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激熱最強な化け物GPU「TITAN X Pascal」を簡易水冷クーラーで冷やすという世界初のBTO PC「G-Master Hydro-X99II」をサイコム社からお借りできたのでレビューします。
本格水冷自作erが勧める一押しのBTO PCと称して簡易水冷化グラボと「Fractal Design Define R5」という高い拡張性を誇る自作er界隈で高評価のPCケースを採用した「サイコム G-Master Hydro Z170」を以前からおすすめして、簡易水冷化GTX 1080を搭載した同BTO PCを夏頃にレビューしていますが、今回レビュー用サンプルとしてお借りできた「G-Master Hydro-X99II」はエンスー向けCPUであるBroadwell-Eの10コア20スレッドモデルi7 6950Xと簡易水冷TITAN X Pascalを搭載した文句なしの最上位モデルになっています。
17年7月からCPU&マザーボードをSkylake-X&X299に更新した後継モデル「G-Master Hydro-X299」が発売されています。グラフィックボードにはTITAN X Pascalよりも高速で価格も安価なGTX 1080 Tiの簡易水冷化モデルが選択可能です。
今回提供いただいたレビュー用サンプルの詳細スペック(BTOカスタマイズ)は次のようになっています。デフォルト構成よりも各種パーツがかなりアップグレードされた超高級モデルになっています。
「G-Master Hydro-X99II」 レビュー用サンプル詳細スペック | |
OS | Windows10 Home (64bit) DSP版 |
CPU | Intel Core i7-6950X (10コア20スレッド、10コア同時3.4GHz) |
CPUクーラー | サイコムオリジナルAsetek 550LC Enermax UCTB12P [PWM、500~1500RPM] |
マザーボード | MSI X99A GAMING PRO CARBON <製品公式ページ> |
メモリ | 64GB [16GB*4枚] DDR4-2133 |
システムストレージ | intel 600p Series NVME M.2 SSD 512GB SSDPEKKW512G7X1 |
データストレージ | Crucial CT500MX200SSD1 500GB |
光学ドライブ | 【黒】DVDドライブ LG GH24NSD1 |
グラフィックボード | 簡易水冷 TITAN X Pascal Asetek 740GN |
ラジエーターファン | Enermax UCTB12 [3PIN、900RPM] |
PCケース | Fractal Design DEFINE R5 Black Window |
LEDイルミネーション | あり、リモコン操作可能 |
電源ユニット | SilverStone Strider Platinum SST-ST75F-P [750W、Platinum認証] <製品公式ページ> |
【執筆:2016年11月20日、更新:2017年8月1日】
製品リンクを後継モデルの「G-Master Hydro-X299」に更新
注:記事中の価格については記事執筆当時、更新当時のものが混ざっている場合があります。閲覧時現在の価格と異なる場合がありますがご了承ください。
G-Master Hydro-X99II レビュー目次
1.G-Master Hydro-X99IIの梱包・付属品
2.G-Master Hydro-X99IIの外観
3.G-Master Hydro-X99IIの内部構造
4.ハイエンドグラボ設置の補強機能
5.Define R5搭載ファンコントロール機能
6.リモコン操作可能なLEDイルミネーション
7.SLIやNVMe SSDにも対応で拡張性が高い
8.簡易水冷化TITAN X Pascalについて
9.G-Master Hydro-X99II(i7 6950X,TITAN X Pascal)の性能
10.G-Master Hydro-X99IIのレビューまとめ
余談.簡易水冷は排気よりも吸気のほうが冷える
おまけ.TITAN X搭載BTO PCのカスタマイズ指南
G-Master Hydro-X99IIの梱包・付属品
まず最初にサイコムから購入した「G-Master Hydro-X99II」がユーザーの手元にどんな状態で届くのかをご紹介しようと思います。(今回の機体はレビュー用サンプルですが一般販売分と同じ梱包であることは確認済みです。)配送業者からは下画像のような段ボール箱に梱包されて製品が届きました。精密機器注意や天地無用などの注意書きもあり、配送業者のクロネコヤマトも注意して配達してくれました。60*50*30cmサイズとかなり大きい段ボール箱で重量も重かったのですが持ち手用の穴が段ボール箱の横に開いていたので持ち運びは楽でした。成人男性であれば持ち手を取れば持ち運びには特に困ることはないと思います。
段ボール箱を開けると上側にはマザーボード、CPU、SSDのリテール品の箱が入っており、隙間をクッションで埋められていました。この下側にピッタリサイズでDefine R5の梱包箱が入っています。
マザーボードの箱の中には各種製品マニュアルやACコンセントケーブルなど利用上重要なものや各パーツの付属品が入っています。マザボの箱には大きい再剥離シールで「付属品が入っていますよ」と書いてあるので見逃すことはないと思います。
BTO PCはDefine R5のPCケース単体販売用の段ボール箱を利用して梱包されており、発泡スチロールのスペーサーで固定されています。
