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GeForce RTX 3070 TiグラフィックボードとしてPalitからリリースされた、3スロット占有3連ファンGPUクーラー搭載のスタンダードモデル「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro(型番:NED307T019P2-1046A)」をレビューしていきます。
GeForce RTX 3070 Ti搭載GALLERIA(ガレリア) ゲーミングBTO PCの中身、「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」が、前世代同クラスのRTX 2070 SUPERや最上位のRTX 2080 Tiをどの程度上回るのか、また初期モデルRTX 3070や競合のRadeon RX 6800と比較してどれくらいの性能を発揮するのか、実ゲームベンチマークでグラフィック性能を徹底比較します。
製品公式ページ:http://www.palit.biz/palit/vgapro.php?id=4306&lang=jp
Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro
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Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro レビュー目次
1.Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProの外観
2.Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProの分解
3.Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProの検証機材
4.Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProのゲーム性能
5.Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProの温度・消費電力・ファンノイズ
6.Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProのレビューまとめ
Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProの外観
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」のグラフィックボード本体を見ていきます。「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」の外装の大部分は黒色プラスチック製ですが、中央から右を覆うように装着された銀色のアルミニウムプレートの光沢とのコントラストで安っぽさは感じません。近年のPalit製オリファンモデルのデザインとしてはかなり当たりな気がします。
GPロゴの描かれた中央を左上から右下に縦断するラインにはアドレッサブルLEDイルミネーションが内蔵されており、七色に点灯します。
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」の全長は294mmとなっており、300mm超のモデルも多いRTX 3070 Tiオリファンモデルとしては比較的に短い製品です。とはいえほぼ300mmなので、近年主流なオープンスペースタイプのPCケースなら干渉の心配はありませんが、PCケースフロントにストレージベイがある少し古めのPCケースではグラフィックボード設置スペースのクリアランスに注意が必要です。
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」は全長こそ長いものの基板とGPUクーラーがPCIブラケットの高さとほぼ同じ背の低いデザインです。
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」の3連ファンGPUクーラーには85mm径の冷却ファンが3基設置されています。3基のファンは「左&中央」と「右」の2つに分けて、専用アプリケーションで個別に速度制御が可能です。
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」はTDP300W超の発熱に対応するため、大型放熱フィンを採用したヒートシンクが搭載されており、PCIEスロットを3スロット占有します。
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」の補助電源数はRTX 3070 Tiとしては一般的なPCIE 8PIN×2となっています。
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」のビデオ出力はHDMI2.1×1、DisplayPort1.4×3の4基が実装されています。
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」にはオリジナルイラストのプリントされたプラスチック製バックプレートが装着されています。基板の反りや破損を防止する保護プレートとしての役割を果たします。
RTX 30 GamingProの上位モデルではバックプレートが金属製ですが、「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」はヘアラインアルミニウム風な表面処理が施されているものの、プラスチック製なので放熱板としての機能はありません。
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」のバックプレート右端にはヘックス型エアスリットが設けられており、ファンからヒートシンクを通って背面に直接風が抜けるフロースルー構造が採用されています。
