Phanteks Enthoo Evolv Shift


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Phanteksの柱型Mini-ITXケース「Phanteks Enthoo Evolv Shift(型番:PH-ES217E_BK)」のレビュー用サンプルを正規国内代理店アイティーシー様よりお借りできたのでレビューしていきます。
「Phanteks Enthoo Evolv Shift」の外観や内部構造など製品仕様の紹介に加えて、Intel Skylake-X CPUに対応したX299チップセット搭載Mini-ITXマザーボード「ASRock X299E-ITX/AC」
を使用してCore i9 7900Xと簡易水冷GTX 1080 Tiグラフィックボードを組み込むという、「Phanteks Enthoo Evolv Shift」の高級インテリア然として外観からは想像もつかないような超ハイエンド自作PCのビルドを行います。
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製品公式ページ:http://www.phanteks.com/Enthoo-Evolv-Shift.html
代理店公式ページ:https://www.itc-web.jp/product/enthoo-evolv-shift
マニュアル:http://www.phanteks.com/assets/manuals/PH-ES217E.pdf
PH-ES217E





Phanteks Enthoo Evolv Shiftの自作PC レビュー目次


1.Phanteks Enthoo Evolv Shiftについて
2.Phanteks Enthoo Evolv Shiftの梱包・付属品
3.
Phanteks Enthoo Evolv Shiftの外観
4.Phanteks Enthoo Evolv Shiftの内部構造の概要
5.Phanteks Enthoo Evolv Shiftのストレージ設置スペース
6.Phanteks Enthoo Evolv Shiftの電源ユニット設置スペース
7.Phanteks Enthoo Evolv Shiftのグラフィックボード設置スペース
8. Phanteks Enthoo Evolv Shiftのファン・ラジエーター設置スペース
9.Phanteks Enthoo Evolv Shiftのビルドギャラリー
10.Phanteks Enthoo Evolv Shiftのレビューまとめ



Phanteks Enthoo Evolv Shiftについて

Mini-ITX対応PCケース「Phanteks Enthoo Evolv Shift」シリーズの概要について最初に紹介します。
「Enthoo Evolv Shift」シリーズは縦置きでは274*170mmという最小フットプリントを実現するために設計されてた柱型PCケースです。
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「Phanteks Enthoo Evolv Shift」シリーズは標準の縦置きだけでなく横置きにも対応しています。
Phanteks Enthoo Evolv Shift (9)
「Phanteks Enthoo Evolv Shift」シリーズには今回レビューする無印版に加えて、無印版よりも背が高い「Phanteks Enthoo Evolv Shift X」もラインナップされています。「Phanteks Enthoo Evolv Shift X」は「Phanteks Enthoo Evolv Shift」よりも下側の水冷ラジエーター用のスペースが広く確保されており、空冷や簡易水冷向けの「Phanteks Enthoo Evolv Shift」、本格水冷向けの「Phanteks Enthoo Evolv Shift X」という分類になっています。
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アルミニウム製のフロント・リアパネル、強化ガラス製の左右サイドパネル、およびボトムパネルの5面は着脱可能、トップパネルもヒンジ構造で開閉可能となっておりPCケース内部へのアクセスも良好です。
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サイズの小さい「Phanteks Enthoo Evolv Shift」でも最大で2基の120mm水冷ラジエーターを搭載可能なスペースが確保されています。
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電源ユニットはSFX電源に対応しています。シャーシ内部には2基の2.5インチストレージマウンタ、シャーシ外部には排他利用の2.5or3.5インチストレージマウンタがあるので3基のストレージを設置できます。
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Phanteks Enthoo Evolv Shiftの梱包・付属品

