「NVIDIA RTX 2000 Ada」をフォトレビュー。ベンチマークも少し 【PR】

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NVIDIA RTX 2000 Ada Generation


プロフェッショナル向けNVIDIA RTXシリーズからAda Lovelace世代のアーキテクチャを採用、TGP70Wで補助電源不要、ロープロファイルにも対応するスモールフォームファクタのコンパクトGPU「NVIDIA RTX 2000 Ada Generation」を写真ベースでレビューします。
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製品公式ページ:https://www.nvidia.com/ja-jp/design-visualization/rtx-2000/
代理店公式ページ:
https://www.ask-corp.jp/products/nvidia/nvidia-quadro/nvidia-rtx-2000-ada.html
https://www.elsa-jp.co.jp/products/detail/nvidia-rtx-2000-ada/

目次
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NVIDIA RTX 2000 Ada レビュー目次

1.NVIDIA RTX 2000 Adaの外観

2.NVIDIA RTX 2000 AdaのGPU概要
3.NVIDIA RTX 2000 Adaのベンチマーク

【機材協力:PNY 国内正規代理店 アスク】

NVIDIA RTX 2000 Adaの外観

早速、「NVIDIA RTX 2000 Ada」を開封していきます。
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「NVIDIA RTX 2000 Ada」の付属品はMini DP to DP変換アダプタ、フルハイトPCIEブラケットです。
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「NVIDIA RTX 2000 Ada」のグラフィックボード本体を見ていきます。
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「NVIDIA RTX 2000 Ada」のGPUクーラーの外装は黒色プラスチック製です。GPUクーラー正面はマットな表面加工ですが、上下側面はツヤツヤな鏡面になっています。
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「NVIDIA RTX 2000 Ada」は全長169mmです。PCIEスロットよりも20mm程度長いだけのサイズとなっており、Mini-ITXマザーボード環境にも余裕で収まります。
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「NVIDIA RTX 2000 Ada」は標準ではロープロファイルのPCIEブラケットが装着されており、グラフィックボード基板やGPUクーラーの高さはロープロファイルPCIEブラケットと一致しています。
「NVIDIA RTX 2000 Ada」に標準で装着されているPCIEブラケットはロープロファイルのものですが、フルハイトのPCIEブラケットも付属しており、各自で交換が可能です。
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PCIEブラケットの交換にはT6とT8のトルクスドライバーが必要になります。
PCIEブラケット上のT8ネジ 2個と、PCIEブラケットすぐ傍のバックプレート上にあるT6ネジ 2個を外し、バックプレートの隙間を作るため、奥にある2つのネジを少し緩めると、装着済みのPCIEブラケットが外れます。
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「NVIDIA RTX 2000 Ada」のGPUクーラーには右端に35mmサイズのブロアーファンが設置されています。ブロアーファン正面から吸気して、GPUクーラー内のヒートシンクを通り、PCIEブラケットからケース外へ排気するエアフロー構造です。
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2スロットを占有するGPUクーラーですが、下に隣接するスロットとは5mm程度の隙間があるので、直下の拡張スロットに別のPCIE拡張ボードを設置してもエアフローが完全に塞がれることはありません。
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「NVIDIA RTX 2000 Ada」はPCIEスロットを2スロット占有します。隣接するPCIE拡張ボードによってブロアーファンの吸気面が完全に塞がることがないように、GPUクーラーの幅は2スロットちょうどよりも数mm小さくなっています。
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「NVIDIA RTX 2000 Ada」はTGP70WのGPUとなっており、PCIE補助電源を必要としません。
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「NVIDIA RTX 2000 Ada」のビデオ出力はMini DisplayPort1.4×4の4基が実装されています。
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「NVIDIA RTX 2000 Ada」のビデオ出力はいずれもMini DisplayPortですが、通常サイズのDisplayPortに変換するアダプタが1つ付属しています。
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「NVIDIA RTX 2000 Ada」に付属するMini DP変換アダプタはMini DP側にロック構造がありPCIEブラケットの穴にツメを引っ掛ける形で誤って抜けるのを防止できます。
このロック構造付きの変換アダプタについてはプロフェッショナル向けNVIDIA製GPUの取り扱いがあるLenovo公式通販ELSA公式通販などで同じものが販売されています。
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なお正規取り扱い品ではありませんが、Amazonマーケットプレイスでも700~1000円程度で付属品に似た変換アダプタ(Lenovoのと同じもの?)が販売されています。
試しに購入してみたところ、付属品と比べてケーブルが若干短かったり、いくつか差異があるものの、長さ2mのケーブルと組み合わせてDisplayPort 1.4(DSC)で4K/144Hz/HDR 10bit RGBが正常に動作しました。信頼性重視ならELSAかLenovoから購入するのが推奨ですが、安いのとプライム発送ならすぐに手に入るので。
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「NVIDIA RTX 2000 Ada」には黒色のプラスチック製バックプレートが装着されています。プラスチック製なので放熱補助の役割はなく、シンプルに基板背面を保護するためのプレートです。
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なおグラフィックボードの重量はNVIDIA RTX 4000 SFF Adaが322g、NVIDIA RTX 4000 Adaが527gに対して、「NVIDIA RTX 2000 Ada」は302gでした。
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「NVIDIA RTX 2000 Ada」を先行して発売されたNVIDIA RTX 4000 SFF Adaと比較すると、外観やサイズはほぼ同じです。
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「NVIDIA RTX 2000 Ada」はGPU仕様としてPCIE4.0x8帯域での接続ですが、PCIE端子はx16サイズとなっており、ゴールド接点も実装されていますが、基板から配線は伸びておらず、そこは見た目に違いがあります。
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あとはGPUクーラー側面を見ると、NVIDIA RTX 4000 SFF AdaにはPCIEブラケットのすぐ傍にだけQuadro Sync 2用、ステレオシャッター用のコネクタが実装されていますが、「NVIDIA RTX 2000 Ada」は同機能に非対応なので実装なしです。
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NVIDIA RTX 2000 AdaのGPU概要とベンチマーク

