「Crucial X10 Portable SSD 1TB / 8TB」をレビュー。2GB/sの高速アクセス対応モバイルSSDを徹底検証

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50mm×65mmmという指で摘まめるコンパクトサイズながら、USB 20Gbps接続によって最大2100MB/sの高速転送に対応、最大8TBの超大容量モデルもラインナップされるUSBモバイルストレージ「Crucial X10 Portable SSD」をレビューします。

「Crucial X10 Portable SSD 1TB / 8TB」をPCとUSB 20Gbpsで接続することによって、写真・動画の大容量データのコピー速度はどう変わるのか徹底検証していきます。

【機材協力:Crucial】

容量: 1TB / 2TB / 4TB / 6TB / 8TB
USB 20Gbps, QLC型
販売ページリンク
目次
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製品スペックや保証条件

「Crucial X10 Portable SSD」の製品スペック概要について簡単にまとめました。

製品公式ページ:
https://www.crucial.jp/ssd/x10/CT1000X10SSD9

製品スペックについて

「Crucial X10 Portable SSD」はUSB 20Gbps接続に対応したUSBモバイルストレージです。

USB 10Gbpsなど下位規格への互換性もあるので変換アダプタやケーブルを用意すればPCのUSB Type-Aポートでも使用できますが、USB規格の仕様として20Gbpsの通信に対応しているのはUSB Type-Cポートだけなので注意してください。

「Crucial X10 Portable SSD」は容量別で1TB、2TB、4TB、6TB、8TBの5モデルがラインナップされています。

「Crucial X10 Portable SSD」はUSB 20GbpsでPCと接続するので、最大でシーケンシャル読み出し 2100MB/sの高速アクセスを実現しています。

メーカーによる製品保証期間は3年間です。IP65の防塵性と耐水性、最高3メートルからの落下耐性といったモバイルストレージに必要な物理的耐久性も備えています。

「Crucial X10 Portable SSD」はUSB 20Gbpsに対応しているので最大帯域で、最新ゲーム機のPlayStation 5やXbox Series X|Sの外付けストレージとして使用できます。

ネイティブ対応タイトルの起動には非対応なものの、内蔵ストレージが満杯になった時にネイティブ対応タイトルのコピーインストール用バックアップ先として使用でき、後方互換タイトルであればインストール・起動も可能、スクリーンショットやビデオクリップの出力にも使用できるので、最新ゲーム機用の外付けストレージとしても最適な製品です。

なお、内蔵ストレージとしてHDDを搭載する旧型ゲーム機のPlayStation 4やXbox One Xの場合はゲームインストール先として使用できるだけでなく、ロード時間の短縮も期待できます。

製品データシート/表

「Nextorage G-Series HE」のデータシート/スペック一覧は次の通りです。

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Crucial X10 Portable SSD スペック一覧
容量1 TB
型番:CT1000X10SSD9
2 TB
型番:CT2000X10SSD9
4 TB
型番:CT4000X10SSD9
6 TB
型番:CT6000X10SSD9
8 TB
型番:CT8000X10SSD9
インターフェースUSB 20Gbps (USB3.2 Gen2x2)
Type-C
メモリコントローラーSilicon Motion SM2322 (非公式、サンプル機より)
メモリーMicron製 TLC型 176層3D NAND (非公式、サンプル機より)
連続読出2,100 MB/s
連続書込– MB/s
動作温度範囲
書込耐性*– TB– TB– TB– TB– TB
保証期間メーカー3年
外形寸法縦 50mm x 横 65mm x 厚さ 10mm
重量38g
物理耐久性能IP65の防塵性と耐水性
最高3メートルからの落下耐性

* 保証TBW:Total Byte Written

Crucial製モバイルストレージのラインナップ

Crucialからは今回レビューするX10以外に、2025年現在、X10 Pro、X9 Pro(For Mac)、X9の計4種類のUSBモバイルストレージが展開されています。

