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オシャレ&高性能CPUクーラーメーカーであるCryorigより新たに発売された、LEDイルミネーションに対応する高性能空冷CPUクーラー「CRYORIG H7 QUAD LUMI」のレビュー用サンプルを国内正規代理店ディラック様よりお借りできたのでレビューしていきます。H7無印版のLEDイルミ対応マイナーチェンジとお思いの方もいるかもしれませんが、CRYORIG H7 QUAD LUMIはLGA2011-3/2066対応、マウントリテンションの改良、ヒートパイプの増加など大幅なアップグレードが施された事実上の完全新規モデルです。
製品公式ページ:http://www.cryorig.com/h7ql.php
代理店ページ:http://www.dirac.co.jp/h7-quad-lumi/
マニュアル:http://www.cryorig.com/inst_guide_dl.php?id=20
CRYORIG H7 QUAD LUMI 日本正規代理店品Amazon.co.jpで詳細情報を見る
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CRYORIG(2017-06-20)<TSUKUMO><PCショップアーク><ドスパラ>
レビュー目次
1.CRYORIG H7 QUAD LUMIの梱包・付属品
2.CRYORIG H7 QUAD LUMIのヒートシンク
3.CRYORIG H7 QUAD LUMIの冷却ファン
4.CRYORIG H7 QUAD LUMIの外観
5.CRYORIG H7 QUAD LUMIの検証機材・セットアップ
6.CRYORIG H7 QUAD LUMIのメモリ/GPUとのクリアランス
7.NZXT「CAM」:セットアップ方法と基本的な使い方
8.NZXT「CAM」:LEDイルミネーションの操作方法について
9.CRYORIG H7 QUAD LUMIの冷却性能
10.CRYORIG H7 QUAD LUMIのレビューまとめ
補足.空冷クーラーと水冷クーラーの違いについて
CRYORIG H7 QUAD LUMIの梱包・付属品
まずはCRYORIG H7 QUAD LUMIの外観や付属品をチェックしていきます。パッケージに貼られたシールにも記載されていますが、「CRYORIG H7 QUAD LUMI」は国内正規代理店ディラック経由の通常保証3年とCryorig公式にてユーザー登録による延長保証3年で計6年の製品保証を受けることができます。
CRYORIG H7 QUAD LUMIはシルキーなプリントがされた箱に入っておりパッケージの蓋は上開き型です。パッケージを開くとCPUクーラー本体のトッププレートが現れますCPUクーラー両脇の茶色の小分け箱にはマウントパーツなど付属品が入っています。
パッケージから中身を取り出すとCPUクーラー本体、マニュアル、付属品の小分け箱2つが出てきます。
マニュアルはオンラインでPDFも公開されていますが、日本語対応で図説もありCPUクーラーに詳しくない初心者でも使いやすいと思います。
マニュアル:http://www.cryorig.com/inst_guide_dl.php?id=20
CRYORIG H7 QUAD LUMIはi7 7700KなどIntelの最新メインストリームCPU用LGA1151、そしてAMDの最新CPUであるRyzen用のAM4マウントにも対応しており17年現在主流なマザーボードほぼ全てのCPUソケットに対応しています。加えてH7無印が非対応であったLGA2011-3にも対応しており、Intelの最新エンスー向けCPU Skylake-XのCPUソケットLGA2066はCPUクーラー固定ネジ穴のレイアウトはLGA2011-3と共通なのでCRYORIG H7 QUAD LUMIを使用可能です。
付属品用小分けパッケージにはCPUクーラーマウントパーツとして、Intel LGA115X/AMD用バックプレート、AMD用マウンティングプレート、Intel用マウンティングバー、六角ボルト、LGA2011-3/LGA2066用ネジピラー、ネジキャップが入っています。熱伝導グリスとして同社製ハイパフォーマンスグリス「CP7」が付属します。現行&最新のほぼ全てのプラットフォームで使用可能なマルチソケット対応ながらマウント関連パーツがシンプルで少ないのはわかりやすくて非常に好印象です。
続いてCPUクーラー本体を簡単にチェックします。
CPUクーラー本体は個別の包装等もなくパッケージの中に素の状態で収められていました。
CRYORIG H7 QUAD LUMIはCryorig製のCPUクーラーらしい非常にオシャレな佇まいです。オーソドックスなシングルタワー型のCPUクーラーですが放熱フィン上部のプレートやフィンの構造、アルミニウムシルバーの光沢など全体のデザインに洗練された統一感を感じます。冷却ファンの羽の隙間からは製品名の頭文字でもあり同製品を特長づける「Hive Fin」も覗いて見えます。
