MSI MEG X299 CREATION


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MSIがエンスージアストゲーマー向けと位置付けるMEGブランドからIntel第9世代Core-X CPUにネイティブ対応となる後期X299マザーボードとしてリリースされたフラッグシップマザーボード「MSI MEG X299 CREATION」のサンプル機をメーカーよりお借りできたのでレビューしていきます。MSI MEG X299 CREATIONはE-ATXサイズの大型基板上に14(13+1)フェーズの強力なVRM電源を備えてCore i9上位モデルのOCにも対応し、リアI/Oには2.5Gbイーサを標準搭載、M.2スロットを4基増設可能な拡張ボード「M.2 XPENDER AERO」やThunderbolt3*2拡張ボード「Thunderbolt M3」が付属など非常に気合の入った高級マザーボードです。
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製品公式ページ:https://jp.msi.com/Motherboard/MEG-X299-CREATION
マニュアル:http://download.msi.com/archive/mnu_exe/E7C06v1.0.zip

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【注意事項】
検証中のトラブルなども記事内で記載していますが、Intel第9世代Core-X CPU自体が発売されたばかりなので、OSの問題なのか、マザボBIOSの問題なのか原因の切り分けが現状でできないものも少なくありません。今後ドライバやBIOSなどソフトウェアの更新でパフォーマンスや安定性が向上することは期待できると思うので、その辺りも念頭に置いて読んでもらえるとありがたいです。
同検証は19年1月上旬に行っておりMSI MEG X299 CREATIONのBIOSは110(サポートページでは7C06v11と表記)を使用しています。最新BIOSでは修正されている不具合や追加されている機能もあると思うので、最新BIOSのリリースについては公式ページを各自でチェックしてください。

サポート:https://jp.msi.com/Motherboard/support/MEG-X299-CREATION#down-bios

【19年1月28日:初稿】
レビュー記事初稿を公開、BIOS:110(サポートページでは7C06v11と表記)で検証



MSI MEG X299 CREATION レビュー目次


1.MSI MEG X299 CREATIONの外観・付属品
2.MSI MEG X299 CREATIONの基板上コンポーネント詳細

3.M.2 XPANDER-AEROについて
4.MSI MEG X299 CREATIONの検証機材のセットアップ
5.MSI MEG X299 CREATIONのBIOSについて
6.イルミネーション操作機能「MSI Mystic Light」について
7.
MSI MEG X299 CREATIONのOC設定について
8.MSI MEG X299 CREATIONの動作検証・OC耐性
9.MSI MEG X299 CREATIONのレビューまとめ



MSI MEG X299 CREATIONの外観・付属品

まず最初にMSI MEG X299 CREATIONの外観と付属品をチェックしていきます。
キャラメル箱と呼ばれる厚手の外箱に2段重ねの内パッケージという構造です。
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上段の内箱にはマザーボード本体が入っており、下段の内箱には組み立て関連のパーツとマニュアル類にパーティション分けされて付属品が収められていました。
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付属品一覧は次のようになっています。
マニュアルやドライバCDなど必要なものが一通り揃っています。ドライバ類についてはそろそろUSBメモリに移行して欲しいところ。
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多言語マニュアルには日本語のページもありますが50ページほどで内容は多くありません。付属する多言語マニュアルとオンライン上で公開されているマニュアルの内容は同じでした。詳細について知りたい場合は英語のマニュアルを見てください。
マニュアル:http://download.msi.com/archive/mnu_exe/E7C06v1.0.zip

不織布の袋の中に主な付属品が収められています。
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不織布の袋の中には組み立てに関連する付属品が封入されており、基本的なものとしては、SATAケーブル4本、M.2 SSD固定ネジ*3、SLI HBブリッジ、リアI/Oパネル、WiFiアンテナ、サーモセンサー、LED機器接続ケーブル3種、ロゴバッジシールが入っています。
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リアI/Oシールドの表面はマットなブラックのカラーリングになっています。裏面のマザーボードと接する部分はスポンジが入っていました。
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MSI MEG X299 CREATIONにはRGB対応汎用4PIN LEDヘッダーは基板上に実装されており、付属のケーブルが2分岐ケーブルなので1つのLEDヘッダーに2つのLEDイルミネーション機器を接続可能です。
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MSI MEG X299 CREATIONにはアドレッサブルRGB対応VD-G型3PIN LEDヘッダーが実装されており、ロック付き3PINコネクタに変換するケーブルが付属します。
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MSI MEG X299 CREATIONにはPCパーツメーカーCorsair社からリリースされているLEDイルミネーション搭載冷却ファンやLEDテープが接続できるLEDヘッダーが実装されており、それに対応した延長ケーブルも付属します。
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マザーボード本体に接続可能な2PIN型サーモセンサーが付属します。
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詳細については後ほど詳しく解説しますが、NVMe M.2 SSDの4枚刺しが可能なPCIE拡張ボード「M.2 XPANDER-AERO」が「MSI MEG X299 CREATION」には標準で付属します。
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加えて「MSI MEG X299 CREATION」にはUSB3.1 Gen2の4倍に及ぶ40Gbpsの高速通信が可能なThunderbolt3端子を2基増設可能なPCIE拡張ボード「MSI Thunderbolt M3」が付属します。
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PCIE拡張ボード「MSI Thunderbolt M3」には2基のThunderbolt3端子とDisplayPort入力がPCIEブラケット上に設置されています。
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DisplayPortビデオ入力にグラフィックボードのDisplayPortビデオ出力と接続することで、Thunderbolt3端子(USB Type-C)はDisplayPort Alt Modeによるビデオ出力も可能になります。
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PCIE拡張ボード「MSI Thunderbolt M3」にはAlpine Ridgeの名前で知られるThunderbolt3コントローラー「JHL6540」が実装されていました。
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「MSI Thunderbolt M3」はPCIE3.0x4接続の拡張ボードなので、最下段のx16サイズスロットへの増設が推奨されており、「MSI MEG X299 CREATION」のJTBT1 connectorに専用ケーブルを接続する必要があります。加えてBIOSからThunderbolt3サポート設定を有効化する必要があります。
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マザーボード全体像は次のようになっています。
MSI MEG X299 CREATIONはATXよりも横幅が20mmほど大きいE-ATXフォームファクタのマザーボードです。ATXマザーボードとネジ穴自体は同じレイアウトなのでATX向けPCケースにも設置できることも多いですが、裏配線用のケーブルホールが基板と被って使用できない可能性もあるので注意していください。
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マザーボード右下のチップセット用ヒートシンクはM.2 SSDヒートシンクと一体化してマザーボード下側を大きく占有しています。製品名のCREATIONとCRYSTALをかけているのか、ヒートシンクには「爆発(Explosion)」を模したデザインの銀色のイラストプレートが装着されています。
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リアI/Oカバーもチップセットクーラーと同じく「爆発(Explosion)」を模したデザインでマザーボード全体として統一感があり、中央には”CREATION”のテキストロゴが貼られています。
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MSI MEG X299 CREATIONには、最大で18コアに達する第9世代Core-XのOCによる高負荷にも対応し、かつ1フェーズに対する負荷を分散して低温で動作できるように13+1フェーズの強力なVRM電源が実装されています。VRM電源の構成パーツには、従来製品より電力効率を30%改善した「TITANIUM CHOKE IIコイル」、低温で稼働し高い電力効率と安定性を実現する「DARK CHOKE」、低ESR(等価直列抵抗)と10年以上の寿命を実現した「DARK CAP」など高品質コンポーネントを採用されています。
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「MSI MEG X299 CREATION」は第9世代Core-X CPUに対応するX299マザーボードの上位モデルということで多コア&高クロックCPUへ安定した大電力供給が行えるようにEPS電源は8PIN*3が配置されています。なお3基全てを接続しなくても動作させることは可能で、通常は2基接続すれば大丈夫です。
3基全てを使用する必要はありませんが、第9世代Core-X CPUに安定した電力供給を行うことを考えると最低でも2基は接続するのが推奨されますが、電源容量800W以下の電源ユニットではEPS電源端子が1つしかない場合があるので、使用する電源ユニットに2基のEPS端子があるか事前に注意して確認してください。
また1200Wクラスのハイエンド電源ユニットであってもEPS端子は通常2基までしか搭載されていないので、3基目のEPS端子を使用する場合は、2台目のサブ電源を使用する必要があります。
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リアI/Oには最新のUSB3.1 Gen2規格に対応したUSB端子としてType-AとType-Cの2端子が設置されています。そのほかのUSB端子については2基のUSB2.0端子と6基のUSB3.0端子が搭載されています。マウス・キーボードなどの周辺機器を多数繋いでいても、HTC ViveやOculus Rift CV1のようなVR HMDに十分対応可能です。欲を言えばUSB3.0/1は無線マウスと電波干渉を起こすことがあるのでUSB2.0を少し離れた場所に配置して欲しかったところ。ゲーマーには嬉しいPS/2端子も搭載されています。
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ネットワーク関連では低CPU負荷、高スループットで定評のあるIntel純正のLANコントローラーを採用した有線LANが設置されています。加えて2.5Gbpsの有線LAN端子も搭載されています。
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同じくIntel製コントローラーの無線LANモジュールも標準搭載しており、接続規格としてはWi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac、2.4/5GHzデュアルバンド、最大1733Mbpsの通信速度、Bluetooth 5.0に対応しています。リアI/Oには無線モジュールのアンテナ端子が設置されているので付属のアンテナを接続できます。
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またリアI/Oには「BIOS FLASHBACK+」ボタンが設置されており所定のUSB端子にBIOSファイルの入ったUSBメモリを接続してボタンを押すと「BIOS FLASHBACK+」機能によってCPUやメモリなしの状態でもBIOSの修復・アップデートが可能です。
BIOS FLASHBACK+