まずはPhanteks Enthoo Evolv Shiftの梱包と付属品を簡単にチェックしておきます。
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PCケース本体は茶色の専用段ボール箱にスポンジスペーサーで固定されて、ビニール袋に入った状態で付属品と一緒に収められていました。
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「Phanteks Enthoo Evolv Shift」は国内正規代理店アイティーシーから5年間の正規保証が受けられます。
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マニュアルの冊子と各種付属品の入ったパッケージが付属します。
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マニュアルの冊子はカラー刷りでPCケースについて図説で詳しく説明されています。公式ホームページからPDFファイルもダウンロード可能です。マニュアルはわかりやすくまとめられているので、PCケースの概要を掴みたいのであればレビューを読むより手っ取り早いかもしれません。
マニュアル:http://www.phanteks.com/assets/manuals/PH-ES217E.pdf
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茶色の小分けパッケージ内には各種ネジ類が入ったプラスチックの箱、ケーブルタイ、Phanteksロゴバッジシール、横置き用スポンジ足シールが入っています。
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ネジ類はPCを組んでると紛失することも珍しくないので各種ネジ類が専用の小分けケースに入っているのは便利で好印象です。
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Phanteks Enthoo Evolv Shiftの外観

続いて「Phanteks Enthoo Evolv Shift」のPCケース本体の外観についてチェックしていきます。
Phanteks Enthoo Evolv Shiftの両サイドパネルは強化ガラスパネルとなっており、開封直後は傷防止のため保護フィルムが貼られています。
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Phanteks Enthoo Evolv Shiftに搭載されている強化ガラスパネルはスモークパネルというほど暗くはありませんが、完全な無色透明ではなく薄く青みがかって暗くなるガラスが採用されていました。
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フロントパネルとリアパネルはサンドブラスト表面処理が施された質感の高いアルミニウム製パネルが採用されています。ガラスの光沢に対してマットなアルミニウムパネルが全体の印象に落ち着きを与えます。
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フロントパネルおよびリアパネルの側面の反り部分には吸排気用のスリットが設置されています。パネルの裏側には着脱可能な防塵ダストフィルターが装着されていました。
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「Phanteks Enthoo Evolv Shift」は基本的に前後対称な構造ですが背面上部にはビデオ出力ケーブルなどを出すためのケーブルホールが開設されています。上部のケーブルホールだけでなく下部のパネル切り込み部分からも
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トップパネルは吸排気のための縦スリットが施されてたプラスチック製パネルになっています。正面から見て左側には台形(大)とひし形(小)の2つのスイッチが設置されています。台形スイッチはマザーボードと接続するパワースイッチ、ひし形ボタンはPCケースに内蔵されたライティングコントローラーのボタンになっており、別売りのPhanteks製のLEDテープや、別売りの変換ケーブルを介した汎用4PIN LED機器のライティング制御が可能です。
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トップパネルは前方を押し込むとロックが外れてリアのヒンジで開閉可能な構造が採用されています。
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トップパネル裏にはフィルターが貼られていました。シールで固定されているので着脱には非対応です。
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トップパネルを開くと内部には前後左右のパネルを固定するハンドスクリューが2個ずつで計8個あります。
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トップパネル下のハンドスクリューによる固定を解除した後は、前後左右のサイドパネルはシャーシに設置されたひょうたん型の穴にパネルの突起をはめ込む構造で固定されているので、パネルを上に持ち上げると4面のパネルは全て取り外すことができます。
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シャーシのガラスパネルと接する部分にはガラスパネルの傷を防止するためにスポンジが貼られています。
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正面から見て左側リア方向にはUSB3.0端子が2基設置されていました。リアに外部USB端子が設置されているという珍しいレイアウトになっており、「Phanteks Enthoo Evolv Shift」にはフロントI/O的なインターフェースは実装されていません。
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PCケースボトムには四隅にひし形の防振ゴム付きケース足が設置されており、トップパネル同様にプラスチック製で吸排気のためのスリットが設けられていました。
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底面には正面から見て左側に抜き出す形で着脱が可能な防塵ダストフィルターが装着されており、底面吸気のエアフローが想定された構造です。
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ボトムパネルはジェラコンキャッチによるワンタッチの着脱が可能です。
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Phanteks Enthoo Evolv Shiftの内部構造の概要

