アンリアルエンジン5の最新機能によって実写映画のようなライティングで描かれる超高画質な中国ファンタジー世界を舞台に、ソウルライクな高難度アクションが楽しめる話題作「黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)」のPC版について最新GPUや最新CPUでベンチマーク比較してみました。
各種ベンチマーク結果から、黒神話:悟空 PC版を快適にプレイ可能なグラフィックボードやCPUなどPCスペックを紹介します。
GPU/CPU別ベンチマーク比較や推奨動作環境をチェックしつつ、NVIDIA GeForce RTX 50/40シリーズやAMD Radeon RX 9000/7000シリーズなど今後の新発売ゲームにも幅広く対応できそうな最新GPUに的を絞って、黒神話:悟空 PC版が快適にプレイ可能なおすすめグラフィックボードやPCスペックを紹介していきます。
目次
2.ベンチマークの検証機材やテスト設定について
・ベンチマークの検証機材について
・ベンチマーク設定やテストシーンについて
3.黒神話:悟空 グラボ別ベンチマーク比較
・フルHD解像度のベンチマーク比較
・WQHD解像度のベンチマーク比較
・4K解像度のベンチマーク比較
4.グラボ別ベンチマークの補足
・画質設定プリセットは”超高”がオススメ
・フルレイトレによる表現力が圧倒的
・DLSS4/FSR4など中間フレーム生成に対応
・フレーム生成で60FPS達成は非推奨
黒神話:悟空 PC版 推奨動作環境について
黒神話:悟空(Black Myth: Wukong) PC版の推奨動作環境は公式仕様として公開されています。
黒神話:悟空 推奨動作環境 | ||
推奨動作環境 フルHD 高画質プリセット |
最低動作環境 フルHD 中画質プリセット |
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CPU | Intel Core i7-9700 AMD Ryzen 5 5500 もしくはそれ以上 |
Intel Core i5-8400 AMD Ryzen 5 1600 もしくはそれ以上 |
GPU | GeForce RTX 2060 Radeon RX 5700 XT Arc A750 もしくはそれ以上 |
GeForce GTX 1060 Radeon RX 580 もしくはそれ以上 |
VRAM | 6 GB 以上 | 6 GB 以上 |
システムメモリ | 16 GB 以上 | 16 GB 以上 |
ストレージ | 130GB以上、SSD推奨 |
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Windows Version |
Windows 10/11 64bit , DirectX 12 |
黒神話:悟空 PC版をフルHD(高画質プリセット、レイトレ無効)でプレイする場合の推奨グラフィックボードはGeForce RTX 2060やRadeon RX 5700 XTとなっているので、現在の現行最新GPUにおいてはGeForce RTX 4060やRadeon RX 7600(XT)といったミドルクラスの製品が該当する、というか推奨スペックを余裕で上回ります。
ちなみに、最新コンソールゲーム機についてはPlayStation 5がGeForce RTX 3060と同じくらい、Xbox Series XがGeForce RTX 3070よりもやや遅いくらいの性能です。(GPUスペックから想定したざっくり評価ですが)
マウス&キーボード操作との相性などPCゲーミングならではの魅力はありますが、すでにPlayStation 5の時点でグラフィック性能はRTX 3060程度まで達しているので、これからPCゲーミング用途でグラフィックボードやゲーミングPCを新調するのであれば、GeForce RTX 4060 TiやRadeon RX 7700 XTよりも高速な製品を選択するのがオススメです。
また、より高画質な4K解像度・超高画質プリセット、さらに鏡面反射やグローバルイルミネーション、シャドウをリアルに表現するフルレイトレーシング(パストレーシング)機能有効で快適にプレイするのに必要なスペックについても発表されています。
4K解像度かつ超高画質プリセットGeForce RTX 4070以上が推奨され、VRAM容量も12GB以上が要求されるので、基本的に最新のアッパーミドルからハイエンド級のグラフィックボードが要求されます。
黒神話:悟空のレイトレーシングは従来のラスタライズに一部レイトレーシング表現を複合するハイブリッド式ではなく、パストレーシングとも呼ばれる全てをレイトレーシングで実行する非常に重いレンダリング”フル レイトレーシング”になっていて、GPU性能要求が非常に大きく、推奨GPUも20万円程度するハイエンドモデル GeForce RTX 4080 SUPERです。
グラフィックやレイトレの設定を引き上げるとCPUバウンドな傾向も強くなります。なぜか推奨スペックでは他と同じままですが。
後ほどCPUボトルネック比較も紹介しますが、特にレイトレを使用する場合はCore i7 14700(K/F)、Core Ultra 7 265(K/F)、Ryzen 7 9800X3Dなど最新のアッパーミドルクラス以上のCPUが推奨です。
黒神話:悟空 4K/レイトレ 動作環境 | ||
4K解像度 超高画質プリセット |
4K解像度 レイトレ:超高 |
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CPU | Intel Core i7-9700 AMD Ryzen 5 5500 もしくはそれ以上 |
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GPU | GeForce RTX 4070 Radeon RX 7800 XTX もしくはそれ以上 |
GeForce RTX 4080 SUPER もしくはそれ以上 |
VRAM | 12GB 以上 | 16GB 以上 |
システムメモリ | 32GB以上 |
