AORUS 15-XA-7JP2132SW


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デスクトップ向けと同じハードウェアスペックなNVIDIAの次世代モバイル向けGPUであるGeForce RTX 2070 モバイル版を搭載し、ディスプレイにはネイティブ240HzリフレッシュレートのSharp製IGZO液晶パネルを採用したハイエンドゲーミングモバイルPC「GIGABYTE AORUS 15-XA(型番:15-XA-7JP2132SW)」のサンプル機をメーカーよりお借りできたのでレビューしていきます。
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製品公式ページ:https://www.gigabyte.com/jp/Laptop/AORUS-15--Intel-9th-Gen
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GIGABYTE AORUS 15-XA レビュー目次


1.GIGABYTE AORUS 15-XAの概要とスペック
2.GIGABYTE AORUS 15-XAの外観・付属品
3.GIGABYTE AORUS 15-XAのキーボードとI/Oポート
4.GIGABYTE AORUS 15-XAのディスプレイ
5.GIGABYTE AORUS 15-XAのCPU/GPU/ストレージのスペック
補足.GIGABYTE×Microsoft Azure AIについて
6.GIGABYTE AORUS 15-XAの温度・消費電力・ファンノイズ
7.GIGABYTE AORUS 15-XAのCPU性能とGPU性能
   ・GIGABYTE AORUS 15-XAのCPU性能とGPU性能のまとめ
8.GIGABYTE AORUS 15-XAのレビューまとめ




GIGABYTE AORUS 15-XAの概要とスペック

最初に今回レビューする「GIGABYTE AORUS 15-XA(型番:15-XA-7JP2132SW)」の概要と製品スペックについて簡単に紹介しておきます。

GIGABYTE AORUS 15-XA (15-XA-7JP2132SW) 詳細スペック
OS Windows 10 Home 64bit
CPU Intel Core i7-9750H 6コア12スレッド
(2.6GHz / 4.5GHz / TDP45W)
CPU内臓グラフィックス - (UHD グラフィックス 630は無効)
グラフィックス NVIDIA GeForce RTX 2070 GDDR6 8GB
ディスプレイ 15.6インチ 240Hz 1920x1080
ノングレア、シャープ製IGZO液晶モニタ
メモリ Samsung DDR4-2400 SO-DIMM
8GB×2=16GB(2スロット、最大32GB)
システムストレージ Intel 760p 512GB NVMe M.2 SSD
セカンドストレージ 2.5インチHDD 2TB SATA 5400RPM
サウンド 2 x 2Wスピーカー、アレイマイク、Nahimic 3
有線ネットワーク Killer LAN 1Gb
無線ネットワーク Killer Wireless-AC 1550 (802.11ac, a/b/g/n互換)
Bluetooth V5.0+ LE
USB 3× USB3.1 Gen1 Type-A
 1x USB3.1 Gen2 Type-C (DP Alt対応)
ビデオ出力 HDMI2.0(4K/60Hz対応)、Mini-DisplayPort、
USB Type-C (DP Alt対応)
マイクヘッドホン ヘッドホン&マイク用4極3.5mmジャック
キーボード アイランド型RGB Fusion対応キーボード
1670万色ゾーン単位制御
ウェブカメラ HD Webカメラ
内蔵バッテリー 充電式リチウム電池 62Wh
電源 230W ACアダプタ
オフィスソフト オフィスソフトなし
光学ドライブ なし
寸法、重量 幅361×奥行246×厚さ24.4(mm)、2.4kg



GIGABYTE AORUS 15-XAの外観・付属品

早速、「GIGABYTE AORUS 15-XA」を開封していきます。
「GIGABYTE AORUS 15-XA」の製品パッケージはAORUSブランドカラーのオレンジラインがあしらわれ、中央の黒色部分には”鷹(ファルコン)”の羽模様を模した迷彩パターンが描かれています。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」の製品パッケージはスリムかつコンパクトなサイズで天面には持ち手も付いているので女性でも軽々と持ち運べると思います。
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N式箱型パッケージを開くと、右側には「GIGABYTE AORUS 15-XA」のモバイルPC本体、左側には各種付属品が収められています。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」のモバイルPC本体は黒地にAORUSロゴの描かれた不織布の袋に封入され、さらにスポンジスペーサーで固定された状態で保護されています。液晶モニタとキーボードの間にも不織布が挟まれており、輸送中に液晶パネルに傷がつかないように保護しています。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」の付属品はマニュアル冊子、ACアダプタ&ACケーブル、M.2 SSD固定ネジ(SSD増設用)となっています。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」の付属ACアダプタはDELTA Electronics製で、電源出力は230W(19.5V×11.8A)です。ACケーブルを接続する端子はミッキー型と呼ばれることの多い3PIN型ではなく、自作PC電源ユニットに採用されることの多い多角形型3PIN端子です。
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本体重量は製品スペックでは2400g以下と表記されていましたが、実際に計ってみたところ2220gでした。またACアダプタ&ケーブルは977g程度でした。両方合わせて3000gほどなので持ち運べなくはありませんが、外出時に気軽に、というのは難しい重さだと思います。自宅や職場で持ち運ぶ分には特に問題なさそうな重さです。
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続いて「GIGABYTE AORUS 15-XA」の外観を簡単にチェックしていきます。
「GIGABYTE AORUS 15-XA」の天板は黒色アルミニウム製になっています。GIGABYTE AORUS 15-XAはゲーミングノートとしては装飾もゴテゴテしておらず、AORUSアイコンロゴやエンブレムのサイズも小さく控えめなのでアルミニウム製天板と相まって高級感があります。
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GIGABYTE AORUS 15-XAは15.6インチモニタ搭載モバイルPCとなっており、仕様寸法は幅361mm×奥行246mm×厚さ24.4mmです。A4サイズの用紙と比較すると下のようになります。
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GIGABYTE AORUS 15-XAのスペック上の厚みは24.4mmとなっていますが、これは最薄部の仕様値らしく、地面から高さを測り、ゴム足や最厚部含めて総合的に判断すると実際の厚みは28~30mmほどになります。
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GIGABYTE AORUS 15-XAは底板も金属製です。金属メッシュで覆われた吸気口が底面のヒンジ側半分を占有しているのが特徴的です。底板はネジで固定されていますが、
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」では底板を固定するネジのうち中央のネジ穴には封印シールが貼られています。日本GIGABYTE モバイルPC販売部門へ確認したところ、『底板を外してSSDやメモリの換装を行っても保証対象外にはなりませんが、メーカー修理などの保証を受ける際にはSSDやメモリを標準付属品に戻す必要がある』とのことです。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」の吸気口は底面の中央&左右とキーボード上側の左右の計5か所、排気口は背面左右と側面左右後方の計4か所となっており、この広いエアフロー面は製品ホームページでもアピールされているポイントです。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」のCPU&GPUの冷却機構としては、6本のヒートパイプによって熱源から9か所の吸排気面への効率的な熱拡散を行い、一般的なファンより50%多い71枚羽で、12mm厚の巨大な2基の冷却ファンによって排熱します。
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GIGABYTE AORUS 15-XAのキーボードとI/Oポート

