実写のように再現されたニューヨークを舞台に、”これぞスパイダーマン”というスタイリッシュなアクションが楽しめる最新作「Marvel’s Spider-Man 2(スパイダーマン2)」のPC版について最新GPUや最新CPUでベンチマーク比較してみました。
各種ベンチマーク結果から、Marvel’s Spider-Man 2 PC版を快適にプレイ可能なグラフィックボードやCPUなどPCスペックを紹介します。
GPU/CPU別ベンチマーク比較や推奨動作環境をチェックしつつ、NVIDIA GeForce RTX 50/40シリーズやAMD Radeon RX 9000/7000シリーズなど今後の新発売ゲームにも幅広く対応できそうな最新GPUに的を絞って、Marvel’s Spider-Man 2 PC版が快適にプレイ可能なおすすめグラフィックボードやPCスペックを紹介していきます。
目次
1.Marvel’s Spider-Man 2 PC版 推奨動作環境について
・DirectStorage対応なのでNVMe M.2 SSDが必要
2.ベンチマークの検証機材やテスト設定について
・ベンチマークの検証機材について
・ベンチマーク設定やテストシーンについて
3.Marvel’s Spider-Man 2 グラボ別ベンチマーク比較
・フルHD解像度のベンチマーク比較
・WQHD解像度のベンチマーク比較
・4K解像度のベンチマーク比較
4.グラボ別ベンチマークの補足
・レイトレは”非常に高い”設定がオススメ
・DLSS4/FSR4など中間フレーム生成に対応
・フレーム生成で60FPS達成は非推奨
5.Marvel’s Spider-Man 2 CPUボトルネック比較
6.Marvel’s Spider-Man 2の推奨グラボやPCは? 【PR】
Marvel’s Spider-Man 2 PC版 推奨動作環境について
Marvel’s Spider-Man 2(スパイダーマン2) PC版の推奨動作環境は公式仕様として公開されています。
Marvel’s Spider-Man 2 推奨動作環境 | ||
推奨動作環境 フルHD 60FPS 中プリセット |
最低動作環境 720p 30FPS 最低プリセット |
|
CPU | Intel Core i5-8400 AMD Ryzen 5 3600 もしくはそれ以上 |
Intel Core i3-8100 AMD Ryzen 3 3100 もしくはそれ以上 |
GPU | GeForce RTX 3060 Radeon RX 5700 もしくはそれ以上 |
GeForce GTX 1650 Radeon RX 5500 XT もしくはそれ以上 |
VRAM | 8 GB 以上 | 4 GB 以上 |
システムメモリ | 16 GB 以上 | 16 GB 以上 |
ストレージ | 140GB以上、SSD推奨 DirectStorage対応:NVMe SSD推奨 |
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Windows Version |
Windows 10/11 64bit , DirectX 12 |
Marvel’s Spider-Man 2 PC版をフルHD/60FPS(中画質プリセット、レイトレ無効)でプレイする場合の推奨グラフィックボードはGeForce RTX 3060やRadeon RX 5700となっているので、現在の現行最新GPUにおいてはGeForce RTX 4060やRadeon RX 7600(XT)といったミドルクラスの製品が該当する、というか推奨スペックを余裕で上回ります。
ちなみに、最新コンソールゲーム機についてはPlayStation 5がGeForce RTX 3060と同じくらい、Xbox Series XがGeForce RTX 3070よりもやや遅いくらいの性能です。(GPUスペックから想定したざっくり評価ですが)
マウス&キーボード操作との相性などPCゲーミングならではの魅力はありますが、すでにPlayStation 5の時点でグラフィック性能はRTX 3060程度まで達しているので、これからPCゲーミング用途でグラフィックボードやゲーミングPCを新調するのであれば、GeForce RTX 4060 TiやRadeon RX 7700 XTよりも高速な製品を選択するのがオススメです。
また、より高画質なWQHD解像度(高画質)や4K解像度(ウルトラ画質)、さらに鏡面反射やシャドウをリアルに表現するレイトレーシング機能有効で快適にプレイするのに必要なスペックについても発表されています。
WQHD解像度ならGeForce RTX 3070なので最新モデルだとGeForce RTX 4060 Tiが該当します。
Marvel’s Spider-Man 2のレイトレーシングはGPU性能に加えてVRAM容量も12GB以上が要求されるので、WQHD解像度でもレイトレ有効の場合、GeForce RTX 4070やRadeon RX 7900 XTといったアッパーミドルからハイエンド級のグラフィックボードが要求されます。
またグラフィックやレイトレの設定を引き上げるとCPUバウンドな傾向も強くなります。後ほどCPUボトルネック比較も紹介しますが、特にレイトレを使用する場合はCore i7 14700(K/F)、Core Ultra 7 265(K/F)、Ryzen 7 9700Xなど最新のアッパーミドルクラス以上のCPUが推奨です。
Marvel’s Spider-Man 2 WQHD/4K 動作環境 | |||
WQHD 60FPS レイトレ:高い |
WQHD 60FPS レイトレ:非常に高い |
4K 60FPS レイトレ:究極 |
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CPU | Intel Core i5-11600K AMD Ryzen 5 3600X もしくはそれ以上 |
Intel Core i7-12700K AMD Ryzen 9 5900X もしくはそれ以上 |
Intel Core i9-12900K AMD Ryzen 7 7800X3D もしくはそれ以上 |
GPU | GeForce RTX 4070 Radeon RX 7900XT もしくはそれ以上 |
GeForce RTX 4080 Radeon RX 7900 XTX もしくはそれ以上 |