「G-Master Hydro-X99II」のデフォルト構成で採用されているマザーボードは「ASRock X99 Extreme4」ですが今回のレビュー用サンプル機では同BTO PCのカスタマイズ上は最上位パーツにあたる「MSI X99A GAMING PRO CARBON」(+16,150円)が搭載されています。MSI製のマザーボードは基本的なところを押さえた日本語マニュアルが付属しています。
日本語マニュアル:http://download.msi.com/archive/mnu_exe/M7A20v1.1_ASIA.zip
詳細な日本語マニュアルに拘るのであれば、カスタマイズ項目から選択可能な「ASUS X99-A II」(+9,620円)や「ASUS STRIX-X99-GAMING」(+13,700円)にマザーボードを変更するとマザボの日本語マニュアルの使いやすさに定評のあるASUS製マザーボードでBTO PCをオーダーすることができます。
G-Master Hydro-X99IIのケース外観
「G-Master Hydro-X99II」の外観ということで「Fractal Design Define R5」をチェックします。まずはDefine R5のフロントは5インチドライブなどもないフラットパネルデザインになっていますが、このパネルは片開きのドアになっています。またフラットパネル右下にはサイコムロゴが入っていました。
ドアの裏側には5インチドライブベイが2基と下側にはプラスチック製のファンガードがあり、今回のBTO PCでは最上段にDVDドライブが搭載され、下側にはツールレスで取り外しできるプラスチックのツメで固定されたベイカバーがつけられています。DVDドライブのロゴ直上にあるスイッチはファンコンの3段階スイッチになっています。
下側のファンガードもプラスチックのツメで固定されているのでツールレスで簡単に取り外しができ、ファンガードの後ろには120mmもしくは140mmのファンを2基搭載できます。デフォルトではPCケースに付属する「Fractal Design Dynamic GP14 140mm」(3PIN、1000RPM、公式ページ)が吸気で搭載されていました。ファンの裏側にはストレージがあるので高回転HDDのような発熱の大きいパーツも直に冷やしてくれる構造です。
フロントパネルの裏側には静音性を上げる厚手の吸音素材が貼り付けられています。またフロントパネルを開くときの軸はケース本体と扉でネジ止めされているので、右開きと左開きを交換可能になっています。
なおこの吸音素材はサイドパネルやトップカバーにも貼り付けられています。
PCケース足のインシュレーターは高級感のあるシルバー塗装で、底は滑り止めのゴムが付いています。
PCケースの底一面を覆う大型のダストフィルターもスライド式で簡単にケース前方から引き抜くことができます。ケース外側にフィルターが付いているのでケース底面にファンを搭載するなら吸気で使うのがおすすめです。簡易水冷では水路内エアの関係でラジエータ―の底置きは推奨できませんが、本格水冷なら底面に大型ラジエーターを搭載するのもいいですね。
今回レビューサンプルとして送られてきたものはアクリルウインドウありのモデルだったので、正面から見て左側のサイドパネルに大型のアクリルウィンドウが搭載されており、ケース内部が一望できるようになっています。またオプションのLEDイルミネーションも搭載されているのでPCケース内をカッコよくライトアップできます。
マザボ裏のサイドパネルはネジ止めだけで固定されていますが、マザボ側はネジ止めに加えてバネ仕掛けのツメでも固定可能です。ネジは使わずツメだけでも固定できるのでストレージの交換などで頻繁にケース内部にアクセスするなら非常に便利です。
ケーストップのフロント側にはUSB端子、ヘッドホン・マイク端子、電源スイッチなどがあります。USB端子は2.0と3.0が2端子ずつ設置されています。電源ボタンはPCの電源が入ると青色LEDが点灯します。
ケーストップのファンホールにはサイコム限定の特製ダストフィルターが搭載されています。トップにラジを搭載している「Define R5」ユーザーなら単品で売ってほしい人も多いのではないでしょうか。ダストフィルターは厚さ2mmくらいの金属製で裏側にはマグネットが四辺に貼られているので、スチール製のケース本体シャーシにくっつきます。マグネット固定なのでフィルターのクリーニングも容易です。
デフォルトのカバーを外しただけの状態よりも格段に外見がカッコよくなるので、これ目当てに「Define R5」を使った初めての自作PC代わりに、サイコムのBTO PCを買うのもありだと思います。
最後にケースではなくマザボのバックパネルIOと電源ユニットになります。電源ユニットはハードウェアスイッチが付いているのでパーツ換装時も安心です。バックパネルIOには4基ずつのUSB2.0とUSB3.0に加えて最新規格のUSB3.1もType-AとType-Cの2つが搭載され高速外付けストレージが利用可能です。
ケース外観のチェックで「Fractal Design Define R5」についていろいろ確認しましたが、パネルは厚手でペラペラしておらず、シャーシもガタガタした感じは全くないので工作精度は非常に高いと感じました。
G-Master Hydro-X99IIのケース内部構造
続いてPCケースの内側をチェックしていきます。写真のように各種ケーブル類もケーブルタイや裏配線を使って綺麗にマネジメントされています。配線がてきとうな管理人の自作PCとは配線の綺麗さが雲泥の差です。
G-Master Hydro-X99IIのレビュー用サンプルに採用されているマザーボード「MSI X99A GAMING PRO CARBON」はその名の通りカーボン調のチップセットヒートシンクやリアI/Oシールドカバーがクールな黒一色の硬派なハイエンドマザーボードになっています。
