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NCASE M1より40%小さく、ほぼ半分サイズの容積7.2LながらGTX 1080 TiやRadeon RX VegaなどハイエンドGPUを搭載するフルレンジグラフィックボードに対応した空冷特化のコンパクトゲーミングPCケース「DAN Cases A4-SFX v2」のサンプルを国内正規代理店ディラック様よりお借りできたのでレビューしていきます。A4-SFX 2次ロット版の最大の特徴は何といっても92mm簡易水冷CPUクーラーに対応しているところなので「Asetek 545LC」を使用してCPUには18コア36スレッドの「Core i9 7980XE」を組み込み、GPUにはNVIDIA TITAN Vを使用するというロマンビルドを実現したいと思います。
代理店公式ページ:www.dirac.co.jp/dan-case-a4-sfx/
DAN Cases A4-SFX v2 ブラック/シルバー
<TSUKUMO:ブラック/シルバー><ドスパラ:ブラック/シルバー>
<PCショップアーク:ブラック/シルバー><オリオスペック>
DAN Cases
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DAN Cases A4-SFX v2の特徴について
DAN-Cases A4-SFXの概要を簡単で説明すると、『PCケースを2分割のチャンバーとして、右側にPSUとマザボ・CPU、左側にグラボを配置することでフルレンジ300mmのハイエンドグラフィックボードを搭載可能としながら、7.2Lという超小型を実現するPCケース』です。下の画像2枚でDAN Cases A4-SFXの大体の構造はわかると思います。なお今回レビューするDAN Cases A4-SFXは初期ロット版からいくつかの改良が施された2次ロット版の「DAN Cases A4-SFX v2」ですが、基本的な仕様については初期ロット版と同じなので、相違ない部分については初期ロット版のほうのレビュー記事におまかせする形で割愛します。
・空冷特化最小ゲーミングPCケース「DAN-Cases A4-SFX」をレビュー
DAN Cases A4-SFX V2と初期ロット版の主な違いは「1.PCIブラケットカバーの追加」、「2.フロントUSBの位置変更(SFX-L電源との干渉回避?)」、「3.マザーボードのスペーサーの固定」、「4.ケース前方底面に92mmサイズの冷却ファンおよび水冷ラジエーター設置用のエアスリットの追加」、「ケース足が滑りにくいゴム製に変更」の5つであると公式に発表されています。
実機写真で「DAN Cases A4-SFX v2」と初期ロットの違いを見ていきます。
まずは外観について、手前がDAN Cases A4-SFX v2、奥が初期ロットですが、正面や側面から見ただけではどちらが2次ロットでどちらが初期ロットかわかりません。
背面に目を向けると1つ目の違い「PCIブラケットカバーの追加」の通り、右側の2次ロットではPCI-Eブラケットの上にネジ止めで着脱可能な埃混入防止用のPCIブラケットカバーが追加されているのがわかります。
2つ目の違いには「フロントUSBの位置変更」が挙げられていましたが、正面から確認してみたところフロントUSBの位置に違いはありませんでした。
PCケース内部も確認してみたところDAN Cases A4-SFX v2(右)と初期ロット(左)で内部構造に違いはありませんでした。「フロントUSBの位置変更」については実施されなかった?ようです。
3つ目の違いとしては「マザーボードのスペーサーの固定」が変更されています。初期ロット(左)では六角ネジのマザーボードスペーサーが採用されていますが、DAN Cases A4-SFX v2(右)ではマザーボードトレイに直接溶接する構造に変更されています。DAN Cases A4-SFX v2ではマザーボード固定ネジと一緒にスペーサーが回ってしまう心配はありません。
4つ目の違いとして2.5インチストレージを2基設置可能なリムーバルトレイ用スペースになっていたPCケースボトムフロントに新たにエアスリットが設けられました。
エアスリットが用意されたことでPCケースフロントボトムに92mm角の冷却ファンや92mmサイズのラジエーターを設置可能になっています。
SFX-L電源は排他利用となりSFX電源しか使用できなくなりますが、DAN Cases A4-SFX v2ではAseteck製92mmラジエーター簡易水冷CPUクーラー「Asetek 545LC」が使用可能になっています。
最後に5つ目の違いとして、初期ロット(左)ではPCケース足がプラスチック製の半球型のPCケース足になっていましたが、DAN Cases A4-SFX v2(右)では形状はそのままで滑り止めのためゴム製に変わっています。
以上が「DAN Cases A4-SFX v2」で新たに加えられた特徴となっています。
DAN Cases A4-SFX v2の組み立て
「DAN Cases A4-SFX v2」を使用して実際にハイエンドな自作PCを組んでいきます。すでにA4-SFX 初期ロット版のレビューでCore i7 7700K&GTX 1080、Mini-ITXサイズAM4マザーボードの発売に合わせてRyzen 7 1700&GTX 1080 Tiのハイエンドビルドを実施してしまっているので、Core i7 8700Kを使用してもあまり真新しさがありません。
そこで「DAN Cases A4-SFX v2」は92mmサイズ簡易水冷CPUクーラー「Asetek 545LC」にも対応しているので、今回はMini-ITXサイズX299マザーボード「ASRock X299E-ITX/AC」(レビュー)を使ってCPUには18コア36スレッドの「Intel Core i9 7980XE」(レビュー)を、GPUには「NVIDIA TITAN V」(レビュー)を組み込むというロマン溢れるウルトラハイエンドなビルドを行うことにしました。
検証機材のCore i9 7980XEはCPUダイとヒートスプレッダ間のグリスを液体金属グリスに塗り替えているので通常よりも低い温度で動作しています。
・【一家に1台】汐見板金の国産殻割りツール「Delid Master」をレビュー!