GeForce RTX 4090 もしくはそれ以上 |
VRAM | 12GB 以上 | 16GB 以上 | 20GB 以上 |
Marvel’s Spider-Man 2 PC版の4K解像度やレイトレーシング有効は上記推奨スペックの通り、高価な最新のグラフィックボードやCPUが要求されますが、その分だけ最新ゲーム機 PlayStation5をも上回る、実写と見紛うレベルの非常に高精細な映像で、重厚なストーリーとスタイリッシュなアクションが楽しめます。
DirectStorage対応なのでNVMe M.2 SSDが必要
Marvel’s Spider-Man 2 PC版はPCゲームにおける高速ロード機能 DirectStorageに対応しています。
『DirectStorageって何?』という人はこちらの記事を参照してみてください。
DirectStorageによる高速ロードを正常に動作させる要件は主に次の3つです。
- 近年のGPUを使用する → RTX20/GTX16やRX5000より新しければ問題なし
- OSはWindows 11が推奨 (Win10でも動くけど、Win11でより最適化されている)
- SSDはNVMe接続のSSD(NVMe M.2 SSD)が必須
1つ目と2つ目の要件については特に気にしなくてもクリアできると思います。後述のベンチの通り、Marvel’s Spider-Man 2がまともに動く時点で比較的新しいGPUのはずですし、OSについてはWindows10のサポートがもうすぐ終了かつ、Windows 11へのアップデートは無料なので。
問題は3つ目、『NVMe接続のSSDが必須』というところだと思います。
ここ1,2年で購入したゲーミングPCなら基本的にSSDはNVMe M.2 SSDだと思いますが、3~4年以上前だと標準搭載や各自で増設したSSDが2.5インチSATA SSDの可能性があります。
PCに搭載されているゲームのインストール先ストレージがDirectStorageに対応しているかどうかはWindowsのゲームバーから確認できます。
*現在、ゲームバーにおいてOSが”DirectStorage最適化を非サポート”と表示されるのは、ゲームバーの表示バグのようなので無視してOKです。
他の簡単な見分け方としてフリーソフトのCrystalDiskInfoを使用してみてください。
ゲームのインストール先ストレージとして使用しているSSDのインターフェースがNVM ExpressになっていればDirectStorage対応です。Serial ATAだとダメです。
対応転送モードについては、DirectStorageの公式仕様としてPCIE4.0x4以上が推奨されていますが、1つ前の速度規格であるPCIE3.0x4でも実用上は特に問題ありません。
ベンチマークの検証機材やテスト設定について
Marvel’s Spider-Man 2(スパイダーマン2) PC版のグラフィックボード別ベンチマーク比較に使用する検証機材やテスト設定について説明しておきます。
ベンチマークの検証機材について
グラフィックボード別ベンチマークの検証システムは、CPUをIntel Core i9 14900K、メモリ周波数5600MHz(DDR5)に統一しています。
最新モデルのNVIDIA GeForce RTX 50/40シリーズとAMD Radeon RX 9000/7000シリーズと、加えて比較用にいくつか旧世代で、合わせて計23種類のGPUで検証しています。
GPUベンチマークの比較機種 | ||
最新 NVIDIA製GPU |
最新AMD製GPU | 比較用 旧世代 |
GeForce RTX 5080
GeForce RTX 4060 |
Radeon RX 9070 XT
Radeon RX 7600 |
GeForce RTX 3060 12GB GeForce RTX 3060 Ti GeForce RTX 3070 GeForce RTX 3080 10GB Radeon RX 6600 XT |
GeForce Driver 572.83 | Adrenalin 25.3.1 | ドライバは左と同じ |
『そもそもグラフィックボード(GPU)の型番がよく分からない』という人は先にこちらの記事を参照してみてください。
2025年最新ハイエンドGPUのGeForce RTX 5080についてはサンプルとしてお借りした「Gainward GeForce RTX 5080 Phoenix」を使用しています。
ASUSやMSIなどマザーボードも販売しているメーカーに比べると国内市場ではマイナーですが、RTX 5080オリファンモデルの中では最安値クラスの安価かつ、冷却性能や静音性も十分なので、ブランドにこだわらずコスパ重視な人には特にオススメな製品です。
ベンチマーク設定やテストシーンについて
ベンチマークを行う解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類です。
超解像については全ての解像度で使用しています。NVIDIA製GPUではDLSS、AMD製GPUではFSR(最新のRX 9000はFSR4、旧世代はFSR3)、Intel製GPUではXeSSを使用し、アップスケール品質はクオリティで統一しています。
各社の超解像技術次第でアップスケール品質に差があることもありますが、ソースとなるレンダリング解像度を揃えることを優先しています。
グラフィック設定はラスタライズ関連の高設定プリセットに加えて、レイトレーシングも高設定プリセットを採用しています。
詳細はスクショの通りですが、モーションブラーやカメラの手振れを無効にしたり、一部を変更しています。DLSS FGなど中間フレーム生成機能は使用していません。
グラボ別ベンチマークに使用するグラフィック設定は、最新ゲーム機のPS5やXboxSXと少なくとも同等か、可能ならさらに高画質であることを1つの基準にして決定しています。
レイトレについては各種ゲームのグラボ別ベンチマークでは各自のオプション扱いで、あまり統一設定にはしないのですが、Marvel’s Spider-Man 2ではニューヨークの街中をスイング移動する時の臨場感がレイトレありとなしではかなり違うというのが筆者の感想です。本作ではゲーム性に大きく影響すると思ったので、比較用の統一設定にもレイトレを採用しています。