マザボ裏側のケーブルも裏配線だからといって手を抜かず綺麗にケーブルマネジメントされていました。Broadwell-E用マザーボードのCPUソケットLGA2011-3はバックプレート標準搭載なのであまり関係はありませんが、CPUクーラー固定用バックプレート部分のホールも十分に広くとってあります。
CPU周りも簡易水冷クーラー採用なのでハインエンド空冷クーラーに比べてCPU周りのスペースにかなり余裕があります。今回のサンプル機ではヒートシンクなしのメモリが使われていますが、大型ヒートシンクを搭載したOCメモリでもクーラーとの干渉を気にしなくていいのも簡易水冷クーラーの利点の一つです。
CPU水冷ヘッドのポンプケーブルはマザーボード右上にあるケースファン端子に繋がれていました。
トップフロントにはCPUクーラーのラジエーターとファン、トップリアにはケースフロントに搭載されていたものと同じ「Dynamic GP14」がそれぞれ排気で設置されています。またケースリアファン部分にはグラボ用のラジエーターとファンがこれも排気で設置されていました。
ラジエーターの冷却ファンはCPU用には「Enermax UCTB12P (PWM、500~1500RPM)」、GPU用には「Enermax UCTB12 (3PIN、900RPM固定)」が搭載されています。
8段のストレージマウンタのラック部分はいずれもツールレスで簡単に取り付け・取り外しが可能なのでHDDやSSDの増設も簡単です。SATAケーブルやSATA電源のコネクタはマザボ裏側に向くので裏側からケーブルコネクタにも簡単にアクセスでき、表から配線が隠れてスッキリします。
2段の5インチドライブベイ、上側5段と下側3段のストレージマウンタはいずれも手回しネジ(ハンドスクリュー)で固定されており、取り外しも可能になっているので、将来的に本格水冷を導入する場合はこれらを外してポンプやリザーバーの設置スペースを確保可能になっています。
本格水冷導入でストレージマウンタを外した場合もマザボ裏側には2.5インチドライブマウンタがあるのでストレージの設置に困ることはないと思います。(本格水冷化についてはBTO PCのレビューからは話が逸れるのでこの辺りにして、最後のおまけで簡単に紹介します。)
電源ユニットにはデフォルト構成の「CoolerMaster V750 Semi-Modular(GOLD認証)」よりもアップグレードされたPlutinum認証の高効率電源「SilverStone SST-ST75F-P」が搭載されていました。電源ユニットの周りも裏配線ホールを有効活用されてケーブルマネジメントも綺麗にまとまっています。
プラグインコネクタについてはPCI-E 8(6+2)PIN*2用の青色8PINコネクタ1つとSATA用の黒色6PINコネクタ1つに空きがありました。
マザーボードにはオンボードの電源スイッチも付いています。ストレージコネクタとしてはSATAコネクタが10基と次世代NVMe規格に対応したU.2コネクタも搭載されています。データストレージのSSDと光学ドライブで2基のSATA端子が使用されており、SATAには8基の空きがあります。
システムストレージにはPCI-Eスロットの間、グラフィックボード直下に位置する場所に設置されたM.2スロットに「intel 600p Series NVME M.2 SSD 512GB SSDPEKKW512G7X1」というシーケンシャルリード1800MB/sの高速SSDが搭載されています。またデータストレージにはSATA SSDの「Crucial CT500MX200SSD1 500GB」が搭載されていました。
各種ストレージの利用には一部排他利用のものあるので注意してください。「MSI X99A GAMING PRO CARBON」のストレージ排他利用のアサインについてはこちらの画像で組み合わせや利用例が紹介されています。
最初に書いた通り、「G-Master Hydro-X99II」のケース内部は裏配線スペースも活用されており、各種ケーブルマネジメントも工夫され綺麗にまとまっていました。
ハイエンドグラボ設置の補強機能
G-Master Hydro-X99IIのレビュー用サンプルに採用されているマザーボード「MSI X99A GAMING PRO CARBON」には重量級グラフィックボードの負荷に耐えるためPCI-Ex16には16年から流行り始めた補強メタルアーマーが搭載されてています。ハイエンドグラボは1Kgを超えるものも少なくないのでメタルアーマー搭載のマザーボードはハイエンドグラボユーザーにとってかなり安心感があります。また同マザーボードにはDDR4メモリスロットにも外部ノイズを遮断してOC耐性を向上させるためメタルアーマーも装備されています。
加えてサイコム独自の取り組みとして、水平方向の滑落や垂直方向のグラボの垂れ下がりを防止するためのグラフィックボードプロテクターも標準装備されています。サイコムのハイエンドグラボユーザーへの配慮が伺えました。
Define R5搭載ファンコントロール機能
G-Master HydroにはCPUラジエーター用のファン、GPUラジエーター用のファン、フロント吸気ファン、トップ排気ファンの4つのケースファンがデフォルトで搭載されています。このうちCPUラジエーター用のファンはマザボ上のCPUファン端子にPWMで接続されており、GPUラジエーター用のファンはグラボ基板上から伸びるファンコネクタに繋がれています。フロントとトップに設置されたの残る2つのケースファンはDefine R5のPCケースに搭載されているファンコンから給電およびファン回転数の操作がされる構成になっています。