・18コア36スレッド「Core i9 7980XE」を殻割りで4.5GHzにOCレビュー
システムメモリにはXMP4000MHzに対応する最速SODIMM DDR4メモリ「Corsair Vengeance Performance SODIMM CMSX32GX4M4X4000C19」(レビュー)を使用します。
冷却ファンには92mm角で14mm厚のスリムファン「Noctua NF-A9x14 PWM」を使用しています。「Asetek 545LC」を使用する時の注意点として「Asetek 545LC」に付属するネジでは「Noctua NF-A9x14 PWM」を固定できません。ラジエーターのネジ穴はUNC#6-32なので管理人はAmazonで「ナベ小ねじ UNC#6-32×長さ3/4インチ」を別途購入しました。
電源ユニットにも昨年発売したばかりの新型SFX電源「SilverStone SST-SX650-G」(レビュー)を使用しています。SilverStone製SFX&SFX-L電源ユーザーにはお馴染みですが付属ケーブルよりも細く柔らかくて取り回しに優れた別売りショートケーブルキット「SST-PP05-E」も使用しています。92mmサイズ簡易水冷を使用するならスペース節約的に「SST-PP05-E」も必須です。
使用するパーツの紹介も済んだので実際に各パーツを組み込んでいきます。
PCケースフロントの2.5インチストレージはPCケース内からネジ止めで固定する方式になっており、電源ユニットを組み込んでしまうと後から固定はできないので、設置予定の人は一番最初に設置してください。
DAN Cases A4-SFX v2へ92mmサイズ簡易水冷CPUクーラー「Asetek 545LC」を組み込みます。92mmサイズ簡易水冷CPUクーラーを使用する場合、フロントI/OのUSB3.0端子とPCケース前方下部のサイドパネル固定用ジェラコンキャッチは干渉するため取り外す必要があります。
フロントI/OのUSB3.0端子はPCケース前方のネジ1つで固定されているだけなので簡単に取り外すことができます。
「Asetek 545LC」は水冷チューブがPCケースフロントに寄る向きにラジエーターを設置します。
ラジエーターと干渉するUSB端子とジェラコンキャッチを外したら、2.5インチストレージ用リムーバルトレイの固定に使用するゴムパーツを装着した状態で、「Asetek 545LC」に付属する短ネジとワッシャーを使用してラジエーターをPCケースに固定すれば設置完了です。
次は使用するプラグインケーブルを装着した電源ユニットを割と強引にPCケース内へ組み込みます。
電源ユニットを設置したら、マザーボードトレイにマザーボードを設置します。
CPUとCPUクーラー間の熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。使い切りの小容量から何度も塗りなおせる大容量までバリエーションも豊富で、性能面でも熱伝導効率が高く、塗布しやすい柔らかいグリスなのでおすすめです。
グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
あとは水冷トップをCPUソケットにネジ止めしたらCPUクーラーの設置完了です。
最後に各種電源ケーブルをマザーボードに接続すればPCケース内マザーボード側の組み込みは完了です。電源ケーブルや水冷チューブの取り回しがかなりシビアですが下のような感じで配線するとPCケース内にギリギリで収めることができます。
マザーボード側のサイドパネルについては1mmほど浮く感じはあるものの3点のジェラコンキャッチと2点のネジ止めでしっかり閉めることができました。
最後にグラフィックボードを設置すれば「DAN Cases A4-SFX v2」の組み立て完了です。
DAN Cases A4-SFX v2のビルドギャラリー
今回組んだDAN Cases A4-SFX v2の自作PCの写真を載せておきます。DAN Cases A4-SFX v2のレビューまとめ
最後に「DAN Cases A4-SFX v2」について簡単にレビューまとめをしておきます。とは言っても冒頭で書いたように基本的には初期ロットと同じなので同じことを繰り返すよりはいいかと思い、今回のロマンビルドで簡単に動作検証も行いました。容積7.2Lの中に18コア36スレッドCore i9 7980XEとNVIDIA TITAN Vを組み込んだロマン溢れるマシンです。
Core i9 7980XEはCinebenchスコアはASRock X299E-ITX/ACのCPU動作プリセット「WaterCooling Mode」で動作させており、Cinebench中は全コア3.4GHzで動作するのでスコアは3350程となります。
Skylake-Xは使用するアプリやマザーボードBIOSの設定で動作クロックが変わってくるのですが、ASRock X299E-ITX/ACのCPU動作プリセット「WaterCooling Mode」でAviutl&X264の動画エンコードを行うと若干電力制限がかかって平均で全コア3.0GHz程度の動作となります。
なおASRock X299E-ITX/ACのCPU動作プリセット「WaterCooling Mode」でCore i9 7980XEの動画エンコードを行うと10分ほどでCPU温度が90度くらいになります。
「Noctua NF-A9x14 PWM」を定格2100RPMでフル回転させていますが一向に温度が飽和しません。消費電力はアイドル90W、エンコード中300W程度なのでCPU単体で200W以上発熱がある状態です。序盤は十分冷えていることから水冷トップの熱交換効率的には200Wでも対応できるているようですが、完全にラジエーターの放熱容量が足りないようです。ASRock X299E-ITX/ACでCore i9を使用するつもりの人は7900Xか7920Xあたりに抑えるのが無難そうです。
FF15 PC版ベンチマークを4K解像度・高品質で実行するとスコアは5233です。
以上、「DAN Cases A4-SFX v2」のレビューでした。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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