続いて「GIGABYTE AORUS 15-XA」のキーボードやI/Oポートなどハードウェアを詳しく見ていきます。
まずは本体右側のI/Oポートです。手前(左)から順にはヘッドホン&マイク用4極3.5mmジャック、USB3.1 Gen1 Type-A端子×2となっています。USB3.0/3.1はLogicoolのUnifingレシーバーなど一部のワイヤレスUSB機器と干渉するのでUSB3.0から少し離れた場所に追加でUSB2.0端子があればさらに良かったと思います。
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続いて本体左側のI/Oポートです。手前(右)から順に、SDカードスロット、USB3.1 Gen1 Type-A端子、有線LANとなっています。FPSなどのガチゲーマーは遅延(レイテンシ)や通信安定性から有線LANが必須なので薄型筐体でも妥協せずに有線LANを搭載しているのは魅力です。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」は有線LANにKiller製LANチップ、無線LANに802.11ac/Bluetooth5.0対応Killer Wireless-AC 1550を搭載しており、プリインストールされている専用アプリケーションから「Killer DoubleShot Pro」の設定を行うことによって、低遅延が要求されるPCゲームは有線LAN通信を、ゲーム実況やSNSなど重要性の低いタスクは無線LAN通信を割り当てるといったことが可能です。
Killer DoubleShot Pro
「GIGABYTE AORUS 15-XA」では背面にもI/Oポートが実装されています。左から順に、DC端子(ACアダプタを接続)、HDMI2.0ビデオ出力、Mini-DisplayPortビデオ出力、USB3.1 Gen2 Type-C端子(DP Altビデオ出力対応)となっています。HDMIビデオ出力はver2.0なので4Kテレビと接続することで4K・60Hzの出力も可能です。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」のディスプレイ上端フレームの中央にはHD Webカメラが実装されています。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」のキーボード周辺の全体像は次のようになっています。
キーボード上の中央にあるAORUSエンブレムはパワースイッチになっています。パームレストなどのキーボード面は天板同様に質感の高い黒色アルミニウム製です。PCゲームにおけるキーボード入力で重要なWASDの4つのキーには白い枠で見分けやすく強調されています。キーボード右端にはテンキーもあります。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」についてはエンターキーの形を見るとわかり易いですが、国内モデルでもキーボードは日本語配列ではなく英語配列です。英語配列なので、かな英字入力の切り替えを行う「半角/全角/漢字」キーはありませんが、ほぼ同じ位置に実装されている「~/’」キーに標準で同じ機能が割り当てられているので、英字配列でも特に問題なく日本語の入力は行えます。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」に搭載されたキーボードのキーピッチは約19.2mm、キーサイズは15.7mmでした。キーの厚みは2mmと薄いですがちゃんと押下した感触もあります。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」のキーボードのロールオーバーについては事情が若干複雑でした。一例として『ASDF JKL;』の8キー同時押下は問題ないのですが、「ASDFG」の5キーを押下するとFかGが認識されません。4キー以下であればロールオーバーは問題ないようですが、5キー以上については同時に押下するキーによって一部キーが認識されない可能性があります。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」のキーボードには1670万色3ゾーンのライティング制御が可能なアイランド型RGB Fusion対応LEDイルミネーションが搭載されています。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」のキーボードに搭載されたLEDイルミネーションは「Command Center」という同PC専用のプリインストールアプリケーション上で発光パターンや発光カラーの設定が可能です。
GIGABYTE AORUS 15-XA_RGB Fusion
ちなみに「GIGABYTE AORUS 15-XA」の天板にあしらわれたAORUSロゴとその左右に配置された羽を模した2本のラインにはLEDイルミネーションが内蔵されておりAmbient LEDと呼ばれますが、これも上述の「Command Center」からON/OFFの切り替えが可能です。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」のキーボードの手前にはトラックパッドが設置されています。横120mm×縦60mmの幅広なトラックパッドなので16:9アスペクト比のワイド画面に対する操作性も良好、銀色のアルミニウム面を露出させたエッジ処理の光沢によって高級感があります。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」のトラックパッドは様々なジェスチャー操作にも対応しています。
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左下の左から2番目にある「Fn」キーと最上段の「Esc」キーを同時に押すとトラックパッドのON/OFFをワンタッチで切り替え可能です。PCゲームでキーボードを使うユーザーも多いと思うのでショートカットキーでサクッとトラックパッドの誤反応を防げる機能は便利だと思います。
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GIGABYTE AORUS 15-XAのディスプレイ

「GIGABYTE AORUS 15-XA」に搭載されたディスプレイについて詳しくチェックしていきます。
「GIGABYTE AORUS 15-XA」のディスプレイには、サイズが15.6インチでネイティブリフレッシュレート240Hz、1920x1080解像度のシャープ製IGZO液晶パネルが採用されています。
240HzリフレッシュレートではPC向けゲーミングモニタでも未だに採用実績のないTN液晶パネル以外のディスプレイです。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」のディスプレイパネルは映り込みが抑制されてPCゲーミング向きなノングレアタイプになっています。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」のディスプレイのベゼル幅は左右が約8.3mm、上が12.0mmです。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」のディスプレイパネルタイプはSharp製IGZOパネルとだけ表記されており、IPSタイプとVAタイプのどちらなのか不明だったのですが、管理人が目視で確認したところIPSタイプに近い発色&視野角でした。ちなみにパネル型番「LQ156M1JW03」です。
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2017年から2018年に登場した120~144Hzの高リフレッシュレートなモバイルPC搭載ディスプレイにはTN液晶パネルが採用されており、IPSレベルを謳う製品もあるとはいえ、やはり視野角には難がありました。しかしながら、「GIGABYTE AORUS 15-XA」はSharp製IGZOパネル(おそらくIPSタイプ)が採用されており、一般的なIPS液晶パネル採用モバイルPCと同じく優れた視野角を実現しています。モバイルPC用ディスプレイなので搭載可能なバックライトに制約があり、視野角を広くしていくと輝度の低下は大きいですが、色の破綻は感じません。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」搭載ディスプレイの特徴の1つである”240Hzリフレッシュレート”について、その意味自体は特に説明せずとも読者はご存知だと思いますが、一般的な60Hzリフレッシュレートの液晶モニタが1秒間に60回の画面更新を行うのに対して、144Hzリフレッシュレートであれば1秒間に144回の画面更新、240Hzリフレッシュレートでは標準的な60Hzの4倍となる1秒間に240回の画面更新を行います。
240Hz RefreshRate
「GIGABYTE AORUS 15-XA」に搭載されたディスプレイのリフレッシュレートはNVIDIAコントロールパネルの「解像度の変更」から設定が行えます。フルHD解像度におけるリフレッシュレートとして60Hzと240Hzの2種類のみ用意されており、240Hzが標準設定ですが、カスタム解像度の作成で120Hzや144Hzも設定できます。
GIGABYTE AORUS 15-XA_refreshrate_setting (1)GIGABYTE AORUS 15-XA_refreshrate_setting (2)

ハイリフレッシュレートなディスプレイを選択するメリットについては連載企画「ゲーミングモニタの選び方」シリーズの第5弾で詳しく紹介しているのでこちらの記事を参照してください。
ゲーミングモニタの選び方[5] 144Hz/240Hzリフレッシュレートのメリット
144Hzや240Hzなど高リフレッシュレートのメリット