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X10 Pro
X10
X9 Pro
X9
容量1TB / 2TB / 4TB1TB / 2TB / 4TB / 6TB / 8TB1TB / 2TB / 4TB1TB / 2TB / 4TB
For Macラインナップなしラインナップなし出荷時にAPFSにフォーマット済み
ラインナップなし
インター
フェース
USB 20Gbps
Type-C
USB 10Gbps
Type-C
読出速度2100 MB/s1050 MB/s
書込速度2000 MB/s– (公称値なし)1050 MB/s– (公称値なし)
メモリタイプTLC型QLC型TLC型QLC型
外装アルミニウム金属製プラスチック製アルミニウム金属製プラスチック製
保証期間5年3年5年3年
USBバージョンや速度の表記について

USB規格の名称や転送速度について簡単にまとめておきます。

現在、最新バージョンのUSB表記では世代/バージョン/リンク数といった分かり難い記載は消え、単純に”USB 10Gbps”のように接続帯域がそのまま記載されています。

最新表記 ”USB ○Gbps”と同じ行の旧名USB接続は全く同じものと考えて大丈夫です。

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最新の名称とロゴ
パッケージ / コネクタ
帯域 /
理論実効速度
旧名とロゴ技術仕様
USB2.0480Mbps
48MB/s
USB 5Gbps5Gbps
500MB/s
USB3.2 Gen1
USB3.1 Gen1
USB3.0
USB 10Gbps10Gbps /
1.2GB/s
USB3.2 Gen2
USB3.1 Gen2
USB 20Gbps20Gbps /
2.4GB/s
USB3.2 Gen2x2
USB 40Gbps40Gbps /
4.8GMB/s
USB4 ver 1.0
USB4 Gen3x2
USB 80Gbps80Gbps /
9.6GB/s
USB4 ver 2.0
USB4 Gen4x2

USB外付けストレージの実際の転送速度は?

続きをクリックで展開

USB外付けストレージについては個別製品によって実際の性能は異なるものの、2025年現在、

  • USB 5Gbps : 約480MB/s
  • USB 10Gbps : 約1,100MB/s
  • USB 20Gbps : 約2,100MB/s

のように、USB 20Gbpsまでは帯域理論値に近い転送速度を発揮できるようになっています。

一方、ASMedia製USB4コントローラ ASM2464PDを搭載した外付けSSDやエンクロージャー(変換ケース)が2025年に発売したばかりで、今のところ、USB 40Gbps外付けストレージの実効性能は最大3.8GB/s程度です。

外観・付属品

まずは「Crucial X10 Portable SSD」の外観や付属品について紹介していきます。

紙製パッケージを開くと透明プラスチック製スペーサーに「Crucial X10 Portable SSD」のSSD本体とUSB Type-Cケーブルが収められています。

続いて「Crucial X10 Portable SSD」のポータブルSSD本体をチェックしていきます。

「Crucial X10 Portable SSD」は金属外装を採用する上位モデルのCrucial X10 Proと違って、上下面ともにプラスチック製です。天面の大部分はマットな表面加工ですが、外周部はツヤ出しになっています。

接続インターフェース

「Crucial X10 Portable SSD」の天面ロゴから見て左側面にはUSBケーブルを接続するためのUSB Type-C端子が実装されています。

USB 20Gbpsに対応したUSB Type-Cケーブルが付属しているのでホスト側にUSB Type-C端子があれば各自でUSBケーブルを用意する必要はありません。

USB規格の仕様として20Gbpsの通信に対応しているのはType-Cポートだけ

「Crucial X10 Portable SSD」はUSB 10Gbps(旧USB3.2 Gen2)など下位規格への互換性もあるので変換アダプタやケーブルを用意すればPCのUSB Type-Aポートでも使用できます。

持ち運びの便利さ、物理的な耐久性

「Crucial X10 Portable SSD」の製品寸法は縦50mm×横65mm×厚さ10mmです。小型スマートフォンの縦半分程度と非常にコンパクトかつ薄型です。

「Crucial X10 Portable SSD」の重量は約38gです。コンパクトなサイズだけでなく重量も非常に軽く、ポケットに入れていても存在感を感じません。

四角形でシャープな印象の強いデザインですが、外周は丸みのある縁取りになっているので、手で握った感触はソフトです。また天面のCrucialロゴから見て上下側面には凹みもあるので指先で持ち上げる時のホールド感も良好です。