ケース搭載のファンコン機能については公式マニュアルでわかり易く図説されています。電源ユニットのSATA電源から電力供給されて、3つの3PINファンコネクタに分岐し、全てケースフロントの3段階ファンコンスイッチで速度調整できます。
ファンコンは単純な電圧制御だと思うので、定格ファン回転速度の100%、80%、60%の回転数になるよう調整されるはずです。「Dynamic GP14」は定格1000RPMなのでファンコン機能を使うことで600~1000RPMの回転数で調整が可能になっています。(仕様がググっても見つからなかったのですが電圧制御なので安定動作のためせいぜい下限は60~70%だと思います。)
ファンコネクタは3PINタイプなので4PINファンを接続したい場合は3PIN-4PINファン変換ケーブルが必要になります。(PWM機能は使えません) SATA電源やファンケーブルは全て裏配線で他のケーブルと一緒に綺麗にまとめられていました。
リモコン操作可能なLEDイルミネーション
G-Master Hydro-X99IIで採用されるPCケースにはカスタマイズ項目としてカラーバリエーションの黒or白に加えて、静音重視でサイドパネルに吸音素材が張られたソリッドパネル版と、ケース内部を一望できるアクリルウィンドウ搭載版の各組合せで計4種から選択できます。このうちアクリルウィンドウのカスタマイズを選択した場合、ケースオプションとしてLEDイルミネーションが利用可能になります。LEDイルミネーションは次の動画のようにリモコンを使って発光カラーや発光パターンを自由に変更できます。
LEDイルミネーションの電源・操作ユニットはPCケースのボトムにマジックテープで固定されていました。ちなみにこのLEDイルミユニットは海渡電子というLEDパーツメーカーの商品で一般販売もされていました。
リモコンからはLEDの点灯&消灯、輝度の調整、発光カラー16種類、静止点灯以外の4種の発光パターンが選択可能になっています。アクリルウィンドウ越しに操作ユニット本体を狙うようにしてスイッチを押すとスムーズにLEDの調整ができました。
LEDリボンケーブルはマザーボードトレイのすぐ右とケースボトムの2か所に設置されています。
リモコンからの簡単操作で発光カラーや発光パターンをその日の気分で変えられて、ケース内部を魅せる機能としては飽きにくい万能性があります。カスタマイズ価格も4000円以下ですし、迷ったらとりあえず追加しておいても損はない機能だと思いました。
【余談】
G-Master Hydro-X99IIのマザーボードのカスタマイズ項目である「MSI X99A GAMING PRO CARBON」であれば「MSI MUSTIC LIGHT LED (Gaming APP内の機能)」、ASUS STRIX-X99-GAMINGならASUS AURAというマザーボードのLEDイルミネーションと統合されたLEDイルミネーション操作機能があります。オプションのLEDイルミに使用されているLEDテープとの互換性もあるのでマザーボード機能を利用する形ならば、マザボとLEDテープのイルミネーションをシンクロさせることも可能になるのでこちらの機能を活用して欲しいと感じました。
変換・延長ケーブル(「延長ケーブル」「オス型アダプタ」「2分岐ケーブル」「3分岐ケーブル」など)を利用してマザーボードとLEDテープを接続することでマザーボードの専用アプリからLEDイルミネーションを調整可能になっています。ただし市販のLEDテープとマザーボード端子はピンアサインが異なっており青と緑が逆になっているので変換アダプタを自作するかCableMOD製のLEDテープに付属するアダプタを使用する必要があります。
ケースのLEDイルミをマザーボードのアプリ経由で操作することでケースとマザボのLEDイルミをシンクロさせることができて、こんな感じになります。
SLIやNVMe SSDにも対応で拡張性が高い
「G-Master Hydro-X99II」に採用されるX99チップセット搭載マザーボードはメインストリームCPU対応のZ170マザーボード(PCIレーン数24)よりもPCIレーン数が40レーンと多いので、マルチGPUやNVMe SSDにも対応できる高い拡張性を備えています。例えばレビュー用サンプルに採用されるマザーボード「MSI X99A GAMING PRO CARBON」のPCIスロットのレイアウトとPCIレーンの配分は次のようになっています。
1段目のx16スロットには簡易水冷TITAN X Pascalが搭載されているので、3段目のx16スロットに2枚目のグラボを搭載できます。
5段目と6段目のx16スロット(帯域はx8)スロットにはIntel SSD 750等のアドインカードタイプやM.2-PCI変換ボードを使うことでSamsung 950 PRO等の高速M.2 SSD等の次世代高速NVMe SSDを使用できます。
グラフィックボードの増設・換装やPCIスロットについてはこちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
・【できる!グラボ交換】 グラフィックボード・ビデオカードの増設・換装の方法
・【できる!グラボ交換】 マザーボードのPCI-Expressスロットについて
また「SilverStone SST-ST75F-P」に搭載されているグラボ用の補助電源端子については、すでに簡易水冷TITAN X Pascalに繋がっている8PIN*2のケーブルのほかに未使用のプラグイン端子を使うことでPCI-E 8PIN*2電源を追加することが可能です。
