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今回はレビュー用サンプルとしてGALAX様(以下、敬称略)から同社のオリジナル基板&オリファンモデル「GALAX GeForce GTX 1070 EXOC」(GF PGTX1070-EXOC/8GD5)をご提供いただけたので、レビューしていきます。

実を言うと草稿では「定番オリファンモデルになれる実力」ではなく「意外と優秀な”HOF”じゃないほう」というキャッチコピーでした。初っ端から”意外と優秀”とか”HOFじゃないほう”とか失礼極まりない。(GALAXさんごめんなさい) とはいえGALAXと言えば純白で超OC向けAIBモデルHOF(Hall of Fame)が代名詞なのも事実。しかしながら「EXOCブランドもけっこう優秀やん」とこの記事を読んだ方の記憶に残るようなレビューをしていければと思います。
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カッコいいかは賛否あると思いますが、とにかく店頭で目に付くし一度見たら記憶に焼き付くグラボパッケージです。一度気になってブランド確認して次に同系統のパケを見た時に「ああ、GALAXだな」とわかるあたり、ブランドイメージの確立には成功していると思います。余談ですが人間は人の顔(に似たもの)、特に目の周辺への認識能力が非常に強いそうで他のものに比べてかなりの距離があっても認識できるそうな。
ただ他社のグラボパケと違ってかなりアクの強いデザインなのでパケ裏にグラボ本体のイラストを載せておいたほうが一見さんのお買い上げに繋がるかなと思いました。

商品公式ページ:http://www.galax.com/jp/graphics-card/10-series/galax-geforcer-gtx-1070-exoc.html
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GALAX GTX 1070 EXOC レビュー目次


1.GALAX GTX 1070 EXOCの外観
2.GALAX GTX 1070 EXOCの分解
3.
GALAX GTX 1070 EXOCのセットアップ
4.GALAX GTX 1070 EXOCのベンチマーク
5.GALAX GTX 1070 EXOCの温度・消費電力
6.GALAX GTX 1070 EXOCの手動オーバークロック
7.
GALAX GTX 1070 EXOCのレビューまとめ



GALAX GTX 1070 EXOCの外観

早速、GALAX GTX 1070 EXOCを開封していきます。グラボ本体はお馴染みの薄い静電防止ビニール袋に入れられてスポンジのスペーサー内に鎮座していました。
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付属品は簡易インストールマニュアルとドライバCD、4PINペリフェラル*2を8PINと6PINのPCI補助電源に変換するケーブルがそれぞれ1本ずつ付いていました。
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グラボ本体をチェックしていきます。GALAX GTX 1070 EXOCは大型2連ファン搭載のGPUクーラーを採用し、グラボ長はリファ基板の280mmとほぼ同じ長さの290mmとなっています。
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Founders Editionと比較してみると基板自体の長さはほぼ同じなのですが、EXOCはクーラー外装の出っ張り部分が10mmほどはみ出しているのでボード長が長くなっているようです。
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クーラー外装は1.5mm厚くらいの金属(ただの鉄orマグネシウム合金?)の1枚板から切り抜き&折り曲げ加工で作られており、他社のがっちりした金属製クーラー外装よりも軽量でありながら、プラスチック製のものよりも剛性も強く頑丈です。サンプルイメージからはもっと安っぽいプラスチック製の外装がと思っていましたが、金属1枚板の外装は実物を見るとチープさは全く感じず、むしろ高級感がありました。
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クーラーファンの径は2連ファンとしては一般的な100mmです。
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補助電源は8PIN+6PINです。2cmほどPCIブラケットよりも背の高い基板になっているので、補助電源ケーブルとPCケースのサイドパネルなどが干渉しないか一応注意が必要かも。
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基板裏にはアルミ製の専用バックプレートも搭載しています。GPUコア裏が切り抜かれているのが他社のバックプレートとは違っていますね。バックプレートはGPUコアの冷却には無関係のようですが、VRM電源の裏側とはサーマルパッド経由で接触しておりパッシブヒートシンクとしての役割を果たしています。
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ビデオ出力はDP*3、HDMI2.0、DVIというGTX 1070グラボ搭載端子としては一般的なレイアウトです。
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GALAX GTX 1070 EXOCの分解

