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全世界でメモリのトップシェアを誇るKingston様(以下敬称略)から同社の中核的な取扱商品であるDDR4メモリ「HYPERX IMPACT S.O.DIMM DDR4 memory 16GB(8GBx2)(型番:HX424S14IBK2/16)」のサンプルをご提供頂きましたので、同製品のレビューを行います。DSC_0101

S.O.DIMM DDR4メモリは主にモバイルPC向けのメモリになっていますが、今回はRazerCoreのレビュー用にサイコム様から提供いただいたSkull Canyon NUC6i7KYK採用「Radiant SPX2550NUC-Extreme」(レビュー記事公開中)を使用します。同レビューでは「HYPERX IMPACT S.O.DIMM DDR4メモリ」でNUCベアボーンのメモリ換装やメモリのオーバークロックを実践していきます。
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パッケージに大きく「ACCELERATE GAMING」と書いてある通りHyperXブランドはKingstonのゲーミングブランドとなっており、「Change the Game」がキャッチコピーなNUC6i7KYKとも相性は抜群な気がします。たぶん。

HYPERX IMPACT S.O.DIMM DDR4 レビュー目次


0.世界最大手メモリメーカーKingstonについて
1.HYPERX IMPACT S.O.DIMM DDR4の外観
2.HYPERX IMPACTとNUC6i7KYKのセットアップ
3.
NUC6i7KYKのメモリをオーバークロックする方法
4.HYPERX IMPACTをXMPでオーバークロック
5.HYPERX IMPACTを手動で3000MHzにOC
6.
HYPERX IMPACT S.O.DIMM DDR4のレビューまとめ



世界最大手メモリメーカーKingstonについて

Kingstonは冒頭コメントでも書いたように世界最大のメモリ製造・販売会社で1987年創業と歴史も長く、自作PCでは文字通り老舗な会社です。

Kingston Technology Company(URL:http://www.kingston.com/jp/company

1987年 - Kingston® が単一の製品で市場に参入。 創立者のJohn Tu氏とDavid Sun氏は当時、表面実装型メモリチップの深刻な供給不足の解決に向け、業界標準を塗り替えるメモリモジュールを開発してこの需要を満たしました。この技術はその後何年も続く業界標準となったのです。

メモリ業界で最もきめ細かく厳格なテストプロセス、優れた無料サポートセンター、革新的な技術の継続開発など、Kingston Technology は創立以来、品質と信頼性で常に業界標準を更新してきました。(以下略)


今日のKingston

Kingstonはメモリ製品で世界最大の単独メーカーに成長しました。カリフォルニア州ファウンテンバレーに世界本社をおき、世界で4000人を超える従業員を抱えています。Fortune Magazineでは「就職先に選びたい全米ベスト企業」の一社に選ばれています。これは尊敬、忠誠心、柔軟性を理念とするKingstonの模範的企業文化が反映されていることを意味します。 従業員は会社の重要な資産であり、弊社を成功に導くのは各個人の貢献であるといえます。これはKingstonが堅持する信条です。

なぜKingstonを選ぶべきか?

優れた品質: Kingston®は生産の各段階ですべてのコンポーネントを調査、ならびにすべてのモジュールをテストします。

互換性の保証: Kingstonはメモリをカスタマイズし、100%の互換性を保証します。

便宜性: 数千にものぼるさまざまなシステムにそれぞれ対応する完全メモリソリューションをKingstonは低価格で提供します。

安定性: 1987年に創立したKingstonは業界で最大の独立系メモリモジュールメーカーに成長しました。

信頼性: 最高品質のコンポーネントを使用し、100パーセントテストを実施していることから、Kingstonは市場で最も信頼性の高いメモリ製品を提供します。

専門知識: DRAMプロセスのウェーハーカット、ICのケース化、モジュールのアセンブリ、そして最終製品のテストに至るまで、Kingstonはプロセスのあらゆる部分を管理しています。

保証: Kingstonはすべてのメモリモジュールとフラッシュカードを製品寿命期間にわたって保証

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DDR4メモリの国内市場に流通しているメーカーやブランドでは、低価格帯としてはCrucialやA-DATAが価格破壊を進めており、初めての自作PCではCFDが好まれ、高級OCメモリとしてはG.SkillやCorsairの人気が高いです。またラップトップ等モバイルPCの換装向けメモリとしてはバッファローやIO-DATAのユーザーもかなり多いですね。
これらに比べると低価格帯ではやや健闘しているものの国内では決して知名度は高くないKingston製メモリですが、世界的に見ればKingston製メモリの信頼性や評価は非常に高いので性能についても期待が高まります