次に「GIGABYTE AORUS 15-XA」の応答速度や残像についてチェックしていきます。
応答速度の確認には「UFO Test: Ghosting」を使用します。同テストではUFOが移動する背景カラーを選択できますが、今回の検証ではブラック/グレー/ホワイトの3色を選択しています。
背景カラーがブラックの場合は各液晶パネルにおいて応答速度は高速な数値を示すので、概ね理想的な応答を確認することになります。背景カラーがホワイトの場合の応答速度は、ドキュメントやウェブページでテキストをスクロールした時の文字の滲み度合いの参考になります。背景カラーがグレーの場合、中間色に移るまでの応答速度を比較することになるので、一般的なゲームプレイにおける物理的な残像の少なさの指標として参考になります。

「GIGABYTE AORUS 15-XA」に採用されているSharp製IGZOパネルはおそらくIPSタイプとなっており、IPS液晶パネルは傾向として応答速度が比較的遅いこともあって、最大リフレッシュレートの240Hzで動作させても2,3フレーム前の残像が残る感じになりました。
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さらに「GIGABYTE AORUS 15-XA」のリフレッシュレートを変えてみたり、他の液晶モニタを比較対象にしたりしながら、「UFO Test: Ghosting」の様子を「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影し、比較してみます。
Response Test

まずは「GIGABYTE AORUS 15-XA」のリフレッシュレートを60Hzと240Hzに変えて「UFO Test: Ghosting」の様子を比較してみました。リフレッシュレートを上げるとそれに比例して応答速度も伸びてはいますが、リフレッシュレートの伸びに追いついていない様子で、240Hzでも残像感は残っています。


上と同様に今度は60Hzと120Hzと144Hzと240Hzの4種類で「UFO Test: Ghosting」の様子を比較してみました。リフレッシュレートを上げるにしたがってUFOの動きが滑らかになっていく様子がわかると思います。


E-Sports大会での採用実績もあり、240Hzリフレッシュレートの競技ゲーマー向けゲーミングモニタとしては定番の「ZOWIE XL2546」と240Hzリフレッシュレート動作の様子を比較する次のようになっています。応答速度が高速なTN液晶パネルであり、かつオーバードライブも含めて表示が最適化されている「ZOWIE XL2546」と比較すると、同じ240Hzリフレッシュレートとはいえ「GIGABYTE AORUS 15-XA」は残像感があります。


「UFO Test: Ghosting」において下の写真のようにUFOが微かに表示された瞬間を始点に、その地点のUFOが完全に消えた時点を終点にして、その間隔のフレーム数を応答速度として算出し比較してみました。なおオーバードライブ機能によって発生するオーバーシュート/アンダーシュートによる逆像が発生してから消えるまでの時間は別に計算しています。
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まずは背景カラーがブラックの時の「GIGABYTE AORUS 15-XA」やその他の比較対象モニタの応答速度の計測結果となります。背景カラーがブラックの場合は各液晶パネルにおいて応答速度は高速な数値を示すので、概ね理想的な応答を確認することになります。
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続いて背景カラーがホワイトの時の「GIGABYTE AORUS 15-XA」やその他の比較対象モニタの応答速度の計測結果となります。背景カラーがホワイトの場合の応答速度は、ドキュメントやウェブページでテキストをスクロールした時の文字の滲み度合いの参考になります。
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最後に背景カラーがグレーの時の「GIGABYTE AORUS 15-XA」やその他の比較対象モニタの応答速度の計測結果となります。背景カラーがグレーの場合、中間色に移るまでの応答速度を比較することになるので、一般的なゲームプレイにおける物理的な残像の少なさの指標として参考になります。
「GIGABYTE AORUS 15-XA」については、144Hzにおいて同社製のハイスペックゲーミングモニタ「AORUS AD27QD」と遜色ない応答速度を実現しています。応答速度に弱いIPS液晶パネルなのでZOWIE XL2546と比較すると240Hz時の応答速度は劣りますが、IPS液晶パネルのハイリフレッシュレートモニタとしては非常に優れた応答速度を発揮していると思います。
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最後に「GIGABYTE AORUS 15-XA」の表示遅延(内部遅延)について測定を行いました。
モニタにはGPUのビデオ出力が送られてきてから実際にモニタに表示されるまで遅延が存在し、この遅延が大きいと例えば、FPSゲームでゲームパッドのトリガーやマウスのクリックによる操作からワンテンポ遅れて、マズルフラッシュが表示される、といった現象が発生します。人間は当然目で見てから操作するので、格闘ゲームやFPSゲームなど1,2フレームを争うような競技性の高いゲームにおいてはモニタの表示遅延が可能な限り小さいことが望まれます。

モニタの表示遅延を測定する具体的な方法としては、キー押下時にそのキーのLEDが点灯するキーボードを使用して、LEDの点灯から画面表示への反映までの間隔を遅延時間として測定します。画面表示の確認については簡単にメモ帳を使用しています。この様子を「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影し、遅延フレーム数を数えて遅延時間を算出します。同計測を各モニタ(と各リフレッシュレート)ごとに10回ずつ行って、その平均値を表示遅延とします。


「GIGABYTE AORUS 15-XA」やその他の比較モニタの表示遅延の測定結果は次のようになりました。
「GIGABYTE AORUS 15-XA」に搭載されたディスプレイについては、ZOWIE XL2546のようなガチの競技ゲーマー向け製品よりは遅延が若干大きいですが、「AORUS AD27QD」などハイリフレッシュレートなIPS液晶ゲーミングモニタと同等な遅延となっており、一般的な体感はもちろんのこと、FPSゲームや格闘ゲームでも問題にはならない程度の表示遅延だと思います。
グラフの通りリフレッシュレートを上げると応答速度だけでなく表示遅延も改善し、視認した情報に対してよりダイレクトな操作が可能になるのでゲーマーにとってハイリフレッシュレートなモニタを選択するメリットは大きいです。
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GIGABYTE AORUS 15-XAのCPU/GPU/ストレージのスペックについて