PCならではの高画質としてレイトレーシングのプリセットを”非常に高い”にするとGPUへの要求がかなり上がります。GPU負荷もそうですが、VRAM容量への要求が特に大きく、16GB以上ないと厳しいです。(AMD製GPUの場合、20GB以上)
あまりハードルを上げ過ぎても参考にし難いので、ベンチマーク設定としてレイトレプリセットの”高い”を採用していますが、正直なところ、折角、高価なゲーミングPCでプレイするならレイトレプリセットで”非常に高い”を使用できる環境をオススメしたいです。
GPUベンチマークの測定シーンについてはGPU負荷が高く、一方でCPU負荷は適度に低いので、冒頭のサンドマン戦の途中のビル内での戦闘シーンを使用しています。
なおレイトレプリセットを”非常に高い”に引き上げると、ニューヨークの街中をスイング移動するシーンのほうが重くなります。
Marvel’s Spider-Man 2において、大都会ニューヨークを縦横無尽に動き回る爽快なアクションは同ゲームをプレイする醍醐味の1つです。
同シーンはかなりCPUバウンドであるものの、今回の検証用グラフィック設定においては意外とGPU負荷は軽く、CPU性能が足りていれば1,2割はフレームレートが高くなったので、グラボ別ベンチはビル内の戦闘シーンを採用しました。
ただ、CPU性能要求的には重要な検証シーンなので、グラボ別ベンチの次に紹介する、CPUボトルネック検証で採用しています。
Marvel’s Spider-Man 2 PC版 グラボ別ベンチマーク比較
Marvel’s Spider-Man 2(スパイダーマン2) PC版のグラフィックボード別ベンチマーク比較の結果をチェックしていきます。
フルHD解像度のベンチマーク比較結果
まずはフルHD解像度におけるMarvel’s Spider-Man 2 PC版 グラボ別ベンチマーク比較です。
グラフィック設定は通常プリセットとレイトレともに高設定ですが、NVIDIA DLSS/AMD FSRの超解像機能を使用すれば最も高い超解像品質(クオリティ)でも最新ミドルクラスGPUのGeForce RTX 4060 Ti以上の性能があれば60FPS程度でプレイできます。
VRAM容量による性能低下がないので、レイトレ高設定かつフルHDだとRadeon RX 7700 XTのほうが、GeForce RTX 4060 Tiの8GB版よりもFPSが高く、安定もします。
『Marvel’s Spider-Man 2 PC版は最新タイトルとしてはやや重めくらいのPCゲーム』です。
実はMarvel’s Spider-Man 2はVRAM容量やメモリ帯域に対してもかなり要求が重いゲームです。
GPU負荷を重視したテストシーンだと上のような感じになるのですが、ニューヨークの街中をスイング移動するシーンで検証すると、フルHD解像度、超解像:クオリティ、プリセット&レイトレが”高い”設定という条件でも、8GB以下かそれより大きいかで明暗が分かれます。
GPU性能そのままで大容量VRAMを搭載しているGeForce RTX 4060 Tiの8GB版と16GB版はその違いが特に分かり易いです。
またVRAM容量が大きいRTX 3060はGPU負荷自体は軽いシーンなので上のベンチ結果より逆にフレームレートが伸びています。
序盤のサンドマン戦など1時間程度プレイしてみて、目立ったスタッターやゲームのクラッシュといった問題は特に発生しなかったので、VRAM 8GB容量のGPUでも最大フレームレートが60~70FPSに制限される以外にデメリットはなさそうでした。
ただRTX 4060 Ti 8GBの場合、素のGPU性能を3割以上も損なうことになるのでもったいないです。VRAM容量が12GBで十分に大きい競合のRX 7700 XTを選ぶか、やはり近年の高画質ゲームにおけるGPU要求を考えるとRTX 4070以上を選ぶのが筆者的に一番のオススメです。
AMD製GPUについては、RTX 4060 Ti(16GB)とRX 7700 XT、RTX 4070とRX 7800 XTのように同程度の性能とされる競合GPUが同じような性能を発揮します。
Marvel’s Spider-Man 2はAMD製GPUに対しても良く最適化されているようなので、どちらのGPUでもかまわない感じです。
ただし、AMD製GPUは相対的に1~2GBくらいVRAM容量への要求が大きいです。
RX 7700 XTなどVRAM容量が12GB以上のモデルならフルHD/WQHD解像度においてVRAM的には問題ありませんが、RX 7600やRX 6600 XTなどVRAM容量が8GBのモデルの場合、レイトレを高設定にするとVRAM不足でスタッターが生じたり、大幅に性能が低下します。
AMD製GPUでVRAM容量が8GB以下のモデルは”PS5のほうが良い”枠でオススメしません。
WQHD解像度のベンチマーク比較結果
続いて、WQHD解像度におけるMarvel’s Spider-Man 2 PC版 グラボ別ベンチマーク比較です。
WQHD解像度において快適なプレイ水準となる平均60FPSをクリアできるのは、GeForce RTX 4060 Ti 16GB版もしくはRadeon RX 7700 XT以上のGPUです。
当サイト的にはWQHD解像度なら少し余裕を見て、RTX 4070かRX 7800 XTを選ぶのがオススメです。
前世代についてもハイエンドGPUのRTX 3080やRX 6800 XTは70FPS程度出ているのでWQHD解像度で問題なくプレイできます。
テストシーンの説明で軽く触れた通り、ベンチ設定に採用しているレイトレの”高い”プリセットは”非常に高い”プリセットと鏡面反射の精細度やディテール再現性が大きく異なります。画質の変化についてさらに詳しい情報はこちらを参照してください。
画質への影響が特に大きいレイトレを”非常に高い”にする場合、WQHD解像度でも推奨スペックはGeForce RTX 4070 Ti SUPER以上です。
2025年最新GPUの場合、GeForce RTX 5070 Tiが該当します。
GeForce RTX 4070/SUPER、GeForce RTX 5070はGPU性能的には十分なのですが、VRAM容量が12GBなのでレイトレを”非常に高い”にすると、RTX 4060 Ti 8GB版/16GB版の違いようにVRAM容量をボトルネックとして大幅な性能低下が生じます。
RTX 4070 Ti SUPERとRTX 4070 TiのGPU性能差は本来10%~15%程度ですが、VRAM容量・帯域で性能差が生じやすいニューヨークの街中をスイング移動するシーンで比較すると、レイトレを”非常に高い”にした場合、30%近く性能差が生じます。