Phanteks Enthoo Evolv Shiftの内部構造をチェックしていきます。
Phanteks Enthoo Evolv Shiftの内部をPCケース側面から覗くと次のようになっています。Phanteks Enthoo Evolv Shiftのケース内部は大別して、正面から見て右上のマザーボード設置スペース、正面からみて左上と一部下部のグラフィックボード設置スペース、下部の電源ユニットおよび水冷ラジエーター設置スペースの3つのチャンバーに分かれています。
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PCケース内部の上側には、マザーボードのリアI/Oが上を向くレイアウトでMini-ITXマザーボードに対応したマザーボードトレイが配置されています。
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マザーボードトレイ右側には140mmサイズの冷却ファンが排気レイアウトで設置されています。マザーボード上のVRM電源やメモリにも風が当たるのでコンパクトPCケースとしては安心感があります。
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マザーボードトレイ下は電源ユニットや水冷ラジエーター用チャンバーと直通しておらず、間仕切りのフレームが配置されています。フレームの左右には電源ユニットから伸びるケーブルをマザーボードトレイ側へ通すためのグロメット付きケーブルホールが左右に2か所設置されています。
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リアパネル裏にも、2.5/3.5インチストレージと接続するケーブル、USB3.0内部ヘッダーケーブル、トップパネルから伸びる電源スイッチケーブル等をマザーボードトレイのある内部に通すためのケーブルホールが開けてあり、またケーブルマネジメントのためのマジックテープのケーブルタイも用意されています。
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「Phanteks Enthoo Evolv Shift」のPCケースから伸びているケーブル類は、外部USB3.0端子用の内部USB3.0ヘッダーケーブル、電源スイッチ用2PINケーブル、Phanteks独自端子のLED機器接続ケーブル、ライティングコントローラーへの給電用SATA電源ケーブルの4つです。
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Mini-ITXマザーボードとの組み合わせでコンパクトかつ高性能なPCを組む時によく使用されるCPUクーラーとして大型トップフロー型CPUクーラーがあります。Phanteks Enthoo Evolv Shiftの内部USB3.0ケーブルの端子は背が高いのでCPUクーラーと干渉する可能性があります。Mini-ITX PCケース用のUSB3.0端子はもう10mm程度でいいので背の低いものを採用して欲しいところ。
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LED機器に対応した独自端子のケーブルについては国内では対応アクセサリパーツが流通していませんが、北米Amazonから対応LEDテープ「Phanteks LED Strip 400mm (型番:PH-LEDKT_M4)」を購入可能です。また同独自端子に接続されたLED機器は「Phanteks Enthoo Evolv Shift」に備え付けられたライティングコントローラーだけでなく、別入りの汎用4PIN変換ケーブル「Phanteks RGB LED 4 Pin Adapter (型番:PH-CB_RGB4P)」を使用することでASRock RGB LEDなどマザーボードのイルミネーションコントロール機能による制御にも対応します。
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実際にPhanteks Enthoo Evolv Shiftのマザーボードトレイに今回の組み込み機材であるIntel Core-X CPU対応X299チップセット搭載Mini-ITXマザーボード「ASRock X299E-ITX/AC」を設置してみました。
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Mini-ITXマザーボード上の各インターフェースに問題なくアクセスできるスペースがあります。
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Phanteks Enthoo Evolv ShiftのCPUクーラーの設置スペースとしては全高82mm程度までが確保されてます。高さスペースは小さいのでサイドフロー型CPUクーラーを搭載するのは難しいので、コンパクトなトップフロー型やCryorig C1のような全高80mm以下のハイエンドトップフロー型CPUクーラー、もしくは120mmサイズラジエーター搭載の簡易水冷CPUクーラーを選択する必要があります。
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検証機材のCPUクーラーについては当初、簡易水冷CPUクーラーを検討していたのですがラジエーターの厚さ等の問題で簡易水冷グラフィックボードの水冷ラジエーターと一緒に設置することができなかったので大型トップフローCPUクーラーのCryorig C1を使用することにしました。
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CPUとCPUクーラー間の熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。使い切りの小容量から何度も塗りなおせる大容量までバリエーションも豊富で、性能面でも熱伝導効率が高く、塗布しやすい柔らかいグリスなのでおすすめです。
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グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
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使用するマザーボードにもよると思いますが、ASRock X299E-ITX/ACの場合はCPUクーラーをリアI/O側に向けることでマザーボード上のコンポーネント・インターフェースやPCケースと干渉することなくCryorig C1を設置することができました。
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Phanteks Enthoo Evolv Shiftのストレージ設置スペース

