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Kingston様(以下敬称略)から提供いただいて前回レビューした「HyperX Savage SSD 240GB」に続いて、ありがたいことに今後はKingstonの中核的な取扱商品でもあるDDR4メモリ「HyperX Savage DDR4 memory 16GB(8GBx2)(型番:HX430C15SB2K2/16)」をレビュー用にご提供頂きました。
同じHyperX SavageブランドということでSSDとは赤と黒の重厚かつ高級感漂う紙パケがお揃いです。
世界最大手メモリメーカーKingstonについて
Kingstonは冒頭コメントでも書いたように世界最大のメモリ製造・販売会社で1987年創業と歴史も長く、自作PCでは文字通り老舗な会社です。Kingston Technology Company(URL:http://www.kingston.com/jp/company)
1987年 - Kingston® が単一の製品で市場に参入。 創立者のJohn Tu氏とDavid Sun氏は当時、表面実装型メモリチップの深刻な供給不足の解決に向け、業界標準を塗り替えるメモリモジュールを開発してこの需要を満たしました。この技術はその後何年も続く業界標準となったのです。
メモリ業界で最もきめ細かく厳格なテストプロセス、優れた無料サポートセンター、革新的な技術の継続開発など、Kingston Technology は創立以来、品質と信頼性で常に業界標準を更新してきました。(以下略)
今日のKingston
Kingstonはメモリ製品で世界最大の単独メーカーに成長しました。カリフォルニア州ファウンテンバレーに世界本社をおき、世界で4000人を超える従業員を抱えています。Fortune Magazineでは「就職先に選びたい全米ベスト企業」の一社に選ばれています。これは尊敬、忠誠心、柔軟性を理念とするKingstonの模範的企業文化が反映されていることを意味します。
従業員は会社の重要な資産であり、弊社を成功に導くのは各個人の貢献であるといえます。これはKingstonが堅持する信条です。
なぜKingstonを選ぶべきか?
優れた品質: Kingston®は生産の各段階ですべてのコンポーネントを調査、ならびにすべてのモジュールをテストします。
互換性の保証: Kingstonはメモリをカスタマイズし、100%の互換性を保証します。
便宜性: 数千にものぼるさまざまなシステムにそれぞれ対応する完全メモリソリューションをKingstonは低価格で提供します。
安定性: 1987年に創立したKingstonは業界で最大の独立系メモリモジュールメーカーに成長しました。
信頼性: 最高品質のコンポーネントを使用し、100パーセントテストを実施していることから、Kingstonは市場で最も信頼性の高いメモリ製品を提供します。
専門知識: DRAMプロセスのウェーハーカット、ICのケース化、モジュールのアセンブリ、そして最終製品のテストに至るまで、Kingstonはプロセスのあらゆる部分を管理しています。
保証: Kingstonはすべてのメモリモジュールとフラッシュカードを製品寿命期間にわたって保証
DDR4メモリの国内市場に流通しているメーカーやブランドでは、低価格帯としてはCrucialやA-DATAが価格破壊を進めており、初めての自作PCではCFDが好まれ、高級OCメモリとしてはG.SkillやCorsairの人気が高いです。またラップトップ等モバイルPCの換装向けメモリとしてはバッファローやIO-DATAのユーザーもかなり多いですね。
これらに比べると低価格帯ではやや健闘しているものの国内では決して知名度は高くないKingston製メモリですが、世界的に見ればKingston製メモリの信頼性や評価は非常に高いので性能についても期待が高まります。
前置きはこのあたりにして早速レビューしていこうと思います。
HyperX Savage DDR4メモリの開封の儀
何はともあれまずは開封の儀ですね。数々の試験をクリアしてきた証でもある品質認証シールで封がされ、ライフタイム保証(∞)マークもあります。
ちゃきちゃきとカッターの刃を入れて開封しました。紙パケの中にはプラスチックのスペーサーに包まれてDDR4メモリが鎮座しております。
プラパケを開けると中には簡易マニュアルとHyperXのシールが。
続いてメモリ本体について見ていきましょう。ご覧のようにメモリ基盤はOCメモリにありがちなゴテゴテではなく、かといってとりあえず付けときましたみたいな安っぽさもない、非常にいい塩梅のヒートスプレッダーが装備されています。
