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MSI AfterBuner 4.3.0 beta14で手動OCが正常に動作しました。



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8月末はスポンサードレビューが立て込んでいたため2週間ほど塩漬けになっていましたがXFX製のAMD RADEON RX 480のオリファンモデル「XFX RADEON RX 480 GTR HARD SWAP FAN With BACKPLATE」をレビューしていきます。
なお正式名称が長いので「XFX RX 480 8GB GTR」くらいに省略します。
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XFXはRX 480のバリエーションが多く、管理人もつい最近まで勘違いしていたのですが、今回レビューする製品は『オリジナル基板(補助電源は8PIN)にオリファン&バックプレートを搭載しており長さ28cmで背の高さはPCIスロットより高い。1288MHzにOC』というスペックのものになっています。

製品公式ページ:http://www.xfxforce.com/en-us/products/amd-radeon-rx-400-series/rx-480-gtr-8gb-dd-led-rx-480p8dfa6
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XFX RX 480 8GB GTR レビュー目次


1.XFX RX 480 8GB GTRの外観
2.XFX RX 480 8GB GTRの分解
3.XFX RX 480 8GB GTRのセットアップ
4.XFX RX 480 8GB GTRのベンチマーク・ゲーム性能
5.XFX RX 480 8GB GTRの温度・消費電力
6.
倍速補完機能「AMD Fluid Motion」の効果と使い方
7.XFX RX 480 8GB GTRのレビューまとめ


XFX RX 480 GTRの外観

早速、XFX RADEON RX 480 8GB GTRを開封していきます。グラボ本体はお馴染みの薄い静電防止ビニール袋に入れられて段ボールの内箱に固定されていました。
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付属品は保証書、ドライバCD、補助電源の変換ケーブルです。
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静電防止ビニール袋から取り出すとグラボ本体にはさらに保護ビニールが貼られていました。
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PCI端子やビデオ出力端子には保護カバーが付いています。
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XFX RX 480 8GB GTRの全体像はビニールを剥がすとこんな感じになります。
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アルミ製の専用バックプレートも搭載しています。
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サイドカバーにはXFXロゴがあり、電源が入るとLEDが点灯します。
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XFX RX 480 8GB GTRは基板自体はPCIブラケットとほぼ同じ背の高さなのですが、バックプレートとGPUクーラーのサイドバー分で20mmほど背が高いです。補助電源は8PIN*1です。
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ビデオ出力はリファレンスと同じDP*3、HDMIに加えてDVI-D端子が追加されています。
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XFX RX 480 8GB GTRのGPUクーラーの冷却ファンはホットスワップ機能に対応しており、ツールレスで下端に冷却ファンを交換可能になっています。ただしファンが交換可能でも特に規格が統一されているわけでもなく、交換用ファンを手に入れる手段はいまのところありません。
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XFX RX 480 8GB GTRはGTX 1070 FEよりもサイズが大きいです。
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性能的には大差ないのにGTX 1060のようなショート基板モデルがないが悲しい。
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XFX RX 480 8GB GTRの分解

XFX RADEON RX 480 GTRのGPUクーラーを早速分解してみました。
GPUコアが斜めっている安定のPolarisコアとご対面です。グリスの量は普通、柔らかめ。
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クーラーを外しただけの状態では基板にはメモリ用のヒートシンクとバックプレートがまだ付いています。
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基板からバックプレートが大きくはみ出しているのがちょっと気に入りません。背の高さは1cmは削れたのに。
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バックプレートとメモリ用ヒートシンクの基板側にはショート防止のビニールが貼られています。またVRAMとヒートシンクはサーマルパッド経由で接触していました。
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全部剥いてグラボ基板だけにした状態は次のようになっています。
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GPUコア周辺とVRMA電源周辺の拡大画像がこちら。RX 480 8GB版なのでVRAMチップは8枚実装されており、VRM電源フェーズ数は6フェーズでした。
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GPUクーラーの全体像はこちら。
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GPUコアとの接触は厚めの銅製ベースになっており、ヒートパイプが4本出ています。
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GPUコアからのヒートパイプが1本しか伸びていないほうのアルミフィンにはVRM電源を冷やすためのサーマルパッドが貼られており、発熱部位の放熱は分散されています。
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銅製ベース、ヒートパイプ4本、大型放熱フィンとハイエンドGPUでも冷やせそうなGPUクーラーそれ自体は良いのですが、RX 480はミドル帯のグラボなのでもう少しコンパクトにまとめて欲しいという本音もあります。