黒神話:悟空 PC版の4K解像度やフルレイトレーシング有効は上記推奨スペックの通り、高価な最新のグラフィックボードやCPUが要求されますが、その分だけ最新ゲーム機 PlayStation5をも上回る、実写と見紛うレベルの非常に高精細な映像で、重厚なストーリーとスタイリッシュな高難度アクションが楽しめます。
育成要素もあるので、それが解放される辺りまで進めると多少難易度は緩和されますが、それでも黒神話:悟空はかなりの高難度アクションです。
各章で異なるコンセプトの中国ファンタジーなロケーションを巡ることができるので、個人的にはガチャガチャしてるだけで無双できたり、ジャスト回避が簡単になる感じのイージーモードがないのはちょっと残念でした。
ベンチマークの検証機材やテスト設定について
黒神話:悟空(Black Myth: Wukong) PC版のグラフィックボード別ベンチマーク比較に使用する検証機材やテスト設定について説明しておきます。
ベンチマークの検証機材について
グラフィックボード別ベンチマークの検証システムは、CPUをIntel Core i9 14900K、メモリ周波数5600MHz(DDR5)に統一しています。
最新モデルのNVIDIA GeForce RTX 50/40シリーズとAMD Radeon RX 9000/7000シリーズと、加えて比較用にいくつか旧世代で、合わせて計23種類のGPUで検証しています。
GPUベンチマークの比較機種 | ||
最新 NVIDIA製GPU |
最新AMD製GPU | 比較用 旧世代 |
GeForce RTX 5080
GeForce RTX 4060 |
Radeon RX 9070 XT
Radeon RX 7600 |
GeForce RTX 3060 12GB GeForce RTX 3060 Ti GeForce RTX 3070 GeForce RTX 3080 10GB Radeon RX 6600 XT |
GeForce Driver 572.83 | Adrenalin 25.3.2 | ドライバは左と同じ |
『そもそもグラフィックボード(GPU)の型番がよく分からない』という人は先にこちらの記事を参照してみてください。
2025年最新ハイエンドGPUのGeForce RTX 5080についてはサンプルとしてお借りした「Gainward GeForce RTX 5080 Phoenix」を使用しています。
ASUSやMSIなどマザーボードも販売しているメーカーに比べると国内市場ではマイナーですが、RTX 5080オリファンモデルの中では最安値クラスの安価かつ、冷却性能や静音性も十分なので、ブランドにこだわらずコスパ重視な人には特にオススメな製品です。
ベンチマーク設定やテストシーンについて
ベンチマークを行う解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類です。
超解像については全ての解像度で使用しています。NVIDIA製GPUではDLSS、AMD製GPUではFSR(最新のRX 9000はFSR4、旧世代はFSR3)、Intel製GPUではXeSSを使用し、アップスケール品質はクオリティで統一しています。
各社の超解像技術次第でアップスケール品質に差があることもありますが、ソースとなるレンダリング解像度を揃えることを優先しています。
なお、黒神話:悟空では超解像のアップスケール品質(サンプリング解像度)を1%刻みで設定できますが、DLSSの場合は設定値に依らず、パフォーマンス(50%)/バランス(58%)/クオリティ(67%)などステップ状での設定になります。
前述の通り、DLSSのアップスケール品質はクオリティ(67%)ですが、FSRやXeSSなど1%刻みでサンプリング解像度を設定できるものは67%に統一しています。
グラフィック設定はラスタライズ関連の高設定プリセットを採用しています。
詳細はスクショの通りですが、モーションブラーやカメラの手振れ(カメラシェイク)を無効にしたり、一部を変更しています。DLSS FGなど中間フレーム生成機能は使用していません。
グラボ別ベンチマークに使用するグラフィック設定は、最新ゲーム機のPS5やXboxSXと少なくとも同等か、可能ならさらに高画質であることを1つの基準にして決定しています。
黒神話:悟空は高画質プリセットでもスクリーンショットで確認するとかなり高画質で、さらに上の超高画質プリセットや最高(シネマティック)画質プリセットとそれほど差がなさそうに思えますが、高画質プリセットは映像で見ると割と近距離でも草木などオブジェクトや影のポップが発生します。
黒神話:悟空はアンリアルエンジン5の最新機能によって実写映画のような再現された中国ファンタジー世界を探索することも醍醐味の1つです。
下に掲載している比較グラフの通り、GPU要求が高くなり過ぎても解説記事として微妙なので、高画質プリセットでベンチマーク比較を行っていますが、個人的には超高画質プリセットに対応できる環境がオススメです。
参考までにRTX 4090の4K解像度において、画質プリセット、レイトレ、超解像スケールを変えた時のフレームレートが次のようになっています。
高画質プリセットで検証するグラボ別ベンチマークにおいて、85~90FPSくらい出ていれば超高画質プリセットにも対応できます。
フルレイトレーシングを使用する場合も、超解像をパフォーマンスにすれば画質プリセット:超高とレイトレ:中で同じようなフレームレートなので、画質重視でGPUを選ぶ場合は85~90FPSを目安にするのがオススメです。
実際には個別GPUや検証シーンによってもグラフィック設定別のスケーリングは多少変わりますが、一応目安にはなると思います。
黒神話:悟空のレイトレーシングはラスタライズとのハイブリッド式ではなく、パストレーシングとも呼ばれるフルレイトレーシングになっています。
ここ1,2年の最新PCゲームと比較しても一線を画すと言っても過言ではないくらいに、フォトリアルで上質なライティング、シャドウの表現を実現しています。レイトレの神髄を垣間見ることができる一例なので、対応できる高性能GPUを所有しているなら一度は体験してもらいたいです。
