Alienware 27 AW2720HF


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DELLのゲーミングブランド”Alienware”から、フルHD解像度で240HzリフレッシュレートのIPS液晶ゲーミングモニタ「DELL Alienware 27 AW2720HF」をレビューしていきます。
可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync / NVIDIA G-Sync Compatible」に対応、フルHD解像度で240HzリフレッシュレートのIPS液晶パネルを採用という最速と高画質を兼ね備えたスペックで、近年流行りなバトルロイヤル系PCゲームにイチオシなゲーミングモニタの実力を徹底検証します。


つい最近の話題になったネタに便乗しておくと、人気のバトルロイヤル系PCゲーム「フォートナイト」をプレイするためにRTX 2080搭載の高性能ゲーミングPCを購入したダルビッシュ選手にもオススメしたい製品です。


製品公式ページ:https://www.dell.com/ja-jp/shop/new-alienware-27-ゲーミング-モニター-aw2720hf/apd/210-atvg/モニタ-モニタアクセサリ
マニュアル:https://www.dell.com/support/home/jp/ja/jpdhs1/product-support/product/dell-aw2720hf-monitor/docs

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Alienware 27 AW2720HF レビュー目次


1.Alienware 27 AW2720HFの概要
2.Alienware 27 AW2720HFの開封・付属品
3.Alienware 27 AW2720HFの液晶モニタ本体
4.Alienware 27 AW2720HFのOSD操作・設定
5.Alienware 27 AW2720HFの画質・応答速度・遅延について
6.Alienware 27 AW2720HFの240Hzリフレッシュレートについて
7.Alienware 27 AW2720HFでFreeSync/G-Sync CPについて
8.Alienware 27 AW2720HFのレビューまとめ



Alienware 27 AW2720HFの概要

「Alienware 27 AW2720HF」は解像度が1920×1080のフルHD解像度で27インチの液晶モニタです。液晶パネルタイプはノングレア(非光沢)で発色や視野角に優れたIPS液晶パネルが採用され、99% sRGBの広い色域を実現しています。コントラスト比は通常1,000:1、応答速度は1ms(overdrive in extreme mode)、輝度は標準350nit(cd/m^2)です。

「Alienware 27 AW2720HF」のリフレッシュレートはネイティブ240Hzです。240Hzの高リフレッシュレートによって応答速度が高速になるのでブレや残像がなくなってクッキリとした滑らかな表示です。60FPSでは識別の難しいゲーム内遠方で動くエネミーやオブジェクトの発見などが容易になるので、オンライン対戦FPSゲームなど競技性の高いPCゲームにおいて対戦相手よりも優位に立つことができます。

「Alienware 27 AW2720HF」はAMD/NVIDIA製グラフィックボードやXbox One Xを組み合わせることで利用可能な可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync)」にも対応しており、ティアリングがなくスタッタリングを抑えた快適で鮮明なゲーミング環境を実現できます。NVIDIA製GPUとの互換性を証明するG-Sync Compatible認証も取得しています。AMD FreeSyncに対応したビデオ出力はDisplayPortとHDMIの2系統で、いずれも対応フレームレートは48Hz~240Hzと広範囲です。

「Alienware 27 AW2720HF」に搭載されたビデオ入力はHDMI2.0*2、DisplayPort1.2*1の3系統です。全てのビデオ入力がフルHD/240Hzに対応します。4基のUSB3.0端子を備えハブポートとして使用できます。

「DELL Alienware 27 AW2720HF」の寸法はモニタスタンド込みで幅613mm x 高さ443~559mm x 奥行216mm(モニタ単体では78.7mm)となっています。付属モニタスタンドは上下チルト、左右首振りスイーベル、昇降高さ調整に対応しています。90度回転ピボットにも対応しています。チルト角は上21度から下5度、スイーベル角は左右20度、高さ調整は最大116mmの範囲で調節可能です。本体重量はモニタスタンドありで8.8kg、モニタスタンドなしの液晶パネル本体のみは4.6kgとなります。VESA100x100マウントにも対応しておりモニタアームも使用可能です。


Alienware 27 AW2720HFの開封・付属品

まずは「Alienware 27 AW2720HF」を開封していきます。
「Alienware 27 AW2720HF」のパッケージサイズは幅613mm×厚さ216mm×高さ443mmとなっており、27インチモニタが入っている箱としては若干大きめで、重量は13kg程度です。
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パッケージサイズは大きく、重量も10kgを超えていますが、天面には持ち手が付いているので成人男性なら問題なく持ち運べると思います。
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モニタのパッケージというと、天面を開いて抜き出す梱包形式が多いですが、「Alienware 27 AW2720HF」は天面と底面に2か所ずつのプラスチック製固定器具を外して、広い面の蓋を開くという構造になっていました。蓋を開くと液晶モニタ本体や付属品が収められたスポンジ製スペーサーが現れます。
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「Alienware 27 AW2720HF」の付属品を簡単にチェックしておくと、HDMIケーブル、DisplayPortケーブル、USBアップストリームケーブル、ACケーブル、マニュアル類が付属します。
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「Alienware 27 AW2720HF」のビデオ入力は1基のDisplayPort1.2と2基のHDMI2.0の3つがありますが、付属するケーブルはHDMIケーブルとDisplayPortケーブルが1本ずつです。
各種ケーブルを個別に購入するのであれば、4K/120Hz対応のDisplayPort1.4ケーブルなら「サンワサプライ KC-DP14シリーズ」、HDMI2.0ケーブルなら「エレコム Premium HDMIケーブル スリムタイプ DH-HDP14ESBKシリーズ」がおすすめです。いずれも標準で付属するケーブルよりもケーブル径が細くて取り回しが良いので管理人も個人的に使用しており、おすすめのケーブルです。
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「Alienware 27 AW2720HF」にはIOポートを隠す専用カバーも付属しています。
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「Alienware 27 AW2720HF」に付属するモニタスタンドはフレームとフットプレートの2つの部品で構成されています。
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フットプレートをフレームに差し込んで底面のネジを締めるだけで簡単にモニタスタンドを組み立てられます。ネジにレバーが付いているのでドライバー不要で組み立てが可能です。
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モニタスタンドを組み立てたら、「Alienware 27 AW2720HF」のモニタ本体背面の溝に斜め下の方向からモニタスタンドを差し込めば取り付け完了です。
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Alienware 27 AW2720HFの液晶モニタ本体

