スポンサードリンク
先日レビューしたIntel Core i3 7350Kを殻割りツール「Rockit 88」を使用して殻割りを行い、CPUダイとヒートスプレッダの間の熱伝導グリスをクマメタルこと「Thermal Grizzly Conductonaut」に塗り替えて、デフォルトとクマメタル化で5GHzの冷え具合を比較してみました。
殻割り後に塗布する液体金属グリスとしてはリキプロこと「Liquid PRO」が定番のグリスですが、先日の比較レビュー記事以来、管理人はより冷えるクマメタルさんにあっさり宗旨替えしました。
リキプロ越え!「Thermal Grizzly Conductonaut」を殻割りi7 7700Kでレビュー
スポンサードバイクマさんです。
クマメタル化をスキップして比較結果を見たい方はこちら。
BGMに流しながら読んでね。
CPUの殻割り&クマメタル化の手順を紹介
"殻割り&クマメタル化"ということで何はともあれまずはCPUのヒートスプレッダを剝く必要があります。殻割りの方法としは、カッター法、カード法、当て木ハンマー法、万力ドライヤー法などがありましたが、2016年からは殻割り専用ツールが発売されているので5,6千円ほどかかりますが殻割りツール「Rockit 88」の利用がおすすめです。これを使えば殻割りで失敗することはほぼ100%ありません。またヒートスプレッダの再装着時に固定する専用ツールも用意されています。「Rockit 88」は下記リンクから公式通販で購入可能です。海外サイトなので英語必須ですが、支払方法はPaypalに対応しており、日本国内にも直送してくれるので購入のハードルはさほど高くありません。
http://rockitcool.myshopify.com/products/rockit-88
http://rockitcool.myshopify.com/products/re-lid-kit
「Rockit 88」以外に必要なものは以下となっています。
- 液体金属グリス:「Thermal Grizzly Conductonaut」
- グリス拭き取り用「ナカバヤシ 強力拭き取り用 ウェットタイプクリーナー」
- 基板上金属端子を養生するための耐熱絶縁接着剤「COM-G52」
- ヒートスプレッダの再固定用ゴム系接着剤「Holts ブラックシーラー」
- 綿棒と爪楊枝
以上の道具を使ってCPUを殻割りクマメタル化していきますが、手順は4ステップで非常に簡単です。
1.Rockit88でヒートスプレッダを安全に外す
2.絶縁耐熱接着剤でダイ付近を絶縁保護
3.液体金属グリス「クマメタル」を塗る
4.ゴム系接着剤でヒートスプレッダを固定
1.Rockit88でヒートスプレッダを安全に外す
何はともあれ最初に「Rockit 88」を使ってクマメタル化の邪魔をするCPUのヒートスプレッダを取り外す殻割りの処理を行います。まずはベースプレートに▲マークを合わせるようにCPUをセットします。この後はそのままツールで割ってもいいですが、管理人はドライヤーの風を1分から1分30秒ほど当て続けてヒートスプレッダ(の接着ゴム)を加熱して固着力を弱めます。十分に温めたら覚める前にツールのトッププレートをハンドスクリューで手早く固定して、六角レンチでチッププレートを締めて「パキッ」と音が鳴ったら殻割り完了です。ここまで3分足らずの殻割り3分クッキングで失敗の心配もほぼありません
失敗して数万円のCPUがただの石になる心配がないのはありがたい。
基板やヒートスプレッダに残留しているゴムシール材は爪で擦ると取れます。
アルコール系のウェットティッシュを使ってデフォルトで塗布されているグリスも綺麗に掃除してください。
2.絶縁耐熱接着剤でダイ付近を絶縁保護
クマメタルをCPUダイに塗布する前にダイの左下にある金属端子を絶縁のため養生します。管理人は絶縁耐熱接着剤「COM-G52」を使用しています。CPUダイよりも接着剤が背が高くならないように注意して薄い膜を作るように爪楊枝で塗ります。絶縁処理のビフォーアフターがこちら。この後は接着剤が硬化するまで4時間ほど放置します。
3.液体金属グリス「クマメタル」を塗る
ダイ横の金属端子の養生が完了したら液体金属グリスのクマメタルこと「Thermal Grizzly Conductonaut」をCPUダイに塗り広げていきます。米粒くらいの量をダイの上に乗せたら綿棒で擦り付ける感じで引き伸ばします。最終的にゴム接着材を使ってヒートスプレッダで半密閉にしてしまうので、液体金属グリスは少ないよりは多いくらい塗るほうがいいと思います。ヒートスプレッダは液体金属グリスを弾くので、管理人は予めヒートスプレッダ側にもCPUダイの形より少し大きい範囲で綿棒を使って擦りながら塗り広げます。ヒートスプレッダは予め正しい向きにして「Rockit 88」のヒートスプレッダ再固定ツールにはめておくと便利です。