XFX RX 480 8GB GTRのセットアップ


外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、XFX RADEON RX 480 GTRを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。CPUはASRockのHyper BCLK Engineを使ったHyperOCでKなしCPUをOCするという若干変則的なものを使っています。
テストベンチ機の構成
CPU i5 6400
4.0GHzにBCLK OC
M/B ASRock
Z170M OC Formula
メインメモリ DDR4 8GB*2=16GB
システム・ベンチ
ストレージ
SSD 540 M.2 240GB
OS Windows10 64bit Home
電源ユニット Corsair RM650i

XFX RX 480 8GB GTRはサイドのXFXロゴのみLEDイルミネーションが搭載されています。またセミファンレス機能も搭載しているので一定温度以下のアイドル時はファンが停止しています。
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XFX RX 480 8GB GTRのGPU-Z情報はこちらになっています。冷却性能はリファレンスのブロアーファンよりも大きく勝る大型の2連ファンですが、リファレンス定格で1266MHzからややOCの1288MHzにオーバークロックされています。
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AMD RADEON設定の純正OCツールWattManからコアクロックと電圧のプロファイルを見ると次のようになっていました。
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ちなみにリファレンス基板では次のようになっていました。比較してみるとXFX RX 480 GTRはコアクロックがOCされた分、コア電圧も盛られているのであまりOC耐性は高くない個体だったのかもしれません。
リファ

また純正OCツールからXFX RX 480 GTRのOCを試してみたものの、デフォルトでは1288MHzに貼りついて安定していたコアクロックはOCツールから弄ると1200~1240MHz程度でふらついて安定しなくなりました。Wattmanの%盛りと手動指定のいずれの方法でもコアクロックが安定しなくなり、場合によってはドライバのクラッシュやOSが落ちたりと安定しません。
コア電圧についてはWattManから手動で入力しても状態1など低い電圧の部分は調整できたのですが、状態5~7など負荷がかかった状態の電圧は入力しても変更することができませんでした。またPowerLimitを調整してみてもコアクロックは安定せず、結局マニュアルOCは正常動作させられませんでした。
リファレンス版の時はWattmanやAfterBurnerどちらでも普通にOCや電圧調整できたので、XFXのオリファンモデルはちょっとOCの挙動が違うように思いました。PowerColorやSapphireのように何か専用のツール(特にXFXからはリリースされていない)が必要なのかも。
製品ページで「XFX True Clock Technology」とか独自機能的に紹介されているのでそのせいかもしれません。
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OCについては補助電源の制約がなくなったオリファンで遊ぼうと思っていたのでちょっと出鼻を挫かれました。

【追記】
MSI AfterBuner 4.3.0 beta14で試したところ手動OCが正常に動作しました。MSI AfterBunerからであればコアクロック、GPUコア電圧、メモリクロックいずれもオフセット設定が可能で、PowerLimitも正常に反映されました。
なお純正ツールのWattmanは依然安定せず。まあAfterburnerのほうが使いやすいからいいんだけど。


XFX RX 480 8GB GTRのベンチマーク


XFX RADEON RX 480 8GB GTRの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。
XFX RX 480 8GB GTRはブーストクロック1288MHzとリファレンスよりも22MHz以上オーバークロックされています。実働最大ブーストクロックも1288MHzとなっておりFF14ベンチ中のコアクロックの数位をログに撮っていましたが、リファレンスが大幅にコアクロックが変動するのに対してXFX RX 480 8GB GTRは最大クロックで常に張り付いて安定動作しました。
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今回は性能比較のためRX 480のリファレンスと先日レビューを行ったEVGA GTX 1060 SCを使いました。250ドル前後の競合対決の結果は如何に!?
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価格帯や性能的にGTX 1070やGTX 1080と比較してもなあという気もしますし、GPU別の性能比較はググればいくらでも出てくるので割愛。

まずはFF14ベンチのフルHD最高設定の比較は次のようになっています。
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FireStrike、FireStrikeExtreme、FireStrikeUltraのベンチマーク比較になります。
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3DMarkの最新DirectX12ベンチマーク「TimeSpy」の性能比較となります。
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続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。

