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フルスペックPolaris11コア(リネームなのでPolaris21が正式名称らしい)を採用するAMD Radeon RX 560搭載の補助電源不要モデル「玄人志向 RD-RX560-E4GB」のレビュー用サンプルをメーカーよりお借りできたので、前モデルRX 460や競合のGTX 1050 Tiと徹底比較レビューします。
公式ページ:http://www.kuroutoshikou.com/product/graphics_bord/rd-rx560-e4gb/
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玄人志向(2017-05-25)<TSUKUMO><PCショップアーク><ドスパラ>
玄人志向 RD-RX560-E4GB レビュー目次
1.玄人志向 RD-RX560-E4GBの外観
2.玄人志向 RD-RX560-E4GBの検証機材セットアップ
3.玄人志向 RD-RX560-E4GBのゲーム性能
4.玄人志向 RD-RX560-E4GBの温度・消費電力
5.倍速補完機能「AMD Fluid Motion」の効果と使い方
6.玄人志向 RD-RX560-E4GBのレビューまとめ
玄人志向 RD-RX560-E4GBの外観
早速、玄人志向 RD-RX560-E4GBをチェックしてきます。パッケージを開くと段ボールのスペーサーに静電防止ビニールに包まれてグラフィックボード本体は収められるていました。付属品はマニュアル、ドライバCDなどです。
玄人志向 RD-RX560-E4GBの外観は次のようになっています。
GPUクーラー外装は黒色のプラスチック製で80mm径の冷却ファンが2基搭載されています。
RX 560はエントリー帯のGPUですがRD-RX560-E4GBのボード長は少し長めで全長224mmです。
GPUクーラーは2スロット占有で補助電源は必要ありません。
グラフィックボード背面にはバックプレートは装着されておらず基盤がむき出しでした。玄人志向 RD-RX560-E4GBでは実際のリンク速度PCI-E3.0x8に対して基板のPCI-E端子の金属端子実装はx16サイズとなっています。
玄人志向 RD-RX560-E4GBのビデオ出力はHDMI2.0b×1、DisplayPort1.4×1、DVI-D×1の3系統です。
先日レビューした同じく補助電源が不要なSAPPHIRE PULSE RX 560 4GはPCB基板の右端に空白地帯があるためボード長が無駄に長くなっていますが、玄人志向 RD-RX560-E4GBもボード長自体は長いものの右端にも基板上に実装があり、GPUクーラーのヒートシンクも右端10mmあたりまで埋まっているので無駄に長いわけではありません。
グラフィックボードの重量はGIGABYTE RX 460 WINDFORCE OC 4GBが429g、SAPPHIRE PULSE RX 560 4Gが429gですが、玄人志向 RD-RX560-E4GBは464gでボードサイズに比例して若干重めになっています。
玄人志向 RD-RX560-E4GBの検証機材
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、玄人志向 RD-RX560-E4GBを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1 |
ベンチ機2 |
|
OS | Windows10 64bit Home | |
CPU |
i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
M/B | ASRock Z270 SuperCarrier (レビュー)(BIOS:1, 2) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | Corsair Dominator Platinum Special Edition DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) |
G.Skill TridentZ DDR4 8GB*4=32GB |
システムストレージ |
Crucial MX300 SATA M.2 SSD 1TBCT1050MX300SSD4 | Intel SSD 540シリーズ SATA M.2 SSD 240GB |
電源ユニット |
Corsair RM650i (レビュー) |
Corsair HX1200i (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) |
