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144Hzや240Hzの高リフレッシュレートなゲーミングモニタや、同等のフレームレートを安定して発揮できる高性能なゲーミングPCを組み合わせた環境は、60Hz/60FPSの一般的な環境よりも「表示遅延」が低下します。
しかし入力ラグが低下する「入力遅延」の軽減という限定された効果しか理解できていない人も多いようなので、詳しく解説していきます。
端的に言うと、表示遅延が大きい(遅い)環境のプレイヤーは『常に未来から攻撃される』というデメリットがあります。
逆に表示遅延の時間が小さい環境なら『相手にとって未来から攻撃できる』というメリットが得られます。
目次
1.ゲームにおける遅延とは
2.オンライン対戦時代に『入力遅延』は古い
3.表示遅延の差で未来から攻撃できるし、される
4.低遅延には高性能なGPUとゲーミングモニタが必要
補足.ディスプレイ遅延に関する誤解
・モニタ製品に固有な内部遅延そのものは実は誤差
・応答速度は”明瞭さ”の指標、表示遅延とは無関係?
ゲームにおける遅延とは何か
実のところ、当サイトでの検証結果による補足、分かり易くなるように模式図等を加えただけで、本記事で語る内容は2019年8月に公開されたNVIDIAのブログポスト(英語版)で解説されている内容とほぼ同じです。(本記事はかなり簡略化しているので、ゲームプログラム進行など厳密な部分はNVIDIAのほうが圧倒的に詳しい)FPSゲーム界隈だと割と知れ渡っている?、遅延について語る上では必修教材的な内容です。
まず大前提、『表示遅延』とは何かというと、マウス・キーボード・ゲームパッドを操作してから、その操作がディスプレイ表示に反映されるまでの時間のことです。
一応補足すると、『表示遅延』がローカル環境内で発生する遅延であるのに対して、オンライン対戦ゲームの場合、一般的にはpingと呼ばれるマルチプレイヤーサーバーとの間で発生する『ネットワーク遅延』もあります。
ともあれ今回の主題はローカル環境内で発生する『表示遅延』の方です。相互に影響もありますが、今回は簡略化して独立しているものとして扱います。
ローカル環境で発生する表示遅延は大きく3つに分けられます。
- 『入力機器遅延』: マウスやキーボードなど入力機器を操作してからPCへ信号が送信されるまで
- 『PC処理遅延』: 入力機器の信号を受け取ってからPC(ゲーム機)がディスプレイへ信号を出力するまで
- 『ディスプレイ遅延』: ディスプレイが信号(映像データ)を受け取ってから画面に反映されるまで
NVIDIAのブログポストでは単に”System Latency(システム遅延)”と表記されていますが、当サイトでは次章で説明する通り、”入力遅延”という言葉や認識と区別するため、こういった遅延時間のことを”表示遅延”と呼んでいます。
表示遅延の簡単な例として、動画を見ての通り、キーボードを操作してから射撃が始まるまで数十ミリ秒の遅延があり、遅延時間はリフレッシュレートによって異なります。
画面表示を基準にして、クロスヘア中央にターゲットをエイムしてから撃ち始めた場合、240Hz環境のほうが60Hz環境より先に着弾します。
技術云々ではなく、単純に、クロスヘア中央にエイムしてショットという同じタイミングで撃ち合っていたら、リフレッシュレートが高いモニタを使っている方が勝ちます。
Overwatch2のようなガンシューティング系ゲーム(FPS:ファーストパーソンシューティングのほう)は、120FPS以上のハイフレームレートに対応しているので、高リフレッシュレートかつ高フレームレート、つまり高性能なゲーミングモニタと高性能なGPUの環境ではシステム表示遅延(≒入力遅延)が低減されることに違和感はないと思います。
直感に反しますが、実はストリートファイター6などゲーム出力が60FPSの格闘ゲームでも高リフレッシュレート(高性能なゲーミングモニタ)や高性能なGPUによって表示遅延が低減します。全てのゲームではありませんが、該当するゲームなら常にこういう結果になります。
LED機能付きキーボードのLED点灯を見ての通り、発生 4Fでドライブパリィの入力を行った240Hz環境は持続 1Fちょうどでジャストパリィに成功しているのに対して、60Hz環境では240Hz環境よりも約2F先行して入力を行っていますがケンの立ち中キックを被弾してしまいます。
オンライン対戦時代に『入力遅延』は古い