まずはRise of the Tomb Raiderのほぼ最高設定(FXAA、HBAO、DX12)のベンチマーク比較です。
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Deus Ex: Mankind Dividedのグラフィック設定Highプリセット(AAなし、DX11)のベンチマーク比較です。
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The Divisionのベンチマーク比較は次のようになっています。このゲームのベンチマークではこちらのグラフィック設定を用いて、フルHDとWQHDでベンチマークを行いました。
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GTA5のベンチマーク比較は次のようになっています。このゲームのベンチマークではこちらのグラフィック設定を用いて、フルHDとWQHDでベンチマークを行いました。
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The Witcher3のベンチマーク比較は次のようになっています。このゲームのベンチマークではこちらのグラフィック設定(赤で囲った部分のみ設定を下げています)を用いて、フルHDとWQHDでベンチマークを行いました。測定にはノヴィグラドの広場から橋までを往復しています。
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XFX RX 480 8GB GTRはコアクロックはリファレンス比で22MHz程度と微盛りですがコアクロックの変動を見ても最大値の1288MHzで安定しているため、OCされたGTX 1060 6GBに迫る性能でになっており、フルHD・高画質設定のPCゲームを快適に遊べる水準には十分達しています。


XFX RX 480 8GB GTRの温度・消費電力

XFX RX 480 8GB GTRの負荷時のGPU温度とファン回転数を検証しました
性能比較と同じくRX 480リファレンスと比較しながら検証を行っています。温度とファン回転数の検証負荷としてはFF14ベンチを使用しており、その結果が次のグラフになっています。
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XFX RX 480 8GB GTRはセミファンレス機能採用しており、GPU温度が60度を超えると1500~1700RPM程度で冷却ファンが動作開始しました。ファン回転数は温度に応じて最低1500RPMから最高温度69度で1780RPMまで上がります。ファン回転数の変動を見たところGPU温度の変動とは関係なく回転数が波打っており、GPU使用率など他の要素にも比例しているように感じました。RX 480リファレンスがベンチ終盤で80度、2000RPMとなるのに比べると、XFX RX 480 8GB GTRは静音性と冷却性能のバランスが比較的優秀なクーラーだと思います。

FF14ベンチ終盤のXFX RX 480 8GB GTRとRX 480 リファレンスのファンノイズとコイル鳴きについて確認のため動画を録画しました。測定にはグラボから30㎝ほど離した位置にカメラを置いて撮影を行っています。




XFX RX 480 8GB GTRのコイル鳴きについては軽微なので問題ないと思います。
なおコイル鳴きは最近のグラボだとTitanXでも980tiでもGTX1080でも基本的に鳴くので60FPS程度の高負荷時にPCケースに入れていても気に障る程度の大きさかどうかで主観的になりますが「軽微」or「問題あり」として当ブログ記事では判断します。同じ型番のグラボでも個体差がある項目なので参考に留めていただけるとありがたいです。

続いてXFX RX 480 8GB GTRの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。測定にはCorsair RM650i電源ユニットのCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた純粋な検証システム全体への入力電力をチェックしています。また測定方法は「FireStrike Extremeのグラフィックテストを3回行い、その際の平均値を消費電力に、最大値を瞬間的な最大電源負荷」としました。測定結果は次のようになっています。
rx480xfx_power_c
XFX RX 480 8GB GTRの消費電力は219WでRX 480 リファレンスよりも12Wほど消費電力が大きくなっています。また瞬間的な最大電源負荷は246Wとなりリファレンスよりも21Wほど増えていました。リファレンス比で異常な消費電力の増大もないので問題ないと思います。EVGA GTX 1060 SCの消費電力と比較すると性能が同程度ながら40Wほど多くの電力を消費しています。電気代とかはどうでもいいのですが、この消費電力つまりは発熱量の差が基板やクーラーの大きさに直結しているのでRX 480はコンパクトなPCには向かないといのが正直な感想ですね。(参考画像:ログ1ログ2



倍速補完機能「AMD Fluid Motion」の効果と使い方


AMDグラフィックボード限定の動画フレーム補完機能「AMD Fluid Motion」を実際に試してみました。「AMD Fluid Motion」は映画やアニメなどの各種動画で幅広く採用されている24FPSや30FPSの動画を60FPSに補完する機能で、高性能TVに搭載される”倍速機能”と同じことをグラフィックボードで行っています。

サンプルに動画を2つ用意しました。1つ目の動画はわかりにくいですが、Fluid Motionによって若干動画がヌルヌルになっています。


2つ目のように同じような画像が大きくスクロールしていくシーンでは倍速補完の効果は絶大になっています。カクカク感が気にならない動画よりもオリジナルで気になる動画でより効果を発揮するようです。