ただ、まともに動かそうとするとレンダリング解像度を大幅に下げるか、RTX 5070 TiやRTX 5080など20万円前後のハイエンドGPUが必要になってくるので、今回のGPUベンチには非採用です。
GPUベンチマークの測定シーンについてはGPU負荷が高く、CPU負荷も適度に高いので、極楽谷の快活林周辺の一定ルートを使用しています。
極楽谷の快活林周辺はラスタライズベースではかなり重いシーンですが、フルレイトレーシングを有効にすると鏡面反射やグローバルイルミネーションによるレイ投射が大量に発生するので、花果山の捕螂汀周辺のほうが重くなります。
後ほど紹介するCPUボトルネック検証ではレイトレ有効時のCPU性能要求の一例として同シーンを使用したベンチマーク結果について紹介します。
黒神話:悟空 PC版 グラボ別ベンチマーク比較
黒神話:悟空(Black Myth: Wukong) PC版のグラフィックボード別ベンチマーク比較の結果をチェックしていきます。
フルHD解像度のベンチマーク比較結果
まずはフルHD解像度における黒神話:悟空 PC版 グラボ別ベンチマーク比較です。
グラフィック設定が高画質プリセット、NVIDIA DLSS/AMD FSRの超解像機能を使用すれば最も高い超解像品質(クオリティ)でも最新ミドルクラスGPUのGeForce RTX 4060やRadeon RX 7600で60FPS程度のフレームレートを発揮できます。
グラフィック負荷がメチャクチャ重いPCゲームとして挙がりやすいタイトルですが、レイトレを使用せず、グラフィック設定が高画質プリセットであれば、『黒神話:悟空 PC版は最新タイトルとしてはやや重めくらいのPCゲーム』です。
黒神話:悟空についてはVRAM容量はあまり気にする必要はありません。
基本的に8GB以上のVRAM容量があれば十分で、WQHD/4K解像度やレイトレなど設定を引き上げた場合、VRAM使用量も増加しますが、基本的にGPU性能の方が先にボトルネックになって、そもそもフレームレートが伸びません。
GeForce RTX 50やRadeon RX 9000のミドルクラスがRTX 4070程度の性能かつ8GBのVRAM容量だったりすると少々怪しくなりますが、今のところは大丈夫です。
黒神話:悟空はどちらかというとNVIDIA製GPUに優位なタイトルですが、AMD製GPUについても競合比で1ランク分下がるか下がらないかくらいです。ただレイトレを使用するのは部分レイトレのハイブリッド式ではなくパストレーシングなので厳しいと思います。
あとRX 6700 XTだけはなぜか、一般的なGPU性能スケーリングから外れて1割程度さらに性能を落としました。ゲームやドライバの不具合の可能性もありますが、アンリアルエンジン5の最新機能を使っているタイトルなので、旧世代のAMD製GPU(Radeon RX 6000)において何かしらボトルネックになる部分もあるかもです。
あとベンチマーク設定として高画質プリセットを採用していますが、草木や影のポップ発生など映像として気になるところもあるので個人的な推奨設定は超高画質プリセットです。
RTX 4090の画質設定別スケーリングを参考にすると、超高画質プリセットで快適プレイするには目安として85~90FPSくらいは必要になります。
2025年以降の最新タイトル同様に、やはり画質を重視するとGeForce RTX 4070やRadeon RX 7800 XTなど最新アッパーミドルクラスのGPUが必要です。
WQHD解像度のベンチマーク比較結果
続いて、WQHD解像度における黒神話:悟空 PC版 グラボ別ベンチマーク比較です。
WQHD解像度において快適なプレイ水準となる平均60FPSをクリアできるのは、GeForce RTX 4060 TiもしくはRadeon RX 7700 XT以上のGPUです。
前世代についてもハイエンドGPUのRTX 3080やRX 6800 XTは70FPS以上出ているのでWQHD解像度で問題なくプレイできます。
ただ、WQHD解像度以上でプレイするなら高画質プリセットのままで妥協するよりも、超高画質プリセットにも対応できるRTX 4070 SUPER以上のGPUを選ぶのが当サイト的にはオススメです。
2025年最新GPUならGeForce RTX 5070かRadeon RX 9070が推奨です。
4K解像度のベンチマーク比較結果
最後に4K解像度における黒神話:悟空 PC版 グラボ別ベンチマーク比較です。
4K解像度において快適なプレイ水準となる平均60FPSをクリアできるのは、GeForce RTX 4070かRadeon RX 7900 XT以上になります。
黒神話:悟空を4K解像度でプレイしたい場合、2025年最新GPUならGeForce RTX 5070かRadeon RX 9070が推奨です。
最終出力が4Kなのでボケ感が気にならなければ、超解像をバランスやパフォーマンスに下げてフレームレートを引き上げるのもアリです。
ただ、黒神話:悟空についてはパフォーマンスなど低サンプリング解像度にすると、画質設定との相性もあるのですが、草木の細かい描画がチラチラと点滅することがあったので注意してください。
すでに何度か説明した通り、画質プリセットを超高に引き上げると草木や影のポップが軽減されて映像としての質が上がりますが、GPU性能要求が非常に高くなります。
超解像をバランスやパフォーマンスにするとしても、4K解像度で超高画質プリセットにするとなるとGeForce RTX 5070 TiかRadeon RX 9070 XT以上のGPUが必要になると思います。
グラボ別ベンチマークの補足
グラボ別ベンチマークの結果や、それから推奨されるGPUについては上記の通りですが、その他に注意事項等の補足があればこの章でいくつか記載しておきます。
画質設定プリセットは”超高”がオススメ
黒神話:悟空は高画質プリセットでもスクリーンショットで確認するとかなり高画質で、さらに上の超高画質プリセットや最高(シネマティック)画質プリセットとそれほど差がなさそうに思えますが、高画質プリセットは映像で見ると割と近距離でも草木などオブジェクトや影のポップが発生します。
黒神話:悟空はアンリアルエンジン5の最新機能によって実写映画のような再現された中国ファンタジー世界を探索することも醍醐味の1つです。
