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ASUSから第3世代Ryzen Threadripper対応TRX40チップセット搭載Socket sTRX4マザーボードとしてリリースされた、CPUソケットとメモリスロットの上側を完全に占有する16フェーズの超堅牢なVRM電源を搭載する「ASUS ROG Zenith II Extreme」をレビューしていきます。本作でシリーズ3代目となるROG Zenith Extremeの圧倒的な安定感を32コア64スレッドのRyzen Threadripper 3970Xによって徹底検証します。

製品公式ページ:https://www.asus.com/jp/Motherboards/ROG-Zenith-II-Extreme/
マニュアル:https://dlcdnets.asus.com/pub/ASUS/mb/SocketTRX4/ROG_ZENITH_II_EXTREME/J15681_ROG_ZENITH_II_EXTREME_UM_WEB.pdf
ASUS ROG Zenith II Extreme
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ASUS
Amazon.co.jp で詳細情報を見る <米尼><
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ASUS ROG Zenith II Extreme レビュー目次
1.ASUS ROG Zenith II Extremeの外観・付属品
2.ASUS ROG Zenith II Extremeの基板上コンポーネント詳細
3.Threadripper専用空冷CPUクーラーとのクリアランスについて
4.ASUS ROG Zenith II Extremeの検証機材
5.ASUS ROG Zenith II ExtremeのBIOSについて
6.イルミネーション操作機能「ASUS AURA Sync」について
7.OLEDディスプレイパネル「ASUS LiveDash」について
8.ASUS ROG Zenith II ExtremeのOC設定について
9.ASUS ROG Zenith II Extremeの動作検証・OC耐性
10.ASUS ROG Zenith II Extremeのレビューまとめ
【注意事項】
同検証は19年12月上旬に行っておりASUS ROG Zenith II ExtremeのBIOSは0602を使用しています。最新BIOSでは修正されている不具合や追加されている機能もあると思うので、最新BIOSのリリースについては公式ページを各自でチェックしてください。
サポート:https://www.asus.com/jp/Motherboards/ROG-Zenith-II-Extreme/HelpDesk_BIOS/
【19年12月21日:初稿】
レビュー記事初稿を公開、BIOS:0602で検証
【20年1月19日:初稿】
ストレステストに関する補足を追記しました。
ASUS ROG Zenith II Extremeの外観・付属品
まず最初にASUS ROG Zenith II Extremeの外観と付属品をチェックしていきます。「ASUS ROG Zenith II Extreme」のパッケージはマザーボードの箱としては独特な上開き化粧箱になっていました。開閉しやすく高級感もあります。

外パッケージの蓋を開くと上段にはマザーボード本体が収められており、下段には各種付属品が収められた小分けパッケージが入っていました。数が非常に多いので順々にチェックしていきますが、付属品は外パッケージ下段の小分けパッケージ内に全て納められていました。

マニュアルなど冊子類で必要なものが一通り揃っています。その他にもコースター、ステッカー、CableMod製のスリーブケーブル購入時の割引クーポンなどが付属します。

注目ポイントとして「ASUS ROG Zenith II Extreme」のドライバはCDではなく専用のUSBメモリに収録されていました。光学ドライブを搭載しない環境も増えているので嬉しい配慮です。その他のマザーボード製品でもドライバはUSBメモリに移行して欲しいところ。

基本的な組み立て関連の付属品として、まずはSATAケーブル8本、M.2 SSD固定用スペーサー&スクリューセット、Q-Connector、、RGB対応4PIN LED機器接続ケーブル、アドレッサブルRGB対応VG-D型3PIN LED機器接続ケーブルが付属します。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」はさらに小分けパッケージにROG印のドライバーが付属します。標準の短軸に加えて、長軸の交換ビットも付属します。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」に付属する8本のSATAケーブルのうち2本は、ROG Weave SATAケーブルという布製スリーブ被膜の高級感のあるケーブルになっています。

「Q-Connector」はパワースイッチやストレージLEDなど細かいPINをまとめてマザーボードに接続可能な便利なコネクタです。「Q-Connector」は組み立て時にあると便利ですがASUSマザーボードの中でも付属しないモデルもあるので事前にチェックがおすすめです。


「ASUS ROG Zenith II Extreme」にはASUS AURA Syncによるライティング制御に対応したLEDヘッダーの延長ケーブルとしてRGB対応汎用4PIN LEDヘッダー用とアドレッサブルRGB対応VG-D型汎用3PIN LEDヘッダー用の2種類が付属します。

ASUS ROG Zenith II ExtremeにはアドレッサブルRGB対応VG-D型汎用3PIN LEDヘッダーがマザーボード上に実装されていますが、それをロック付き3PINコネクタに変換する延長ケーブルが付属します。


詳細は後ほど詳しく紹介しますが、DDR3メモリスロットを流用したNVMe M.2 SSDアダプタで大型アルミニウム製ヒートシンク搭載へと改良が施された「ROG DIMM.2 HS」が付属します。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」には従来機種よりも機能が増え、2.5インチストレージ互換でマウント可能な形状に改良が施された、冷却ファン&サーモセンサー拡張ボード「ASUS FAN EXTENSION CARD II」が標準で付属します。

「ASUS FAN EXTENSION CARD II」で温度制御のソースとして増設できる温度センサーも付属します。

「ASUS FAN EXTENSION CARD II」には2基のPWM対応4PINファン端子、1基の2PIN温度センサー端子、1基のRGB対応汎用4PIN LEDヘッダーの4端子を1セットとして、3セット分が基板の上下右端に実装されています。

基板左端には独自コネクタASUS NODEのIN端子とOUT端子、電力供給用端子が実装されています。

「ASUS FAN EXTENSION CARD II」はASUSの独自コネクタASUS NODEを使用してマザーボードと接続します。「ASUS FAN EXTENSION CARD II」上にはNODEのOUT端子もあるので、将来的にはデイジーチェーン接続で複数のNODE対応機器が接続できるようになりそうです。


前モデルASUS FAN EXTENSION CARDでは基板上の4PINペリフェラル端子から電力供給を行う構造でしたが、「ASUS FAN EXTENSION CARD II」では専用の電源ケーブルを介して、PCIE 6PIN補助電源から電力供給を行います。

「ASUS FAN EXTENSION CARD II」の背面を確認すると2.5インチストレージ互換のネジ穴があるのが確認できます。前世代はPCケース内への固定に困ったのですが、「ASUS FAN EXTENSION CARD II」は裏配線スペースの2.5インチストレージトレイ等に簡単に設置できます。

マザーボード全体像は次のようになっています。
「ASUS ROG Zenith II Extreme」はATXよりも横幅が20mmほど大きいE-ATXフォームファクタのマザーボードです。ATXマザーボードとネジ穴自体は同じレイアウトなのでATX向けPCケースにも設置できることも多いですが、裏配線用のケーブルホールが基板と被って使用できない可能性もあるので注意していください。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」にはチップセットクーラーと一体化したマザーボードの表面を覆う金属製カバー「ROG Armor」が搭載されています。アルミニウム製アーマーはPCIEスロット間に実装されたM.2スロットに装着するSSDを冷やすヒートシンクの役割を果たします。

リアI/Oカバーの上側はチップセットクーラー同様に鏡面プレートに白字で「ZENITH」の名が刻印され、下側はマットなアルミニウム面、その中央にはOLEDディスプレイ「LiveDash OLED」が搭載されています。

ASUSの新たな試みとして「ASUS ROG Zenith II Extreme」のリアI/Oカバーにはフルカラー有機ELディスプレイパネル「ASUS LiveDash OLED」が搭載されています。従来モデルのLiveDashはディスプレイ部分が鏡面になっていましたが、「ASUS ROG Zenith II Extreme」では反射し難いマットな表面加工になっています。デザイン的な都合なのかもしれませんが、今後もこの方向だとより使いやすいと思います。

マザーボード上端を占有するVRM電源クーラーがヒートパイプで拡張され、リアI/Oカバーと連結されていますが、実はリアI/Oカバー自体が金属製なので放熱ヒートシンクとして機能します。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」ではCPUソケットとメモリスロットの上側を完全に占有する16フェーズの超堅牢なVRM電源が搭載されています。

VRM電源回路を構成する素子も、定格70Aを処理可能なInflneon TDA21472 Power Stage(所謂、70A対応Dr. MOS)、定格45Aを処理可能な高透磁率合金コアチョーク MicroFine alloy chokes、入出力フィルタリングに高い動作温度で数千時間持続する10K日本製ブラックメタルコンデンサなど厳選された高品質素子です。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」のVRM電源ヒートシンク内には2基の冷却ファンが内蔵されており、VRM電源温度が60度を超えると始動し(閾値以下では停止するセミファンレス機能に対応)、500Wの持続的なVRM電源出力を処理できるとのこと。

24コアや32コアのウルトラメニーコアがラインナップされる第3世代Ryzen Threadripper CPUへ安定した大電力供給が行えるように「ASUS ROG Zenith II Extreme」のEPS端子は8PIN×2が実装され、さらにオプショナルな補助電源としてPCIE 6PINが設置されています。EPS電源端子については電源容量800W以下の電源ユニットでは1つしか端子がない場合があるので、EPS端子が足りているか事前に注意して確認してください。「ProCool II」と呼ばれる設計のEPS電源コネクタは、低インピーダンスなソリッドピンによってホットスポットの発生を抑制し、金属アーマーはコネクタの補強とともに熱拡散も補助します。