なおグラフィックボードの重量はPalit GeForce RTX 3070 GamingProが1024g、Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProが1198gに対して、「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」は1198gでした。
バックプレート等で基板の反りは防止されていますが、重量は1kgを軽く超過しているのでPCIEスロットへの負荷を考えると、市販のVGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。
ちなみにGeForce RTX 3070 Tiを搭載するGALLERIAの新型PCケースでは超重量級グラフィックボードを強固に保持するGPUホルダー「リジッドサポート」が付属します。(一部モデルではカスタマイズ対象)
GALLERIAの新型PCケースは自作PCユーザーの目線から見ても非常に拡張性が高く、ユーザビリティーに優れた設計になっていて、見た目もスマートでカッコいいので、自作PC専用筐体を採用するBTO PCメーカーの中でも特にオススメです。
・「ガレリア専用 SKケース (ATX)」をレビュー。新生GALLERIAを完全解説
Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProの分解
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。なお今回は自己責任で(もしくはレビュー用サンプル貸出先の協力のもと特別に許可を頂いて)分解を行っています。GPUクーラーの取り外し(分解行為)は、一部を除く多くのメーカーではグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解していますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
【暇があれば追記予定】
Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProの検証機材・GPU概要
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1(温度・消費電力) |
ベンチ機2(ゲーム性能) |
|
OS | Windows10 Home 64bit (1909) |
|
CPU |
Intel Core i9 9900K (レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz |
Intel Core i9 10900K (レビュー) Core/Cache:5.2/4.7GHz |
M/B | ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ASUS ROG MAXIMUS XII EXTREME (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 4000MHz, 17-17-17-37-CR2 |
G.Skill Ripjaws V F4-4000C15Q-32GVK DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) 4000MHz, 15-16-16-36-CR2 |
システム ストレージ |
Samsung 860 EVO M.2 1TB (レビュー) |
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
データ ストレージ |
Samsung 860 QVO 4TB (レビュー) | |
CPUクーラー |
Fractal Design Celsius S36(レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
|
電源 ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) |
|
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」のGPUクーラー中央にはアドレッサブルLEDイルミネーションが搭載されています。
Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProのGPU概要
Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProに搭載されているGPU「GeForce RTX 3070 Ti」のスペックについて簡単に確認しておきます。GeForce RTX 3070 TiはGA104-400コアが使用されておりCUDAコア数は6144、GPUコアクロックはベース1580MHz、ブースト1770MHzです。VRAMには従来よりも高速な19.0GbpsのGDDR6Xメモリを8GB容量搭載しています。
典型的なグラフィックボード消費電力を示すTGPは290Wに設定されており、PCIE補助電源として8PIN×2以上を要求します。
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」については、リファレンス仕様と同じくブーストクロック1770MHz、パワーリミット(TGP)もリファレンス仕様と同じく290Wです。電力制限は標準値が最大です。
今回の検証ではResizable BARを使用していませんが、GeForce RTX 3070 Ti搭載グラフィックボードの「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」は、出荷時のvBIOSで最初からResize-BARに対応しています。
対応するプラットフォーム(CPU&MB)において、マザーボードBIOS設定からResize-BARを有効にし、最新ドライバをインストールすれば機能を有効化できます。
NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti 詳細スペック比較 | ||||