上側には「冷えそうやろ?」と言わんばかりのスリットもあります。
シルバーのHyperXロゴもアルミブラックの背景で映えていい感じですね。
ヒートスプレッダーが結構ガッシリとしていて基盤単体よりも頑丈になり取り付けで力を入れる場面でも安心できます。
メモリモジュールは左右裏表に4枚ずつで計16枚実装されているようです。
ヒートスプレッダーともしっかり密着しているので冷却性も問題ないと思います。
OCメモリというとかなりゴツいヒートスプレッダーが備えられており、空冷ユーザーにとってはハイエンドCPUクーラーのヒートシンクやファンとの干渉が悩みの種になることも少なくありません。しかしながらHyperX Savageメモリのヒートシンクはメモリ基盤の背の高さ+たったの3ミリなのでCPUクーラーとの干渉の心配がほぼありません。
製品仕様:http://www.kingston.com/dataSheets/HX430C15SB2K2_16.pdf
G.SkillのRipjaws IVと比較してもHyperX Savageの背の低さは一目瞭然です。
安っぽさを感じさず高級感漂う冷却性も高そうでありながら、ロープロファイル対応でCPUクーラーとの干渉フリーなヒートスプレッダーを備えているところは数あるOCメモリの中からHyperX Savageを選ぶには十分すぎる理由の一つになると思います。
【6月6日追記】
サブ機の水冷ブロックをポンプ付き水枕に換装する際に、メモリの背の高さが低かったおかげで干渉を避けられました。ITXなど小型ファームファクタではコンパクトなヒートシンク搭載のDDR4メモリは助かります。
HyperX Savage DDR4メモリをサブ機へ換装
製品の開封や外観紹介はこのあたりにして早速、サブ機のメモリを換装しようと思います。ちなみに現在サブ機には4GB*2で計8GBのメモリが搭載されています。The DivisionとかRise of the Tomb Raiderなど最近のPCゲームはメモリを10GB以上食うものも少なくありません。
サブ機とはいえゲーム検証用の機材としてはマズいかと思っていたので今回のレビュー企画は渡りに船でした。(この辺りについてはまた後ほど)
サブ機は先日組み上げたばかりの本格水冷化NCACE M1です。
今回はメモリの換装だけなのでラジエーターマウントを外して、リアにズラすだけのお手軽工程を採用しました。
比較のため1枚だけメモリを新しいものに換装しました。配線が入り組んでいて写真が撮りにくかったので見辛いですが、こちらの写真からもHyperX Savage DDR4の背の低さがわかりますね。
写真も取れたのでチャキチャキっと2枚目も換装を済ませました。
以上で、メモリの換装は完了です。続いて早速PCを起動します。
最近のマザボBIOSは賢いので特に自分で設定を行わなくてもデフォルトの動作クロックとタイミングを自動で指定して起動してくれます。デフォルトの状態で起動するとクロックとタイミングはこのようになりました。あと増設したメモリ容量は16GBになっています。またDRAM Freaquencyの部分が動作クロックになっており、今はこの数字を倍にした2133MHzで動作しています。
HyperX Savage DDR4メモリのOCとベンチマーク
続いてメモリのオーバークロックをしていきましょう。メモリのOCについて簡単に説明すると、CPUやGPUのように動作クロックのOCも行うのですが、メモリにはタイミングという項目があります。メモリは動作クロックが高く、タイミングが小さいほど性能が高くなると考えればOKです。
XMPというメモリOCプロファイルを使っても簡単にOCできるのですが、長期使用でOC耐性が下がって動作保証されているXMPでもBSODすることも少なくありません。もちろん製品として保証された動作なので交換・修理はしてもらえるのですが、「保証されているのだから壊れるはずがない」という先入観がクラッシュやBSODの原因究明の邪魔になる場合もあるのでメモリOCをする際にXMPを使うのは個人的にあまりおすすめできません。あくまで「こういうクロックとタイミングで動作を確認できた固体ですよ」という購入時の参考程度に留めておくほうが無難かと思います。
DDR4メモリは定格の2133MHzや2400MHzでは1.2Vの低電圧で動作しますが、3000MHz以上の高速動作では1.35V以上の電圧が要求されるので、メモリOCをする際は一番最初に電圧を上げるといいです。(クロックとタイミングの調整だけして忘れることがあるので。そうなると当然起動せず固まります。)
ということでBIOS画面を開きます。まずはメモリ電圧を調整。
