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国内でも18年2月に発売が予定されているVR HMD「HTC Vive」をワイヤレス化可能な専用キット「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」をいち早く輸入したのでレビューしていきます。「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」はVIVEヘッドマウントディスプレイに取り付ける受信機(レシーバー)「RX Module」、PCに取り付ける送信機(トランスミッター)「PC TX Module」、電源ユニット「Power Box」などで構成されるキット製品となり、データのロスや遅延が少ない、VIVEのワイヤレス環境を構築すること可能です。
代理店公式ページ:https://www.ask-corp.jp/products/tpcast/vr-device/tpcast-wireless-adapter-for-vive.html
製品公式ページ:https://www.tpcastvr.com/product
公式サポート:https://www.tpcastvr.com/support
TPCAST Wireless Adapter for VIVE (CE-01H)
TPCAST
<TSUKUMO><PCワンズ>
TPCAST Wireless Adapter for VIVEの内容品
まずは「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」の内容品をチェックしていきます。製品パッケージを開くと2重底で各種内容品が収められていました。
内容品の一覧は、送信機(トランスミッター)「PC TX Module」、受信機(レシーバー)「RX Module」、電源ユニット「Power Box」、Anker製モバイルバッテリー「Anker Power Core 20100」、電源ユニット&バッテリーポーチ、専用無線LANルーター、ルーター用ACアダプタとなっています。
VIVEヘッドマウントディスプレイに取り付ける受信機(レシーバー)「RX Module」は上側ヘッドバンドを通すためのスリットが下に付いた逆U字のブリッジ形状です。
受信機「RX Module」の重量は90g程度と軽量です。
受信機「RX Module」とHMDを接続するためのケーブルとしてはショートHDMIケーブルと、電源ボックスとHMDや受信機「RX Module」を接続するためのUSB&DCケーブルが付属します。USB&DCケーブルはHMD側のUSB端子が分岐しており、分岐先のUSB端子は受信機「RX Module」に接続します。
PCに取り付ける送信機(トランスミッター)「PC TX Module」はHTX Viveのリンクボックスと同程度の大きさの正方形型となっています。背面にはカメラ用三脚などが装着できるネジ穴が付属します。
ワイヤレス化したHTC ViveのVR HMD側に電力供給を行う電源ユニット「Power Box」はAnker製のモバイルバッテリーとUSBからの電力供給をUSB端子とDC端子に分岐するアダプタで構成されています。また電源ユニット「Power Box」をベルトなどに装着するための専用ポーチも付属します。
バッテリーと専用DCアダプタは下のようにモバイルバッテリーをアダプタに直接装着する構造です。
電力供給用のモバイルバッテリーには20100mAhの大容量バッテリー「Anker PowerCore 20100」が採用されています。「Anker PowerCore 20100」は市販のモバイルバッテリーとして4000円程度で販売されており、交換用バッテリーの入手性にも優れています。充電にはマイクロUSB端子を仕様する構造です。
Anker PowerCore 20100 (20100mAh 2ポート モバイルバッテリー)
Anker PowerPort Speed 2 (QC3.0対応2ポート USB急速充電器)
Anker
無線化キットとしては以上の受信機・送信機・バッテリーで全てと思っていましたが、「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」では加えて専用の無線LANを使用する必要があります。
専用無線LANの背面にはLANポート4つとWANポート1つが設置されています。
TPCAST Wireless Adapter for VIVEのハードウェアセットアップ
「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」を早速、ハード面でセットアップしていきます。なおトラブルシューティングを簡単にするため「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」を導入する前に、HTC Vive単体で最初にセットアップしてしまうのをおすすめします。
まずはHTC ViveのVR HMD本体に専用ケーブルとレシーバーを装着します。まずはVR HMD上部のカバーを開けて標準のケーブルを取り外します。