GIGABYTE AORUS 15-XAの各種性能をチェックする前に、同PCに搭載されているCPUとGPUのスペックについて簡単に紹介します。

GIGABYTE AORUS 15-XAのCPUスペック

GIGABYTE AORUS 15-XAにはCPUとしてデスクトップPC並みの性能を誇るIntel Core i7 9750Hが搭載されています。Core i7 9750HのIntel公式仕様はコアスレッド数:6コア12スレッド、ベースクロック:2.6GHz、最大ターターボクロック:4.5GHz、L3キャッシュ容量:12 MB SmartCache、TDP:45Wです。デスクトプ向け6コア12スレッドCore i7 CPUとそん色ないスペックになっており、Core i7で2コア4スレッドだった2,3年前のモバイル向けCPUからは考えられない進化です。
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システムメモリには製品公式ページでもアピールされているように、自作PC界隈でも性能の高さで定評のあるSamsung製DDR4メモリが採用されており、メモリ周波数は2666MHz、メモリタイミングは19-19-19-43-CR2です。
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CPUスペックの話に戻りますが、「GIGABYTE AORUS 15-XA」に搭載されるCore i7 9750Hは6コア12スレッドのCPUであり、1コア~6コアまで同時に負荷がかかった時の最大動作倍率はコア数1~6に対して順番に[45, 44, 43, 42, 41, 40]です。デスクトップ向け6コア12スレッドCPUのCore i7 8700Kの動作倍率設定が[47, 47, 47, 44, 44, 43]であることと比較すれば、Core i7 9750Hのモバイル向けCPUらしからぬスペックの高さがわかると思います。
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Core i7 9750HはCPUにフル負荷がかかった場合、TDP制限によって全コア4.0GHzで動作するのは不可能ですが、全コアが稼働するものの負荷的には余裕でTDP範囲内に収まるワークロードであれば、多コア多スレッドなCore i7 9750Hでも全コアが4.0GHzのように高いコアクロック維持できます。これによってTDPの低いモバイル向けCPUであってもPCゲームで高いパフォーマンスが発揮できます。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」に搭載されるCore i7 9750Hはバッテリー駆動時において、Intelの仕様値通り「Turbo Boost Power Max(長期間電力制限/Power Limit 1)」は45W、「Turbo Boost Short Power Max(短期間電力制限/Power Limit 2)」は56.25W(PL1×1.25)に設定されており、短期間電力制限時間(Tau)は28秒に設定されています。
Intel Package Power Control
「GIGABYTE AORUS 15-XA」に搭載されるCore i7 9750HはACアダプタに接続されると、動作倍率はそのままですが、CPU動作に関する電力制限がIntel仕様値よりも緩和されるプチOC状態になり、「Turbo Boost Power Max(長期間電力制限/Power Limit 1)」は52W、「Turbo Boost Short Power Max(短期間電力制限/Power Limit 2)」は80Wへ引き上げられます。
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当レビュー記事では簡単のため割愛しますが、CPUの電力制限やTDP関連について気になる人はこちらの記事を参考にしてください。
2019年最新CPUの消費電力・発熱・TDP・温度について - 爆熱評価のウソほんと
2019年最新CPUの消費電力・発熱・TDP・温度について

ちなみに「GIGABYTE AORUS 15-XA」に搭載されるCore i7 9750Hの動作倍率は[45, 44, 43, 42, 41, 40]で固定ですが、電圧のオフセットや電力制限などは「Intel Extreme Tuning Utility」から設定が可能です。
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GIGABYTE AORUS 15-XAのGPUスペック

「GIGABYTE AORUS 15-XA」は高性能ゲーミングモバイルPCということで、NVIDIAの次世代GPUであるTuring世代RTX 20XXシリーズにおいてミドルハイクラスに位置する「GeForce RTX 2070」がディスクリートGPU(dGPU)として搭載されています。
NVIDIA製GPUを搭載するゲーミングPCではIntel製CPUの統合グラフィックス(iGPU)とシームレス切り替えを行う「NVIDIA Optimus テクノロジー」が採用された製品も多いですが、「GIGABYTE AORUS 15-XA」のGPUは「GeForce RTX 2070」固定で、NVIDIA Optimus テクノロジーには非対応です。NVIDIA Optimus テクノロジーはiGPUを併用することでバッテリー動作時の省電力性が向上する反面、GPU切り替えが正常に行えなかったりするデメリットもあるので、個人的にはゲーミングモバイルではdGPU固定タイプが好みです。

モバイル版GPUというとつい2世代前(2,3年前)までは、デスクトップ向けGPUから2つ3つナンバリングが落ちて発熱の反面で性能は微妙と評価されることも少なくありませんでしたが、NVIDIA製モバイル向けGPUの前世代GTX 10XXシリーズからは、デスクトップ向けGPUとシェーダー数(CUDAコア数)やVRAM容量などハードウェア仕様は完全に同じものがモバイル向けGPUとして採用されるようになっており、「GIGABYTE AORUS 15-XA」に搭載されている「GeForce RTX 2070」もデスクトップ向けのRTX 2070と同じハードウェアスペックでCUDAコア数:2304、VRAM容量:8GB GDDR6となっています。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」に搭載されているモバイル版RTX 2070とデスクトップ版RTX 2070はCUDAコア数やVRAM容量などハードウェアスペックは一致しているのですが、実際の動作に関わるベース/ブーストクロックとTDP(パワーリミット)の設定値が異なります。RTX 2070のデスクトップ版リファレンス仕様値である175Wに対して、「GIGABYTE AORUS 15-XA」に搭載されているモバイル版RTX 2070のパワーリミットは115Wに設定されていました。
GeForce RTX 2070 スペック比較

モバイル版
GIGABYTE AORUS 15-XA
デスクトップ版
リファレンス
CUDAコア 2304
VRAM 8GB GDDR6
ベースクロック 1215MHz 1410MHz
ブーストクロック 1440MHz 1620MHz
パワーリミット 115W 175W

「GIGABYTE AORUS 15-XA」に搭載されているモバイル版GeForce RTX 2070のベースクロック/ブーストクロック自体は他社製品と比較してそこまで高いというわけでもないのですが、隠しパラメーターに近いパワーリミットが一般的なモバイル向けRTX 2070で90~100W程度に設定されているところ、「GIGABYTE AORUS 15-XA」は上の章で紹介した非常に優れた冷却機構によって十分な放熱が可能なので、115Wと高い消費電力が許容されています。そのため製品公式ページでも、一般的なモバイル版RTX 2070を搭載したゲーミングモバイルPCよりも同製品が高性能だとアピールされているわけです。
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GIGABYTE AORUS 15-XAのストレージスペック

「GIGABYTE AORUS 15-XA」には標準搭載のストレージとして、NVMe M.2 SSDの「Intel SSD 760p 512GB」と2.5インチSATA HDD(5400RPM)「SEAGATE ST2000LM015-2E8174」の2台が内蔵されています。
GIGABYTE AORUS 15-XA_Intel 760p 512GBGIGABYTE AORUS 15-XA_SEAGATE ST2000LM015-2E8174
「Intel SSD 760p 512GB」と「SEAGATE ST2000LM015-2E8174」についてストレージ性能の測定において定番ベンチマークのCrystalDiskMarkの結果が次のようになっています。「Intel 760p 512GB」は2019年最新NVMe M.2 SSDとして十分に通用するスペックなのですが、PCゲームインストール先となるサブストレージに低速なHDDを採用しているのは個人的にはマイナスポイントです。
1~2TBの2.5インチSATA SSDが2万円前後、スケールメリットを考えれば2万円以下で2TB SSDの採用も難しくないはずなので、製品価格がその分上乗せされても最初からデータストレージには1TB以上の2.5インチSATA SSDを採用して欲しかったところです。
GIGABYTE AORUS 15-XA_Intel 760p 512GB_CDMGIGABYTE AORUS 15-XA_SEAGATE ST2000LM015-2E8174_CDM

「Intel SSD 760p 512GB」についてはちょうど当サイトで詳細レビューを公開しているので、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
「Intel SSD 760p 512GB」をレビュー
Intel SSD 760p 512GB