加えて明らかなスタッターという感じではありませんが、VRAMが16GBあるRTX 4070 Ti SUPERと比較して、12GBのRTX 4070 Tiはフレームタイムの安定性も悪くなって上下にバラつくので、体感する映像の滑らかさも平均FPSの数字より下がると思います。
一方、レイトレを”非常に高い”にする場合、AMD製の最新GPUであるRX 9070 XTとRX 9070は非推奨です。
AMD製GPU環境はNVIDIA製GPU環境よりもVRAMを多めに必要とする傾向があり、VRAM容量が16GBあってもレイトレを”非常に高い”にすると、最初は大丈夫ですが5分程度プレイを続けるとVRAM不足によるスタッターが発生しました。
2025年最新のRX 9000シリーズについては、RX 9070 XTとRX 7900 XTX、RX 9070とRX 7900 XTがほぼ同性能と評価されることが多く、実際にレイトレが”高い”設定でVRAM容量が足りる条件なら似たようなフレームレートになります。
しかしVRAM容量についてはRX 7900 XTXが24GB、RX 7900 XTが20GBに対して、RX 9070 XTとRX 9070は16GBなので、Marvel’s Spider-Man 2でレイトレを”非常に高い”にするとVRAMが不足します。
RX 7900 XTXとRX 7900 XTならVRAM容量的には対応が可能であり、フレームレートも快適水準の60FPS程度を出せますが、RX 7000シリーズの特長としてレイトレの負荷を上げ過ぎると、ラスタライズや軽度のレイトレなら同程度の性能になるRTX 40/50シリーズに対して、相対的に性能を大きく落とします。
レイトレを”非常に高い”にしてプレイすることを目的にする場合、コスパが下がることになるので注意してください。
4K解像度のベンチマーク比較結果
最後に4K解像度におけるMarvel’s Spider-Man 2 PC版 グラボ別ベンチマーク比較です。
4K解像度において快適なプレイ水準となる平均60FPSをクリアできるのは、GeForce RTX 4070 TiかRadeon RX 7900 XT以上になります。
Marvel’s Spider-Man 2を4K解像度でプレイしたい場合、2025年最新GPUならGeForce RTX 5070かRadeon RX 9070が推奨です。
最終出力が4Kなのでボケ感が気にならなければ、超解像をバランスやパフォーマンスに下げてフレームレートを引き上げるのもアリです。
WQHD解像度に関する前節でも触れたように、レイトレ設定の”非常に高い”は画質への影響が大きく、同時にVRAM要求も高くなるので、4K解像度で同設定も採用したい場合はRTX 5070 TiかRTX 5080を選んでください。
グラボ別ベンチマークの補足
グラボ別ベンチマークの結果や、それから推奨されるGPUについては上記の通りですが、その他に注意事項等の補足があればこの章でいくつか記載しておきます。
レイトレーシングは”非常に高い”設定がオススメ
レイトレについては各種ゲームのグラボ別ベンチマークでは各自のオプション扱いで、あまり統一設定にはしないのですが、Marvel’s Spider-Man 2ではニューヨークの街中をスイング移動する時の臨場感がレイトレありとなしではかなり違うというのが筆者の感想です。
本作ではゲーム性に大きく影響すると思ったので、比較用の統一設定にもレイトレを採用しています。
一般にPCゲームの最高画質プリセット(非常に高い、ウルトラなど)は、高画質プリセットと見比べた時に”体感として高画質か”というと微妙だったりします。
低画質/中画質/高画質の3段階は明らかに違って、画質がスポイルされますが、最高画質プリセットは如何にフォトリアルを実現するか、みたいな方向性になっていて、被写界深度が弱かったり、影のエッジが強かったりという要素は非現実的であっても体感としてそちらの方が高画質に感じるという感想は珍しくありません。
そういう事情もあって、筆者も最近のゲーム別オススメPCスペック紹介では最高画質に拘らず、高画質プリセットをベースにしています。(もちろん大きな差がないか目視確認もしつつ)
レイトレの話に戻るのですが、あまりハードルを上げ過ぎても参考にし難いのでベンチマーク設定としてレイトレプリセットは”高い”を採用しているものの、正直なところ、折角、ゲーミングPCでプレイするなら、レイトレプリセットは”非常に高い”がオススメです。
ただし、レイトレプリセットを”非常に高い”にするとVRAM要求が高くなり、NVIDIA製GPUでは16GB以上、AMD製GPUでは20GB以上が必要になります。必要な性能について詳しくはこちらを参照してください。
ベンチ設定に採用しているレイトレプリセットの”高い”は、”非常に高い”と鏡面反射の精細度や再現性が大きく異なります。
ちなみに鏡面反射の解像感やディテール再現性へ影響が特に大きい設定は「レイトレーシング・ジオメトリ・ディテール」です。
レイトレーシングプリセットを”高い”のまま、レイトレーシング・ジオメトリ・ディテールを”非常に高い”に変えるだけでもかなり変わります。リフレクションとジオメトリ・ディテールだけなら”非常に高い”に上げてもVRAM 12GBで足りるかもしれません。
PS5でも画質重視の忠実度モードは、PC版の検証設定であるレイトレプリセット”高い”よりも高画質で、特にレイトレの反射クオリティには差があります。
PS5の忠実度モードは30~40FPS制限があるのでフレームレート面でゲーミングPCに分がありますが、同作はPS5 Pro エンハンスドにも対応しているので、レイトレの品質にこだわると10万円ちょっとで買えるPS5 Proのコスパはかなり強いです。
レイトレーシンプリセットを”オフ”、”高い”、”非常に高い”に変えるとどれくらい差があるのか、参考スクショを掲載しておきます。
レイトレーシングプリセットの”非常に高い”と”アルティメット”の差はそれほど大きくありません。
比較的に分かり易いのは反射表現で、鏡像に写るオブジェクトの範囲と数が増えます。あとは微妙な差ですが、アンビエントオクルージョンなどシャドウの再現がよりリアルになるので建物のハリボテ感が無くなります。
レイトレ性能とVRAM容量の性能要求的にRTX 4090かRTX 5090でないと難しい設定ですし、フレームレートも下がるので、フレームレートを重視するか各自お好みでという感じです。