ゲームが昔のFF/ドラクエやマリオのようにソロで遊ぶ、もしくは複数人であってもオフラインのローカルPCやゲーム機を共有して複数のコントローラーでプレイするものであれば、遅延に対する認識は操作に対するラグ感のような単純なもの、所謂、『入力遅延』で問題ありませんでした。複数人でプレイするとしても、ローカル環境(PC/ゲーム機、モニタ、コントローラー)が同じなら、遅延は共通なので、操作ラグを感じるかどうかという体感閾値だけを気にすればよかったからです。
ただしゲーミングPCだけでなく、PlayStation 5やXbox Series X|Sなど家庭用ゲーム機でもオンライン対戦マルチプレイが当たり前になっている現在では話が変わってきます。
ゲーム機とディスプレイを共有して複数コントローラーでプレイしていた頃と違い、オンライン対戦マルチプレイではプレイヤーによってローカル環境(ゲーム機やディスプレイ)が異なります。
単一プラットフォームであっても、最新ゲーム機のPlayStation 5やXbox Series X|Sでは従来の60Hzだけでなく120Hz VRRが利用できるようになっています。またクロスプラットフォームのオンライン対戦に対応したゲームならゲーム機そのもの、PlayStation 5やXbox Series X|Sのようなコンソールゲーム機なのか、高性能なゲーミングPCなのかすらも違う可能性があります。
ゲーム機/ゲーミングPC、ディスプレイ(リフレッシュレートやVRR対応)といったローカル環境が異なるとプレイヤー間でローカル環境依存の遅延に差が生じます。これを従来同様に『入力遅延』と認識すると思わぬ不利を背負うことになります。
オンライン対戦時代に『入力遅延』は古く、『表示遅延』へと認識のアップデートが必要です。
表示遅延の差で未来から攻撃できるし、される
144Hzや240Hzといった高リフレッシュレートなゲーミングモニタや高性能なゲーミングPCによって低減するのは”入力遅延”ではなく”表示遅延(システム表示遅延)”、と認識のアップデートが必要です。実質的には同じようなものですが、単純な操作ラグの差であると、その影響を誤解(過小評価)する人も多いです。
表示遅延はバトロワ等どちらかと言うと120FPS+に対応したFPSゲームに影響が大きい要素ですが、上で少し紹介した通り、60FPS固定の格闘ゲームでも条件次第で差が出ます。
『フレーム進行が60FPSで一定』、『オンライン対戦でも1P/2Pの見る映像が同じ(FPSのような操作キャラ視点ではない)』という要素は表示遅延の差の影響を解説する上で便利なので、ストリートファイター6を例に説明していきます。
以下、NVIDIAのブログポスト(英語版)やゲームプログラムの正しい進行(参考)からすると曲解というか誤った説明であり、結果は一致するもののゲームプログラムや同期等の説明としては全く正しくないので褒められたものではありませんが、表示遅延の効果を説明する上では分かり易いと思うので、表示遅延の測定結果から逆算して説明していきます。
ゲーミングPCであれ、PlayStation 5やXbox Series X|Sなどゲーム機であれ、ゲームプログラムの進行(最新フレーム)に対して、プレイヤーが視認する映像、つまりディスプレイに表示されるフレームは遅れています。
そして、入力機器を操作してからディスプレイに反映されるまでの時間の測定値、つまり表示遅延は、ゲーミングPCかPS5などゲーム機か(グラフィック負荷に対するGPU・CPU性能)、そしてディスプレイのリフレッシュレートによって決まり、その平均値、最大・最小の誤差は一定に収束します。
表示遅延とはその環境において『ゲームプログラムの今』と『プレイヤーが視認する今(ディスプレイ映像)』に何フレーム、何msの差があるか示すものと考えることができます。曲解ですが、そう考えると直感的に低遅延の効果を理解しやすいと思います。
ゲームプログラムの最新フレームを基準に考えた場合、高性能なゲーミングPCかつ240Hz VRRでは最新フレームよりもマイナス 3Fの古いフレームをディスプレイで見ることになりますが、PS5かつ60Hz V-Syncの場合はマイナス 7Fのさらに古いフレームを見ることになります。
続いてプレイヤーが視認する映像を基準にした場合について考えてみます。
1Pは高性能なゲーミングPCかつ240Hz VRR、2PはPS5かつ60Hz V-Syncとします。