X10 Proのように上下に貫通する形ではないのでサンプルイメージからは分かり難いですが、「Crucial X9 Portable SSD」にも天面のCrucialロゴから見て右上の角、側面にストラップホールがあります。

「Crucial X10 Portable SSD」はIP65の耐水・耐塵性能、および最高3メートルの耐落下性能を備えており、ハードな環境でも安心して持ち運ぶことができます。

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モバイルストレージの検証機材

「Crucial X10 Portable SSD」の各種検証を行うテスト環境を紹介します。

テストベンチ機の詳細

PCIE4.0/5.0に対応するAMD Ryzen 9 7950X&GIGABYTE X670E AORUS MASTERなどで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。

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SSDテストベンチ機の構成
CPUAMD Ryzen 9 7950Xレビュー
CPUクーラーFractal Design Celsius S36 レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM レビュー
システムメモリG.Skill Trident Z5 Neo
F5-6000J3038F16GX2-TZ5N
DDR5 16GB×2=32GB
レビュー
マザーボードGIGABYTE X670E AORUS MASTERレビュー
ビデオカードPNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8
Gaming VERTO EPIC-X RGB OC 3FAN
レビュー
システムストレージSamsung SSD 990 PRO 1TBレビュー
OSWindows 11 Pro 64bit 22H2
電源ユニットCorsair HX1500i 2022レビュー
ベンチ板STREACOM BC1レビュー

G.Skill Trident Z5 Neo RGB 【PR】

システムメモリの検証機材には、Ryzen 9000シリーズでも引き続きOCメモリのスイートスポットとアピールされている、メモリ周波数6000MHz/CL30の低レイテンシなメモリOCに対応した「G.Skill Trident Z5 Neo(型番:F5-6000J3038F16GX2-TZ5N)」を使用しています。

G.Skill Trident Z5 NeoシリーズはAMD EXPOのOCプロファイルに対応した製品なので、AMD Ryzen 9000/7000シリーズCPUで高性能なPCを構築するお供としてオススメのOCメモリです。
ARGB LEDイルミネーションを搭載したTrident Z5 Neo RGB、ラグジュアリーな外観のTrident Z5 Royal Neoといったバリエーションモデルもラインナップされています。

検証ストレージの接続場所と接続帯域

検証機材に使用しているマザーボード GIGABYTE X670E AORUS MASTERのリアI/OにはUSB 20Gbpsに対応したUSBポートがあります。

USBモバイルストレージ側の最大帯域がUSB 20Gbps以下、USB 10Gbps(旧 USB3.2 Gen2)やUSB 5Gbps(旧 USB3.0)など下方互換で対応できる製品は基本的にこのUBSポートに接続して検証しています。

検証ストレージのフォーマットについて

Windows OS機能でモバイルストレージをexFATにフォーマットする際、アロケーションユニットサイズを指定できます。

アロケーションユニットサイズとはデータ記録の最小単位です。
アロケーションユニットサイズが小さい方が物理容量を最大限使用できるのですが、4KBなど小さくすると、特にランダム性の高い書き込みアクセスにおいて大幅な速度低下が発生する傾向があります。逆に速くなるケースもあるものの、頻度も程度も小さい

当サイトのレビューでモバイルストレージを検証する場合、特に補足がなければ、exFAT形式、アロケーションユニットサイズは512KBに統一し、検証前に再フォーマットしています。

Windows11によるフォーマットの既定アロケーションユニットサイズはストレージ容量によって変わるのですが速度重視で2TB容量の既定サイズで統一しています。

基本仕様

「Crucial X10 Portable SSD」のWindowsボリューム容量、アウトボックス時のフォーマット状態など基本仕様について紹介します。

Windowsボリュームの容量

「Crucial X10 Portable SSD 1TB」のexFATボリュームをWindows 11上で作成したところ、空き容量は931GBでした。

「Crucial X10 Portable SSD 8TB」のexFATボリュームをWindows 11上で作成したところ、空き容量は7.27TBでした。

アウトボックス時のフォーマット状態と添付ファイル

「Crucial X10 Portable SSD 1TB」は最初からexFATにフォーマット済みです。初期状態でアロケーションユニットサイズは256KBでした。