ただしTITAN X PascalでSLI環境を構築する場合、Broadwell-E CPUと組み合わせるとなると消費電力は800Wを超える可能性があります。もしもTITAN X PascalでSLI環境の構築を検討している場合は電源容量が1000W以上の電源へアップグレードすることをおすすめします。上位の電源ユニットとしては「CoolerMaster V1200」や「Corsair HX1200i」などがおすすめです。
ちなみに「SilverStone SST-ST75F-P」のコネクタ数は次のようになっています。使用されていないコネクタはSATA*5、4PINペリフェラル*6、PCI 8PIN(6+2PIN)*2とかなり余裕があるのでグラフィックボードの増設は電源容量的に難しいですが、今後ストレージを増設をしてもコネクタが足らずに困ることはないはずです。
簡易水冷化TITAN X Pascalについて
サイコムはBTO PCメーカーとしてグラフィックボードの簡易水冷化MODの先陣を切っています。PCIスロットというスペース制限を受ける空冷クーラーに比べて圧倒的な冷却性を誇る簡易水冷化ハイエンドGPUを搭載している点は「G-Master Hydro-X99II」の最大の見どころと言っても過言ではありません。そんなサイコムの工場で簡易水冷化されたTITAN X Pascalをチェックしていこうと思います。
簡易水冷化されたTITAN X PascalにはNVIDIAのリファレンスのバックプレートがそのまま搭載されていました。バックプレートがあるとグラフィックボード背面に埃が積もっても安心ですし掃除も楽なので嬉しい仕様です。
簡易水冷クーラーはGPUコアのみを冷やす構造になっているので、VRAMやVRM電源部分の冷却用にブロアーファンを使うハイブリッド構造になっています。
ラジエーターは120mm四方、厚さは25mmと簡易水冷クーラーのものとしては一般的なサイズです。
気になっている人も多いと思いますが、ラジエーターファンについては、グラボ基板から分岐したケーブルが水冷チューブと同じくグラボ横の穴から出ており一般的な自作PC用の3PINファンコネクタで接続されています。より高回転で冷却性の高いファンやLED付きファンなどに自由に交換可能になっています。
ただしグラボ基板上のファンコネクタはPWMの4PINになっており、電圧制御によるファン速度の調整には対応しておらず、ラジファン用の分岐延長ケーブルは電力用の2PINのみが伸びているためラジエーターファンはファンの定格回転速度で固定動作となります。速度調整はできないため12cmファンの場合1200~1400RPMを超えるとファンノイズが気になり始めると思うので換装の際は注意してください。
GPU用ラジエーターファンの回転数がPWM調整できない理由についてサイコムからは、『初心者のユーザーが誤ってBIOSを調整してファンを停止させる懸念があった為、安全策としてVGAラジエーターファンは常時100%で回る仕様となっております。』と説明されております。また上述の理由でラジエーターファンは一定速度で動作となるため、GPU基板上のタコメーター端子はラジエーターファンではなくGPU温度ソースのPWM調整となるブロアーファンの回転速度が参照される仕様になっているようです。
ケース内ではファンケーブルはグラボの下側を経由してPCIブラケットとPCIスロットの隙間を通ります。余ったケーブルはラジエーターとファンの後ろ側に隠されていたので、ケーブルは全く目立ちません。
GPU用のラジエーターに搭載されているのは「Enermax UCTB12 (定格900RPM)」というファンです。上で述べたようにラジエーターファンは速度調整ができないので900RPMの一定回転速度で動作しました。
G-Master Hydro-X99II(i7 6950X, 簡易水冷化TITAN X Pascal)の性能
本題の簡易水冷TITAN X Pascal&i7 6950Xを搭載した「G-Master Hydro-X99II」の性能をチェックしていこうと思います。まずは手始めにFF14ベンチをフルHD、最高設定で回してみました。スコアは19078となり、快適に動作する水準の10000を余裕で超えています。
(注:FF14ベンチはスコア10000を超えるとCPUベンチになるのでスコアがあまり伸びなくなります。)
またFF14ベンチ中のGPU温度とコアクロックをデフォルト空冷クーラー(ベンチ板で計測)と「G-Master Hydro-X99II」の簡易水冷クーラーで比較してみました。
TITAN X Pascalの空冷と簡易水冷を比較すると簡易水冷のほうが圧倒的に冷えているのが確認できます。FF14ベンチの負荷では、空冷の場合は開始1分後には80度を超えてサーマルリミットが発生してコアクロックが下がり始めますが、簡易水冷の場合は最大温度も66度でベンチ終了までコアクロックも高い数値を安定して維持います。
続いて4K解像度・最高品質でFF14ベンチマークを回しました、こちらも左下画像のように9000以上のスコアを弾き出しています。また同設定でNVIDIA純正のプレイ動画録画機能ShadowPlayを使って4K解像度の動画を録画しながらベンチマークを回しました。その結果は右下画像のようにスコアは8700ほどとなっており、4K・最高品質の動画を録画しながらベンチを回してもスコアの低下はたったの500ポイントほどでした。
i7 6950Xと簡易水冷TITAN X Pascal搭載の「G-Master Hydro-X99II」ならプレイ動画の録画をしながらでもFF14を4K解像度でヌルサクプレイが可能になっています。
CPU性能のベンチとしてよく使われるCinebenchではi7 6950Xのスコアは1791でした。
また再生時間8分でWQHD解像度、60FPSの容量4.7GBの動画でAviutl+x264を使ってエンコードを行いました。「G-Master Hydro-X99II」搭載のi7 6950Xではエンコード時間は12分33秒でした。
