが下がる傾向にあるのでシングルスレッド性能は下がりますが、4.0GHzを超えていればシングルスレッド性能による差は軽微なので簡単のために無視して、上の表では下に行くほどCPU性能と価格は高いものと考えてください。
CPUとマザーボードの組み合わせによる違いは「CPUの性能」と「PCI-Eレーン数」が挙げられます。
a.PCI-E帯域によるボトルネックについて
17年最新のメインストリームCPUであるIntel第7世代KabyLakeに対応したZ270マザーボードでマルチGPU環境を構築する場合、PCIレーン配分の都合で各GPUの接続帯域はフルレーンのPCI-E3.0x16ではなく、通常はPCI-E3.0x8になります。しかしPCI-E3.0x8接続であればこの帯域幅がボトルネックになることはほぼないのでPCI-E帯域によるボトルネックを理由にZ270マザーボードとX299マザーボードのBTO PCで悩む必要はありません。PCI-Eレーンに関する詳しい話はこちらの記事を参考にしてください。
b.CPU性能によるボトルネックについて
大半のPCゲームではCPU性能よりも先にGPU性能がボトルネックになりFPSが頭打ちになりますが、一部のゲームではCPUへの性能要求が高く、ハイエンドGPUを積んでもFPSが頭打ちになる場合があります。CPUボトルネックが発生しやすい(CPUに対する性能要求の高い)実ゲームとしてThe Witcher3を使いベンチマーク比較を行いました。「i5 6400とGTX 1080 シングル」、「i7 6700KとGTX1080 シングル」、「i7 6700KとGTX1080 SLI」、「i7 6950XとGTX 1080 SLI」にてついて平均FPSを比較したグラフは次のようになっています。
フルHDのFPS比較を見るとi5 6400、i7 6700K、i7 6950XのCPUボトルネックが綺麗に見えると思います。GTX1080のシングルならCPUは6700KでCPUボトルネックは発生せず問題ないと思いますが、SLI構成にすると高FPSではCPUがボトルネックになる可能性が高まります。
i7 7700K以上のCPUで発生するCPUボトルネックは解像度や画質設定を上げた場合ではなく、主に高リフレッシュレートモニターを使用していてフレームレートを上げようとする場合に顕著になります。
i7 7700Kを積んでいれば60Hzの高解像度モニタを使用する(60FPSターゲットの)場合はCPUボトルネックの発生を基本的に気にする必要はありません。
PG279QやPG348Q、PredatorX34のような高解像度かつ100~200Hzの高リフレッシュレートのゲーミング液晶モニタを使用する場合は、i7 7700Kを搭載したBTO PCよりも高額になるので予算と相談になると思いますが、6~10コアCPUのSkylake-X&X299マザーボードを採用したBTO PCを検討してもいいと思います。
2.CPUエンコードによるリアルタイム配信について
Skylake-X搭載BTO PCを選ぶべき理由のもう1つとして、動画編集や近年流行りのリアルタイム動画配信などマルチタスクを含むクリエイティブ作業において要求されるCPUのマルチスレッド性能を満たすためというものがあります。今回は最新高画質PCゲームのCPUエンコードによるリアルタイム動画配信についてCPU別に性能を検証してみたのでその結果をご紹介します。リアルタイム動画配信のソフトウェアとしてはフリーソフトでユーザー数も多い「Open Broadcaster Software (OBS)」を使用しました。検証に用いるPCゲームとして17年最新の高画質PCゲーム「Ghost Recon Wildlands」を選択しています。
CPUにはSkylake-Xから10コア20スレッド「Intel Core i9 7900X」を使用して、比較対象には4コア8スレッド「Intel Core i7 7700K」と8コア16スレッド「AMD Ryzen 7 1800X」の2つを使用しました。グラフィックボードにはGTX 1080 Tiを使用して、メモリ容量は32GBです。
OBSの出力設定は、CPUエンコードの代表格でもあるx264を使用して次のような設定としました。「Ghost Recon Wildlands」はフルHD解像度、非常に高いプリセットとして、60FPSのキャプチャ動画を録画しています。
各CPUによるリアルタイムエンコードの結果が次のようになっています。
4コア8スレッドの「Intel Core i7 7700K」はコマ落ちが酷すぎてお話になりませんが、10コア20スレッド「Intel Core i9 7900X」や8コア16スレッド「AMD Ryzen 7 1800X」であれば最新PCゲームのフルHD・高画質設定を快適な画質&フレームレートで配信することができます。