「Crucial X10 Portable SSD 8TB」は最初からexFATにフォーマット済みです。初期状態でアロケーションユニットサイズは2MBでした。

後半のデータコピー検証でアロケーションユニットサイズは2MBと512KBの両方を試していますが、どちらも大差ない感じでした。お好みでOKだと思います。

「Crucial X10 Portable SSD」はアウトボックス状態でフォーマット済みとなっており、ボリュームの中には参考リンクやPDFファイルが入っていました。
ソフトウェア類など重要なもの、再取得が面倒なものは特にありません。

SLCキャッシュについて

「Crucial X10 Portable SSD」のSLCキャッシュ構造についても確認してみました。

1TBモデルのSLCキャッシュ

「Crucial X10 Portable SSD 1TB」はSLCキャッシュを超過すると書き込み速度が低下しますが、フォーマット直後の状態なら200GB程度のSLCキャッシュを使用でき、その範囲内なら読み書き1700MB/sの高速アクセスを維持できます。

QLC型NANDを採用したSSDなのでSLCキャッシュ超過後の書き込み速度低下はかなり大きく、120~150MB/sまで下がってしまいます。

「Crucial X10 Portable SSD」のSLCキャッシュ容量は空き容量に応じた可変容量で確保されます。

SLCキャッシュの開放条件が単純ではなく、評価が難しいのですが、空き容量別で検証したところ、400~500GBあれば100GB以上、300GBで50GB以上、200GB程度になると30GB程度をSLCキャッシュとして使用できました。

空き容量が300~500GBある状態ならSLCキャッシュ容量は実用的に十分ですが、空き容量が200GB程度の状態は動画等の大きいファイルを扱う場面で怪しくなります。

QLC領域の書き込み速度が120~150MB/sとかなり遅いようにSLCキャッシュの開放も時間がかかる印象でした
とはいえ通電状態で数時間おけば50GB程度は安定してSLCキャッシュを使える感じです。

SLCキャッシュ超過後の書込速度は非常に遅いので、扱うデータ量には注意が必要です。

数百GBの大容量データを扱うのであれば、TLC型NANDを採用する上位モデル X10 Proか、SLCキャッシュ内の連続性能が下がっても、1000MB/sを安定して発揮できるX9 Proのほうが快適だと思います。

8TBモデルのSLCキャッシュ

「Crucial X10 Portable SSD 8TB」はSLCキャッシュを超過すると書き込み速度が低下しますが、フォーマット直後の状態なら200GB程度のSLCキャッシュを使用でき、その範囲内なら読み書き1800MB/sの高速アクセスを維持できます。

QLC型NANDを採用したSSDなのでSLCキャッシュ超過後の書き込み速度低下はかなり大きく、250MB/sまで下がってしまいます。

なお1つ注意点として、QLC領域の書き込みが非常に遅いからか、エクスプローラーでコピーする際に複数のコピーを並列して実行すると、コピー速度がさらに大幅に遅くなりました。コピー書き込みを行う際には並列プロセスにならないように注意してください。

「Crucial X10 Portable SSD」のSLCキャッシュ容量は空き容量に応じた可変容量で確保されます。

空き容量別で検証したところ、「Crucial X10 Portable SSD 8TB」は空き容量が少なくとも600GBあれば100GB以上をSLCキャッシュとして使用できました。

「Crucial X10 Portable SSD 8TB」は元の容量が非常に大きいので、大容量データの書き込みでも1,2時間のスパンで100GB以内ならSLCキャッシュの超過で不便を感じることはないと思います。

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ベンチマークソフトで検証

「Crucial X10 Portable SSD 1TB / 8TB」の基本的な性能をベンチマークソフトで検証しました。

ストレージベンチマークを代表する1つ、CrystalDiskMarkで「Crucial X10 Portable SSD 1TB / 8TB」の性能を検証しました。
CrystalDiskMarkのバージョンは8.0.4、設定はデータサイズ 1GiB、プロファイル +Mixです。

「Crucial X10 Portable SSD」は1TBモデル、8TBモデルのどちらも、CrystalDiskMarkベンチマークスコアは連続読み出し 2100MB/s、連続書き込み 2000MB/sです。
Intel/AMD環境の違いや接続するUSBポートでも若干差は出ますが、USB 20GbpsのUSB接続帯域として理想的な性能を発揮するモバイルストレージです。

