いのちをだいじに! (最終更新:7月5日8時、PCWatchの記事について追記)
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5月31日15時に発売開始となったIntel Broadwell-Eのうち最上位10コア20スレッドのi7 6950Xを購入したので早速レビューしています。
最初に
前回は開封の儀からセットアップまでを行いましたが今回は「OC・ベンチ・エンコ編」です。・10コアのBroadwell-E i7 6950Xをレビュー ~開封の儀&セットアップ編~
PC WatchでプロOCerが6950XのOCについて詳細なレポを公開しています。結構参考になるのでおすすめ。
・清水貴裕プロが教えます! Broadwell-Eのオーバークロックテク
なお歴戦のOCerからは認められないでしょうが、管理人はヌルいOCしかしない人間なので、OCCTとかPrimeとか極端な負荷検証はしません。Cineでスコアを測って、ゲームのベンチマークを取って、エンコが無事に完了すればそれで安定動作なのです。BSODが起きたらその時OC設定を見直せばいいのだ、その為に日ごろからOSのシステムイメージをこまめにバックアップしているんだ!という主義の下、ヌルいOCを行いますので、Primeは?とかOCCTは?とかの指摘は予めご遠慮いただくようお願いします。
釈迦に説法かもですがOCをする場合は、システムイメージバックアップ推奨です。
やり方は各自でググってください。
あと比較用の5930Kのスコアやエンコ時間を貼っておきます。
5930K、4.4GHzでCineベンチが1284くらいになりました。
エンコについては同じ動画を同じ設定でエンコして時間を測ります。そもそもHas-Eではコアクロックを優先して6コアの5930Kを買っておきながら、Bro-Eで多少コアクロックを犠牲にしても10コアの6950Xを購入したのはプレイ動画をUPし始めたのでエンコ時間を短縮したいという思いからでした。なのでこのエンコ時間の短縮具合こそ管理人にとって本命ともいえます。
5930K、4.4Ghzでは20分18秒(1218秒)かかりました。
6950X 常用OC設定(6月4日ver)
今のところコアクロック4.2GHz、コア電圧1.28V、アンコアクロック3.7GHz、アンコア電圧1.21V、メモリ周波数2400MHzが常用OC設定になっています。経過観察が必要ですがたぶん安定してると思う。コメント欄でもいくつかOCレポをいただいていますが、コアクロックには個体差があるものの10コア6950Xは水冷でも熱的にコア電圧1.28Vあたりが上限になるようです。
BIOS設定を上げておきます。(といってもとあるブログの5960XOCプロファイルからの受け売りですが。) 設定内容はASUSマザボなら大体共通かと思います。詳細はスクショを見てください。
(設定値の変更のみの場合は画像は更新していません。設定場所が増えた場合は更新しています)
40分ほどの動画エンコはクリア。あと50分も。ブラウジングや動画見ながらのエンコでも30分ほど試して問題なかったのでたぶん安定動作していると思います。
6950X OC シングルコア性能
上の定常運用設定で6950Xのシングルコア性能をCinebenchで測定しました。Kitguruの5960Xレビューでは5960X,4.3GHzが167となっています。
(キャッシュやメモリクロックの影響もあるかもしれません。)
6950X OC のエンコ時の消費電力
上の常用設定6950Xと5930K(4.4GHz、1.28V)の消費電力を比較してみました。左が6950Xで、右が5930Kになっています。驚いたことに消費電力はほぼ差がないという結果に! エンコ時間は34%減っているのでエンコ性能のワッパを考えると6950Xは5930Kの150%のワッパです。500Wくらいとか勝手に思っていたので予想外で驚きました。6950X OC マザボが勝手にオーバークロック
X99-E WSを使っているのですが、OC設定関連を全てAutoとかにして特に設定しなかったところ、全コアMax4.0GHz、コア電圧1.30VにOCされていました。ものは試しとこのままCineベンチを回してみました。20スレッドで描画していくので壮観です。
結果はこちら。
CinebenchでCPU温度63度なので、1.30Vは本格水冷であれば常用可能みたいです。
またこのOC設定でエンコを行いました。
エンコードにかかった時間は13分31秒(811秒)です。5930K、4.4GHzの時よりも34%もエンコ時間を短縮できています。1時間のエンコが40分というのは非常にありがたい。
6950X OC コアのみ4.2GHz、1.30V
躓くかなあ?と思ってたのですがあっさり起動しました。管理人の検証水準が低いだけかもしれませんが、このくらいは結構簡単に回るようです。
Cinebenchのスコアは4.2GHzで2123になりました。
電圧はさっきとほぼ同じですが周波数を上げたので温度が75度に……。
動画のエンコは13分01秒(781秒)で完了しました。0.2GHz盛ったことで4.0GHzのエンコ時間からさらに5%ほどの時間短縮になっています。温度は78度まで上がりました。そろそろ厳しいか?