続いてグラボのGPUクーラー外してみました。
GTX1080 Founders Editionの分解ではネジ穴のやけに小さいプラスねじやナットドライバーが必要なナットネジなど特殊な精密ドライバーが必要でしたが、GTX1070 EXOCのGPUクーラーはGPUコア周りの4個のネジだけで固定されており、一般的なプラスドライバーだけで分解可能でした。
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デフォルトの状態ではグリスが多めに塗られているようです。
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GPUクーラーのヒートシンクはGPUコア用の銅製ベースとVRAM用の(たぶん)アルミ製ヒートシンクに4本のヒートパイプが接触する構造になっていました。EXOCは廉価モデルですし特に公式ホームページでも紹介されていなかったためヒートパイプダイレクトタッチだと思っており、銅製ベース採用なのは意外でした。
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アルミフィンの間隔や厚さも良い塩梅になっていると思います。
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EXOCのVRM電源は5+2フェーズとリファレンスは4+1フェーズなので2フェーズ盛られており、冷却のために専用アルミヒートシンクが備えられていました。GPUクーラーのヒートシンク本体と接触する構造ではありませんが、ファンからの送風も直に当たりますし裏側ではバックプレートがパッシブヒートシンクとして機能しているので冷却面は問題ないと思います。
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GALAX GTX 1070 EXOC セットアップ

外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。CPUはASRockのHyper BCLK Engineを使ったHyperOCでKなしCPUをOCするという若干変則的なものを使っています。
テストベンチ機の構成
CPU i5 6400
4.0GHzにBCLK OC
M/B ASRock
Z170M OC Formula
メインメモリ DDR4 8GB*2=16GB
システム・ベンチ
ストレージ
SSD 540 M.2 240GB
OS Windows10 64bit Home
電源ユニット Corsair RM650i

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電源を入れるとGPUサイドの「GEFORCE GTX」ロゴとGPUクーラーのファンの軸部分で120度間隔に備え付けられた赤色のLEDが点灯しました。
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LEDイルミネーションの変更や手動でオーバークロックを行う専用ツール「Xtreme Tuner」がGALAXから公開されていますが、製品付属CDには収録されておらず、7月28日現在、国内(日本語)のGALAX公式ホームページからはリンクが表示されないので、英語ホームページからダウンロードする必要があります。
DLページ:http://www.galax.com/en/xtreme-tuner-plus

EXOCのLEDイルミネーションについてはカラーリングや発光パターンの変更が可能なのは外装サイドの「GeforceGTX」ロゴだけで、他社のものに比べると正直安っぽさが否めません。またクーラーファンのLEDイルミネーションは専用アプリからOFFにできないので消灯で使いたいユーザーやLEDイルミネーションにこだわるユーザーにはあまり嬉しくない仕様だと思いました。
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GPUコア電圧を調整できるスライダーがあったので試してみましたが実働ログを見るとやはり1.05V付近でリミットがかかってコア電圧を盛ることはできませんでした。
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GALAX GTX 1070 EXOCのコアクロックはブーストクロック1785MHzとリファレンスモデルであるFounders Editionよりも102MHzオーバークロックされています。
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GALAX GTX 1070 EXOCのベンチマーク

GALAX GTX 1070 EXOCの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較のためGIGABYTE GTX 1070 G1 Gaming、GTX 1070 Founders Edition、GTX 1080 Founders Editionもあわせて測定を行いました。

GALAX GTX 1070 EXOCの実働最大クロックは各種ベンチマークやゲームで1950MHz程度
となり、製品仕様ではほぼ同じブーストクロックで以前レビューを行ったGIGABYTE G1 GamingやEVGA SC ACX3.0よりも高い数字で安定動作しました。
GTX1070EXOC_clock