GPU名 | RTX 3080 Ti |
RTX 3080 | RTX 3070 Ti |
RTX 3070 |
GPUダイ | GA102-225 | GA102-200 | GA104-400 | GA104-300 |
製造プロセス | Samsung 8nm |
Samsung 8nm | Samsung 8nm | Samsung 8nm |
CUDAコア数 | 10240 | 8704 | 6144 | 5888 |
TMU/ROP | 320/112 | 272/96 | 192/96 | 184/96 |
ベースクロック | 1365MHz | 1440MHz | 1575MHz | 1500MHz |
ブーストクロック |
1665MHz | 1710MHz | 1770MHz | 1730MHz |
メモリ | 12GB GDDR6X | 10GB GDDR6X | 8GB GDDR6X | 8GB GDDR6 |
バス幅 | 384-bit | 320-bit | 256-bit | 256-bit |
メモリクロック | 4750 MHz | 4750 MHz | 4750 MHz | 4000 MHz |
有効メモリクロック | 19500 MHz | 19000 MHz | 19000 MHz | 14000 MHz |
メモリ帯域 | 912 GB/s | 760 GB/s | 608 GB/s | 448 GB/s |
PCIEレーン | PCIE4.0x16 | PCIE4.0x16 | PCIE4.0x16 | PCIE4.0x16 |
マルチGPU |
NVLink SLI | - | - | - |
TGP(TDP) | 350W |
320W | 290W | 220W |
補助電源 |
8PIN×2~ | 8PIN×2~ | 8PIN×2~ | 8PIN+6PIN~ |
対応ビデオ出力 |
DP1.4 HDMI2.1 |
DP1.4 HDMI2.1 |
DP1.4 HDMI2.1 |
DP1.4 HDMI2.1 |
登場時期 |
21年6月3日 |
20年9月17日 | 21年6月10日 | 20年10月29日 |
価格 | 1499ドル~ | 699ドル~ | 599ドル~ | 499ドル~ |
今回レビューするGeForce RTX 3070 Tiをはじめとして、GeForce RTX 30シリーズに採用されるAmpereアーキテクチャにおいて、前世代Turingと比較してスペック上のCUDAコア数が2倍に激増していることについて簡単に説明しておきます。
まず純粋に事実として、複数のCUDAコアからなるCUDAコア群のストリーミングマルチプロセッサ(Streaming Multiprocessors:SMs)の『FP32スループットがTuring世代と比較してAmpereでは2倍に向上』しています。これは間違いありません。
一度、前世代Turingを振り返ると、TuringアーキテクチャではFP32とINT32を同時に実行できる(データパスが独立に用意されている)ことがアーキテクチャとしての新しい特徴でした。Turingでは1基のSMにFP32とINTが1:1割合で実装されていました。
Turingがこのようなアーキテクチャを採用したのは、PCゲームではFP32だけでなくINT32も実行されるから、というのが理由でしたが、同時に公表されていた統計を思い出すと、ゲームによって多少変動はあるもののFP32に対してINT32はせいぜい2:1の割合でした。
であればAmpereでは2つのデータパスのうち、INT32用のデータパス上にINT32の実行ユニットだけでなくFP32の実行ユニットも乗せれば、FP32とINT32の割合が現実に即した理想的な比率になり、省スペースに実装もできるというのは理にかなった話だと思いました。(下はSMの1/4を抜粋)
従来では『CUDAコア数 = FP32実行ユニットの数』とカウントしていたので、同じく単純にFP32実行ユニットの数をカウントするとAmpereアーキテクチャのGeForce RTX 30シリーズでは、CUDAコア数が2倍に爆増します。確かに1クロックで同時に実行できるFP32の最大数は2倍になったのですが、即ちCUDAコア数が2倍になったとカウントするのかというとやや疑問も残ります。
GTX700からRTX2000まで4世代ほどは、『CUDAコア数の増加による比例』×『コアクロックの上昇やアーキテクチャ改良による性能向上』が次世代GPUの性能指標だったので、GTX10からRTX20でCUDAコア数が2倍であれば実際の性能は2倍以上ですが、RTX20からRTX30ではCUDAコア数が2倍になっても実際の性能は2倍以下なのでどうしても違和感が残ります。
ともあれPCゲームを含め実際のアプリケーションではINT32も使用されるので、実性能を見るとGeForce RTX 30シリーズはCUDAコア数に比例して単純に2倍の性能にはならず、INT32/FP32混合データパスの使用状態に応じて、性能の伸び幅(Performance gains)が変動します。
ただFP32など一般的なシェーダーだけでなく、レイトレーシング用コアやテンサーコアも新世代へアップグレードされているので、レイトレーシング表現やDLSSに対応したPCゲームであればRTX20に対して2倍に迫る性能も発揮できるようです。
またGeForce RTX 30シリーズの諸機能について、前世代RTX 20シリーズとの大きな違いとして、8K/60FPS映像を取り扱えるHDMI2.1に対応し、それに伴ってハードウェアデコーダのNVDecが第5世代にアップデートしています。第5世代NVDecでは、8Kなど超高解像度映像に使用されるAV1コーデックのデコードに対応しています。
ゲーム実況などリアルタイム配信・録画において好評を博したNVEncについてはRTX 20シリーズと同じく第7世代が採用されています。
Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProのゲーム性能