コアクロックについては温度的に天井がやや見えてきた気がしなくもないですが、まだアンコア(キャッシュ)クロックやメモリクロックを弄っていないので、ここからの伸びしろに期待が高まりますね。
ひとまず今日(6月1日)はこのあたりにしておきます。
6950X OC コアのみ4.3GHz、1.30V
電圧そのままで倍率だけ1盛ってみました。 予想外にあっさり起動。Cinebenchのスコアが2190に。
温度を測り忘れてたのでもう1回Cinebenchを行いました。
これはいけんじゃね?と思ったのも束の間、エンコを実行したところBSODでした。無念。
管理人の個体では4.3GHzを1.30Vで回すのは無理みたいです。
6950X OC コアのみ4.3GHz(再挑戦)、1.32V
さらにコア電圧を0.02V盛って再挑戦しました。先ほど同様あっさり起動して、Cinebenchも回りました。ただしCPU温度は77度……。
そしてエンコにも再挑戦したのですが……、ダメでした。4分30秒くらいでまたBSODに。加えてエンコ中のCPU温度が88度をまで上がっていたので、さすがに常用は不可能ですね。
6950X コアクロックOCのまとめ
6950Xのコアクロックのオーバークロックについてですが、1.30Vで4.3GhzのCinebench回ったので1.35Vも盛れば4.4GHzのCinebenchもいける気がしますが、正直、熱的に明らかに常用は不可能な域になっています。1発芸としてなら1.35V以下で4.4GHz達成いけるかもですがエンコ(数分間のですら)で落ちるので、常用設定に関しては4.2GHzが管理人の個体では上限っぽいです。今現在水温20~27度くらいでCPUを冷やしているのでエアコンを使えば夏場も十分運用可能な数字だと思います。冬場で水温が10度台になれば必然冷却能力も上がるのですが、まあ通年で使えないとあまり意味はありませんね。水冷ブロックはEK Supremacy EVO Eliteの2011v3用セットを使っているので、市場に出回っているCPUクーラーの性能的にはほぼ上限だと思います。改善の余地があるとすればCPUグリスを液体金属系にすることですが、あれは殻割で半密封状態でしか使わないと心に誓っているので管理人はNG。
あとは他力本願ですが、マザボBIOSの更新による安定性の向上にはちょっと期待できると思います。1.30VでCinebenchが回って、1.32Vですらエンコ失敗というのはちょっと疑問なので、マザボBIOSの更新には期待したいです。またHas-E向けX99マザボでは回りにくいという話をコメントで聞きましたが、「回ったか回ってないか」の判定がCinebenchなのか、エンコなのか、OCCTなど負荷ソフトなのかでもちょっと結果が変わってくるものの、Cinebenchが回ればいいということであれば、管理人の使ったX99-E WSは4.3GHzで動きましたし、4.4GHzも達成できるとは思いました。冒頭でも書いたように”いのちをだいじに”ということで、すでにコア温度が85度を超えているのであえて4.4GHzを試しませんが。
ということで結論。
管理人の捕獲した6950XさんのOCコアクロック常用設定は4.2GHz
以降コアクロック4.2GHz、コア電圧1.3Vで検証を行っていくことにします。
6950X OC アンコア 3.5GHz、1.20V
ここからは素の状態で2.8GHzで動作しているアンコア(キャッシュ)の動作クロックをOCしていきます。まずは手始めに3.5GHz、1.2Vを試しました。
Cinebenchはサクッと回りました。
温度は75度と高いですが、まあしかたない。
エンコも無事に通りました。12分46秒(766秒)にエンコ時間は短縮されています。
6950X OC アンコア 3.8GHz、1.20V
5930Kは1.23Vで4.0GHz安定していたので、これもサクッといけるだろとか思ってたら、OS起動時の●が回るところで永遠に回り続けて進まず、あえなく強制電源OFF6950X OC アンコア 3.8GHz、1.23V
またもや失敗……マジか。6950X OC アンコア 3.6GHz、1.23V
無事起動しました。Cinebenchのスコアは2196です。温度はやっぱり78度くらい。
エンコについては、なんと時間が伸びてしまいました。
1度目は12分51秒、2度目の再確認では13分39秒。しかも2度目の確認では脇でブラウジングなど行わずエンコに専念させたもののこの結果に。温度を見てみると87度まで上がっており、熱が原因でリミットがかかったんじゃないか?と疑っています。
6950X OC アンコア 3.6GHz、1.21V
キャッシュ電圧を1.21Vに下げてみました。キャッシュ3.6GHzでも普通に起動。エンコを実行すると今度は12分40秒でちゃんと短縮できていました。ただしCPU温度が90度に……。
やっぱり10コアになると熱をさばくのがなかなか難しいみたいですね。
コアクロック4.2GHzで電圧の下限を探ってみたほうがいいかもしれません。あとキャッシュ3.8GHzで別の要因のような気もしてきたのでそれももう一度試してみようと思います。
参考にできる情報も少なく手探りなのが難しい。元々CPUのOCは苦手だし……。
ちょっと休憩で実際にエンコしてみた。
Mirror's Edge Catalyst PC版 先行アクセスが公開されたので序盤30分ほどをプレイして、動画をエンコしてみました。エンコ時間38分ですが特に問題なかったので、コア4.2GHz、1.30V、キャッシュ3.6GHz、1.21Vは常用できそうな気がします。エンコした動画はこちら。(以降のストレステスト代わりに非カット修正のものを使っています。)