続いて「Alienware 27 AW2720HF」の液晶モニタ本体をチェックしていきます。
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「Alienware 27 AW2720HF」の上と左右はフレームレス構造ですが、フレーム内パネル上には非表示領域があり、上左右の非表示領域の幅は8mm程度、フレームのある下は23mm程度です。下フレームの中央には銀色文字でAlienwareテキストロゴが刻印されています。
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「Alienware 27 AW2720HF」の背面に注目するとモニタ本体およびモニタスタンドは、DELL Alienware公式が”レジェンド”と呼ぶ流線形の造形かつホワイト寄りのグレーを基調としたカラーリングの新デザインコンセプトが採用されています。旧モデルのデザインのほうがシャープでスタイリッシュでしたが、ブランド名にちなんでエイリアンやUFOっぽさは強く感じます。
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モニタフレーム中央のサーキットラインと、モニタ本体右上のAlienwareロゴには「AlienFX」と呼ばれるRGB LEDイルミネーションが内蔵されています。
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LEDイルミネーションの発光パターンはOSDメニューから、特定の発光カラーに固定するモードと、七色に変化しているスペクトラムモードの2種類から選択できます。
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「Alienware 27 AW2720HF」のモニタ本体の厚さは最薄部で20mm、最厚部で80mmほどと最近の液晶モニタとしては厚みが大きくなっています。モニタ本体重量は4.6kg程度です。
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モニタ本体背面のモニタスタンドフレームの根本の直下には下向きに各種I/OやAC端子が配置されており、モニタ本体の下側側面には背面方向へ出っ張った部分にモニタ電源ON/OFFやモニタOSDを操作するための操作スティックが配置されています。
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「Alienware 27 AW2720HF」にはビデオ・オーディオ関連のI/Oポートとして背面右側に左から順に、2基のHDMI2.0ビデオ入力、1基のDisplayPort1.2ビデオ入力、3.5mmステレオライン出力が設置されています。
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背面の左側にはUSB3.0アップストリーム端子、2基のUSB3.0ダウンストリーム端子、さらにモニタ底面に2基のUSB3.0ダウンストリーム端が設置されており、PCとアップストリーム端子を接続することによって、4基のUSBハブ端子として使用できます。また底面のUSB3.0端子の間には3.5mmヘッドホンジャックも実装されています。
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「Alienware 27 AW2720HF」にはIOポートを隠すカバーが付属しており、モニタスタンドのケーブルホールで各種ケーブルをまとめるのも合わせて、背面から見てもスタイリッシュなモニタです。
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「Alienware 27 AW2720HF」付属モニタスタンドの上下チルトの可動域は仕様通り下に5度、上に21度です。
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「Alienware 27 AW2720HF」付属モニタスタンドの左右スイーベルの可動域は左右20度(40度)に対応しています。首振りの可動域は狭めです。
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モニターの高さはモニター本体とスタンドの付け根部分が上下に動く構造になっており、全高で443mm~559mmの範囲内で調整できます。
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付属のスタンドはピボットに対応しており、縦向きにして使用できます。
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Alienware 27 AW2720HFはVESA100x100規格のVESAマウントに対応しておりサードパーティ製のモニターアームを使用できます。モニタ単体の重量も4.5kgほどなのでモニターアームを問題なく利用可能です。
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モニターアームについては管理人は「Lumen MA-GS102BK」、もしくは色違いでほぼ同機能な「サンワダイレクト 100-LA018」という製品をおすすめしています。モニターアームというとエルゴトロン製が一番の売れ筋ですが、クランプのネジが下に伸びているタイプのモニターアームは机に干渉して使えないという問題があり、MA-GS102BKはクランプを上側から六角レンチで締めるタイプでテーブル下の隙間が狭いデスクでも使用できるので管理人も使っています。
Lumen MA-GS102BK
「Lumen MA-GS102BK」はモニタとアームを接続する部分がクイックリリースのブラケット式になっていてモニタアームからモニタ本体の着脱が非常に簡単です。ピボット機能もあるので設置後にモニタを縦・横で向きを切り替えることもできます。ただ関節の滑りに若干難があるので潤滑剤を塗布するのがおすすめです。
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あと「Alienware 27 AW2720HF」のVESAネジ穴は背面外装から窪んだ場所にあるので、外装とモニターアームなどのVESA接続機器が干渉する可能性があり、そういった場合はスペーサーを使用してください。
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VESA100x100規格ではネジ規格もM4と決まっているのでM4のスペーサーであれば基本的に何でもいいのですが、別件で購入していたNUC用VESAマウント拡張ブラケット「SilverStone SST-MVA01 NUC用VESAマウント拡張ブラケット」に付属するスペーサーがちょうど使用できたので、管理人はこれを流用しています。
M4ネジのスペーサーなら何でも使用できるのですが、「Alienware 27 AW2720HF」で使用できるスペーサーがよくわからないという人は2000円ほどしますが、とりあえずこれを買えば干渉を回避できます。
SilverStone SST-MVA01