あとMarvel’s Spider-Man 2はNVIDIA環境の場合、レイリコンストラクション(レイ再構築)に対応しています。
レイトレ用コアの性能が理由で飛ばせるレイの数に制限があるため、鏡面反射の像や、レイトレによって表現されるシャドウが低解像度やノイジーになるため、それをデノイズ・超解像する機能です。
Marvel’s Spider-Man 2のレイリコンストラクションはDLSS4で導入された最新AIモデルのトランスフォーマーモデルにも対応しているのですが、建物のハリボテ感軽減などシャドウの付き方はかなり良いものの、鏡面反射は逆に低解像、ディテールの省略など悪くなるという結果でした。
レイリコンストラクションを有効にすると負荷が上がってフレームレートも下がるので、現状、同機能は無効のままで良いと思います。
DLSS4/FSR4など中間フレーム生成にも対応
Marvel’s Spider-Man 2は、NVIDIA DLSS 4やAMD FSR 4など最新の中間フレーム生成機能にも対応しています。
NVIDIA DLSS 3はGeForce RTX 40シリーズより新しいNVIDIA製GPU、マルチフレーム生成に対応するDLSS 4は最新のGeForce RTX 50シリーズでしか使用できませんが、AMD FSR 3の中間フレーム生成はAMD製GPUはもちろん、NVIDIA製やIntel製などここ数年のGPUなら基本的にどれでも使用できます。
ネイティブレンダリングで50~60FPSが安定して出せる環境であれば、これらの中間フレーム生成機能を利用することで、100FPS+のハイフレームレートの滑らかな映像でプレイできます。
Marvel’s Spider-Man 2は高速スイング移動やレイトレーシング有効時にCPUボトルネックが生じやすいゲームなので、100~200FPSのハイフレームレートを狙う時に中間フレーム生成は有効です。
なお最新のAMD製GPUであるRX 9000シリーズが対応しているFSR 4は、GPU内蔵AIアクセラレーターによるAIモデルを活用した高品質な超解像に対応するという、超解像の部分に手が加えられたバージョンアップとなっており、フレーム生成の部分はFSR 3(FSR 3.1)と共通です。
FSR 4対応ゲームはRX 9000シリーズ以外のGPUでは、FSR 3(FSR 3.1)として動作するという認識でOKです。
Marvel’s Spider-Man 2は2025年3月22日時点ですでに、Radeon RX 9000シリーズがサポートする新機能 FSR 4に対応しています。
Marvel’s Spider-Man 2はそのまま起動すると従来バージョンのFSR 3.1が有効になります。Radeon RX 9000シリーズ環境でFSR 4を使用したい場合は、Radeon設定のグラフィック共通か、同ゲーム個別の設定からFSR 4を有効にしてからゲームを起動してください。
NVIDIA DLSS 3/4、AMD FSR 3/4などバージョンが色々あって、どのバージョン、どのGPUの組み合わせで、どの超解像や中間フレーム生成といった機能が使用できるのか分かり難いかもしれませんが、まとめると次の表の通りです。
中間フレーム生成機能の違い | |||
ゲームが 対応する機能 |
対応GPU | フレーム生成 | 超解像 |
NVIDIA DLSS 4 |
RTX 50 |
2~4倍の マルチフレーム生成 (AIモデル) |
対応 トランスフォーマー AIモデル (従来のCNNモデルよりも高画質) |
RTX 40 |
2倍生成 (AIモデル) DLSS 3と同じ |
||
RTX 30以前 | 非対応 | ||
NVIDIA DLSS 3 (DLSS 3.5) |
RTX 40より 新しい |
2倍生成 (AIモデル) |
対応 CNN AIモデル |
RTX 30以前 | 非対応 | ||
AMD FSR 4 |
RX 9000 |
2倍生成 (非AIモデル) |
対応 AIモデル |
AMD FSR 3 (FSR 3.1) |
RX 7/6/5000 など各種 他社製GPU使用可能 |
対応 非AIモデル |
最新のGeForce RTX 50シリーズが対応するマルチフレーム生成 DLSS4は”4K解像度で240FPSを実現できる”機能です。
まず、240FPS+が重要になるe-Sports系タイトルでは遅延が理由でフレーム生成を使用すること自体がそもそもナンセンスです。
一方でFF7R、ホライゾン、スパイダーマン、モンハンワイルズなど高画質アクション系のゲームについては無駄とは言いませんが、120FPSもあれば体感する滑らかさや、操作レスポンスの良さは十分です。
中間フレーム生成については『2倍生成のDLSS 3が使えれば事足りる』というのが筆者の率直な意見です。
操作要素のないムービーシーンで30FPS程度しか出せないくらいGPU性能を画質に全振りして、マルチフレーム生成で120FPS化するとか、部分的な活用方法はあると思いますが、現状ではGPU選びにおいてDLSS4のマルチフレーム生成は重視する必要性の薄い機能です。
フレーム生成で60FPS達成は非推奨、非VRRではテアリングも発生
中間フレーム生成機能についてはネイティブレンダリングでは100FPS+のハイフレームレートが難しいゲームでフレームレートを稼ぐための手段です。
ネイティブレンダリング解像度を下げる(超解像)か、グラフィック設定を下げるかで50~60FPSを達成し、その上で中間フレーム生成を使用して100~120FPS以上のハイフレームレートを実現する、というのがまともな使い方です。
50~60FPSを実現するために中間フレーム生成機能を使う場合、素のレンダリングは当然、半分の25~30FPSになってしまいます。低フレームレートは遅延を増加させ、30FPSと60FPSのネイティブレンダリングではラグ感が大きく異なります。
フレーム生成を使用する場合、最低でも2で割ったネイティブレンダリングのフレームレートが45FPS以上はないと表示遅延(操作ラグの体感)の面で話になりません。
下のスライド画像はNVIDIAがDLSS4によって表示遅延が軽減することをアピールしたものです。
素のGPU性能だとネイティブ4Kでレンダリングした場合、30FPS程度しか出ないため遅延が92ms程度と大きくなりますが、DLSS4を使用すると240FPSのハイフレームレートと遅延の半減を実現できます。
