スポンサードリンク
NVIDIA GeForce GTX 10XXシリーズのナンバリング最上位となるGTX 1080 TiのオリファンモデルとしてManliから発売された「Manli GeForce GTX 1080 Ti Gallardo (型番:Gallardo M-NGTX1080TIG/5RIHPPP)」のレビュー用サンプルをメーカーよりお借りできたのでレビューします。製品名の”Gallardo”はイタリア語で優雅さや力強さを意味する言葉となっており、従来よりも洗練されたグラフィックボードデザインとGTX 1080 Tiのハイパワーなグラフィック性能を表しているようです。
公式ページ:http://www.manli.com/en/products/NVIDIA_Graphics_Cards/Gallardo_Series/products/103
国内代理店:http://www.mustardseed.co.jp/products/manli/m-ngtx1080tig_5rihppp.html
Manli GTX 1080 Ti Gallardo レビュー目次
1.Manli GTX 1080 Ti Gallardoの外観
2.Manli GTX 1080 Ti Gallardoの検証機材セットアップ
3.Manli GTX 1080 Ti Gallardoのゲーム性能
4.Manli GTX 1080 Ti Gallardoの温度・消費電力
5.Manli GTX 1080 Ti Gallardoのレビューまとめ
Manli GTX 1080 Ti Gallardoの外観
早速、Manli GeForce GTX 1080 Ti Gallardoを開封していきます。パッケージを開くとマニュアルとドライバCDが収められており、さらに内蓋を開くとその下にはスポンジスペーサー&エアクッション付き静電防止ビニールという一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。
グラフィックボード以外の付属品は簡易マニュアルとドライバCDです。
梱包や付属品のチェックは簡単に済ませて、グラフィックボード本体を見ていきます。
GPUクーラーの外装はプラスチックのフレームにガンメタルカラーなヘアライン入りのアルミニウムプレートが装着されており軽量かつ高級感のあるデザインです。
Manli GTX 1080 Ti Gallardoには90mm径の3連冷却ファンを搭載するGPUクーラーが採用されています。その全長は300mmを超えており、製品スペックでボードサイズは長さ314 mm×高さ126 mm×幅42 mmです。
Manli GTX 1080 Ti Gallardoは全長こそ長いものの基板とGPUクーラーがPCIブラケットの高さとほぼ同じ背の低いデザインです。
GTX 1080 Tiのオリファンモデルでは2.5~3スロットを占有する大型モデルも少なくありませんが、Manli GTX 1080 Ti Gallardは標準的な2スロット占有のGPUクーラーが採用されています。
GTX 10XXシリーズの上位モデルではVRM電源部分の発熱が話題になることも多いですが、Manli GTX 1080 Ti GallardoではGPUクーラー本体のヒートシンクとは別に小型ヒートシンクが設置されています。この部分の冷却についても動作検証ではしっかりチェックしていきたいところです。
補助電源の端子数はリファレンスとなるGTX 1080 Ti Founders Editionと同じく8PIN+6PINです。Manli GTX 1080 Ti GallardoはPCI-Eブラケットとぴったりサイズの高さなので補助電源とPCケースの干渉も発生しにくいグラフィックボードです。
PCI-E端子、各種ビデオ出力、SLI端子には保護カバーが装着されています。
Manli GTX 1080 Ti Gallardoのビデオ出力はリファレンスのGTX 1080 Ti Founders Editionと同じくHDMI2.0×1、DisplayPort1.4×3の計4出力が実装されています。オリファンモデルではDVI-Dが追加されているものが多いので比較的珍しい構成です。DVI-Dが必要という人は注意してください。
Manli GTX 1080 Ti Gallardoにはオリジナルイラストのプリントされたスチール製バックプレートが装着されています。基板とバックプレートの間にサーマルパッド等は貼られていないので単純な基板保護用バックプレートとしての役割だけはたしています。
なおグラフィックボードの重量はGTX 1080 Ti Founders Editionが1046g、ASUS ROG STRIX GTX 1080 Tiが1263gですが、Manli GTX 1080 Ti GallardoはリファレンスのFEとほぼ同じ1046gでした。サイズのわりに意外と軽量です。
GTX 1080 Tiの中では比較的軽量な部類ですがとはいえ1000gを上回っているので、VGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。
GTX 1080 TiのリファレンスモデルであるFounders Editionとサイズを比較すると、全長300mmとなるManli GTX 1080 Ti Gallardoのサイズ感が伝わると思います。一方で背の高さや厚さはほぼ同じです。
Manli GTX 1080 Ti Gallardoの検証機材
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、Manli GeForce GTX 1080 Ti Gallardoを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1 |
ベンチ機2 |
|
OS | Windows10 64bit Home | |
CPU |
Core i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
Core i7 7700K (レビュー) |
M/B | ASRock Z270 SuperCarrier (レビュー)(BIOS:1, 2) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | Corsair Dominator Platinum Special Edition DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) |
G.Skill TridentZ DDR4 8GB*4=32GB |
システムストレージ |
Crucial MX300 SATA M.2 SSD 1TBCT1050MX300SSD4 | Intel SSD 540シリーズ SATA M.2 SSD 240GB |
電源ユニット |
Corsair RM650i (レビュー) |
Corsair HX1200i (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) |
Manli GTX 1080 Ti GallardoはリファレンスモデルのFounders Editionよりも若干高いブーストクロック1645MHzに設定されています。
Manli GTX 1080 Ti Gallardoのゲーム性能
Manli GeForce GTX 1080 Ti Gallardoの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「GTX 1080 Ti Founders Edition」、「EVGA GTX 1080 SC2 Gaming iCX」、「GIGABYTE GTX 1070 ITX OC」を使用しました。まずFFXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマークのフルHD・最高品質のスコアは同検証環境で19000程度となりました。4K解像度・最高品質でも非常に快適の水準となる7000を超えるのでGTX 1080 TiであればFFXIV 紅蓮 リベレーターに余裕で対応可能なグラフィック性能があります。
なおFF14ベンチではスコアが1万を超えたあたりからFPSが上がりすぎてCPUベンチの傾向が強くなりグラフィックボードの性能比較ベンチとしてはあまり使えなくなってくるので注意してください。FFXIV 紅蓮のリベレーターに最適なグラフィックボードやCPUなどPCスペックについては次の記事でも紹介しています。
・FFXIV 紅蓮のリベレーターにおすすめなグラボやPCは?