Phanteks Enthoo Evolv Shiftのストレージ設置についてチェックしていきます。
Phanteks Enthoo Evolv Shiftには、シャーシ内部のマザーボードトレイ傍に2.5インチストレージマウンタが2基設置されており、加えてシャーシ外部のリアパネル裏に2.5インチor3.5インチストレージを1基設置可能なマウントスペースが用意されており、マザーボードに直接設置するM.2ストレージ以外に最大3基のストレージを増設することができます。
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マザーボードトレイ左側のシャーシとPCI-Eスロットの間に2.5インチストレージが設置可能なストレージマウンタが2基あります。
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この部分のストレージマウンタはシャーシにネジ止めされたゴム製ブッシュにひょうたん型スライド穴が開いたストレージトレイを装着する構造になっています。
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リアパネル裏のストレージ設置スペースには最初から3.5インチHDDの底面ネジ穴に合わせた防振ゴム付きの穴が用意されているので、この穴に合わせて3.5インチHDDを置いてシャーシ内部からネジ止めすることでストレージが固定できます。
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また付属品のネジセットに入っているゴムブッシュとネジを利用することで、リアパネル裏のストレージ設置スペースに2.5インチストレージトレイ固定用ゴムブッシュを設置でき、ここにも2.5インチストレージを増設できます。
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なお「Phanteks Enthoo Evolv Shift」には2.5インチストレージトレイはシャーシ内部に標準で装着されている2つしか付属しないので、3基の2.5インチストレージを増設するには別売りオプションパーツの「Phanteks SSD Bracket for Single SSD (型番:PH-SDBKT_01)」を追加で購入する必要があります。「Phanteks SSD Bracket for Single SSD (型番:PH-SDBKT_01)」は国内では流通していませんが、北米Amazonから簡単に個人輸入が可能です。

Phanteks SSD Bracket for Single SSD (型番:PH-SDBKT_01)
Phanteks
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Phanteks Enthoo Evolv Shiftの電源ユニット設置スペース

Phanteks Enthoo Evolv Shiftの電源ユニット設置についてチェックしていきます。
Phanteks Enthoo Evolv Shiftの公式スペックではSFXサイズとSFX-Lサイズの電源ユニットへの対応が公表されています。一方で同時に公式ページで公開されている製品マニュアルの対応電源ユニットについてはSFX-Lサイズは明記されていませんでした。
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管理人も当初はマニュアルではなく製品公式ページの詳細スペックを参照していたので、検証機材としてTITANIUM認証取得、電源容量800WのSFX-L電源「SilverStone SST-SX800-LTI」を使用する予定でしたが実際に仮組みで電源ユニットをシャーシ内に置いてみると中央フレームとの距離が狭く、プラグインケーブルの装着が難しいことがわかりました。
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電源ユニット自体は設置できるのでケーブル直出し方でフレームに当たらなければSFX-Lサイズも使用できそうですが、公式ページとマニュアルのスペックで対応電源サイズが異なっているため注意してください。