IntelのメインストリームCPUであるSkylake世代i7 6700K(4コア8スレッド、4.0GHz)とi5 6400(4コア4スレッド、3.2GHz)を比較対象に同じ動画、同じエンコード設定を使ってエンコード性能を比べてみました。i7 6700Kでかかったエンコード時間は23分54秒、i5 6400では39分11秒でした。単位時間当たりのエンコード性能を比較すれば、メインストリーム最上位の6700K比でもi7 6950Xは2倍近いエンコード性能があります。
またi7 6950Xでエンコードを行った際のCPU温度、各コアの動作クロック、CPU全体の使用率の推移をグラフ化しました。エンコード中は全コアが3.4GHzで動作しています。またCPU全体の使用率は基本的に90~100%にはりついています。CPU温度は最大68度で安定動作していました。この時のCPUラジエーターファンの回転数はたったの900RPM程度で非常に静かに動作していました。
i7 6950Xはオーバークロックにも対応しておりマニュアルOC時は発熱が非常に大きくなりますが定格での利用であれば120mmラジエーターの簡易水冷CPUクーラーでも十分冷却可能です。
続いて「G-Master Hydro-X99II」の消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。測定機器にはスマホ接続できるワットチェッカーをつかって検証システム全体の電力(変換損含む)をチェックしています。
測定方法は「FireStrike Extremeのストレステストを行い、その際の30秒間の平均値を消費電力に、最大値を瞬間的な最大電源負荷」としました。簡易水冷TITAN X Pascalとi7 6950X搭載の「G-Master Hydro-X99II」の消費電力は346W、最大電源負荷は353Wとなりました。アイドル時の消費電力は79Wほどです。また動画のエンコード中の消費電力は180W程度でした。
FireStrike Extreme ストレステストよりもCPU負荷のより重いゲームであって+50~100Wを想定しておけばいいので、「G-Master Hydro-X99II」にデフォルトで搭載される750W電源であれば余裕で対応できます。
簡易水冷TITAN X Pascal&i7 6950X搭載「G-Master Hydro-X99II」の静音性についてですが、ケースファンとラジエーターファンはいずれも1000RPM以下で動作しているのでファンノイズが耳障りということはまずないと思います。
- CPUラジエーターファン: 定格1500RPMのPWMファンでCPUが70度でも900RPM程度
(注:マザーボードのファンコンによって1500RPM以下の範囲で若干変化) - GPUラジエーターファン: 定格900RPMのファンで900RPMの一定速度で動作
- ケースファン: ファンコンスイッチで600~1000RPMで手動操作可能
サウンドレベルメーターを使用して実際に、電源OFF、アイドル時、負荷時(空冷)、負荷時(簡易水冷)で騒音値を比較してみると次のようになりました。
簡易水冷でもブロアーファンは負荷時に1900RPM程度で回転していますが、デフォルトの空冷のままで2400RPMを超える状態に比べれば格段に静かです。
またGPU用のラジエーターファンを吸気のプッシュプル(ダブルファン)に換装してFire Strike Extremeのストレステストを負荷にGPU温度とグラフィックボード上のブロアーファンのファン回転数を比較してみました。
測定結果のグラフは次のようになっています。ファンノイズが最も大きいのがブロアーファンなので1200RPMのダブルファンに換装しても煩くなることはなく、むしろ上の騒音値比較グラフに載せているように、ファンを換装することでGPU温度と騒音の原因であるブロアーファンのファン回転数(騒音値)を下げることができます。
高画質PCゲーム各種についてフルHD、WQHD、UWQHD(3440*1440)の3種類の解像度におけるベンチマークを行いました。
ベンチマーク測定を行ったタイトルは、The Division(グラフィック設定)、Titanfall2(グラフィック設定)、Assassin's Creed Syndicate(最高設定、FXAA)、Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定)、The Witcher3(最高設定)、Rise of the Tomb Raider(DX12、最高設定、SMAA)、Battlefield 1(最高設定)以上の7タイトルです。
前世代フラッグシップのGTX 980Ti比で50%、現行最速のGTX 1080と比較しても30%程度高速な化け物GPU TITAN X Pascal搭載BTO PC「G-Master Hydro-X99II」であれば最新の高画質PCゲームのフルHD解像度・最高設定を100FPSオーバーの高リフレッシュレート液晶モニタで遊んだり、最近流行のウルトラワイド解像度UWQHD・最高設定で快適なゲームプレイが可能になっています。
G-Master Hydro-X99IIのレビューまとめ
最後に簡易水冷TITAN X Pascal搭載のBTO PC「サイコム G-Master Hydro-X99II」の実機サンプルを検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- とにかく簡易水冷TITAN X Pascalは空冷よりも抜群に冷える
- TITAN X PascalはシングルGPU最強性能なのでSLI非対応の最新PCゲームであっても現行で最も快適なプレイ環境を実現