3DMark FireStrikeのベンチマーク比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
GTX 1080 Ti Manli Gallardo |
28405 | 13994 | 6983 |
GTX 1080 Ti FE | 27758 | 13686 | 6739 |
GTX 1080 OC | 22463 | 10715 | 5323 |
GTX 1070 OC | 18211 | 8697 | 4307 |
3DMarkの最新DirectX12ベンチマーク「TimeSpy」の性能比較となります。
TimeSpy | Asyncなし | 性能伸び率 | |
GTX 1080 Ti Manli Gallardo |
9834 | 9139 | 108% |
GTX1080 Ti FE | 9133 | 8797 | 106% |
GTX 1080 OC | 7382 | 7047 | 105% |
GTX 1070 OC | 5884 | 5657 | 104% |
続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。解像度はフルHD、WQHD、ウルトラワイドQHD(UWQHD, 3440*1440)の3種類について行っており、同一のグラフィック設定で同一のシーンについて平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったタイトルは、Assassin's Creed Syndicate(グラフィック設定)、Battlefield 1(最高設定プリセット)、The Division(グラフィック設定)、For Honor(超高設定プリセット)、Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)、Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)、Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)、Titanfall 2(グラフィック設定)、WatchDogs_2(最高設定プリセット)、The Witcher3(グラフィック設定)、Gears of War 4(最高設定プリセット、UWQHDではなく4K解像度)以上の11タイトルです。
Assassin's Creed Syndicate(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
Battlefield 1(最高設定プリセット)のベンチマーク結果です。
The Division(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
For Honor(超高設定プリセット)のベンチマーク結果です。
Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)のベンチマーク結果です。
Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
Titanfall 2(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
WatchDogs_2(最高設定プリセット)のベンチマーク結果です。
The Witcher3(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
Gears of War 4(最高設定プリセット、UWQHDではなく4K解像度)のベンチマーク結果です。
Manli GTX 1080 Ti Gallardo、GTX 1080 Ti Founders Edition、GTX 1080 OC、GTX 1070 OCの4種類について実ゲーム性能の比率の平均を出したところ、GTX 1080 TiはGTX 1080よりも25%以上高速という結果になりました。FPSが上がりすぎてCPUボトルネックの影響が出始めるフルHDに対して、60FPS前後に近づいていく超高解像度でより高いパフォーマンスを発揮できます。
Manli GTX 1080 Ti Gallardoの温度・消費電力
Manli GeForce GTX 1080 Ti Gallardoの負荷時のGPU温度とファンノイズを検証しました。温度とファンノイズの検証負荷としてはFireStrike Extreme ストレステスト、比較対象にはGTX 1080 Ti Founders Editionを使用しています。
Manli GTX 1080 Ti Gallardoではストレステスト中のGPUコア温度は最大77度、ファン回転数は最大2285RPM程度となっておりGTX 1080 TiのリファレンスモデルであるFounders Editionと比較すると高い冷却性能を発揮しています。ただGTX 1080 TiのオリファンモデルとしてみるとGPUクーラーのサイズの割に意外と高い温度とファン回転数になってしまった印象です。Manli GTX 1080 Ti Gallardoには最近のトレンドである低負荷時に冷却ファンが停止するセミファンレス機能は非搭載でした
ストレステスト中のGPUコアクロックをリファレンスのFounders Editionやその他のオリファンモデルと比較してみると、2.5スロット占有に高OCモデルにこそ及ばないものの、Manli GTX 1080 Ti GallardoはリファレンスモデルのGTX 1080 Ti Founders Editionよりも100MHz近く高いコアクロックで安定して動作しています。
またベンチ機2のPCケースに組み込んでFire Strike Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせて実用の冷却性能を確認してみました。
PCケースに入れて長時間負荷をかけたところ、Manli GTX 1080 Ti GallardoはGPUコア最大温度は82度で、コアロックの平均値は1792MHzでした。GPUクーラーのファン回転数は2400RPM程度まで上がるのでファンノイズもリファレンス相当で聞こえてきます。