FireStrike、FireStrikeExtreme、FireStrikeUltraのベンチマーク比較になります。GALAX GTX 1070 EXOCではリファレンスのFEよりも各種解像度で5%程度性能が伸びています。またブーストクロックが1784MHzのG1 Gamingよりも若干性能が高い結果となりました。
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FF14ベンチのフルHD最高設定の比較は次のようになっています。GALAX GTX 1070 EXOCは当ベンチマーク測定環境ではスコアが17058ほどとなりました。FF14ベンチはグラボの性能を測るというよりもFF14が快適に遊べるかを測るベンチマークの意味合いが強いのでスコア10000を超えた当たりからはCPUクロックへの依存性がかなり高くなってきます。
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続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。
まずはRise of the Tomb RaiderのWQHD、最高設定(FXAA、HBAO、DX11)のベンチマークです。GALAX GTX 1070 EXOCの平均FPSは72.1FPSとなりFounders Editionよりも4FPSほど高い値をマークします。
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The Divisionのベンチマーク比較は次のようになっています。このゲームのベンチマークではこちらのグラフィック設定を用いて、フルHDとWQHDでベンチマークを行いました。GALAX GTX 1070 EXOCはフルHDでは平均67FPS、WQHDでは平均46.9FPSとなりました。
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続いてGTA5ではこちらのグラフィック設定を使いフルHDとWQHDでベンチマークを行いました。GALAX GTX 1070 EXOCはフルHDでは平均79.4FPS、WQHDでは平均52.2FPSとなりました。
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The Witcher3のベンチマーク比較は次のようになっています。グラフィック設定は最高設定としてフルHDとWQHDでベンチマークを行いました。測定にはノヴィグラドの広場から橋までを往復しています。GALAX GTX 1070 EXOCはフルHDでは平均71.1PS、WQHDでは平均54.4FPSとなりました。
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The Witcher3のベンチマークにおいてフルHDではCPUボトルネックの影響が大きくGTX1070以上のグラボになるとグラボ性能にベンチマーク結果の平均FPSが比例しなくなっており、ベンチ時のCPUの状態やカメラアングルによってGTX1080でもGTX1070よりも平均FPSが下がる結果になりました。
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CPUがi5の場合は、GPU性能が十分であればフレームレートは55~75FPS程度で頭打ちになるので、144Hzモニタを使う等これより上を狙うならCPUの交換が必要になってきます。


3DMarkの最新DirectX12ベンチマーク「TimeSpy」ではGALAX GTX 1070 EXOCのグラフィックスコアは5985となりGTX 1070 Founders Editionよりも1割弱ほど性能が伸びています。
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最後にDirectX12ネイティブ対応ゲームのベンチマークとしてGears of War:UEで測定を行いました。グラフィック設定は最高設定としてフルHDとWQHDでベンチマークを行っています。GALAX GTX 1070 EXOCはフルHDでは平均127FPS、WQHDでは平均78.5FPSとなりました
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Gears of War_ 1920 Gears of War_2560



以上、各種ベンチマークや実ゲームを用いたGALAX GTX 1070 EXOCのグラフィック性能の検証でした。



GALAX GTX 1070 EXOCの温度・消費電力

GALAX GTX 1070 EXOCの負荷時のGPU温度とファン回転数を検証しました。性能比較と同じくFounders Editionと比較しながら検証を行っています。温度とファン回転数の検証時の負荷としてはFF14ベンチを使用しており、その結果が次のグラフになっています。
GTX1070EXOC_temp
GALAX GTX 1070 EXOCはGTX10XXシリーズのオリファン&オリジナル基板採用モデルとしては珍しくセミファンレス機能を非採用となっておりファン回転数は温度に応じて最低900RPMから最高温度63度の時の1290RPM程度で推移しました。Founders Editionが2000RPMでコア温度70度に達するのに対し、EXOCはファンが1000RPM前半で静かに動作しながら60度前半のコア温度で安定して動作しています。

また次のグラフはGTX 1070のGIGABYTE G1 GamingEVGA SC ACX 3.0に関する同グラフです。
GTX1080 SC ACX3_temp
800RPMでファンが回転して70度に達するSC ACX3.0よりも1200RPM程度で動作してコア温度が60度前半になるGTX 1070 EXOCのほうが静音と冷却のバランスが良いように思えます。
またEXOCとG1 Gamingを比較した場合、G1 Gamingが1800~2000RPMでファンが動作しているにもかかわらずコア温度はEXOCのほうが低いのを見ると、EXOCのGPUクーラーのヒートシンクが銅製ベースであることの冷却性能への影響がかなり大きいと思いました。

FF14ベンチ終盤のGALAX GTX 1070 EXOCとFounders Editionのファンノイズとコイル鳴きについて確認のため動画を録画しました。測定にはグラボから30㎝ほど離した位置にカメラを置いて撮影を行っています。この動画でも1300RPM程度でファンが回転しているGALAX GTX 1070 EXOCのほうがファンノイズは圧倒的に小さいことが確認できると思います。