SFX-Lサイズの電源は使用するのが難しそうなので同じくSilverStone製で2017年に発売されたばかりのGOLD認証取得、電源容量650WでSFX電源ユニットの新定番な「SilverStone SST-SX650-G」を選択したところ、中央フレームとのスペースも十分に確保できました。「Phanteks Enthoo Evolv Shift」で組む場合、電源ユニットについ打てはSFXサイズがおすすめです。
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電源ユニットのACケーブルはPCケース下部の専用L字アダプタを使用して中継する構造です。
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SilverStoneやCorsair製のSFX電源に付属する電源ケーブルはケーブル長が300mm程度のショートケーブルなので電源ユニットからみてPCケース内の対角上に位置する可能性のあるEPS端子にケーブルが届くか心配ですが、「SilverStone SST-SX650-G」のEPS電源ケーブルで確認したところ特に問題なくEPS端子ケーブルを伸ばすことができました。
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Phanteks Enthoo Evolv Shiftのグラフィックボード設置スペース

Phanteks Enthoo Evolv Shiftのグラフィックボード設置についてチェックしていきます。
Phanteks Enthoo Evolv ShiftではライザーケーブルでPCI-Eスロットを延長する形でマザーボードトレイの背面にグラフィックボードの設置スペースが配置されています。
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PCI-Eスロットを備えたグラフィックボードホルダーはマザーボードトレイ側のマザーボードトレイ下のネジ1つとグラフィックボード側のシャーシ上部のネジ2つの計3か所のネジで固定されています。
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ネジを外すと簡単にグラフィックボードホルダーを取り外すことができます。
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グラフィックボードホルダーは標準構成となるGPUクーラーがマザーボードトレイに向く右レイアウトだけでなく、GPUクーラーが強化ガラスサイドパネルを向く左レイアウトを取ることも可能になっています。空冷・簡易水冷GPUクーラー搭載グラフィックボードを使用する場合は右レイアウトが推奨されています。
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左レイアウトはGPUクーラーが強化ガラスサイドパネルを向くので本格水冷用のアクリル水冷ブロックを見せるためのレイアウトとなっています。ただし右レイアウトに比べてライザーケーブルの長さがギリギリであったり、PCIE補助電源のコネクタやケーブルが電源ユニットと干渉しやすかったりするので扱いが難しいです。
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PCIブラケットの固定ネジはグラフィックボードホルダーをPCケースから取り外した状態でないと固定できないのでグラフィックボードを装着する際は、グラフィックボードホルダーを一度取り外す必要があります。
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グラフィックボードを装着したらグラフィックボードホルダーを取り外したのと逆の手順で再度グラフィックボードホルダーをシャーシに装着したら、マザーボードのPCI-Eスロットにライザーケーブルを接続すればグラフィックボードの設置が完了です。
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標準のレイアウトでグラフィックボードを設置すると下のようになります。GPUクーラーがマザーボードトレイと対面してしまいエアフローはあまり良くありません。可能なら今回検証機材として使用している「EVGA GeForce GTX 1080 Ti SC2 HYBRID GAMING」のような簡易水冷GPUクーラーを搭載したグラフィックボードを採用したいところです。
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Phanteks Enthoo Evolv Shiftのグラフィックボード設置スペースの長さ方向のクリアランスは27mm厚の水冷ラジエーターをケースボトムに設置していても300mm以上が確保されています。
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標準の右レイアウトでは側面に水冷ラジエーターやファンを設置しない場合、PCIE補助電源とケーブルのクリアランスが60mm以上確保されているのでPCIブラケットより背が高いグラフィックボードも使用可能です。
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簡易水冷グラフィックボードを使用するのであれば補助電源端子や水冷チューブがPCケースと干渉し難いので、背が低いリファレンス基板に簡易水冷GPUクーラーが搭載された「MSI GeForce GTX 1080 Ti SEA HAWK X」や「EVGA GeForce GTX 1080 Ti SC2 HYBRID GAMING」がおすすめです。




