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AMDの最新GPU RX 4XXシリーズから今回は補助電源不要なエントリーGPUであるRX 460 4GBをレビュー用に購入しました。今回レビューするのは「GIGABYTE RADEON RX460 WINDFORCE OC 4GB (GV-RX460WF2OC-4GD)」です。AMD謹製の動画倍速補完機能「Fluid Motion」の入門に最適なRX 460搭載グラフィックボードの性能をチェックしていきます。
製品公式ページ:http://www.gigabyte.jp/products/product-page.aspx?pid=5988#kf
GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OC レビュー目次
1.GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OCの外観
2.GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OCのセットアップ
3.GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OCのゲーム性能
4.GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OCの温度・消費電力
5.倍速補完機能「AMD Fluid Motion」の効果と使い方
6.GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OCのレビューまとめ
GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OCの外観
早速、GIGABYTE RX460 WINDFORCE OC 4GBを開封していきます。グラボ本体はお馴染みの薄い静電防止ビニール袋に入れられて段ボールの内箱に固定されていました。150ドル以下の安価なモデルですがスポンジ製スペーサーも使われています。 GIGAのGTX 1070 ITX OCにはなかったのはなぜだ……。付属品は保証書、ドライバCDです。
GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OCの俯瞰写真は次のようになっています。
低消費電力なRX 460グラフィックボードですがGIGABYTEのものはデュアルファンを搭載しています。普段、管理人は低消費電力モデルはコンパクトなシングルファンを選ぶのですが、RX 460でが他社のシングルファンモデルと比較して、GIGABYTE RX 460 WINDFORCEは190mmで他社のシングルファンモデルが170mmと大差なかったので今回は冷却性能の高そうなこのモデルを購入しました。
バックプレートは非搭載のモデルとなっています。
基板自体は他社のショート基板と同じ程度の長さになっており、クーラーが20mmほどはみ出ています。
グラフィックボードの厚さはちょうど2スロット分です。あとRX 460の4GB版には発売当初、補助電源不要モデルがなかったのですが、GIGABYTE WINDFORCE OCは4GB搭載モデルながら補助電源なしになっています。
安価なモデルながらPCI端子やビデオ出力端子には保護カバーが付いていました。ビデオ出力はDipslayPort、HDMI、DVI-Dの3系統になっています。
補助電源なしGTX 950のZOTACモデルと比較すると20mmほど長くなっています。
GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OCのセットアップ
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、GIGABYTE RX460 WINDFORCE OC 4GBを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | |
CPU | i7 6700K core 4.2GHz, cache 4.1GHz |
M/B | ASRock Z170M OC Formula |
メインメモリ | DDR4 8GB*2=16GB |
システム・ベンチ ストレージ |
SSD 540 M.2 240GB |
OS | Windows10 64bit Home |
電源ユニット | Corsair RM650i |
GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OC 4GBのGPU-Z情報はこちらになっています。コアクロックはリファレンス定格で1200MHzからややOCの1212MHzに若干オーバークロックされています。RX 460では4GB版も2GB版と同様に7000MHzのVRAMチップが採用されていました。
GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OCのゲーム性能
GIGABYTE RX460 WINDFORCE OC 4GBの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較のため補助電源不要なGTX 950から「ZOTAC GTX 950 2GB LowPower」を使用しました。まずはFF14ベンチのフルHDの高品質と最高品質のスコアは次のようになっています。RX 460では最高品質は難しそうですが高品質やHD解像度などで負荷を調整すれば十分プレイ可能な性能だと思います。
FireStrike、FireStrikeExtreme、FireStrikeUltraのベンチマーク比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
RX 460 4GB GIGABYTE | 5556 | 2482 | 1225 |