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」の性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「GeForce RTX 3070」、「Radeon RX 6800」、「GeForce RTX 2080 Ti Founders Edition」、「GeForce RTX 2080 SUPER」、「GeForce RTX 2070 SUPER」を使用しています。(特定のモデルや型番を指名していない場合、各GPUメーカーのリファレンスモデルもしくはリファレンス仕様のオリファンモデルです)
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
RTX 3070 Ti Palit GamingPro |
36144 | 17900 | 9091 |
RTX 3070 | 34255 | 16863 | 8586 |
RX 6800 |
43285 | 21544 | 10579 |
RTX 2080 Ti FE |
34955 | 16797 | 8179 |
RTX 2080 SUPER |
29145 | 13866 | 6800 |
RTX 2070 SUPER |
26161 | 12475 | 6097 |
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkのDirectX12ベンチマーク「TimeSpy」、およびレイトレーシング対応ベンチマーク「Port Royal」による性能比較となります。
TimeSpy | Extreme | Port Royal |
|
RTX 3070 Ti Palit GamingPro |
14470 | 7191 | 8743 |
RTX 3070 | 13615 | 6744 | 8401 |
RX 6800 | 15034 | 7156 | 7599 |
RTX 2080 Ti FE |
14309 | 6813 | 8839 |
RTX 2080 SUPER |
11696 | 5412 | 7032 |
RTX 2070 SUPER | 10232 | 4788 | 6095 |
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードについて、近年普及しつつあるHTC VIVE Pro 2やValve Index、Oculus Quest 2のPCモードなどVR HMDを使用したVRゲームに関する性能を測定する最新ベンチマーク「VRMark」による性能比較となります。
Orange Room |
Cyan Room |
Blue Room |
|
RTX 3070 Ti Palit GamingPro |
16105 | 14264 | 4351 |
RTX 3070 | 16257 | 13652 | 4156 |
RX 6800 | 14813 | 16700 | 4494 |
RTX 2080 Ti FE |
15938 | 13994 | 4675 |
RTX 2080 SUPER |
15532 | 11080 | 3755 |
RTX 2070 SUPER | 15010 | 9861 | 3316 |
続いて近年の最新PCゲームを実際に用いたベンチマークになります。同一のグラフィック設定で同一のシーンについてフルHD(1920×1080)とWQHD(2560×1440)と4K(3840×2160)の3種類の解像度で平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Anthem(ウルトラ設定プリセット)、Assassin's Creed Odyssey(最高設定プリセット)、Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)、CONTROL(高設定プリセット, DirectX12, AMD製GPUはDirectX11)、DEATH STRANDING(最高設定プリセット, TAA)、The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット, NVIDIA GameWorksはVXAOを除き有効)、Gears 5(最高設定プリセット)、Ghost Recon Breakpoint(ウルトラ設定プリセット)、Horizon Zero Dawn(最高画質設定プリセット)、Marvel's Avengers(最高設定プリセット, TAA)、Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX12)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット, DirectX12)、Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, TAA, DirectX12)、Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)以上の15タイトルです。
Anthem(ウルトラ設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Assassin's Creed Odyssey(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
CONTROL(高設定プリセット, DirectX12, AMD製GPUはDirectX11)に関する「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
