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TSUKUMO eX.computerのワークステーション向けBTO PCでいち早く導入され、ゲーミングモデルG-GEARでも新筐体として採用される、洗練されたシックなデザインと240サイズ水冷にも対応する最新レイアウトが魅力なATX対応ミドルタワーPCケース「TSUKUMO EX-623T-A4」をレビューします。
6年ぶりの完全リニューアルによって最新自作PC向けPCケースの水準に達したBTO PC専用筐体のデザインや内部設計を徹底解説していきます。
・TSUKUMO ゲーミングBTO PC「G-GEAR」の販売ページへ
TSUKUMO EX-623T-A4 レビュー目次
1.TSUKUMO EX-623T-A4の外観とフロント・リアI/O
2.TSUKUMO EX-623T-A4のサイドパネルとトップパネル
3.TSUKUMO EX-623T-A4の内部構造の概要
4.TSUKUMO EX-623T-A4の裏配線・電源ユニット設置スペース
5.TSUKUMO EX-623T-A4のストレージ設置スペース
6.TSUKUMO EX-623T-A4のグラフィックボード設置スペース
7.TSUKUMO EX-623T-A4のファン・水冷ラジエーター設置スペース
8.TSUKUMO EX-623T-A4のレビューまとめ
【注意】
今回検証するのはレビュー用の貸出機であり一般販売されてユーザーの手元に届く新品ではないので、製品や梱包に若干の傷や傷みがある場合があります。通常は新品で綺麗な状態のものが届くはずなので、サンプル機に傷等があっても無視してください。
今回のレビュー記事では「TSUKUMO EX-623T-A4」を採用するPCからTSUKUMO WA5A-D204XT/EX2を例にして紹介します。
【機材協力:TSUKUMO】
【執筆:2021年4月12日、最終更新:2021年4月12日】
TSUKUMO EX-623T-A4の外観とフロント・リアI/O
「TSUKUMO EX-623T-A4」のPCケース外観をチェックしていきます。「TSUKUMO EX-623T-A4」の本体サイズは高さ497×幅220mm×奥行447mmです。完成品の重量は内蔵パーツによって若干前後しますが、参考重量は15kgとなっています。
「TSUKUMO EX-623T-A4」は近年の自作向けPCケースで流行りのフラットデザインをベースにしたスマートなデザインです。
ゲーミングBTO PCのG-GEARにも採用が予定されていますが、もともとクリエイター向けワークステーションモデル用の筐体ということもあり、サイドパネルにはアクリルや強化ガラスのウィンドウパネル等は使用されず、スチール製のソリッドパネルです。
「TSUKUMO EX-623T-A4」はスチール製シャーシにも綺麗な黒塗装が施されており、後ろから見ても安っぽさを感じさせることはありません。
「TSUKUMO EX-623T-A4」は前面から吸気、背面と天面から排気というエアフローが想定されたPCケースです。
しかしながら、実際の吸気スペースは前面パネルの下側1/5ほど、およびデザインピラーの内側にある左右3カ所ずつの細いスリットだけと、面積は狭く、かなり窒息感のあるレイアウトです。(デザインピラーの隙間全体がエアスリットかと思ったのですが、エアスリットは一部のみで、概ねただの装飾パーツでした。後述のフロントパネル裏面を見ると分かりやすいと思います)
中央部の広い面積をカバーするパネルは着脱可能ですが、フロントパネルのフレーム部はプラスチックで覆われていました。
この部分も金属メッシュパネルにして、スマートな見た目のソリッドパネル(着脱式)と、エアフローに優れた金属メッシュパネルのようなオプションをユーザーが選べる構造にするなど、フロントパネル回りにはまだ工夫の余地があるように思います。
フロントパネル上部のIOポート部分にはシャンパンゴールドのアルマイト加工が施されたアルミニウム製パネルが採用され、高級感があり洗練された雰囲気を醸し出しています。フラットデザインの中にも左右に装着されたダークメタリックカラーのデザインピラーによって陰影があり、飽きの来ない奥行き感があります。