「GIGABYTE AORUS 15-XA」ではサブストレージに低速なHDDが採用されているところはマイナスポイントでしたが、『メーカー修理などの保証を受ける際にはSSDやメモリを標準付属品に戻す必要がある』ものの、『底板を外してSSDやメモリの換装・増設を行っても保証対象外にはならない』とのことなので、サブストレージのHDDは2.5インチSATA SSDに換装してしまうのがオススメです。
AORUS 15-XA-7JP2132SW_Mem-SSD_upgrade

【SATA SSD vs NVMe SSD vs HDD】 ゲームロード時間を比較
SSD vs HDD ゲームロード時間比較

また下の記事では、MLC/TLC/QLCのマルチビットセルやNVMe/SATA3.0など2019年最新のSSD事情について徹底解説しています。ストレージについて詳しく知りたい方は参考にしてください。
おすすめSSDまとめ。QLC/TLC/MLCやNVMe/SATA3.0など最新SSD事情を解説
SSDレビュー記事の一覧へ



GIGABYTE×Microsoft Azure AIについて

「GIGABYTE AORUS 15-XA」には、マイクロソフトが提供する人工知能(AI)、具体的にはビッグデータを用いた深層学習サービス「Microsoft Azure AI」を利用してPCパフォーマンスの最適化を図る機能「AI Gaming+ & Professional+」が搭載されています。
紹介ページ:https://www.gigabyte.com/fileupload/jp/WebPage/408/
GIGABYTE×Microsoft Azure AI

「AI Gaming+ & Professional+」の具体的な使い方を紹介すると、同機能はプリインストールかつスタートアップなアプリケーションとして用意されているので、単純に「GIGABYTE AORUS 15-XA」を起動してしばらくするとデスクトップ右上にアイコンが表示されます。標準ではアイコンがグレーになっておりAIは無効化されています。
AI Gaming+ & Professional+_1
アイコンを左クリックすると、AI設定に関するメニューが表示されるので、上から2番目緑色の「AI Edge Learning」を選択すると、アイコンが緑色になりAIによるパフォーマンス最適化が有効になります。
AI Gaming+ & Professional+_2

「AI Gaming+ & Professional+」の効用を上では”パフォーマンス最適化”と表現していますが、同機能が具体的に何をしているのか、というとGIGABYTE×Microsoft Azure AIの紹介ページでもGifアニメーションで表現されていますが、『CPU、GPU、冷却ファンなど主要なハードウェアに対して予め動作設定(プロファイル)が複数用意されており、現在アクティブなアプリケーションをモニタリングし、それに対して最適なプロファイルを選択する』、となっています。
GIGABYTE x Microsoft Azure AI

「GIGABYTE AORUS 15-XA」に関してもう少し踏み込んで解説すると、総合管理アプリケーション「Command Center」のトップページ下部に表示されるCPUとGPUに関するインジケータがそのまま上述の動作設定(プロファイル)に当たり、AIが無効の場合は、このアイコンを選択することで、CPUは1~5、GPUは1~2のプロファイルを任意に選択できます。
GIGABYTE AORUS 15-XA_Command Center

このプロファイルを切り替えるとCPUとGPUの動作が具体的にどう変わるのかというと、
CPUについては、「Turbo Boost Power Max(長期間電力制限/Power Limit 1)」が、38W、45W、52W、58W、62Wの5段階で切り替わります。
GIGABYTE AORUS 15-XA_Core i7 9750H_Profile
GPUはどうかというとプロファイルを切り替えると、GPUコアクロックが標準のベース1215MH/ブースト1440MHzから、ベース1375MHz/ブースト1600MHzへとOCされます。パワーリミットについては115Wのままで変化しないようです。
GIGABYTE AORUS 15-XA_RTX 2070_GPU-Z_profile2
”AIによるパフォーマンス最適化”と言ってしまうと何やら凄そうな機能で、公式の紹介動画では「AI Gaming+ & Professional+」による性能向上もアピールされていますが、実際の動作としては、アクティブなタスクがPCゲームならGPUのプチOCプロファイルを適用、アクティブなタスクが3Dレンダリングや動画のエンコードならCPUのプチOCプロファイルを適用、というのをリアルタイムに行うのが「AI Gaming+ & Professional+」の実態です。「AI Gaming+ & Professional+」のON/OFFで性能が向上するというのも、CPUやGPUがプチOCされるという裏事情さえわかれば、さもありなんという感じでした。


最後に、「GIGABYTE AORUS 15-XA」の冷却ファンについては通常のファンコントロールモード「Fan Control - Normal」と、フル回転で固定になる「Fan Control - Maximum」の2種類があるのですが、AIを有効にするとアクティブなアプリケーションによっては強制的にファンがフル回転になる場合があります。流石に強制フル回転にする意味が分からないので、この部分が「GIGABYTE AORUS 15-XA」のAI機能を微妙に使いづらい存在にしていました。
GIGABYTE AORUS 15-XA_Fan_Profile



GIGABYTE AORUS 15-XAの温度・消費電力・ファンノイズ

GIGABYTE AORUS 15-XAのCPU・GPUスペックや具体的な動作設定等について紹介したので、性能をチェックする前に、GIGABYTE AORUS 15-XAの消費電力・温度・ファンノイズを見ていきます。

CPU負荷時のCPU温度とCPUコアクロックについて

まずはGIGABYTE AORUS 15-XAに搭載されたCPUの「Core i7 9750H」にフル負荷をかけた時のCPU温度やコアクロックを確認します。
「Core i7 9750H」をGIGABYTE AORUS 15-XAにおける標準動作プロファイル(PL1:52W、PL2:80W)で動作させて、動画エンコードによって20分ほどフル負荷をかけ続けると、CPU温度とCPUコアクロックは次のようになります。
短期間電力制限によってブーストの効く最初の数十秒間は消費電力が大きいのでCPU温度は80度を超えて90度に近づきますが、それ以降の長期間電力制限によって制御される区間では80度以下に収まっています。CPU単体の消費電力を示すCPU Package Powerの平均値はPL1で設定した電力制限とほぼ一致して52Wとなっています。デスクトップ向けCPUに近い50W超のCPU消費電力をモバイルPCの薄型筐体で御しきれているのは流石です。
GIGABYTE AORUS 15-XA_Core i7 9750H_temp_def
「Core i7 9750H」のIntel公式仕様値であるPL1:45W、PL2:56.25Wで同様の負荷をかけると、平均CPUコアクロックは全コアで約2.9GHzとなりますが、上のグラフのように「GIGABYTE AORUS 15-XA」のACアダプタ駆動では電力制限が緩和されているので、全コアで約3.1GHzと1割弱の高速化がなされています。
GIGABYTE AORUS 15-XA_Core i7 9750H_temp_45W
また「GIGABYTE AORUS 15-XA」のAI機能やCommand Centerからの手動設定で切り替わる最速動作プロファイル(PL1:62W、PL2:80W)で動作させると、電力制限が緩和されてCPU消費電力が62Wに増加するので、当然CPU温度も高くなりますが、CPUコアクロックも全コアで約3.3GHzまでブーストされます。
GIGABYTE AORUS 15-XA_Core i7 9750H_temp_max