「Crucial X10 Portable SSD 1TB / 8TB」は連続読み出し 2100 MB/s
公称値のない連続書き込みもSLCキャッシュ内なら2000MB/s前後を発揮

以下、各種比較対象SSDのCrystalDiskMark8 ベンチマークスコアです。

データコピー性能を検証

外付けストレージの性能評価で最重要項目となるデータコピーにおける読み出し・書き込み性能を実際の写真・動画データを使用して検証しました。

検証にはフルサイズミラーレス一眼カメラの写真・動画データを想定して、10GBの動画ファイルが5つ入った約50GBの動画フォルダ、10MB~20MBの画像ファイル 2,000枚弱が入った約30GBの写真フォルダの2種類を使用しています。

コピー検証の具体的な手順

コピー検証の具体的な手順を説明します。

  • 検証ストレージをフォーマットして十分に放置
  • 最初に検証ストレージへのコピー書き込みを行う
  • 各テストデータの書き込み後、毎回、10分間のインターバルを置く
  • 全てのテストデータを書き込んだら、コピー相手のSSDをフォーマット
  • 同様に10分間のインターバルを置いてから、コピー読み出しを行う

空き容量依存のSLCキャッシュ容量やSLCキャッシュ開放速度といったSLCキャッシュ構造は製品によって異なります。

実用シーンでは容量の使用状況によって書き込み性能は今回の検証結果と変わる可能性があります。

コピー相手のSSDについて

データのコピーにおいては当然ですが、元データのあるストレージの読み出し性能とコピー先の書き込み性能の両方が重要になります。

検証ストレージのコピー相手、書き込み先/読み出し元となるストレージが必要なので、コピー相手にはPCIE5.0x4接続に対応したCrucial T700 2TBを使用しています。

コピー相手のSSDは独立したCPU直結PCIE5.0x4レーンに接続されているので、PCIE接続帯域がコピー速度のボトルネックになることはありません。

コピー相手SSDのCrucial T700 2TBは十分にSLCキャッシュ容量が大きく、開放も速いので読み出し、モバイルストレージ相手のコピー検証において、読み書き共にボトルネックになることはありません。

動画フォルダのコピー(10GB×5)

「Crucial X10 Portable SSD 1TB / 8TB」で50GBの動画フォルダのコピー速度を検証しました。

動画ファイルは1つ1つのファイルがGB単位の大容量なので実際のコピーではCrystalDiskMarkベンチマークでいうと連続読み出し・連続書き込み性能が重要になります。

動画フォルダのコピー読み出しにおいて、「Crucial X10 Portable SSD 8TB」によるコピー時間は33秒ほど、読み出し速度は1591MB/s程度です。1TBモデルは少し遅く、1499MB/s程度です。

実際のファイルコピーでもUSB 10Gbps対応SSDと比較して2倍程度高速となっており、USB 20Gbps接続のモバイルストレージとして理想的な性能です。

動画フォルダのコピー書き込みにおいて、「Crucial X10 Portable SSD 8TB」によるコピー時間は41秒ほど、書き込み速度は1268MB/s程度です。1TBモデルは少し遅く、1110MB/s程度でした。

CDMベンチで2000MB/s程度になるSLCキャッシュの範囲内に収まるコピー書き込みなので、読み出し同様に1600~1700MB/s程度の速度が出るかと思ったのですが、予想よりは低めでした。AMDチップセットのUSB3.2 Gen2x2コントローラーか、Windowsファイルシステム、exFAT構造の何かしらがボトルネックになっているように思います。

とはいえ「Crucial X10 Portable SSD」はUSB 10Gbps対応SSDよりも1.5倍程度も高速です。

写真フォルダのコピー(30GB, Files:2K)

「Crucial X10 Portable SSD 1TB / 8TB」で30GBの写真フォルダのコピー速度を検証しました。

画像ファイル1つ1つは先の動画ファイル1つに比べると大幅に小さいですが、高解像度なミラーレス1眼カメラで撮影したJPEG撮って出し画像の場合、1枚が10~20MB程度なのでやはりCrystalDiskMarkベンチマークでいうと連続読み出し・連続書き込み性能が重要になります。