GPU要求が高くなり過ぎても解説記事として微妙なので、高画質プリセットでベンチマーク比較を行っていますが、個人的には超高画質プリセットに対応できる環境がオススメです。加えて可能なら次節で紹介するレイトレも。
黒神話:悟空は上記のような事情があってやや例外寄りですが、一般にPCゲームの最高画質プリセット(非常に高い、ウルトラなど)は、高画質プリセットと見比べた時に”体感として高画質か”というと微妙だったりします。
低画質/中画質/高画質の3段階は明らかに違って、画質がスポイルされますが、最高画質プリセットは如何にフォトリアルを実現するか、みたいな方向性になっていて、被写界深度が弱かったり、影のエッジが強かったりという要素は非現実的であっても体感としてそちらの方が高画質に感じるという感想は珍しくありません。
黒神話:悟空にはグラボ別ベンチマークに採用している高画質プリセットの上に、超高画質プリセットと最高(シネマティック)画質プリセットの2つもあります。違いが分かるように参考スクリーンショットをいくつか用意しました。
画質プリセット下げると急激にテクスチャ品質が下がるゲームもありますが、黒神話:悟空の高設定と超高設定ではテクスチャ品質はほとんど変わりません。
スクショでグリグリと拡大して見比べると違いが分かりますが、映像の中でテクスチャの低解像やボケを見分けるのは結構難しいレベルだと思います。テクスチャ品質の差は気にしなくてもOKです。
差が出るポイントを挙げると、基本的に画質プリセットを引き上げる毎に草木のオブジェクトが増え、影の付き方がよりリアルになります。
スクリーンショットで見ても違いが分からん(主観的な好みの差)的な最高画質プリセットも珍しくありませんが、黒神話:悟空は描画される草木もリッチになり、影の付け方の差でハリボテ感がなくなるので、比較的に違いが分かるタイプのゲームです。
加えて冒頭で紹介したように、動きのある映像として見た時に草木や影のポップが軽減されるので、キャラを動かして映像が変化する時の違和感が無くなるところも地味に重要です。
ただ、超高画質プリセットと最高(シネマティック)画質プリセットはかなりフォトリアルになるのですが、影が付き過ぎてアクションゲームの映像としては薄暗くて見辛くなるという欠点もあります。
フルレイトレーシングによる表現力が圧倒的
黒神話:悟空のレイトレーシングは、レイトレ対応ゲームで一般的なラスタライズとのハイブリッド式ではなく、パストレーシングとも呼ばれるフルレイトレーシングです。
ここ1,2年の最新PCゲームと比較しても一線を画すと言っても過言ではないくらいに、フォトリアルで上質なライティング、シャドウの表現を実現しています。レイトレの神髄を垣間見ることができる一例なので、対応できる高性能GPUを所有しているなら一度は体験してもらいたいです。
まともに動かそうとするとレンダリング解像度を大幅に下げるか、RTX 5070 TiやRTX 5080など20万円前後のハイエンドGPUが必要になりますが、予算が許すならぜひ検討してみてください。
前節で説明した通り、通常の画質プリセットも高/超高/最高で見え方は変わりますが、草木や影のポップが軽減される超高プリセットに留めて、フルレイトレを中か超高にすると高画質な映像体験として一番良い塩梅になると思います。
画質プリセットを超高や最高に引き上げると影の付き方がよりリアルになってオブジェクトのハリボテ感が軽減される代わりに、かなり薄暗い映像になってしまいましたが(太陽光やスポット光源を上手く再現できないせいで)、フルレイトレーシングではグローバルイルミネーションやスポット光源の光が上手く再現されるので、よりリアルでありつつ、映像としても明るくなります。
各種オブジェクトのハリボテ感の軽減に留まらず、オブジェクトの立体感や空間の奥行きまで強く感じられる映像に生まれ変わります。
また他のゲームでもよく見る違いですが、黒神話:悟空でも水辺の濁って死んだ水が、レイトレーシングによる透過、屈折、反射の表現によって生き返ります。
黒神話:悟空のフルレイトレには低/中/超高の3段階の設定があります。
中と超高の違いは主に2つ、『水面など反射像の解像感』、『影の付き方による立体感』です。低は水面の反射が変になるので基本的に非推奨です。
レイトレの有効・無効や中設定と超高設定の違いが分かるように参考スクリーンショットをいくつか用意しました。
DLSS3/FSR3など中間フレーム生成にも対応
黒神話:悟空は、NVIDIA DLSS 3やAMD FSR 3など最新の中間フレーム生成機能にも対応しています。
NVIDIA DLSS 3はGeForce RTX 40シリーズより新しいNVIDIA製GPU、マルチフレーム生成に対応するDLSS 4は最新のGeForce RTX 50シリーズでしか使用できませんが、AMD FSR 3の中間フレーム生成はAMD製GPUはもちろん、NVIDIA製やIntel製などここ数年のGPUなら基本的にどれでも使用できます。
ネイティブレンダリングで50~60FPSが安定して出せる環境であれば、これらの中間フレーム生成機能を利用することで、100FPS+のハイフレームレートの滑らかな映像でプレイできます。
黒神話:悟空はGPU負荷が重く、フルレイトレーシング有効時はCPUボトルネックも生じやすいゲームなので、100~200FPSのハイフレームレートを狙う時に中間フレーム生成は有効です。
NVIDIA DLSS 3/4、AMD FSR 3/4などバージョンが色々あって、どのバージョン、どのGPUの組み合わせで、どの超解像や中間フレーム生成といった機能が使用できるのか分かり難いかもしれませんが、まとめると次の表の通りです。
中間フレーム生成機能の違い | |||
ゲームが 対応する機能 |
対応GPU | フレーム生成 | 超解像 |
NVIDIA DLSS 4 |
RTX 50 |
2~4倍の マルチフレーム生成 (AIモデル) |
対応 トランスフォーマー AIモデル (従来のCNNモデルよりも高画質) |
RTX 40 |
2倍生成 (AIモデル) DLSS 3と同じ |
||
RTX 30以前 | 非対応 | ||
NVIDIA DLSS 3 (DLSS 3.5) |
RTX 40より 新しい |