DEATH STRANDING(最高設定プリセット, TAA)に関する「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)に関する「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorksはVXAOを除き有効)に関する「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Gears 5(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Ghost Recon Breakpoint(ウルトラ設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Horizon Zero Dawn(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Marvel's Avengers(最高画質設定プリセット, TAA)に関する「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX12)に関する「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, TAA, DirectX12)に関する「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProなど6種類のGPUについて実ゲーム性能の比率の平均を出してみたところ、Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProは、前世代同クラスのアップデートモデルであるGeForce RTX 2070 SUPERよりも50%近く高い性能を発揮しました。
RTX 3070は前世代最上位のRTX 2080 Tiと同等の性能でしたが、10~15%程度のパワーアップを果たしたRTX 3070 TiはしっかりとRTX 2080 Tiを上回ります。
またAMDの最新GPUであるRadeon RX 6000シリーズのうち価格帯の近いRadeon RX 6800とは、ゲームタイトルごとに得手不得手があるものの、平均的に見て同等の性能です。
Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProの温度・消費電力・ファンノイズ
Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProの負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としては約20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress Testを使用しています。
Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProのテスト終盤におけるGPU温度は最大71度と標準的ですが、ファン回転数は最大1900RPM程度と高めです。
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」はアイドル時にファンが停止するセミファンレス機能に対応しており、GPU温度50度前後が始動閾値、GPU温度40度前後が停止閾値でヒステリシスも採用されています。製品によっては回転数が上下してふらつくことの多い始動や停止の直前も、閾値を上下した瞬間にピタッと切り替わります。
GPUコアクロックについては「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」の仕様値ではブーストクロック1770MHzとなっていましたが、負荷テスト中の実動平均は1843MHzでした。
【備考】 AMD、NVIDIAともに最新GPUでは実動コアクロックはGPUコア個体毎に異なる内部設定のV-Fカーブが支配的になっており、加えて負荷中のGPU温度も大きく影響します。ファクトリーOCが施されたオリファンモデルの公式仕様値として公表されているブーストクロックはOC耐性選別の1つの指標にはなると思いますが、実動コアクロックの優劣においてあまりあてになりません。
また実用条件に近い冷却性能の検証として、実際にPCケースへ「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を組み込み、Time Spy Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせてGPU温度やファン回転数がどうなるかを確認してみました。
検証機材のPCケースには「Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t」を使用しています。CPUクーラーは120サイズ簡易水冷でラジエーターを天面前方に設置、またPCケースのフロントに吸気ファンとして3基とリアに排気ファンとして1基の140mm角ケースファンをそれぞれ設置し、ファン回転数は1000RPMに固定しています。
PCケースのエアフローファンには空冷ヒートシンク、水冷ラジエーター、PCケースエアフローの全ての用途で一般的な140mmサイズファンを上回る性能を発揮する「Thermaltake TOUGHFAN 14」を使用しています。140mmサイズファン選びに迷ったらこれを買っておけば問題ない、高性能かつ高静音性なファンです。
・「Thermaltake TOUGHFAN 14」をレビュー。最強140mmファンの登場か!?
PCケースに入れた状態で長時間負荷をかけると、「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」のGPUの最大温度は72度程度、ファン回転数は2000RPM程度となり、ベンチ板上での測定値よりも若干上昇しました。ファン回転数が2000RPM程度という高速なので、PCケースに入っていてもファンの動作音ははっきりと聞こえます。距離によっては煩く感じるかもしれません。
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」のGPUクーラーは内排気ファンということもありPCケースの吸排気を最適化しないと冷却効率が下がるので、フロントx3/リアx1で140mmファンを設置して1000RPMで回していますが、さすがに300W程度のTGPなので、ベンチ板での比較的に理想な環境のままとはいきませんでした。実際にPCケースへ組み込むユーザーはPCケースの吸排気にも注意してみてください。