重量計を使用して重さを測定してみたところ、同じくE-ATXサイズX299マザーボードのMSI X299 XPOWER GAMING ACは1383g、ATXサイズX299マザーボードのMSI GAMING PRO CARBON ACは1156gに対して、MSI MEG X299 CREATIONは1479gでした。E-ATXサイズかつ豪華な装備の分だけ重量も大きくなっています。
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MSI MEG X299 CREATIONの基板上コンポーネント詳細

続いて「MSI MEG X299 CREATION」のマザーボード基板上の各種コンポーネントをチェックしていきます。
システムメモリ用のDDR4メモリスロットはCPUソケット両側に8基のスロットが設置されています。
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固定時のツメはマザーボード上側の片側ラッチとなっています。グラフィックカードのあるPCI-Eスロット側はラッチがないので干渉の心配もありません。
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DDR4メモリスロットには外部ノイズEMIから保護するための金属シールド「DDR4 Steel Armor」が実装されており、DDR4 BOOSTというMSI独自の基板配線の最適化技術と組み合わせて、より安定したメモリのオーバークロック環境を実現しています。
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グラフィックボードなどを設置するPCI-Eスロットは上から[x16、N/A、x16、N/A、x16、x1、x16]サイズのスロットが設置されています。4つのx16サイズスロットのうち1段目と3段目はPCIE3.0帯域を共有しており、[x16, N/A] or [x8, x8]で動作します。5段目はPCIE3.0x16、7段目はPCIE3.0x8の帯域で排他利用はありません。x1サイズスロットはPCIE3.0x1帯域で使用できます。
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グラフィックボード向けのx16スロットは1段目、5段目のスロットに配置されており、現在主流な2スロット占有グラフィックボードを使用しても下位グラフィックボードが上位グラフィックボードのエアフローを妨げないよう配慮されています。付属もしくは別売りの2スロットスペース型SLI HBブリッジを使用すれば、NVIDIAの最新GPUであるGTX 1080 TiやGTX 1070 Tiなどを使用したマルチGPU SLI環境を構築可能です。
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別売りオプションパーツのNVLink SLI Bridgeが必要ですが、4スロットのNVLink SLI BridgeがあればNVIDIAの最新GPUであるRTX 2080 TiやRTX 2080でもマルチGPU環境を構築可能です。ただしMSIからは今のところ3スロットのNVLink SLI Bridgeしか発売されていないので他社製品を選択する必要があるのは少し残念。
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MSI MEG X299 CREATIONにも最近のトレンドとしてすべてのx16サイズスロット1kgを超える重量級グラボの重さに耐えるように補強用メタルアーマー搭載スロット「MSI PCI Express Steel Armor slots」が採用されています。半田付けによる固定を強化したことで従来よりも4倍も頑丈になっており、PCI-Eスロットをシールドで覆うことによって外部ノイズEMIから保護する役割も果たします。
MSI PCI-E Steel Armor
またマザーボード左下にはグラフィックボードなどPCI-Eスロットに設置した拡張カードへ安定した電力供給を行うための追加電源としてマザーボードと平行に4PINペリフェラルコネクタのオプション電源端子が用意されています。オプション扱いですがマルチGPU構成で組む場合は接続したほうがよさそうです。
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SATAストレージ用の端子はマザーボード右下に8基搭載されています。SATA3_1~8はいずれもIntel X299チップセットのコントローラーによる接続で、RAID0/1/5/10のハードウェアRAID構築にも対応しています。
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MSI MEG X299 CREATIONには高速NVMe接続規格に対応したM.2スロットがPCI-Eスロット間に3基設置されています。M2_1M2_2はいずれもNVMe(PCI-E3.0x4)とSATA接続の両方のM.2 SSDに対応しています。M2_3はNVMe(PCI-E3.0x4)接続専用でCPU直結のPCIEレーンで接続されています。M2_1でSATA接続M.2 SSDを使用する場合はSATA_1が排他利用になります。M2_2でSATA接続M.2 SSDを使用する場合はSATA_2が排他利用となります。
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「MSI MEG X299 CREATION」に実装された3基のM.2スロットにはMSI独自の大型SSDヒートシンク「M.2 SHIELD FROZR」が装着されています。
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同ヒートシンクを使用することで、グラフィックボードなど発熱から保護し、M.2 SSDがむき出しの状態よりもサーマルスロットリングの発生を抑制し、同じアクセスを高速に完了させることが可能です。
M.2 SHIELD FROZER
また19年最新マザーボードでは実装の減りつつあるNVMe対応U.2端子もMSI MEG X299 CREATIONには実装されています。ただしU.2端子を使用する場合、M2_2スロットとSATA_5/6端子が使用できません。U.2端子にも外部ノイズEMIから保護する金属シールドで信号伝送が最適化されています。
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また「MSI MEG X299 CREATION」は標準で付属する同社製アクセサリパーツ「MSI M.2 XPANDER-AERO」に対応しており、5段目のx16サイズPCI-Eスロットに4枚のNVMe M.2 SSDをCPU直結のPCI-Eレーンで接続することが可能です。
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CPUとチップセット間はIntel X299シリーズチップセットではX99から更新されたDMI 3.0で接続されており、この帯域が非公式ながらNVMe M.2 SSDの接続規格であるPCI-E3.0x4とほぼ同じ帯域です。
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X299チップセット搭載マザーボードのM.2スロットのうちチップセットを経由して接続されているストレージへ個別にアクセスがある場合は最新の3.0GB/s越えの高速SSDでもフルスペック動作が可能になっていますが、この帯域がボトルネックになるため複数のM.2スロットで一度にアクセスが発生すると合計で4GB/s程度がボトルネックになります。現状ではランダム性能への影響は軽微で主にシーケンシャル性能に制限がかかります。
またIntel X299プラットフォームでは新たに「Intel VROC(Virtual RAID on CPU)」という仮想RAID機能がサポートされておりCPU直結PCI-Eレーンに接続されたNVMe SSDでもハードウェアRAIDが構築可能になっています。ただし複数ストレージを単一ストレージとして使用してリード・ライト速度を向上させるRAID 0についてはX299マザーボードで標準サポートとなっておりそのまま使用可能ですが、冗長性を確保するためのRAID 1を利用するためには「Standard Key」、RAID 1やRAID 5を利用するためには「Premium Key」という物理キーを購入してマザーボード上の端子に装着する必要があります。
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簡単にまとめるとM.2スロットがどこに繋がっているかで次のようなメリットとデメリットがあります。

CPU直結の場合 チップセット接続の場合
長所  複数のM.2 SSD(PCH側*1含む)の
 同時アクセスでもフルスペック動作
 IRSTによるハードウェアRAIDで
 性能を上げることができる
短所  IRSTによるハードウェアRAID
 が構築できない
 (有料キーの増設でVROCによる
  ハードウェアRAIDが構築可能)
 複数のM.2 SSDから同時にアクセス
 がある場合、ストライプRAIDの場合
 4GB/s程度がボトルネックになる
複数のM.2 SSDを同時にフルアクセスさせたい場合は、PCI-E→M.2アダプタを使用するなどしてCPU直結のM.2スロットを用意し、マザーボード備え付けのM.2スロットと組み合わせるなど工夫が必要です。