遅延に関して正確に言うと、超解像でネイティブ60FPSにすることで遅延が減り、遅延が増えるフレーム補間ありでも半分以下に軽減しているという具合です。
これと逆行しているのが60FPS達成のためにフレーム生成を使用する(ネイティブ30FPSで遅延が大きいまま)という愚行です。
ソロゲームやオンラインCoop(協力)ゲームであれば、オンライン対戦ゲームのように有利性を得るために表示遅延を切り詰める必要はありませんが、”快適”を称するならネイティブ60FPSの遅延水準は必須です。
NVIDIA Reflexなど低遅延化機能は実装されているとはいえ、ネイティブ30FPSのラグ感のある操作のままスクロールや視線振りだけ滑らかにするというのはアクションゲームの実装として非常にナンセンスです。そもそも60FPSの推奨動作環境において中間フレーム生成を指定している公式発表が筆者には理解できません。
タイミングにシビアな操作が要求されるアクションゲームを快適にプレイするなら、ネイティブレンダリングで60FPSをキープできる高性能GPUを用意するか、上にも書いた通り、グラフィック負荷を下げて60FPSに近づけるのが当サイトのオススメです。
あと、NVIDIA DLSS3もAMD FSR3も中間フレーム生成を有効にすると、垂直同期 V-Syncは排他利用で無効になるため、テアリングが発生します。
60Hz前後におけるテアリングは視覚損失が酷く、120Hz前後でもチラチラとしたノイズ感が気になります。
フレーム生成使用時にテアリングを排除するには、最近のゲーミングモニタなら対応していますが、可変リフレッシュレート同期 VRRが必須なのでこれも注意してください。
NVIDIA G-Sync Compatible、AMD FreeSync、HDMI Variable Refresh Rateなど可変リフレッシュレート同期には色々と呼び方がありますが、中身はVESA Adaptive-Syncで共通なので、どれかに対応という表記があれば、ゲーミングPCならVRRを利用できます。
Marvel’s Spider-Man 2 PC版 CPUボトルネック比較
Marvel’s Spider-Man 2(スパイダーマン2) PC版のCPU別ベンチマーク比較の結果から、CPUボトルネックが生じやすいゲームなのか、どれくらい影響があるのかチェックしていきます。
最初に公式の推奨動作環境をおさらいしておくと、フルHD/60FPS、中画質プリセットという設定の推奨動作環境において、CPUについては6コア6スレッドのIntel Core i5-8400や6コア12スレッドのAMD Ryzen 5 3600といった5年くらい前のCPUが挙げられています。
一方で、画質プリセット”高い”やレイトレーシングを有効にする場合は、より新しいIntel Core i5-11600KやAMD Ryzen 5 5600Xが指定されています。
現在、新品のPCパーツ単体(新品)やゲーミングBTO PCとして選択できるCPUとしてはIntel第12世代CoreかAMD Ryzen 5000よりも新しく、なおかつ6コア12スレッド以上のCPUを選択するのが無難です。
2025年最新CPUで言うとMarvel’s Spider-Man 2の推奨動作環境CPUは、Intel Core Ultra 5 225(F)、AMD Ryzen 5 9600(X)が該当します。
これらで足りるならゲーム性能にはそれほど大きな差はないので1つ前の世代のIntel Core i5 14400/13400(F)、AMD Ryzen 5 7600(X)あたりでも良さそうです。
なお、第11世代Core以前のIntel製CPUやRyzen 3000以前のAMD製CPUについてはCore i5 13400/12400以下のゲーム性能となっており、Ryzen 5000も上位モデルのRyzen 7/9で同程度のゲーム性能です。
どのCPUならMarvel’s Spider-Man 2 PC版を快適にプレイするのに十分な性能なのか、つまりCPUボトルネックによって高性能GPUが遊ぶことがないのかチェックしていきます。
今回検証するCPUは、Intel最新世代のCore Ultra 9 285K、Core Ultra 7 265K、Core Ultra 5 245Kに加えて、まだゲーミングBTO PCで現在採用されることの多い、Core i9 14900K、Core i7 14700、Core i5 13400(14400とほぼ同性能)の6種類です。
Marvel’s Spider-Man 2 PC版のCPUボトルネック検証については前章のグラボ別ベンチマークとは変えて、ニューヨークの街中をスイング移動で一定ルートを周回するテストシーンを検証シーンとして採用しています。
Marvel’s Spider-Man 2 PC版のフルHDにおけるCPUボトルネックは次のようになっています。
グラフを見ての通りですが、Core i9 14900KやCore i7 14700はRTX 4070 Ti SUPERの環境において平均120FPS前後も出ているのに対して、Core i5 13400では平均87FPS程度に制限されます。
最小FPS(1% Low)も大きな差があり、Core i5 13400は60FPS程度に下がります。
上でも書いたように、Intel第11世代、AMD Ryzen 3000より古いCPUはCore i5 13400/12400未満のゲーム性能しかないので、古いCPU環境の人はCPU&MBも買い替えが推奨です。
Intelの最新世代 Core Ultra 200Sはアーキテクチャを従来から大幅に刷新し、省電力性能にフォーカスした世代となっており、ゲーム性能については第14世代Coreのほうが強かったりします。
最近はマイクロコードやWindows OS(24H2)のアップデートによってゲーム性能が向上しているという話もあるので、その影響も加わっているかもしれませんが、Marvel’s Spider-Man 2に関しては、Core i9 14900Kにこそ及ばないものの、Core Ultra 5も含めてCore i7 14700と同等以上のパフォーマンスを発揮しているので、最新ゲーミングCPUとしてCore Ultra 200Sも十分に実用レベルです。