Alienware 27 AW2720HFのOSD操作・設定

「Alienware 27 AW2720HF」のOSD操作はモニタ背面左側(正面から見て右側)に配置された操作スティックと4種類のボタンを使用します。
操作スティックは上下左右と押下の5つの操作が可能で、操作ボタン各種の応答も良好でした。Acer Predator X27やASUS PG27UQなど他社の操作スティックは応答微妙でしたが、「Alienware 27 AW2720HF」はLG製モニタの操作スティックに近い感触で、押下ボタンも含めて反応が良いのでかなり操作しやすく感じました。また電源ボタンがOSD操作用ボタンと離れた場所に設置されていて誤押下の心配がないところも小さな評価ポイントです。
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「Alienware 27 AW2720HF」は初めて起動した時にOSD言語の設定が表示される親切設計です。日本語UIにももちろん対応しています。
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電源を入れた状態で操作スティック以外の4種類のボタンを押下すると、ショートカットアイコンメニューが表示されます。操作スティックボタンを押下すした場合は直接、詳細設定メニューが表示されます。
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上下左右3種類のショートカットキーに割り当てる設定は、OSD詳細設定メニューの「カスタマイズ」から任意に変更することができ、各自で変更頻度の高いもに切り替えておくと便利です。
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スティックボタンを押下するとモニタ右下にOSDメニューが表示されます。OSD表示領域は27インチ画面の6分の1ほどと広いので、文字自体も大きくて視認性は良く、また上述の通り操作スティックの反応も良いので操作性はかなり良好だと思います。
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「Alienware 27 AW2720HF」のOSDメニューには大きく分けて、「ゲーム(ゲーム関連設定)」「入力信号(ビデオ入力設定)」「AlienFX照明」「ディスプレイ(輝度やカラーの設定)」「オーディオ」「メニュー」「カスタマイズ」「その他」の8つの項目が用意されています。
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「Alienware 27 AW2720HF」では、「標準」「FPS」「MOBA/RTS」「RPG」「スポーツ」「ゲーム1/ゲーム2/ゲーム3」「ComfortView(ブルーライトカット)」「暖色」「寒色」「ユーザーカラー」の12個の画質プリセットが用意されています。「ゲーム1/ゲーム2/ゲーム3」や「ユーザーカラー」は各自の好みの画質設定を行えるモードです。
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ゲーム向上モードという設定項目からは、リアルタイムの画面リフレッシュレートを表示する「フレームレート」(可変リフレッシュレートが有効な場合、OSD表示がリアルタイムで変化する)、カウントダウンを表示する「タイマー」があります。OSDで照準を表示する機能がないのは残念です。
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可変リフレッシュレート同期機能AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync)は「FreeSync」の名前で設定項目が配置されています。標準ではオンになっています。
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一般にオーバードライブと呼ばれる応答速度を調整する機能は、「Alienware 27 AW2720HF」では「応答速度」の名前で配置されています。オーバードライブ補正の強度を高速/超速/最速の3段階で設定ができて、標準設定は高速になっています。
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黒の強弱を調節して暗がりの視認性を高める機能「暗さスタビライザー」も用意されており、補正強度はレベル0~3の4段階で設定が可能です。標準設定ではレベル0(機能OFFの状態)が設定されており、レベルを上げるほど明るく(白く)なります。
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モニタがスリープ状態(ビデオ入力がない状態)でもUSBダウンストリーム端子に接続されたUSB機器に電力供給を行う設定も用意されています。偶にスリープ時はUSBが電力供給できなくなるモニタもあるので地味に要チェックなポイントです。
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Alienware 27 AW2720HFの画質・応答速度・遅延について

Alienware 27 AW2720HFの画質についてチェックしていきます。
直接的な画質ではありませんがAlienware 27 AW2720HFの液晶パネルは光沢のあるグレアではなくアンチグレアタイプなので暗転時に自分の顔などが映り込みません。
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液晶パネルには大きく分けてIPS液晶パネルとVA液晶パネルとTN液晶パネルの3種類があり、各社個別の製品によって個体差はあるものの、この3つの液晶パネルの特性を簡単にまとめると次のテーブルのようになります。
「Alienware 27 AW2720HF」に採用されているIPS液晶パネルはTN液晶パネルやVA液晶パネルと比べると色再現性や視野角など一般に画質に直結する性能が優れている反面、価格が高価になりがちな液晶パネルです。TN液晶パネルに比べて応答速度が遅めなので、60Hzオーバーのリフレッシュレートを実現しているIPS液晶パネル採用ゲーミングモニタは少ないため、輪をかけて高価です。とはいえ画質とリフレッシュレートを両立できるので、予算に糸目をつかないエンスーゲーマー勢に好まれています。
液晶パネルの簡易比較表

IPS VA TN
色再現性
コントラスト
視野角
応答速度
価格 (高RR)
△ (×)

液晶パネルの種類による性能の違いについてはこちらの記事も参照してみてください。
ゲーミングモニタの選び方[4] IPS/VA/TN液晶パネルを比較解説
ゲーミングモニタの選び方[4] IPS/VA/TN液晶パネルを比較解説