すでに説明した通り、1Pと2Pには異なるシステム表示遅延が存在するので、ディスプレイで見ている映像を同じに揃える(基準とする)場合、表示遅延が小さい環境の1Pでは3フレーム先が最新フレーム、表示遅延が大きい環境の2Pは7フレーム先までが最新フレームとして結果が決まっていると考えられます。
*注:実際のプログラム進行ではそこまで先の最新フレームがすでに決まっているわけではないので、ゲームプログラムの説明としては間違っていますが、外から見た結果としては同じことになります。
現在のフレームにおいて、何かの拍子に1P/2Pがお見合い状態になったと仮定し、両プレイヤーは同時にその状態を認識し、弱パンチなど小フレームの攻撃で先手を取ろうとしたとします。(簡略化して1Fで発生・持続とする)
この時に表示遅延が小さい環境の1Pでは3フレーム先まで確定しているので、最速で4フレーム目に攻撃を挿し込めますが、表示遅延の大きい環境の2Pはどれだけ早くても8フレーム目以降になります。
上記のお見合い状態から4フレームが進行したらどうなるか、見ている映像は同じであっても、表示遅延が小さい環境で入力した1Pの攻撃が先に反映されます。
遅延のことを入力遅延と呼ぶと自分が入力した時のラグ(体感)と考えてしまい易いのですが、高性能なPC、高性能なゲーミングモニタを使用した時に低減する”表示遅延”は操作する時のラグやレスポンスの話だけでなく、プレイ中は常に影響があります。
人間の反射神経で反応できる時間は最速100ms程度など諸説ありますが、その数値が何であれ、遅い環境では問答無用で表示遅延の差が自身の反射時間に加算されます。ラグを感じるかどうかといった主観の問題ではありません。
比較グラフで示した表示遅延の差だけ、表示遅延が大きい(遅い)環境のプレイヤーは『常に未来から攻撃される』ことになります。逆に表示遅延の時間が小さい環境ほど有利です。
これと同じ現象、FPSゲームにおいて表示遅延の差で得られる優位性について、NVIDIAのブログポストでは飛び出し有利(ピーカーズアドバンテージ)の場面を例に挙げています。
上で説明に使用した格闘ゲームと違って、FPSゲームでは操作キャラクター視点になり、1P/2Pの見る映像が異なるので直感的に理解するのが少し難しくなると思いますが、『未来から攻撃できる、される』という結論は同じです。
下の動画のように壁に隠れたターゲットが壁から出てきた時、表示遅延が小さい240Hz環境では表示遅延の差だけターゲットが画面に表示されるのが実際に速くなります。
動画前半では、60Hz環境のプレイヤーには相手が見えていないので1歩先の未来から攻撃されることになります。もともと有利な状況に表示遅延の差まで加算されるという、240Hzなど高リフレッシュレート環境ならそういった理不尽ともいえるアドバンテージが得られます。
逆に動画後半では240Hz環境は60Hz環境から攻撃される立場(60Hz側が飛び出す)ですが、相手が自分を発見するのと同時に自分も相手を発見できます。本来なら不利な状況がイーブンになります。
低遅延には高性能なGPUとゲーミングモニタが必要
『表示遅延』を低減するにはまず144Hzや240Hzといった高リフレッシュレートに対応するゲーミングモニタが必要です。低遅延化は画面更新時間(リフレッシュレートの逆数;60Hzなら約16ms)の小ささに比例、つまりリフレッシュレートに対しては反比例グラフ的に性能が伸びます。
60Hzから120Hz、120Hzから240Hzくらいまでは低遅延化の効果はms単位の絶対値として大きいのですが、240Hz以上は反比例グラフのゼロ近似に収束する部分になります。
原理的に言って360Hzや540Hzでも遅延はさらに減少するので、1ms差を競う戦いなら有利になることは間違いありませんが、現在コストパフォーマンスが一番高いのは240Hzのゲーミングモニタだと思います。
240Hz+の高速リフレッシュレートやVRRに対応したゲーミングモニタについては色々とレビューを公開しているので参考にしてみてください。
『表示遅延』の低減を実現する上で、ゲーミングモニタのリフレッシュレートと対になって重要なのが、PCのグラフィック性能を左右するGPUです。
ゲーミングモニタが144Hzや240Hzといった高リフレッシュレートに対応していても、PCのグラフィック性能が不足していて大元の映像データが60FPS前後しか出ていなければ宝の持ち腐れになってしまいます。