ゲーム負荷時のGPU温度とCPU温度について

続いてGIGABYTE AORUS 15-XAに搭載されたGPUの「GeForce RTX 2070」とCPUの「Core i7 9750H」にPCゲームプレイ時に相当する負荷として、3DMark FireStrike グラフィックテスト1を20分程度ループ再生させたときのGPU温度とCPU温度をチェックしていきます。
AORUS 15-XA-7JP2132SW_GPU-Stress
「GIGABYTE AORUS 15-XA」の標準動作プロファイルで3DMark FireStrike グラフィックテスト1を20分程度ループ再生させてGPUにフル負荷をかけ続けた時、GPU温度とGPUコアクロックとCPU温度は次のようになります。
GPUにフル負荷をかけ続けてもGPU温度自体は70度前後とそこまで高くなく、GPUコアクロックも実動平均1671MHzとモバイル向けRTX 2070としてはかなり高い数値で安定しています。
GIGABYTE AORUS 15-XA_GPU_temp_
しかしながらCPUとGPUでクーラーは共有されており1つのクーラーでGPUの分も排熱する必要があるので、CPU自体の消費電力は高くないのですが、CPU温度はCPUだけにフル負荷をかけ続けるよりも高い温度になっています。3DMark FireStrike グラフィックテスト1はGPUに対する負荷はほぼ100%ですが、CPU負荷は低いので、CPU負荷の大きい最新高画質PCゲームではさらにCPU温度が高くなる可能性もあります。

GIGABYTE AORUS 15-XAの表面温度について

「GIGABYTE AORUS 15-XA」においてCPUやGPUに対して長時間負荷をかけ続けた時のキーボード等の表面温度とチェックしていきます。
表面温度の測定にはスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE Pro」(レビュー)を使用しています。

まずはアイドル状態のまま長時間放置した時の「GIGABYTE AORUS 15-XA」の表面温度です。キーボードやパームレストなど手が触れる部分の温度はせいぜい30度なので、ほんのり温かい程度です。
AORUS 15-XA-7JP2132SW_FLIR_Idle
続いて動画のエンコードによってCPUに30分以上フル負荷をかけ続けた時の「GIGABYTE AORUS 15-XA」の表面温度です。キーボード左右は30度前半ですが、中央の黄色い部分は30度後半に達するので熱さを感じそうです。CPUにフル負荷がかかり続けるクリエイティブタスクは3Dレンダリングや動画のエンコードなど放置系が多いですが、CPU負荷が大きい状態で操作が必要な場合は外部キーボードを用意した方がよさそうです。
AORUS 15-XA-7JP2132SW_FLIR_Encode
最後にPCゲーミング中を想定して3DMark FireStrike グラフィックテスト1を30分以上ループさせてGPUにフル負荷をかけ続けた時の「GIGABYTE AORUS 15-XA」の表面温度です。中央の最も熱い部分は40度を超過しますが、キーボード&マウス操作で使用するWASDなど主要な左側キーは30度前半以下に収まっています。
AORUS 15-XA-7JP2132SW_FLIR_Gaming

GIGABYTE AORUS 15-XAの消費電力について

「GIGABYTE AORUS 15-XA」の消費電力についてチェックしていきます。
消費電力の測定にはBluetooth接続でスマホから消費電力をリアルタイムモニタリング可能なワットチェッカー「ラトックシステム REX-BTWATTCH1」を使用して、電源ユニット(ACアダプタ)の変換損を含めた「GIGABYTE AORUS 15-XA」のシステム全体の消費電力をチェックしています。
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「GIGABYTE AORUS 15-XA」はバックグラウンドタスクによって変動もありますが、アイドル状態におけるシステム消費電力は概ね32W前後で推移します。
GIGABYTE AORUS 15-XA_Power_Idle
CPUに対してフル負荷のかかる動画のエンコードについては、「GIGABYTE AORUS 15-XA」の標準動作設定において「Core i7 9750H」は長期間電力制限PL1:52Wで動作して、システム消費電力は96W前後で推移します。一方でCPUを最大動作設定にすると長期間電力制限PL1:62Wになるのでシステム消費電力は110W前後に増えます。
GIGABYTE AORUS 15-XA_Power_Enc_MaxGIGABYTE AORUS 15-XA_Power_Enc_Max
GPUに対してフル負荷のかかる3DMark FireStrike グラフィックテスト1では「GIGABYTE AORUS 15-XA」のシステム消費電力は180~190W前後になります。「GIGABYTE AORUS 15-XA」のRTX 2070にプチOCが施されるGPUプロファイル2については消費電力には大きな変化がないので、パワーリミットは標準設定の115WのままでコアクロックのみがOCされているようです。
3DMark FireStrike グラフィックテスト1はCPU負荷が軽いのでCPU負荷次第ではさらに消費電力が上がる可能性もありますが、「GIGABYTE AORUS 15-XA」の付属ACアダプタは電力出力230W(変換損除く)なので、CPU負荷が上がっても安定した電力供給には問題なさそうです。
GIGABYTE AORUS 15-XA_Power_GPU-P1GIGABYTE AORUS 15-XA_Power_GPU-P2

GIGABYTE AORUS 15-XAのファンノイズについて

この章の最後に「GIGABYTE AORUS 15-XA」のファンノイズをチェックしていきます。
ゲーミングモバイルPCは画面サイズや製品によって冷却ファンの形状やファン径に違いはありますが、ファン回転数で分類してざっくりと以下のように大別できます。
 1000~2000RPM : 静かな部屋でファンの動作がわかる(騒音値:30dB前後)
 2000~3000RPM : ファンノイズがはっきりと聞こえる(騒音値:40dB以下)
 3000~4000RPM : ファンノイズは耳障りでスピーカーによるゲームプレイは難しい(騒音値:50dB以下)
 4000~5000RPM : ファンノイズはヘッドホンをしていてもはっきりと聞こえる(騒音値:50dB以上)
 5000RPM以上  : かなり煩く、ハンディ掃除機くらい(騒音値:60dB以上)
管理人的にはゲーミングモバイルPCとしてはゲーム負荷時にファン回転数3000~4000RPM以下に収まるかどうかが快適にプレイできる1つの水準となっています。

「GIGABYTE AORUS 15-XA」に搭載された2基の冷却ファンのファン回転数は総合設定アプリケーション「Command Center」トップページ右下のFan Informationから確認できます。
GIGABYTE AORUS 15-XA_Fan_Monitoring
まずアイドル時のファン回転数については、2基のファンはバックグラウンドタスクの状態にもよるのですが、1500~2500RPMの間で遷移しました。アイドル状態でもファンノイズは聞こえるので、ゲーミングモバイルPCとはいえ若干ファンノイズは大きい部類だと思います。
GIGABYTE AORUS 15-XA_Fan_Idle
動画エンコードによってCPUにフル負荷のかかる状態や、3DMark FireStrike グラフィックテスト1のループ再生でGPUにフル負荷のかかる状態ではファン回転数は4500RPM前後に達しました。この状態でのファンノイズの騒音値は50dBを超過しており、スピーカー環境での快適なゲームプレイは困難で、ヘッドホンをしていてもファンの高速回転による高周波なノイズが聞こえます。
GIGABYTE AORUS 15-XA_Fan_Load