前置きはこのあたりにして早速レビューしていこうと思います。


HYPERX IMPACT S.O.DIMM DDR4の外観

HYPERX IMPACT S.O.DIMM DDR4メモリのパッケージやメモリ外観などをチェックしていきます。
メモリのパッケージは他のHYPERXブランド製品と同系統のマットなブラックとレッドの紙製パッケージになっています。品質証明のシールでしっかりと封がされ、パッケージ右下には永久保証のシールも貼られています。
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メモリ以外の付属品は簡単な仕様書とHyperXのロゴシールでした。
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1枚の容量は8GBですが、両面に8枚ずつメモリチップが実装されています。
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PCB基板の色は緑色ではなくて黒色です。
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S.O.DIMMメモリは一般的なデスクトップ用メモリの半分ぐらいの長さになっています。
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HYPERX IMPACTをNUC6i7KYKにセットアップ

HYPERX IMPACT S.O.DIMM DDR4メモリを早速、NUC6i7KYKに換装していきます。
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一般的なデスクトップマザーボードでは結構な力で押し込んでラッチを止めるという手順でメモリを挿入していましたが、NUC6i7KYKのメモリスロットはメモリを挿すのにほとんど力を入れる必要はありませんでした。メモリは両端のラッチで固定されていて、固定を外すとバネみたいにビヨンとメモリが跳ね起きます。
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メモリの取り外しと取り付けについては動画を見てもらえればわかりやすいと思います。取り付けも取り外しもほんの数十秒ですし、カメラ撮影片手でも余裕でした。




こんな感じでサクッとメモリの換装は完了です。
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とりあえずメモリを交換しただけの状態で起動してみたところ、周波数は2133MHzで変化はありませんでした。
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NUC6i7KYKのメモリをオーバークロックする方法


NUC6i7KYKについては内臓グラフィックスとメモリのオーバークロックが可能になっており、ユーザーの自己責任の下でという注釈は付きますが、Intel公式が内臓グラフィックとメモリを簡単にオーバークロック設定できるマニュアルをPDFファイルで公開しています。
https://jisakuhibi.jp/NUC6i7KYK/NUC6i7KYK-Overclocking-Assistant.pdf

今回はこのマニュアルを参考にして、お手軽なメモリOCを実践してみました。

まず最初にメモリのOC設定を行えるUEFI(BIOS)画面に入ります。
UEFIに入る方法としては、POST中のINTEL NUCのロゴが表示されている時に「F2」キーを押すか、Windowsの設定メニューから入る2種類の方法があります。後者はスタートボタンの設定から 「更新とセキュリティ」-「回復」を選び、「PCの起動をカスタマイズする」から再起動します。
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オプション選択画面が表示されるので「トラブルシューティング」-「詳細オプション」-「UEFIファームウェアの設定」の順に進んでいくとUEFI画面にアクセスできます。
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メモリの画面ではメモリクロックのOCが可能になっています。
メモリの性能は「動作周波数」と「タイミング」の2種類で決まります。動作周波数が高く、タイミングが小さいほどメモリの性能は高くなると考えればOKです。設定の手順としては、まず電圧を調整しつつメモリの周波数を上げ、それからその周波数でタイミングを小さく刻んでいきます。

メモリの動作周波数はオート設定、XMP設定、マニュアル設定の3種類から選択できます。XMPではメーカーが独自にチューニングし動作保証がされたOCプロファイルが適用されます。(機器依存もややあり) 
マニュアルの場合はリファレンスクロックを100MHzか133MHzから選択し、それに対する倍率で動作周波数が決まります。例えば下の画像では133MHz*16=2133MHzとなっています。NUC6i7KYKの場合は電圧はメモリ電圧も1.2Vと1.35Vの2択なので設定はかなり簡略化されています。
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注意点としてメモリを3000MHzなど高い値にOCする場合はCPU設定タブ右下の「SA voltage offset」を0.15~0.20Vほど盛る必要があります。
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HYPERX IMPACTをXMPでオーバークロック