- G-Master HydroシリーズはTITAN X Pascalだけでなく、ナンバリング最上位のGTX 1080やコスパの高いGTX 1070の簡易水冷カスタマイズも可能
- PCケースのDefine R5はメンテナンス性や拡張性などユーザービリティーに優れている
- サイコムオリジナルのDefine R5用トップパネルダストフィルターが付いてくる
- 各ファンが1000RPM以下で動作するので静音性に優れ、それでも十分な冷却性を備えている
- SLIやNVMe SSD対応のマザボや750W電源(Gold認証)を採用している
- カスタマイズ項目のリモコン付きLEDイルミネーションがオシャレでカッコいい
- 管理人の趣味的にはラジエーターファンは吸気がおすすめ (自分で簡単に変更可能)
- 非簡易水冷グラボ採用の同社or他社BTO PCに比べて2~4万円ほど値が張る
実機を触ってみた一番正直な感想としては「G-Master Hydro-X99II」は所謂BTO PCというよりも、非常に完成度の高い自作PCが出来上がった状態で手に入ると考えるほうが近い気がしました。グラボのアップグレードやCPU&マザボの交換を行っても流用の効くパーツばかりなのでゼロからの自作PCはハードルが高いという人はまずこのBTO PCから参入しても良いと思います。
気づけばメイン機に車が買えるくらい投資していた管理人からしても「G-Master Hydro-X99II」は基本的に非の打ちどころがなく、同スペックの同社or他社の空冷グラボ搭載BTO PCに比べて2~4万円程高くなりますが予算が許すのであれば、「G-Master Hydro-X99II」は文句なしにおすすめのBTO PCです。とりわけリファレンス空冷クーラーでは本領を発揮することが困難なTITAN X Pascalを積んだBTO PCということであれば、簡易水冷クーラーでサーマルリミットから解放される「サイコム G-Master Hydro-X99II」がマストな選択肢だと思います。
以上、簡易水冷TITAN X Pascal&i7 6950X搭載「G-Master Hydro-X99II」のレビューでした。
サイコム G-Master Hydro-X299
簡易水冷TITAN X Pascal搭載のBTO PCでCPU性能をそこまで求めずリーズナブルなメインストリームCPUを狙うならi7 8700Kが選択可能な「G-Master Hydro-Z370」もおすすめのBTO PCです。
余談:簡易水冷は排気よりも吸気のほうが冷える
水冷、特に簡易水冷クーラーを使用する上でよくある間違いに「吸気よりも排気のほうが冷える」「吸気にするとケース内部の温度が上がってパーツが壊れる」というものがあります。端的にいって「冷える排気」は存在しますが、「吸気よりも冷える排気」というものはまず存在しません。
予め補足をしておくと吸気と排気でパフォーマンスに若干の差があることに関してはサイコム側も確認済みであり、「製造後の検証行程でファンの動作チェックが容易であるというサイコム側の都合」や「お客様自身でファンの回転を視覚的に確認したいという要望」等を反映して「G-Master Hydro-X99II」や「G-Master Hydro Z170」のラジエーターのファンはプッシュの排気で構成しているとのことです。
かなりざっくりとですが理論的な(といっても中学・高校物理のお話です)説明はこちらの記事をお読みいただくとして、実際に「G-Master Hydro Z170」を使ってラジの吸気と排気どっちが冷えるのか、加えてGTX 1080のリファレンス空冷クーラーに対して簡易水冷がどれくらい冷えるのかを比べてみます。
とりあえず今回はCPU用のラジエーターファンには手を加えず、GPU用のラジエーターファンを吸気(プッシュ)に変えてデフォルトの状態と比べてどうなるのか検証してみました。
換装は非常に簡単です。デフォルトの状態では、
短いネジ ー ケース ー ラジ ー ファン ー 長いネジ
のように固定されているので
長いネジ ー ケース ー ファン ー ラジ
のように固定し直すだけで完了です。
ラジ&ファンの構成をプッシュ吸気に変更するとこんな感じになります。
吸気・排気別の温度の測定方法についてはアイドル状態で10分以上放置してから、3DMark FireStrike Extremeのストレステストで10分間ほど負荷を掛けてAfterBurnerやHWinfoでその間の各種ログをとりました。
グラボラジの排気、グラボラジの吸気、Founders Edition(FE)の温度推移は次のようになりました。グラフを見ての通り吸気ではコア温度が最大56度で推移しているのに対して、排気では最大60度で推移しており、吸気のほうが排気よりも4度程度の冷えるという結果になっています。またアイドル時についても同様に3~4度の温度差が発生していました。加えて同条件でリファレンス外排気空冷クーラーのFounders Editionが80度まで温度が上がることを考えれば冒頭で述べたように”「冷える排気」は存在しますが「吸気よりも冷える排気」というものはまず存在しない”という一例が確認できたと思います。
ラジエーターファンは900RPMという非常にゆっくりした速度で回転し続けていますが、それでも簡易水冷クーラーであればGTX 1080を余裕で冷やせています。50~60度で運用しようとすればベンダーオリジナルクーラー採用のモデルでも1500RPM以上のファン回転速度が必要になってくるのを考えると静音性もかなり優秀であることがわかります。管理人の個人的な嗜好には沿いませんが、PWM制御できない一定速度回転のラジエーターファンという構成でも安定かつ静音動作が十分に可能であると検証されたうえで設定されているようです。