また中央部を広くカバーするパネルはプラスチック製ですが、ヘアライン仕上げアルミニウム風の表面処理がされているので安っぽさは感じません。
アルミニウムプレートすぐ下のフロントパネルはマグネット着脱式となっており、パネルの後ろには5インチベイと5/3.5インチ併用ベイがあります。
「TSUKUMO EX-623T-A4」はフロントパネル全体の着脱も可能です。フロントパネルは自作向けPCケースでもよくある、太めのプラスチックのツメで固定する方式となっており、底面の穴に手を突っ込んで手前に引っ張ると簡単に取り外すことができます。
「TSUKUMO EX-623T-A4」ではフロントI/Oがフロントパネルへ固定されているため、フロントI/Oケーブルがフロントパネル取り外し時に邪魔になるかもしれません。
ケーブルの長さには多少の遊びはあるものの、5インチ拡張デバイスやフロントファンスペースなどフロントパネル裏にアクセスする用途もあるので、フロントI/O自体はシャーシ側へ直接固定する(フロントパネルとは分離)など配慮が欲しかったところ。
近年、TSUKUMO BTO PCのゲーミングモデルG-GEARやワークステーションモデルでは光学ドライブは標準では非搭載になっていますが、「TSUKUMO EX-623T-A4」には2基の5インチベイもスペースとしては実装されており、一部モデルではカスタマイズ項目からDVD/Blu-rayの光学ドライブを追加可能です。(規格的にほぼディスコンですが3.5インチデバイスにも対応)
なお、「TSUKUMO EX-623T-A4」を採用するBTO PCの標準構成で240サイズ簡易水冷CPUクーラーが採用されている場合、水冷ラジエーターは天面に設置されており、ラジエーター&ファンが干渉するため、光学ドライブのような奥行きの大きい5インチ拡張デバイスは上側の5インチベイには設置できないので注意してください。
「TSUKUMO EX-623T-A4」のフロントI/Oはフロントパネル上部に実装されています。向かって左から順に、パワースイッチ(パワーLED)、USB3.0 Type-A端子×2、ステレオ出力3.5mmジャック、マイク入力3.5mmジャックが実装されています。電源スイッチが一般的な押し込み式ではなく、左から右へスライドさせる形式になっているのが特徴的です。
個人的な注目ポイントとして、一般にケーブルが太くて取り回しが悪い、内部USB3.0ケーブルが細身なリボンケーブルなところが高評価でした。
なお、フロントIOパネルのコネクタは個別に分離していて、ケーブルもバラバラでした。10PINコネクタでひとまとめにして、ケーブルもリボンケーブルにするなど、欲を言えば配慮して欲しかったポイントです。
「TSUKUMO EX-623T-A4」の背面IOを見ると、上側にマザーボードリアI/Oとリアファンスペース、中央にPCIE拡張スロット、下側に電源ユニットという近年のミドルタワーPCケースとしては標準的なレイアウトです。1点挙げるとすれば、PCIEスロットがATX+1の8段用意されているところは特徴的かもしれません。
なおマザーボードやグラフィックボードのIOポートの種類・数量はBTO PCのモデルによって変わります。
「TSUKUMO EX-623T-A4」のPCケース底面は、電源ユニット用の吸気スリットを除けば、黒塗装スチール板のシンプルな形状です。
PCケース足としては、前後に長い台形で先端に滑り止めゴムが貼り付けられたインシュレーターが四隅に配置されています。インシュレーターの高さは25mmほどとやや高めです。インシュレーターグラつきもなくしっかりと安定しています。
TSUKUMO EX-623T-A4のサイドパネルとトップパネル
「TSUKUMO EX-623T-A4」のサイドパネルとトップパネルについて解説します。まずは「TSUKUMO EX-623T-A4」のサイドパネルについてチェックしてきます。
ゲーミングBTO PCのG-GEARにも採用が予定されていますが、もともとクリエイター向けワークステーションモデル用の筐体ということもあり、サイドパネルにはアクリルや強化ガラスのウィンドウパネル等は使用されず、スチール製のソリッドパネルです。
