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RX 480のレビュー用サンプル機として「GIGABYTE RX 480 8G G1 Gaming (GV-RX480G1 GAMING-8GD)」を購入したのでレビューします。
16年の夏ごろに「XFX RX 480 8GB GTR」をレビューしたのですが、PCIスロットよりも背が高くてGTX 1070のリファレンスよりもデカいので、ミドル帯はできるだけ小さいグラボが好きな管理人としてはベンチ・検証用機材が嵩張るのも嫌だったため長さ24cmとRX 480グラフィックボードの中では比較的コンパクトな「GIGABYTE RX 480 8GB G1 Gaming」を購入しました。なおレビューの執筆は去年の11月ごろで下書きのままなぜか未公開でした。
製品公式ページ:http://www.gigabyte.jp/products/product-page.aspx?pid=5956#kf
GIGABYTE RX 480 8GB G1 Gaming レビュー目次
1.GIGABYTE RX 480 8GB G1 Gamingの外観
2.GIGABYTE RX 480 8GB G1 Gamingのセットアップ
3.GIGABYTE RX 480 8GB G1 Gamingのゲーム性能
4.GIGABYTE RX 480 8GB G1 Gamingの温度・消費電力
5.倍速補完機能「AMD Fluid Motion」の効果と使い方
6.GIGABYTE RX 480 8G G1 Gamingのレビューまとめ
GIGABYTE RX 480 8G G1 Gamingの外観
早速、GIGABYTE RX 480 8GB G1 Gamingを開封していきます。グラボ本体はお馴染みの薄い静電防止ビニール袋に入れられて段ボールの内箱に固定されていました。300ドル以下の中堅モデルですがスポンジ製スペーサーも使われています。 GIGAのGTX 1070 ITX OCにはなかったのはなぜだ……。付属品は保証書、ドライバCDです。
GIGABYTE RX 480 8G G1 Gamingの俯瞰写真は次のようになっています。GIGABYTEのRX 480オリファンモデルでは90mmのデュアルファンを搭載しています。
RX 480搭載グラボは競合製品のGTX 1060に比べると正直ワットパフォーマンスがよろしくないので(GTX 1060が良すぎるだけなのですが)、ミドル帯のグラフィックボードながら多くのオリファンモデルが長さ280mm越えの大型モデルばかりになっており、mini-ITXに対応可能なショート基板が皆無という現状です。そんな中でGIGABYTE RX 480 8GB G1 Gamingはグラフィックボード長が240mmと比較的コンパクトだったので今回、検証用機材の候補として購入しました。
アルミ製のバックプレートが搭載されています。
グラフィックボードの厚さはちょうど2スロット分です。補助電源は8PIN*1を要求します。
PCI端子やビデオ出力端子には保護カバーが付属しています。ビデオ出力はDipslayPort*3、HDMI、DVI-Dの5系統です。
GIGABYTEのRX 460と比較するとデザインそのままで拡大したみたいになっています。
GIGABYTE RX 480 8GB G1 Gamingのセットアップ
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、GIGABYTE RX 480 8G G1 Gamingを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | |
CPU | i7 6700K core 4.2GHz, cache 4.1GHz |
M/B | ASRock Z170M OC Formula |
メインメモリ | DDR4 8GB*2=16GB |
システム・ベンチ ストレージ |
SSD 540 M.2 240GB |
OS | Windows10 64bit Home |
電源ユニット | Corsair RM650i |
GIGABYTE RX 480 8GB G1 Gamingはセミファンレス機能にも対応しており、ファンが停止中は「FAN STOP」のLEDイルミネーションが点灯します。ただし室温21度でベンチ板に設置してデスクトップ表示のアイドル状態で放置したところ、GPU温度は47~50度となりファンの停止と動作を繰り返しました。クーラーが小さいため室温が20度程度の場合セミファンレスの閾値が50度のようなのでセミファンレスの意味があまりないという結果に。セミファンレスの閾値は55~60度くらいに設定すべきだったと思います。
サイドのLEDイルミネーションはフォルトではカラーサイクルの発光パターンですが、GIGABYTEのグラボツール「XTREME ENGINE」から発光カラーや発光パターンの調整が可能です。
GIGABYTE RX 480 8GB G1 GamingのGPU-Z情報はこちらになっています。コアクロックはリファレンス定格で1266MHzからややOCの1290MHzに若干オーバークロックされています。RX 480の8GB版なので2000MHzのGDDR5 VRAMチップが搭載されています。
GIGABYTE RX 480 8GB G1 Gamingのゲーム性能