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」はGPU温度的に余裕があるので、GPU温度80度以下を目標にファン速度を手動設定した例として、「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」のファン速度を1600RPMに固定した状態で上の1時間ストレステストと連続して10分程度負荷を掛けましたがGPU温度が78度以下に収まりました。
PCケースの吸排気など各自の環境に依るところも大きいですが、ファンノイズが気にならない程度までファン速度を手動設定で落とすのもオススメです。
加えて1時間のストレステスト終盤にサーモグラフィカメラ搭載スマートフォン「CAT S62 PRO」を使用してゲーム負荷時のグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
TGP300W超のRTX 3080/3090ではVRM電源回路やPCIE補助電源付近がかなり高温になるモデルも散見されたのですが、「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」はホットスポットでも80度以下に収まっているので、運用上、特に心配する必要はありません。
Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。
検証機材はベンチ台の上に平置きにしているので、サウンドレベルメーターをスタンドで垂直上方向に50cm程度離して騒音値を測定しています。
この測定方法において電源OFF時の騒音値は30dB未満です。目安として騒音値が35dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになりますが、35~38dB以下であればPCケースに入れてしまえばファンノイズが気になることはそうそうないと思います。40dB前後になるとベンチ台上で煩く感じ始め、45dBを超えるとヘッドホンをしていてもはっきり聞き取れるくらいになります。
A特性で測定しているのである程度は騒音値にも反映されていますが、同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProはベンチ板上およびPCケース組み込み時で1900~2000RPM程度とファン速度が高速なので、ファンノイズは38dB以上という高めの数値を示します。実際にPCケースに組み込んでもファン動作がはっきりと認識でき、ファンノイズも距離によっては煩く感じると思います。
ただ、手動設定で1600RPM程度まで下げるとノイズレベルも33~34dB程度になりPCケースに組み込んだ状態ではファンノイズも気にならなくなります。これくらいのファン速度でも十分な冷却性能は得られるので(環境にも影響されますが)、静音性重視で運用したい人はGPUチューニングでは定番のMSI Afterburner等からファン制御設定を各自で調整してみるのがオススメです。
Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定負荷には上で行った温度検証と同様に3DMark TimeSpy ストレステストを使用しています。テスト全体から1秒間隔でモニタリングを行い、平均値を”消費電力”、最大値を”瞬間的な最大電源負荷”とします。なお電源ユニットに対する実際の最大瞬間負荷は測定値より50~100W上回る場合があるので、電源ユニットの電源容量選択の参考にする場合は注意してください。
消費電力の測定は電源ユニット「Corsair HX1200i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの入力ではなく変換ロスを差し引いたシステムへの出力電力をチェックしています。また電力測定の際は上記の主電源ユニットに加えて、CPUへの電力供給を行うEPS端子へ接続するために別の副電源ユニットを使用しています。
この方法であれば、CPU(後述のiGPUも)に負荷をかけても、CPUによる消費電力の変動はメイン電源ユニットCorsair HX 1200iの測定値には影響しません。しかしながら、測定値にはまだATX24PIN経由で供給されるマザーボードやDDR4メモリの電力が含まれるので、iGPUを使用した時の3DMark TimeSpy ストレステスト中の消費電力と最大電源負荷を同様に測定し、各種グラフィックボード使用時と差分を取る形でグラフィックボード単体の消費電力と最大電源負荷を算出します。
Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProの消費電力は282W、最大瞬間負荷は356Wでした。Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingProのTGP(パワーターゲット)は290Wに設定されていますが、VFカーブに引っ張られるのか電力の実動値は280W程度で推移するため、若干低めの数値を示しています。
RTX 3070 TiはRTX 2070 SUPERを50%上回り、RTX 2080 Tiさえも超える性能ですが、TGP290Wという消費電力はRTX 2080 TiのTGP250Wを大幅に超過しています。またTGP220WのRTX 3070と比較すると10%程度の性能の代価としては大きすぎるというのが正直な印象です。
”ちゃんと静かに冷やせるなら性能重視で消費電力は大きくても許容する”というのは最新GPUのトレンドの1つではあるものの、499ドルのRTX 3070と699ドルのRTX 3080に挟まれたRTX 3070 Tiにそれを求めるか、というと、管理人的にはTGP250W前後で上手く調整して欲しかったと感じます。性能や価格で競合するRX 6800がちょうどそれくらいですし。
Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro レビューまとめ