左右の両サイドパネルはPCケース背面において上下2か所のハンドスクリューでそれぞれ固定されています。
ネジ止めを外して後方にスライドさせるとサイドパネルを開くことができます。逆に装着時は、上下左右に位置を合わせてからシャーシの溝にスライドツメを嵌め込む構造になっています。
位置合わせを間違えると、ガタンっとパネルを落としてしまうので、欲を言えば、下端をヒンジにするようにサイドパネルをシャーシに乗せてから閉じ、スライドしてロックするような構造を採用して欲しかったところです。
続いて「TSUKUMO EX-623T-A4」のトップパネルについてチェックしていきます。
「TSUKUMO EX-623T-A4」のPCケース天面には、縦長エアスリットが半分ずつズレて並んだプラスチック製のトップパネルが装着されています。エアスリットはありますが、フラットな形状なので、キーボードなど物を置くことも可能です。
天面パネルの上にものを置くと、当然、パネル上のエアスリットは塞がってしまいますが、パネルは10mm程シャーシ天面から浮いているので、キーボードや資料などを置いてもPCの通気を妨げる心配はありません。
「TSUKUMO EX-623T-A4」のトップパネルは、エアスリット外装パネル、ダストフィルター、ファン・ラジエーターマウントブラケット(PCケースシャーシ)の3層構造になっており、前2つはPCケースシャーシから着脱が可能です。
エアスリット外装パネルは単純にマグネットで固定されており、上に引っ張るだけで簡単に着脱できます。マグネットの接着力は勝手に外れない程度には強く、斜め上に引っ張ってもPCケースが倒れたりしない程度には弱いので、実用面でも安全面でもちょうどいい塩梅です。
トップパネルに下にはマグネット固定で着脱が簡単な防塵メッシュフィルターが設置されています。天面パネルのスリットの隙間から小さいものが落ちても、フィルターが受け止めてくれるので、PCケース内部に入ってしまう心配はありません。
その下にはPCケースシャーシの天面ファン・ラジエーター設置スペースがあり、広範囲に渡ってヘックス型エアベントが設けられています。縦長のネジ穴スリットが複数列用意されており、マザーボードに寄せるor離す形でオフセット配置も可能となっており、最大で2基の140mm角ケースファンや、240サイズ水冷ラジエーターに対応します。
TSUKUMO EX-623T-A4の内部構造の概要
続いて「TSUKUMO EX-623T-A4」の内部構造の概要をチェックしていきます。まずはマザーボード側の俯瞰写真は次のようになっています。
「TSUKUMO EX-623T-A4」は、前方に5インチベイが2基あるものの、基本的には近年の自作向けPCケースで主流なオープンレイアウトをベースに設計されており、PCケースフロントは大きく開放されています。
また近年のPCケースの流行としてPCケースボトムに設置される電源ユニットをチャンバー分けして、電源ケーブルを隠すPSUシュラウドも採用されています。PSUシュラウド上はストレージベイがあるのでケーブルホールがありませんが、代わりに側面にグロメット付きケーブルホールがあり、グラフィックボードのPCIE補助電源ケーブルなどを通すことができます。
「TSUKUMO EX-623T-A4」のマザーボードトレイには標準でATXに合わせたスペーサーが装着されています。マザーボードトレイ右側のケーブルホールが使えるかは怪しいですが、ATXに幅+20~30mm程度のE-ATXマザーボードも設置自体はできそうです。PCIEスロット数はATXフォームファクタの7段に+1段で計8段が設置されています。
以下、CPUクーラーや冷却ファンについては各BTO PCモデル毎に構成が変わる可能性があります。
今回のレビューで使用しているTSUKUMO WA5A-D204XT/EX2については、CPUクーラーに240サイズ簡易水冷クーラーの「Fractal Design Celsius+ S24 Dynamic」が採用されていました。
ちなみに、Fractal Design Celsius+ S24 Dynamicのラジエーターには冷却ファンを接続できるファンハブがありますが、2基の冷却ファンはいずれもマザーボード上のファン端子に直接接続されていました。