また上の動画を録画中の実際のゲーム内FPSの比較が次のようになっています。
先に補足しておくとAMD Ryzen CPUは高リフレッシュレートにおいてはIntel Core CPUに若干劣るものの、せいぜい10%程度の差に収まります。(参考) 「Ghost Recon Wildlands」においては平均で100FPS程出る状態でも数FPSしかRyzen 7 1800XとCore i7 7700Kの間には差が出ません。
OBSでリアルタイムCPUエンコードを行いながら実際にゲームをプレイしてみると、Intel Core i9 7900XやCore i7 7700Kに対して、AMD Ryzen 7 1800Xは大きくフレームレートを落とす結果となっています。あくまで一例ですが実際にリアルタイムエンコードで作製した動画の品質とプレイ中のフレームレートから考えるとこの用途で最も快適に動作できるCPUはIntl Core i9 7900Xということになります。
長らくIntel CPUがデスクトップ向けCPU界では主導的な立場にあったので、ソフトウェアの最適化という点では17年3月に発売したばかりのRyzen CPUはまだ追い付けていないという現状があり、組み合わせるソフトウェアによっては期待したパフォーマンスが発揮できない可能性もあります。
コストパフォーマンスではIntel Core CPU圧倒するAMD RyzenやRyzen ThreadRipperですが、クリエイティブ作業を積極的に行っているパワーユーザーがこういった足回りも含めてマルチスレッド性能を追求していくのであれば、多少値が張っても現時点がソフトウェアの最適化の期待値が高いIntel Skylake-X CPUを搭載したBTO PCを選ぶ価値はあると思います。
Skylake-Xに最適なグラフィックボードを選ぶ
今回の記事ではCPUについて先に説明を行いましたが、PCゲーム用のBTO PCを選択する時にまず最初に注目すべきは”グラフィックボード”です。グラフィックボードの選択でPCゲームの快適さが9割がた決まると言っても過言ではないくらい重要なパーツになっていますし、グラボを選択してからその他のパーツを選択するのがゲーム用BTO PCを選ぶ定石です。Skylake-Xは最新の高画質PCゲームにも余裕で対応可能な性能があるので、Skylake-X搭載PCには現行最新のNVIDIA GTX 10XXシリーズやAMD RADEON RX 5XXシリーズと組み合わせるのがおすすめです。
下の表は現行最新グラフィックボードの性能や予算についてGPU別BTO PCの早見表になっています。上位に上がるほど性能が高く、価格も高価になっています。PCゲーム向けBTO PCの選び方として一般にはGTX 1060~GTX 1080 Tiの4バリエーションからの選択をおすすめしていますが、エンスー向けCPUのSkylake-Xを組み合わせるとのであれば最低でもGTX 1080やRX Vega 64以上のグラフィックボードを選択したいところです。
NVIDIA | AMD | グラフィック | VR HMD | GPU価格 |
GTX 1080 Ti SLI <紹介記事> |
UWQHD・最高 4K |
推奨 | 20万円 |
|
GTX 1080 Ti <紹介記事> |
UWQHD・最高 4K |
推奨 | 10万円 |
|
GTX 1080 <紹介記事> |
RX Vega 64 |
WQHD・最高 UWQHD |
推奨 | 7万円 |
GTX 1070 <紹介記事> |
RX Vega 56 |
フルHD・最高 WQHD・高 |
推奨 | 4.5万円 |
GTX 1060 3/6GB <紹介記事> |
RX 580/570 4/8GB <紹介記事> |
フルHD・高 | 最低水準 | 3万円 |
GTX 1050 Ti GTX 1050 <紹介記事> |
RX 560 2/4GB |
FF14 E-Sports |
- |
2万円 |
ゲーム向けのBTO PCの選び方をものすごく簡単に説明すると上の早見表のようになっています。
ローエンドGPUのGTX 1050 TiやRX 460搭載BTO PCはOverWatchのようなE-Sports系ゲームやFF14のようなMMO RPGなど比較的軽量なPCゲームに対応可能です。ある種の最低水準なのであまり初心者向けの選択肢ではないように思います。
ちなみに一般に推奨している4バリエーション中では最下位になっているGTX 1060やRX 580・570について、性能が微妙なのか?というとそんなことは全くありません。例えば国内でも人気の根強いファイナルファンタジー14のベンチマークスコアはどちらもフルHDの最高品質で10000を超えており、比較表のグラフィック項目でも書いたように「フルHDの高画質設定」であれば最新の高画質PCゲームを快適に(平均60FPSで)プレイ可能になっています。