マザーボード裏面には頑丈な金属製バックプレートが装着されています。マザーボード固定ネジ穴がATXと同じで表から見て右端は基板が宙に浮いた状態になりますがバックプレートによって反りや折れ曲がりが防止されています。また各種素子の半田の出っ張りで指を切ることがありますが、バックプレートがあればその心配もありません。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」には一体型リアI/Oバックパネルも採用されています。PCケースにパネルを装着する作業は固くて装着し難かったり、忘れてしまうこともあるのでマザーボードに統合されているのは嬉しい機能です。

以下USB規格に関する説明がありますが『USB3.2 Gen2 = USB3.1 Gen2』、『USB3.2 Gen1 = USB3.1 Gen1 = USB3.0』と考えて基本的に問題ありません。
「ASUS ROG Zenith II Extreme」のリアI/Oには接続帯域20Gbpsに達する次世代規格USB3.2 Gen2x2に対応したUSB Type-C端子が1基実装されています。
USB3.2 Gen2x2の接続に対応した外付けストレージについてはWDから新製品「WD_BLACK P50 Game Drive(レビュー)」が20年1月に発売されており、USB3.2 Gen2x2に対応したUSB Type-Cで接続することによって連続アクセス2GB/sの超高速を実現できます。


その他にも7基のUSB3.2 Gen2(Type-A×6とType-X×1)と4基のUSB3.2 Gen1端子が搭載されています。マウス・キーボードなどの周辺機器を多数繋いでいても、VR HMDに余裕で対応可能です。ただUSB3.Xは無線マウスと電波干渉を起こすことがあるので、追加でUSB2.0端子も少し離れた場所に設置して欲しかったです。

ネットワーク関連では低CPU負荷、高スループットで定評のあるIntel純正のLANコントローラーが採用された有線LAN端子(赤色の有線LAN端子)に加えて、一般的なギガビットイーサの10倍の帯域幅を実現するAQUANTIA製10Gbイーサ(黒色の有線LAN端子)も搭載しています。
「ASUS ROG Zenith II Extreme」は次世代規格WiFi6に対応した無線LAN(Intel AX200)も搭載しています。接続規格としてはWi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac/ax、2.4/5GHzデュアルバンド、最大通信速度2400Mbps、Bluetooth 5.0に対応しています。リアI/Oには無線モジュールのアンテナ端子が設置されているので付属のアンテナを接続できます。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」は「USB BIOS FlashBack」に対応しています。所定のUSB端子にBIOSファイルの入ったUSBメモリを接続して、オンボードボタンを押すと「USB BIOS FlashBack」機能によってCPUやメモリなしの状態でもBIOSの修復・アップデートが可能です。

ASUS ROG Zenith II Extremeの基板上コンポーネント詳細
続いて「ASUS ROG Zenith II Extreme」のマザーボード基板上の各種コンポーネントをチェックしていきます。Ryzen Threadripper用TRX4(TR4)ソケットはLOTESとFOXCONNの2社が製造しており、各社マザーボードで採用されていますが、今回入手した「ASUS ROG Zenith II Extreme」にはFOXCONN製ソケットが搭載されていました。TRX4ソケットの一部にはかなり力を入れて押し付けないとソケットのネジが噛み合わないものがありますが、「ASUS ROG Zenith II Extreme」のソケットはネジの噛み合わせに十分な遊びがあって簡単にネジを締めることができました。

システムメモリ用のDDR4メモリスロットはCPUソケット両側に8基のスロットが設置されています。固定時のツメはマザーボード上側の片側ラッチとなっています。グラフィックカードのあるPCIEスロット側はラッチがないので干渉の心配もありません。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」はメモリスロットのラッチの開閉スペースが非常に狭く、メモリの交換が難しいところは少し気になりました。

グラフィックボードなどを設置するPCIEスロットは上から[N/A、x16、N/A、x16、x16、N/A、x16]サイズのスロットが設置されています。
2段目と5段目のx16サイズPCIEスロットの帯域はPCIE4.0x16、4段目と7段目のx16サイズPCIEスロットの帯域はPCIE4.0x8です。2/4/5段目のPCIEスロットには排他利用はありませんが、7段目のx16サイズPCIEスロットはマザーボード上M.2スロット M2_2と一部帯域共有で、M.2スロットを使用する場合は、PCIE4.0x4帯域に制限されます。

別売りオプションパーツのNVLink SLI Bridgeが必要ですが、3スロットのNVLink SLI BridgeがあればNVIDIAの最新GPUであるRTX 2080 TiやRTX 2080でもマルチGPU環境を構築可能です。

ASUS ROG Zenith II Extremeにも最近のトレンドとして2段目と5段目と7段目のx16サイズスロットには1Kgを超える重量級グラボの重さに耐えるように、従来のプラスチックスロットよりも垂直方向の力に対して1.6倍、水平方向の力に対して1.8倍も強靭になった補強用メタルアーマー搭載スロットが採用されています。

またマザーボード左下にはグラフィックボードなどPCIEスロットに設置した拡張カードへ安定した電力供給を行うための追加電源としてマザーボードと平行に4PINペリフェラルコネクタのオプション電源端子が用意されています。オプション扱いですがマルチGPU構成で組む場合は接続したほうがよさそうです。

SATAストレージ用の端子はマザーボード右下に8基搭載されています。8基のうち右側の4基、SATA6G_1~4はいずれもAMD TRX40チップセットのコントローラーによる接続で、RAID0/1/10のハードウェアRAID構築にも対応しています。8基のうち左側の4基、SATA6G_E1~4はASMedia製コントローラーで接続されています。

ASUS ROG Zenith II ExtremeのPCIEスロット間には高速NVMe(PCIE4.0x4)接続規格に対応したM.2スロットが2基(M.2_1とM.2_2)設置されています。このM.2スロットはSATA接続のM.2 SSDには対応していません。下側のM.2_2は7段目のx16サイズPCIEスロット(PCIE4.0x8)と帯域が一部共有されており、M.2スロットを使用する場合、PCIEスロットの帯域はPCIE4.0x4に制限されます。

PCIEスロット間のM.2スロットに設置されたM.2 SSDはサーマルパッドを介して接触することで金属製アーマーを放熱ヒートシンクとして利用でき、サーマルスロットリングの発生を抑制します。

また「ASUS ROG Zenith II Extreme」のマザーボード背面にも1基のM.2スロット(M.2_3)が設置されています。M.2_3はNVMe接続のみに対応しており、接続帯域は標準ではPCIE4.0x2に設定されています。ASMedia製SATAコントローラーで接続されるSATA6G_E1~4と帯域が共有されているので、BIOS設定からSATA6G_E1~4を無効化するとM.2_3をPCIE4.0x4帯域にすることができます。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」にはDDR3メモリ用のスロットを独自に改造して作成されたASUS独自のM.2 SSD用スロット「DIMM.2」が実装されています。DIMM.2スロットは誤挿入防止のためDIMM.2の名前が入った金属フレームを除けば、ほぼDDR3メモリスロットと同じ外観になっています。DIMM.2拡張カードには両面に1基ずつで計2基のM.2スロットがあり、いずれもチップセット経由で接続されており、NVMe接続とSATA接続の両方のM.2 SSDに対応します。

DIMM.2スロットによってM.2 SSDを増設するには付属の専用M.2スロット拡張ボードを使用します。

DIMM.2拡張カードには表と裏の両面に計2基のM.2 SSD用スロットが用意されており、スロットの端子とは逆側にはM.2スロットのナンバリングが記載されています。右の写真側がM.2_1スロット、左の写真側がM.2_2スロットです。ROG、ASUS、DIMM.2 HSなどのロゴが描かれた面に第2スロットが設置されているというのが少し腑に落ちません。


「ASUS ROG Zenith II Extreme」に付属するDIMM.2スロット専用M.2スロット拡張ボードは、大型アルミニウム製ヒートシンクを標準搭載する改良モデル「ROG DIMM.2 HS」です。

拡張カードにM.2 SSDを設置してから拡張カードをDIMM.2スロットに挿入するので一見、2度手間になって面倒な気はしますが、PCケースにマザーボードを設置した後のM.2 SSDの交換作業などを考えると狭い空間でネジを回して紛失する等の心配もないので、DIMM.2のM.2 SSD設置方法は悪くない構造だと思います。

また「ASUS ROG Zenith II Extreme」は同社製アクセサリパーツ「ASUS HYPER M.2 X16 CARD (V2)」に対応しており、2段目/4段目/5段目/7段目のx16サイズPCIEスロットに最大で4枚(4段目と7段目は2枚まで)のNVMe M.2 SSDをCPU直結のPCIEレーンで接続することが可能です。x16帯域をx4/x4/x4/x4帯域に分割して使用する「PCIe RAID Mode」がBIOS設定として用意されています。

M.2 SSD4枚刺しに対応した拡張ボード「ASUS HYPER M.2 X16 CARD」については個別に詳細なレビュー記事を公開しているのでこちらを参考にしてください。
・「ASUS HYPER M.2 X16 CARD」をレビュー

ATX 24PIN端子のすぐ左には2基の内部USB3.1 Gen2ヘッダーと1基の内部USB3.0ヘッダーが設置されています。内部USB3.0ヘッダーはSATA端子同様にマザーボード基板と平行に実装されています。