ちなみにRX 480とi7 6700の環境でFluid Motion使用時と非使用時のGPU温度(最大)、GPU使用率(平均)、CPU使用率(平均)は次のようになりました。GPU負荷は若干大きくなるようですがファンノイズが煩くなるほどGPU温度は上がらないのでFluid Motion使用に伴うハード面での弊害は特にないようです。
GALLERIA XFR_fluid

AMD Fluid Motionの利用には対応したビデオ(DVD、BD、動画ファイル)プレイヤーが必要で、市販品で正式に対応しているプレーヤーは「PowerDVD」となっています。
PowerDVD 16 Ultra 乗換え・アップグレード版
PowerDVD 16 Ultra
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今回、管理人はフリーソフトの「Media Player Classic - Homecinema(以下、MPC HC)」というフリーソフトと、同じくフリーで公開されているプラグイン等を利用して上の動画のようにAMD Fluid Motionを試してみました。(2016年8月)
AMD Fluid Motionを使うのに必要なソフトは「Media Player Classic - Homecinema」、「Bluesky Frame Rate Converter」、「DXVA Checker」の3つになります。MPC HCのみ圧縮ファイル版で、残り2つはインストール版で使用しました。
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サブ機のR9 NANOで確認したところ、「Media Player Classic - Homecinema」、「Bluesky Frame Rate Converter」の2種のみでFluid Motionは有効化できました。(その他AMDグラボでも同様に可能なはずです)
MPC HCから有効化する際にファイル参照ではなくそのままリストに「Bluesky Frame Rate Converter」がありこちらからフィルタを登録しました。このあたりは臨機応変にお願いします。
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各種ソフトのインストールや解凍が完了したら、まずは「DXVA Checker」を起動します。(このステップはスキップしても問題ないかもしれません。)
右下の▲マークから「ビデオアクセラレーション設定」を選択します。ウィンドウ左下の「全ての設定を表示」を選んでから、「CmMode_FrameRateConv」「CmSupp_FrameRateConv」の2つの項目にチェックを入れてOKを押して設定終了です。
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続いて「Bluesky Frame Rate Converter」の設定を行います。こちらは次の画像のように各項目が設定されていれば問題ありません。(後ほどもしも動画が60FPS化されない場合は「AFMサポートを初期化する」を選んで再起動すると正常に動作するかも)
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「MPC HC」の設定を行います。メニューの表示から最下部にあるオプションを選択します。
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オプション画面が表示されるので、左側メニューから「外部フィルタ」を選択して、右側のフィルタ追加を選び、先ほどインストールした「Bluesky Frame Rate Converter」のインストフォルダにある「BlueskyFRC64.dll」を追加します。追加した後は「フィルタを追加」の下の部分で「優先する」選択してください。
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最後にRadeon設定から「AMD Fluid Motion」を有効化すれば設定完了です。
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AMD Fluid Motionを利用する準備は完了です。「MPC HC」で動画ファイルやDVD、BDを再生すると60FPS化されると思います。60FPS化の確認には「MPC HC」メニューの「表示-統計情報」でボトムに詳細情報が各種表示できてフレームレートも書かれているのでここで確認可能です。
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60FPS化が上手くいかない場合はMPC HCを再起動したり、上で書いたように「Bluesky Frame Rate Converter」から「AFMサポートを初期化する」を選んで再起動すると正常に動作するかもしれないので試してみてください。
あと動画ファイルについては対応できるものとできないものがあるようで管理人が試しただけでもFraps取ったaviファイルが60FPS化できず、そのファイルを「つんでれんこ」というソフトでエンコードしたファイルは24FPS化できました。

AMD Fluid Motionによる倍速補完機能自体は非常に有用だと思うのですが、使用準備がやや面倒だったりするのでAMDにはぜひ純正のAMD Fluid Motion対応プレーヤーを公開してもらいたいなと思いました。



XFX RX 480 8GB GTR レビューまとめ

最後にXFX RADEON RX 480 GTRを検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • コアクロックがリファレンスよりもOCされており、なおかつ最大クロックで安定動作する
  • 銅製ベースやホットスワップファン採用のクーラーの冷却性と静音性は良好
  • フルHD・高画質設定の最新PCゲームが快適にプレイ可能な性能がある
  • 倍速補完機能「AMD FluidMotion」でアニメなどの動画視聴も快適に
  • セミファンレス採用でアイドル時も静か
  • コイル鳴きも軽微で問題なし
悪いところor注意点
  • 同価格・同性能のGTX 1060よりも消費電力が高く、グラボサイズが大きい(RX480一般)
  • 基板はPCIブラケットサイズなのにバックプレートとクーラー分で無駄に背が高い。