写真フォルダのコピー読み出しにおいて、「Crucial X10 Portable SSD 8TB」によるコピー時間は21秒ほど、読み出し速度は1457MB/s程度です。このワークロードでは1TBモデルもほぼ同じでした。

ファイル数が多いもののほぼシーケンシャル読み出し的なアクセスなので、先の動画フォルダの読み出しコピー同様にUSB 10Gbps対応SSDに対して2倍程度も高速で、USB 20Gbpsのモバイルストレージとして理想的な性能です。

写真フォルダのコピー書き込みにおいて、「Crucial X10 Portable SSD 8TB」によるコピー時間は28秒ほど、書き込み速度は1076MB/s程度です。1TBモデルは少し遅く、987MB/s程度でした。

やはり読み出しに比べるとスケーリングは鈍るものの、それでもUSB 10Gbps対応SSDと比較して1.5倍程度も高速にコピーできます。

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Crucial X10 Portable SSD 1TB / 8TBのレビューまとめ

最後に「Crucial X10 Portable SSD 1TB / 8TB」を検証してみた結果のまとめです。

良いところ / 特長

  • 最大8TBや6TBの超大容量モデルがラインナップ
  • USB 20Gbpsで理想的な、連続読み出し2100MB/s
  • データコピーでもUSB 10Gbps対応SSDより1.5~2.0倍も高速
  • 65mm×50mmのコンパクトサイズかつ、42g程度と非常に軽量
  • 外部電源不要なUSB端子からのバスパワー駆動
  • PS5やXbox X/Sの外付けストレージとして使用可能
  • メーカー正規保証期間は3年間

悪いところ / 注意点

  • QLC型NAND採用なのでSLCキャッシュ超過後の書込速度は非常に遅い
    • 1TBモデルで120~150MB/s、8TBモデルで250MB/s
    • SLCキャッシュの開放も遅め
  • USBフラッシュメモリと比べるとサイズは大きい
  • USB Type-Aポートと接続するには別途、変換アダプタ等が必要

価格 (レビュー記事公開時点)

  • 1TBが1.8万円、2TBが3.1万円、8TBが9.6万円
    • 今のところ、上位モデル X10 Proの同容量と価格が大差ない

「Crucial X10 Portable SSD」はNVMe SSD相当の内部SSDをの高速規格USB 20Gbpsに変換するタイプのUSB外付けSSDです。

基礎的なベンチマークでは読み出しで2100MB/s程度というUSB 20Gbps対応モバイルストレージとしては理想的なアクセススピードを発揮し、実際のファイルコピーでもUSB 10Gbps対応製品と比較して1.5~2.0倍高速にコピーできます。

65mm×50mm(2.5インチやM.2 2280といった既存のSSDを流用する形では実現できない小ささ)という指で摘まめるコンパクトサイズながら最大8TBや6TBの超大容量を実現しているところも大きな魅力です。

一方、「Crucial X10 Portable SSD」はQLC型NANDが採用されているので、SLCキャッシュ容量を超過してしまうと書き込み速度が大幅に低下するところは弱点です。

6TBや8TBの超大容量モデルは元の容量が大きく、可変容量で確保されるSLCキャッシュも大きいので、そうそう不便に感じることはないと思いますが、1TBや2TBの標準的なサイズだと使用量が増えていくにしたがって怪しくなるので、大容量データをどれくらい扱うのか事前によく検討してください。

「Crucial X10 Portable SSD」はPS5やXbox X/Sの拡張ストレージとしても使用できます。

ゲームインストールデータのバックアップや、プレイ動画(ビデオクリップ)の保存・移動程度の用途であれば上記のSLCキャッシュ構造もさほどネックにはならず、QLC型NANDは容量単価に優れているので、適正の高い製品だと思います。

以上、「Crucial X10 Portable SSD 1TB / 8TB」のレビューでした。

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容量: 1TB / 2TB / 4TB / 6TB / 8TB
USB 20Gbps, QLC型
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容量: 1TB / 2TB / 4TB
USB 20Gbps, TLC型
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容量: 1TB / 2TB / 4TB
USB 10Gbps, TLC型
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