マザーボード下側には1基の内部USB3.0ヘッダーと2基の内部USB2.0ヘッダーが設置されています。ただしSP_USB10ヘッダーは1ポート分しかUSB機器を接続できないので注意してください。
CorsairLinkやNZXT CAM対応製品など内部USB2.0を使用する機器も増えていますが、ASUS ROG Zenith II Extremeであればそれらの機器も問題なく使用可能です。内部USB2.0が2基でも不足する場合はUSB2.0ヘッダー増設ハブの「NZXT INTERNAL USB HUB」や「Thermaltake H200 PLUS」がおすすめです。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」はエンスー向けゲーミングマザーボードということで、高音質オンボードサウンド機能を従来機種よりもさらに強化した「SupremeFX 」も採用されています。ヘッドホンアンプには115dB THD+Nに達する統合型DAC/AMP「ESS SABRE DAC(SABRE9018Q2C)」が採用されています。デジタル部とアナログ部の基板分離などヘッドホン・スピーカー出力の高音質化にも注力しており、光学デジタルによるデジタル音声出力もあるので高級なヘッドホンアンプユーザーにも満足のいく構成です。最近のゲーミングマザボはサウンドボード要らずです。

マニュアルからの画像を使用しますが、冷却ファンや簡易水冷クーラーのポンプの接続用の端子はマザーボード上の各場所に計7か所設置されています。これだけあれば360サイズなどの大型ラジエーターを複数基積んだハイエンド水冷構成を組んでもマザーボードのファン端子だけで余裕で運用可能です。水冷ポンプ用ファン端子「W_PUMP+」や高電流ファン端子「H_AMP_FAN」は36W(3A)の高出力に対応しており、簡易水冷の水冷ポンプや本格水冷用のD5/DDCポンプなどにも電力供給できます。

マザーボード上には本格水冷PCユーザーには嬉しい外部温度センサーの接続端子が水路IN/OUT用を含めて4基設置されています。ASUSのファンコントロール機能は外部センサーをソースにした水温依存のファンコントロールが可能なので管理人は以前から水冷ユーザーにお勧めしています。

加えて3PINファン用端子と同じ構造の端子は水冷の流量検出端子となっており、フローインジケーター&メーターを接続することで流量の検出が可能です。ASUS製マザーボードさえあれば水冷環境の構築は全て大丈夫と言っても過言ではなくなってきています。

マザーボード基板上にはOCerのみならず一般自作erにとっても組み立て中の動作確認に便利なオンボードのスタートスイッチとリセットスイッチが実装されています。リアI/OにはCMOSクリアのハードウェアスイッチも設置されているのでOC設定をミスっても簡単に初期化が可能です。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」のマザーボード上でスタートスイッチと並んで実装されているリセットスイッチは「Flexkey」と名付けられており、BIOS上から、「リセット」「AURA オン/オフ」、「DirectKey(起動してBIOSメニューを表示)」「セーフブート(起動して標準設定でBIOSメニューを表示)」など押下時の機能を切り替えることができます。
「ASUS ROG Zenith II Extreme」はデュアルBIOSを搭載しています。BIOS Flashback機能にも対応しているので、BIOS破損時の保守としての意味合いはあまりありませんが、複数のBIOSで運用する必要がある場合などに役立つ機能です。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」のマザーボード上でスタートスイッチと並んで実装されているリセットスイッチは「Flexkey」と名付けられており、BIOS上から、「リセット」「AURA オン/オフ」、「DirectKey(起動してBIOSメニューを表示)」「セーフブート(起動して標準設定でBIOSメニューを表示)」など押下時の機能を切り替えることができます。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」にはその他にも、極端なOC中にリセットボタンでもシステムを再起動や強制終了できない時にBIOSの設定値を保ったまま強制的に再起動を掛けられる「ReTryボタン」、コアクロックやメモリクロックが緩いプロファイルを使用してシステムを確実に起動させハードウェア故障とOC設定失敗の切り分けを容易にする「Safe Bootボタン」、マザーボード上のプローブから各種動作電圧を測定可能な「Probelt」などOCer向けの機能も多数用意されています。
Threadripper専用空冷CPUクーラーとのクリアランスについて
「ASUS ROG Zenith II Extreme」とsTRX4ソケットに対応するThreadripper専用の空冷CPUクーラーとのPCIEスロットやメモリスロットのクリアランスについてチェックしていきます。TRX40マザーボードとのクリアランス検証に使用する空冷CPUクーラーのうち「be quiet! Dark Rock Pro TR4」「Noctua NH-U9 TR4-SP3」「Noctua NH-U12S TR4-SP3」の3機種については、国内正規代理店のTechace様より機材をお借りしました。
be quiet! Dark Rock Pro TR4
be quiet! Dark Rock Pro TR4については「ASUS ROG Zenith II Extreme」のVRM電源クーラーとの距離がギリギリですが、干渉することなく設置できます。「ASUS ROG Zenith II Extreme」にbe quiet! Dark Rock Pro TR4を設置した場合、最上段のPCIEスロットとCPUクーラーが干渉することはありません。
be quiet! Dark Rock Pro TR4とのメモリのクリアランスについては、CPUソケットに近い内側2つのメモリスロットにヒートシンクが被さります。ヒートシンク本体のクリアランスは製品仕様では47mm程度が確保されていますが、前方の冷却ファンはそれよりも低いので全高44mm程度が限界になります。全高43mmのG.Skill Trident Zシリーズについては干渉せずに設置できます。

Noctua NH-U9 TR4-SP3
Noctua NH-U9 TR4-SP3については「ASUS ROG Zenith II Extreme」のVRM電源クーラーと干渉することなく設置できます。「ASUS ROG Zenith II Extreme」にNoctua NH-U9 TR4-SP3を設置した場合、最上段のPCIEスロットとCPUクーラーが干渉することはありません。
Noctua NH-U9 TR4-SP3とのメモリのクリアランスについては、CPUソケットに近い内側2つのメモリスロットに冷却ファンが被さります。

冷却ファンの固定はファンクリップを使用しており高さ方向のオフセット幅にかなり余裕があるので、背の高いヒートシンクを備えたメモリであっても装着自体は可能です。全高39mmよりも高いメモリではメモリヒートシンクの差分だけCPUクーラーの全高が高くなります。
ただし、全高35mmくらいのロープロファイルなヒートシンク付きメモリであれば問題ありませんが、全高39mmのG.Skill Flare Xや全高43mmのG.Skill Trident Zなどを超えてくるとヒートシンクの放熱フィンとファンの気流面が大きくズレ始めるので非推奨です。

Noctua NH-U12S TR4-SP3
Noctua NH-U12S TR4-SP3については「ASUS ROG Zenith II Extreme」のVRM電源クーラーと干渉することなく設置できます。「ASUS ROG Zenith II Extreme」にNoctua NH-U12S TR4-SP3を設置した場合、最上段のPCIEスロットとCPUクーラーが干渉することはありません。
Noctua NH-U12S TR4-SP3とのメモリのクリアランスについては、CPUソケットに近い内側1つのメモリスロットに冷却ファンが被さります。後方にファンを増設する時にファンノイズを低減させる厚手のラバーパッドを使用するとギリギリで2つ目のスロットには被さります。

冷却ファンの固定はファンクリップを使用しており高さ方向のオフセット幅にかなり余裕があるので、背の高いヒートシンクを備えたメモリであっても装着自体は可能です。全高39mmよりも高いメモリではメモリヒートシンクの差分だけCPUクーラーの全高が高くなります。
ただし、全高35mmくらいのロープロファイルなヒートシンク付きメモリや全高39mmのG.Skill Flare Xであれば問題ありませんが、全高45mmを超えるCorsair Dominator Platinumなどを使用すると、ヒートシンクの放熱フィンとファンの気流面が大きくズレ始めるので非推奨です。

Noctua NH-U14S TR4-SP3
Noctua NH-U14S TR4-SP3については「ASUS ROG Zenith II Extreme」のVRM電源クーラーと干渉することなく設置できます。「ASUS ROG Zenith II Extreme」にNoctua NH-U14S TR4-SP3を設置した場合、最上段のPCIEスロットとCPUクーラーが干渉することはありません。
Noctua NH-U14S TR4-SP3とのメモリのクリアランスについては、CPUソケットに近い内側1つのメモリスロットに冷却ファンが被さります。後方にファンを増設する時にファンノイズを低減させる厚手のラバーパッドを使用するとギリギリで2つ目のスロットにも被さります。

冷却ファンの固定はファンクリップを使用しており高さ方向のオフセット幅にかなり余裕があるので、背の高いヒートシンクを備えたメモリであっても装着自体は可能です。ヒートシンクなしメモリの全高31mmよりも高いメモリではメモリヒートシンクの差分だけCPUクーラーの全高が高くなります。
ただし、全高35mmくらいのロープロファイルなヒートシンク付きメモリであれば問題ありませんが、全高39mmのG.Skill Flare Xや全高43mmのG.Skill Trident Zなどを超えてくるとヒートシンクの放熱フィンとファンの気流面が大きくズレ始めるので非推奨です。

Thermalright Silver Arrow TR4
Thermalright Silver Arrow TR4については「ASUS ROG Zenith II Extreme」のVRM電源クーラーと干渉することなく設置できます。「ASUS ROG Zenith II Extreme」にThermalright Silver Arrow TR4を設置した場合、最上段のPCIEスロットとCPUクーラーが干渉することはありません。
Thermalright Silver Arrow TR4とのメモリのクリアランスについては、CPUソケットに近い内側1つのメモリスロットにヒートシンクが被さります。前方もしくは後方にファンを増設する場合はCPUソケットに近い内側2つ目のメモリスロットにもファンが被さります。