続いて各構成におけるストレステスト終盤のフレームレートの推移グラフと、ストレステスト全体での平均FPSは次のグラフのようになりました。コア温度差に比例する形で吸気では排気よりも若干FPSか高くなっており、空冷のFE比では簡易水冷は2~3FPSは性能が高くなっています。
また吸気にするとケース内部の温度が上がりその他パーツが壊れるという迷信についても検証を行いました。HWinfoでCPU温度、M/B温度、SSD(システムストレージ)温度のログをチェックしストレステスト中の最大温度を各構成で比較しました。グラフを見ての通り結論を端的に述べるならせいぜい5度以下の差しかないので吸気でも排気でもそれらの違いが原因でパーツが壊れるということはまずありえません。
まずCPU温度については「吸気>FE>排気」の順に高くなっています。グラボ吸気よりもグラボ排気のほうが排気を採用しているCPUで温度が下がるのは妥当な結果だと思います。FEは外排気クーラーなので吸気よりも冷えるものの、80度の熱源がケース内にあるためGPU排気よりもCPU温度が高くなっているようです。
続いてマザーボードの温度は「FE>排気>吸気」の順に高くなっています。これについてはグラボがPCIスロット経由で物理的に繋がっているので、単純にGPU温度に比例する形になっているのだと思います。
最後にケースフロントに置かれているSSDについてはほぼ横並びになりました。
結論をまとめますと、いずれの構成でも温度差は大したことはなく吸気にしたからといってその他のパーツが壊れるということは100%ありません。また今回の検証ではGPUを吸気にするとCPU温度が上がってしまい一見ダメなように思えますが、これはGPU吸気に対してCPUが排気になっているからです。CPUも吸気にして残りのケースファン2個を排気構成にすれば吸気と排気が釣り合うので全く問題ありません。
ということでユーザーの手で簡単に変更可能なので簡易水冷ラジエーターは吸気がおすすめです。
おまけ1:TITAN X搭載BTO PCのカスタマイズ指南
TITAN X Pascalを搭載するBTO PCの最適なカスタマイズ方法について簡単に解説しておきます。- CPUについてはTITAN X Pascalを搭載するならメインストリームCPUであれば妥協せずにi7 6700Kを選択するべきだと思います。Witcher3のように高フレームレートで多コアが必要になるものやGTA5のように高クロックが必要になるものとCPUボトルネックの種類もいくつかあるのでエンスー向けCPUのBroadwell-Eを選択する場合は6コア12スレッドで高クロックの6850Kがおすすめです。メーカー保証外ですが自己責任でOCするなら8コアの6900Kや10個の6950Xでもいいと思いますがBro-Eは上位の価格がかなり高額になるので予算と相談してください。
- システムメモリはゲーム用途なら16GBあれば十分です。Broadwell-E CPU&X99マザーボードの組み合わせの場合は8GB*4の32GB構成でいいと思います。
- 電源容量は700W以上もあれば問題ありません。変換効率もGoldでいいと思います。
- システムストレージ(WindowsOSをインストールするストレージ)は必ずHDDではなくSSDを選んでください。HDDよりもGB単価は上がりますが実際に体感できるレベルでSSDのほうがキビキビ動きます。Windows10をインストールするシステムドライブのサイズは240GB以上であればOKです。PCゲーム用ストレージはシステムとは別に用意するほうが後々便利、HDDではなくSSD推奨です。ゲーム用は可能なら960GB、少なくても480GBが望ましいです。
- マザーボードは「Z170」とか「H170」とかチップセット名だけでなく「ASUS Z170A」のように市販のマザーボード名が記載されているor市販マザボを選択できるBTOが推奨です。市販のマザボであれば専用のマニュアルも存在しますし、何かトラブルがあってもググって解決法を見つけるのが容易になります。マザボメーカーは日本語マニュアルが一番しっかりしているのでASUS製のものを選ぶのが鉄板です。MSIやASRockも次いで定評があります。
おまけ2:Define R5ならオシャレな本格水冷もできる
将来的には本格水冷に挑戦したい!という方にも前例が大量にあります。ラジエータの積載可能なサイズ一覧も公式が紹介しているのでわかりやすいのもいいです。転載元:http://www.overclock.net/t/1558124/project-indigo-define-r5-watercooled-mod/10#post_24316326
国内でも本格水冷化したレビュアーさんがいるのでこちらも非常に参考になります。
・fractal design PCケース「Define R5」レビュー(実勢価格判明,追記12/2) | おもひでほろほろ (転載元)
本格水冷について知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
・自作PCに本格水冷を導入するための基本と予備知識
・【できる!本格水冷】Enthoo EVOLV ATX TEMPERED GLASSで魅せるLED水冷PC
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・GeForce GTX 1080 Ti レビュー記事一覧・史上最速! GTX 1080 Ti搭載のおすすめBTO PCを徹底比較!
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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