「GIGABYTE AORUS 15-XA」のファンノイズについては良くも悪くも従来のゲーミングモバイルPCと同レベルとなっています。6本のヒートパイプによって熱源から9か所の吸排気面への効率的な熱拡散を行い、一般的なファンより50%多い71枚羽で、12mm厚の巨大な2基の冷却ファンによって排熱する、といった高性能なCPU&GPUクーラーを搭載しているところは「GIGABYTE AORUS 15-XA」の魅力の1つですが、こういった改良によって向上した冷却性能は、静音性ではなくそのままCPUやGPUの高性能化に回した感じのチューニングです。



GIGABYTE AORUS 15-XAのCPU性能とGPU性能

最後に「GIGABYTE AORUS 15-XA」のCPU性能とGPU性能をチェックしていきます。

GIGABYTE AORUS 15-XAの基本性能

まずは「PCMark 8 Creative Test (Run Accelerated)」と「PCMark 10 Extended」を使用して「GIGABYTE AORUS 15-XA」の基本的な性能をチェックします。
「PCMark 8」は動画再生能力、DirectX9のグラフィック性能、Webブラウジング、ビデオチャットなど一般ユースにおけるPCの総合的な性能を測定するためのベンチマークソフトです。「PCMark 10」はPCMark 8と同様にPCの総合的な性能を測定するためのベンチマークソフトですが、DirectX11に対応するなどPCMark 8よりも最近のPCの性能測定に最適化されています。

アカデミック・オフィスワークに使用するPCとしては十分に高性能な「Microsoft Surface Pro(2017) Core i7版」と比較すると、CPUに6コア12スレッドのCore i7 9750HそしてdGPUにGeForce RTX 2070を搭載する「GIGABYTE AORUS 15-XA」は余裕でSurface Pro(2017) Core i7版を上回るパフォーマンスを発揮しています。
GIGABYTE AORUS 15-XA_PCMark_Score
GIGABYTE AORUS 15-XA_PCMark8
GIGABYTE AORUS 15-XA_PCMark10

「PCMark 10 Extended」にはPCの基本性能を測る「Essentials」、ビジネスアプリケーション性能を測る「Productivity」、クリエイティブ性能を測る Digital Content Creation」、ゲーム性能を測る「Gaming」の大きく分けて4つのテストグループがあるので、このうち「Essentials」と「Productivity」の2つについて個別にベンチマークスコアを比較してみました。

PCの基本性能を測る「Essentials」は、アプリケーションの起動に要する時間を測る「App Start-up」、 ウェブブラウジングの性能を測る「Web Browsing」、1対1または多対多のビデオ会議をシミュレートする「Video Conferencing」の3つのワークロードで構成されています。
モバイル版Core i7を搭載するSurface Pro(2017)との比較でわかりますが、一般的なPC利用において大半のデスクトップ向けCPUと同じく、「GIGABYTE AORUS 15-XA」は十分な性能を備えています。
GIGABYTE AORUS 15-XA_PCMark10_Essential

ビジネスアプリケーション性能を測る「Productivity」は、ワープロソフト(マイクロソフトWordなど)の処理性能をシミュレートする「Writing」、表計算ソフト(マイクロソフトExcelなど)の処理性能をシミュレートする「Spreadsheets」の2つのワークロードで構成されています。モバイル版Core i7を搭載するSurface Pro(2017)との比較でわかりますが、一般的なオフィスワークにおいて大半のデスクトップ向けCPUと同じく、「GIGABYTE AORUS 15-XA」は十分な性能を備えています。
GIGABYTE AORUS 15-XA_PCMark10_Productivity


GIGABYTE AORUS 15-XAのCPU性能(クリエイティブタスク)

続いて「GIGABYTE AORUS 15-XA」に搭載されたCore i7 9750HのCPU性能に大きく依存する、クリエイティブタスクにおけるパフォーマンスをチェックしていきます。

「GIGABYTE AORUS 15-XA」に搭載されたCore i7 9750Hは、6コア12スレッドのCPUであり、同PCの標準動作設定では短期間電力制限80Wの電力制限下で動作するためCPUコアクロックは全コア3.8~4.0GHz程度となり、CPUのマルチスレッド性能を測定するベンチマークで定番のCinebench R15のスコアは1200程度でした。
AORUS 15-XA-7JP2132SW_CinebenchR15
AORUS 15-XA-7JP2132SW_CinebenchR15_Clock

CPU性能の詳細な検証に用いるクリエイティブタスクについてはCPU使用率がフルロードになる3Dレンダリング、動画エンコード、RAW現像の3種類となっています。
具体的な測定内容は、3Dレンダリングはオープンソース3DCGソフト「Blender」の公式ベンチマークソフト、動画のエンコードは無料で利用できる動画編集ソフトとして国内外で多数のユーザーがいる「Aviutl」のx264エンコーダによる4K動画のエンコード、RAW現像はDxO PhotoLab(PRIMEあり、5472×3648解像度のRAW画像ファイル 100枚)です。

3DCGソフト「Blender」の公式ベンチマークソフトで測定する3Dレンダリング性能についてはレンダリング時間だけを見ても性能差が直感的にわかりにくいので、比較対象の中で最も遅いものを基準にして、「GIGABYTE AORUS 15-XA」を含めた各種CPUのレンダリング速度を性能比としてグラフ化しました。
AORUS 15-XA-7JP2132SW_Creative_Blender

x264エンコーダによって3840×2160解像度の動画をH.264 (MPEG-4 AVC)の3840×2160解像度へエンコードした時のエンコード速度について「GIGABYTE AORUS 15-XA」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
AORUS 15-XA-7JP2132SW_Creative_Aviutl&x264

DxO PhotoLabによるRAW現像速度について「Intel Xeon W-3175X」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
AORUS 15-XA-7JP2132SW_Creative_DxO


GIGABYTE AORUS 15-XAのGPU性能(PCゲーミング)

続いて「GIGABYTE AORUS 15-XA」に搭載されたディスクリートGPUであるGeForce RTX 2070のPCゲーミング性能についてチェックしていきます。

国内最大手かつ大人気のMMO RPG「ファイナルファンタジーXIV」の2019年最新大型アップデート「FFXIV: 漆黒のヴィランズ」の公式ベンチマークソフトで「GIGABYTE AORUS 15-XA」のPCゲーミング性能を測定してみました。
「GIGABYTE AORUS 15-XA」はフルHD解像度のグラフィック設定:最高品質においてベンチマークスコアは14000オーバーとなっており、快適度評価も「非常に快適」をマークしています。FFXIV: 漆黒のヴィランズの公式ベンチマークソフトでは総合スコアを1.5×100で割った値がちょうど平均FPSなので、「GIGABYTE AORUS 15-XA」ならFFXIV: 漆黒のヴィランズを平均60FPSオーバーの滑らかなプレイも余裕です。
AORUS 15-XA-7JP2132SW_FF14
また2019年最新PCゲームと比較しても高画質でグラフィック負荷が高く重いPCゲームに分類されるシングルプレイ用ロールプレイングゲーム「ファイナルファンタジーXV」の公式ベンチマークソフトで「GIGABYTE AORUS 15-XA」のPCゲーミング性能を測定してみました。
「GIGABYTE AORUS 15-XA」はフルHD解像度のグラフィック設定:高品質においてベンチマークスコアは7000オーバーとなっており、快適度評価も「快適」をマークしています。ファイナルファンタジーXVの公式ベンチマークソフトでは総合スコアを100で割った値がちょうど平均FPSなので、「GIGABYTE AORUS 15-XA」ならファイナルファンタジーXVを平均60FPSオーバーでの滑らかなプレイが可能です。
AORUS 15-XA-7JP2132SW_FF15