Thermalright Silver Arrow TR4のヒートシンクについては、全高45mmまでのクリアランスがあるので全高43mmのG.Skill Trident Zは問題なく設置できますが、全高49mmのCorsair Vengeance RGB Proや全高53mmCorsair Dominator Platinum RGBは干渉していしまいます。

ヒートシンクの前後に冷却ファンを増設する場合、冷却ファンの固定はファンクリップを使用しており高さ方向のオフセット幅にかなり余裕があるので、背の高いヒートシンクを備えたメモリであっても装着自体は可能です。ヒートシンクなしメモリの全高31mmよりも高いメモリではメモリヒートシンクの差分だけCPUクーラーの全高が高くなります。
ただし、全高35mmくらいのロープロファイルなヒートシンク付きメモリであれば問題ありませんが、全高39mmのG.Skill Flare Xや全高43mmのG.Skill Trident Zなどを超えてくるとヒートシンクの放熱フィンとファンの気流面が大きくズレ始めるので非推奨です。

ASUS ROG Zenith II Extremeの検証機材
ASUS ROG Zenith II Extremeを使用して検証機材と組み合わせてベンチ機を構築しました。ASUS ROG Zenith II Extreme以外の検証機材は次のようになっています。
テストベンチ機の構成 | |
CPU | AMD Ryzen Threadripper 3970X 32コア64スレッド (レビュー) |
CPUクーラー | ENERMAX LIQTECH TR4 II 360 ELC-LTTRO360-TBP (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM x3 (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z RGB F4-3200C14Q-32GTZRX (+F4-3600C14D-16GTZN×2セット) DDR4 8GB*8=64GB (レビュー) |
CPUベンチ用 ビデオカード |
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC ファンレス (レビュー) |
システムストレージ |
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
OS | Windows10 Home 64bit |
電源ユニット | Corsair HX1200i (レビュー) |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
第3世代Ryzen Threadripper検証環境のシステムメモリには、第3世代Ryzenプラットフォームに最適化されたハイパフォーマンスOCメモリの最速モデル「G.Skill Trident Z Neo F4-3600C14Q-32GTZN」を使用しています。3600MHz/CL14の最速モデル、3200MHz/CL14や3600MHz/CL16といった定番スペックがラインナップされ、高級感のあるヒートシンクや8分割ARGB LEDを搭載してデザイン面でも優れる「G.Skill Trident Z Neo」シリーズは、第3世代Ryzenや第3世代Ryzen Threadripperの自作PCで性能を追求するなら間違いのないオススメなOCメモリです。
・「G.Skill Trident Z Neo F4-3600C14Q-32GTZN」をレビュー

レビュー記事後半ではRyzen Threadripper 3970Xを使用したオーバークロックも実践するので検証機材CPUクーラーにはAMD Ryzen ThreadripperのTR4 Socketに完全対応となる大型ベースプレートと360サイズラジエーター採用で最高クラスの冷却性能を誇る簡易水冷CPUクーラー「ENERMAX LIQTECH TR4 II 360」を検証機材として使用しています。
・「ENERMAX LIQTECH TR4 II 360」をレビュー

360サイズや240サイズなど120mmファンを複数搭載できるマルチファンラジエーター採用の簡易水冷CPUクーラーを使用するのであれば、超硬質かつ軽量な新素材「Sterrox LCP」の採用によってフレーム-ブレード間0.5mmの限界を実現させた次世代汎用120mm口径ファン「Noctua NF-A12x25 PWM」への換装もおすすめです。1基あたり4000円ほどと高価ですが、標準ファンよりも静音性と冷却性能を向上させることができます。
・「Noctua NF-A12x25 PWM」を360サイズ簡易水冷に組み込む

ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製MLCタイプ64層V-NANDのメモリチップを採用する18年最速のプロフェッショナル向け2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 PRO 256GB」を使用しています。Samsung SSD 860 PROシリーズは容量単価が高価ではあるものの、システムストレージに最適な256GBや512GBモデルは製品価格としては手を伸ばしやすい範囲に収まっており、Ryzen Threadripper&TRX40のようなエンスー環境のシステムストレージ用に一押しのSSDです。
・「Samsung SSD 860 PRO 256GB」をレビュー

CPUとCPUクーラー間の熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。使い切りの小容量から何度も塗りなおせる大容量までバリエーションも豊富で、性能面でも熱伝導効率が高く、塗布しやすい柔らかいグリスなのでおすすめです。

グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。

普段は熱伝導グリスを上のようにてきとうに塗っているのですが、Ryzen Threadripperはヒートスプレッダが大きいため、『最初に等間隔に9カ所小さめに熱伝導グリスを落として、さらにその間の4か所に少し大きめに熱伝導グリスを塗る』というNoctua式の塗り方が良い感じだったので今回はNoctua式を採用しました。

この塗り方をするとRyzen Threadripperの大型ヒートスプレッダでもCPUクーラーの圧着でヒートスプレッダ全体へ熱伝導グリスが綺麗に伸びます。ただしグリスをかなり大量に使うので注意。

サーマルグリスの代用品として、数年スパンの長期使用においても性能低下が基本的になく再利用も可能、グリスが零れてマザーボードが汚れたり壊れる心配もないので、炭素繊維サーマルシート「Thermal Grizzly Carbonaut」もオススメです。
・「Thermal Grizzly Carbonaut」はRyzen TR 3970Xを冷やせるか!?

以上で検証機材のセットアップが完了となります。

ASUS ROG Zenith II ExtremeのBIOSについて
ASUS ROG Zenith II Extremeを使用した検証機の構築も完了したので動作検証とOC耐性のチェックの前にBIOSの紹介をします。(OSから日付調整する前にスクショを取っている場合、日付がおかしいですが無視してください。また内容的に差異のないものは過去の同社製マザーボードのBIOSスクリーンショットを流用しています。)
ASUS ROG Zenith II ExtremeのBIOSに最初にアクセスするとEZモードというグラフィカルな画面が表示されます。パッと見の見栄えは良いのですが詳細モードでないと詳細設定ができないので「F7」キーを押してサクッと「アドバンスドモード(Advanced Mode)」へ移るのがおすすめです。

「F7」キーを押すとアドバンスドモードという従来通りの文字ベースのBIOSメニューが表示されます。「Main」タブの「System language」-「English」と表記された項目のプルダウンメニューから言語設定が可能で日本語UIを選択できます。ASUSマザーボードは競合他社と比較してもBIOSメニューの日本語ローカライズの充実と正確さが魅力です。

次回起動時に初回から詳細モードを起動する場合は、「起動-ブート設定」にある「セットアップモード」の項目をアドバンスドモードに変更してください。

ASUS ROG Zenith II ExtremeのBIOSにおいて設定の保存とBIOSからの退出はトップメニュータブ最右端の「終了」から行えます。その他の設定を行っていても左右カーソルキーですぐに退出可能です。

特定のブートデバイスを指定してBIOSから退出するBoot Override機能は「起動」タブメニューの最下段「起動デバイス選択」に配置されています。

BIOSのアップデート方法は、まず下から最新のBIOSファイルをダウンロード、解凍してUSBメモリのルートに解凍フォルダを置きます。
サポート:https://www.asus.com/jp/Motherboards/ROG-Zenith-Extreme-Alpha/HelpDesk_BIOS/
USBメモリを挿入したままBIOSを起動し、アドバンスドモードの「ツール-ASUS EZ Flash 3 Utility」でストレージデバイスからのアップデートでBIOSファイルを選択します。あとはガイドに従ってクリックしていけばOKです。


ブートとOSインストール周りについて紹介します。とはいってもASUS ROG Zenith II Extremeのブート回りは下画像のように非常に簡潔にまとめられており初心者でも迷うことはないと思います。
OSのインストールも「Boot Option #1」に「UEFI:〇〇」というOSインストールメディアを設定して保存&退出でOKです。「Boot Option #1」の下にスクロールしていくとブートデバイスを個別に指定して再起動できる「Boot override」もあるのでこちらから、同様に「UEFI:〇〇」というOSインストールメディアを選択してもOKです。

ちなみにWindows10の製品パッケージに付属するUSBメモリではUEFIで認識できないトラブルが発生することがあるようなので、そういうときはこちらの記事に従ってMS公式ツールを使用して適当なUSBメモリでOSインストールメディアを作成すると上手くいきます。
BIOSのアップデートやWindows OSのインストール方法を紹介したところで、ASUS ROG Zenith II ExtremeのBIOS機能で管理人が気になったものをいくつかチェックしていきます。
「ASUS ROG Zenith II Extreme」のマザーボード上でスタートスイッチと並んで実装されているスイッチは「Flexkey」と名付けられており、BIOS上から、「リセット」「AURA オン/オフ」、「DirectKey(起動してBIOSメニューを表示)」「セーフブート(起動して標準設定でBIOSメニューを表示)」など押下時の機能を切り替えることができます。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」はNVMe SSDによるRAIDストレージの構築に対応していますが、「ASUS HYPER M.2 X16 CARD V2」や「ASRock Ultra Quad M.2 Card」のような複数のNVMe M.2 SSDを設置可能な拡張ボード用にPCIEレーンを分割するBIOS設定が用意されており、「アドバンスド - オンボードデバイス構成」に配置されています。
「ASUS ROG Zenith II Extreme」上には4基の16サイズPCIEスロットが設置されていますが、「PCIe RAID Mode」を選択すると、x16帯域のPCIEスロットは4つのx4帯域、x8帯域のPCIEスロットは2つのx4帯域にPCEレーンを分割し、分割数に応じたNVMe M.2 SSDを対応拡張ボードによって増設できます。

