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メイン機用水冷ラジエーターに使用しているMO-RA3 420 PRO Stainless Steelに搭載する冷却ファンをNoctua NF-A12x25 PWMの片面9基、両面プッシュプル18基構成へ換装したので簡単にレビューしていきます。

最初に、MO-RA3 420 PRO用純正オプションでは満足できなかったので色々とご縁のある汐見板金様(以下、敬称略)にダストフィルター付きで純正オプションと見紛うステンレス外装なファングリル&ファンマウンタを特注したのですが、これについては過去の記事があるので、気になる方はこちらを読んでください。
MO-RA3 420用の特注Noctua NF-A20 PWMファンマウンタ&グリルをレビュー
MO-RA3 420 PRO&Noctua NF-A20 PWM_00686MO-RA3 420 PRO&Noctua NF-A20 PWM_00680

詳しくは上の記事にお任せする形で割愛しますが、特注ファングリルは設計を依頼した段階で将来的にNoctua NF-A20 PWM以外の冷却ファンに換装すること想定していたので、ファンマウントプレートだけ個別に発注できる構造にしていました。換装するNF-A12x25 PWMも18個購入しています、これだけでミドルハイクラスのGPUが買えるお値段。
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なにはともあれメイン機と接続しているMO-RA3 420を取り外します。MO-RA3 420はクイックディスコネクトフィッティング「Koolance QD3」でメイン機本体と接続されています。
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メイン機の電源を切ってから、MO-RA3 420側のQDを切断するだけで、水路の分断してMO-RA3 420の取り外し完了です。
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ステンレススチール製のファングリルを取り外すと、Noctua NF-A20 PWMとファンマウントプレートが現れます。
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MO-RA3 420用の特注ファングリルでNoctua NF-A20 PWMを使用し始めてから1年半ほど1,2回フィルターに掃除機をかけた以外はノーメンテナンスでしたが、ファンフレームの内枠に合わせてラジエーターフィンに若干細かい塵が付いているのを除けば、大きな埃もなく綺麗なままでした。ダストフィルター付きファングリルを特注した甲斐があったというものです。
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ダストフィルターのおかげでラジエーターの掃除も簡単に済んだので、120mmファンを9基設置できる新しいファンマウントプレートを装着しました。
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MO-RA3 420に積む片面9個のNoctua NF-A12x25 PWMのファンケーブルは「aquacomputer SPLITTY9」でまとめて、同じくaquacomputer製のマルチコントローラーaquaero6と接続しました。
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「aquacomputer SPLITTY9」にはファン分岐基板に加えて、ファンコントロールソースと接続するための長さ700mmのケーブル、ファン分岐基板を固定するためのネジ&ナットとマジックテープ(両面テープ貼り付け済み)が付属します。
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「aquacomputer SPLITTY9」のファン分岐基板には背面や側面を覆うゴム製カバーが装着されいます。四隅にはネジ穴もあって付属のネジ&ナットで固定できますが、基板は絶縁されているので、PCケース等の金属板に直接固定しても大丈夫です。丁度いいネジ穴がなければ両面テープ貼り付け済みマジックテープで固定できます。
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今回管理人は「aquacomputer SPLITTY9」を固定するのにマジックテープを使いました。ファンケーブルをまとめるのに、これを使うのを思いついたのは新しいファンマウントプレートを発注した後だったので、ファンマウントプレートにaquacomputer SPLITTY9用のネジ穴を開ける設計にすればよかったとなと少し後悔も。ともあれマジックテープでもしっかりと固定できて、ファンマウントプレートの空きスペースにピッタリフィットでした。
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MO-RA3 420やMO-RA3 360を140/120mmファン9基の標準構成で使用しているユーザーはわかると思いますが、標準構成となる9基のファンを設置するとファン同士の間隔がキツキツになってファンケーブルの取り回しがかなり苦しくなります、特にファングリルも使用すると。
管理人も当初はNF-A12x25 PWMの140mm版が登場したらアップグレードできるように140mmファンに対応したファンマウントプレートを発注する予定だったのですが、設計を依頼した段階でファンスペースがかなりキツくなることが指摘されたので、120mmファン用のファンマウントプレートに変えました。実際に組んでみるとケーブルの取り回しスペースが十分に確保できたので、MO-RA3 420にNF-A12x25 PWMを9基設置するのは正解な構成だった気がします。
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あとはファングリルを装着したらファンの換装完了です。取り外しでも紹介したようにMO-RA3 420とPC本体はQDで接続されているので、分離した水路の再構築もワンタッチです。
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なお電力供給について注意点があり、NF-A20 PWMが最大電流0.08A(0.96W)に対して、NF-A12x25 PWMは最大電流0.14A(1.68W)となっており、NF-A20 PWM 8台をまとめても電流量は0.64A、合計は余裕で1A未満なので大抵のファンコンなら特に問題ないのですが、NF-A12x25 PWMは9台で1.26A、18台になると2.52A、まとめて接続した場合にファンコン側の出力が対応できるかどうか微妙なラインで、この辺は体当たり的な実験でした。
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管理人の環境ではMO-RA3 420の冷却ファンはAquacomputer Aquaero 6というマルチコントローラーでファン制御をしていたのですが、Aquaero 6のファン端子1基ごとの最大出力は2.5Aとなっており、3.0Aを超過するとOCPで出力が強制的に遮断される仕様になっていました。
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Aquaero 6のファン端子1基ごとの最大出力が2.5Aに対して、仕様値的にはNF-A12x25 PWMを18台まとめると2.52Aで若干超過してしまうのですが、実際に18台まとめて1つのファン端子に接続してみたところ、最大回転数は1800RPM程度で電流値も2A程度でした。
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また実用上はファンノイズ的に1800RPMのような高速回転数に上げることはないので、Aquaero 6のファンコンにある最大出力設定を80%にしています。というわけでNF-A12x25 PWMを18台まとめてAquaero 6のファン端子1基に接続できました。
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MO-RA3 420 PROに搭載する冷却ファンをNoctua NF-A12x25 PWMに換装する話はこのあたりにして、換装前後の冷却性能を簡単に比較してみたのでその結果を紹介します。
下の写真を見ても何となくわかると思いますが、MO-RA3 420に搭載する冷却ファンをNF-A20 PWMからNF-A12x25 PWMに換装するとファンブレード面の面積は減ります。具体的に軸径/ファンブレード径は、NF-A20 PWMが6.3cm/19.2cm、NF-A12x25 PWMが5.3cm/11.3cmとなっており、面積に換算すると、約10:7でファンブレードによって気流が生まれる部分の面積は減少します。
ただしNF-A20 PWMは最大800RPMに対して、NF-A12x25 PWMは最大2000RPMなので、回転数を盛れば面積比は十分カバーできるはず。
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比較を行うシステムは、CPUがCore i9 7920X(全コア4.5GHz OC)、GPUが先日水冷化レビュー記事を公開したNVIDIA TITAN RTX NVLink SLIの水冷化です。
NVIDIA TITAN RTXのNVLink SLIを水冷化OCレビュー
NVIDIA TITAN RTX NVLink SLI_Watercooled
検証負荷としてはTimeSpy Extreme グラフィックテスト1のループ再生を使用しているので、CPU使用率はあまり高くありませんが、TITAN RTXはAfterBurnerからパワーリミット114%、コアクロック+150MHz、メモリクロック+800MHzにオーバークロックしているので、システム全体の消費電力(電源の変換損込み)は950W前後になります。
Power