最後に「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- フルHD/240HzからWQHD/144Hz+、さらに4K/60FPSまで幅広いPCゲーミングにマッチ
- 前世代同クラスRTX 2070 SUPERを実ゲームで50%も上回るグラフィック性能
- 前世代最上位モデルRTX 2080 Tiを上回るグラフィック性能
- RTX 2080 Ti(実売1199ドルから)を上回る性能で、希望小売価格は半分の599ドルから
- TGP290WのRTX 3070 Tiを十分な静音性を維持しつつ運用可能なGPUクーラー
- RTX 3070 Tiオリファンモデルとしては最安値モデル
(ただしBTO PCに回されているのかグラボ単品の流通は少ない)
- RTX 3070の220Wに対して、定格でもTGP290Wと発熱が大きい
- 標準設定ではファン速度が高く、ファンノイズも大きめ
(GPUクーラーの性能は十分に高いので、手動設定で静音動作は可能) - RTX 3070 Ti一般に言えることだが実売価格が12万円前後の価格帯で割高感が強い
GeForce RTX 3070 Tiは、前世代同クラスGeForce RTX 2070 SUPERと比較して平均して50%程度も上回る性能を発揮、さらに実売1199ドルからだった前世代最上位GeForce RTX 2080 Tiを明確に上回り、599ドルからという希望小売価格によって、RTX 30シリーズで何かとアピールされることの多い”前世代比2倍”をコストパフォーマンスの点で実現したモデルです。
次世代スタンダードなWQHD/144Hz+、4K/60FPSのラグジュアリーな超高画質、フルHD/240FPSのスーパーハイフレームレートなど幅広いPCゲーマー層にマッチし、599ドルからという手ごろな価格も相まって新定番なミドルハイクラスGPUです。
RTX 3070 Tiは2021年現在、手ごろな価格で普及しているWQHD/144Hz+のIPS液晶ゲーミングモニタと組み合わせて高画質・ハイフレームレートなPCゲーミング入門に最適なグラフィックボードです。
WQHD/144Hz+のIPS液晶ゲーミングモニタは色々と販売されていますが、リモコン操作&USB Type-C対応でマルチメディアに最適な「BenQ EX2780Q」、ELMB Syncやスナイパーなど独自のゲーミング機能が豊富な「ASUS TUF Gaming VG27AQ」、同スペック製品の中でも特に高発色・高応答速度な「LG 27GL850-B」は当サイトでもレビューを公開していてオススメなモデルです。
・WQHD解像度/144Hz+ゲーミングモニタのレビュー記事一覧へ
以上のように正の面がある一方、RTX 3070 Tiには負の面として感じるところもあります。
TGP220Wで少ないながらもショートモデルがラインナップされ既存PCのアップグレードにも最適だったRTX 3070対して、RTX 3070 TiはTGP290Wへと大幅に引き上げられました。
”大型GPUクーラーで冷やせるならワッパは犠牲にしても絶対性能を追求する”、というのはTGP300W超のハイエンドGPUも登場した通り、最新GPUトレンドの1つですが、価格据え置きならともかく+100ドルで、499ドルのRTX 3070と699ドルのRTX 3080に挟まれるRTX 3070 Tiにユーザーがそれを望むかというと微妙です。
平素であれば10%以上の性能向上を果たしたマイナーアップデートモデルは、選択肢が増えた、と歓迎する向きもあるかと思います。しかしながらゲーマーがグラフィックボードを買えず(在庫的にも、正常な価格的にも)、RTX 3070無印すら行き渡っていない状況にあって、同じGA104コアでRTX 3070 LHRではなく、RTX 3070 Tiを作るのは、濡れ手に粟な状況にかこつけた値上げの口実にしか見えないというのが管理人の本音です。
発売直後に完売することが予想されるものの、実際には多くのゲーマーは『Tiではなく、まずはLHRを(正常な価格で)』、と望んでいると思います。
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」については、TGP290Wの発熱に対して、同測定環境においてノイズレベル38~40dB程度でした。ファン動作はハッキリ認識できるものの、PCケースに入れてしまえばファンノイズが気になることはない程度です。
標準設定では上記の通りですが、GPU温度的(GPUクーラー性能的)には余裕がありファン速度を落とせば34dB程度で運用できるので、静音性を重視する人はチューニングソフトから手動設定で調整してみてください。
RTX 3070 Tiオリファンモデルの中にはさらに静音性にすぐれた製品もあるので、それらと比べると見劣りするのは否めませんが、そういったオリファンモデルは高価になるので、コスパを重視するなら同製品は強いと思います。相対的な評価こそあれ、実用的にファンノイズがメチャクチャ煩いということもないので、及第点には達していると思います。
「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」は同社GameRockを含め各社の上位オリファンモデルと比較して静音性や冷却性能では見劣りする部分もありますが、RTX 3070 Tiグラフィックボードとしては最安値であるところは見逃せない魅力です。
検証の通りPalit GeForce RTX 3070 Ti GamingProのGPUクーラー性能は及第点には十分達しており、グラボ単体は品薄でもグラボ搭載BTO PCは即納なので、価格重視でRTX 3070 Ti搭載BTO PCを選ぶのであれば、同オリファンモデルを搭載したガレリア(GALLERIA) BTO PCを検討してみてください。
以上、「Palit GeForce RTX 3070 Ti GamingPro」のレビューでした。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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