今回のサンプル機に搭載されていたのは簡易水冷CPUクーラーですが、「TSUKUMO EX-623T-A4」は最大で全高180mm程度までの空冷CPUクーラーに対応します。
ケースファンについてはフロント下、リアの2か所に140mm角ファンが搭載されていました。今回のサンプル機に搭載されていたケースファンは3PINのDCファンですが、いずれもマザーボード上ファン端子に接続されており、マザーボード機能でファン制御が可能です。
TSUKUMO EX-623T-A4の裏配線・電源ユニット設置スペース
「TSUKUMO EX-623T-A4」の裏配線スペースと電源ユニット設置スペースをチェックしていきます。まずはマザーボード裏側の裏配線スペースの俯瞰写真は次のようになっています。
一般的にはマザーボードトレイのCPUソケット部分はCPUクーラーメンテナンスホールとして広めに開口されているのですが、「TSUKUMO EX-623T-A4」ではマザーボードトレイでそのまま塞がっています。
TSUKUMOによると『マザーボードトレイのCPUクーラーメンテナンスホールについては、運搬時の剛性優先のため塞いでおり、今後変更の可能性もあります』とのこと。
PCケース前方寄りの裏配線スペースの厚みが大きい2段構造が採用されていて、フロントI/Oケーブルや電源ユニットからの電源ケーブルの動線を綺麗に確保でき、ケーブルマネジメントにも優れた設計です。
裏配線スペースの厚さはマザーボードトレイやシャーシの凹凸で若干前後しますが、マザーボードトレイの裏が20mm前後、ケーブルホールよりも前方の凹み部分は30mm程度が確保されています。
続いて「TSUKUMO EX-623T-A4」の電源ユニット設置スペースをチェックしていきます。
「TSUKUMO EX-623T-A4」では最近のPCケースで主流なボトム吸気型の電源ユニットのボトム配置構造を採用、マザーボード側からは電源ユニットや電源ユニットから伸びるケーブルを隠してケース内をキレイに見せるPSUシュラウドも採用されています。
「TSUKUMO EX-623T-A4」では電源ユニットの固定方法として、単純にPCケース内から電源ユニットを配置して外側からネジ止めするといった構造ではなく、専用のPSUアダプタを使用して外から電源ユニットをスロットインする構造が採用されています。
アダプタを装着するだけで外から電源ユニットをスロットインできる構造なので電源ユニットの着脱が容易です。電源ユニットのプラグインケーブルを少し着脱したいという場面で電源ユニットを若干引き出してスペースを作るといった使い方もできる便利な構造です。
今回のサンプル機WA5A-D204XT/EX2には、電源ユニットとしてTSUKUMOがCWTと共同開発したG-GEAR電源が採用されています。G-GEAR電源「CSE850S GGP」については詳細レビューを公開しているのでこちらも参考にしてみてください。
電源ユニットの奥行のクリアランスについて、「TSUKUMO EX-623T-A4」はボトムスペースの前方にストレージ用のシャドウベイがあるので、PSUシュラウド内で電源ユニットと電源ケーブルのスペースは制限があります。
なおシャドウベイは着脱が可能なので、取り外してしまえば、PSUシュラウド内は基本的に全て電源ユニットや電源ケーブルのスペースとして利用でき、奥行クリアランスの制限はなくなります。
「G-GEAR CSE850S GGP」など奥行き140mmの電源ユニットに対して、ストレージシャドウベイとのクリアランスは100mm程度あります。
シャドウベイは前後移動でオフセット配置ができ、上記の標準位置は最も前方寄りの配置になっています。シャドウベイを最も後方寄りに配置すると電源スペースが狭くなる代わりに、フロントのファンスペースが水冷ラジエーター&ファンに対応可能となります。
シャドウベイを最も後方寄りに配置しても奥行140mmの電源ユニット「G-GEAR CSE850S GGP」であれば60mm程度のスペースがあります。