ATX 24PIN端子のすぐ左には内部USB3.1 Ge2ヘッダーが設置されています。またSATA端子寄りの位置にはマザーボード基板と平行に内部USB3.0ヘッダーも設置されています。
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マザーボード右下には内部USB3.0ヘッダーと、2基の内部USB2.0ヘッダーが設置されています。CorsairLinkやNZXT CAM対応製品など内部USB2.0を使用する機器も増えていますが、MSI MEG X299 CREATIONであればそれらの機器も問題なく使用可能です。内部USB2.0が2基でも不足する場合はUSB2.0ヘッダー増設ハブ「NZXT INTERNAL USB HUB」がおすすめです。
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ゲーミングマザーボードということでMSI独自の高音質オンボードサウンド機能を従来機種よりもさらに強化した「AUDIO BOOST 4」も採用されています。日本ケミコン製のオーディオコンデンサを採用し、オーディオパートはマザーボードから物理的に分離され、左右のオーディオチャンネルがレイヤー分けされることでクリアな音質を実現します。インピーダンス最大600オームまで対応可能な高出力DACで高音質ヘッドホンも使用可能です。FPSゲームなどで足音や銃声をゲーム内にOSD表示で可視化する「NAHIMIC Sound Technology」も使用できます
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ケーブルが長くならざるを得ないVR HMDの接続ケーブルではパフォーマンスに大きな影響を与える信号損失が発生しやすいため、MSIではUSBリピーターチップによって信号強度を高めてVR機器に最適化したUSBポートが設置されています。
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冷却ファンを接続するためのコネクタについてはPWM対応4PINファンコネクタとしてCPUファン端子水冷ポンプ対応端子ケースファン端子6基(SYS_FAN_1~4、EXS_FAN_1~2)の計8基が設置されています。これだけあれば360サイズなどの大型ラジエーターを複数基積んだハイエンド水冷構成を組んでもマザーボードのファン端子だけで余裕で運用可能です。水冷ポンプ対応の「PUMP_FAN」端子は最大24W(12V、2A)の出力にも対応しているので本格水冷向けのD5やDDCポンプの電源としても変換ケーブルを挟むことで使用できます。流用検出用の3PINファン端子(W_FLOW)も設置されています。
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MSIのファンコントロール機能にはソース温度の乱高下を無視してスムーズなファン回転数変化を実現するヒステリシス機能も備わっています。
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「MSI MEG X299 CREATION」ではMSIマザーボードとしては待望の外部温度センサー用2PINヘッダーが実装されました。
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マザーボード基板右上のメモリスロット右側にはPOSTエラーのチェックができるDebug Code LEDや動作確認に便利なオンボードのスタートスイッチとリセットスイッチが実装されています。
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パワースイッチの隣にあるダイヤルボタン「GAME BOOST Knob」はスイッチを入れてダイヤルを回すことでマザーボードに収録された7段階のオーバークロックプロファイルを簡単に適用することができます。ただ個人的には各自でBIOSからOC設定をするほうがおすすめなので余計な?お世話的な機能のようにも感じます。
GAME Boost Knob
MSI MEG X299 CREATIONには2つのBIOS ROMが搭載されており、オレンジ線で囲ったマルチBIOSスイッチを選択することでメインとバックアップのBIOSを簡単に切り替えることができます。リアパネルにはCMOSクリアのハードウェアスイッチも設置されているのでオーバークロック設定を失敗しても簡単に初期化が可能です。
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M.2 XPANDER-AEROについて

「MSI MEG X299 CREATION」には1つにPCIEスロットにNVMe M.2 SSDに対応したM.2スロットを4基増設可能なPCIE拡張ボード「M.2 XPANDER-AERO」が標準で付属します。
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「M.2 XPANDER-AERO」はMSI製のショート基盤グラフィックボードを彷彿とさせるデザインでGPUクラスの冷却性能もアピールされており、100mm径の冷却ファンによる2スロット占有GPUクーラーが搭載されています。
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「M.2 XPANDER-AERO」の基板の右端にはPCIE補助電源6PIN端子が実装されており、消費電力の大きいNVMe M.2 SSDを複数搭載しても安定した電力供給が可能です。なおこのPCIE補助電源はオプション扱いとなっておりPCIEスロットから供給可能な75Wで十分であれば接続しなくても使用できます。
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MSIによると、Intel Optane 905P M.2のような消費電力の大きいM.2 SSDを4枚使用した場合だけでなく、マルチGPU環境でマザーボードPCIEスロットに消費電力の大きい拡張ボードが複数接続されている場合も、スロットからの電源供給だけでは不安定になる場合があり、これを防止するために補助電源を搭載し、安定した動作を図っているとのことです。

基板背面のプラスネジ4つを外すと基板からGPUクーラーを取り外すことができます。
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「M.2 XPANDER-AERO」ののGPUクーラーにはPCIEスロットを2スロット占有する大型のアルミニウム製ヒートシンクが採用されており、M.2 SSDをヒートシンクに接触させるためのサーマルパッドも標準で貼り付けられています。ヒートシンクは放熱フィン部分も大きいので冷却性能も高そうです。
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「M.2 XPANDER-AERO」の基板は下のようになっています。
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「M.2 XPANDER-AERO」のNVMe SSD対応M.2スロットはいずれもPCIEスロットと垂直な向きに4基が実装されています。M.2スロットは現在主流なM.2 2280フォームファクタだけでなく、全長120mmのM.2 22120フォームファクタにも対応しています。
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M.2スロットの根本にはそれぞれ温度センサーが伸びており、黒色のスポンジスペーサーと挟み込まれる形でM.2 SSDとしっかり密着します。サーモセンサーの温度情報は「M.2 XPANDER-AERO」に搭載された冷却ファンのファン制御ソースとして使用されます。
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補助電源端子のすぐ下にある「JCASE1」ヘッダーはPCケースのストレージLEDと接続し、「JMB1」ヘッダーはM/BのストレージLEDヘッダーと接続することで、「M.2 XPANDER-AERO」とマザーボードの両方に接続されたストレージへのアクセスに合わせてPCケースのストレージLEDを点灯させることができます。
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PCIEブラケット寄りの上側にはLEDスイッチとファンスイッチが実装されています。いずれも左がON、右がOFFでレバーをスライドさせることでON/OFFを切り替えることができます。LEDスイッチはアクセスLEDとファン制御LEDのON/OFFを切り替えることができます。ファンスイッチをOFFにするとファンレス動作が可能になります。
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「M.2 XPANDER-AERO」や「ASUS HYPER M.2 X16 CARD」など1つのPCI-EスロットのPCI-E帯域を分割して複数のM.2スロットが増設可能な拡張ボードを使用する場合、通常は事前にBIOSから帯域分割の設定を手動で行う必要がありますが、「MSI MEG X299 CREATION(BIOS:110)」では該当するBIOS設定が用意されておらず、PCIEレーン分割の有無は自動化されているようです。
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「MSI MEG X299 CREATION」において「M.2 XPANDER-AERO」を使用する分には手軽で便利ですが、BIOS設定がないためサードパーティー製品の「ASUS HYPER M.2 X16 CARD」や「ASRock Ultra Quad M.2 Card」は使用できない可能性が高そうです。