ストリートファイター6のように60FPS固定ながらハイリフレッシュレートモニタで低遅延になるタイトルであっても、ただ60FPSが安定して出るだけでなく、十分に短いレンダリング時間、つまりグラフィック負荷に対して十分高いGPU性能が必要になります。
2024年最新のGPU(グラフィックボード)別で対応可能な解像度&リフレッシュレートの大まかな指標は次の早見表の通りです。
最新コンソールゲーム機についてはPlayStation 5がGeForce RTX 3060やRadeon RX 6600 XTと同じくらい、Xbox Series XがGeForce RTX 3070よりもやや遅いくらいの性能です。(GPUスペックから想定したざっくり評価ですが)
マウス&キーボードの操作に標準で対応しているなどPCゲーミングならではの魅力はありますが、すでにPlayStation 5の時点でグラフィック性能はRTX 3060程度まで達しているので、2024年にPCゲーミング用途でグラフィックボードを新調するのであればGeForce RTX 4060 TiやRadeon RX 7700 XTよりも高速な製品を選択するのがオススメです。
2024年現在、新しくゲーミングPCを用意するならCore i7 14700(F)とGeForce RTX 4070シリーズの組み合わせが当サイトの推奨スペックです。
高性能なゲーミングモニタに対応したグラフィックボードの増設・換装やBTO PCの新調を検討している人には下の記事で必要な情報はまとめているので参考にしてください。
・おすすめグラボまとめ。予算・性能別で比較。各社AIBモデルの選び方
・おすすめBTO PCまとめ。予算・性能別で比較。カスタマイズ指南も
補足:ディスプレイ遅延に関する誤解
遅延に関しては、モニタ製品固有の内部遅延に大きな差がある、応答速度と『表示遅延』がごちゃ混ぜなど、誤解を広める説明を当たり前にしているテック系の法人メディア、レビュアー、ユーチューバーは多いです…。モニタ製品に固有な内部遅延そのものは実は誤差
ゲーミングモニタのレビュー等で低遅延をアピールする記述や発言をよく見かけますが、実のところ上で概要を説明した『ディスプレイ遅延』そのものは非常に小さく、表示遅延全体からすると誤差です。NVIDIAの定義・解説ではスキャンアウトというPC-ディスプレイ間で発生する処理/遅延も含まれるものの、ディスプレイ製品内で発生する製品固有の遅延に限って言えばそのようになります。
厳密に言うとディスプレイの高リフレッシュレートによって大きく変動するのは『PC処理遅延』(+スキャンアウト)です。
なお通常はフレームレート=最大リフレッシュレートで動作しているものと考えますが、一定条件を満たすと60FPS固定かつハイリフレッシュレートでも『PC処理遅延』は低減します。
内蔵画像エンジンで高画質化を行っている従来のテレビは遅延が非常に大きかったので、製品別に大きな差があると誤解されがちですが、大半のまともなゲーミングモニタであれば『ディスプレイ遅延』は1~2ms未満しかありません。
当サイトの1~2msという測定値にすら製品固有の遅延以外の諸要素が含まれています。
加えて、最近のテレビはゲームモード等の名前で映像パススルーが可能になっているものも多く、『ディスプレイ遅延』に差があるというのは、もはやテレビにすら通用しない誤解です。
『ディスプレイ遅延』が大きいのは下記のような例外的ケースです。
- 【古い】 映像補正で高画質化を行うテレビ(最近ではゲームモードがある)
- 【古い】 有機ELテレビの焼き付き保護機能(最近ではゲームモードがある)
- ハイリフレッシュレートモニタの60Hz動作時(一部製品、120Hzも稀に)
- まともでないゲーミングモニタ (筆者は今のところ見たことがない)
今現在、ディスプレイ遅延(製品固有値)の大きさが実際に問題になる例外的なケースは実質的に『ハイリフレッシュレートモニタの60Hz動作時(一部製品で)』だけです。
最大60Hzで60Hz動作時の遅延が大きい製品もないとは言い切れないのですが、当サイトで扱うのは基本的にハイリフレッシュレートなゲーミングモニタなのでその辺りは割愛します。
ゲーミングPCで使用する場合は60Hzに制限されることはなく、単純に最大リフレッシュレートを適用するだけなので通常影響はありません。最近では60Hzの排他的フルスクリーンが強制されるようなPCゲームも稀ですし。