2倍生成 (AIモデル) |
対応 CNN AIモデル |
RTX 30以前 | 非対応 | ||
AMD FSR 4 |
RX 9000 |
2倍生成 (非AIモデル) |
対応 AIモデル |
AMD FSR 3 (FSR 3.1) |
RX 7/6/5000 など各種 他社製GPU使用可能 |
対応 非AIモデル |
最新のGeForce RTX 50シリーズが対応するマルチフレーム生成 DLSS4は”4K解像度で240FPSを実現できる”機能です。
まず、240FPS+が重要になるe-Sports系タイトルでは遅延が理由でフレーム生成を使用すること自体がそもそもナンセンスです。
一方でFF7R、ホライゾン、スパイダーマン、モンハンワイルズなど高画質アクション系のゲームについては無駄とは言いませんが、120FPSもあれば体感する滑らかさや、操作レスポンスの良さは十分です。
中間フレーム生成については『2倍生成のDLSS 3が使えれば事足りる』というのが筆者の率直な意見です。
操作要素のないムービーシーンで30FPS程度しか出せないくらいGPU性能を画質に全振りして、マルチフレーム生成で120FPS化するとか、部分的な活用方法はあると思いますが、現状ではGPU選びにおいてDLSS4のマルチフレーム生成は重視する必要性の薄い機能です。
黒神話:悟空は2025年4月8日時点ではまだ、Radeon RX 9000シリーズがサポートする新機能 FSR 4には対応していません。
なお最新のAMD製GPUであるRX 9000シリーズが対応しているFSR 4は、GPU内蔵AIアクセラレーターによるAIモデルを活用した高品質な超解像に対応するという、超解像の部分に手が加えられたバージョンアップとなっており、フレーム生成の部分はFSR 3(FSR 3.1)と共通です。
FSR 4対応ゲームはRX 9000シリーズ以外のGPUでは、FSR 3(FSR 3.1)として動作するという認識でOKです。
FSR4対応ゲームであっても、そのまま起動すると従来バージョンのFSR 3.1が有効になります。Radeon RX 9000シリーズ環境でFSR 4を使用したい場合は、Radeon設定内でゲームタイトル個別かグローバルグラフィックの設定からFSR 4を有効にしてからゲームを起動してください。
フレーム生成で60FPS達成は非推奨、非VRRではテアリングも発生
中間フレーム生成機能についてはネイティブレンダリングでは100FPS+のハイフレームレートが難しいゲームでフレームレートを稼ぐための手段です。
ネイティブレンダリング解像度を下げる(超解像)か、グラフィック設定を下げるかで50~60FPSを達成し、その上で中間フレーム生成を使用して100~120FPS以上のハイフレームレートを実現する、というのがまともな使い方です。
50~60FPSを実現するために中間フレーム生成機能を使う場合、素のレンダリングは当然、半分の25~30FPSになってしまいます。低フレームレートは遅延を増加させ、30FPSと60FPSのネイティブレンダリングではラグ感が大きく異なります。
フレーム生成を使用する場合、最低でも2で割ったネイティブレンダリングのフレームレートが45FPS以上はないと表示遅延(操作ラグの体感)の面で話になりません。
下のスライド画像はNVIDIAがDLSS4によって表示遅延が軽減することをアピールしたものです。
素のGPU性能だとネイティブ4Kでレンダリングした場合、30FPS程度しか出ないため遅延が92ms程度と大きくなりますが、DLSS4を使用すると240FPSのハイフレームレートと遅延の半減を実現できます。
遅延に関して正確に言うと、超解像でネイティブ60FPSにすることで遅延が減り、遅延が増えるフレーム補間ありでも半分以下に軽減しているという具合です。
これと逆行しているのが60FPS達成のためにフレーム生成を使用する(ネイティブ30FPSで遅延が大きいまま)という愚行です。
ソロゲームやオンラインCoop(協力)ゲームであれば、オンライン対戦ゲームのように有利性を得るために表示遅延を切り詰める必要はありませんが、”快適”を称するならネイティブ60FPSの遅延水準は必須です。
NVIDIA Reflexなど低遅延化機能は実装されているとはいえ、ネイティブ30FPSのラグ感のある操作のままスクロールや視線振りだけ滑らかにするというのはアクションゲームの実装として非常にナンセンスです。そもそも60FPSの推奨動作環境において中間フレーム生成を指定している公式発表が筆者には理解できません。
タイミングにシビアな操作が要求されるアクションゲームを快適にプレイするなら、ネイティブレンダリングで60FPSをキープできる高性能GPUを用意するか、上にも書いた通り、グラフィック負荷を下げて60FPSに近づけるのが当サイトのオススメです。
あと、NVIDIA DLSS3もAMD FSR3も中間フレーム生成を有効にすると、垂直同期 V-Syncは排他利用で無効になるため、テアリングが発生します。
60Hz前後におけるテアリングは視覚損失が酷く、120Hz前後でもチラチラとしたノイズ感が気になります。
フレーム生成使用時にテアリングを排除するには、最近のゲーミングモニタなら対応していますが、可変リフレッシュレート同期 VRRが必須なのでこれも注意してください。
NVIDIA G-Sync Compatible、AMD FreeSync、HDMI Variable Refresh Rateなど可変リフレッシュレート同期には色々と呼び方がありますが、中身はVESA Adaptive-Syncで共通なので、どれかに対応という表記があれば、ゲーミングPCならVRRを利用できます。
MODでFOV変更、ビネット・色収差の無効化も可能
黒神話:悟空はPC版だけでなく、PS5やXbox Series X|Sの最新ゲーム機向けにも配信されていますが、PCでプレイするメリットの1つとして、サードパーティー製MODを使用できるところも挙げられます。
黒神話:悟空で使用できる代表的なMODの1つが「WukongTweak」です。
同MODを使用すると、FOVの変更や、ゲーム内グラフィック設定には項目のないビネット、色収差(Chromatic Aberration)の無効化が可能です。