下は「MSI MEG X399 CREATION」で「M.2 XPANDER-AERO」を使用した例ですが、BIOSから明示的に指定して、PCIE3.0x16帯域のPCIEスロットを4つのPCIE3.0x4に分割できます。同社でもBIOS設定の有無は製品によるようなので「MSI MEG X299 CREATION」でも同様の設定項目を用意して欲しいです。
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下は「MSI MEG X399 CREATION」の例ですが、実際に「M.2 XPANDER-AERO」を試してみたところ複数のM.2 SSDが正常に認識されました。
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「M.2 XPANDER-AERO」の6つのファン制御LEDはメーターのようにファン回転数に対して点灯する数が変化するのではなく、基板上温度センサーの温度に依存して温度が上がる毎に、青→緑→赤へと発光カラーが変化します。
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4枚のNVMe M.2 SSDをアイドル状態のまま放置するとファン制御LEDは青色に点灯し、「M.2 XPANDER-AERO」のファンノイズは43.4dB程度となりました。
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iometarを使用して「M.2 XPANDER-AERO」に設置した4枚のNVMe M.2 SSDでシーケンシャルリードのアクセスを行ったところ、4基のNVMe(PCIE3.0x4)接続M.2 SSDとしては理想的なトータル13GB/s~14GB/sの読み出し速度となりました。SSDの温度については「M.2 XPANDER-AERO」のヒートシンクによる冷却なら、最も発熱の大きいメモリコントローラーが50~60度以内に収まるようです。
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上の状態で20分ほど負荷をかけ続けたところ、ファン制御LEDが緑色になり、「M.2 XPANDER-AERO」のファンノイズは48dB程度となりました。競合製品の「ASUS HYPER M.2 X16 CARD」がファン動作時でファンノイズ48dB程度なので、2スロット占有の「M.2 XPANDER-AERO」はアイドル40dB以下、ロード44dB以下に収まっていて欲しかったというのが正直なところでした。
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MSI MEG X299 CREATIONの検証機材

MSI MEG X299 CREATIONを使用して検証機材と組み合わせてベンチ機を構築しました。MSI MEG X299 CREATION以外の検証機材は次のようになっています。
テストベンチ機の構成
CPU Intel Core i9 7980XE
18コア32スレッド (レビュー

CPUクーラー Fractal Design Celsius S36(レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM x3 (レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z Black
F4-4200C19Q2-64GTZKK(4枚を使用)
DDR4 8GB*4=32GB (レビュー
CPUベンチ用
ビデオカード
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
ファンレス (レビュー
システムストレージ
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー
OS Windows10 Home 64bit
電源ユニット Corsair HX1200i (レビュー
ベンチ板 STREACOM BC1 (レビュー

検証機材のCPUにはX299マザーボードで使用可能なIntel Core-X CPU最上位モデルで18コア36スレッドの「Intel Core i9 7980XE」を使用しています。検証機材のCore i9 7980XEはCPUダイとヒートスプレッダ間のグリスを液体金属グリスに塗り替えているので通常よりも低い温度で動作しています。
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Core i9 7980XE DelidCore i9 7980XE_Delid_ba

ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製MLCタイプ64層V-NANDのメモリチップを採用する18年最速のプロフェッショナル向け2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 PRO 256GB」を使用しています。Samsung SSD 860 PROシリーズは容量単価が高価ではあるものの、システムストレージに最適な256GBや512GBモデルは製品価格としては手を伸ばしやすい範囲に収まっており、Intel Core i9 CPU&X299のようなエンスー環境のシステムストレージ用に一押しのSSDです。
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Samsung SSD 860 PRO 256GB

「MSI MEG X299 CREATION」が対応する第9世代Core-Xは手動OCすると発熱がかなり大きくなるので大型簡易水冷CPUクーラーが推奨されますが、360サイズや240サイズなど120mmファンを複数搭載できるマルチファンラジエーター採用の簡易水冷CPUクーラーを使用するのであれば、超硬質かつ軽量な新素材「Sterrox LCP」の採用によってフレーム-ブレード間0.5mmの限界を実現させた次世代汎用120mm口径ファン「Noctua NF-A12x25 PWM」への換装もおすすめです。1基あたり4000円ほどと高価ですが、標準ファンよりも静音性と冷却性能を向上させることができます。
「Noctua NF-A12x25 PWM」を360サイズ簡易水冷に組み込む
Noctua NF-A12x25 PWM x3

CPUとCPUクーラー間の熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。使い切りの小容量から何度も塗りなおせる大容量までバリエーションも豊富で、性能面でも熱伝導効率が高く、塗布しやすい柔らかいグリスなのでおすすめです。



グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
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以上で検証機材のセットアップが完了となります。
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MSI MEG X299 CREATIONのBIOSについて

MSI MEG X299 CREATIONを使用した検証機の構築も完了したので動作検証とOC耐性のチェックの前にBIOSの紹介をします。(OSから日付調整する前にスクショを取っている場合、日付がおかしいですが無視してください。また内容的に差異のないものについては過去のスクショを流用しています。)

BIOSに最初にアクセスするとイージーモードというグラフィカルな画面が表示されます。パッと見の見栄えは良いのですが詳細モードでないと詳細設定ができないので「F7」キーを押してサクッと詳細モード移るのがおすすめです。右上には表示言語変更のプルダウンメニューがあります。MSIマザーボードはASUSの次くらいにしっかりとローカライズされているので日本語UIも使いやすいと思います。
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MSIのBIOS詳細モードでは「SETTING」「OC」「M-FLASH」「OC PROFILE」「HARDWARE」「BOARD EXPLORER」の6つのアイコンを選択することで中央のイラスト部分や画面全体に詳細設定項目が表示されるという構造になっています。キーボード操作も可能ですがマウス操作を重視したUIです。
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MSI MEG X299 CREATIONのBIOSにおいて設定の保存とBIOSからの退出は「SETTING」アイコンの「保存して終了」の項目内に存在します。ASUS、ASRock、GIGABYTEなどと違ってカーソルキーのみの移動で設定保存と退出関連の項目にサクッと移動できないのが少し不便に感じます。起動デバイスを指定して再起動をかける「Boot Override」機能があるのは使い勝手が良くて好印象です。
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19年1月現在、「MSI MEG X299 CREATION」のサポートページでは最新BIOSとして「110(サポートページでは7C06v11と表記)」が公開されています。
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BIOSのアップデート方法は、まず下から最新のBIOSファイルをダウンロード、解凍してUSBメモリのルートに解凍フォルダを置きます。
サポート:https://jp.msi.com/Motherboard/support/MEG-X299-CREATION#down-bios

USBメモリを挿入したままBIOSを起動し、詳細モード左下の「M-FLASH」を選択します。「M-FLASH」モードはBIOSとは完全に別で用意されており再起動するか尋ねられるので再起動します。ただし手動でOCを行っている場合は「M-FLASH」を選択しても一度設定をデフォルトに戻して再起動がかかるので、再度BIOSに入って「M-FLASH」を選択する必要があるようです。
MSI MEG X299 CREATION_BIOS_5aMSI MEG X299 CREATION_BIOS_5b
再起動して「M-FLASH」に入ったら下のようにUSBメモリ内のBIOSファイルを選択してアップデートを実行すればBIOSのアップデートが完了します。なおBIOSアップデート後は自動でBIOSへ入らないので注意してください。アップデート後は自動でBIOSに入って欲しいです。
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なおMSI MEG X299 CREATIONはマルチBIOSに対応しているのでメインかバックアップのどちらかのBIOSがデータ的に破損していて一方が正常な場合は「M-FLASH」の最終確認で次のような表示が出るので、復旧したいBIOSにスイッチを切り替えてください。
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BIOSアップデート手順を動画で撮影したので参考にしてください。