GIGABYTE RX 480 8GB G1 Gamingの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。GIGABYTE RX 480 8GB G1 GamingではFF14ベンチのフルHDの高品質と最高品質のスコアは1万を超えているので、フルHD・最高品質でも快適にプレイ可能です。
FireStrike、FireStrikeExtreme、FireStrikeUltraのベンチマーク比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
GIGABYTE RX 480 G1 Gaming | 13305 | 5928 | 2944 |
EVGA GTX 1060 6GB SC | 13703 | 6434 | 3080 |
ZOTAC GTX 1050Ti OC | 7845 | 3692 | 1771 |
RX 460 4GB GIGABYTE | 5556 | 2482 | 1225 |
3DMarkの最新DirectX12ベンチマーク「TimeSpy」の性能比較となります。
TimeSpy | Asyncなし | 性能比 | |
GIGABYTE RX 480 G1 Gaming | 4117 | 3919 | 105% |
EVGA GTX 1060 6GB SC | 4245 | 4076 | 104% |
ZOTAC GTX 1050Ti OC | 2329 | 2220 | 105% |
RX 460 4GB GIGABYTE | 1715 | 1646 | 104% |
続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。解像度は全てフルHDを選択しています。
ベンチマーク測定を行ったタイトルは、The Division(プリセット:高)、Grand Theft Auto V(グラフィック設定)、Assassin's Creed Syndicate(プリセット:高)、Mirrors Edge Catalyst(プリセット:最高)、The Witcher3(グラフィック設定)、Dark Souls III(最高設定)、Deus Ex: Mankind Divided(DX11、High設定、AAなし)、Rise of the Tomb Raider(最高設定、FXAA、DX12)、BattleField1(最高設定、DX11)、TitanFall2(グラフィック設定)、Gears of War 4(最高設定)以上の11タイトルです。
AMD RADEON RX 480 8GBであれば最新の高画質PCゲームでもフルHD解像度、高画質設定で60FPSで安定してプレイ可能になっています。
GIGABYTE RX 480 8G G1 Gamingの温度・消費電力
GIGABYTE RX 480 8GB G1 Gamingの負荷時のGPU温度とファン回転数を検証しました。温度とファン回転数の検証負荷としてはFF14ベンチを使用しており、その結果は次のようになっています。
GIGABYTE RX 480 8GB G1 Gamingはセミファンレス機能を採用しており、GPU温度が50度を超えると800RPM程度で冷却ファンが動作開始しました。
続いてGIGABYTE RX 480 8GB G1 Gamingの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。測定にはCorsair RM650i電源ユニットのCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた純粋な検証システム全体への入力電力をチェックしています。また測定方法は「FireStrike Extremeのグラフィックテストを3回行い、その際の平均値を消費電力に、最大値を瞬間的な最大電源負荷」としました。測定結果は次のようになっています。
GIGABYTE RX 480 8GB G1 Gamingの消費電力は207Wで競合製品のGTX 1060よりも35Wほど消費電力が大きいという結果になりました。また残念なことにGTX 1070よりも消費電力が高いです。瞬間的な最大電源負荷は233Wでした。(参考画像:ログ1、ログ2)
倍速補完機能「AMD Fluid Motion」の効果と使い方
AMDグラフィックボード限定の動画フレーム補完機能「AMD Fluid Motion」を実際に試してみました。「AMD Fluid Motion」は映画やアニメなどの各種動画で幅広く採用されている24FPSや30FPSの動画を60FPSに補完する機能で、高性能TVに搭載される”倍速機能”と同じことをグラフィックボードで行っています。サンプルに動画を2つ用意しました。1つ目の動画はわかりにくいですが、Fluid Motionによって若干動画がヌルヌルになっています。
2つ目のように同じような画像が大きくスクロールしていくシーンでは倍速補完の効果は絶大になっています。カクカク感が気にならない動画よりもオリジナルで気になる動画でより効果を発揮するようです。
ちなみにFluid Motion使用時と非使用時のGPU温度(最大)、GPU使用率(平均)、CPU使用率(平均)は次のようになりました。GPU負荷は若干大きくなるようですが、ファンノイズが煩くなるほどGPU温度は上がらないのでFluid Motion使用に伴うハード面での弊害は特にないようです。