(左:GTX 1060、右RX 480。ドスパラのGALLERIA XTとGALLERIA XFRのレビューより)
さらにその他の有名な高画質PCゲーム各種のフルHD・高画質設定におけるベンチマーク結果がこちら。
ベンチマーク測定を行ったタイトルは、The Division(プリセット:高)、Grand Theft Auto V(グラフィック設定)、Assassin's Creed Syndicate(プリセット:高)、Mirrors Edge Catalyst(プリセット:最高)、The Witcher3(グラフィック設定)、Dark Souls III(最高設定)、Deus Ex: Mankind Divided(DX11、High設定、AAなし)、Rise of the Tomb Raider(高設定、FXAA、DX12)、BattleField1(最高設定、DX11)、TitanFall2(グラフィック設定)、Gears of War 4(最高設定)以上の11タイトルです。
NVIDIA GeForce GTX 1060やAMD RADEON RX 580/570搭載のBTO PCであれば最新の高画質PCゲームでもフルHD解像度、高画質設定で60FPSで安定してプレイ可能になっています。
NVIDIAかAMDのどちらのGPUを選べばいいかについてですが、上の表でいくと競合製品の比較ではNVIDIAのほうが既存のPCゲームの多くでは若干性能が高いのと、プレイ動画録画機能のShadowPlayの動作が軽くて非常に優秀です。国内シェアも高いため各社のラインナップも豊富で選択肢の幅が広いです。
AMDはまだ採用タイトルは少ないですが最新APIのDX12ゲームではNVIDIAよりも若干性能が高く、NVIDIAの競合GPU比で価格もやや安くなっています。またNVIDIA Shadow Playと遜色ない軽量さのプレイ動画録画機能「AMD ReLive」や動画の倍速補完機能「AMD Fluid Motion」(紹介記事)があるのでマルチメディアに楽しむユーザーにはおすすめかもしれません。
BTO PC詳細スペックの賢い決め方
続いてグラフィックボード以外の構成パーツの選び方を紹介していきます。一口に○○グラフィックボード搭載BTO PC(BTO パソコン)と言ってもCPUやストレージなど多くの構成パーツにはBTO PCメーカー各社で違いがあり、それが各BTO PCの価格の違いに直結しています。
そのためググった時によく出てくる”BTO PCの価格比較”をうたうもので、各メーカーのデフォルト価格を載せているだけのサイトはほぼ当てになりません。
(全部とは言いませんが、BTO PCでカスタマイズしないユーザー以外にはほぼ意味がないと思います)
そこでどうするのかというと先ほどグラフィックボード別で大まかな価格帯を選んだので、次は「CPU」「メモリ」「電源容量」「ストレージ」「マザーボード」のBTO PCの主要な5パーツに注目します。これら5つの適切な選び方さえ知っていれば各自でカスタマイズすれば簡単にリアルタイムな価格比較もできて自分にとって一番コスパが高くおすすめなBTO PCを選択可能になります。
- CPUについてはSkylake-X CPUでは6コアのCore i7 7800Xから18コアのCore i9 7980XEまで幅広いラインナップが用意されており、価格も4万~24万円とコア数別で価格も大きく差があるので予算に合わせて選択してください。個人的には10コアのCore i9 7900Xや12コアのCore i9 7920Xがおすすめです。(6コアや8コアについてはIntel CoffeeLake-SやAMD Ryzen 7搭載BTO PCで安価に購入できるのでこちらのほうがいいとおもいます。)
- システムメモリは16GBか32GBを積んでください。16GBでも実用上は問題ないと思いますがSkylake-X CPUプラットフォームはクアッドチャンネルのメモリ接続に対応しているので8GB*4=32GBがおすすめです。
- 電源容量は選択したグラフィックボードによりますが700W以上なら大丈夫。ただしマルチGPUの場合は1000W以上を推奨します。変換効率もGoldかPlatinumがおすすめです。
- システムストレージ(WindowsOSをインストールするストレージ)は必ずHDDではなくSSDを選んでください。HDDよりもGB単価は上がりますが実際に体感できるレベルでSSDのほうがキビキビ動きます。Windows10をインストールするシステムドライブのサイズは240GB以上であればOKです。