さらにヘッドバンドの上側ベルトも取り外します。
上で取り外したベルトにレシーバーを装着します。
専用のショートHDMIケーブルとUSB&DCケーブルを接続します。
標準ケーブルでもそうですが、HMD側I/Oポートのカバーが「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」付属のケーブルではさらに輪をかけて閉じにくくなっています。HTC ViveのI/Oポートカバーの閉じにくさは何とかして欲しいところ。ひとまずこれでVR HMD側のセットアップは完了です。
PCと接続する送信機(トランスミッター)「PC TX Module」はもともとVR HMD本体と接続されているケーブルを使用してリンクボックスと接続します。
トランスミッタ―の裏側にはカメラ三脚などで使用できるネジ穴があるので、プレイエリアをカバーできるように高所への設置が推奨されています。ただHTC Viveのベースステーションの赤外線のような光学的な通信ではなく、電波通信なのでさほど障害物に注意する必要はないと思います。
トランスミッタ―はOculus RiftのセンサーやHTC Viveのベースステーション同様に固定可能なので下の記事でまとめているアクセサリーなどがおすすめです。
・Oculus RiftやHTC Viveのセンサー固定におすすめなグッズを紹介
最後に専用の無線LANルーターを使用するPCに接続します。
専用無線LANの設定は「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」用に最適化されているので弄るなとの注意書きがあるので、インターネットに接続する場合はルーターのLANポートをPCと接続し、WANポートをインターネットに繋がったルーター等に接続しました。
PC - (LAN)普通の無線ルーター(WAN) - 光回線の変換機
→ PC - (LAN)専用ルーター(WAN) - (LAN)普通の無線ルーター(WAN) - 光回線の変換機
のように単純に有線接続の間に専用ルーターを挿入しただけですが、問題なくインターネット接続も可能でした。「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」を使用する場合は無線によるインターネット接続にこだわらず有線で繋いでしまうのが手っ取り早いと思います。
以上でハードウェア面のセットアップは完了です。
TPCAST Wireless Adapter for VIVEのソフトウェアセットアップ
「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」をソフトウェア面でセットアップしていきます。ソフトウェアのセットアップにおける注意点は実は多くありません。
17年11月現在、TPCAST.comのサポートページでは専用ソフトウェア「TPCAST Connection assistant」のVer1.1.4が最新版として公開されていますが、管理人の入手した「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」は中国で発売された初期ロットのためVer1.1.4を使用するとセットアップ最後の機器認識でエラーが出てセットアップを完了できませんでした。大元の中国公式サイトのTPCAST.cnでは「TPCAST Connection assistant」のVer1.1.2が公開されており、こちらを使用することで管理人は正常にセットアップを完了することができました。
国内発売版はおそらく新ロットなのでVer1.1.4で正常に動作すると思いますが、上手くいかない場合はVer1.1.2を試してみてください。
公式サポート:https://www.tpcastvr.com/support
ソフトウェア(V1.1.2):https://www.tpcast.cn/h_en/download.html?p1=4&p2=1
上のリンクから「TPCAST Connection assistant」のインストーラーをダウンロードしたら、インストーラーを実行します。インストーラーは英語と中国語にしか対応していませんがポチポチクリックしていくだけなので英語でも特に問題ないと思います。
インストール作業が完了すると上で行ったハードウェアセットアップに関するガイドが5枚のスライドとして表示されます。
さらにWiFi接続のセットアップについてウィンドウが表示されます。
上の画像のようにWiFiの名前とパスワードの入力を求められるのでパワーボックスに貼りつけられているシールに書かれたWiFiの名前とパスワードを入力してください。
入力内容に問題なければ設定成功と表示されます。
以上で初期設定は完了なので、デスクトップショートカットなどから「TPCAST Connection assistant」を起動します。中央下のStartアイコンを選択すると無線接続セットアップが開始します。
パワーボックスの接続チェックが開始されるのでパワーボックスにバッテリーを装着したうえでVR HMDからのケーブルを接続してください。
冒頭でも紹介したように管理人の環境では「TPCAST Connection assistant」によるセットアップの最終段階である「System load」でエラーが出てセットアップを完了させることができませんでした。