ブートとOSインストール周りについて紹介します。
MSI MEG X299 CREATIONのブートデバイス関連の設定は「SETTING」アイコンの「ブート」という項目にまとめられています。
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「Boot mode select」はデフォルトでは「UEFI&Legacy」になっていますが、Windows10ユーザーは基本的にUEFIしか使用しないのでUEFIに固定してしまうのがおすすめです。
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起動デバイスの優先順位は「FIXED BPPT ORDER Priorities」という項目で、ハードディスクやDVDドライブなど大別した優先順位が設定可能となっており、その下にある「〇〇 Drive BBS Priorities」で同じ種類のデバイスについて個別の起動優先順位の設定を行えます。
一般的にはWindows OSの入った「UEFI:HardDisk:Windows Boot Manager(〇〇)」を最上位に設定して、その他の起動デバイスは無効化しておけばOKです。
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Windows 10 OSのインストール手順(BIOSにおける設定)についても簡単に紹介しておきます。
Windows 10のOSインストールメディア(USBメモリ)については「FIXED BPPT ORDER Priorities」では「UEFI USB Key:UEFI: 〇〇」という名前になります。「UEFI USB Key:UEFI: 〇〇」を起動優先順位の最上位に設定してください。ちなみにWindows10の製品パッケージに付属するUSBメモリではUEFIで認識できないトラブルが発生することがあるようなのでそういうときはこちらの記事に従ってMS公式ツールを使用して適当なUSBメモリでOSインストールメディアを作成すると上手くいきます。
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起動優先順位でインストールメディアを最上位に設定したら設定を変更してBIOSから退出します。ただMSI MEG X299 CREATIONはブートデバイスを指定できるBoot Overrideを使用できるので直接OSインストールメディアを起動デバイスとして指定して再起動してもOKです。
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BIOSのアップデートやWindows OSのインストール方法を紹介したところで、MSI MEG X299 CREATIONのBIOS機能で管理人が気になったものをいくつかチェックしていきます。
ブート関連の設定項目としてパワースイッチの長押し起動で自動的にBIOSメニューに入る「GO2BIOS」という機能が用意されています。
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MSI MEG X299 CREATIONのファンコントロールや各種コンポーネント温度のハードウェアモニタリングはトップメニューの「HARDWARE」アイコンからアクセスできます。
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「MSI MEG X299 CREATION」のファンコン機能は下のスクリーンショットのようにグラフィカルUIによる設定のみで他社製品のようなコンソールで値を打ち込むようなメニューは存在しません。またファンコンカーブの設定にはマウス操作が必須です。
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「MSI MEG X299 CREATION」にはモニタリング可能な温度が12種類もあり、T_SEN 1は付属の温度センサーや、市販の2PIN温度センサーによって増設された外部温度センサーの温度を示しています。
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「MSI MEG X299 CREATION」に搭載された10基のファン端子については、いずれも個別にファン制御モードをPWM制御とDC制御から選択でき、ファンコントロールソース温度やヒステリシス(Step Up/Down Time)の設定もできます。
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「MSI MEG X299 CREATION」に搭載されたファン端子のうちCPUファン端子、PUMP端子、ケースファン端子_1~4の6つはファンコンソース温度として、CPU温度、MOS(VRM電源)温度、PCH(チップセット)温度、T_SEN 1温度などの7種類から選択できます。
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「MSI MEG X299 CREATION」に搭載されたファン端子のうちEXS_FAN_1~2の2基については、マザーボード上に設置された3基のM.2スロット付近の温度センサーM2_1~3以外を制御ソースに選択できないので若干使い勝手が悪いです。Smart Fan Modeを無効にして定速制御用のファン端子になると思います。
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MSI製マザーボードのファンコントロール機能はグラフィカルUIでわかりやすく設定できるよ、という機能になっています。直感的にわかりますし直打ちが苦手な人にはありがたい機能だと思います。ただ個人的にはコンソール直打ちが好きなので管理人がMSIマザボを敬遠してしまう理由の1つです。

あと細かいところですがBIOS内のスクリーンショットをF12キーで撮影できますがスクリーンショットファイルの名前がタイムスタンプではなく保存するUSBメモリのルートに存在するファイルで重複しない連番なのが少し使い難かったです。間違って上書き保存してしまうことがあるのでタイムスタンプにして欲しい。



イルミネーション操作機能「MSI Mystic Light」について

「MSI MEG X299 CREATION」はマザーボード備え付けのLEDイルミネーションやRGB対応汎用4PIN/アドレッサブルRGB対応汎用3PINイルミネーション機器を操作可能なライティング制御機能「MSI Mystic Light」に対応しています。
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MSI MEG X299 CREATIONにはマザーボード備え付けのLEDイルミネーションとしてリアI/Oカバーとチップセットクーラーの2か所にアドレッサブルLEDイルミネーションが実装されています。
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MSIのライティング制御機能「MSI Mystic light」による操作に対応した汎用4PIN LEDヘッダーがマザーボードの左下に設置されています。当サイトでもレビュー記事を掲載しているLEDテープ「SilverStone SST-LS02」やLEDファングリル「Phanteks Halos Lux RGB Fan Frames」などが接続可能です。
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アドレッサブルLEDテープに対応したVD-G型3PINヘッダーがメモリスロットとリアI/Oカバーの間と、マザーボード左下の2か所に実装されています。
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「MSI MEG X299 CREATION」で使用可能なアドレッサブルLEDテープとしては国内で発売済みの「BitFenix Alchemy 3.0 Addressable RGB LED Strip」や「ASUS ROG ADDRESSABLE LED STRIP-60CM」が動作することが確認できています。
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またCorsair製のLEDイルミネーション機器が接続可能な独自規格の3PINヘッダーもATX24PIN端子のすぐ傍に実装されており、「Corsair RGB Fan」や「Corsair Lighting PRO LEDストリップ」を接続して、MSI Mystic Lightでライティング制御が行えます。
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MSI Mystic Lightに対応する機器についてはMSIの公式ページで一覧が公開されています。
MSI Mystic Light対応機器:https://jp.msi.com/Landing/mystic-light-motherboard#mystic
MSI Mystic Light_goods

LEDイルミネーション搭載メモリについては当サイトでもレビュー記事を公開している「HyperX Predator RGB」や「Corsair VENGEANCE RGB PRO」が「MSI Mystic Light」に対応しています。
HyperX Predator RGB Corsair VENGEANCE RGB PRO

イルミネーション操作機能「MSI Mystic Light」は単独のアプリケーションとして配布されており、公式ページからダウンロードして起動すると次のようなウィンドウが表示されます。3代目のメジャーアップデートとなる現行バージョンではMSI Mystic LightのUIがかなり使いやすくなっています。
MSI Mystic light (1)
「MSI Mystic Light」のトップメニューでは緑線で囲った部分で全体の同期設定や個別設定時の設定部位が選択できます。画面左の青線で囲った部分から発光パターンが選択できます。静的発光など発光パターンについてはオレンジ線で囲った部分からカラーパレットで発光カラーが設定でき、カラー固定の発光パターンでも変化スピードや明るさが設定できます。画面右のマザーボード写真がそのままライティングのプレビューになっているので設定がさらに容易になっています。
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選択可能な発光パターンは30種近くと非常に豊富です。
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MSI MEG X299 CREATIONのOC設定について

MSI MEG X299 CREATIONを使用した場合のオーバークロックの方法を紹介します。
なおオーバークロックはメーカー保証外の行為であり製品の破損やデータの消失もすべて自己責任となります。オーバークロック検証時は最小構成(CPU、マザーボード、メモリ、システムストレージ、グラフィックボード)以外は基本的にすべて外し、可能ならOC検証用のシステムストレージを用意するなど細心の注意を払ってください。


MSI MEG X299 CREATIONではオーバークロック関連の設定項目はトップメニューの「OC」アイコンに各種設定がまとめられています。下にスクロールしていくと概ね「コアクロック→メモリ→電圧」の順番で並んでいます。設定値を直接入力する項目でデフォルトの「Auto」に戻す場合は「a」キーを入力すればOKです。
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OCメニューのトップには「OC Explore Mode」という項目があり一般的なOC設定の可能な「Normal」モードに加えて、一部の高度なOC設定項目を解除できる「Expert」モードがあります。多くのMSI製マザーボードでは標準で「Normal」モードが選択されていますが、「MSI MEG X299 CREATION」では「Expert」モードが標準設定になっています。今回は「Expert」モードで紹介していきますが、基本的なOC設定は「Normal」モードでも十分行えるので初心者は無理せず「Normal」モード推奨です。
MSI MEG X299 CREATION_BIOS_OC_2


CPUコアクロック(コア倍率)の変更について説明します。
コアクロックはコア数に対して各コアに最大動作クロック(BCLKに対する倍率)を指定できます。「コア0:コア1:コア2:コア3」を倍率として、例えば「45:43:43:42」のようにバラバラに指定した場合、4つのコアのうち1つに負荷が掛かる場合は4コアのうち1つが45倍動作、2つと3つの場合は43、4つの場合は42となります。