ヒートシンクに冷却ファン等を装着した状態で重量を比較してみたところ、CRYORIG H7 QUAD LUMIの重量は718gでした。Noctua NH-D15やCoolerMaster MasterAir Maker 8など1200g前後のハイエンド空冷と比較すると、重量は1kg足らずで以外に軽量級です。Intel SkylakeやKabyLake CPUはPCB基板が薄いので冷却性能さえ十分なら安心できる重さだと思います。
CRYORIG H7 QUAD LUMIのヒートシンク
続いてCRYORIG H7 QUAD LUMIのヒートシンクをチェックしていきます。ヒートシンクの放熱フィンはオーソドックスなシングルタワーです。左右方向には対称な構造ですが、前後方向には冷却ファンと反対側に寄る形でオフセット配置となっています。
シルバーの光沢や整然として配置が非常に美しい放熱フィンです。
マットなブラックに塗装されたアルミニウム製のヒートシンクトップカバーもクールです。中央の「CRYORIG」ロゴはLEDイルミネーションに対応しています。
CRYORIG H7 QUAD LUMIではファン側のアルミニウム放熱フィンの形状は一般的な単純並列配置ではなく、六角形のハチの巣型に配置することでエアフローを高速化、ノイズの軽減に寄与する「Hive Fin」が採用されています。この特徴がCRYORIG Hシリーズの頭文字となっています。
排気側の放熱フィンのデザインもオシャレです。
銅製ベースコアからはQUADの名前の通りに片側4本で計8本のヒートパイプが伸びています。H7無印ではヒートパイプの数は片側3本計6本だったのでヒートパイプによる熱拡散効率についても改良されています。
銅製ベースの接触面に対してヒートパイプの位置を凸曲線上に配置する「Convex-Align System」によって、ベースコアからヒートパイプへの熱伝達効率を最適化しTDPを高めています。
銅製ベースの接触面には保護フィルムが貼られているのでCPUクーラーの設置前に剥がし忘れのないように注意してください。
CRYORIG H7 QUAD LUMIのベースコアプレートは銅製でニッケルメッキが施され汚れに強くなっています。鏡面処理は施されていませんでした。
H7無印ではベースコア上部からX字にリテンションが伸びており、スペーサーによって脱落防止こそあるもののマザーボード背面から伸ばしたネジで固定するという少々設置しにくいマウント構造でした。
このマウント構造もCRYORIG H7 QUAD LUMIでは大幅に改良が施され、CPUクーラーをマザーボードに固定するためのリテンションは放熱フィンのタワーを前後に挟む形でベースコアに装着されており、CPUクーラー上部から用意にネジ止めが可能な構造です。
リテンションのネジは逆さに向けても脱落しない構造になっています。
CRYORIG H7 QUAD LUMIのヒートシンクを上から確認するとリテンションネジはヒートシンクに邪魔されることなくドライバーでネジ止めできるように配置されています。ただ後ほど詳しく説明しますが、冷却ファンを外さないと右側のネジの着脱ができないのが少々難点になるかもしれません。
放熱フィンの下部にはLEDイルミネーションバーが設置されています。
トップカバーロゴとボトムライトバーはNZXT製イルミネーション操作機能「CAM」に対応しており、ライトバーから伸びる内部USBケーブルでマザーボードと接続することによってCRYORIG H7 QUAD LUMIのLEDイルミネーションを自由に操作できます。
CRYORIG H7 QUAD LUMIの冷却ファン
CRYORIG H7 QUAD LUMIではQF120 LEDという冷却ファンが付属しています。外形寸法やネジ穴レイアウトは汎用120mmファンと同一です。
ブラックのフレームに半透明なファンブレードといういかにもLEDイルミネーション対応といった趣の冷却ファンです。なお冷却ファンのLEDイルミネーションは「CAM」による操作には非対応で白色で常灯となります。
QF120 LEDは定格1600RPMでPWM速度調整に対応しており4PINファン端子に接続することでマザーボードのファンコンなどから330~1600RPM±10%の範囲内で速度調整可能です。モーター固定用の支柱はファンブレードに対して垂直になっており、ファンブレードが支柱を通るときに通常発生するノイズを抑制しています。
ネジ穴部分には接地面から発生するノイズを低減させるための防振ゴムが装着されています。
ファンフレームは薄く、対角の内側には吸気・排気側ともにすり鉢状になっており大風量を維持しつつファンノイズを抑える構造です。
冷却ファンのヒートシンクへの固定方法はサイドフローCPUクーラーとしては一般的な針金のファンクリップを使用する方式です。ファンクリップは標準搭載の冷却ファン用のものと別に1組付属するので120サイズの冷却ファンを追加すればプッシュプルのファンサンドが可能です。
冷却ファンのネジ穴にファンクリップ左右端のU字部分を引っかけます。
あとはヒートシンクの溝にファンクリップ中央を引っかけるだけです。
ファンクリップには中央に指をかけやすい凸形状がありますが、グラフィックボードなどとの干渉に配慮してヒートシンクから飛び出す部分が狭いので爪の短い人は外す時に少し苦労するかもしれません。
ファン自体には特に問題ありませんが、今のところ一般販売されていない冷却ファンなのでファン故障時の保守部品の入手性については若干気になるところです。