また実働ストレステスト中の0分, 10分, 20分…について30秒間の平均FPSの推移をチェックしました。リファレンスと比較すると熱ダレによる性能低下は小さくなっています。
1時間のストレステスト終盤にスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE」を使用してゲーム負荷時のグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
GTX 10XXシリーズの上位モデルではVRM電源部分の温度がかなり高くなりがちですが、Manli GTX 1080 Ti Gallardoでは最も熱い部分で85度程度に収まっていました。比較的安心して運用できる温度内に収まっていると思います。
Manli GTX 1080 Ti Gallardoを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも不快に感じたり感じなかったりと音の性質にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
Manli GTX 1080 Ti Gallardoのファンノイズは52.6dBとなっており、リファレンスのFounders Editionよりは静音性が高いものの他のオリファンモデルと比較すると静音性が劣るようです。
Manli GTX 1080 Ti Gallardoの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定には電源ユニット「Corsair RM650i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた純粋な検証システム全体への入力電力をチェックしています。また測定負荷にFireStrike Extreme ストレステストを使用して、”平均値を消費電力”、”最大値を瞬間的な最大電源負荷”としました。測定結果は次のようになっています。
同検証環境に置いてManli GTX 1080 Ti Gallardoの消費電力は325Wとなり、リファレンスモデルのGTX 1080 Ti Founders Editionほぼ同じ消費電力でした。
Manli GTX 1080 Ti Gallardo レビューまとめ
最後にGTX 10XXシリーズ最上位GTX 1080 Tiのオリファンモデル「Manli GeForce GTX 1080 Ti Gallardo (型番:Gallardo M-NGTX1080TIG/5RIHPPP)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- ブーストクロック1645MHzにデフォルトでOCされている
- 最新高画質PCゲームをUWQHDなどの超高解像度で快適にプレイ可能なグラフィック性能
- GTX 1080のOCモデルよりも30%程度高速
- 2スロット占有のGPUクーラー
- 2.5~3スロット占有モデルと比較すると冷却性能は劣る
GTX 10XXシリーズ最上位モデルとなる「GeForce GTX 1080 Ti」のオリジナルファン搭載OCモデル「Manli GTX 1080 Ti Gallardo」は昨年5月末にNew Kingとして鳴り物入りで登場したGTX 1080よりも30%程度高速です。昨年8月には前世代TITAN X Maxwellよりも50%以上高速というバケモノGPUとして登場したTITAN X Pascalを僅差で上回るという圧倒的な性能を誇っており、1200ドルのTITAN X Pascalに対して699ドルという圧倒的な安価さも兼ね備えたGTX 1080 Tiは究極のハイエンドグラフィックボードと言っても過言ではない製品です。
Manliというメーカーは同じGPUで他社メーカーと比較すると安価なモデルを輩出しているところがアピールポイントでしたが、「Manli GeForce GTX 1080 Ti Gallardo」に関してはその外見のへのこだわりからもわかるように他社の中位~上位モデルに食い込むことも想定して設計されているようです。
ただGPUクーラーの性能については2スロット占有という制限を勘案してもちょっと冷却性能が低いのではないかと感じました。製品詳細に「Direct GPU Contact」の表記もあるのでヒートシンクとGPUダイとの接触が銅製ベースではなくヒートパイプダイレクトタッチになっておりそれがGPU温度を下げる上でボトルネックになっているように思います。
国内でも有名な大手ベンダーの主力モデルは国内相場によっては10~12万円で変動するので、17年7月現在9.9万円で販売されている「Manli GeForce GTX 1080 Ti Gallardo」を単純に安価とも評価できないのも難しいところになっています。
同社の従来モデルと比較すると外見は格段に良くなっているのは間違いないと思います。
ただ憚らずに言うと、GPUクーラーの性能や価格比で見た場合に良くも悪くも飛びぬけているわけでもなく、鉄板と言えるほど安定しているわけでもない、という難しい立ち位置に収まってしまったのかなというのが正直な感想です。当サイトではGTX 1080 Tiの中でもFounders Editionを除けば、各メーカーの主力モデルばかりレビューしているので評価が辛口で少々分の悪い戦いになっているというのも否定はできないのですが。
以上、Manli GeForce GTX 1080 Ti Gallardoのレビューでした。
・GTX 1080 Ti販売ページ:
<Amazon><TSUKUMO><PCショップアーク>
<ドスパラ><PCワンズ><パソコン工房>
関連記事
・GeForce GTX 1080 Ti レビュー記事一覧・史上最速! GTX 1080 Ti搭載のおすすめBTO PCを徹底比較!
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
スポンサードリンク
見たことも聞いたこともなかったです