ユーザーがCPUのOCを行う場合は通常、全コアの最大倍率を一致させると思いますが、同マザーボードの場合は「CPU Ratio(CPU動作倍率): 45」と設定することでデフォルトのBCLK(ベースクロック)が100MHzなのでその45倍の4.5GHzで動作します。
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「Expert」モードでは「CPU Ratio Apply Mode」という設定項目が表示されて、全コアに共通の最大動作倍率を設定する「All Core」モードに加えて、負荷がかかっているコア数に対して最大動作倍率を設定可能な「Turbo Ratio」モードや各コアに対して動作倍率を個別設定可能な「Per Core」モードを選択できます。
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「All Core」モードや「Per Core」では通常、CPUコア負荷率に応じて動作倍率を下げる省電力機能が働きます。「MSI MEG X299 CREATION」では、「CPU Ratio Mode」の設定項目から省電力機能による動作倍率の変動が発生する「Dynamic Mode」に加えて、指定の最大動作倍率に張り付き動作となる「Fixed Mode」を選択できます。
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キャッシュ動作倍率にあたる「メッシュ動作倍率(BIOS:110ではRing Ratioと表記されています)」を変更可能です。CPUコアクロック同様にベースクロックに対する動作倍率でメッシュの動作周波数を設定できます。
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CPUクロック動作倍率の下にある「CPUベースクロック(CPU Base Clock)」の項目ではその名の通りベースクロック(BCLK)を変更可能です。デフォルトでは100MHzに固定されていますが、設定値を直打ちすることで70~655.25MHzの範囲内で0.025MHz刻みで設定できます。CPUコアクロックはBCLKに対する動作倍率で設定されるのでBCLK110MHz、動作倍率45倍の場合はコアクロック4.95GHz動作となります。ただしBCLKを使用したOCはかなり上級者向けなので通常はAutoか100MHzが推奨です。
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「CPU Base Clock Apply Mode」ではBIOS設定を保存してから退出して再起動後にBCLKの変更を適用する「Next Boot」とリアルタイムで設定変更を反映させる「Immediate」の2つのモードを選択できます。
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その他にもBCLK設定の下にある「Clockgen Features」を選択するベースクロックに関する詳細な設定項目が表示されます。管理人のOCerレベルではよくわかりませんが上級者にとっては嬉しい機能かも。
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続いてコア電圧の調整を行います。
電圧設定の予備知識としてIntel 第9世代Core-X CPUでは統合電圧レギュレータ(FIVR)がCPU上に実装されており、マザーボードのVRMから供給されるCPU全体への電圧を源泉にして、CPU各コアやメッシュなど個別のユニットに対して異なる電圧レールで電力が供給されます。CPU全体への電圧(1.800~1.900V程度)とCPUコアへの電圧(1.000~1.300V程度)は似た名前で別の設定項目として用意されているので電圧設定を行う際は間違えないように注意して下さい
Intel-FIVR

CPUコアクロックのOCに関連する電圧設定としては、MSI MEG X299 CREATIONでは「CPUコア電圧(CPU Core voltage)」の項目を変更します。「VCCIN Voltage」という項目もありますがこちらは上で説明したようにCPU全体への入力電圧なので基本的にAutoのままで放置してください。
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CPUコアとメッシュ電圧はNormalモードでは固定モード(Override Mode)ですが、Expertモードを選択している場合は「CPU Core/Ring Voltage Made」の設定項目が表示されてコアクロックに電圧が比例するAdaptive ModeやOffset Modeを選択可能になります。
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MSI MEG X299 CREATIONでコアクロックのOCを行う場合、CPUコア電圧の設定については設定が簡単で安定しやすいので固定値を指定するOverrideモードがおすすめです。OverrideモードではCPUコア電圧にマニュアルの設定値を0.01V刻みで指定します。
10コア20スレッドのCore i9 9900Xや12コア24スレッドのCore i9 9920XをOCする場合のCPUコア電圧の目安としては1.250V程度が上限になると思います。18コア36スレッドのCore i9 9980XEなど上位モデルの場合は発熱がさらに大きいので1.150V程度が上限になります。
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CPUコア電圧モードについて簡単に説明すると、オフセットモードやアダプティブモードはCPU負荷に比例して電圧が設定されており、低負荷時は電圧が下がるので省電力に優れるのですが、OCをする場合はマザーボードによって挙動に差があり安定する設定を見極めるのが難しいので、個人的にはオフセットやアダプティブは定格向け、OCには固定値適用の固定モードを推奨しています。
仮にOCでオフセットやアダプティブを使う場合も最初はコアクロックに対して安定する電圧を見極める必要があるので、まずは固定モードを使用します。
ちなみにマザーボードにより対応しているモードは異なりますが、CPUのオーバークロックに付随するコア電圧のモードの概略図は次のようになっています。
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Intel Core-X CPUのキャッシュクロックにあたるメッシュクロックをOCする場合は、CPUコア電圧とは別に「CPUメッシュ電圧(BIOS:110ではCPU Ring Voltageと表記されています)」を設定します。CPUメッシュ電圧を盛るとCPUコア電圧とは独立に発熱が増える(CPU温度が上がる)ので注意してください。CPUメッシュ電圧もCPU電圧同様にNormalモードではマニュアルの設定値を0.01V刻みで指定して入力する固定モードが採用されています。
CPUキャッシュ電圧の目安としては定格メッシュ周波数の2400MHzでは0.900V程度、3200MHzまでOCすると1.200V程度が要求されます。
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またコアクロックを高く設定する時に追加で変更するといい電圧設定項目として「DigitALL power」がCPUコア電圧の設定欄の直上にあります。
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「DigitALL power」内で特に調整した方がよい項目として「CPUロードラインキャリブレーション」があります。CPUロードラインキャリブレーションはCPU負荷時の電圧降下を補正してOCを安定させる機能です。補正の強度としてMode1~Mode8まで設定可能となっており、Mode1を補正最大として、添え字の数字が小さくなるほど補正が強くなります。補正を強くするほどOCの安定性は増しますがCPUの発熱も大きくなるので、Mode3あたりを最初に使っておいて、ストレステストのCPU温度をチェックしながら補正を調整するのがおすすめです。
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またOC設定の下の方にある「CPU Feature(CPU機能)」の下層には「短時間電力制限(Short Duration Power Limit)」「長時間電力制限(Long Duration Power Limit)」という2つの電力制限機能があり、電力制限がかかる閾値(単位はW)と電力制限がかかるまでの時間を設定できます。電力制限がかかるとその指定電力内に収まるようにコアクロックに制限がかかります。デフォルトの状態では「Auto」になっていますが、MSI MEG X299 CREATIONではパワーリミットが掛からないように勝手に設定してくれるので放置でも問題ありません。基本的に一定消費電力以内に収めるための省電力機能(+若干のシステム保護機能)と考えてください。
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メモリのオーバークロックについても簡単に紹介しておきます。
メモリの性能について簡単に言うと「動作クロックが高く」「タイミングが小さい」ほど性能は高くなります。そのためメモリOCを手動で行う手順を簡単にすると「電圧を上げて動作可能なクロックを探し」、「そのクロックにおいて正常に動作する最小のタイミングを探る」という2つの手順を繰り返すことになります。
一方でXMPによるメモリOCは上の手順によるOCをメーカー側がすでに行い動作確認をしているので、メーカーが動作確認を行ったOCプロファイルを適用するだけで簡単にメモリをオーバークロックできます。

メモリOCではPOSTすらクリアできずBIOSに到達できないことも少なくありませんが、「MSI MEG X299 CREATION」では正常にPOSTできないメモリOC設定でエラーが出た場合は数回再起動した後、自動で2133MHzのような緩い設定で起動してくれるのでメモリOCを安心して行えます。

MSI MEG X299 CREATIONでは「Extreme Memory Profile(X.M.P)」という項目をEnabledに設定することでXMPによるメモリのオーバークロックが可能です。
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XMPを使用せず、「DRAM Frequency(DRAM周波数)」の設定値がAutoになっている場合は、使用するメモリにSPD情報として収録されている動作クロック2133~2666MHzなど周波数およびタイミングによる定格動作となります。
手動でメモリ周波数を設定する場合は「DRAM Frequency」の項目でプルダウンメニューから最大4400MHzまでの動作クロック(倍率)設定が可能です。
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メモリタイミングの個別打ち込み設定も可能です。メモリタイミングを手動で設定する場合は基本的には「CAS Latency (tCL)」、「RAS to CAS (tRCD)」、「RAS Precharge (tRP)」、「RAS Active Time (tRAS)」の主要な4タイミングと、加えて「Refresh Cycle Time (tRFC)」と「Command Rate:1 or 2」の6つ以外はAutoのままでいいと思います。
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DDR4メモリの周波数OCを行う際は「DRAM CH AB/CD Voltage」の項目を、3000MHz以上にOCする場合は1.300~1.350V、3800MHz以上にOCする場合は1.370~1.400Vに上げる必要があります。メモリをOCする場合は最初から1.350V以上にDRAM電圧を盛っておくのがおすすめです。
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X299環境のクアッドチャンネルでメモリのオーバークロックを行う場合、高メモリクロックでタイミングを詰めていくとPOSTをクリアできても4枚or8枚のうち一部しかメモリが認識されないままPOSTクリアしてWindowsが起動する場合があります。CPU-ZやAIDA64メモリベンチで32GB、クアッドチャンネルと誤表示されるため、メモリOC後に全てのメモリモジュールが正常に動作しているか確認する場合はタスクマネージャーの「パフォーマンス-メモリ」から装着した容量が表示されているかを見てください。
memory OC check
ここで正常にメモリ容量が表示されない場合はメモリ周波数を下げる、タイミングを緩める、メモリ電圧を盛るなどOC設定の見直しが必要です。