玄人志向 RD-RX560-E4GBはフルスペックGPUになってコア数がRX 460の894から1024へ増えています。玄人志向 RD-RX560-E4GBのコアクロックは1180MHzとなっており、同じく補助電源なしのSAPPHIRE PULSE RADEON RX 560 4G GDDR5の1216MHzよりやや低い設定です。
玄人志向 RD-RX560-E4GBは製品公式ページで消費電力(TDP)に関する詳しい記載はありませんが、実際に製品をチェックしてみると、MSI AfterBunerのパワーリミット設定にて最大で+75%の設定が可能でした。のちほど消費電力に関する検証で解説しますがPL+75%に設定することで他の補助電源なしTDP75Wグラフィックボードの消費電力に近づくのでデフォルトではTDPが45~60W程度になるようにパワーリミットが設定されているようです。
玄人志向 RD-RX560-E4GBのゲーム性能
玄人志向 RD-RX560-E4GBの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「SAPPHIRE PULSE RX 560 4G GDDR5」、「ZOTAC GTX 1050 Ti OC Edition」、「GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OC 4GB」、「ZOTAC GTX 950 LowPower」、「ELSA GeForce GTX 750 Ti SP 2GB」を使用しました。
まずFFXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマークのフルHD・高品質で玄人志向 RD-RX560-E4GBのスコアは5700程度となりました。AMD Radeon一般にですが、NVIDIA GeForceと比較してFF14ではパフォーマンスが出ないので、FF14目的でエントリークラスGPUを購入するということであればRX 560は適さないと思います。
なおFF14ベンチではスコアが1万を超えたあたりからFPSが上がりすぎてCPUベンチの傾向が強くなりグラフィックボードの性能比較ベンチとしてはあまり使えなくなってくるので注意してください。FFXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマークについては個別記事で詳しく紹介しています。
FireStrikeとFireStrike Extremeのベンチマーク比較になります。
FireStrike | Extreme | |
玄人志向 RD-RX560-E4GB |
5666 | 2499 |
SAPPHIRE PULSE RX 560 4G |
5633 | 2462 |
GTX 1050 Ti | 7966 | 3744 |
RX 460 4GB | 5647 | 2468 |
GTX 950 LP | 5764 | 2685 |
GTX 750 Ti | 4459 | 2072 |
3DMarkの最新DirectX12ベンチマーク「TimeSpy」の性能比較となります。
TimeSpy | Asyncなし | 性能伸び率 | |
玄人志向 RD-RX560-E4GB |
1770 | 1704 | 105% |
SAPPHIRE PULSE RX 560 4G |
1756 | 1690 | 104% |
GTX 1050 Ti | 2395 | 2282 | 105% |
RX 460 4GB | 1702 | 1634 | 104% |
GTX 950 LP | 1685 | 1693 | 100% |
GTX 750 Ti | 1235 | 1240 | 100% |
続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。解像度はフルHDについて行っており、同一のグラフィック設定で同一のシーンについて平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったタイトルは、Assassin's Creed Syndicate(低設定プリセット)、Battlefield 1(高設定プリセット)、DARK SOULS III(高設定プリセット)、The Division(中設定プリセット)、For Honor(高設定プリセット)、Ghost Recon Wildlands(中設定プリセット)、Mirrors Edge Catalyst(中設定プリセット)、NieR: Automata(解像度1600×900、中設定プリセット)、Rise of the Tomb Raider(DX12、中設定、AAなし)、Titanfall 2(グラフィック設定)、WatchDogs_2(中設定プリセット)、The Witcher3(グラフィック設定)、Gears of War 4(高設定プリセット)、OverWatch(ウルトラ設定プリセット)以上の14タイトルです。