前述の通り、「TSUKUMO EX-623T-A4」は外から電源ユニットをスロットインできる構造なので、ケーブルの挿抜時のみ電源を引き出すなど作業手順を工夫すれば電源ケーブルの配線にも問題ありません。
「TSUKUMO EX-623T-A4」では電源ユニットがPCケース底面から吸気を行う構成なので、PCケース底面にはスライド式で簡単に着脱可能なナイロンメッシュの防塵ダストフィルターが付属しています。
PCケース底面には電源ユニット冷却ファンが吸気するためのエアスリットがありますが、幅100mm、奥行15~150mmのレイアウトになっていて、ファン吸気面の大部分はカバーできているものの、幅は若干狭めです。
TSUKUMO EX-623T-A4のストレージ設置スペース
「TSUKUMO EX-623T-A4」のストレージ設置スペースをチェックしていきます。まず「TSUKUMO EX-623T-A4」のレビュー用サンプル機として使用しているTSUKUMO WA5A-D204XT/EX2では、同モデルの標準構成と同じく、NVMe M.2 SSDがマザーボードのチップセット下M.2スロットに装着されていました。
採用マザーボードに標準搭載のM.2 SSDヒートシンクがある場合は、ヒートシンクによって放熱が補助されています。
各BTO PCモデルによって採用されているマザーボードによっては2つ以上のM.2スロットを搭載していることもあるので、そういった製品では空きのM.2スロットを使用してストレージの増設が可能です。
ポート数はマザーボードによって異なりますが、基本的には少なくとも4基くらいは空きのSATAポートがあるはずなので、後述のストレージ設置スペースを使用して、2.5インチSSDや3.5インチHDDの増設が可能です。フロントには5インチベイも1基あるので、光学ドライブも増設できます。
「TSUKUMO EX-623T-A4」の主なストレージ設置スペースは裏配線側にあり、PSUシュラウド内の前方にある3.5インチストレージシャドウベイと、マザーボードトレイのすぐ下にある3.5インチストレージシャドウトレイ×2の2か所です。
いずれも同じ仕様のプラスチック製トレイでストレージを設置します。ストレージトレイの内側には3.5インチHDD側面のネジ穴に合わせてピンがあり、トレイは左右に伸縮するのでツールレスで固定できます。トレイ底面には2.5インチストレージ互換のネジ穴もあるので2.5インチSSDも使用できます。
前者の3.5インチストレージシャドウベイは2段のストレージトレイがあります。
今回のサンプル機では上段に3.5インチHDDが設置されていました。
3.5インチストレージシャドウベイはPSUシュラウド上のネジと裏配線側台座のネジで固定されています。
これらのネジを外すと、3.5インチストレージシャドウベイを前後方向にオフセット配置したり、完全に取り外してしまうことも可能です。
マザーボードトレイの下に配置された2基の3.5インチストレージシャドウトレイは、裏配線側からそれぞれプラスチック製のトレイを引き出すことができます。
また3.5インチストレージシャドウトレイはマザーボード側から隠す金属製ケースを含め、PSUシュラウド上に固定されていますが、裏配線側のネジ止めを外し、スライドロックを解除することで取り外しが可能です。
カスタマイズ項目としても用意されていますが、PCケースフロントには5インチベイも2基あるので、DVD/Blu-rayの光学ドライブも追加可能です。
ちなみにマザーボードトレイ上にはネジ穴があり、某社のBTO PC用筐体のように2.5インチストレージトレイを装着できます。今回のサンプル機にはありませんでしたが、シャドウベイの代わりに、こちらが利用されるモデルもあるかも。
TSUKUMO EX-623T-A4のグラフィックボード設置スペース
「TSUKUMO EX-623T-A4」のグラフィックボード設置スペースについてチェックしていきます。「TSUKUMO EX-623T-A4」はPCケース前方にドライブベイなどがないオープンレイアウトで、写真のように長さ方向のクリアランスも300mm以上と十分なので、グラフィックボードの互換性を心配する必要はありません。