実写映画のようなフォトリアルな映像を目指したタイトルなので、黒神話:悟空は画面の外周部を暗くするビネット効果が標準で有効になっていますが、もともと暗めの映像ということもあり、好みが分かれるエフェクトです。WukongTweakを使用すると簡単に無効化できます。
WukongTweakの使い方は非常に簡単です。
- Githubの公式リリースから最新版をダウンロード
- ゲーム実行ファイルの場所にMODファイルをコピー
”Steamライブラリフォルダ” \common\BlackMythWukong\b1\Binaries\Win64 - ”WukongTweak.ini”をメモ帳などテキストエディタで編集
以上の3ステップです。
MODファイルをゲームインストールフォルダの実行ファイルと同じ場所にコピーしたら、”WukongTweak.ini”をメモ帳などテキストエディタで開きます。
色収差(Chromatic Aberration)は最初から無効化されているので、ビネット(Vignette)も無効化したい場合は設定値をfalseに書き換えて上書保存してください。
黒神話:悟空 PC版 CPUボトルネック比較
黒神話:悟空(Black Myth: Wukong) PC版のCPU別ベンチマーク比較の結果から、CPUボトルネックが生じやすいゲームなのか、どれくらい影響があるのかチェックしていきます。
最初に公式の推奨動作環境をおさらいしておくと、フルHD、高画質プリセットという設定の推奨動作環境において、CPUについては8コア16スレッドのIntel Core i7-9700や6コア12スレッドのAMD Ryzen 5 5500といった5年くらい前のCPUが挙げられています。
現在、新品のPCパーツ単体(新品)やゲーミングBTO PCとして選択できるCPUとしてはIntel第12世代CoreかAMD Ryzen 5000よりも新しく、なおかつ6コア12スレッド以上のCPUを選択するのが無難です。
2025年最新CPUで言うと黒神話:悟空の推奨動作環境CPUは、Intel Core Ultra 5 225(F)、AMD Ryzen 5 9600(X)が該当します。
これらで足りるならゲーム性能にはそれほど大きな差はないので1つ前の世代のIntel Core i5 14400/13400(F)、AMD Ryzen 5 7600(X)あたりでも良さそうです。
なお、第11世代Core以前のIntel製CPUやRyzen 3000以前のAMD製CPUについてはCore i5 13400/12400以下のゲーム性能となっており、Ryzen 5000も上位モデルのRyzen 7/9で同程度のゲーム性能です。
どのCPUなら黒神話:悟空 PC版を快適にプレイするのに十分な性能なのか、つまりCPUボトルネックによって高性能GPUが遊ぶことがないのかチェックしていきます。
今回検証するCPUは、Intel最新世代のCore Ultra 9 285K、Core Ultra 7 265K、Core Ultra 5 245Kに加えて、まだゲーミングBTO PCで現在採用されることの多い、Core i9 14900K、Core i7 14700、Core i5 13400(14400とほぼ同性能)の6種類です。
黒神話:悟空 PC版のCPUボトルネック検証については前章のグラボ別ベンチマークと同じく極楽谷の快活林周辺の一定ルートを使用しています。
黒神話:悟空 PC版のフルHDにおけるCPUボトルネックは次のようになっています。
グラフを見ての通りですが、Core i9 14900KやCore i7 14700はRTX 4070 Ti SUPERの環境において平均120FPS前後も出ているのに対して、Core i5 13400では平均100FPS程度に制限されます。
最小FPS(1% Low)も大きな差があり、Core i9 14900KやCore i7 14700は60FPSを余裕で上回るのに対して、Core i5 13400は50FPS程度に下がります。
上でも書いたように、Intel第11世代、AMD Ryzen 3000より古いCPUはCore i5 13400/12400未満のゲーム性能しかないので、古いCPU環境の人はCPU&MBも買い替えが推奨です。
Intelの最新世代 Core Ultra 200Sはアーキテクチャを従来から大幅に刷新し、省電力性能にフォーカスした世代となっており、ゲーム性能については第14世代Coreのほうが強かったりします。
最近はマイクロコードやWindows OS(24H2)のアップデートによってゲーム性能が向上しているという話もあり、第14世代Coreと同等以上の性能を発揮するタイトルもなくはないのですが、黒神話:悟空についてはCore Ultra 200Sの分が悪い感じです。
とはいえ、Core Ultra 7以上ならCore i7 14700に近いパフォーマンスを発揮しているので、最新ゲーミングCPUとして十分に実用レベルです。
WQHD解像度でもやはり、Core i5 13400はCore i7/i9の上位CPUや、最新のCore Ultra 200SシリーズCPUより低い性能です。
最小FPSも60FPSを下回るので、黒神話:悟空を高解像度、高画質で快適にプレイしたいということであれば、スタッター(カクツキ)の発生的にもCore i5 13400など旧世代のミドルクラスCPUは避けたいところです。
4K解像度については平均FPSや最小FPS(1% Low)のバーチャートでは差が出ないのですが、フレームタイムの推移を見ると、Core i5 13400はCore i7 14700に比べて明らかにフレームペースが乱れています。
CPU性能に余力がないので、短時間のベンチでは検出が難しくても、長時間プレイするとよりスタッターやカクツキに遭遇しやすい傾向です。
黒神話:悟空を4Kでプレイできる高性能GPUにCore i5 13400程度かそれ以下のCPUを組み合わせる人はいないと思いますが、既存環境からグラフィックボードのアップグレードを検討している人はやはりCPUも最新のアッパーミドルクラス以上にするのが無難です。