「NVIDIA RTX 2000 Ada」のスペックについて簡単に確認しておきます。
「NVIDIA RTX 2000 Ada」はAD107コアが使用されており、CUDAコア数は2816、GPUコアクロックはベース1620MHz、ブースト2130MHzです。VRAMには16GB GDDR6メモリ(ECC対応)を搭載し有効メモリクロックは14.0GHzです。メモリーバス幅は128bitなのでメモリ帯域は224GB/sです。

全長169mmかつロープロファイルという非常にコンパクトなサイズに加えて、TGP70WなのでPCIE補助電源を必要とせず、PCIEスロットのバスパワーのみで動作します。

「NVIDIA RTX 2000 Ada」についてはNVIDIA純正モデルしか存在しません。そのため、当然、ブーストクロックは2130MHzです。(公式スペックとしては非公表ですが)

パワーリミット(TGP)は定格と同じ70Wで、手動設定による電力制限の解除には非対応です。

NVIDIA RTX 2000 Ada_GPU-Z

GeForce RTX 40シリーズと同じく、Adaアーキテクチャを採用する「NVIDIA RTX 2000 Ada」は、GPUコアの増強、コアクロックの高速化といった3Dグラフィックス関連の強化に加えて、新たな特長としてハードウェアエンコーダに最新の第8世代NVEncが実装されています。
第8世代NVEncはAV1コーデックのエンコードに対応したところが、RTX 30シリーズの第7世代NVEncとの大きな違いです。(AV1コンテンツのデコード/再生はRTX 30シリーズですでに対応済み)
映像編集ソフトではDavinci Resolve、ビデオキャプチャソフトではOBS Studioなどが最新バージョンにおいてGeForce RTX 40シリーズによるAV1エンコードに対応しています。
AV1は従来のH.264(x264)よりも40%程度も圧縮効率に優れており、OBS Studioの場合、従来のH.264(x264)形式によってフルHD解像度で作成したコンテンツも、同等のビットレート、同等の映像品質で、AV1形式ならWQHD解像度にできます。
NVEnc 8th-Gen_AV1 vs x264

注意点として、GeForceではRTX 4070 Ti SUPER(RTX 4070 Ti)以上、プロ向けRTXではRTX 4000 AdaやRTX 4000 SFF Ada以上の上位モデルが新たに2基のNVEncを搭載しているのと異なり、NVIDIA RTX 2000 Adaに実装されているハードウェアエンコーダNVEncは”1基”です。
NVIDIA RTX 2000 Ada_NVEnc

最新の第8世代なのでAV1に対応しているだけでなく、H.264やHEVC(H.265)のエンコードも高速化していますが、DavinciResolveなどデュアルNVEncによる書き出しに対応した映像編集ソフトでRTX30シリーズと比較して2倍以上高速になる機能は使用できません。
GeForce RTX 40_8th Gen NVEnc_AV1_Video-Edit

ゲーマー向けGeForceシリーズと違い、「NVIDIA RTX 2000 Ada」などプロフェッショナル向け製品には同時エンコードセッション数の制限がありません。(一部例外あり)
NVIDIA_NVEnc-Max-Sessions_Pro-RTX-Ada_202405
ちなみにNVIDIAのゲーマー向けGPUであるGeForceシリーズはRTX 40シリーズ以前では3セッションに制限されていましたが、2023年3月に5セッション、2024年1月には8セッションへと最新ドライバを適用することで同時エンコード可能数が増えています。
NVIDIA_NVEnc-Max-Sessions_GeForce-RTX40_202405

「NVIDIA RTX 2000 Ada」などプロフェッショナル向けNVIDIA製GPUはゲーマー向けGeForceと同じくGeForceドライバで動作しますが、NVIDIAコントロールパネル上に、NVIDIA MosaicGPU Usage Modesといったプロフェッショナル向けGPU専用の項目(左側のワークステーションという項目)が表示されます。
NVIDIA RTX 2000 Ada_NV-Control-Panel (1)
NVIDIA RTX 2000 Ada_NV-Control-Panel (2)
NVIDIA RTX 2000 Ada_NV-Control-Panel (3)