PCケースフロントに簡易水冷ラジエーターを設置したとしても、ファン&ラジエーターで一般的な60mm厚以下であれば、グラフィックボードの長さクリアランスとして310~320mmを確保できます。
グラフィックボードの高さ方向についても、PCIEブラケットと同じ高さからPCケースサイドパネルまでが70mm程度と十分な余裕があるので、PCIEブラケットから大きくはみ出すような背の高いオリファンモデルでもPCIE補助電源ケーブル/コネクタがPCケースと干渉する心配はありません。
PCIE補助電源ケーブルの取り回しとしては、マザーボードトレイ横のケーブルホール、PSUシュラウド前方のホール、PSUシュラウド側面のケーブルホールを使用してスムーズな配線が可能です。
管理人がPCケースをチェックする時の重箱の隅をつつくような細かい項目、PCIEスロットの固定ネジとシャーシの干渉についてですが、「TSUKUMO EX-623T-A4」では固定ネジがシャーシの外側にあって、シャーシがネジに被っておらず、ドライバーを使用した拡張ボードのネジ止めも簡単です。
ネジ穴が外にある場合は拡張ボードのPCIEブラケットを装着する構造上、PCIEブラケットの手前に穴が開いてしまうのですが、ここを隠すための開閉式カバーも設置されています。
用途が良く分からないのですが、PCIEスロットの右側に着脱式金属カバーが装着された縦長ホールがありました。サイズ的にグラフィックボードの垂直配置、もしくは3.5インチストレージのホットスワップベイで使用するのでしょうか。
TSUKUMO EX-623T-A4のファン・水冷ラジエーター設置スペース
続いて「TSUKUMO EX-623T-A4」の冷却ファンと水冷ラジエーターの設置スペースについてチェックしていきます。「TSUKUMO EX-623T-A4」は前面から吸気、背面と天面から排気というエアフローが想定されたPCケースです。
PCケースリアのファン・ラジエーター設置スペースについて、120mm角もしくは140mm角のケースファンを1基設置可能です。固定ネジ穴は縦長のスリット状になっているので、120mm角ケースファンであれば、上下方向に若干のオフセット配置が可能です。
水冷ラジエーターについては120mmサイズでもシャーシと干渉する可能性が高く基本的に設置はできません。
PCケースフロントのファン・ラジエーター設置スペースについて、120mm角もしくは140mm角のケースファンを2基設置可能です。水冷ラジエーターは120/140/240サイズは問題なく設置できます。280サイズも内部スペース的には問題ないのですが、ネジ穴スリットの上下間隔が足りず、6点止めになります。
ファン・ラジエーター固定用のネジ穴は縦長スリットなのでラジエーターのネジ穴間隔に合わせて設置が可能です。
PCケース内への埃の混入を抑えるため、着脱式の防塵フィルターも標準で装着されています。
「TSUKUMO EX-623T-A4」はPSUシュラウド内に3.5インチストレージシャドウベイがあるため、シャドウベイの標準配置では、フロントのファンマウントスペースのうち下半分には、25mm厚以下の冷却ファンしか設置できません。
シャドウベイは前後にオフセット配置が可能となっており、電源ユニット&電源ケーブル用スペースが奥行200mm程度へ狭くなりますが、最も後方寄りの配置にすると、フロントのファンマウントスペースで240サイズの水冷ラジエーター&ファンを設置できるようになります。
PSUシュラウド前方にはフロント側ファンマウントスペースとの間に厚み70mm程度のホールがあります。一般的な簡易水冷クーラーでファン&ラジエーターの厚みは60mm以下なので、PSUシュラウドとファン&ラジエーターが干渉する心配はありません。
PCケーストップのファン・ラジエーター搭載スペースについて、120mm角もしくは140mm角のケースファンを2基設置可能です。水冷ラジエーターは120/140/240サイズは問題なく設置できます。280サイズはネジ穴的には問題ないのですが、マザーボードやメモリと干渉する可能性が非常に高いので注意が必要です。
PCケース天面のファン・ラジエーター設置スペースは、マザーボード上端との間隔が25mm程度しかないので、水冷ラジエーターをトップに配置すると、CPUソケット上側のVRM電源クーラーやEPS端子、システムメモリに被さってしまいます。