WQHD解像度でもやはり、Core i5 13400はCore i7/i9の上位CPUや、最新のCore Ultra 200SシリーズCPUより低い性能です。またレイトレを”非常に高い”設定にしたフルHD解像度でも性能差が大きいです。
最小FPSも60FPSを下回るので、Marvel’s Spider-Man 2を高解像度、高画質で快適にプレイしたいということであれば、スタッター(カクツキ)の発生的にもCore i5 13400など旧世代のミドルクラスCPUは避けたいところです。
続いて4K解像度についてですが、Marvel’s Spider-Man 2は少々不可解な動作になったので詳しい比較は割愛します。
本来、高解像度によるGPUバウンドな状態であれば、このグラフのように類似する移動平均でCPU性能が低い方のフレームタイムが乱れるというグラフになるのですが、Marvel’s Spider-Man 2についてはGPUバウンドになるとCPU性能が高い方がフレームタイムが乱れました。
上位CPUほど多く搭載されるE-Coreが悪さをしているのかとも考えたのですが、BIOS設定からE-Coreを無効化してP-Coreのみで動作させても変化はありませんでした。
GPUバウンドな状態でCPU性能が十分に高い時のフレームペーシングについて、Marvel’s Spider-Man 2のゲーム側に何かしら問題があるように思います。
CPUボトルネックについてもっと詳しく知りたい人は、PCゲーム一般の話でCore i7 14700とCore i5の比較記事など解説記事をいくつか公開しているのでこちらも参照してみてください。
4Kのような高解像度ではCPUボトルネックは生じないという古い解説をするサイトも多いですが、CPUバウンドなシーンを含むゲームは年々増えています。
当サイト的にはこれからゲーミングPCを自作もしくはBTO PCで新調する場合、Core Ultra 7 265(K/F)、Core i7 14700(K/F)やRyzen 7 7700X/9700Xなど最新のアッパーミドルクラスCPUがオススメです。
Marvel’s Spider-Man 2 PC版にオススメなPCは? 【PR】
最後に、Marvel’s Spider-Man 2 PC版を快適にプレイ可能な、オススメのグラフィックボードやCPU、ゲーミングPCスペックについて簡単にまとめておきます。
Marvel’s Spider-Man 2 PC版を快適にプレイ可能なPCスペックについてまとめると次の通りです。
- フルHDならレイトレ:高でもRTX 4060 Tiで60FPS
- この条件だとVRAN容量が12GBのRX 7700 XTのほうがオススメ
一応、ベンチマーク結果としては、GeForce RTX 4060 Ti 8GB版でもレイトレ:高の設定で平均60FPSを安定して出せていました。
16GB版と比較してVRAM容量をボトルネックとした性能低下は大きいものの、平均60FPSのゲーム体験としては目立ったスタッターもなく、1~2時間プレイしてもクラッシュすることもありませんでした。
ただ、ベンチ結果の通り、明らかにVRAM容量が不足しているので、プレイを進めていくうちに、クラッシュや動作不良が発生する可能性は否定できません。場合によってはグラフィック設定を中プリセット、レイトレもオフにする必要が出てくるかもしれないので注意してください。
上記の通り、確信をもってRTX 4060 Tiで問題ナシとは言い切れないので、
- フルHD/WQHDにはRTX 4070やRX 7700 XTが推奨
- 4K解像度なら、RTX 5070やRX 9070以上が推奨
- 画質が大きく変わるレイトレ:”非常に高い”はVRAM 16GB以上が必要
- CPU要求も高く、Core i7 14700等が推奨
という感じです。
最近ではPlayStation 5で発売されるメジャータイトルが1年以内にPC版としてリリースされたり、同時発売となることも珍しくないので、他の高画質PCゲームをプレイすることも想定するなら、自作するにせよBTO PCショップで購入するにせよ、現在、新しくゲーミングPCを用意するならCore i7 14700(K/F)とGeForce RTX 4070シリーズの組み合わせが当サイトの推奨スペックです。
ミドルクラスとして定番というか、比較的安価なゲーミングPCとして推奨されることの多いGeForce RTX 4060 TiについてはMarvel’s Spider-Man 2でフルHD/60FPSは出るので、快適にプレイできないわけではありませんが、最新ゲーム機の性能を考えた時に相対的にコストパフォーマンスが良いかというと微妙と知っているので、筆者としては基本的にオススメしていません。
直近の有名タイトルではモンハンワイルズもメチャクチャ重くて、RTX 4070未満の性能はお断りレベルでした。
またPS5でもMarvel’s Spider-Man 2の画質設定:忠実度モードは、PC版の検証設定のレイトレプリセット”高い”よりも高画質で、特にレイトレの反射クオリティには差があります。
PS5の忠実度モードは30~40FPS制限があるのでフレームレート面でゲーミングPCに分がありますが、同作はPS5 Pro エンハンスドにも対応しているので、レイトレの品質にこだわると10万円ちょっとで買えるPS5 Proのコスパはかなり強いです。
GeForce RTX 4060 TiとCore i5のようなミドルクラススペックのゲーミングPCを買うなら、PlayStation 5かPlayStation 5 Proを買う方が筆者としてはオススメです。
オススメのグラフィックボードについては別の解説記事もあるのでこちらも参照してみてください。
ゲーミングPCを買うならサイコムがオススメ
ここまで解説してきた通り、当サイト的にMarvel’s Spider-Man 2 PC版を快適にプレイ可能なPCの推奨スペックは『グラボがRTX 4070以上、CPUがCore Ultra 7/i7以上』です。
当サイト的なMarvel’s Spider-Man 2 PC版の推奨スペックを満たすゲーミングPCは各社から発売されていますが、中でもサイコムのゲーミングPCがオススメです。
2025年3月から4月14日まで、システムメモリやSSDの増設アップグレードがお得になる『春の新生活応援キャンペーン 2025』も開催されています。
サイコムのゲーミングPCはいくつかのモデルを最初に選択することでCPU&マザーボードやPCケースサイズが大まかに決まり、そこからさらに、自作PCの部品を選ぶようにオーダーメイド感覚でBTO PCがカスタムできるところが大きな特長であり、魅力です。