「Alienware 27 AW2720HF」(画質設定は標準のまま)で、いくつかのカラーグラデーション画像を表示して確認してみたところ、発色に優れたIPS液晶パネルなので滑らかなグラデーションで綺麗に表示されました。
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「Alienware 27 AW2720HF」は240Hzの超高速リフレッシュレートながら、IPS液晶パネルが採用されているので視野角も良好です。
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比較対象として下の写真は240Hzリフレッシュレート対応で一般的なTN液晶パネルですが、最近では左右の視野角は若干黄ばむものの大きな色の破綻はありませんが、上下については多少の角度でも色が破綻しています。
TN (2)

バックライトの輝度の均一性(Uniformity)についてIPS液晶パネルの一般的な特徴として左右の端、特に四隅は若干暗くなる傾向があります。
「Alienware 27 AW2720HF」については全体を白表示にして左右の端がやや暗いかなと気づく程度なので、IPS液晶パネルとしてはそこそこ優秀な部類だと思います。
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次に「Alienware 27 AW2720HF」の応答速度や残像についてチェックしていきます。
なおゲーミングモニタを選ぶ、もしくはモニタの応答速度や残像を評価する上で重要な予備知識である『液晶モニタの応答速度とオーバードライブ機能』についてはこちらの記事で簡単に紹介しているので、よくわからないという人は先に確認してみてください。
ゲーミングモニタの選び方[1] 応答速度とオーバードライブについて
ゲーミングモニタの選び方[1] 応答速度とオーバードライブについて

「Alienware 27 AW2720HF」のOSDメニュー上ではオーバードライブ機能は「オーバードライブ」の名前で配置されており、オーバードライブ補正の強度を高速/超速/最速の3段階で設定ができます。標準設定は高速になっているので、以降の検証においても上で解説したオーバードライブの補正がかかります。
「Alienware 27 AW2720HF」はオーバードライブを超速もしくは最速に設定するとオーバーシュートの逆像が出やすいので標準設定の高速がオススメです。
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応答速度の確認には「UFO Test: Ghosting」を使用します。同テストではUFOが移動する背景カラーを選択できますが、今回の検証ではブラック/グレー/ホワイトの3色を選択しています。
背景カラーがブラックの場合は各液晶パネルにおいて応答速度は高速な数値を示すので、概ね理想的な応答を確認することになります。背景カラーがホワイトの場合の応答速度は、ドキュメントやウェブページでテキストをスクロールした時の文字の滲み度合いの参考になります。背景カラーがグレーの場合、中間色に移るまでの応答速度を比較することになるので、一般的なゲームプレイにおける物理的な残像の少なさの指標として参考になります。

「Alienware 27 AW2720HF」に採用されているIPS液晶パネルは傾向として応答速度が比較的遅いのですが、最大リフレッシュレートの240Hzで動作させた場合、1つ2つ前のフレームが残る程度となっており、TN液晶パネルの240Hzモニタと遜色ない性能です。
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さらに「Alienware 27 AW2720HF」のリフレッシュレートを変えてみたり、他の液晶モニタを比較対象にしたりしながら、「UFO Test: Ghosting」の様子を「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影し、比較してみます。
Response Test

まずは「Alienware 27 AW2720HF」のリフレッシュレートを60Hzと240Hzに変えて「UFO Test: Ghosting」の様子を比較してみました。「Alienware 27 AW2720HF」のリフレッシュレート60Hzではグレーバックでオーバーシュートが確認できます。240Hzで最も綺麗になるようにオーバードライブが調整されているようです。
リフレッシュレートを上げるとそれに比例して応答速度も伸びてはいますが、リフレッシュレートの伸びに追いついていない様子で、240Hzでも1つ前のフレームが見え残像感は残っています。


240Hzリフレッシュレートに対応したゲーミングモニタでは一般的なTN液晶パネルの「ZOWIE XL2546」と、240Hz動作時の応答速度を比較してみました。
実際のゲームシーンにおける応答速度の指標となるグレーバックでは、「Alienware 27 AW2720HF」は素の表示を優先していて1つ2つ前のフレームがかすかに見え、一方で「ZOWIE XL2546」はオーバードライブが強めにかかっておりオーバーシュートによる逆像が見えるという具合にそれぞれ特徴は異なりますが、概ね同等の応答速度になっていると思います。


3万円前後で購入できる安価なフルHD/144HzのIPS液晶ゲーミングモニタと144Hzリフレッシュレートで応答速度を比較すると、「Alienware 27 AW2720HF」のほうが残像感がないのは一目瞭然です。
「Alienware 27 AW2720HF」は240Hzにオーバードライブが最適化されているので144Hzリフレッシュレートにおいてオーバーシュートの影響が出ますが、この価格のハイリフレッシュレートなIPS液晶モニタとしては十分に優秀なので、240Hzを出せる環境にないミドル~ミドルハイクラスのGPUを使用しているユーザーにもオススメできます。