液体金属グリスの塗り広げ方を動画で撮影しましたので参考にしてください。
4.ゴム系接着剤でヒートスプレッダを固定
リキプロを塗り広げたらゴム系の接着剤でヒートスプレッダを基板に再固定します。基板の接着剤跡に合わせて接着剤を爪楊枝を使って適度に塗ります。
塗るのをちょっとミスってヒートスプレッダの外側にはみ出ても綿棒で拭えばOKです。ゴム接着材は絶縁素材なので裏面のピン側に付かなければ、はみ出ても問題ありません。
ヒートスプレッダが圧着するようにネジを締めて、ゴム接着剤が硬化するまで放置します。実用硬化時間は4時間ほどですが、CPUの場合は高温になるので念のため12時間以上放置するのがおすすめです。
半日ほど放置してゴム接着剤が硬化したら完成です。
i3 7350Kを5GHzにOCして殻割り前後の冷えを比較
殻割りクマメタル化が完了したのでi3 7350Kを5GHzにOCして冷え具合を殻割り前と比較します。CPUをマザーボードに設置したら熱伝導グリスをCPUヒートスプレッダに塗布します。熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。熱伝導効率も高く、柔らかいグリスで塗布しやすいのでおすすめです。
グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。グリスの伸びが気になる人は固定前にグリグリすればOK。
今回はCPUクーラーにプッシュピン固定で手軽な「Intel TS15A」を使用しました。
前回の性能比較レビュー同様にi3 7350Kをコアクロック5.0GHz、コア電圧1.4VにOCしました。
このOC設定を使用してストレステストを実行しました。
検証方法については、FF14ベンチマークの動画(再生時間8分、WQHD解像度、60FPS、容量4.7GB)でAviutl+x264を使ってエンコードを行いました。エンコード時間はi3 7350K定格で44分ほどです。
注:CPUのストレステストについてはOCCTなど専用負荷ソフトを使用する検証が多いですが、当サイトではPCゲームや動画のエンコードなど一般的なユースで安定動作すればOKとういう観点から管理人の経験的に上の検証方法をストレステストとして採用しています。
デフォルトのグリスと殻割りクマメタル化の2種類についてストレステスト中のCPU温度とファン回転数を比較グラフが次のようになっています。デフォルトグリスではTS15Aをファン回転数2900RPMでガンガン回してやっとコア温度の最大値が79度に収まりましたが、クマメタルに塗り替えることでファン回転数を1900RPMに抑えてもCPU最大温度は69度でデフォルトグリスよりも10度も温度が下がりました。
前回のi7 7700K同様にi3 7350Kでもクマメタルさんは安定の冷え具合でした。
i5 7600Kも検証機材で購入済みなので近日こちらも殻割りクマメタル化します。クマメタル化済みのK付きKabyLake三兄弟を使ってi3、i5、i7で比較レビューも実施予定です。
Intel CPU Core i3-7350K 4.2GHz BX80677I37350K 【BOX】Amazon.co.jpで詳細情報を見る
<TSUKUMO><PCショップアーク><ドスパラ><米尼>
posted with amastep
Intel<TSUKUMO><PCショップアーク><ドスパラ><米尼>
Thermal grizzly社製 Conductonaut 液体金属 TG-C-001-RAmazon.co.jpで詳細情報を見る
posted with amastep
親和産業(2016-02-03)200シリーズのマザーボード販売ページ
<Amazon><TSUKUMO><PCショップアーク><ドスパラ>
関連記事
「Intel Core i3 7350K」を5.0GHzにOCしてi5と比較レビュー。KabyLake世代i3 CPUは一般ユース&PCゲームで通用する高コスパなCPUだった200シリーズ マザーボードのレビュー記事一覧
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
スポンサードリンク
成功確率がほぼ100%とはいえ、壊れるのが怖いから手が出せないなぁ…