CRYORIG H7 QUAD LUMIの外観
ヒートシンクと冷却ファンの個別チェックも済んだところで、ヒートシンクへ冷却ファンを組み込んで「CRYORIG H7 QUAD LUMI」の完成状態の外観や寸法をチェックしていきます。冒頭でもチェックしたようにCRYORIG H7 QUAD LUMIの外観は洗練されたクールな佇まいです。LED搭載の半透明ファンブレードも浮くことがなく全体として調和がとれています。
マットブラック塗装されたアルミニウム製のトップカバーは冷却ファンのファンフレームとも調和がとれており、全体としての統一感があります。
製品仕様では全高145mmとなっていますが、トップカバーの突起なども含めるともう数mmほど背が高いように見えます。余裕を持って150mm程度と考えればある程度余裕を持って使用できそうです。
前後幅は冷却ファンを含めて製品寸法の98mm通りに100mm以下となっています。のちほど各種プラットフォームで確認を行いますが、CRYORIG H7 QUAD LUMIは前後幅がスリムなので各社の大型ヒートシンク搭載OCメモリとも干渉フリーで使用できます。
CRYORIG H7 QUAD LUMIの検証機材・セットアップ
CRYORIG H7 QUAD LUMIを検証機材のベンチ機にセットアップします。ベンチ機のシステム構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1 |
ベンチ機2 |
|
OS | Windows10 64bit Home | |
CPU |
i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.330V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
M/B | ASRock Z270 SuperCarrier (レビュー)(BIOS:1, 2) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | Kingston HyperX Fury DDR4 HX424C15FB2K2/16 DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) |
|
グラフィックボード |
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC ファンレス (レビュー) |
EVGA GTX 1080 SC2 (レビュー) |
システムストレージ |
Crucial MX300 SATA M.2 SSD 1TBCT1050MX300SSD4 | Intel SSD 540シリーズ SATA M.2 SSD 240GB |
電源ユニット |
Corsair RM650i (レビュー) |
Corsair HX1200i (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) |
CPUクーラーの設置方法について、管理人の評価基準は主に次のようになっています。
- マウントパーツがCPUクーラーなしでもマザーボードから脱落しないか
- マウントパーツ設置状態でCPUを交換できるか
- ネジ止めはマザーボード側から固定できるか
- 【加点】ハンドスクリューなどツールレス固定ができるか
上の3項目を全て満たす例として本格水冷用のCPU水冷ブロックですが「EK-Supremacy EVO」のマウンタ構造は「バックプレートをM/Bに固定可能」「完全ツールレス」「マウンタ設置状態でCPUの交換が可能」なので本格水冷・簡易水冷クーラーの水冷ブロック固定方式としてはベストだと思っています。水冷クーラーメーカーにはどんどん真似してもらいたい理想的な構造です。
マウント構造に関する前置きはこのあたりにしてCRYORIG H7 QUAD LUMIをセットアップします。
CRYORIG H7 QUAD LUMIのマニュアルは図説を交えて良く出来ているのでマニュアルを見た方がわかりやすい気もしますが、一応写真を使用しながらCPUクーラーの設置についてご紹介していきます。
今回はIntel kabyLake CPU用のLGA1151環境へセットアップしていきます。
まずはバックプレートと六角ボルトを用意します。
バックプレートはIntel LGA115Xだけでなく、Ryzen用AM4などAMDソケットにも対応したマルチソケットレイアウトになっており、Intel LGA2011-3/2066を除いて使用します。AMD環境の場合はデフォルトでマザーボードに装着されているマウントパーツとバックプレートを外してください。
六角ボルトの根元には薄く溝が掘ってあり、バックプレートの穴にも小さい爪があるのでこれがかみ合って六角ボルトが脱落しない構造になっています。
ただ今回のサンプル機では六角ボルトを装着すると、六角ボルトをロックして脱落を防止するための爪が容易に破損しました。最初は特に意識せずに六角ボルトを装着して折れてしまったので、その後、他の場所は慎重に装着したのですがそれでも折れてしまいました。爪が折れるか、折れない場合は接触が緩く六角ボルトが脱落するか、という具合です。バックプレートの素材の改善が必要だと思われます。なお、日本代理店ディラックに確認したところ、バックプレートの爪折れは、日本および海外でも17年7月現在、当レビュー以外では確認されていないと連絡がありました。