また「UFO Test: Ghosting」において下の写真のようにUFOが微かに表示された瞬間を始点に、その地点のUFOが完全に消えた時点を終点にして、その間隔のフレーム数を応答速度として算出し比較してみました。なおオーバードライブ機能によって発生するオーバーシュート/アンダーシュートによる逆像が発生してから消えるまでの時間は別に計算しています。
評価の目安として、”1000msをリフレッシュレートで割って2倍した数値”よりも測定値が小さければ、画面更新に応答速度が追いついています。60Hzの場合は33.3ms、120Hzの場合は16.6ms、144Hzの場合は13.9ms、240Hzの場合は8.3msを下回っていればOKです。
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まずは背景カラーがブラックの時の「Alienware 27 AW2720HF」やその他の比較対象モニタの応答速度の計測結果となります。背景カラーがブラックの場合は各液晶パネルにおいて応答速度は高速な数値を示すので、概ね理想的な応答を確認することになります。
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続いて背景カラーがホワイトの時の「Alienware 27 AW2720HF」やその他の比較対象モニタの応答速度の計測結果となります。背景カラーがホワイトの場合の応答速度は、ドキュメントやウェブページでテキストをスクロールした時の文字の滲み度合いの参考になります。
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最後に背景カラーがグレーの時の「Alienware 27 AW2720HF」やその他の比較対象モニタの応答速度の計測結果となります。背景カラーがグレーの場合、中間色に移るまでの応答速度を比較することになるので、一般的なゲームプレイにおける物理的な残像の少なさの指標として参考になります。
「Alienware 27 AW2720HF」は上で行った動画比較の通りですが、240Hzリフレッシュレート動作において、素の残像とオーバーシュートによる逆像という違いこそあれ競技ゲーマー向け製品のZOWIE XL2546と同等の応答速度を実現しています。応答速度が遅い傾向のあるIPS液晶モニタなので残像の発生度外視で強引にリフレッシュレートを引き上げたという心配もありましたが杞憂でした。
パネルの性能的には144Hzでもオーバーシュートを抑えた良好な応答速度は実現できそうなので、オーバードライブ設定にそういったオプションがあればさらに良かったと思います。
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最後に「Alienware 27 AW2720HF」の表示遅延(内部遅延)について測定を行いました。
モニタにはGPUのビデオ出力が送られてきてから実際にモニタに表示されるまで遅延が存在し、この遅延が大きいと例えば、FPSゲームでゲームパッドのトリガーやマウスのクリックによる操作からワンテンポ遅れて、マズルフラッシュが表示される、といった現象が発生します。人間は当然目で見てから操作するので、格闘ゲームやFPSゲームなど1,2フレームを争うような競技性の高いゲームにおいてはモニタの表示遅延が可能な限り小さいことが望まれます。

モニタの表示遅延測定においてはモニタ以外の要因で表示遅延に差が出ると問題があるので、検証モニタへビデオ出力を行うPCはCore i9 9900KとGeForce RTX 2080 Tiを搭載した次のベンチ機で統一しています。
テストベンチ機の構成
CPU Intel Core i9 9900K(レビュー
Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V
殻割り&クマメタル化(レビュー
CPUクーラー Fractal Design Celsius S36(レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z Black
F4-4400C19D-16GTZKK
DDR4 8GB*2=16GB (レビュー
4000MHz, CL17-17-17-37-CR2
マザーボード
ASUS WS Z390 PRO
レビュー
ビデオカード ZOTAC RTX 2080Ti AMP Extreme Core
レビュー
システムストレージ
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB
MZ-N6E1T0B/IT (レビュー
OS Windows10 Home 64bit
電源ユニット Corsair HX1200i (レビュー
ベンチ板 STREACOM BC1 (レビュー
キーボード HyperX Alloy FPS
メカニカルゲーミングキーボード (レビュー

Monitor Latency Test Bench

モニタの表示遅延を測定する具体的な方法としては、キー押下時にそのキーのLEDが点灯するキーボードを使用して、LEDの点灯から画面表示への反映までの間隔を遅延時間として測定します。画面表示の確認については簡単にメモ帳を使用しています。この様子を「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影し、遅延フレーム数を数えて遅延時間を算出します。同計測を各モニタ(と各リフレッシュレート)ごとに10回ずつ行って、その平均値を表示遅延とします。


「Alienware 27 AW2720HF」やその他の比較モニタの表示遅延の測定結果は次のようになりました。グラフの通りリフレッシュレートを上げると応答速度だけでなく表示遅延も改善するのでゲーマーにとってハイリフレッシュレート液晶モニタを選択するメリットは大きいです。
「Alienware 27 AW2720HF」については、同じく240Hz対応でガチの競技ゲーマー向け製品であるZOWIE XL2546と比べると同リフレッシュレートにおいて僅かに大きい表示遅延となりましたが、ほぼ誤差レベルの違いだと思います。
Alienware 27 AW2720HF_latency
また上のグラフからはリフレッシュレートが上がると表示遅延が小さくなるという関係がわかります。
「Alienware 27 AW2720HF」のような240Hzリフレッシュレートでは2019年に入って普及しつつある120~144HzのIPS液晶モニタよりも表示遅延がさらに小さくなります。
表示遅延が小さいメリットとしては、視認と操作の繰り返し応答が良くなることに加えて、例えば下の動画のように壁に隠れたターゲットが壁から出てきた時、画面に表示されるのが実際に速くなります。




Alienware 27 AW2720HFの240Hzリフレッシュレートについて

「Alienware 27 AW2720HF」の最大の特徴の1つである240Hzリフレッシュレートについてチェックしていきます。

まずは「Alienware 27 AW2720HF」の特徴の1つである”240Hzリフレッシュレート”について、その意味自体は特に説明せずとも読者はご存知だと思いますが、一般的な60Hzリフレッシュレートの液晶モニタが1秒間に60回の画面更新を行うのに対して、240Hzリフレッシュレートであれば標準的な60Hzの4倍となる1秒間に240回の画面更新を行います。
60Hz-144Hz-240Hz RefreshRate
1秒間に240回の画面更新を行う240Hzリフレッシュレートの物理的なメリットとしては、単純に秒間コマ数が増えるので映像がより滑らかになります。上の章で詳しく検証したようにリフレッシュレートが上がると応答速度も上がって細部がクッキリとしたシャープな映像に見えやすくなり、加えて画面更新間隔が短くなるので表示遅延が小さくなり、一般的な60Hz環境よりもスピーディーなプレイで他者を圧倒しやすくなります。