7段目に設置されたx16サイズスロットはPCIE4.0x8帯域の一部をマザーボード上のM.2スロットと共有しており、BIOS設定から、単一のPCIE4.0x8帯域として使用する「X8 Mode」(M.2スロットは使用不可)、PCIEスロットはPCIE4.0x4帯域に制限してM.2スロットを使用する「X4 Mode」、PCIE4.0x8帯域を2つのPCIE4.0x4帯域に分割してASUS HYPER M.2 X16 CARDなどの拡張ボードを使用する「PCIe RAID Mode」の3種類から選択できます。

NVMe RAIDモードで使用するブータブルディスクの作成方法(Windows OSのインストール方法)について詳しくは下の記事でまとめているのでこちらを参照してください。X399マザーボードを使用していますが、設定やインストールの基本的な手順は共通です。
記事中ではRAID0ストレージにインストールする例を紹介していますが、アレイ構築でシングルボリュームを選べば、SATA SSDのシングルボリュームへのOSインストールも同様の手順で行えます。
・Threadripper環境でNVMe RAIDにOSをインストールする方法

M.2 SSD4枚刺しに対応した拡張ボード「ASUS HYPER M.2 X16 CARD」については個別に詳細なレビュー記事を公開しているのでこちらを参考にしてください。
・「ASUS HYPER M.2 X16 CARD」をレビュー

M.2_3スロットはASMedia製コントローラーで接続されるSATA端子と帯域を共有しているので、M.2_3スロットをPCIE4.0x4で接続してSATA端子を無効にするか、PCIE4.0x2で接続してSATA端子を有効にするかをBIOS上から設定できます。

マザーボード上のコンポーネント詳細でも紹介した外部温度センサーについてはBIOS上からも温度をモニタリングできます。「ASUS ROG Zenith II Extreme」に付属する冷却ファン&サーモセンサー拡張ボード「ASUS FAN EXTENSION CARD II」に接続された機器についてもBIOS上から確認・制御が可能です。簡易水冷(AIO水冷)ポンプ専用の項目も用意されており、ASUS ROG Zenith II Extremeであれば冷却機能周りは空冷・水冷ともにほぼ全てBIOS上でコントロール可能です。

BIOS上のファンコントロール機能についてですが、CPUファン端子とCPU OPT端子はCPU温度依存のファンコントロールしかできませんが、その他のケースファン端子については、外部温度センサーなどの各種温度ソースからファンコントロールが可能です。

ファン制御モードはPWM速度調整とDC(電圧)速度調整の2種類が用意されていますが、DC速度調整の場合は制御プロファイルを手動にすると、下限温度以下で冷却ファンを停止させる所謂セミファンレス機能を実現する「Allow Fan Stop」の設定が表示されます。

VRM電源クーラーに内蔵されたVRM電源冷却ファン「VRM Heatsink Fan」についてもBIOSから動作設定が可能です。「VRM Heatsink Fan」はVRM電源温度をソース温度にしていますが、セミファンレス機能に対応しており、標準設定では60度以下ではファンは停止します。

チップセット電源クーラーに内蔵されたPCH冷却ファン「Chipset Fan」についてもBIOSから動作設定が可能です。「Chipset Fan」はチップセット温度をソース温度にしていますが、セミファンレス機能に対応しており、標準設定では55度以下ではファンは停止します。

ASUSマザーボードにもグラフィカルUIによるファンコントールの設定機能「Q-Fan Control」があります。機能的には上で紹介したコンソールのファンコンと同じですが、グラフィカルUIでわかりやすく設定できるよという機能になっています。直感的にわかりますし直打ちが苦手な人にはありがたい機能だと思います。

イルミネーション操作機能「ASUS AURA Sync」について
「ASUS ROG Zenith II Extreme」はマザーボード備え付けのLEDイルミネーションやRGB対応汎用4PIN/アドレッサブルRGB対応汎用3PINイルミネーション機器を操作可能なライティング制御機能「ASUS AURA Sync」に対応しています。
「ASUS ROG Zenith II Extreme」にはマザーボード備え付けのLEDイルミネーションとして、チップセットクーラー、リアI/Oカバー、マザーボード右端背面の3か所にアドレッサブルLEDイルミネーションが搭載されています。オーロラライクなアドレッサブル発光パターンだけでなく、各アドレスに対して静的に発光カラーを指定することも可能です。

また「ASUS ROG Zenith II Extreme」のマザーボード上にはRGB対応汎用4PIN LEDヘッダーが2基実装されており、当サイトでもレビュー記事を掲載しているLEDテープ「SilverStone SST-LS02」やLEDファングリル「Phanteks Halos Lux RGB Fan Frames」など汎用LED機器によるLEDイルミネーションの拡張も可能です。またマザーボード下端にはアドレッサブルLEDテープに対応したVD-G型の3PINヘッダーも実装されています。

またアドレッサブルLED機器を接続可能なARGB対応VD-G型3PIN LEDヘッダーも2基実装されています。使用可能なアドレッサブルLEDテープについては国内で発売済みの「BitFenix Alchemy 3.0 Addressable RGB LED Strip」やASUS ROG純正品の「ASUS ROG ADDRESSABLE LED STRIP-60CM」や「AINEX アドレサブルLEDストリップライト」が動作することが確認できています。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」に搭載されたLEDイルミネーションや汎用ヘッダーに接続されたイルミネーション機器は発光カラーや発光パターンを専用アプリのAURA Syncから同期操作可能になっています。AURA Syncは公式ホームページやマザーボードのサポートページから最新版をダウンロードできます。
AURA公式DL:https://www.asus.com/campaign/aura/jp/download.html
専用アプリである「AURA Sync」を使用することで、色を指定した固定色発光、カラーサイクル等の発光パターンプリセット、温度や音楽に合わせた発光変化など自由度の高いイルミネーション設定が可能です。




ASUS ROG Zenith II Extremeのマザーボード備え付けLEDイルミネーションはアドレス指定操作に完全対応しており各ソフトウェア上からLED素子に対して個別に発光カラーを設定できます

マザーボード備え付けや汎用ヘッダー以外に、ASUS AURA Syncに対応したLEDイルミネーション機器が接続されている場合、ウィンドウ左上にその項目が表示されてマザーボードと同期操作が可能になります。

当サイトでレビュー記事を公開中のG.Skill製DDR4メモリの「G.Skill Trident Z Neo」や「G.Skill Trident Z RGB」や「G.Skill Trident Z Royal」もASUS Aura Syncによるイルミネーション同期設定に対応しています。
・「G.Skill Trident Z Neo F4-3600C14Q-32GTZN」をレビュー

ASUS ROG Zenith II Extremeの備え付けおよび増設のLEDイルミネーションは、デフォルトではOSのシャットダウンやスリープ時もLEDが点灯しますが、「When system is in sleep, hibernate and soft off states」の項目をOFFにすることでスリープ時やシャットダウン時のみLEDイルミネーションをOFFにすることができます。

なおシャットダウン・スリープ時のLEDの点灯・消灯設定はWindows上アプリの「AURA Sync」からも設定が可能で、アプリからの操作が優先されます。ASUS Aura Syncソフトウェアの「Power Off」タブがスリープやシャットダウン時のLEDイルミネーションの設定になっています。ここから設定を行うことでASUS ROG Zenith II Extremeでもシャットダウン・スリープ時のLEDイルミネーションの消灯が可能です。

また総合管理ソフトウェア「Armoury Crate」からも、「ASUS ROG Zenith II Extreme」のマザーボード備え付けLEDイルミネーションや汎用LEDヘッダー接続機器を含めたASUS AURA Sync対応機器のライティングを一括制御できます。



ASUSのLEDイルミネーション機能「AURA Sync」については汎用イルミネーション機器の使用方法や導入例などを下の記事でも紹介しているので、詳しくはこちらを参照してください。
・ASUS製のLEDイルミネーション操作機能「AURA Sync」の使い方

OLEDディスプレイパネル「ASUS LiveDash」について
ASUSの新たな試みとして「ASUS ROG Zenith II Extreme」にはフルカラー有機ELディスプレイパネル「ASUS LiveDash OLED」が搭載されています。有機ELディスプレイパネル「ASUS LiveDash OLED」には静止画だけでなくプログラミングやGIF画像次第でオリジナルアニメーションなど様々な表示が可能で、CPU温度やコアクロックなどハードウェアモニタリング情報の表示にも対応しています。

「ASUS LiveDash OLED」について個人的にはPOST中のチェック項目を逐次表示してくれるのが最も印象的で、今度の発展次第では初心者ガイドとして非常に有力な機能になる可能性を感じました。

LiveDash OLEDの制御にはこれまで単独アプリ「ASUS LiveDash」が用意されていましたが、2019年7月頃から「Armoury Crate」というASUS製マザーボード向けの総合管理ソフトウェアに統合されており、「ASUS ROG Zenith II Extreme」でもArmoury Crate上で設定を行います。(以下、ASUS PRIME X299 Edition 30の例)