マウントパーツの装着面で不便になることを除けば、バックプレートの爪は折れても使用上の問題はありません。もしも折れた場合は国内代理店のディラックに問い合わせれば対応してもらえます。また今回のレビューでフィードバック情報は上げているので今後のロットでは修正されていくと思います。
ともあれバックプレートに六角ボルトを刺して、マウントパーツの装着を進めていきます。
まずはマザーボードを裏返してバックプレートをマザーボードのCPUソケット四隅の穴に挿入します。バックプレートが脱落しないように注意してマザーボードを表に向けます。ここまでの手順はIntel LGA115XでもAMD AM4でも同じ流れです。
LGA2011-3やLGA2066の場合はもっと簡単で付属のネジピラーをソケット周辺のネジ穴に装着するだけです。
マウンティングプレートにはIntelプラットフォーム用のバー型(左)とAMDプラットフォーム用のリング型(右)の2つがあるので使用するプラットフォームに合わせてマウンティングプレートを被せます。
あとはハンドスクリューナットでブリッジを固定すればマウントパーツの装着は完了です。
IntelとAMDで少し使用するパーツが異なるだけで基本的なマウントパーツの設置方法は同じです。
Intel CPUについてはLGA115XとLGA2011-3/2066ともにCPUソケット上部のマウントバーとCPU固定レバーが干渉するので、マウントパーツを設置したままではCPUの交換ができないのが少し残念でした。
バックプレートはマウントバー/プレートで挟む形でマザーボードに固定されているので、CPUクーラーの設置が完了していない状態でもマウントパーツが脱落することはありません。
CPUクーラー本体をマザーボードに固定する準備はこれで完了したので熱伝導グリスをCPUのヒートスプレッダに塗布します。熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。使い切りの小容量から何度も塗りなおせる大容量までバリエーションも豊富で、性能面でも熱伝導効率が高く、塗布しやすい柔らかいグリスなのでおすすめです。
Thermal Grizzly Kryonaut TG-K-001-RS(少量、1g)
Thermal Grizzly Kryonaut TG-K-015-RS(1.5ml)
Thermal Grizzly Kryonaut TG-K-030-RS(3.0ml)
親和産業
グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
熱伝導グリスを塗ったらマウントバー/プレートから延びるネジ穴に、CPUクーラーのリテンションから延びるネジが合うようにしてCPUクーラーを装着します。CPUの上に乗せたらグリスが広がるように力の入れすぎに注意してCPUクーラーをグリグリと捻りながら押し込んでください。
グリスが伸びたらリテンションのネジを締めます。固定ネジの直上はヒートシンクの放熱フィンがないので簡単にネジ止めができます。
ネジ止めの際は六角ボルトの頭とバックプレートの溝が綺麗に一致しているか注意してください。
あとはファンクリップでヒートシンクに冷却ファンを装着したらCRYORIG H7 QUAD LUMIの設置完了です。
CRYORIG H7 QUAD LUMIのメモリ/GPUとのクリアランス
CPUクーラーの性能検証に入る前に、大型のハイエンド空冷CPUクーラーにはつきものであるヒートシンクを搭載したシステムメモリとのクリアランス問題についてチェックしていきます。大型ハイエンドCPUクーラーではヒートシンク付きDDR4メモリとの干渉が起きやすいので動作検証については、「Kingston HyperX Fury DDR4(型番:HX424C15FB2K2/16)」をリファレンス機材としてKingstonから提供いただいたのでこれを使用します。
またメモリのクリアランス検証の機材として「Corsair Dominator Platinum」「G.Skill Trident Z」「Kingston HyperX Savage」「Corsair VENGEANCE LPX」についてもCPUクーラーとの干渉の有無をチェックしています。
「CRYORIG H7 QUAD LUMI」についてはそもそもメモリ干渉フリーであることをコンセプトの1つとして設計がされているので、ヒートシンク付きOCメモリの中でも大型なCorsair Dominator Platinumを使用しても、Intel LGA1151、Intel LGA2066、AMD AM4で検証してみたところ、いずれのプラットフォームにおいても隣接するメモリスロットとCPUクーラーの間には余裕のあるクリアランスが確保されていました。
・Intel LGA1151(ASRock Z270 SuperCarrier)
・Intel LGA2066(MSI X299 GAMING PRO CARBON AC)
・AMD AM4(ASRock Fatal1ty X370 Professional Gaming)