「Alienware 27 AW2720HF」ではNVIDIA GeForce RTX20/GTX16シリーズやAMD Radeon VII/RX Vega/5XXシリーズなど最新グラフィックボードのDisplayPort1.2もしくはHDMI2.0のビデオ出力に接続することによって、モニタリフレッシュレートを144Hzや240Hzなどに自由に設定できます。
モニタリフレッシュレートの設定は、NVIDIA製GPUの場合はNVIDIAコントロールパネルから、AMD製GPUの場合はWindowsのディスプレイ設定から行います。
Alienware 27 AW2720HF_240Hz_NVIDIA
Alienware 27 AW2720HF_240Hz_AMD
「Alienware 27 AW2720HF」に搭載されている2基のHDMIビデオ入力は両方ともver2.0なので、DisplayPortだけでなくHDMIもフルHD/240Hzに対応しています。
Alienware 27 AW2720HF_240Hz_HDMI

オンライン対戦FPSなど競技性の高いゲームにおいて240Hzリフレッシュレートのモニタを使用した時の実用的なアドバンテージとして、ゲーム内視線を左右に振った時の視認性が上がるという例は直感的にもわかりやすいメリットですが、その他にもゲーム内遠方に存在して動いているエネミーやオブジェクトの視認性が上がるというメリットも存在します。
下の比較動画では4分割して映像を並べていますが、右下以外の3つは右下画面の緑枠部分を拡大するよう接写して、「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影したものになっています。リフレッシュレート別で左上は60Hz、右上は120Hz、左下は240Hzとなっていますが、赤枠で囲った建物の出入り口付近で左方向に移動する敵の動きはリフレッシュレートが上がるほど視認しやすくなるのがわかると思います。


NVIDIA公式からもハイリフレッシュレートなゲーミングモニタとハイフレームレートに対応可能な高性能グラフィックボードを使用するメリットについて紹介する「動画が公開されています。



なお「Alienware 27 AW2720HF」でフルHD解像度/240FPSを狙うには、元から軽めのPCゲームや画質設定を下げた最新PCゲームであってもグラフィックボードのGPU性能がそれなりに要求されます。液晶モニタに「Alienware 27 AW2720HF」を使用するのであれば2019年最新のハイエンドGPUであるNVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERやNVIDIA GeForce RTX 2080 Tiがおすすめです。
GeForce RTX 20XX/GTX 16XXシリーズのレビュー記事一覧へ
GeForce RTX 2080 Ti レビュー記事一覧へ



Alienware 27 AW2720HFのFreeSync/G-Sync CPについて

続いて「Alienware 27 AW2720HF」の大きな特徴の1つである可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync / NVIDIA G-Sync Compatible(VESA Adaptive-Sync)」についてチェックしていきます。

モニタの画面更新(リフレッシュ)に関する基本的な予備知識や、「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync)」と「NVIDIA G-Sync Compatible」の関係についてはこちらの記事を参考にしてください。
ゲーミングモニタの選び方[3] FreeSyncとG-Sync Compatibleについて
AMD FreeSync_NVIDIAG-Sync Compatible
なお当サイトのレビューではNVIDIA環境について、G-Syncモジュールが搭載されたモニタにおける可変リフレッシュレート同期機能を単純にG-Syncと呼び、AMD FreeSync(VESA Adaptive-Sync)に対応したモニタにおける可変リフレッシュレート同期機能はG-Sync CompatibleもしくはAdaptive-Syncと呼びます。またドライバでそのモニタが正式にサポートされている場合はG-Sync Compatible認証取得済みと補足します。


「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync) / NVIDIA G-Sync Compatible」には対応可能なフレームレート(リフレッシュレート)の上限と下限が製品ごとに設定されており、「Alienware 27 AW2720HF」は48Hz~240Hzの範囲内で可変リフレッシュレート同期に対応しています。また「AMD FreeSync」に対応するビデオ入力はHDMIとDisplayPortの両方です。「NVIDIA G-Sync Compatible」に対応するビデオ入力は機能の仕様上、DisplayPortのみとなっています。
Alienware 27 AW2720HF_FreeSync_DisplayPort
Alienware 27 AW2720HF_FreeSync_HDMI
「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync) / NVIDIA G-Sync Compatible」が正常に動作してリフレッシュレートが可変になると、「Alienware 27 AW2720HF」のOSDメニューから選択できるリフレッシュレート表示機能において、リフレッシュレートがフレームレートに合わせて変動するようになるので、機能が正しく動作しているかはここを見て確認してください。
Alienware 27 AW2720HF review_03550


