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不要な光の反射を抑えることで、被写体本来の色彩を鮮明に再現する円偏光フィルター「Kenko ZX C-PL」をレビューします。発売から結構(3年以上)経つ製品なのに意外とググっても両社の実機比較が出てこなかったので、「ZX C-PL」と「Zéta Quint C-PL」を比較してみました。
PLフィルターは自作PC関連レビュー用素材撮影でもかなり便利だと気づき、先日、高級PLフィルターの「Zéta Quint C-PL」を購入したばかりなのですが、レンズ沼ならぬフィルター沼にハマり、色々ググると、KenkoのC-PLフィルターは、耐久性や高級感路線の”Zéta Quint”に対して、画質を追求した”ZX(ゼクロス)”というブランディング、この両者がどれくらい違うのか気になってしまった次第です。
製品公式ページ:https://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/filter/pl/4961607542521.html
PLフィルターは風景など外撮りでコントラストを上げたり、ガラスや水面の反射をカットするくらいにしか使わないと思っていたのですが、レビュー用素材撮影でも白い背景布の写り込みをカットできて非常に便利です。(下の比較写真は2000円7枚キットのPLフィルターなので少々黄ばみがあります)
「Kenko ZX C-PL」はフィルターケースも兼ねた青色透明のプラスチックケースで梱包されています。Zéta Quintに比べるとやはり高級感は感じませんが、PLフィルターの劣化を防止する紫外線吸収フィルターケースです。(49mm~82mm)
「Kenko ZX C-PL」はレンズ保護ガラスフィルター等と同様にネジ込み式で一眼カメラ用レンズに装着するフィルターです。37~82mmまでのフィルターサイズがあるので、フィルターにさえ対応していればだいたいのレンズで使用できるはずです。フィルター径が大きくなるほど価格もあがりますが。
レンズ側に加えて被写体側にも同じ径のネジ山があるのでPLフィルターの上からさらに別のフィルターを装着できます。
公式に広角レンズとも高互換性であるとアピールされているように、回転構造を備えながらも、ネジ込み部を除いて厚み4.8mmと確かに非常に薄いフィルターです。
Kenko ZX C-PL(左)とZéta Quint C-PL(右)の厚みは0.1mm程度の差はあるもののほぼ同じです。枠の先端に面取りローレット、側面に平目ローレット加工は共通ですが、Kenko ZX C-PLでは側面ローレットが全周にあるので、若干装着しやすいかもしれませんがそれくらいの違いです。
重量を比較するとKenko ZX C-PLは19g(まれに20gに振れるので19.5g前後?)、Zéta Quint C-PLが18gでした。Zéta Quint C-PLはフレーム素材がジェラルミンなので少し軽量なのかも。
Kenko ZX C-PLは周知の通り、フィルター面の平面性を高めるフローティングフレームが採用されておりレンズの解像力そのままにPL効果を発揮する、最高画質のPLフィルターとしてアピールされています。
一方でZéta Quint C-PLはフレームにアルミニウムより高硬度かつ軽量なジェラルミンを採用し(ガラス面自体も強化ガラスを採用)、物理強度的にフィルターの平面性を保証しています。またフレーム塗装も傷が付きにくい梨地黒アルマイト処理です。
Kenko ZX C-PL(左)とZéta Quint C-PL(右)は従来のPLフィルターと比較して露出倍数で1.7~2.2倍(約2/3絞り~1絞り分)も明るいことがアピールされていますが、横並びにして見ると、Zéta Quint C-PLの方が若干明るく見えます。
ちなみに製品スペックによるといずれも低反射ZRコートが採用されていますが、Kenko ZX C-PLは反射率0.3%以下、Zéta Quint C-PLは強化ガラスのためか反射率0.6%以下です。
以上、「Kenko ZX C-PL」の概要でしたが、ここからは実際に写真で「Zéta Quint C-PL」と比較していきます。カメラはSony α7C レンズキットを使用しています。(ステップアップリングを介して58mmのC-PLフィルターを使用)
まず、「Kenko ZX C-PL」とフィルターなしとの比較が下のようになっています。
フィルターなしでシャッター速度1/15に対して、「Kenko ZX C-PL」を使用するとシャッター速度1/6程度で同じ程度の露出になります。ISOだと200→400に上げる感じです。
PLフィルターなので当然暗くなるのですが、「Kenko ZX C-PL」では露出を揃えた時にフィルターなしとの色味の変化がほとんどありません。
次に、「Zéta Quint C-PL」とフィルターなしとの比較が下のようになっています。
先ほど同様にシャッター速度1/6程度で同じ程度の露出になりますが、「Zéta Quint C-PL」では色味が若干黄色がかっているのが分かると思います。
最後に、「Kenko ZX C-PL」と「Zéta Quint C-PL」との比較が下のようになっています。
「Zéta Quint C-PL」のほうが明るいですが、フィルターなしに対して色味が忠実なのは「Kenko ZX C-PL」です。
明るさの差については意外でしたが、メーカー公式ページでもZX C-PLは”新開発の高透過偏光膜により、黄色みがかかることなく、自然な青空、白い雲を再現”とアピールされていたのでその通りの結果になったと思います。
細部については色味の問題かもしれませんが、「Kenko ZX C-PL」のほうがノイズ感が少ないような気も?
「ZX C-PL」と「Zéta Quint C-PL」を比較してみた結果として、フィルターなしに対して色味が忠実で低ノイズなので(後者は気のせいかもしれませんが)、若干暗くはあるものの、メーカーの言う通り「ZX C-PL」の方が高画質という結論で間違いはないと思います。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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