自作PC向けに市販されているマザーボードや電源ユニットをカスタマイズ欄から選択できるので、BTO PCの手軽さのまま、各自お望みの自作PCライクなゲーミングPCを購入できます。
”自作PCの部品を選ぶようにオーダーメイド感覚でBTO PCがカスタムできる”と書いたようにサイコムのゲーミングPCのカスタマイズ項目は、SSD 1TB、850W Goldなど単純なスペックではなく、市販の自作PC向けパーツを各自で選択できます。
自由度が高い分だけPC関連に疎い初心者には少し難しいかもしれませんが、マザーボード/SSD/電源ユニットなどパーツ単位で評判の良し悪しを確認できるので、細部まで満足のいく構成にしてゲーミングPCを購入できます。
またサイコムのBTO PCカスタマイズには自分で行ったカスタマイズ構成を保存・シェアする機能もあります。カスタム画面で下にスクロールしていくと、URLコピー/メール転送/Xポストのアイコンが表示されます。
検討しているカスタマイズ構成を保存したURLをクリップボードにコピーしたり、指定のメールアドレスにメールとして転送できます。
これでOKと思っても後から見返して変更したくなることもありますし、1日2日置いてもう一度確認してから購入を決めるというように、時間をかけてじっくり検討する時に便利な機能です。
相対的に安価なBTOメーカーは探せばありますが、RTX 4070など最新PCゲームに対応できる高性能ゲーミングPCは20万円以上と決して安い買い物ではないので、細部まで納得して購入できるところはサイコム製ゲーミングBTO PCの魅力です。
例えばチップセットだけ表記されることの多いマザーボードについて、サイコムの「G-Master Spear Z890」には複数の市販マザーボードが選択肢として用意されています。
マザーボードのカスタマイズ選択肢の中には、標準価格のまま無償で選択できるマザーボードとしてASUS Z890 AYW GAMING WIFI Wもあります。
市販マザーボードは公式ページのサポート情報も充実していますし、ASUS Z890 AYW GAMING WIFI Wは当サイトの検証でもCore Ultra 9 285Kも安定して運用可能な高品質なマザーボードという評価でした。
オススメモデル 1: G-Master Spear B760/D5
今、当サイト的に一番オススメのサイコム製ゲーミングBTO PCはIntel第14世代CPUが選択可能な「G-Master Spear B760/D5」です。
CPUは最新世代ではありませんが、ゲーム用なら最新世代と遜色ないトップクラスの性能を発揮します。ミドルタワーPCなら比較的に大きいCPUクーラーを搭載できるので、最新世代より発熱の大きい第14世代Coreでも静音性は十分に確保できます。
「G-Master Spear B760/D5」は1世代前のCPUなので、価格的にもこなれていて、最新モデルよりコストパフォーマンスが相対的に高いところも魅力です。
逆に最新世代のCore Ultra 200SシリーズCPUを搭載する「G-Master Spear Z890」についてはCPU&MBのプラットフォームから一般的に、
- NVMe M.2 SSDの搭載可能数が1台多い
- USB4、Wi-Fi 7(6E)など最新接続規格に対応
- 最新世代なので少し高価
といった特徴があります。カスタマイズで選択するマザーボードにも依るのでその点は注意が必要ですが、より多いストレージや最新接続規格も利用したい場合は検討してみてください。
オススメモデル 2: G-Master Spear Mini B860
2番目にオススメのモデルは、容積26LのコンパクトキューブPCケースを採用する「G-Master Spear Mini B860」です。
CPU性能でも簡単に触れたようにIntel最新のCore Ultra 200SシリーズCPUは今のところ、第14世代Coreの同ランクCPUと比較してゲーム性能が若干低いのですが、Core Ultra 7/9の上位モデルであれば、RTX 4070/SUPERなど最新アッパーミドルGPUには十分なゲーム性能です。
Core Ultra 7/9は省電力性能にフォーカスした世代だけあって、コンパクトキューブPCケースに収まるような小型CPUクーラーでも高い静音性を維持できるので、私室/リビングで空間を大きく占有しない小型ゲーミングPCを探しているなら「G-Master Spear Mini Z890」がオススメです。
コンパクトサイズながら、マザーボードには「ASRock B860M Pro RS WiFi」が採用されており、3基のNVMe M.2 SSDスロット、Wi-Fi 6E対応無線LAN標準搭載など拡張性、コネクティビティも十分です。
BTO PC製品名は”B860”ですが、Wi-Fi 7対応無線LAN搭載などよりコネクティビティや拡張性に優れたZ890マザーボード「ASUS PRIME Z890M-PLUS WIFI-CSM」もカスタマイズから選択できます。
オススメモデル 3: G-Master Hydro Z890 (Extreme)
3番目にオススメのモデルは、サイコム製ゲーミングBTO PCの代名詞とも言える、デュアル水冷の「G-Master Hydro Z890 (Extreme)」です。性能と静音性を追求するなら国内BTO PCメーカーの中でもトップクラスの製品です。
「G-Master Hydro Z890 (Extreme)」などG-Master Hydroシリーズの最大の特長はサイコムが独自に簡易水冷化したグラフィックボードを搭載しているところです。
空冷GPUクーラー搭載グラフィックボードを採用する一般的な同スペックGPUのBTO PCと比較して、さらに数万円ほど高価にはなりますが、静音性は非常に優れています。
・簡易水冷化GeForce RTX 40搭載G-Master Hydroシリーズの販売ページへ
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PS5でも大人気のアクションゲーム「Marvel’s Spider-Man 2(スパイダーマン2)」のPC版について23種類のGPUやCPUで性能をベンチマーク比較。
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