「NVIDIA RTX 2000 Ada」をPCゲーミング用GPUとして使用する場合は、NVIDIAコントロールパネル上のGPU使用率の管理(GPU Usage Modes)で『グラフィックニーズとコンピューティングニーズに使用する』を必ず選択してください。
ゲーム専用なら、もう一方の『グラフィックタスク専用にする』のほうが最適そうに見えて紛らわしいのですが、こちらを選択するとレイトレーシングやDLSSに非対応なGPUとして認識されたり、一部のゲームが起動時にクラッシュします。
NVIDIA RTX 2000 Ada_GPU Usage Modes

NVIDIA RTX 2000 Adaのベンチマーク

「NVIDIA RTX 2000 Ada」について少しだけベンチマーク測定・比較やGPUクーラー性能を紹介しておきます。

性能や世代が近く、比較対象になりそうな10種類のGPUでベンチマーク測定を行い、「NVIDIA RTX 2000 Ada」のGPU性能を検証してみました。
ゲーマー向けベンチマークを使用していますが、AI画像生成や学術計算の類でもVRAM容量が不足しないのであればだいたい同じような傾向になります。

「NVIDIA RTX 2000 Ada」のGPU性能はGeForce RTX 3060 12GBと同程度です。
プロ向けRTXにおいて前世代同クラスのRTX A2000はちょうどRTX 3050 8GBと同程度の性能なので、ロープロ対応、補助電源不要なTGP70Wという仕様のまま、30%以上の性能向上を果たしています。

NVIDIA RTX 2000 ada_bench_1_fse
NVIDIA RTX 2000 ada_bench_2_ts
NVIDIA RTX 2000 ada_bench_3_sw

ちなみにファイナルファンタジーXIV 黄金のレガシーの公式ベンチマークを試してみたところ、「NVIDIA RTX 2000 Ada」はフルHDやWQHDの最高品質でも60FPS以上で快適にプレイできる性能でした。
NVIDIA RTX 2000 Ada_FF14_FHD
NVIDIA RTX 2000 ada_bench_4_f14-FHD
NVIDIA RTX 2000 Ada_FF14_WQHD
NVIDIA RTX 2000 ada_bench_4_f14-WQHD

GPU性能そのものはゲーマー向けGeForceシリーズでいうところのGeForce RTX 3060 12GBと同程度ですが、「NVIDIA RTX 2000 Ada」は16GBと大容量なVRAMを搭載しています。
10GB以上(メモリフォールバック無効の場合は12GB以上)のVRAMが必要になるので、現在のゲーマー向けミドルクラスGPUで一般的な8GBではVRAM不足でエラーになりますが、UL ProcyonのStable Diffusion XLベンチマークも「NVIDIA RTX 2000 Ada」なら問題なく完走できました。
NVIDIA RTX 2000 Ada_SDXL
AI画像生成においても、「NVIDIA RTX 4000 Ada」は前世代RTX A2000よりも30%以上高速に画像を生成しつつ、6GB/12GBから20GBに増えたVRAM容量によって高解像度、高精度な画像生成が可能になります。
NVIDIA RTX 2000 ada_bench_6_sd
NVIDIA RTX 2000 ada_bench_7_sdxl

UL ProcyonによるStable Diffusion 1.5/XLのベンチマークについては30種類以上のGPUを使用した比較検証記事を公開しているので、こちらも参照してみてください。

最後に、「NVIDIA RTX 2000 Ada」のGPUクーラー冷却性能や静音性について簡単にチェックしておきます。
3DMark TimeSpy StressTestで20分程度に渡たりフル負荷をかけたところ、GPU温度は74度程度、ファン速度は4000RPM程度でした。
先行して発売された同サイズ・同TGPのRTX 4000 SFF Adaと比較するとGPU温度はほぼ同じですが、ファン速度は200RPM程度高くなっています。3800~4000RPMで200RPM程度の違いなので体感的にはほぼ誤差ですが。
NVIDIA RTX 2000 Ada_temp_1
ファンノイズのノイズレベルを測定したところ、33~34dB程度でした。小径ファンの高速回転なので高周波ノイズとなっており、体感的には35~36dB程度の印象ですが、PCケースに組み込んでしまえば、ほとんど気にならない程度の音量だと思います。
NVIDIA RTX 2000 Ada_noise
ストレステスト中の「NVIDIA RTX 2000 Ada」の実動コアクロックは2029MHzです。同程度のTGPに対してCUDAコア数には大きな差があるので、RTX 4000 SFF Adaの実動コアクロックは1392MHz程度です。
GPU消費電力は68W程度となっており、電力制限値がほぼ同じなので当然ですが、RTX 4000 SFF Adaと同等です。
NVIDIA RTX 2000 Ada_clock
NVIDIA RTX 2000 Ada_power

以上、「NVIDIA RTX 2000 Ada」のレビューでした。
NVIDIA RTX 2000 Ada Generation

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