今回検証で使用した各DDR4メモリとCRYORIG H7 QUAD LUMIのクリアランスに関する互換性は次の表のようになりました。
CRYORIG H7 QUAD LUMIのメモリクリアランス互換表 | |
デフォルト | |
Kingston HyperX Fury <販売ページ> |
〇:使用可能 |
Kingston HyperX Savage <販売ページ> |
〇:使用可能 |
Corsair VENGEANCE LPX <販売ページ> |
〇:使用可能 |
G.Skill Trident Z <販売ページ> |
〇:使用可能 |
Corsair Dominator Platinum <販売ページ> |
〇:使用可能 |
またグラフィックボードとの干渉についてですが、「CRYORIG H7 QUAD LUMI」は120mm幅のCPUクーラーなので、最近のマザーボードではプライマリのグラフィックボード用PCI-Ex16スロットが2段目に設置されていることもあり、おそらく干渉の心配はないと思います。
検証機材のASRock Z270 SuperCarrierは1段目のPCI-Eスロットにグラフィックボードを設置するレイアウトですが10mmほどクリアランスがあります。
ただしCPUクーラーの設置自体は問題ないのですが取り外しの際には少し困るかもしれません。下写真のようにCPUクーラーとグラフィックボードの隙間が狭いので定規などを使用してPCI-Eスロットのグラフィックボード固定爪を外す必要があります。
使用するマザーボードにもよると思いますが、10~20mm程度の隙間しか確保できない場合があるので注意して下さい。
CPUクーラーを外すには先に冷却ファンを外す必要があり、ファンクリップを外すにはグラフィックボードが邪魔なので、取り外しの手順では基本的に最初に必ずグラフィックボードを取り外さなければなりません。しかしながらCPUクーラーとの隙間が狭くGPU固定爪を解除するのが難しいというジレンマがあります。
取り付けよりも取り外しで困るというのは大型空冷CPUクーラーのあるあるネタなので注意してください。取り外しの際はグラフィックボード固定爪の解除のためにプラスチックの定規など細くて固いものを予め用意してください。
NZXT「CAM」:セットアップ方法と基本的な使い方
「CRYORIG H7 QUAD LUMI」はNZXTの各種コントロールを行うソフトウェア「CAM」からLEDイルミネーションの操作を行えます。「CAM」は公式サポートページからダウンロードできます。
「CAM」ダウンロード:https://camwebapp.com/
「CAM」はゲストアカウントとしてアカウント登録なしでも使用できますが、NZXTのアカウントを作成するかGoogleなどのアカウントで共有ログインすることで、ゲーム・アプリ別プロファイルの作成やモニタリングログの保存なども使用可能になります。とはいえ基本的な機能はゲストアカウントでも使用可能なので、必要に応じて追加でアカウントの作成や共有をすればOKです。
「CAM」のインストールはよくあるインストーラーを使って行いますが、途中で使用するデバイスを聞かれます。「CRYORIG H7 QUAD LUMI」の場合はデフォルトでチェックが入っている「基本」だけでOKです。
インストールが完了したら「CAM」を起動します。初回起動時は通常アカウントへのログインウィンドウが表示されますが、アカウントがない場合は小さく書かれているゲストアカウントでの使用を選択すればOKです。
これで「CAM」が起動します。「CAM」は日本語UIにも対応しています。17年7月以降の最新版ではデフォルトで自動的に日本語UIが適用されていると思いますが英語UIが表示される場合、日本語への変更にはまずウィンドウ右上のアイコンから歯車マークを選択してメニューからSettingを選択して設定ウィンドウを開きます。
設定ウィンドウの左タブから「一般(GENERAL)」を選択し、「言語(LANGUAGE)」を日本語に変更して設定を保存すれば日本語UIに変更完了です。
「CAM」はMSI AfterBurner&RivaTunerなどで有名なゲーム中のオーバーレイモニタリング機能にも対応しており、同じく設定ウィンドウの「FPS OVERLAY」タブで設定ができます。
またCPU温度など各種モニタリング値に異常が発生した場合に通知機能もあります。
「CAM」のUIカラーについては基本カラーとしてデフォルトの「ホワイト」だけでなく「ブラック」を選択できます。2つの基本カラーはウィンドウ右上の太陽や月のマークを選択することで切り替え可能です。
また設定ウィンドウからはデフォルトで黄緑色のアクセントカラーを自由に変更できます。
「CAM」の基本メニューとなるダッシュボードでは大きいフォントで現在の主要なモニタリング値を視認可能な基本タブ、CPUやGPUなどの履歴を分単位、時間単位のグラフでチェック可能な詳細タブがあります。アカウントログインをすると日単位や週単位のグラフも確認できてログをチェックできます。
NZXT「CAM」:LEDイルミネーションの操作方法について