RTX 4070 Ti SUPERはWQHD解像度かつ超解像をパフォーマンスにすれば、画質プリセットを最高にして平均60FPS程度をキープできます。
この条件でCPUボトルネックを検証すると、平均FPSには大きな差は出ないのですが、CPU性能に応じて最小FPSに差が生じます。
Core i5 13400はCore i7 14700よりも明らかに最小FPSが低く、フレームタイムを見ても安定せず、スタッター的な乱れ確認できます。
極楽谷の快活林周辺はラスタライズベースではかなり重いシーンですが、フルレイトレーシングを有効にすると鏡面反射やグローバルイルミネーションによるレイ投射が大量に発生するので、花果山の捕螂汀周辺のほうが重くなります。
またフルレイトレーシングを使用するとCPU性能要求も跳ね上がります。レイトレ有効時のCPU性能要求の一例として同シーンを使用したベンチマーク結果について紹介します。
黒神話:悟空のレイトレはフルレイトレーシングなのでCPUに対する性能要求も非常に高いです。
RTX 4070 Ti SUPERの場合、WQHD解像度かつ超解像をパフォーマンス、画質プリセットとレイトレを超高にすると、フレームレートは60FPSにギリギリ届かない程度ですが、それでもCPU性能に応じて平均FPSと最小FPSがスケーリングします。
黒神話:悟空はアンリアルエンジン5の最新機能を使用した既存の3Dグラフィックの1歩先を行くタイトルですが、逆に言えば今後、こういったCPU性能要求なタイトルは増えていくと予想されます。やはりCPUも最新アッパーミドルクラス以上を選ぶのが無難です。
CPUボトルネックについてもっと詳しく知りたい人は、PCゲーム一般の話でCore i7 14700とCore i5の比較記事など解説記事をいくつか公開しているのでこちらも参照してみてください。
4Kのような高解像度ではCPUボトルネックは生じないという古い解説をするサイトも多いですが、CPUバウンドなシーンを含むゲームは年々増えています。
当サイト的にはこれからゲーミングPCを自作もしくはBTO PCで新調する場合、Core Ultra 7 265(K/F)、Core i7 14700(K/F)やRyzen 7 7700X/9700Xなど最新のアッパーミドルクラスCPUがオススメです。
黒神話:悟空 PC版にオススメなPCは? 【PR】
最後に、黒神話:悟空 PC版を快適にプレイ可能な、オススメのグラフィックボードやCPU、ゲーミングPCスペックについて簡単にまとめておきます。
黒神話:悟空 PC版を快適にプレイ可能なPCスペックについてまとめると次の通りです。
- フルHD・高画質プリセットならRTX 4060やRX 7600でも60FPS
一応、ベンチマーク結果としては、GeForce RTX 4060やRadeon RX 7600でも高画質設定プリセットで平均60FPS程度を安定して出せていました。
ただ黒神話:悟空が高く評価されている理由、アンリアルエンジン5の最新機能による高画質を真に体験しようと思うと、超高画質プリセット、さらにはフルレイトレーシング(中もしくは超高)が必要で、これに対応するとなるとGPUやCPUの要求も上がります。
- フルHD/WQHDにはRTX 4070 SUPERやRX 7900 XTが推奨
- 4K解像度なら、RTX 5070 TiやRX 9070 XT以上が推奨
- CPU要求も高く、Core i7 14700等が推奨
- さらにGPU要求も上がるがフルレイトレでも映像が一変する
という感じです。
最近ではPlayStation 5で発売されるメジャータイトルが1年以内にPC版としてリリースされたり、同時発売となることも珍しくないので、他の高画質PCゲームをプレイすることも想定するなら、自作するにせよBTO PCショップで購入するにせよ、現在、新しくゲーミングPCを用意するならCore i7 14700(K/F)とGeForce RTX 4070シリーズの組み合わせが当サイトの推奨スペックです。
ミドルクラスとして定番というか、比較的安価なゲーミングPCとして推奨されることの多いGeForce RTX 4060やGeForce RTX 4060 Tiについては黒神話:悟空でフルHD/60FPSは出るので、快適にプレイできないわけではありませんが、最新ゲーム機の性能を考えた時に相対的にコストパフォーマンスが良いかというと微妙と知っているので、筆者としては基本的にオススメしていません。
直近の有名タイトルではモンハンワイルズもメチャクチャ重くて、RTX 4070未満の性能はお断りレベルでした。
GeForce RTX 4060 TiとCore i5のようなミドルクラススペックのゲーミングPCを買うなら、PlayStation 5かPlayStation 5 Proを買う方が筆者としてはオススメです。
オススメのグラフィックボードについては別の解説記事もあるのでこちらも参照してみてください。
ゲーミングPCを買うならサイコムがオススメ
ここまで解説してきた通り、当サイト的に黒神話:悟空 PC版を快適にプレイ可能なPCの推奨スペックは『グラボがRTX 4070以上、CPUがCore Ultra 7/i7以上』です。
当サイト的な黒神話:悟空 PC版の推奨スペックを満たすゲーミングPCは各社から発売されていますが、中でもサイコムのゲーミングPCがオススメです。
2025年3月から4月14日まで、システムメモリやSSDの増設アップグレードがお得になる『春の新生活応援キャンペーン 2025』も開催されています。
サイコムのゲーミングPCはいくつかのモデルを最初に選択することでCPU&マザーボードやPCケースサイズが大まかに決まり、そこからさらに、自作PCの部品を選ぶようにオーダーメイド感覚でBTO PCがカスタムできるところが大きな特長であり、魅力です。
自作PC向けに市販されているマザーボードや電源ユニットをカスタマイズ欄から選択できるので、BTO PCの手軽さのまま、各自お望みの自作PCライクなゲーミングPCを購入できます。
”自作PCの部品を選ぶようにオーダーメイド感覚でBTO PCがカスタムできる”と書いたようにサイコムのゲーミングPCのカスタマイズ項目は、SSD 1TB、850W Goldなど単純なスペックではなく、市販の自作PC向けパーツを各自で選択できます。