Ver1.1.2をインストールし直して再度、接続を行ったところ正常にセットアップが完了しました。
「TPCAST Connection assistant」でVR HMDとの無線接続が完了すれば、あとは有線接続と同様にSteamVRでVRゲームをプレイできます。
「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」でHTC Viveをワイヤレス化して使用する場合は、ペットボトル収納付きのウエストポーチと組み合わせるのがおすすめです。ペットボトル用ポケットにパワーボックスを入れて、ウエストポーチのメインポケットやサイドポケットにはHTC Vive用コントローラーや交換用バッテリーを入れておくことができます。
ArcEnCiel 多機能ウエストパック 水筒ポーチ付き ウエストバッグ
ArcEnCiel
TPCAST Wireless Adapter for VIVEのレビューまとめ
最後にHTC Viveのワイヤレス化キット「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- VR HMD「HTC Vive」をワイヤレス化可能
- 遅延2ms以下でワイヤレス接続可能
- VR HDMに装着する無線レシーバーの重量は90gと軽量
- バッテリーは市販の「Anker PowerCore 20100」(4000円程)なので予備の確保が容易
- 初期ロットではver1.1.4が正常動作しないのでver1.1.2を使う必要がある
国内版はおそらく新ロットなのでver1.1.4で動作すると思います
「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」を使用してワイヤレス化したHTC Viveで実際にThe LabやRaw Dataをプレイしてみましたが、画質や遅延については体感的には有線と変わりない品質でプレイすることができました。無線接続の安定性については1度セットアップが成功して正常にSteamVRのホーム画面が表示されれば、以降は1,2時間ほどプレイしていても点滅したり固まったりと不安定になることもありませんでした。
ただ時々「TPCAST Connection assistant」の接続が完了している状態でSteamVRを起動してもベースステーションを正常に検出できない時がありました。そういう時はPCを再起動したり、無線ルーターのACアダプタを抜き差しするなどすると正常に接続できました。ソフトウェア周りでまだ不安定な点もあるようなのでこの辺りは今後の改善に期待したいところです。
HMD本体に装着する無線レシーバーは重量90g程度と軽量で、位置的には頭の頂点からつむじのあたりに配置されるのでレシーバー自体の重さが気になることはないと思います。VR HMD自体が重くなると目の周りや頬骨に圧がかかったり、VR HMDがずれやすくなったりしますが、無線レシーバーの重さでそういう影響はでません。
モバイルバッテリーを含むパワーボックスについてはウエストポーチに入れてしまえば動く時に邪魔になることもありません。ペットボトルホルダー付きウエストポーチならペットボトルホルダーにパワーボックス、メインポケットに専用コントローラーを納めておくこともできて非常に便利なのでおすすめです。
ルームスケールトラッキングが売り1つであるHTC ViveとしてはVR HMD接続ケーブルの存在がネックでしたが、「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」を使用してワイヤレス化することで、ケーブルが足に引っかかる心配もなく、行動範囲がケーブル長に制限されることもなくなるので、HTC ViveのルームスケールトラッキングでVRゲームをプレイしているのならおすすめのアクセサリです。
以上、HTC Viveワイヤレス化キット「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」のレビューでした。
TPCAST Wireless Adapter for VIVE (CE-01H)
TPCAST
<TSUKUMO><PCワンズ>
Anker PowerCore 20100 (20100mAh 2ポート モバイルバッテリー)
Anker PowerPort Speed 2 (QC3.0対応2ポート USB急速充電器)
Anker
HTC Viveについては公式通販からも購入可能ですが、アユートやアスクという代理店が正規の国内代理店となっており、Amazonや国内のPCパーツショップ等に卸しています。HTC ViveはPCパーツショップの通販なら国内から1,2営業日で発送してくれて翌日には届くのでこちらから購入するほうがおすすめです。管理人はPCパーツショップのTSUKUMOで購入しました。アクセサリ類も豊富で発送も早いのでおすすめです。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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