AMD FreeSyncの使い方

可変リフレッシュレート同期「AMD FreeSync」を有効化する手順について説明します。
FreeSync対応機器を接続したら、最初に「Alienware 27 AW2720HF」のOSDメニューのゲーミング設定の小項目にあるFreeSyncがONになっていることを確認します。「Alienware 27 AW2720HF」では標準設定がONですが、OFFになっている場合はONに切り替えて下さい。
Alienware 27 AW2720HF review_03462_DxO
OSDメニューからモニタのFreeSyncを有効にしたら、AMD製GPU搭載PCの場合はRadeon Settingsのディスプレイ設定からAMD FreeSyncを有効にします。以上でAMD FreeSync自体は有効化が完了します。
Radeon Setting_FreeSync_1
また上で紹介した参考記事中で解説しているように、AMD FreeSyncではテアリング解消とマウス遅延低減のどちらを優先するかで垂直同期の有無を各自で選択する必要があります。垂直同期は通常ゲーム内設定でON/OFFの切り替えが可能ですが、ドライバ側が上書きしてゲーム内からは切り替えられない場合があります。ゲーム内で設定して希望通りの動作にならない時はRadeon Settingsのゲームプロファイルもチェックしてください。
Radeon Setting_FreeSync_2
Radeon Setting_FreeSync_3


NVIDIA G-Sync Compatibleの使い方

可変リフレッシュレート同期「NVIDIA G-Sync Compatible」を有効化する手順について説明します。
2019年1月15日以降の最新ドライバによってNVIDIA GeForce環境でもAdaptive-Syncが利用可能になっています。
417.71以降の最新ドライバをインストールして、DisplayPortビデオ出力にAdaptive-Sync対応モニタを接続すると、G-Sync対応モニタを接続した時と同様にAdaptive-Syncを有効化するための設定が、NVIDIAコントロールパネル上の「G-Syncの設定」に表示されます。
「G-SYNC、G-SYNCとの互換性を有効化(Enable G-SYNC, G-SYNC Compatible)」のチェックボックスをチェックして、下のモニタアイコンに使用するモニタの名前が表示・選択されていることを確認し、適用をクリックすればNVIDIA GeForce環境でAdaptive-Syncを有効化できます。
Alienware 27 AW2720HF_G-Sync-compatible
なお今回レビューする「Alienware 27 AW2720HF」と違ってG-SYNC Compatible認証を取得していない一般のAMD FreeSync/VESA Adaptive-Sync対応モニタでも、互換性が検証されていないと注記が表示されますが、NVIDIA製GPU環境においてAdaptive-Syncを利用できます。
G-Sync-compatible_another


AMD FreeSync/NVIDIA G-Sync Compatibleの効果

可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync) / NVIDIA G-Sync Compatible」の効果やメリットについて説明していきます。機能的にはほぼ同じなので以下まとめてFreeSyncと呼ぶことがあります。

AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync) / NVIDIA G-Sync Compatibleの検証に際してはリプレイ機能があって同一シーンで検証がしやすいので「Project Cars 2」を使用しています。またフレームレートやテアリングの発生の様子を確認しやすいように、画面左上にはGPUフレームレートOSD、画面左端にはGPUフレームバッファで色の変わるカラーバーが表示されるようにしています。加えてモニタが対応していればモニタOSDのリフレッシュレート表示機能も使用します。
画面右上のフレームレートはGPUフレームバッファから算出されているので必ずしもリフレッシュレートとは一致しません。画面左端のカラーバーは連続するフレーム間、つまりn番目とn+1番目のフレームではそれぞれ異なる色になっているため、同時に複数色のカラーバーが表示されている画面はテアリングが発生していることを意味します。
Alienware 27 AW2720HF review_06515

まずは同期なし、垂直同期、FreeSync、FreeSync+垂直同期の違いを分かりやすく体感してもらうため、モニタリフレッシュレート60HzにおいてGPU側出力フレームレートが30FPS~60FPSの間で変動するようにして、「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影して、画面表示の様子を比較してみました。
同期なしでは盛大にテアリングが発生し、垂直同期ではスタッター(カクつき)が発生しているのがわかります。一方でFreeSyncと垂直同期の両方を有効にした場合はテアリングもスタッターも発生しません。ただし例外として動画で50秒以降のフレームレートが40FPSを下回るとAMD FreeSyncの対応フレームレート外となるためスタッターが発生しています。またFreeSyncのみを有効にして垂直同期は無効の場合、同期なしと比べて圧倒的にテアリングが減っているのがわかります。ただし対応フレームレート内であっても稀にテアリングが発生し、対応フレームレート外では同期なし同様にテアリングが発生します。


続いて144Hzリフレッシュレートにおいて、GPU側出力フレームレートが100FPS前後で変動するようにして、先ほど同様に同期なし、垂直同期、FreeSync、FreeSync+垂直同期の様子を16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影して比較してみました。
FreeSync有効であれば同期なしのテアリングや垂直同期のスタッターに悩まされることなく滑らかで綺麗な映像が表示できています。FreeSyncの60Hz/50FPS前後と144Hz/100FPS前後を比較すると当然ですが後者の方がコマ割りが増えるので16倍速スローモーションでもスムーズに見えます。


FreeSyncのみを有効した時に映像フレームレートが対応フレームレート範囲外になるとテアリングが発生しますが、リフレッシュレートを上回ってしまう場合については、Radeon SettingsのフレームターゲットコントロールやRivaTunerのフレームレートリミットを使用することでテアリングの発生を抑制することができます。
Radeon Setting_FreeSync_FTCRivaTuner
なおNVIDIA GeForce環境でAdaptive-Syncを利用する場合も、フレームレートがリフレッシュレートを超過するとテアリングが発生するので、テアリングを完全になくすには垂直同期を有効化する必要があります。もしくは垂直同期無効においてテアリングを最小限に抑制するのであれば、RivaTunerやNvidia Profile Inspectorを使用してゲーム内フレームレートがモニタリフレッシュレートを上回らないように設定してください。
RivaTunerNvidia Profile Inspector
下の比較はいずれもFreeSyncが有効になっているのでスタッターもなく滑らかですが、単純にFreeSyncだけを有効にすると対応フレームレートの上限となるリフレッシュレートを超えた時にテアリングが発生します。
リフレッシュレートが144Hz(フレームレートの上限が144FPS)の場合は120FPS~140FPSが上限になるようにフレームレートに制限をかければ、マウス操作を低遅延しつつ、テアリングの発生も最小限に抑えて快適なゲームプレイが可能です。