NF-A20 PWM 8基で冷やす場合、負荷を1時間ほどかけ続けたところ、ファン回転数は最大値800RPMになり、水温は38度前後、GPU温度は50度前後となりました。
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NF-A12x25 PWM 18基で冷やす場合、同様に負荷を1時間ほどかけ続けたところ、ファン回転数は1300RPMになり、水温は37度前後、GPU温度は50度前後となりました。
NF-A12x25 PWM x18_temp1
NF-A12x25 PWM 18基についてファン回転数を1200RPM前後に下げると水温は38度近くに上がりました。NF-A12x25 PWM 18基とNF-A20 PWM 8基のファンブレード面積比7:10、ファン回転数比12:8で冷却性能がほぼ一致しているので、妥当な結果かと思います。これまではフル負荷時にNF-A20 PWMの回転数が最大値の800RPMでしたが、NF-A12x25 PWMに変えて実用1200RPM、最大1800RPMで余裕が生まれたので、運用上の安心感は増したと思います。
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ちなみにファンノイズについてはNF-A12x25 PWM 18基 1200RPMで39.5dB、NF-A20 PWM 8基 800RPMで40.5dBでした。騒音値的にはほぼ同等です。強いて言えばNF-A20 PWMはファン径が大きく重低音でうなる感じなので、ノイズの不快感はわずかに改善された気がします、とはいえもともと静音性は高かったので些細な違いですが。
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以上、『MO-RA3 420にNF-A12x25 PWMを18基搭載!』でした。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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