ゲーム用ストレージもSSDで容量は可能なら960GB、少なくても480GBが望ましいです。480GB以上のSSDは1.2万円程度でパーツのみを購入できるので各自でBTO PC購入後に増設してもかまいません。
- マザーボードは「X299」などチップセット名だけでなく「ASUS PRIME X299-A」のように市販のマザーボード名が記載されているor市販マザボを選択できるBTOが推奨です。市販のマザボであれば専用のマニュアルも存在しますし、何かトラブルがあってもググって解決法を見つけるのが容易になります。マザボメーカーは日本語マニュアルが一番しっかりしていてユーザー数の多いASUSを選ぶのが鉄板です。
以上の5項目さえ守ればそうそうハズレを引くことはないはずです。あと、これからゲーム用PCを購入するならOSはWindows10 Home 64bitの一択です。バージョンはProでなくてHomeで大丈夫です。
Skylake-X搭載BTO PCの各社ラインナップ
「サイコム」「TSUKUMO」「PCショップアーク」「ドスパラ」「パソコン工房」「マウスコンピューター」など当サイトで紹介している主要6社のIntel Skylake-X CPU採用BTO PCについてまずは簡単に紹介します。1.PCショップアーク
PCショップアークからはSkylake-X CPUを搭載したゲーマー向けBTO PCとして「CROYDON CY-ISX6X29A-F(Core i7 7800X, GTX 1070)」、「CROYDON CY-ISX10X29A-C(Core i9 7900X, GTX 1080)」の2機種がラインナップされています。自作PC向けに実績のあるPCケースが採用されており拡張性にも優れています。240サイズラジエーターの簡易水冷CPUクーラー「Corsair H110i V2」がCPUクーラーに採用されているところも注目ポイントです。いずれのモデルもカスタマイズから、CPUはi7 7800~i9 7900X、GPUはGTX 1060~GTX 1080 Tiにカスタマイズ可能なので、2つのモデルは基本的にPCケースの違いと考えてOKです。カスタマイズからCPU、GPUなど構成パーツを全て自由にカスタムできます。グラフィックボードのモデル・型番をカスタマイズから選択できるのが魅力的です。PCパーツに詳しくない初心者には難しいかも。2.TSUKUMO(ツクモ) eX.computer
ツクモeX.computerからは標準デスクトップPCの「G-GEAR GA7J-K92/XT」、フルタワーハイエンドPCの「G-GEAR neo GX9J-D92/XT」の2機種がラインナップされています。いずれも標準構成ではCPUは8コア16スレッドのCPUのCore i7 7820Xですが、カスタマイズ項目から6コアCore i7 7820Xから10コアCore i9 7900Xまで全て選択できます。グラフィックボードもGTX 1050からGTX1080 Tiまで自由にカスタマイズで選択できます。マザーボードには日本語ローカライズが豊富で初心者ユーザーにも使いやすいASUSマザーボードから「PRIME X299-A」が採用されているところは注目ポイントです。3.パソコン工房
パソコン工房からはIntel Skylake-X CPUが搭載されたBTO PCとしていくつかのモデルがラインナップされていますがゲーミング向けの「LEVEL∞」シリーズをチェックしていくと、通常モデルの「G-Class LEVEL-G029」シリーズとASUS製マザーボード採用の「F-Class LEVEL-FA29」シリーズが用意されています。「LEVEL-G029」と「LEVEL-FA29」の違いはマザーボードとPCケースと価格なので、安価に購入したい場合は「LEVEL-G029」、多少割高でも高品質なマザーボードやPCケースを選択したい場合は「LEVEL-FA29」を選んでください。CPUクーラーのオプションから簡易水冷クーラーを選択可能です。「LEVEL∞」シリーズ内では以下の4モデルが基本的なラインナップと考えればOKです。
各シリーズにはCPUにi7 7800X~i9 7900X、GPUにGTX 1060~GTX 1080を選択可能な「LEVEL-G029-i7SX-RNR」と「LEVEL-FA29-i7SX-RNR」の2機種があります。
さらに上位モデルとしてCPUにi9 7900X、GPUにGTX 1080 Tiを搭載した「LEVEL-G029-LCi9SX-XNVI」と「LEVEL-FA29-LCi7SX-XNVI」があります。GPUにGTX 1080 Tiを選択する場合はCPUがi9 7900Xに固定となるのが少し選びにくいところかもしれません。