Assassin's Creed Syndicate(低設定プリセット)のベンチマーク結果です。
Battlefield 1(高設定プリセット)のベンチマーク結果です。
DARK SOULS III(高設定プリセット、60FPS上限)のベンチマーク結果です。
The Division(中設定プリセット)のベンチマーク結果です。
For Honor(高設定プリセット)のベンチマーク結果です。
Ghost Recon Wildlands(中設定プリセット)のベンチマーク結果です。
Mirrors Edge Catalyst(中設定プリセット)のベンチマーク結果です。
NieR: Automata(解像度1600×900、中設定プリセット、60FPS上限)のベンチマーク結果です。
Rise of the Tomb Raider(DX12、中設定、AAなし)のベンチマーク結果です。
Titanfall 2(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
WatchDogs_2(中設定プリセット)のベンチマーク結果です。
The Witcher3(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
Gears of War 4(高設定プリセット)のベンチマーク結果です。
OverWatch(ウルトラ設定プリセット)のベンチマーク結果です。
玄人志向 RD-RX560-E4GB、ZOTAC GTX 1050 Ti OC、GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OC 4GB 、ZOTAC GTX 950 LowPower、ELSA GeForce GTX 750 Ti SP 2GBの5種類について実ゲーム性能の比率の平均を出したところ、RX 560は補助電源なしエントリーGPUの中でも高いシェアを誇ったGTX 750 Tiよりも30%程度高速という結果がでています。一方で現行の競合GPUであるGTX 1050 Tiと比較すると40%程度劣ります。
なお玄人志向 RD-RX560-E4GBはパワーリミットで消費電力に制限がかかっているため、コア数の増加に対して前モデルのRX 460と比較して性能に差が出ていませんが、チューニングソフトからPL+75%の設定を行い、パワーリミットを解除すると+10%ほど性能が向上します。
デフォルトではFireStrikeのグラフィックスコアが5600程度ですが、パワーリミット+75%とすることで下のようにグラフィックスコアが6000程度まで上昇しています。
玄人志向 RD-RX560-E4GBの温度・消費電力
玄人志向 RD-RX560-E4GBの負荷時のGPU温度とファンノイズを検証しました。温度とファンノイズの検証負荷としてはFireStrike Extreme ストレステスト、比較対象には同じく補助電源不要なRX 560のSAPPHIRE PULSE RADEON RX 560 4G GDDR5を使用しました。
玄人志向 RD-RX560-E4GBではストレステスト中のGPUコア温度は最大80度とかなり高い温度になりました。ファン回転数は600~800をふらつきながらも最終的には800RPM前後に落ち着くようです。ファン回転数は低めとはいえGPUクーラーのサイズに反して、壊れるほどではないもののGPU温度がかなり高めに出ているのが少し気になります。セミファンレス機能にも対応しておりGPU温度が45度を上回るまではGPUクーラーの冷却ファンが停止します。
ストレステスト中のGPUコアクロックを見ると、玄人志向 RD-RX560-E4GBは仕様値1180MHzよりもやや低いコアクロックで変動して平均1082MHzとなりました。玄人志向 RD-RX560-E4GBよりも仕様値のコアクロックが高い
SAPPHIRE PULSE RX 560と比較すると平均値は同じですがコアクロックの変動幅が小さくなっています。玄人志向 RD-RX560-E4GBはパワーリミットがかかっており、チューニングソフトでPL+75%に設定すると仕様値の1180MHzに張り付いて動作しました。
玄人志向 RD-RX560-E4GBを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも不快に感じたり感じなかったりと音の性質にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
玄人志向 RD-RX560-E4GBのファンノイズは35.8dBでした。補助電源不要な省電力グラフィックボードなので冷却にも余裕があります。加えて220mm長のデュアルファンGPUクーラー搭載なので他の補助電源不要RX 560グラフィックボードと比較しても静音動作となっています。