TSUKUMO EX-623T-A4のレビューまとめ
最後にTSUKUMO ゲーミンBTO PC G-GEARでも採用が予定されている新型ATX対応ミドルタワーPCケース「TSUKUMO EX-623T-A4」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- BTO PC用オリジナル筐体とは思えないスタイリッシュな外観
- 天面に物を置いてもエアフローを妨げないトップパネル構造
- 自作向けPCケースでも主流なオープンレイアウトを採用
- ゆとりのある裏配線スペースで綺麗なケーブルマネジメントが可能
- 300mm超の大型グラフィックボードに対応、PCIEスロットを8段搭載
- 5インチベイ対応ドライブを2基増設可能(上段は天面の240サイズ簡易水冷と排他)
- 2.5or3.5インチストレージを4基増設可能(シャドウベイは着脱が可能)
- 電源ユニットの着脱は専用アダプタによるスロットイン構造
- 電源ユニットスペースはシャドウベイ使用時に最大で奥行240mmまで
- スライド式で着脱の容易な電源ユニット冷却ファン用のダストフィルター
- 240mmサイズ水冷ラジエーターを搭載可能(トップ or フロント)
- フロントパネルの吸気スペースが狭い
- フロントIOにUSB2.0 Type-Aポートがない
- サイドパネルの着脱はシャーシに上から乗せる構造にして欲しかった
- マザーボードトレイにCPUクーラーメンテナンスホールがない
- 天面とMB上端の間隔は25mm程度なので水冷ラジエーター設置スペースとしては不向き
6年ぶりにG-GEAR用PCケースとしてリニューアルが予定されている「TSUKUMO EX-623T-A4」は、大型水冷クーラー対応や300mm超大型グラフィックボード対応など、近年の自作向けPCケースのトレンドをふんだんに取り入れ、デザイン面では元々ワークステーションモデル向け筐体ということもあり、シンプルながら洗練され気品を感じさせる外観となっており、自作er目線でもなかなか高評価なPCケースでした。
自作PC入門への第1歩としても良い出来栄えで、今後中身を総取っ換えするとしても長く使えるPCケースだと思います。
TSUKUMOのゲーミングBTO PCブランドG-GEARというと、『マザーボードや電源ユニットといったコストカット対象にも自作PC向け高品質パーツを使いながら、価格が安価』である反面、PCケース設計が古臭いといのが玉に瑕だと自作er目線で感じていましたが、今後、ワークステーションモデル同様に「TSUKUMO EX-623T-A4」が採用されるのであれば、その唯一のデメリットも払しょくされます。
今回はリニューアルされた「TSUKUMO EX-623T-A4」について解説しましたがTSUKUMOのゲーミングBTO PCブランド「G-GEAR」で販売されるゲーミングBTO PCの特徴や賢い選び方、おすすめのモデルについてはこちらの記事も参考にしてください。
・TSUKUMO「G-GEAR」のおすすめゲーミングBTO PCの選び方
以上、「TSUKUMO EX-623T-A4」のレビューでした。
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洗練されたシックなデザインと240サイズ水冷にも対応する最新レイアウトが魅力なATX対応ミドルタワーPCケース「TSUKUMO EX-623T-A4」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) April 25, 2021
最新自作PC向けケースの水準に達したBTO PC専用筐体のデザインや内部設計を徹底解説。https://t.co/DYXDG5mSYU pic.twitter.com/e78jjQkQaS
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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