Intelの前世代エンスー向けCPU Broadwell-Eではメモリ周波数を3200MHz以上にOCする場合は「VCCSA(CPU SA Voltage)」を1.200V前後に盛ると動作が安定したのですが、Core i9 7900XやCore i9 9900Xで管理人が確認した限りでは定格の0.900V前後のままで問題ありませんでした。
あと今のところX299環境では不具合を確認できていませんが、メモリのオーバークロックでPCI-E拡張カードの検出不可やオンボードUSB端子の干渉などが発生する場合は「電圧設定」にある「VCCIO(CPU IO Voltage)」や「チップセット電圧(PCH Voltage)」を盛ると安定するかもしれません。
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MSI MEG X299 CREATIONの動作検証・OC耐性

BIOS周りの管理人的に気になるところの紹介はこのあたりにしてMSI MEG X299 CREATIONを使用した検証機で具体的に動作検証とOC耐性をチェックしていきます。

まずはFast Bootとフルスクリーンロゴを無効にしてOSの起動時間を測定したところ、MSI MEG X299 CREATIONの起動時間は38秒ほどした。多機能なエンスー向けマザーボードの宿命ですがPOST時間に時間がかかっているので起動時間は遅めです。



「MSI MEG X299 CREATION」にCore i9 7980XEを組み込んだ場合のBIOS標準設定における動作についてですが、Intel Extreme Tuning Utilityから確認したところ、2コアまでは44倍、全18コアで34倍の動作倍率になっており、CPUコア動作倍率は仕様値通りです。一方でXTUから確認できる電力制限については長期間電力制限と短期間電力制限の両方が標準では無効化されていました。
MSI MEG X299 CREATION_7980XE def_XTU
XTUから読み取れる設定では電力制限が550Wに引き上げられて実質的に無効化されていましたが、実際に負荷をかけてみると、Core i9 7980XEにはTDP165Wの制限が正常に効いて、全コア動作クロックは実動平均3.0GHz程度となりました。ただし電力制限参照値のCPU Package Powerが20~40W程度低い値を示してしまうので、手動設定による電力制限を上手く適用することができませんでした。
MSI MEG X299 CREATION_7980XE def (1)MSI MEG X299 CREATION_7980XE def (2)
今回の検証においては「MSI MEG X299 CREATION」ではCPU Package Powerが正常に参照できないので上手く設定ができませんでしたが、通常は下のようなBIOS設定によってBy Core Usage最大動作倍率および電力制限を適切に設定すれば、Intelの仕様に通りの定格動作や電力制限を重視した手動設定で運用することが可能です。
MSI MEG X299 CREATION_7980XE def_BIOS (1)MSI MEG X299 CREATION_7980XE def_BIOS (2)MSI MEG X299 CREATION_7980XE def_BIOS (3)


続いてMSI MEG X299 CREATIONを使用した場合のCPUとメモリのオーバークロック耐性をチェックしてみました。
なおオーバークロックはメーカー保証外の行為であり製品の破損やデータの消失もすべて自己責任となります。オーバークロック検証時は最小構成(CPU、マザーボード、メモリ、システムストレージ、グラフィックボード)以外は基本的にすべて外し、可能ならOC検証用のシステムストレージを用意するなど細心の注意を払ってください。


Core i9 7980XEのOC設定は「CPUクロック倍率:44」「CPUコア電圧:1.100V(固定モード)」「CPU動作倍率モード:固定モード」「メッシュ倍率:30」「メッシュ電圧:1.100V(固定モード)」「CPU SVIDサポート: Disabled」「ロードラインキャリブレーション: Level3」「メモリ周波数:3600MHz」「メモリ電圧:1.360V」「メモリタイミング:17-17-17-37-CR2」としています。
MSI MEG X299 CREATION_7980X_OC test_BIOS (1)MSI MEG X299 CREATION_7980X_OC test_BIOS (2)
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上の設定を適用したところ問題なくOSを起動させることができました。
MSI MEG X299 CREATION_7980X_OC test_1
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Intel Core-X環境ではメモリ周波数のオーバークロックや、メモリモジュールの4枚刺しor8枚刺しによって、CPUコアクロックOC時に要求されるコア電圧も上昇するようです。一例として『4枚組、4000MHz』>『4枚組、3600MHz』>『8枚組、4000MHz』のような感じでCPUコア電圧の要求値が上がりました。8枚刺しよりも4枚刺しのほうがメモリのレイテンシが小さくなって高速な動作になるので、メモリモジュールの枚数がCPUコアクロックにも影響が与えるのではないかと思います。

メモリ周波数を上げるとCPU電圧に影響があるので上のOC設定ではCPUコアクロックを上げるためメモリ周波数を3600MHzに抑えていますが、MSI MEG X299 CREATIONの環境(BIOS:110)でメモリ周波数を4000MHzにOCしてメモリタイミング:17-17-17-37-CR2に詰めることができました。
MSI MEG X299 CREATION_7980X_OC test_Rumtest

18コア36スレッド「Intel i9 7980XE」のコア4.4GHz/メッシュ3.0GHz、メモリ周波数3600MHz、メモリタイミング17-17-17-37-CR2でCinebenchも問題なくクリアできました。
MSI MEG X299 CREATION_7980X_OC test_cinebench

続いてこのOC設定を使用してストレステストを実行しました。
検証方法については、FF14ベンチマークの動画(再生時間7分、4K解像度、60FPS、容量5.7GB)でAviutl+x264を使ってエンコードを行いました。エンコード時間はCore i9 7980XEの場合10分ほどなので同じ動画のエンコードを3つ並列して2周実行しています。テスト中のファン回転数は一定値に固定しています。
注:CPUのストレステストについてはOCCTなど専用負荷ソフトを使用する検証が多いですが、当サイトではPCゲームや動画のエンコードなど一般的なユースで安定動作すればOKとういう観点から管理人の経験的に上の検証方法をストレステストとして採用しています。
Core i9 7980XE_Test

ストレステスト中のCPU温度とCPU使用率のログは次のようになりました。マザーボードにMSI MEG X299 CREATIONを使用することでCore i9 7980XEを全コア同時4.4GHz、メッシュ3.0GHz、メモリ3600MHzにOCしてストレステストをクリアできました。CPUクーラーのファン回転数は1600RPMで固定しています。VRM電源温度のソフトウェアモニタリング値も120mmファンをスポットクーラーとして1500RPMで回しているとはいえ、500W級の負荷に対して60度未満という抜群の冷え具合です。
MSI MEG X299 CREATION_7980X_OC test_stress


スマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE Pro」(レビュー)を使用してMSI MEG X299 CREATIONのVRM電源温度をチェックしてみました。
まずは同マザーボードにおけるデフォルト設定で負荷をかけてからVRM電源温度を測定してみました。MSI MEG X299 CREATIONにおいてデフォルト設定とするとCore i9 7980XEはTDP165Wの制限がかかるのでVRM電源周りの発熱についても控えめであり、簡易水冷CPUクーラーでVRM電源周りに直接風の当たらないパッシブ空冷の環境でも、VRM電源温度は50度前後に収まりました。十分に温度が低いので定格~全コア3.4GHz程度の動作ならパッシブ空冷でも余裕で運用できそうです。
MSI MEG X299 CREATION_FLIR_7980XE_def (1)