XFX RX 480 8GB GTRはRX 480というGPUを搭載したグラフィックボードとしては高性能なGPUクーラーを搭載しており、コアクロックもリファレンスと異なって最大値で安定するので非常に高い完成度をほこるグラフィックボードだと思います。補助電源もリファレンスの6PINから8PINへと増量されていますが消費電力の増えは20W程度と一般的なオリジナル基盤グラボの範疇に収まっています。
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GTX 1060搭載のショート基板モデルと比べれば確かにサイズは大きいですが、GTX 1060でも同程度のサイズのモデルは数多くラインナップされているので、倍速補完機能Fluid Motion等のAMDグラボの付加価値に拘ってRX 480グラボを米尼個人輸入しようと思っているなら、XFX RX 480 8GB GTRは悪くない選択肢だと思います。

以上、XFX RADEON RX 480 GTRのレビューでした。
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余談~RX 480/470とGTX 1060について

XFX RX 480 8GB GTRを同程度の性能で競合GPUであるGTX 1060と比較をした場合、まず第一に省電力性能に劣っているため消費電力が大きく、結果としてGPUクーラーの大型化が必要になるのでITXなどに対応するショート基板の小型モデルが出ていないという欠点があります。また北米市場においてはそのサイズ面で圧倒しているEVGA GTX 1060 6GB SC ACX2.0というモデルが260ドルで販売されており、RX 480 8GB搭載のオリファンモデルが軒並み270ドル以上、リファレンスモデルですらせいぜい250ドルになっている点を考えると「250ドルで購入可能なRX 480 VS 300ドルのGTX 1060」という当初想定された構図も怪しくなってきます。実際にEVGA GTX 1060 6GB SCが260ドルに対し、XFX RX 480 8GB GTRは280ドルでした。200ドル程度のRX 470 4GBについても210ドルで購入可能なEVGA GTX 1060 3GB SCという鉄板モデルが立ちはだかります。

RX 480 8GBとGTX 1060 6GBの両者のオリファンモデルを単純に競合製品としてみた場合、最重要となるコスパ・ワッパ・サイズの3大要素でRX 480は競合のGTX 1060に対して劣勢にあるというのが個人的な印象です。もちろん付加価値的な機能としてRX4XXなどAMDグラボには倍速補完機能のAMD Fluid Motionなどもありますが、それだけで状況がひっくり返るもしくはRX 480/470のユーザーへの訴求力がGTX 1060に迫るかというと難しいかなとも。

価格面だけ見るとRX 480 4GBとRX 470 8GBが死にモデルになっている印象。国内ではGTX 1060 3GBと6GBの2モデルですらベンダー別で価格は入り乱れています。北米市場ですらRX 470 4GB<RX 480 4GB≒RX 470 8GB<RX 480 8GBと200~300ドルに詰め込まれた4モデル、国内の値付けがどうなるかというと言わずもがなというかぐちゃぐちゃですよね。4モデルすべて揃っているAIBモデルもその一部だけが国内では投入されていることもわかりにくさに拍車をかけています。実は似たような性能のものが2.5万~4万で4モデルもあるせいで、2.5万で買えるRX 470 4GB以外が悪く映りますし、もしくはグラボ事情に詳しくない大半のユーザー視点に立てば何買えばいいのかわからないのでユーザーに優しくない。どちらにせよメーカーにとっても嬉しくない状況のはずです。
端的に言って200~300ドル(2.5~4.0万円)の価格帯に4モデルもいらない。
シングルでコスパ優先のRX 470 4GBと多少性能が高くCFXにも向いたRX 480 8GBの2モデルで十分。


あとXFX RX 480 8GB GTR自体はRX 480搭載のオリファンモデルとしては優秀ですが、国内ならMSI GamingXがおそらく同程度の静音&冷却性能のクーラーになっていて、デフォルトOCもより高い数値になっており、グラボサイズも似ているのを考えると、あえてXFX RX 480 8GB GTRを米尼から個人輸入する必要があるか?というと3000円程度お得よ、というくらいしかアピールポイントがないのも事実。じゃあなんでXFX RX 480 8GB GTRを米尼個人輸入した?と聞かれるとぶっちゃけグラボの寸法をしっかりとチェックせずに購入した(もっと小さいとおもってた、少なくともMSI GamingXよりは)というオチでした。国内でMSI RX 480 Gaming Xを購入してレビューしたほうが、購入検討しているユーザーはXFXよりも多いと思うので有益だったかなと正直、ちょっと後悔しています。




(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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