そしてサクッと動作クロックを3000MHzに。
これでメモリのOCは完了です。設定をセーブしてBIOSを出れば勝手に起動してくれるはず。下画像のようにメモリクロックは3000MHzにOCされていますね。マザボが賢いのかKingston HyperX Savageメモリの品質ゆえかはわかりませんが非常に容易にOCできました。
あとタイミングのほうに注目すると先ほどのタイミングとは違っています。メモリクロックをOCしたことでマザボのBIOSが安定して動作できるであろうタイミングを自動で設定してくれているのがわかりますね。
さらにタイミングも詰めてみます。
タイミングを詰める際の参考にマザーボードから確認できるSPD情報を参考にするといいです。
ここのタイミング情報を参考にして、タイミングを手動で入力します。
いきなり小さい値を入れずにちょっとづつ下げて、起動確認を繰り返しましょう。
とりあえずSPD情報を参考にしてタイミングを変更した結果がこちらです。
以上でメモリのOC設定が完了です。
次はメモリOCや容量の増設でどれくらい性能が向上し、どんなメリットがあるのかを見ていきましょう。
まずはCPUをOCした時よく使われるCineBenchで性能向上を調べてみました。
定格クロック&タイミング、 OCクロック&自動タイミング、 OCクロック&手動タイミング
タイミングの調整については性能への効果が小さいようですが、クロックのOCによる性能向上はそれなりに大きいようですね。
メモリクロックのOCによって実用面で効果が大きいものとしては動画のエンコードが挙げられます。最近は管理人もプレイ動画のアップを始めたのですが、UWQHDとかサイズがデカい動画ばかりなので、エンコード時間が短くなるのは非常にありがたい。ということで800MBの動画を実際にエンコードしてみてそのエンコード時間を定格のメモリクロックとOCしたメモリクロックで比較してみました。
定格クロックのエンコード時間:169秒
OCクロックのエンコード時間:164秒
メモリクロックのOCによって今回は3%程度エンコード時間を減らすことが出来ました。
数時間かかるエンコだと数分、数十分以上の時間短縮になるのでエンコが捗りますね。
さてお次はメモリを8GBから16GBに増設することでゲームにどのような効果があるのかを見ていきましょう。
なおメモリの構成については、
・8GB: 換装前 G.Skill Ripjaws IV 8GB(4GB×2)
・16GB: 換装後 HyperX Savage DDR4メモリ 16GB(8GB×2)
を使用し、共に動作クロックを3000MHzに揃えてあります。
(8GBと16GBの比較について3月14日18時追記)
まずはRise of the Tomb Raiderのゲーム内ベンチを実行した時のメモリ使用量を確認してみました。
最近のゲームは賢いのでメモリが8GBの場合、8GB使い切って溢れてしまうということはなく、実装されたメモリ容量に依存してゲームに使えるメモリ容量が確保されます。ちなみにこちらのベンチでは8GBと16GBでの容量の違いによるスコアの優劣は確認できませんでした。
続いてHitman2016のベンチでメモリ使用量を比較してみました。このベンチでは後半のメモリ使用量が16GBの場合は8GBに近づいています。8Gのほうでは7GB以下でなんとか回っていますが結構無理をしている印象です。実際にゲームをすると厳しいかも。
ベンチスコアについては、16GBのほうが平均FPSが若干高いスコアになることが確認できました。
8GB
16GB
続いて、ニード・フォー・スピード(2015) PC版です。こちらはメモリ使用量とFPSを1つのグラフにまとめています。横軸の100あたりの時点を見て欲しいのですが、メモリ8GBのほうではFPSがガクッと下がっているのが確認できます。そして同時点にちょうどメモリ使用量が大きく伸びています。横軸60前後で16GBのほうでも似たようなメモリ使用量とFPSの関係が見えますが8GBの時ほど急激なFPSの落ち方をしていません。
この結果を見ると「メモリ容量を節約できる」のと「メモリ容量が十分に足りている」のは違う模様。一事が万事とは言いませんが、最新の高画質PCゲームを安定してプレイするなら16GB以上のメモリを搭載するに越したことはないようですね。
以上、Kingston製のゲーマー向けHyperX Savage DDR4メモリ 16GB(8GB×2)のレビューでした。
<PCショップアーク>
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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