LiveDash OLEDに関する設定内容については従来通りで、プリセットとして用意されたCPU温度などのモニタリング表示やアニメーションを選択可能です。また横256ピクセル×縦256ピクセルの画像やGIFアニメーションの表示に対応しており、各自で用意した画像・動画ファイルをグレイスケールに自動変換して表示してくれます。



ASUS ROG Zenith II ExtremeのOC設定について
ASUS ROG Zenith II Extremeを使用した場合のオーバークロックの方法を紹介します。なおオーバークロックはメーカー保証外の行為であり製品の破損やデータの消失もすべて自己責任となります。オーバークロック検証時は最小構成(CPU、マザーボード、メモリ、システムストレージ、グラフィックボード)以外は基本的にすべて外し、可能ならOC検証用のシステムストレージを用意するなど細心の注意を払ってください。
AMD Ryzen Threadripper CPUについては純正のOCツール「AMD Ryzen Masterユーティリティ」が用意されていますが、こちらの使い方については下の記事を参考にしてください。
・AMD Ryzen専用純正OCツール「AMD Ryzen Masterユーティリティ」の使い方

「ASUS ROG Zenith II Extreme」のオーバークロック設定は「Extreme Tweaker」というトップメニューのタブページにCPUコアクロック、メモリ、電圧など各種設定項目が集約されています。「Extreme Tweaker」ページをスクロールしていくとCPUコアクロック、メモリ、電圧などの各種設定項目が表示されるので設定しやすいUIです。設定値を直接入力する項目でデフォルトの「Auto」に戻す場合は「a」キーを入力すればOKです。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」のオーバークロック設定項目の最初にある「AI Overclock Tweaker」ではプルダウンメニューから「Auto(自動)」「Manual(手動)」「D.O.C.P.」の3つの設定モードが選択できます。Autoモードは基本的な設定項目に関する自動or手動設定が可能な一般ユーザー向けの設定モードとなっています。ManualモードはBCLK等の詳細なOC設定項目が解放される上級者向けの設定モードです。D.O.C.P.モードはManualモードベースですが、OCメモリに収録されたXMPプロファイルを適用できる設定モードになっています。OC初心者はXMPを使用しないならAutoモード、XMPを使用するならD.O.C.P.モードを使用すればOKです。

CPUコアクロック(コア倍率)の変更について説明します。
第2世代Ryzen Threadripperは、CPU温度や電力に関して安定動作可能な相関関係を記したテーブルがCPU内部に用意されており、それに則した形で「Pure Power」や「Precision Boost(2)」といったRyzen CPUの独自機能により動作クロックや電力がリアルタイム制御されています。

例えばRyzen Threadripper 3970XではCPUクーラー冷却性能の影響で若干前後しますが、単コア負荷の場合は最大で4.5GHz、全コア負荷の場合はTDPの範囲内で変動しますが軽いワークロードであれば全コア4.2~4.3GHzで動作し、動画のエンコードなど重いワークロードでは冷却性能が十分ならベースクロックを上回る平均3.8~4.0GHz程度で動作します。

第3世代Ryzenや第3世代Ryzen/Ryzen Threadripper CPUの動作クロックに関する予備知識については下の記事で概要を解説しているので参考にしてください。
・第2世代Ryzenの新機能「Precision Boost Overdrive」を徹底解説

ASUS ROG Zenith II ExtremeのコアクロックのOC設定方法はコアクロック(MHz)の動作倍率を指定する形になっていました。「CPUコアクロック倍率(CPU Core Ratio)」の項目を「40.25」と設定するとベースクロック(BCLK):100MHzに対して4025MHzで動作するように設定されます。動作倍率は0.25刻みで指定可能です。

「AI Overclock Tweaker」から「Manual」モードもしくは「D.O.C.P」モードを選択するとベースクロック(BCLK)の設定項目が表示されます。デフォルトのAutoでは100MHzに固定されていますが、設定値を直打ちすることで40~300MHzの範囲内で0.200MHz刻みで設定できます。CPUコアクロックはBCLKに対する動作倍率で設定されるのでBCLK110MHz、動作倍率45倍の場合はコアクロック4.95GHz動作となります。ただしBCLKを使用したOCはかなり上級者向けなので通常はAutoか100MHzが推奨です。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」では全コア共通の動作倍率設定だけでなく、CCX単位(3970Xの場合は4コア1セット、3960Xの場合は3コア1セット)で個別に動作倍率を設定するPer CCXにも対応しています。設定は少し面倒になりますが、CCX別にOC耐性には違いがあるので、共通のコア電圧に対して、OC耐性の良いCCXでは44倍に、OC耐性の悪いCCXは42倍に、のように細かく設定できます。Intel製CPUのBy Specific Core設定のようにコア電圧もCCX単位で調整できるとさらにOC設定の幅が広がるのですが、電圧については今のところ非対応です。


「ASUS ROG Zenith II Extreme」では単コアブーストクロックを維持したまま、電力制限を解除することで全コア最大動作倍率を引き上げることができる「Precision Boost Overdrive」もBIOSから設定が可能で、CPUコアクロック手動設定のすぐ下にある「Precision Boost Overdrive」からアクセスできます。

Precision Boost Overdriveを手動設定にすると、第3世代Ryzenにおいても前世代と同様に、電力制限上限値を指定する「PPT Limit (W)」、最大動作クロックの制限値に影響する「TDC Limit / EDC Limit (A)」を設定できます。
さらにTRX40マザーボードでは第3世代Ryzen Threadripperが新たにサポートする「Auto OverClocking Mode」に関する設定項目として、Precision Boost 2によるコアクロックの上昇幅を設定する「Max CPU Boost Clock Override」や、Precision Boost 2やXFRによる自動OC機能が効く温度閾値を引き上げる「Platform Thermal Throttle Limit」などのオプションが追加されています。

続いてコア電圧の調整を行います。
AMD Ryzen Threadripper CPUのオーバークロックで変更する電圧設定についてはRyzen CPUと同様に、CPUコアクロックに影響する「CPUコア電圧」と、メモリの動作周波数に影響する「SOC電圧」の2種類、およびメモリ電圧のみと非常に簡単化されています。

AMD Ryzen Threadripper CPUでオーバークロックを行う場合に変更する電圧設定については基本項目が「CPUコア電圧」「CPU SOC電圧」「DRAM電圧」の3項目のみと非常に簡単化されています。加えてASUS ROG Zenith II Extremeでは「External Digi+ Power Control」の項目からその他多くの電圧設定が可能です。

CPUコアクロックのOCに関連するコア電圧のOC設定としては、ASUS ROG Zenith II ExtremeではCPUコア電圧の項目を変更します。CPUコア電圧ではマニュアルの設定値を固定する「マニュアル」モード、CPUに設定された電圧カーブにオフセットかける「オフセット」モードの2種類が使用できます。

ASUS ROG Zenith II ExtremeでCPUコアクロックのOCを行う場合コア電圧設定モードとして通常はマニュアルモードを推奨します。

CPUコア電圧モードについて簡単に説明すると、オフセットモードやアダプティブモードはCPU負荷に比例して電圧が設定されており、低負荷時は電圧が下がるので省電力に優れるのですが、OCをする場合はマザーボードによって挙動に差があり安定する設定を見極めるのが難しいので、個人的にはオフセットやアダプティブは定格向け、OCには固定値適用の固定モードを推奨しています。
仮にOCでオフセットやアダプティブを使う場合も最初はコアクロックに対して安定する電圧を見極める必要があるので、まずは固定モードを使用します。
ちなみにマザーボードにより対応しているモードは異なりますが、CPUのオーバークロックに付随するコア電圧のモードの概略図は次のようになっています。

またCPUのOCに関連する追加の電力設定としてASUS ROG Zenith II Extremeでは、コアクロックと電圧の設定項目の中間あたりに「External Digi+ Power Control」が配置されています。

コアクロックを高く設定する時に追加で変更するといい項目として「External Digi+ Power Control」の「ロードラインキャリブレーション」があります。ロードラインキャリブレーションはCPU負荷時の電圧降下を補正してOCを安定させる機能です。補正の強度としてLevel -2 ~ Level 8の10段階になっており、Level 8を強度最大として、Levelの添え字が大きくなるほど電圧降下の補正は強くなりOCは安定しやすくなりますが発熱も大きくなります。Level 5かLevel 6あたりから始めて安定する設定値を模索していくのがおすすめです。

「External Digi+ Power Control」ではその他にも「CPU VRM スイッチング周波数」「CPU VRM スペクトラム拡散」「デューティ コントロール」「CPU VRM 可動フェーズ設定」などCPUのオーバークロック時にマザーボードVRMからの電力供給を安定させる設定項目が用意されています。