GTX 950 2GB LowPower | 5822 | 2688 | 1094 |
3DMarkの最新DirectX12ベンチマーク「TimeSpy」の性能比較となります。
TimeSpy | Asyncなし | 性能比 | |
RX 460 4GB GIGABYTE | 1715 | 1646 | 104% |
GTX 950 2GB LowPower | 1681 | 1673 |
100% |
続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。解像度は全てフルHDを選択しています。
まずはRise of the Tomb Raiderの中設定(AAなし、DX12)のベンチマーク比較です。
Deus Ex: Mankind Dividedの中設定(AAなし、DX12)のベンチマーク比較です。
The Divisionの中設定のベンチマーク比較です。
GTA5のベンチマーク比較は次のようになっています。このグラフィック設定を使いました。
The Witcher3のベンチマーク比較は次のようになっています。このグラフィック設定使いました。
Mirrors Edge Catalystの中設定のベンチマーク比較です。
Dark Souls IIIの高設定のベンチマーク比較です。
Battlefield 1 (DX11)の高設定のベンチマーク比較です。
Assassin's Creed Syndicateの低設定のベンチマーク比較です。
Gears of War 4 (DX12)の中設定のベンチマーク比較です。
OverWatchのウルトラ設定のベンチマーク比較です。
(トレーニングの練習場を1分ほどランニングして測定しているので実際は結果よりもパフォーマンスが多少下がると思います)
GIGABYTE RX460 WINDFORCE の温度・消費電力
GIGABYTE RX460 WINDFORCE OC 4GBの負荷時のGPU温度とファン回転数を検証しました。温度とファン回転数の検証負荷としてはFF14ベンチを使用しており、その結果は次のようになっています。GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OCのコアクロック仕様値は1212MHzでしたが、実際はパワーリミットがかかっているようで実働コアクロックは平均1117MHzになっています。
GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OCはセミファンレス機能を採用しており、GPU温度が45度を超えると1100RPM程度で冷却ファンが動作開始しました。ファン回転数の変動が独特でファン始動直後は1100RPM程度で動作しますが、GPUに負荷が安定してかかり続けると一定時間後にファン回転数は900RPM程度まで落ちて安定動作します。GPU温度も70度未満なのでよく冷えています。ファン回転数は900~1100RPMなのでファンノイズも特に問題ないと思います。
続いてGIGABYTE RX460 WINDFORCE OCの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。測定にはCorsair RM650i電源ユニットのCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた純粋な検証システム全体への入力電力をチェックしています。また測定方法は「FireStrike Extremeのグラフィックテストを3回行い、その際の平均値を消費電力に、最大値を瞬間的な最大電源負荷」としました。測定結果は次のようになっています。
GIGABYTE RX460 WINDFORCE OCの消費電力は107Wで補助電源不要なGTX 950よりも10Wほど消費電力が小さいという結果になりました。瞬間的な最大電源負荷は130WとなりGTX950と一致しています。TDP120WのEVGA GTX 1060 SCの消費電力と比較すると消費電力は50W以上小さいのでPCI-Eスロットから供給可能な75Wの範囲内で動作していると見ていいと思います。(参考画像:ログ1、ログ2)
倍速補完機能「AMD Fluid Motion」の効果と使い方
AMDグラフィックボード限定の動画フレーム補完機能「AMD Fluid Motion」を実際に試してみました。「AMD Fluid Motion」は映画やアニメなどの各種動画で幅広く採用されている24FPSや30FPSの動画を60FPSに補完する機能で、高性能TVに搭載される”倍速機能”と同じことをグラフィックボードで行っています。
サンプルに動画を2つ用意しました。1つ目の動画はわかりにくいですが、Fluid Motionによって若干動画がヌルヌルになっています。
2つ目のように同じような画像が大きくスクロールしていくシーンでは倍速補完の効果は絶大になっています。カクカク感が気にならない動画よりもオリジナルで気になる動画でより効果を発揮するようです。
ちなみにRX 460とi7 6700Kの環境でFluid Motion使用時と非使用時のGPU温度(最大)、GPU使用率(平均)、CPU使用率(平均)は次のようになりました。GPU負荷は大きくなるようですがファンノイズが煩くなるほどGPU温度は上がらないのでFluid Motion使用に伴うハード面での弊害は特にないようです。GPU使用率は9割を超えていますが10分程度動画を再生し続けても安定して倍速補完をかけることができていました。
AMD Fluid Motionの利用には対応したビデオ(DVD、BD、動画ファイル)プレイヤーが必要で、市販品で正式に対応しているプレーヤーは「PowerDVD」となっています。