コイル鳴きについては軽微なので問題ないと思います。
なおコイル鳴きは最近のグラボだとTitanXでも980tiでもGTX1080でも基本的に鳴くので60FPS程度の高負荷時にPCケースに入れていても気に障る程度の大きさかどうかで主観的になりますが「軽微」or「問題あり」として当ブログ記事では判断します。同じ型番のグラボでも個体差がある項目なので参考に留めていただけるとありがたいです。


続いてGALAX GTX 1070 EXOCの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。測定にはCorsair RM650i電源ユニットのCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた純粋な検証システム全体への入力電力をチェックしています。また測定方法は「FireStrike Extremeのグラフィックテストを3回行い、その際の平均値を消費電力に、最大値を瞬間的な最大電源負荷」としました。測定結果は次のようになっています。
GTX1070EXOC_power_comp
GALAX GTX 1070 EXOCの消費電力は217WでFounders Editionよりも21Wほど消費電力が大きくなっています。また瞬間的な最大電源負荷は250WとなりFounders Editionよりも29Wほど大きいです。EXOCの補助電源は8PIN+6PINですがリファレンス同様に8PIN*1でオリジナル基板のG1 Gamingと遜色ない消費電力でした。数回試しても瞬間最大消費電力は250Wを超えなかったのでパワーリミットのチューニングもしっかりしているようです。(参考画像:ログ1ログ2



GALAX GTX 1070 EXOCの手動オーバークロック

「EXOC」は”Extreme Overclocking”の略称ということなのでその実力を測るべく実際にマニュアルでもOCを実行してみました。なお手動オーバークロックのOC耐性については個体差があるのでご注意ください。

OCツールについてはコア電圧を盛れない以上、何を使っても基本的に同じなので管理人も使い慣れているMSI AfterBunerを使用しました。コア電圧の調整などで一部機能には制限がある場合もありますが、コアクロック、メモリクロック、パワーリミット、ファン回転数など基本的な部分は別ベンダーのグラボでも問題なく調整可能です。
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コアクロックを+120MHz、パワーリミットを125%、メモリクロックを+400MHzでOCしましたが特に問題なく動作しました。こちらはFireStrikeExtremeを回した時のコアクロックのグラフです。
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OCの前後でFireStrike Extremeのスコアは次のようになりました。マニュアルOCすることでリファレンスのFounders Edition比で10%以上性能が伸びています。
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コアクロックを盛ってパワーリミットの上限も上げているので消費電力と瞬間負荷は37W増加しています。
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GALAX GTX 1070 EXOC レビューまとめ

最後にGALAX GTX 1070 EXOCを検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • コアクロックがリファレンスよりも102MHzオーバークロックされている
  • 銅製ベース採用のクーラーは冷却性が高く、静音性(ファン回転数)と冷却性のバランスが良い
  • 負荷時のファン回転数はせいぜい1300RPM程度なので静か
  • 補助電源は8PIN+6PINで電源も+2フェーズだがFE比で消費電力は20W増と良好
  • ゴテゴテし過ぎず安っぽくもない金属1枚板で黒一色のクーラー外装
  • コイル鳴きも軽微で問題なし
  • セミファンレス非採用なのでアイドル時もコア温度は低い
悪いところor注意点
  • LEDイルミネーションが安っぽい
  • クーラーファンのLEDは発光色やパターンの調整、消灯ができない。
  • セミファンレス非採用

GALAXの知名度はマザーボード等も手掛けるベンダーには劣るものの、グラボ自体の性能や品質、冷却性や静音性という点で言えばGALAX GTX 1070 EXOCも有名メーカーのGTX 1070モデルに負けず、むしろ上回ることもあり非常に安定した性能を発揮しています。
ただGTX1070の発売から一月半ほど経ち、5.5~6.0万円で購入できるモデルも増えてきている中で、7月28日現在、GALAX GTX 1070 EXOCの価格は6.3万円程となっておりこの価格差はネックだと思います。しかし裏を返せば5.5~6.0万円の価格帯まで下がってくればGALAX GTX 1070 EXOCはGTX 1070オリファンモデルの定番として十分以上に通用するグラフィックボードだと感じました。

以上、GALAX GTX 1070 EXOCのレビューでした。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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