自由度が高い分だけPC関連に疎い初心者には少し難しいかもしれませんが、マザーボード/SSD/電源ユニットなどパーツ単位で評判の良し悪しを確認できるので、細部まで満足のいく構成にしてゲーミングPCを購入できます。
またサイコムのBTO PCカスタマイズには自分で行ったカスタマイズ構成を保存・シェアする機能もあります。カスタム画面で下にスクロールしていくと、URLコピー/メール転送/Xポストのアイコンが表示されます。
検討しているカスタマイズ構成を保存したURLをクリップボードにコピーしたり、指定のメールアドレスにメールとして転送できます。
これでOKと思っても後から見返して変更したくなることもありますし、1日2日置いてもう一度確認してから購入を決めるというように、時間をかけてじっくり検討する時に便利な機能です。
相対的に安価なBTOメーカーは探せばありますが、RTX 4070など最新PCゲームに対応できる高性能ゲーミングPCは20万円以上と決して安い買い物ではないので、細部まで納得して購入できるところはサイコム製ゲーミングBTO PCの魅力です。
例えばチップセットだけ表記されることの多いマザーボードについて、サイコムの「G-Master Spear Z890」には複数の市販マザーボードが選択肢として用意されています。
マザーボードのカスタマイズ選択肢の中には、標準価格のまま無償で選択できるマザーボードとしてASUS Z890 AYW GAMING WIFI Wもあります。
市販マザーボードは公式ページのサポート情報も充実していますし、ASUS Z890 AYW GAMING WIFI Wは当サイトの検証でもCore Ultra 9 285Kも安定して運用可能な高品質なマザーボードという評価でした。
オススメモデル 1: G-Master Spear B760/D5
今、当サイト的に一番オススメのサイコム製ゲーミングBTO PCはIntel第14世代CPUが選択可能な「G-Master Spear B760/D5」です。
CPUは最新世代ではありませんが、ゲーム用なら最新世代と遜色ないトップクラスの性能を発揮します。ミドルタワーPCなら比較的に大きいCPUクーラーを搭載できるので、最新世代より発熱の大きい第14世代Coreでも静音性は十分に確保できます。
「G-Master Spear B760/D5」は1世代前のCPUなので、価格的にもこなれていて、最新モデルよりコストパフォーマンスが相対的に高いところも魅力です。
逆に最新世代のCore Ultra 200SシリーズCPUを搭載する「G-Master Spear Z890」についてはCPU&MBのプラットフォームから一般的に、
- NVMe M.2 SSDの搭載可能数が1台多い
- USB4、Wi-Fi 7(6E)など最新接続規格に対応
- 最新世代なので少し高価
といった特徴があります。カスタマイズで選択するマザーボードにも依るのでその点は注意が必要ですが、より多いストレージや最新接続規格も利用したい場合は検討してみてください。
オススメモデル 2: G-Master Spear Mini B860
2番目にオススメのモデルは、容積26LのコンパクトキューブPCケースを採用する「G-Master Spear Mini B860」です。
CPU性能でも簡単に触れたようにIntel最新のCore Ultra 200SシリーズCPUは今のところ、第14世代Coreの同ランクCPUと比較してゲーム性能が若干低いのですが、Core Ultra 7/9の上位モデルであれば、RTX 4070/SUPERなど最新アッパーミドルGPUには十分なゲーム性能です。
Core Ultra 7/9は省電力性能にフォーカスした世代だけあって、コンパクトキューブPCケースに収まるような小型CPUクーラーでも高い静音性を維持できるので、私室/リビングで空間を大きく占有しない小型ゲーミングPCを探しているなら「G-Master Spear Mini Z890」がオススメです。
コンパクトサイズながら、マザーボードには「ASRock B860M Pro RS WiFi」が採用されており、3基のNVMe M.2 SSDスロット、Wi-Fi 6E対応無線LAN標準搭載など拡張性、コネクティビティも十分です。
BTO PC製品名は”B860”ですが、Wi-Fi 7対応無線LAN搭載などよりコネクティビティや拡張性に優れたZ890マザーボード「ASUS PRIME Z890M-PLUS WIFI-CSM」もカスタマイズから選択できます。
オススメモデル 3: G-Master Hydro Z890 (Extreme)
3番目にオススメのモデルは、サイコム製ゲーミングBTO PCの代名詞とも言える、デュアル水冷の「G-Master Hydro Z890 (Extreme)」です。性能と静音性を追求するなら国内BTO PCメーカーの中でもトップクラスの製品です。
「G-Master Hydro Z890 (Extreme)」などG-Master Hydroシリーズの最大の特長はサイコムが独自に簡易水冷化したグラフィックボードを搭載しているところです。
空冷GPUクーラー搭載グラフィックボードを採用する一般的な同スペックGPUのBTO PCと比較して、さらに数万円ほど高価にはなりますが、静音性は非常に優れています。
GeForce RTX 40シリーズを独自に水冷化した既存モデルが終売になってしまったため、2025年4月現在、購入できませんが、RTX 50シリーズについても独自水冷化モデルを鋭意開発中のようです。急ぎでないのであれば、こちらの続報を待つのもありだと思います。
・簡易水冷化GeForce RTX 40搭載G-Master Hydroシリーズの販売ページへ
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黒神話:悟空(Black Myth: Wukong) PC版について23種類のGPUやCPUで性能をベンチマーク比較。
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