4.サイコム
サイコムからはSkylake-X搭載したBTO PCとして5機種程ラインナップされていますが、その中でも発熱の大きいSkylake-Xに最適な簡易水冷CPUクーラーを標準搭載する「Aqua-Master X299」と「G-Master Hydro-X299」の2機種をチェックしていきます。「Aqua-Master X299」はCPUクーラーのみ簡易水冷の一般向けモデル、「G-Master Hydro-X299」はGTX 1080 TiやGTX 1080などハイエンドGPUをサイコムが独自に簡易水冷化したグラフィックボードを搭載するゲーマー向けモデルです。PCケースはいずれも自作erに定評のあるFractal Design製のものが採用されています。サイコムではカスタマイズからCPU、GPUなど構成パーツを全て自由にカスタムできます。グラフィックボードのモデル・型番をカスタマイズから選択できるのが魅力的です。ただPCパーツに詳しくない初心者には難しいかも。
前モデルになりますがCPUとマザーボード以外はほぼ同じ仕様の「G-Master Hydro-X99II」をレビューは「G-Master Hydro-X299」購入検討の参考になると思います。
・簡易水冷TITAN X Pascal&i7 6950X搭載「G-Master Hydro-X99II」 レビュー
5.ドスパラ
ドスパラからはSkylake-Xを搭載したモデルとしてCPU&GPU別で、i7 7800XとGTX 1060を搭載した「GALLERIA VT-X」、i7 7800XとGTX 1070を搭載した「GALLERIA VF-X」、i7 7800XとGTX 1080を搭載した「GALLERIA VG-X」、i9 7900XとGTX 1080 Tiを搭載した「GALLERIA VZ-X」の4機種がラインナップされています。各モデルでGPUは固定ですがCPUはi7 7800からi9 7900Xまでカスタマイズで選択可能です。PCケースの「GALLERIA(ガレリア)専用 KTケース(紹介記事)」が自作erの管理人的にはあまり好きではないのと、マザーボードがIntel X299 チップセット搭載という以外は詳細不明なのがネックかと思います。6.マウスコンピューター
マウスコンピューター「G-Tune」からはSkylake-X CPUを搭載したBTO PCとしてミドルタワーケース採用の「NEXTGEAR」シリーズ(PCケース詳細)、高級品の「MASTERPIECE」シリーズ(PCケース詳細)の2機種がらラインナップされています。グラフィックボードはGTX 1060からGTX 1080 Tiまで各種モデルとして用意されていますが、CPUとGPUの組み合わせが各種モデルで制限される形になっているのでお好みの組み合わせを探すのが若干面倒かもしれません。なおi9 7900Xを選択する場合はグラフィックボードにGTX 1080 TiかマルチGPUを選択する必要があります。+3000円のオプションから120サイズの簡易水冷CPUクーラーを選択可能です。マザーボードや電源ユニットはスペックのみの表記で具体的な製品名など詳細不明なのがネックかと思います。Skylake-X搭載BTO PCを価格比較
ここでは上で簡単に紹介した各社のBTO PCから管理人がコスパの高そうなモデルをピックアップしてパーツも公平になるように揃え、Intel Skylake-X搭載BTO PCの価格比較を行います一口にBTO PCと言ってもCPUやストレージに各社違いがありカスタマイズ可能なのでデフォルト価格をリストアップして高い安いと判断するのはあまり意味がありません。構成パーツによって価格が上下するので可能な限り公平な比較を行うため次のパーツ構成に可能な限り合わせる形で価格比較を行います。
Skylake-Xを搭載したBTO PCの賢い選び方については第5章を参照してください。賢い選び方に従って各自でカスタマイズすればリアルタイムで価格比較が可能です。
表の基本パーツ構成に可能な限り準拠した状態で価格を比較します。
価格比較用のパーツ構成 | |
OS | Windows10 Home |
CPU | Core i7 7800X Core i7 7820X Core i9 7900X |
メモリ | 32GB (8GB*4) |
グラボ | GTX 1080 |
システムストレージ | SSD 240GB |
データストレージ | なし(実際の購入に際しては480GB以上のSSDが推奨) |
電源 | 700W以上 (Silver認証以上が推奨) |
その他付属品 | なし |
比較を行う上での注意点