「CRYORIG H7 QUAD LUMI」のLEDイルミネーションやその設定方法について紹介します。「CRYORIG H7 QUAD LUMI」のLEDイルミネーション操作設定は「チューニング」タブの下位タブである「ライティング」から行えます。CPUクーラーヒートシンクのロゴLEDとアンダーグロウLEDの2か所で個別に設定が可能になっており、「ライティング」のトップではロゴLEDとアンダーグロウLEDをスイッチでON/OFFできます。
上のライティングページのトップにある設定の編集を選択すると、詳細設定ウィンドウが開きます。ロゴLEDとアンダーグロウLEDのチェックボックスのチェックをON/OFFすることで2か所のLEDを一緒に、もしくは個別に設定できます。チェックボックスを外したLEDは現在の設定で固定され、チェックの入ったLEDのみ設定が変更される仕組みです。
LEDイルミネーションについては複数の発光パターンから自由に設定やカスタマイズが行える「プリセット」、CPUやGPU温度依存でカラーが変化する「スマート」、音楽に合わせて変化する「オーディオ」の3種類があります。
LEDイルミネーション「プリセット」から説明していきます。
LEDイルミネーションの設定についてはロゴLEDとアンダーグロウLEDで同時もしくは個別に設定可能になっており、同時設定は個別設定の組み合わせになっています。
NZXT CAM対応製品では簡易水冷CPUクーラー「KRAKEN X42/52/62」のように個別パートで異なる設定項目が用意されている場合がありますが、「CRYORIG H7 QUAD LUMI」についてはロゴLEDとアンダーグロウLEDで設定項目は同じです。
設定プリセットとしては「FIXED(固定発光)」「BREATHING(カラーセットで明滅変化)」「FADEING(カラーセットでグラデーション変化)」「MARQUEE」「COVERING MARQUEE」「PULSE」「SPECTRUM WAVE」「ALTERNATING」の8プリセットから選択できます。
「BREATHING」「FADEING」「COVERING MARQUEE」については選択した複数の色(任意のカラーセット)に合わせた発光パターンになります。「BREATHING」では暗転してから色1から色2へ変化、「FADEING」では色1から色2へ直接グラデーション変化、「COVERING MARQUEE」では半時計周りに色1から色2へ変化します。
LEDイルミネーションの様子をいくつかのプリセットで撮影してみました。
その他にもCPUやGPU温度をソースにして発光カラーが変化する「スマート」やオーディオ出力に合わせて発光する「オーディオ」などのイルミネーション操作が可能です。
CRYORIG H7 QUAD LUMIの冷却性能
本題となるCRYORIG H7 QUAD LUMIについてチェックしていきます。検証システムをベンチ板に置いた状態で測定を行っているためCPUクーラーが水冷・空冷によらず基本的にCPUクーラーの理想的な性能をチェックすることになります。
比較対象として空冷クーラーの「Intel TS15A」、「Cryorig C1」、「CoolerMaster MasterAir Maker 8」についても同一環境で検証を行いました。
検証方法については、FF14ベンチマークの動画(再生時間8分、WQHD解像度、60FPS、容量4.7GB)でAviutl+x264を使ってエンコードを行いました。エンコード時間はi7 7700Kの場合20分ほどです。エンコード中のファン回転数はCPUクーラー別で個別に設定した一定値に固定しています。
エンコードに用いたCPUはi7 7700K(殻割りクマメタル化済み)を使用しており、CPUダイとヒートスプレッダ間のグリスを液体金属グリスに塗り替えているので通常よりも低い温度で動作しています。
・「Thermal Grizzly Conductonaut」を殻割りi7 7700Kでレビュー
また手動でオーバークロック設定を行っています。コアクロックは4コア同時5.0GHz、キャッシュクロックは4.8GHz、コア電圧はBIOS上では1.300V固定ですがHWInfo読みで1.296~1.344Vで変動しています。
エンコード中CPU温度のCPUクーラー別比較は次のようになりました。
CRYORIG H7 QUAD LUMIは120サイズファン1基のシングルタワーCPUクーラーですが、ファン回転数1000RPM固定で殻割りクマメタル化済みのi7 7700Kを5.0GHzにOCしても安定して運用することができました。同社のハイエンドトップフローCPUクーラーであるCryorig C1の1200RPM運用とほぼ同じ冷却性能になっています。
ベンチ機1の検証環境で同様のCPUクーラー冷却性能テストを行った比較結果のまとめが次のようになっています。下に行くほど冷却性能が高く、平均温度と最大温度の和で順位付けを行っています。なおファン回転数によって順位は変わりうるのでその点は注意してください。
サウンドレベルメーター(騒音計)を使用してファンノイズをCPUクーラー別で比較しました。騒音計の収音部分とノイズ発生部分との距離が15cm程度になる位置で測定を行っています。簡易水冷の場合はラジエーターとポンプ両方からの距離が15cm程度になるように設置しています。
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも不快に感じたり感じなかったりと音の性質にもよるので注意してください。