ただ今回、管理人はフリーソフトの「Media Player Classic - Homecinema(以下、MPC HC)」というフリーソフトと、同じくフリーで公開されているプラグイン等を利用して上の動画のようにAMD Fluid Motionを試してみました。AMD Fluid Motionを使うのに必要なフリーソフトは「Media Player Classic - Homecinema」、「Bluesky Frame Rate Converter」の2つになります。MPC HCのみ圧縮ファイル版で、「Bluesky Frame Rate Converter」はインストール版で使用しました。
各種ソフトのインストールや解凍が完了したら、まず「Bluesky Frame Rate Converter」の設定を行います。こちらは次の画像のように各項目が設定されていれば問題ありません。(後ほどもしも動画が60FPS化されない場合は「AFMサポートを初期化する」を選んで再起動すると正常に動作するかも)
続いて「MPC HC」の設定を行います。メニューの表示から最下部にあるオプションを選択します。
オプション画面が表示されるので、左側メニューから「外部フィルタ」を選択して、右側のフィルタ追加を選び,、リストから「Bluesky Frame Rate Converter」を登録します。
追加した後は「フィルタを追加」の下の部分で「優先する」選択してください。
最後にRadeon設定から「AMD Fluid Motion」を有効化すれば設定完了です。
AMD Fluid Motionを利用する準備は完了です。「MPC HC」で動画ファイルやDVD、BDを再生すると60FPS化されると思います。60FPS化の確認には「MPC HC」メニューの「表示-統計情報」でボトムに詳細情報が各種表示できてフレームレートも書かれているのでここで確認可能です。
60FPS化が上手くいかない場合はMPC HCを再起動したり、上で書いたように「Bluesky Frame Rate Converter」から「AFMサポートを初期化する」を選んで再起動すると正常に動作するかもしれないので試してみてください。
あと動画ファイルについては対応できるものとできないものがあるようで管理人が試しただけでもFraps取ったaviファイルが60FPS化できず、そのファイルを「つんでれんこ」というソフトでエンコードしたファイルは24FPS化できました。
AMD Fluid Motionによる倍速補完機能自体は非常に有用だと思うのですが、使用準備がやや面倒だったりするのでAMDにはぜひ純正のAMD Fluid Motion対応プレーヤーを公開してもらいたいなと思いました。
GIGABYTE RX 460 WINDFORCE レビューまとめ
最後に「GIGABYTE RADEON RX460 WINDFORCE OC 4GB (GV-RX460WF2OC-4GD)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- FF14のフルHD・高画質設定や軽量なe-スポーツ系PCゲームを快適にプレイ可能な性能
- 倍速補完機能「AMD FluidMotion」でアニメなどの動画視聴も快適に
- セミファンレス採用でアイドル時も静か
- 1万円台のエントリー向け価格帯
- GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OCはRX 460グラボの中では若干価格が高い
- RX 460は最新高画質PCゲームをがっつり遊ぶには非力
- RX 460でVRAM 4GBはGPU性能的にあまり意味がないので価格が安い2GB版が推奨
AMDの次世代GPUにおいてローエンドモデルに当たるRX 460はGPU性能的には近年の高画質PCゲームを遊ぶには仮にグラフィック設定を標準や中設定まで落としても平均60FPSを超えることができず、30~50FPSとなるため遊べないことはないが、快適さを求めるならRX 470やRX 480を選んだほうが良いというような位置づけになっています。とはいえ例えば「OverWatch」のようなe-Sports系の軽量なPCゲームやFF14のようなMMO RPGであれば対応可能なGPU性能があり、エントリー向けの低価格GPUと考えれば妥当な性能です。
ベンチマーク測定を行ったタイトルは、The Division(中設定)、Grand Theft Auto V(グラフィック設定)、Assassin's Creed Syndicate(低設定)、Mirrors Edge Catalyst(中設定)、The Witcher3(グラフィック設定)、DARK SOULS III(高設定)、Deus Ex: Mankind Divided(中設定、AAなし)、Rise of the Tomb Raider(DX12、中設定、AAなし)、Battlefield 1(高設定)、Gears of War 4(中設定)、OverWatch(ウルトラ設定)以上の11タイトルです。
加えてRX 460にはNVIDIAのローエンドGPUにはない特徴として動画の倍速補完機能「AMD Fluid Motion」が利用できるという強みがあります。高画質PCゲームユーザーがメインになるミドル~ハイエンドのグラフィックボードでは忘れられがちな機能ですが、軽いPCゲームと動画がメインとなるローエンドGPUでは倍速補完機能「AMD Fluid Motion」の存在感は非常に大きく感じます。
以上、GIGABYTE AMD RADEON RX460 WINDFORCE OC 4GBのレビューでした。
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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460も950より50Wも消費電力低いなんてインチキデモやらなければもうちょっと評価されてたと思いますが
今回の470キャンペーンといい他社とのインチキ比較やってもセルフネガキャンにしかならないということをいい加減AMDには学んでもらいたいものです