またPUBGやCS:GOのようなオンライン対戦FPSや格闘ゲームなど1,2フレームを争う競技性の高いPCゲームでは、表示遅延(入力遅延)が発生する垂直同期は嫌われる傾向にありますが、144Hzや240Hzといったハイリフレッシュレートモニタにおいて、同期機能を無効化した場合に発生するテアリングがどのように影響するのか検証してみました。
テアリングはモニタ表示更新中のフレームバッファの更新で発生しますが、目で見た時の違和感はn番目とn+1番目のフレームの絵の差に影響されます。コマ割りが細かくなる高フレームレートではn番目とn+1番目の絵の違いは当然、低フレームレートの場合よりも小さくなります。そのため50FPSでは画面の分断のように知覚できたテアリングは、200FPSのような高フレームレートでは細かいノイズのような形で知覚されます。
100FPSを超える高フレームレートでは大きな分断に見えるテアリングの代わりに、細かいノイズのように感じるテアリングが増えてきます。『細かいノイズの発生程度であれば高リフレッシュレートモニタのテアリングは実用上は大した問題ではなく、可変リフレッシュレート同期機能は不要である』という意見がありますが、高リフレッシュレートモニタのアドバンテージとして先に解説した「ゲーム内遠方に存在して動いているエネミーやオブジェクトの視認性」と合わせて考えると、このノイズの有無は遠方の細かいエネミーやオブジェクトの発見に影響します。なので高リフレッシュレートモニタを使用するのであれば可変リフレッシュレート同期機能はあったほうがいい、というのが管理人の意見です。




Alienware 27 AW2720HFのレビューまとめ

最後に「Alienware 27 AW2720HF」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 画面サイズ27インチでゲーミングモニタとしては使いやすいサイズ
  • 発色や視野角など画質に優れたIPS液晶パネル
  • 液晶パネルは反射防止のアンチグレア
  • ビデオ入力はDisplayPort1.2とHDMI2.0×2の計3系統
  • 3基全てのビデオ入力においてフルHD解像度で240Hzリフレッシュレートの高速動作
  • 可変リフレッシュレート同期機能AMD FreeSync(VESA Adaptive-Sync)に対応
    (DisplayPortとHDMIで48FPS~240FPSの範囲内で対応)
  • NVIDIA G-Sync Compatible認証取得(GeForce Driver 441.08以降)
  • モニタ本体重量4.5kgかつVESAマウント対応でモニターアームを使用可能
  • 上記のハイスペックながら6万円でお手頃(2019年11月)
悪いところor注意点
  • 27インチでフルHDは若干ドットが粗く感じる
  • HDR、モーションブラーリダクション、クロスヘアOSD等に非対応

「Alienware 27 AW2720HF」は1920×1080のフルHD解像度、ネイティブ240Hzの高速リフレッシュレート、IPS液晶パネルというハイスペックな液晶パネルを採用したゲーミングモニタです。応答速度が遅いと言われていたIPS液晶パネル採用製品ながら、競技ゲーマーに愛用されるTN液晶パネルの240Hzゲーミングモニタと比較して遜色ない応答速度を実現しています。
「Alienware 27 AW2720HF」は240Hzの最速リフレッシュレートに加え、視野角・発色にも優れて高画質さまで兼ね備えているので近年流行りのバトルロイヤル系ゲームを高FPSでガチプレイするのに管理人イチオシのゲーミングモニタです。

「Alienware 27 AW2720HF」は可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync)」に対応しています。FreeSync対応フレームレートとして48FPS~240FPSの幅広いフレームレートをカバーしており、60FPS前後しか維持できない最新の高画質な重いゲームから、100FPS以上を維持できる競技性の高い軽めなゲームまで、テアリングやスタッターのないクリアで滑らかな表示を実現します。
これまではAMD製GPUを搭載した環境でしか使用できない機能でしたが、19年1月からはNVIDIA製GPUでも可変リフレッシュレート同期機能Adaptive-Syncが利用できるようになったので間口もかなり広くなったと思います。
さらに「Alienware 27 AW2720HF」は10月31日付で配信が開始された最新GeForceドライバにおいてNVIDIA製GPUとの互換性を証明するG-Sync Compatible認証も取得しているので、国内シェアの高いNVIDIA環境でも安心して使用できます。

メジャーリーグプロ野球選手のダルビッシュ有選手が”GeForce RTX 2080 Tiってなんだ?”とツイートしたことから始まって、RTX 2080 Tiを搭載した高級ゲーミングPCと240Hz対応ゲーミングモニタをお買い上げしたことは国内のPCゲーミング&自作PC界隈でも話題になりましたが、管理人もそれに便乗すると、今から240Hzリフレッシュレートのゲーミングモニタを購入するなら是非とも「Alienware 27 AW2720HF」のようにIPS液晶パネルを採用した製品をオススメしたいです。ダルビッシュ有選手にもこの声が届けばいいなあ。

以上、「Alienware 27 AW2720HF」のレビューでした。
Alienware 27 AW2720HF


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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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