CRYORIG H7 QUAD LUMIのファンノイズの騒音値はファン回転数別で次のようになっています。ファン回転数が1400RPMでも42.7dB程度なのでCRYORIG H7 QUAD LUMIはデフォルトファンを使用する限りほぼ全てのレンジで静音動作が期待できます。
上の温度検証における騒音値の比較結果は次のようになりました。
CRYORIG H7 QUAD LUMIはi7 7700Kを5.0GHzで運用できるパフォーマンスであっても、ほぼ無音と言える非常に静音性の高い動作を実現しています。
PCケースに組み込んだ場合についてベンチ機2を使用して、上のエンコード3周をストレステストとして実働環境における冷却性能をチェックしました。(テスト時はサイドパネルを閉じています。)
エンコード1週で20分ほどなので3周させて1時間の負荷テストを行っています。冷却ファンについてはテスト中1200RPMに固定していましたが、CPU温度は最大79度、平均75度となり、殻割りクマメタル化i7 7700Kの5.0GHz OCでも安定した動作を実現できています。
CRYORIG H7 QUAD LUMIのレビューまとめ
最後にCryorigのオシャレ&高性能空冷CPUクーラー「CRYORIG H7 QUAD LUMI」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- Cryorigらしいオシャレなデザイン
- LGA115X, LGA2066, AM4などマルチソケット対応
- メモリ干渉フリーなスリムサイズ
- 5GHzに手動OCしたi7 7700Kを運用可能な冷却性能
- マウントパーツを単独でマザーボードに固定可能
- NZXT「CAM」によるLEDイルミネーション操作に対応
- シャットダウン・スリープ時にLEDイルミネーションの消灯ができない
- 冷却ファンは白色LEDの常灯でソフトウェア制御に非対応
- マウントパーツを装着したままでCPUを交換できない
- 価格が9000円程度と割高
冷却性能の検証結果からもわかるように「CRYORIG H7 QUAD LUMI」はメインストリームのCPUであれば最上位のi7 7700Kの5.0GHz OCでも静音性を保ったままで十分に冷却できる性能があります。120サイズファン搭載で全高150mm以下のサイドフロー型としてはコンパクトかつ、マルチソケットでメモリ干渉フリーなスリムサイズを考えれば高いパフォーマンスを発揮していると思います。付属CPUクーラー使用時のファンノイズについてもPWM速度調整可能な全てのレンジで高い静音性を発揮しており高冷却性能・高静音なCPUクーラーとしての完成度の高さを感じます。AMD Ryzen対応AM4やIntel SkyLake-X対応LGA2066など最新のCPUソケットに対応しているところも魅力的です。
CRYORIG H7 QUAD LUMIはCRYORIGのCPUクーラーらしい洗練されたオシャレなデザインに加えて、新たにNZXT製イルミネーション操作機能「CAM」に対応したLEDイルミネーションを搭載することで、魅せるPCにも搭載可能な空冷CPUクーラーという新しい試みが実践されています。空冷かつ光物でオシャレなPCを組んでみたいというユーザーにとっては最適なCPUクーラーの1つです。
120サイズファン搭載シングルタワーのサイドフローCPUクーラーとしてみれば抜群のパフォーマンスを発揮していると思いますが、基本的にこのサイズ感はミドル帯CPUクーラーという扱いになるため、冷却性能比で見た場合にCryorigのオシャレデザイン&LEDイルミネーション対応とはいえ9000円というハイエンド空冷に手が伸びそうな価格はネックかもしれません。
CPUクーラーの固定面については、マウントパーツ単体でマザーボードに固定可能であり、マザーボード前面からCPUクーラーの固定ネジを締められる構造なのでCPUクーラー装着の利便性も確保されています。あとはマウントパーツを設置した状態でCPUの交換ができれば完璧でした。
CRYORIG H7 QUAD LUMIに限った話ではありませんが大型空冷CPUクーラーでは取り付けは比較的簡単ですが大型グラフィックボードと組み合わせた場合に取り外しに難儀する場合があるのでその点は事前に押さえておいてください。取り外しの際はグラフィックボード固定爪の解除のために定規など細くて固いものが必要になります。
以上、「CRYORIG H7 QUAD LUMI」のレビューでした。
CRYORIG H7 QUAD LUMI 日本正規代理店品Amazon.co.jpで詳細情報を見る
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CRYORIG H7 QUAD LUMIのメモリクリアランス互換表 | |
デフォルト | |
Kingston HyperX Fury <販売ページ> |
〇:使用可能 |
Kingston HyperX Savage <販売ページ> |
〇:使用可能 |
Corsair VENGEANCE LPX <販売ページ> |
〇:使用可能 |
G.Skill Trident Z <販売ページ> |