続いてCore i9 7980XEを上記のBIOS設定でOCした時の負荷テスト中の温度をチェックしていきます。MSI MEG X299 CREATION環境でCore i9 7980XEを4.4GHzまでOC、かつメモリも3600MHzにOCするとシステム全体(ほぼCPU)の消費電力が450~470Wに達します。
MSI MEG X299 CREATION_7980X_OC test_power
同マザーボードに限った話ではありませんが、Intel Core-X CPUでCore i9 9900Xなど10コア以上のモデルをOCする場合はスポットクーラーを使用してVRM電源部分の冷却推奨です。VRM電源の温度が一定値を超えると保護機能が起動してコアクロックが強制的に下げられます。
MSI MEG X299 CREATION review_05693
Core i9 7980XEを大幅にOCするとパッシブ空冷のままではシンドイ負荷になることはわかっていたので、最初からスポットクーラーでVRM電源に風を当てたケースについてチェックしていきます。スポットクーラーとして120mmファンを1500RPMで回すことによって、Core i9 7980XEを全コア4.4GHzにOCして長時間負荷をかけてもVRM電源温度は70度前半に収めることができました。ソフトウェアモニタリング値でもVRM電源温度は平均70度、最大74度だったので結果はほぼ一致しています。
初期X299マザーボードで同等の負荷をかけるとスポットクーラーを使用していてもVRM電源は90~100度に達して水冷化が必須に思えましたが、「MSI MEG X299 CREATION」のVRM電源ならスポットクーラーによるアクティブ空冷でCore-X上位モデルの常用限界OCに対応できます。
MSI MEG X299 CREATION_FLIR_7980XE_OC_SC_EPSx2 (1)
最後に、「MSI MEG X299 CREATION」にはEPS電源端子が3基搭載されており、上の検証では一般的なハイエンド電源ユニットで対応可能な2基を接続して検証していますが、3基接続したケースについても同様に測定を行いました。
Core i9 7980XEを上と同じ設定でOCして負荷をかけたところ、EPS電源端子を3基使用してもVRM電源回路の温度分布に有意な差は確認できませんでした。 簡易水冷やDIY水冷で運用可能なCPU電力負荷500W程度であればEPS電源端子は2基で十分ですし、3基目のEPS電源端子についてはLN2極冷など極端なオーバークロックによる極端な負荷に対してEPS電源ケーブル1本あたりの電流量を分散させたい時に使うために実装されているのだと思います。
MSI MEG X299 CREATION_FLIR_7980XE_OC_SC_EPSx3 (1)

「MSI MEG X299 CREATION」環境において第9世代Core-Xで全コア4.0GHzオーバーの大幅なオーバークロックをする場合、スポットクーラーを使用するのであれば、可変アルミニウム製ファンフレームでVRM電源を狙って設置が容易な「IN WIN MARS」がおすすめです。
可変アルミフレーム搭載ファン「IN WIN MARS」をレビュー
IN WIN MARS



MSI MEG X299 CREATIONのレビューまとめ

最後に「MSI MEG X299 CREATION」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 「爆発(Explosion)」を模したブラック&シルバーのクールなデザイン
  • マザーボード備え付けのアドレッサブルなLEDイルミネーションが綺麗
  • 外部ノイズEMIから保護するための金属シールド「DDR4 Steel Armor」
  • 重量級グラボにも耐えるメタルアーマー採用PCI-Eスロット「MSI PCI Express Steel Armor slots」
  • 18コアCore i9 7980XE 4.4GHz、メモリクロック3600MHz OCで安定動作
  • メモリ周波数4000MHz&CL17-17-17-37-CR2で安定動作
  • 7980XEの4.4GHz OCでもスポットクーラーを使えばVRM電源温度は70度前後に収まる
  • 外部センサー対応で水温ソースのファンコンも可能なので水冷PCにも最適
  • スタート・リセットスイッチなど動作検証に便利なオンボードスイッチ
  • 大型SSDヒートシンク「M.2 SHIELD FROZR」が付いた3基のNVMe対応M.2スロット
  • 高速NVMe接続対応のU.2端子が1基設置されている
  • 2スロット占有大型クーラー搭載M.2 SSD 4枚刺し拡張ボードM.2 XPANDER-AEROが付属
  • リアI/Oの有線LAN端子に2.5Gbpsイーサを搭載
  • Thunderbolt3端子を2基増設可能な拡張ボードが付属、DP Alt Modeのビデオ出力にも対応
悪いところor注意点
  • Core-Xの大幅なOC時はスポットクーラーの併用を推奨
  • 多機能マザーボードなので起動時間は少々遅め
  • PCIEレーン分割をBIOSから指定できない(BIOS:110)

「MSI MEG X299 CREATION」はMSIのエンスージアスト向けシリーズMEGからリリースされ、その名の通りプロフェッショナルクリエイターにも最適なモデルとなっています。最大で18コア36スレッドとなる第9世代Core-Xの大幅なOCにも対応できる高耐久・低発熱な14フェーズVRM電源回路を搭載するだけでなく、リアI/Oに標準で2.5Gbイーサを搭載し、拡張ボードとしてNVMe M.2 SSDの4枚刺しに対応した「M.2 XPENDER AERO」や2基のThunderbolt3端子を増設可能な「Thunderbolt M3」が標準で付属するなど、後期X299マザーボードのフラッグシップモデルに相応しい多機能ハイエンドなマザーボードでした。

BIOSデザインについては好みの問題かと思いますが、MSI MEG X299 CREATIONではマウス&キーボード環境を想定したグラフィカルなUIが採用されており管理人的には少し使いづらいと感じてしまいました。個人的にMSIマザボを敬遠してしまう理由の1つではあるのですが、グラフィカルUIが好きなユーザーにとっては嬉しい仕様だとも思うので個々人の好みで評価は分かれるところです。

「MSI MEG X299 CREATION」のBIOS標準設定でCore i9 7980XEを動作させるとTDP165W制限がちゃんと効いて、おおむねIntel公式仕様値通りの動作となっています。TDP165W動作であればCore-X上位モデルでも120サイズ冷却ファンの空冷/簡易水冷CPUクーラーで問題なく運用できるので、「MSI MEG X299 CREATION」は第9世代Core-XでPCを組む時に初心者にもお勧めできるマザーボードだと思います。

MSI MEG X299 CREATIONを使用した検証機では18コア36スレッドのIntel Core i9 7980XEを全コア4.4GHzに、メモリ周波数も3600MHzにオーバークロックして負荷テストをクリアすることができました。
マザーボードのOC耐性についてはCore i9 7980XEで全コア4.4GHzにオーバークロックして安定動作しています。またメモリ周波数を上げるとCPUコア電圧の要求値が上がるので上では3600MHzに抑えていますが、メモリOC耐性だけを見るとメモリ周波数4000MHzを達成しているので、CPUコア・メモリともにOC耐性については及第点は余裕でクリアしていると思います。

マザーボードのOC耐性を評価する上で重要なファクターになるVRM電源について、「MSI MEG X299 CREATION」は非常に優秀な冷え具合を発揮しており非の打ち所がありません。
Core i9上位モデルのOCにおいてコアクロックだけでなくキャッシュやメモリも大幅にOCする場合、EPS電源経由のCPU消費電力が500Wを超えるため、初期X299マザーボードでは各社の最上位クラスの製品でさえ、スポットクーラーによるアクティブ冷却を追加しても空冷冷却ではVRM電源が90~100度に達し、水冷が必須というかなり厳しい結果でした。しかしながら「MSI MEG X299 CREATION」ではその強烈なVRM電源負荷に対しても、スポットクーラーによるアクティブ空冷だけでVRM電源温度を70度前後に収めることができました。

「MSI MEG X299 CREATION」には3基のEPS電源端子が実装されていますが、簡易水冷やDIY水冷のCPUクーラーで対応可能な500WクラスのCPU電力負荷であればEPS電源端子は2基使用すれば十分です。3基目のEPS電源端子を使用すればEPS電源ケーブル1本当たりの電流量が分散出来ますが、2台目の電源ユニットが必要になるので、LN2極冷OCなど800~1000Wクラスの極端なCPU電力負荷がかかるシーンで活躍する機能だと思います。

以上、「MSI MEG X299 CREATION」のレビューでした。
MSI MEG X299 CREATION





X299シリーズのマザーボード販売ページ   
 <Amazon><TSUKUMO><PCショップアーク> 
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検証機材として使用している以下のパーツもおすすめです。



Noctua NF-A12x25 PWM 120mmファン 定格2000RPM PWM対応
Noctua NF-A12x25 ULN 120mmファン 定格1200RPM PWM対応
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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