一方でハイリフレッシュレートモニタに対応していないNintendo Switchはもとより、PlayStation 5やXbox Series X|Sでも60Hzでしかプレイできないオンライン対戦ゲームは影響を受けます。
『ハイリフレッシュレートモニタの60Hz動作時』にディスプレイ遅延が増えるとしても、絶対値としては60Hz/60FPSの1フレーム分である約16msを上回るような遅延増になる製品は滅多にないので操作ラグを感じる程ではありません。
しかし、表示遅延による不利を解消、有利を得るという点を突き詰めるなら、できるだけ低遅延なモニタを選びたいところです。
『ハイリフレッシュレートモニタの60Hz動作時』にディスプレイ遅延が増えるモニタや、そもそもディスプレイ遅延が大きい、まともでないゲーミングモニタをどう見分けるかというと、遅延を測定できるレビュアーの検証結果を参照するしかありません。
『ディスプレイ遅延』すら測定できずに、”このモニタは低遅延”等を謳うテック系の法人メディア、レビュアー、ユーチューバーは碌なものではありません。
この辺り”自腹です”、”忖度ナシです”なら本当に信頼できる、参考になるメディアなのか、ヤバいレビューが簡単に分かるポイントです。
応答速度は”明瞭さ”の指標、表示遅延とは無関係?
『ディスプレイ遅延』そのものの大小と並んで、ゲーミングモニタでよくある誤解が、応答速度と表示遅延の関係です。これも参考になるメディアなのか、ヤバいレビューが簡単に分かるポイントです。応答速度とは製品スペックで”1ms GTG”とか”4ms MPRT”のように表記される、液晶パネルがフレーム更新するのにかかる時間(速度)のことです。有機ELは実質的に0秒のような理想スイッチ的な応答を示します。
応答速度は1フレームの更新をいかに速く、綺麗に完了できるかを示す数値であり、高リフレッシュレートの3大メリット『滑らかさ』『低遅延』『明瞭さ』のうち、主に影響するのは『明瞭さ』です。
『明瞭さ』について説明し始めると話が逸れ過ぎるので気になる人はこちらの記事を参照してください。
当サイトで検証したことのある製品で言うと、VA液晶のARCHISS AS-MC34MWQ165A、IPS液晶で60HzのINNOCN 27M2Uは、スーパースローモーション動画でも光センサーによる定量測定でも決して速くない、というか高速応答なゲーミングモニタと比較するとハッキリ言って応答速度は遅いですが、先に掲載したグラフの通り、『ディスプレイ遅延』は他製品と大差ありません。
ARCHISS AS-MC34MWQ165Aはディスプレイ遅延が1ms前後大きくなっていますが、おそらく液晶の応答とは別の要因です。
応答速度はディスプレイ更新を行う/完了する速さを示す数字なので、”操作してから表示されるまで”の時間である『表示遅延』と全く無関係ではありません。
しかしながら、ここまでに示したグラフや動画の通り、フレーム更新の確認に有意な遅れが生じるレベルで応答速度が低速な”まともでない”モニタは現状存在しない以上、『表示遅延』と応答速度は無関係というか、独立して考えるのが現状に則して妥当です。
同じリフレッシュレートかつ固有の内部遅延も同程度という条件、GTGヒートマップレベルでの目視確認への影響とかまで突き詰めれば別ですが、そこまで考えて言及している人がいるかというと、たぶんいません。
なのでゲーミングモニタの遅延について語る上で、応答速度という言葉そのもの、”1ms GTG”とか”4ms MPRT”のスペック値、「TN液晶だから低遅延」、「IPS液晶だから遅延が大きい」など液晶パネルタイプも含め、応答速度と『表示遅延』をからめて説明するような解説は不適切です。
以上、『未来から攻撃できる!? 「表示遅延」が小さいメリットを解説』でした。
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操作ラグだけの問題ではなく、『未来から攻撃できるし、される』
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) September 27, 2024
144Hzや240Hzの高リフレッシュレートなゲーミングモニタや高性能なゲーミングPCの環境で表示遅延(入力遅延)が低減すると、どんなメリットがあるのか徹底解説。https://t.co/P6GVY9XRYG pic.twitter.com/ib5rEVjkPl
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