〇:使用可能 |
Corsair Dominator Platinum <販売ページ> |
〇:使用可能 |
「CRYORIG H7 QUAD LUMI」とおなじくNZXT CAMでLEDイルミネーション操作が可能なアドレッサブルイルミネーション機器「NZXT Aer RGB 120/140」と「NZXT HUE+」のレビュー記事も公開中。
・「Aer RGB 120/140」と「HUE+」をレビュー
補足:空冷クーラーと水冷クーラーの違いについて
動作検証に移る前に「空冷クーラー」と「水冷クーラー」の2種類ついて同じところと違うところ、また原理的に考えた冷却性能の比較を簡単に補足しておきます。まず大前提として当たり前ですが空冷クーラーも水冷クーラーも”最終的にCPUの発熱は空気に放出されます”。自作PCにおける空冷と水冷の違いは、どこの空気を使ってCPUクーラーの放熱フィンから空気への熱交換(放熱)を行うかです。
例えば次の画像のようなサイドフロー型の空冷CPUクーラーの場合、ケースフロントなどから吸気された空気はケース内を通り、CPUクーラーの放熱フィンでCPUから熱を放熱されます。CPUから放熱された暖かい空気はリアファンやトップファンから排気されますが、一部はケース内に残留する可能性があります。そのため「フロントから吸気されてケース内を経由してきた冷たい空気」と「一度CPUクーラーを通った暖かい空気」が混ざるため次第に冷却効率が下がることが予想されます。
一方で水冷(簡易水冷)CPUクーラーの場合は次のように、PCケース外から直接吸気を行う、もしくはPCケース外へ直接排気を行うことができます。水冷クーラーの場合、空気への放熱を行うラジエーターはPCケースという壁でイン・アウトが遮断されているため、PCケース内の空冷クーラーで起こるような一度放熱された空気が循環して冷却効率を下げるという現象が起きません。これが自作PCで水冷クーラーを使用するメリットです。
もちろん空冷でもケースファンを適切に設置すれば、一度熱せられた空気の循環が避けられる理想的な状態に近づきます。しかしその分ファンノイズが増えます。なので原理的にはPCケース壁で単純に熱交換部分のインアウトを遮断できる水冷クーラーのほうがよく冷えて静音になります。
ただし上の議論は最終的な放熱部分である「冷却に使用する空気」のみに着目して空冷と水冷を比較しています。つまり出口だけの議論なので、CPUヒートスプレッダからCPUクーラーベース部分への熱移動の効率、すなわち入口部分の性能が低ければあまり意味がありません。CPUクーラーの総合的な性能はベース部分の熱交換効率、放熱フィンやラジエーターの熱交換効率などいくつかのパラメータの組み合わせなので必ずしも水冷が空冷よりも冷えるわけではないことに注意してください。
また下の2つの画像では簡易水冷クーラーを吸気にした場合と排気にした場合で、ラジエーターに流入する空気を示す矢印の色を変えています。
まず前提として「部屋の体積はPCケースの体積よりも十分大きいのでPCで消費される程度の電力(1000W以下程度)では室温は変化せず一定」です。上の画像でPCケースへの吸気がケースフロントである場合、PCケース内には熱源が多数存在するためラジエーターに達するまでに空気は温められます。とすると空気の温度は「室温空気≦PCケース内空気」です。どんなに理想的なエアフローが存在したとしてもPCケース内を経由してラジエーターに達する空気は室温空気よりも低い温度にはなりえません。ラジエーターでの熱交換効率を左右するのは「空気とクーラントの温度差」と「ラジエーターを通過する空気の量」の2つなので「室温空気≦PCケース内空気」である以上、水冷クーラーにおいて「冷える排気」は存在しますが、「吸気よりも冷える排気」というものは存在しません。
吸気にすると熱風がPCケース内に入って壊れるとかのたまう人がたまにいますが、排気なしのケース密封で吸気にするようなそもそも馬鹿げた構成でもなければ起こりえないことなので無視してOKです。もし壊れるなら内排気空冷オリファングラボが真っ先に壊れます。
水冷クーラーを使用する場合、排気構成にしたほうがPCケース内からの見栄えがいいため、メーカーも排気構成のイメージサンプルを使用することが多い(おそらく)ですが、純粋な冷却パフォーマンスを考えれば排気よりも吸気のほうが性能が高いことは原理的に自明です。
見栄えを重視して排気にするのは全く問題ありませんし、そういう意図のもとで作られたカッコいい見せる自作PCは管理人も好むところです。しかしながらエアフローが云々とか吸気による故障を理由に「吸気よりも排気のほうが冷えるし安全」と主張するのは非常に恥ずかしいことなのでやめましょう。
最後に本題の空冷クーラーと水冷クーラーの違いについてまとめると、「水冷クーラーと空冷クーラーの理想的な性能を比べた場合どちらのほうが性能が高いかは製品次第ですが、水冷クーラーは熱交換部分をケース外に近い場所に配置できるので、吸気の簡易水冷クーラーは空冷クーラーに比べて理想的な性能を発揮しやすいという特徴があります。」
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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