玄人志向 RD-RX560-E4GBの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定には電源ユニット「Corsair RM650i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた純粋な検証システム全体への入力電力をチェックしています。また測定負荷にFireStrike Extreme ストレステストを使用して、”平均値を消費電力”、”最大値を瞬間的な最大電源負荷”としました。測定結果は次のようになっています。
同検証環境において玄人志向 RD-RX560-E4GBの消費電力は111W、瞬間的な最大電源負荷は125Wでした。同じく補助電源が不要なRX 560のSAPPHIRE PULSE RADEON RX 560 4G GDDR5とほぼ等しい消費電力になっていますが、補助電源が不要なTDP75WのGTX 1050 TiやTDP65WのRX 460 4GBよりも低い消費電力を示しています。
一方でMSI AfterBunrerなどGPUチューニングソフトからパワーリミットを操作して+75%に設定すると上で解説したようにコアクロックが仕様値の1180MHzに張り付いて、他の補助電源不要なGPUと同程度の消費電力となります。
倍速補完機能「AMD Fluid Motion」の効果と使い方
AMD Radeonグラフィックボード限定で使用可能な動画フレーム倍速補完機能「AMD Fluid Motion」を実際に試してみました。「AMD Fluid Motion」は映画やアニメなどの各種動画で幅広く採用されている24FPSや30FPSの動画を60FPSに補完する機能で、高性能TVに搭載される”倍速機能”と同じことをグラフィックボードで行っています。サンプルに動画を2つ用意しました。1つ目の動画はわかりにくいですが、Fluid Motionによって若干動画がヌルヌルになっています。
2つ目のように同じような画像が大きくスクロールしていくシーンでは倍速補完の効果は絶大になっています。カクカク感が気にならない動画よりもオリジナルで気になる動画でより効果を発揮するようです。
ちなみにRX 460とi7 6700Kの環境でFluid Motion使用時と非使用時のGPU温度(最大)、GPU使用率(平均)、CPU使用率(平均)は次のようになりました。GPU使用率は大きくなっていますがファンノイズが煩くなるほどGPU温度は上がらないので、GPU性能が比較的低いエントリー帯のRX 560やRX 460でもFluid Motion使用に伴うハード面での弊害は特にないようです。
AMD Fluid Motionの利用には同機能に対応したビデオ(DVD、BD、動画ファイル)プレイヤーが必要で、市販のソフトウェアで正式に対応しているプレーヤーは「PowerDVD」となっています。
ただし市販品でなくても「Media Player Classic - Homecinema(以下、MPC HC)」というフリーソフトの動画プレイヤーと、同じくフリーで公開されているプラグイン等を使用することでAMD Fluid Motionを利用可能なので実際に試してみました。
AMD Fluid Motionを使うのに必要なフリーソフトは「Media Player Classic - Homecinema」、「Bluesky Frame Rate Converter」の2つになります。各ソフトをリンク先からダウンロードしてください。管理人はMPC HCは圧縮ファイル版、「Bluesky Frame Rate Converter」はインストール版を使用しました。
各種ソフトのインストールや解凍が完了したら、まず「Bluesky Frame Rate Converter」の設定を行います。こちらは次の画像のように各項目が設定されていれば問題ありません。(後ほどもしも動画が60FPS化されない場合は「AFMサポートを初期化する」を選んで再起動すると正常に動作するかも)
続いて「MPC HC」の設定を行います。メニューの表示から最下部にあるオプションを選択します。
オプション画面が表示されるので、左側メニューから「外部フィルタ」を選択して、右側のフィルタ追加を選び,、リストから「Bluesky Frame Rate Converter」を登録します。
追加した後は「フィルタを追加」の下の部分で「優先する」選択してください。
最後にRadeon設定から「AMD Fluid Motion」を有効化すれば設定完了です。
AMD Fluid Motionを利用する準備は完了です。「MPC HC」で動画ファイルやDVD、BDを再生すると60FPS化されると思います。60FPS化の確認には「MPC HC」メニューの「表示-統計情報」でボトムに詳細情報が各種表示できてフレームレートも書かれているのでここで確認可能です。