「GIGABYTE AORUS 15-XA」と各種デスクトップ向けGPUについて3DMarkのベンチマークスコアを比較してみました。なお「GIGABYTE AORUS 15-XA」については標準設定の『Default』に加えて、CPUとGPUに最大動作設定のプロファイルを適用した『Max』の2種類を記載しています。
AORUS 15-XA-7JP2132SW_CommandCenter_Max

「GIGABYTE AORUS 15-XA」と各種デスクトップ向けGPUについて、3DMark FireStrikeベンチマークのグラフィックスコア(基本的にCPU性能に依存せずGPU性能にのみ比例する)を比較すると次のようになります。
AORUS 15-XA-7JP2132SW_GPU_Bench_FS
「GIGABYTE AORUS 15-XA」と各種デスクトップ向けGPUについて、3DMark FireStrike Extremeベンチマークのグラフィックスコア(基本的にCPU性能に依存せずGPU性能にのみ比例する)を比較すると次のようになります。
AORUS 15-XA-7JP2132SW_GPU_Bench_FSE
「GIGABYTE AORUS 15-XA」と各種デスクトップ向けGPUについて、3DMark TimeSpyベンチマークのグラフィックスコア(基本的にCPU性能に依存せずGPU性能にのみ比例する)を比較すると次のようになります。
AORUS 15-XA-7JP2132SW_GPU_Bench_TS

「GIGABYTE AORUS 15-XA」はVRMark Cyan Roomのベンチマークスコアも7000をオーバーしており、VR Ready PCであるのは当然として、HTC VIVE ProやOculus Rift Sなどの最新高解像度VR HMDに対応可能なグラフィック性能が備わっています。
AORUS 15-XA-7JP2132SW_GPU_Bench_VR

GIGABYTE AORUS 15-XAのCPUとGPU性能のまとめ

CPUに6コア12スレッドのCore i7 9750H、GPUに最新ミドルハイクラスGeForce RTX 2070 モバイル版を搭載する「GIGABYTE AORUS 15-XA」の性能についてチェックしてきましたが、簡単に箇条書きでまとめると次のようになります。
  • GIGABYTE AORUS 15-XAはクリエイティブタスクにおいて、
    同じくCore i7 9750Hを搭載したPCよりも5%程度上回り、
    最大動作設定にすると10%程度上回る
  • GIGABYTE AORUS 15-XAはデスクトップ向けCPUで比較すると、
    6コア6スレッドのCore i5 9400FとCore i5 9600Kの中間程度の性能
  • GIGABYTE AORUS 15-XAは一般的なRTX 2070モバイル版搭載PCよりも高速
  • GIGABYTE AORUS 15-XAはデスクトップ向けGPUで比較すると、
    GeForce RTX 2060 デスクトップ版に近い性能




GIGABYTE AORUS 15-XAのレビューまとめ

最後にネイティブ240HzリフレッシュレートのSharp製IGZO液晶ディスプレイを搭載する超高性能ゲーミングモバイルPC「GIGABYTE AORUS 15-XA」の実機サンプルを検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 6コア12スレッドCore i7 9750H搭載、同CPU搭載の一般的なモバイルPCよりも高速
    デスクトップ向けではCore i5 9600KとCore i5 9400Fの中間程度の性能
  • モバイル版RTX 2070搭載、同GPU搭載の一般的なモバイルPCよりも高速
    デスクトップ版ではRTX 2070の80%程度、RTX 2060に近い性能
  • ネイティブ240HzリフレッシュレートのSharp製IGZO液晶モニタを搭載
  • 最新の高画質PCゲームをフルHD/最高画質設定で快適に遊べる
  • 競技系の軽めなPCゲームであれば240Hzの高リフレッシュモニタでガチプレイもできる
  • 筐体は厚さ30mm程度で薄い。重量も2.2kgで持ち運びも可能
  • システムストレージはNVMe M.2 SSDで高速
悪いところor注意点
  • クリエイティブタスクやPCゲーミングにおけるファン回転数は4500RPM程度で煩い
  • サブストレージのHDDはPCゲームインストール先としては低速
    GIGABYTE AORUS 15-XAはストレージを換装しても保証はなくならないので換装を推奨

「GIGABYTE AORUS 15-XA」はGeForce RTX 2070 モバイル版を搭載しており、グラフィック性能は同ナンバリングのデスクトップ版より低くなるものの、GeForce RTX 2060 デスクトップ版と同等で、2019年最新の高画質PCゲームをフルHD解像度/最高画質設定で快適にプレイできます。

「GIGABYTE AORUS 15-XA」の最大の魅力と言っても過言ではないのが、ネイティブ240HzリフレッシュレートのSharp製IGZO液晶パネルを採用するディスプレイを搭載しているところです。パネルタイプは名言されていませんが目視で確認した限りではIPSパネル相当の視野角と発色で非常に綺麗な画面でした。流石に競技ゲーマーに愛用されるTN液晶パネルの240Hzゲーミングモニタには及びませんが、7万円を超えるような高価なハイリフレッシュレートIPS液晶パネル採用ゲーミングモニタを上回る応答速度です。最新高画質PCゲームを最高画質でプレイするだけでなく、近年流行りのバトルロイヤル系ゲームを高FPSでガチプレイするのにも最適なディスプレイと言って間違いありません。
個人的には同パネルを採用したモバイルディスプレイをぜひGIGABYTEから発売して欲しいです。

「GIGABYTE AORUS 15-XA」でCPUやGPUに大きな負荷をかけ続けると小径ファンが高速回転するためかなり大きめなファンノイズは発生しますが、ヘッドホンをつけても聞こえはするものの我慢できる程度には収まっていると思います。
ファンノイズについては現在デスクトップゲームPCを使用していてゲーミングモバイルPCに初見なユーザー目線では煩いという評価になると思いますが、すでに旧世代のディスクリートGPU搭載ゲーミングモバイルPCを使っているユーザーには問題にならないと思います。

GIGABYTE AORUS 15-XAについて不満点を挙げるなら非常に高額なPCにも関わらず、PCゲームインストール先として使うサブストレージに2.5インチSATA HDDを採用しているところでしょうか。現時点で自作PC向けの1TBのSSDは1万円を少し超える程度の価格で販売されており、大量発注のスケールメリットも考えればせいぜい1万円かそれを下回る程度の差額で採用できたはずと考えると正直、デメリットに見合わない無駄なコストカットと言わざるを得ません。
GIGABYTE AORUS 15-XAでは『メーカー修理などの保証を受ける際にはSSDやメモリを標準付属品に戻す必要がある』ものの、『底板を外してSSDやメモリの換装・増設を行っても保証対象外にはならない』とのことなので、サブストレージのHDDは2.5インチSATA SSDに換装してしまうのがオススメです。

以上、240Hz/IGZO液晶モニタ搭載「GIGABYTE AORUS 15-XA」のレビューでした。
AORUS 15-XA-7JP2132SW






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