・ゲーム用のデータストレージは480GB以上のSSDがおすすめですが、個別に購入しても問題ないので簡単のためになしの設定で比較します。ちなみに480~512GBのSSDの価格相場は1.2万円程です。
・各社カスタマイズできない設定で1TB HDD(2千円程度)やオリジナルCPUクーラー(2~3千円程度)の有無があり最終価格には数千円誤差がある場合があります。
・参考価格の緑文字はi7 7800X搭載、赤文字はi7 7820X搭載、青文字はi9 7900X搭載です。
BTOメーカー | 型番 | 電源 | マザーボード | 参考価格 |
PCショップアーク |
CROYDON CY-ISX6X29A-F |
CoolerMaster V750 Semi-Modular 750W GOLD電源 |
ASRock Fatal1ty X299 Gaming K6 ATX |
26.2万円 39.2万円 34.5万円 |
TSUKUMO |
G-GEAR GA7J-K92/XT |
Seasonic SSR-750RMS 750W GOLD電源 |
ASUS PRIME X299-A ATX |
25.1万円 27.3万円 32.6万円 |
パソコン工房 | LEVEL-FA29-i7SX-RNR |
700W BRONZE認証 (カスタマイズ負荷) |
ASUS PRIME X299-A ATX |
27.2万円 30.4万円 35.8万円 |
サイコム 簡易水冷CPUクーラー |
Aqua-Master X299 |
CoolerMaster V750 Semi-Modular 750W GOLD電源 |
MSI X299 TOMAHAWK ATX |
26.6万円 29.7万円 35.5万円 |
G-Master Hydro-X299 |
CoolerMaster V750 Semi-Modular 750W GOLD電源 |
MSI X299 TOMAHAWK ATX |
29.1万円 32.4万円 38.0万円 |
|
ドスパラ | GALLERIA VG-X |
Enhance 800W 静音電源 GOLD認証 |
X299、ATX (型番不明) |
28.1万円 30.1万円 37.2万円 |
マウス コンピューター |
NEXTGEAR i860GA1 |
700W GOLD認証 (型番不明) |
X299、ATX (型番不明) |
27.7万円 30.5万円 -万円 |
おすすめSkylake-X搭載BTO PCのまとめ
構成パーツが多少違うので誤差はあるものの、各BTOメーカーやPCの種類で上の表のような価格になることが分かりました。上記参考価格とBTOメーカーの特色を踏まえて簡単にまとめます。- PCショップアークについてはPCケースの拡張性も高くて各パーツも素性がはっきりしていて良いのですがやや割高になっています。CPUクーラーに240サイズ簡易水冷が標準で採用されているところは魅力的です。
- TSUKUMOはマザーボードに「ASUS PRIME X299-A」を採用するなどパーツの品質は良いですし、価格も比較機種中で最安値です。自社製のよくわからないPCケースを採用している点がネックです。
- パソコン工房は電源が詳細不明ですが、マザーボードに「ASUS PRIME X299-A」を採用するモデルが選択できます。価格は少し高めです。
- サイコムについてはPCケースの拡張性も高くて各パーツも素性がはっきりしていて良いのですがやや割高になっています。サイコムで購入するなら予算を高めに設定して簡易水冷グラフィックボードを搭載する「G-Master Hydro-X299」を選択するのがおすすめです。
- ドスパラは最安値クラスですが電源・マザボ共に型番不明です。CPUとGPUの組み合わせが固定になっているところも少し購入し難いところかもしれません。
- マウスコンピューターはマザーボードや電源が詳細不明で他社と比べても若干割高なので今のところおすすめし難い感じです。
当サイトの結論としては、マザーボードに高品質な「ASUS PRIME X299-A」を採用しつつBTO PC自体の価格が最安値クラスのTSUKUMOの「G-GEAR GA7J-K92/XT」がおすすめです。
GTX 1080やGTX 1080 Tiの簡易水冷グラフィックボードを搭載し、マザーボード・PCケース・電源ユニットなど重要な構成パーツがいずれも自作PC向けの高品質パーツが採用されているサイコムの「G-Master Hydro-X299」は価格面では他よりも割高にはなりますが、予算が許すならおすすめのBTO PCです。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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