60FPS化が上手くいかない場合はMPC HCを再起動したり、上で書いたように「Bluesky Frame Rate Converter」から「AFMサポートを初期化する」を選んで再起動すると正常に動作するかもしれないので試してみてください。
あと動画ファイルについては対応できるものとできないものがあるようで管理人が試しただけでもFraps取ったaviファイルが60FPS化できず、そのファイルを「つんでれんこ」というソフトでエンコードしたファイルは24FPS化できました。
AMD Fluid Motionによる倍速補完機能自体は非常に有用だと思うのですが、使用準備がやや面倒だったりするのでAMDにはぜひ純正のAMD Fluid Motion対応プレーヤーを公開してもらいたいなと思いました。
玄人志向 RD-RX560-E4GB レビューまとめ
最後に補助電源不要なRX 560グラフィックボード「玄人志向 RD-RX560-E4GB」のレビュー用サンプルを検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 軽量なe-スポーツ系PCゲームを快適にプレイ可能な性能
- 倍速補完機能「AMD FluidMotion」でアニメなどの動画視聴も快適に
- 補助電源不要な省電力モデルでRX 460やGTX 1050 Tiよりも低消費電力
- 1万円台のエントリー向け価格帯
- パワーリミットのため一般的なRX 560よりグラフィック性能が10%弱低い
- 全長224mmと補助電源不要なエントリー帯グラフィックボードとしてはボード長が長め
AMDの次世代GPUにおいてエントリーモデルに当たるRadeon RX 560は「OverWatch」のようなe-Sports系の軽量なPCゲームやFF14のようなMMO RPGであれば対応可能なGPU性能があり、エントリー向け低価格GPUと考えれば妥当な性能です。ただし近年の高画質PCゲームを遊ぶことを視野入れる場合、競合製品のGTX 1050 Tiよりも性能が劣るので、快適さを求めるなら競合のGTX 1050 Tiか上位モデルのRX 570やRX 580を選んだほうがいいかもしれません。
AMD Radeon RX 560にはNVIDIA製GPUにはない特徴として動画の倍速補完機能「AMD Fluid Motion」が利用できるという強みがあります。高画質PCゲームユーザーがメインになるミドル~ハイエンドのグラフィックボードでは忘れられがちな機能ですが、軽いPCゲームと動画がメインとなるエントリー帯GPUでは倍速補完機能「AMD Fluid Motion」の存在感は非常に大きく感じます。
またGPU純正のプレイ動画録画機能としてはNVIDIAのShadow Playが軽量で有名でしたが、AMDから16年後半にリリースされた純正のプレイ動画録画機能「Radeon ReLive」はShadow Playと遜色ない軽量動作を実現しており、e-Sports系PCゲームのプレイ動画配信などにも最適です。
エントリー帯としては競合製品にグラフィック性能で劣るものの、倍速補完機能「AMD Fluid Motion」やプレイ動画機能「Radeon ReLive」などエントリー帯でこそ光る付加価値的機能もあるので、軽いPCゲームだけでなく動画鑑賞などマルチメディアに楽しむエントリーユーザーにとってRX 560は魅力的な製品です。
そんなRX 560を搭載するグラフィックボードとして今回レビューした玄人志向 RD-RX560-E4GBは補助電源不要な省電力モデルとなっており、パワーリミットで推定50~55Wの制限がかかっているので、本来のRX 560グラフィックボードより省電力性能は勝るものの、グラフィック性能が10%弱程度低くなっています。MSI AfterBunrerなどグラフィックボードのチューニングソフトでパワーリミットをデフォルトから最大75Wまで簡単に変更可能ですが、玄人志向 RD-RX560-E4GBのデフォルト性能はカット版のRX 460と大差ないのでこの点は注意が必要です。
「玄人志向 RD-RX560-E4GB」をエントリー帯のGPUとしてまとめると、e-Sport系PCゲームには十分ですがGTX 1050 Tiよりも低いグラフィック性能に対して、「AMD Fluid Motion」などの付加価値的機能と、RX 460やGTX 1050 Tiより低い消費電力にどれだけ魅力を感じるか次第、そんなグラフィックボードだと思います。
以上、玄人志向 RD-RX560-E4GBのレビューでした。
玄人志向 ビデオカード RADEON RX560搭載 RD-RX560-E4GBAmazon.co.jpで詳細情報を見る
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