メモリのオーバークロックについても簡単に紹介します。
メモリの性能について簡単に言うと「動作クロックが高く」「タイミングが小さい」ほど性能は高くなります。そのためメモリOCを手動で行う手順を簡単にすると「電圧を上げて動作可能なクロックを探し」、「そのクロックにおいて正常に動作する最小のタイミングを探る」という2つの手順を繰り返すことになります。
一方でXMPによるメモリOCは上の手順によるOCをメーカー側がすでに行い動作確認をしているので、メーカーが動作確認を行ったOCプロファイルを適用するだけで簡単にメモリをオーバークロックできます。
AMD Ryzen Threadripper環境ではメモリのオーバークロックに伴って、コアクロックOC時のコア電圧の要求値が上がるので注意してください。
メモリOCではPOSTすらクリアできずBIOSに到達できないことも少なくありませんが、「ASUS ROG Zenith II Extreme」では正常にPOSTできないメモリOC設定でエラーが出た場合は数回再起動した後、自動で2133MHzのような緩い設定で起動してくれるのでメモリOCを安心して行えます。
メモリOCで有名なXMPプロファイルはIntelの策定した規格なのでAMD CPU&マザーボードの環境では厳密にいうと非対応ですが、ASUS ROG Zenith II Extremeなどの一部のASUS製マザーボードでは「Ai Overclock Tuner」のプルダウンメニューに、メモリに収録されたXMPプロファイルからRyzen環境でも使用可能なメモリOCプロファイルを自動生成する「D.O.C.P」という独自機能があります。「Ai Overclock Tuner」から「D.O.C.P」モードを選択することで、自動生成されたOCプロファイルによるメモリOC設定の適用が可能です。

「Ai Overclock Tuner」のAutoモードやManualモードにおいて「DRAM Frequency」の設定値がAutoになっている場合は、使用するメモリにSPD情報として収録されている動作クロック2133~2666MHzなど周波数およびタイミングによる定格動作となります。
手動でメモリ周波数を設定する場合は「DRAM Frequency」の項目でプルダウンメニューから最大4200MHzまでの動作クロック(倍率)設定が可能です。

メモリタイミングの個別打ち込み設定も可能です。メモリタイミングを手動で設定する場合は基本的には「CAS Latency (tCL)」、「RAS to CAS Read (tRCDrd)」、「RAS to CAS Write (tRCDwr)」、「RAS Precharge (tRP)」、「RAS Active Time (tRAS)」の主要な5タイミングと、加えて下の方にスクロールしていくと表示される「Command Rate:1 or 2」の6つ以外はAutoのままでいいと思います。


メモリ周波数を3200MHz以上にOCする場合は「GearDownMode」をEnabledに設定すると動作が安定するかもしれないので、Autoで上手くいかない場合は設定を変更してみてください。

メモリタイミングの下の方にある「ProcODT」という設定値がAutoのままではPOSTがクリアできない場合があります。AutoでPOSTをクリアできない、もしくは起動後に安定しない場合は「ProcODT」を43.6~68.6の間で固定して安定するものを探してみてください

DDR4メモリの周波数OCを行う際は「DRAM AB/CD Voltage」の項目を、3000MHz以上にOCする場合は1.300~1.350V、3800MHz以上にOCする場合は1.370~1.400Vに上げる必要があります。メモリをOCする場合は最初から1.350V以上にDRAM電圧を盛っておくのがおすすめです。

加えてAMD Ryzen Threadripper CPUでメモリの動作クロックをOCする場合はDRAM電圧だけでなく「CPU SOC電圧(CPU NB/SOC Voltage)」も1.100V~1.200V程度に盛ってやると動作が安定しやすいようです。CPUコア電圧同様にマニュアルの設定値を固定する「マニュアル」モード、CPUに設定された比例値にオフセットかける「オフセット」モードの2種類が使用でき、0.00625V刻みでコア電圧の設定が可能です。

また第3世代Ryzen Threadripper CPU環境ではメモリ周波数3600MHzまではInfinity Fabric周波数が1:1で同期しますが、3733MHz以上では2:1で同期し、Infinity Fabric周波数がメモリ周波数の半分になります。
「ASUS ROG Zenith II Extreme」では「FCLK Frequency」をメモリ周波数の半分に指定することで3733MHzや3800MHzのメモリ周波数においてもInfinity Fabric周波数の1:1同期が可能になります。

ASUS ROG Zenith II Extremeの動作検証・OC耐性
BIOS周りの管理人的に気になるところの紹介はこのあたりにして、ASUS ROG Zenith II Extremeを使用した検証機で具体的に動作検証とOC耐性をチェックしていきます。まずはFast Bootとフルスクリーンロゴを無効にしてOSの起動時間を測定したところ、ASUS ROG Zenith II Extremeの起動時間は23秒ほどした。多機能なエンスー向けマザーボードの起動時間としてはPOST時間も短めで良い結果だと思います。
続いてASUS ROG Zenith II Extremeを使用した場合のCPUとメモリのオーバークロック耐性をチェックしてみました。
なおオーバークロックはメーカー保証外の行為であり製品の破損やデータの消失もすべて自己責任となります。オーバークロック検証時は最小構成(CPU、マザーボード、メモリ、システムストレージ、グラフィックボード)以外は基本的にすべて外し、可能ならOC検証用のシステムストレージを用意するなど細心の注意を払ってください。
第3世代Ryzen Threadripperは、従来のRyzen CPUと同様にCPUクーラーの冷却性能に応じた自動OC機能「Precision Boost 2 & XFR 2 (Extended Frequency Range 2)」が機能しますが、第3世代Ryzen Threadripperではその際に参照されるテーブルが限界近くまでチューニングされており、ユーザーが設定を変更したとしてもコアクロックを上昇させることが可能なマージン(ヘッドルームと呼ばれている)が非常に小さくなっています。
第3世代Ryzen Threadripperについてはコアクロック回りを下手に弄るよりも、定格のまま、もしくはPrecision Boost Overdriveで電力制限を解除する程度に留め(定格と比べて消費電力の増加に対する性能の伸びは小さいが)、360サイズ簡易水冷CPUクーラーのような高性能なCPUクーラーの冷却性能にまかせて自動OC機能によるクロックアップを狙うのがオススメです。
Ryzen Threadripper 3970XのOC設定については、Precision Boost Overdriveを有効化して『PPT = 1000W、TDC = 490A、EDC = 630A』、また「CPUコア電圧:-0.100V(オフセット)」に設定しています。メモリのOC設定は「メモリ周波数:3600MHz」「メモリタイミング:14-15-15-35-1T」「メモリ電圧:1.450V」としました。



上の設定を適用したところ問題なくOSを起動させることができました。


ASUS ROG Zenith II Extremeの環境(BIOS:1.10)では8GB×8枚=64GBの構成で、メモリ周波数を3600MHzにOCしてメモリタイミング:14-15-15-35-CR1に詰めることができました。

3600MHz/CL14のOCプロファイルが収録されたOCメモリ「G.Skill Trident Z Neo F4-3600C14Q-32GTZN」が2セット用意できなかったので、同じOC設定のF4-3600C14D-16GTZNを2セット組み合わせて、8GB×8枚=64GBのシステムメモリを構築しましたが、3600MHz/CL14で問題なく動作しました。

なお今回の検証ではメモリ電圧をOCプロファイルの1.400Vから1.450Vに昇圧していますが、1.400Vに設定してRAM Testを実行すると、スポットクーラーでメモリを冷やす場合はテストをクリアできたのですが、スポットクーラーで冷やさない場合は20~30分程度経過してメモリ温度が上がるとエラーが出ました。
G.Skillから発表されている第3世代Ryzen Threadripper向けメモリキットで3600MHz/CL14のモデルが1.450Vに設定されていたのは、温度の問題で昇圧する必要があったのではないかと思います。

32コア64スレッド「AMD Ryzen Threadripper 3970X」のPB2&XFR2による全コア4.0GHzへのクロックアップに加えて、メモリ周波数を3600MHzにオーバークロックして、Cinebench R20も問題なくクリアできました。

続いてスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE Pro」(レビュー)を使用して「ASUS ROG Zenith II Extreme」のVRM電源温度をチェックしていきます。
CPUへ電力供給を行うVRM電源に負荷をかけるためCPUに対してストレステストを実行しますが、その検証方法については、FF14ベンチマークの動画(再生時間8分、4K解像度、60FPS、容量5.7GB)でAviutl+x264を使って4並列のエンコードを行い、30分以上に渡って負荷をかけ続けました。
注:CPUのストレステストについてはOCCTなど専用負荷ソフトを使用する検証が多いですが、当サイトではPCゲームや動画のエンコードなど一般的なユースで安定動作すればOKとういう観点から管理人の経験的に上の検証方法をストレステストとして採用しています。

【2020年1月19日追記】-------------
検証当時に使用したCPUクーラーに動作不良があったため、以下の検証において、AMD Ryzen Threadripper 3970XのCPU温度が本来よりもかなり高く、またCPUコアクロックが低くなっています。
CPUクーラーに「ENERMAX LIQTECH TR4 II 360」&「Noctua NF-A12x25 PWM x3」を使用し、ファン回転数を1600RPMに固定した時の、正しいCPU温度やCPUコアクロックは下のグラフのようになります。


上のグラフのようになるはずのCPU温度がより高い温度になるため、CPUの熱がVRM電源に伝搬し、さらにCPU温度が高いほどCPU消費電力は上がってしまう傾向にあるので、下記の検証ではVRM電源に対して本来よりも厳しいストレステストを実行したことになります。
CPUクーラーに「ENERMAX LIQTECH TR4 II 360」&「Noctua NF-A12x25 PWM x3」を使用した結果としては正しくないのですが、それよりも性能の低いCPUクーラーを使用したと考えれば評価は可能な結果となっています。「ENERMAX LIQTECH TR4 II 360」&「Noctua NF-A12x25 PWM x3」で適切に冷やせた場合は、下記の結果よりもVRM電源温度は10度前後下がる可能性があります。
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ストレステスト中のCPU温度とCPU使用率のログは次のようになりました。
まずはCPU定格動作について、マザーボードにASUS ROG Zenith II Extremeを使用してRyzen Threadripper 3970Xにストレステストを実行すると、CPU温度は平均76.5度、最大78.3度、コアクロックは平均3815MHzとなります。