今回提供いただいた「HYPERX IMPACT S.O.DIMM DDR4 memory 16GB(8GBx2)(型番:HX424S14IBK2/16)」は2400MHzでチューニングされたメモリでXMPに対応しているので、まずはそれを適用してみました。

XMP適用方法は前章で説明した通り、BIOSのメモリ画面でXMPを選び、退出して設定を保存するだけです。
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OSを起動してCPU-Zでメモリ項目を確認するとデフォルトのAuto設定(右)では2133MHzだったメモリ周波数がXMP(左)を適用したことで2400MHzに変わっています。またメモリのタイミングもXMPで指定されたものに自動で変更されています。
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このメモリOC設定でCinebenchを回すとデフォルトでは700だったスコアが702に若干伸びました。
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HYPERX IMPACTを手動で3000MHzにOC


続いてオート設定やXMPプロファイルに頼らず、メモリ周波数やタイミングをマニュアルで設定してきます。
 (注:マニュアルでのOCは保証外の行為となります)
すでに紹介したように「動作周波数→タイミング」の順に設定していきます。メモリ電圧は手っ取り早く1.35Vに固定しておきます。メモリ周波数は133*23=3050MHzです。
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メモリを動作周波数3000MHzと高い値にOCするのでOC時の動作を安定させるためCPU設定タブ右下の「SA voltage offset」を0.22Vほど盛りました。
上画像では「Memory timing」はマニュアルになっていますがひとまずAutoにしておきます。この状態で起動すると指定した動作周波数で起動できるタイミングが自動的に設定されます。そのあとは再度BIOS画面に入ってタイミングを安定動作する範囲内で小さくする方に刻んでいけばOKです。
もしもタイミングが自動で設定できずPOSTに失敗すると、OC設定を無効化して機器が勝手に再起動してくれます。管理人もタイミングのチューニングは苦手なので確実なことは言えませんが、タイミングAutoで無理ならそれ以上周波数を盛るのは諦めたほうがいいと思います。

というわけでひとまず周波数だけ盛って(左)、さらにタイミングを若干調整してみました(右)。
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HYPERX IMPACTを3050MHz、16-18-18-39にOCした状態でCinebenchを回してみました。オート設定で2133MHzにした時は700でしたが、OCによって712へスコアが上がりました。
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さらに動画のエンコード時間をデフォルトとOCで比較してみます。デフォルトのエンコード時間は28分56秒でしたが、OCした時のエンコード時間は28分25秒と30秒の時間短縮となりました。
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また内臓グラフィックスIris Proグラフィックス580はビデオメモリをシステムメモリから共有しているので、メモリをOCすることで内臓グラフィックスのGPU性能も若干向上します。デフォルトでは7245だったスコアが、メモリのOCで7309にアップしています。
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HYPERX IMPACT S.O.DIMM DDR4のレビューまとめ


最後に「HYPERX IMPACT S.O.DIMM DDR4 memory 16GB(8GBx2)(型番:HX424S14IBK2/16)」の実機サンプルを検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 黒色のPCB基板やシルバーでブランドロゴが入ったシールがカッコいい
  • 定格2400MHz対応だが、3000MHzへもお手軽OC可能(個体差はあるかも)
  • 8GB*2=16GBで価格は1万円以下とリーズナブル
  • 国内でもAmazonやPCショップアークで取り扱いがあり入手しやすい
注意点
  • メモリOC自体による性能向上はさほど大きくない

今回レビューした「HYPERX IMPACT S.O.DIMM DDR4メモリ」は流石に世界トップシェアのKingstonがゲーマーやクリエイター向けと銘打つだけあって動作も安定しており高品質でOC耐性も高かったです。16GBで1.0万円以下とS.O.DIMM DDR4メモリとしてはリーズナブルな価格帯に収まり、国内での入手性も高いです。「NUCベアボーンを使って小型PCを組みたい、ノートPCのメモリを増設・換装したい、でも何を買えばいいかわからない」というユーザーは「HYPERX IMPACT S.O.DIMM DDR4メモリ 16GB(8GBx2)(HX424S14IBK2/16)」を買えば間違いないと思います。迷ったらこれ買っとけ、と言える一品でした。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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