6950X OC アンコア 3.7GHz、1.21V
回りました。しかし3.6GHzの時よりも、Cineスコアが下がって、エンコ時間も数秒伸びてしまった。
誤差なのか、熱のせいで処理落ちしているのか。 温度も91度で危険。
6950X OC コア 4.2GHz 1.28V
アンコア 3.7GHz、1.21V
温度が厳しいのでコア電圧の下限を見直すことにして、1.28Vに下げました。無事に回ってくれて温度も下がりました。
Cinebenchはついに定常運用可能なOC設定で2200を突破。
エンコでも温度はなんとか87度で止まりました。
あとついでにFireStrike Ultraも回しました。5930Kでは17000ほどだったPhysicsスコアが26000まで上がって総合スコアは250ほど増えています。あと誤差かもしれませんがグラフィックテストと混合テストのスコアも微妙に伸びています。3DMarkにはまだBro-Eが登録されていないようです。
もうちょっと電圧下げれないか検証してみます。
6950X OC コア 4.2GHz 1.28V
アンコア 3.8GHz、1.23V
アンコア3.8GHzは先にも試して失敗したのですが、起動しないのは別原因では?と思って再挑戦してみました。結局同様に最初の●が回るところで無限ロードに陥り起動不可でした。Has-Eマザーの限界? (1.21Vで3.7GHzが回るならBIOS更新で改善を期待したいですが)
追加ピン無効化で総じて回らなくなった疑惑……。これ場合によっては10コアの6950Xはまだコアが増えているのでマシだけど、6800K~6900KはOCする場合Has-Eよりも回らない→性能が低くなる可能性も?
X99-E WS IIならぬ「X-99 E WS 10G」がリリースされてたらマザボを買い足したんですが、Bro-Eネイティブ対応マザボのレポに期待したいです。(というかなぜ国内のサンプル提供レビューは一切OCを行わないのか……)Broadwell-Eの良いところは、非OC Socket板でも回る所。噂によるとHas-Eで有効だった追加ピンが無効化されてるとか…
— 清水 貴裕@Computex出張なう (@Shimizu_OC) 2016年5月31日
6950X OC コア 4.2GHz 1.27V
アンコア 3.7GHz、1.21V
コア電圧をさらに0.01V下げてみました。無事動作して、Cineもクリア(割愛)、エンコも無事完了しました。
CPU Packageが1.27Vだと1.28Vよりも1度下がって、エンコ時間も5秒短縮になっています。(誤差かも)
上手くいったと思って30分ほどの動画をエンコしたところ25分くらいでフリーズ……。無念。
6950X OC | コア 4.2GHz 1.28V
40分エンコ | アンコア 3.7GHz、1.21V
コア電圧1.27Vがダメだったので1.28Vで再挑戦。なんとかクリアできました。ログはエンコ開始から終了直後までなので平均値も参考に使えると思います。
とりあえず6950Xについてはこの設定で運用してみようと思います。
6950X OC メモリ 3000MHz 1.35V
失敗しました。いやー焦った。
上で決めた定常運用設定に、メモリ周波数3000MHz、電圧1.35Vに変更しただけでタイミングとかはオートにしておいたんですが、POST~BIOS起動(起動時含む)で唐突にプツンと電源が落ちる事態に……。
とりあえずメモリのOCが不味かったと気づいたのですが、BIOSにすらたどり着けないので、CMOSクリアしました。W99-E WSのCMOSはピンヘッダではなくボタンタイプなので初期化が簡単で良かった。
とはいえ、メモリOC怖い……。
6950X OC メモリ 2400MHz 1.20V
先ほどの失敗が6950XのOC史上(まだ3日目だけど)最も恐ろしかったのでメモリOCにちょっと及び腰です。Bro-Eさんはあんまりメモリが回らないという話もありますし。とりあえず、2400MHz、16-16-16-36というヌルイ設定で回しました。
というかBro-Eは2400MHzって仕様に書いてあったので、勝手に2400MHzで動くのかな?と思ったら設定しない場合2133で動きました。マザーボード依存?
ともあれエンコも通ったのでたぶん大丈夫。
メモリOCの設定はヌルイですが、これまでで一番早いエンコ速度で12分33秒でした。
ちょっとメモリOCについては怖いので他の挑戦者の動向を見つつ挑戦することにします。
6950X OC | コア 4.2GHz 1.24V
40分エンコ | アンコア 3.5GHz、1.181V
2chに上がってた6850Xが1.20Vで4.2GHz回っていたので、あれっ?と思って電圧下げてみたらすんなり40分のストレステスト替わりのエンコも通りました。あと原因を絞るためキャッシュは余裕をもって3.5GHz、1.181Vに下げています。「1.27Vに下げたときはキャッシュが悪さした」or「コア温度に対してコア電圧が低いみたいなシーソーゲーム状態?だった」のではないかと推測。 今回はCPU温度も最大77度だったのでかなりいい数字だと思う。うまくいったと思ったのですが2回目以降は10分ほどでBSODに……、なぜだ。
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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