次にPrecision Boost Overdrive適用時について、マザーボードにASUS ROG Zenith II Extremeを使用してRyzen Threadripper 3970Xにストレステストを実行すると、CPU温度は平均86.3度、最大90.5度、コアクロックは平均3990MHzとなります。

今回の検証においては、Ryzen Threadripper 3970XのPBO適用においてVRM電源冷却ファンの速度は最大で2400RPM程度まで上がりましたが、40mm径の小さいファンなので、ノイズレベルも35dB未満となっておりファンノイズが気になることはないと思います。

検証機材の360サイズ簡易水冷CPUクーラー「ENERMAX LIQTECH TR4 II 360」によって十分な冷却を行った場合、Precision Boost Overdriveで電力制限の解除された、32コア64スレッドのRyzen Threadripper 3970Xは全コア平均4.0GHz程度で動作しますが、ここにメモリ周波数3600MHzのメモリオーバークロックを組み合わせてストレステストを実行すると、ASUS ROG Zenith II Extreme環境ではシステム消費電力(ほぼCPU消費電力)が450~500Wに達します。

AMD Ryzen Threadripper 3970Xを使用すると定格動作でもシステム消費電力は350W前後に達しますが、「ASUS ROG Zenith II Extreme」はパッシブ空冷のままでもVRM電源周りが70度前後に収まるという非常に優れた結果を出しています。

続いてRyzen Threadripper 3970XをPBOによって全コア4.0GHzにクロックアップしており、システム消費電力は450~500Wに達していますが、これだけの負荷がかかっても、VRM電源温度はサーモグラフィーで確認できる最大温度でも80度未満に収まりました。これだけ冷えていれば簡易水冷CPUクーラーでVRM電源周りがパッシブ空冷な環境であっても、マザーボードの標準装備だけで問題なく運用できます。

「ASUS ROG Zenith II Extreme」は360サイズ簡易水冷CPUクーラーで冷却可能なOC・電力制限解除であれば標準装備だけでもVRM電源を十分低温に収めることができますが、製品寿命を延ばすためさらに低温に保ちたい時、もしくはDIY水冷などでさらに上のOCを目指す時に、VRM電源の冷却を増強すべくスポットクーラーを使用するのであれば、フレキシブルファンアーム「サイズ 弥七」や、可変アルミニウム製ファンフレームでVRM電源を狙って設置が容易な「IN WIN MARS」がオススメです。
・マザーボードVRM電源クーラーのレビュー記事一覧へ

ASUS ROG Zenith II Extremeのレビューまとめ
最後に「ASUS ROG Zenith II Extreme」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- ブラックを基調とし電子回路を模したROGシリーズのクールなデザイン
- マザーボード備え付けのアドレッサブルなLEDイルミネーションが綺麗
- OLEDディスプレイパネル「ASUS Live Dash」が意外と便利かも
- 16フェーズの堅牢なVRM電源回路、アクティブ空冷な超大型VRM電源クーラーを搭載
- 32コアRyzen TR 3970X 4.0GHz(PBO)、メモリクロック3600MHz OCで安定動作
- 外部センサーと搭載で水温ソースのファンコンも可能なので水冷PCにも最適
- 重量級グラボにも耐えるメタルアーマー採用PCI-Eスロット「SAFESLOT」
- ヒートシンク搭載、PCIE4.0対応NVMe接続のM.2スロットを2基設置
- ヒートシンク搭載の独自M.2スロット「ROG DIMM.2 HS」を搭載
- リアI/OにAQUANTIA製10Gbイーサを標準搭載
- WiFi6、最大通信速度2400Mbps、Bluetooth5.0に対応したIntel製の無線LAN搭載
- スタート・リセットスイッチなど動作検証に便利なオンボードスイッチ
- 各種オンボードスイッチ等、オーバークロッカー向けのハードウェアツールを多数備える
- マザーボードサイズはATXより幅が20mm程長いE-ATXなのでPCケースとの干渉に注意
- メモリスロットは上側の片ラッチで、VRM電源クーラーとのスペースが狭い
TDP280Wの第3世代Ryzen Threadripperに対応すべく開発された「ASUS ROG Zenith II Extreme」の最大の特徴は何といっても一目見て目に付く、マザーボード上端を占領する16フェーズのVRM電源回路とファン内蔵の超大型VRM電源クーラーです。前世代32コアCPUの2990WXの大幅なOCに対応できていたX399マザーボードZENITH EXTREME Alphaから基本的な構造を引き継いでいるので、24コアや32コアが基本モデルとなる第3世代Ryzen Threadripper用のTRX40マザーボードとしては最も安心感のあるモデルだと思います。
ASUS製マザーボードではお馴染みですがBIOSやマニュアルの日本語ローカライズ品質は主要4社の中でも随一となっており、BIOSのテキストベースUIの使い勝手も良好です。ゲーマー&OCer向けROGシリーズと言うと高価で上級者向け製品のイメージが強いかもしれませんが、「ASUS ROG Zenith II Extreme」は初心者にも優しいマザーボードだと思います。
ASUSの新たな試みであるディスプレイ機能「ASUS LiveDash」は17年後半から実装が開始された比較的新しい機能ですが、「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」ではフルカラー有機ELディスプレイパネル「ASUS LiveDash OLED」にアップグレードされています。ハードウェアモニタリング表示やオリジナルアニメーション表示以外にも、POST中のチェック項目を逐次表示してくれるのが印象的で、今度の発展次第では初心者ガイドとして非常に有力な機能になる可能性を感じました。「ASUS LiveDash」は今後の発展に期待の高まる独自機能です。
Ryzen Threadripper 3970Xなど第3世代Ryzen Threadripperの特性上、PBOで電力制限を解除するだけに留まって、今回はCPUコアクロックのオーバークロックは行いませんでしたが、「ASUS ROG Zenith II Extreme」を使用した検証機では32コア64スレッドRyzen Threadripper 3970Xを自動OC機能によって全コア4.0GHzにクロックアップし、メモリも3600MHz/CL14にオーバークロックして安定動作させることができました。
手動OCを行わずとも高性能なCPUクーラーを組み合わせた時に自動的にクロックアップする第3世代Ryzen Threadripper CPUと組み合わせるTRX40マザーボードの評価において、CPUへ電力供給を行うVRM電源回路の品質やVRM電源クーラーの冷却性能が重要なファクターになるのは言うまでありません。
「ASUS ROG Zenith II Extreme」ではPBOによる電力制限解除によって400W超クラスの負荷が発生するRyzen Threadripper 3970Xの全コア4GHzクロックアップに対して、16フェーズの超堅牢なVRM電源によって安定した電力供給を行うことができました。
VRM電源の冷却面においては、マザーボード上端を占有するヒートシンクと金属製リアI/Oカバーをヒートパイプで連結させるという構造の超大型VRM電源クーラーを搭載し、さらにはVRM電源温度が低いアイドル時は停止するセミファンレス動作に対応した2基の内蔵ファンによるアクティブ冷却も加わります。これらの優れたサーマルソリューションと堅牢なVRM電源回路によって、「ASUS ROG Zenith II Extreme」では400Wクラスの長期的な負荷に対してVRM電源温度は80度未満に収まりました。「ASUS ROG Zenith II Extreme」であれば、VRM電源付近に直接風の当たらない簡易水冷CPUクーラー環境であっても第3世代Ryzen Threadripperをパッシブ空冷のまま余裕で運用できます。
メモリOCについては8GB×8=64GB構成において、メモリ周波数に同期するIF周波数も含めて考えれば第3世代Ryzen Threadripper環境では最速クラスとなるメモリ周波数3600MHz/メモリタイミング14-15-15-35-CR1が、検証機材メモリ「G.Skill Trident Z Neo F4-3600C14Q-32GTZN」に収録されたOCプロファイルを適用することで簡単に実現できました。
またOCプロファイルを使用しない手動OCにおいても、メモリ周波数と主要タイミングのみを設定するカジュアルOC設定でメモリ周波数3600MHz/メモリタイミング16-16-16-36-CR1で安定動作させることができました。AMD公式から第3世代Ryzen Threadripper環境のメモリ速度としてはスイートスポットと評価される3600MHz/CL16に、周波数と主要タイミングのみの簡単なOC設定で詰めることができたので、「ASUS ROG Zenith II Extreme」は回路品質だけでなくBIOS自動設定の精度という意味においてもメモリOC耐性は余裕で及第点をクリアしていると思います。
以上、「ASUS ROG Zenith II Extreme」のレビューでした。

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「ASUS ROG Zenith II Extreme」をレビュー
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) December 21, 2019
良い
✅3970XのPBOによる4GHzクロックアップに対応可能
✅3970X PBOに対してVRM電源温度は70度台
✅独自M.2スロットROG DIMM.2 HS
✅Aquantia製10Gb LANを標準搭載
悪いor注意
⛔メモリスロットは上側の片ラッチでスペースが狭いhttps://t.co/C1xJoAvubV
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Ryzen Threadripperは従来のCPUに比べて非常に大きいヒートスプレッダが採用されているので、大型ベースコアを採用するThreadripper専用CPUクーラーがおすすめです。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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