AMD Fluid Motionの利用には対応したビデオ(DVD、BD、動画ファイル)プレイヤーが必要で、市販品で正式に対応しているプレーヤーは「PowerDVD」となっています。
ただ今回、管理人はフリーソフトの「Media Player Classic - Homecinema(以下、MPC HC)」というフリーソフトと、同じくフリーで公開されているプラグイン等を利用して上の動画のようにAMD Fluid Motionを試してみました。AMD Fluid Motionを使うのに必要なフリーソフトは「Media Player Classic - Homecinema」、「Bluesky Frame Rate Converter」の2つになります。MPC HCのみ圧縮ファイル版で、「Bluesky Frame Rate Converter」はインストール版で使用しました。
各種ソフトのインストールや解凍が完了したら、まず「Bluesky Frame Rate Converter」の設定を行います。こちらは次の画像のように各項目が設定されていれば問題ありません。(後ほどもしも動画が60FPS化されない場合は「AFMサポートを初期化する」を選んで再起動すると正常に動作するかも)
続いて「MPC HC」の設定を行います。メニューの表示から最下部にあるオプションを選択します。
オプション画面が表示されるので、左側メニューから「外部フィルタ」を選択して、右側のフィルタ追加を選び,、リストから「Bluesky Frame Rate Converter」を登録します。
追加した後は「フィルタを追加」の下の部分で「優先する」選択してください。
最後にRadeon設定から「AMD Fluid Motion」を有効化すれば設定完了です。
AMD Fluid Motionを利用する準備は完了です。「MPC HC」で動画ファイルやDVD、BDを再生すると60FPS化されると思います。60FPS化の確認には「MPC HC」メニューの「表示-統計情報」でボトムに詳細情報が各種表示できてフレームレートも書かれているのでここで確認可能です。
60FPS化が上手くいかない場合はMPC HCを再起動したり、上で書いたように「Bluesky Frame Rate Converter」から「AFMサポートを初期化する」を選んで再起動すると正常に動作するかもしれないので試してみてください。
あと動画ファイルについては対応できるものとできないものがあるようで管理人が試しただけでもFraps取ったaviファイルが60FPS化できず、そのファイルを「つんでれんこ」というソフトでエンコードしたファイルは24FPS化できました。
AMD Fluid Motionによる倍速補完機能自体は非常に有用だと思うのですが、使用準備がやや面倒だったりするのでAMDにはぜひ純正のAMD Fluid Motion対応プレーヤーを公開してもらいたいなと思いました。
GIGABYTE RX 480 8GB G1 Gaming レビューまとめ
最後に「GIGABYTE RX 480 8G G1 Gaming (GV-RX480G1 GAMING-8GD)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- フルHD・高画質設定の最新PCゲームが快適にプレイ可能な性能
- 倍速補完機能「AMD FluidMotion」でアニメなどの動画視聴も快適に
- RX 480搭載グラボとしてはボード長240mmでコンパクト
- セミファンレス機能対応
- リファレンスクーラーよりも高い冷却性能
- 消費電力が高い
- 他のRX480の大型クーラー搭載モデルに比べて冷えない
GIGABYTE RX 480 8GB G1 GamingはRX 480というGPUを搭載したグラフィックボードとしてはボード長240mmかつPCIスロットとほぼ同じ背の高さというコンパクトさが1番の注目ポイントだと思います。またオリファン搭載で補助電源も8PINに増量されているので、コアクロックもリファレンスと異なって最大値に張り付いて安定したパフォーマンスを発揮できます。
GTX 1060搭載のショート基板モデルと比べれば確かにサイズは大きいので、消費電力から冷却能力という制約もありコンパクトPCを組むということなら選択肢から外れるかもしれません。しかしながら、一般的なデスクトップPCでミドルクラスのグラフィックボードを、ということであれば、GTX 1060でも同程度のサイズのモデルは数多くラインナップされており、ゲーミング性能自体はRX 480とGTX 1060は競合しているので倍速補完機能Fluid Motion等のAMDグラボオリジナル機能に価値を見出すなら「GIGABYTE RX 480 8GB G1 Gaming」は悪くない選択肢だと思います。
以上、GIGABYTE RX 480 8G G1 Gamingのレビューでした。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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現状この独自機能に価値を見出すか、よっぽどのラデ好きじゃないと
ラデ(特にRX480)には手を出し辛いですよね・・・