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3月11日に発売されたGTX 1080 Ti Founders Editionを(どうせ発売前に検証できなかったし)まったり検証中なのですが、箸休め記事の第2弾です。今回はPCケースに組み込んだ実用検証用ベンチ機2号さんを使って、GTX 1080 Ti Founders EditionでSLIを組むとどうなるのかグラフィックボードの消費電力や冷却まわりをチェックしてみました。
まあおおよその結果はTITAN X Pascalの時と同じですが……。
検証機材には下のベンチ機2号を使用しています。
テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1 |
ベンチ機2 |
|
OS | Windows10 64bit Home | |
CPU |
i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
i7 7700K Core/Cache:4.8/4.6GHz, 1.260V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
M/B | ASRock Z270 SuperCarrier (レビュー)(BIOS:1, 2) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | Corsair Dominator Platinum Special Edition DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) |
G.Skill TridentZ DDR4 8GB*4=32GB |
システムストレージ |
Crucial MX300 SATA M.2 SSD 1TBCT1050MX300SSD4 | Intel SSD 540シリーズ SATA M.2 SSD 240GB |
電源ユニット |
Corsair RM650i (レビュー) |
Corsair HX1200i (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) |
前置きと余談はこの辺りにして早速検証結果です。
グラフィックボードの冷却性能の温度検証としてFireStreike Extremeのグラフィックテスト1を1時間にわたって延々とループさせてその間の温度、コアクロック、消費電力をモニタリングしています。
まずはGTX 1080 Ti SLIのコア温度の比較です。上段のプライマリGPUはシングルGPUの時とほぼ同じ温度で推移しており、一方で下段のセカンダリGPUは低い温度になっています。
続いてGTX 1080 Ti SLIのコアクロックです。シングルでは平均1700MHz前後あったコアクロックもSLIでは1500MHz前後まで下がっていますね……。
締めにストレステスト中のGTX 1080 Ti SLIの消費電力と瞬間最大負荷の比較です。
終盤は変化がないので序盤の20分を抜粋しています。GTX 1080 TiのSLIではテスト開始からどんどん消費電力が下がっているのがわかりますね。消費電力250Wのグラフィックボードを1枚追加しているのにシングルGPUと比較して消費電力(avg)は140Wほどしか差がありません。グラフィックボード1枚当たりで50W程度のパワーリミットがかかっています。CPU分を差っ引いても1枚当たり200W程度で動作しているというのが実情になります。
簡単にまとめると、プライマリGPUのコアクロックを落としても冷やしきれないので消費電力に制限がかかり、SLIなのでセカンダリもプライマリに連動して消費電力が下がっているという状態です。セカンダリは位置的にプライマリよりも冷えやすいので消費電力が減った分GPU温度も低く出ています。
ベンチ機2号にはPCケースにデフォルトで設置されている140mmケースファンをフロントに2基(吸気)、リアに1基(排気)で設置しており、シングルGPUで極端なパワーリミットが発生していないことからわかるように、普通の冷却環境は確保しています。
ということでGTX 1080 Ti Founders EditionでSLIを組むと冷却が多分追いつかないのであまりおすすめはできません。じつはオリファンでも結構厳しかったりします。プライマリに簡易水冷グラボを配置して冷却へのセカンダリの影響を回避したりすると上手くいきます。
マルチGPU機能のソフト的な問題ではなく、ハード的な問題(パワーリミットやサーマルリミット)で期待した通りの性能を発揮できない場合もあり、ハイエンドグラフィックボードのマルチGPUは冷却に気を使う必要があるので注意してください。
10シリーズ最速「GTX 1080 Ti Founders Edition」をレビュー
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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【温度】がトリガーになってクロック(電圧)が下がる=サーマルスロットリング
(FEは基本84℃がトリガー)
【消費電力】がトリガーになってクロック(電圧)が下がるのがPowerTargetによる制御
(1080TiFEは250Wがターゲット)
このケースでは温度がトリガーになってサーマルスロットリングが起こっており、消費電力が落ちているのはその副作用に過ぎないと思われます
消費電力枠が足りないわけではないのでPower Limitを上げでもパフォーマンスは上がらないでしょうし、むしろLimitを下げたほうが安定しそうです
一番いいのは両方水冷化するなど冷却を強化することですが