Phanteks Enthoo Evolv Shiftのファン・ラジエーター設置スペース

Phanteks Enthoo Evolv ShiftのPCケースにあるケースファンおよび水冷ラジエーターの設置スペースについてチェックしていきます。
Phanteks Enthoo Evolv Shiftには内部構造の概要で紹介したようにマザーボードトレイを正面から見て右側に標準で140mm冷却ファンが設置されています。
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マザーボード横の冷却ファンのちょうど下側にも120mmと140mmの冷却ファンに対応したファンマウントスペースがあります。下写真は140mmファンを設置した例ですが、140mmファンでスペースピッタリなので水冷ラジエーターは140mmサイズには非対応で最大120mmサイズラジエーターに対応となります。
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PCケースボトムにもも120mmと140mmの冷却ファンに対応したファンマウントスペースがあります。下写真は140mmファンを設置した例ですが、140mmファンでスペースピッタリなので水冷ラジエーターは140mmサイズには非対応で最大120mmサイズラジエーターに対応となります。
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Phanteks Enthoo Evolv Shiftは簡易水冷CPUクーラーや簡易水冷グラフィックボードに搭載されている厚さ27mmの120mm水冷ラジエーターを最大2基設置可能なスペースが確保されています。
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PCケースボトムに120mmサイズの水冷ラジエーターを設置すると次のようになります。水冷ラジエーターの設置は1基だけであればPCケース下側には十分なスペースがあるので余裕を持って水冷ラジエーターを組み込むことが可能です。
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2基目の水冷ラジエーターは下の写真で右側のファン・ラジエーターマウントスペースに設置することになるので、現在右寄りに配置しているボトムの水冷ラジエーターを電源ユニットに寄せる必要があります。
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2基目の水冷ラジエーターは側面に配置することになるので、ラジエーター&冷却ファンがグラフィックボードの補助電源コネクタ・ケーブルと干渉する可能性があります。マニュアルで紹介されている27mm厚のラジエーターであっても冷却ファンには20mm厚以下のスリムファンを使用するなど工夫が必要になる可能性もあります。
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また2基の水冷ラジエーターを使用する場合は水冷チューブ同士の干渉を避けるためボトム側ラジエーターを電源ユニット寄りに配置する必要があるのですが、電源ユニットのAC端子に接続するL字アダプタのケーブルをスペース内に収めることが難しいというユーザー側で対処が困難な問題もありました。
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電源ユニット側のAC端子のレイアウトにもよるのですが、「SilverStone SST-SX650-G」と「SilverStone SST-SX600-G」の2機種では水冷ラジエーターを最も電源ユニット寄りにした場合の赤線スペース内にケーブルを納めることができませんでした。25mm厚の冷却ファンの場合はボトムパネルと冷却ファンの間にアダプタケーブルの径程度のスペースはあるので間に挟めなくもないのですが、ファンとケーブルの接触が心配になります。

もしも「Phanteks Enthoo Evolv Shift」に簡易水冷ラジエーターを2基搭載したい場合はグラフィックボードには上でも紹介した「MSI GeForce GTX 1080 Ti SEA HAWK X」や「EVGA GeForce GTX 1080 Ti SC2 HYBRID GAMING」、CPUクーラーには27mm厚120サイズ簡易水冷の「Corsair H60」や「EVGA CLC 120」など可能な限りコンパクトなものを選択して、場合によっては20mm厚以下のスリムファンに冷却ファンを交換するなど試行錯誤する必要があります。組み立ての順番も知恵の輪的に複雑化するので「Phanteks Enthoo Evolv Shift」への水冷ラジエーター2基搭載はかなり難易度が高くなると思います。
Corsair H60EVGA CLC 120
北米Amazonからまとめて輸入できるので「EVGA GeForce GTX 1080 Ti SC2 HYBRID GAMING」と「EVGA CLC 120」の組み合わせが「Phanteks Enthoo Evolv Shift」への組み込み機器としては使いやすいと思います。



Phanteks Enthoo Evolv Shiftのビルドギャラリー

今回組んだ「Phanteks Enthoo Evolv Shift」を使用した自作PCのギャラリーです。
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Phanteks Enthoo Evolv Shiftのレビューまとめ

最後に「Phanteks Enthoo Evolv Shift」の実機サンプルを検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • サンドブラスト処理アルミニウムと強化ガラスのサイドパネル採用で高級感のある外観
  • 幅170mm*奥行274mmのコンパクトなフットプリント
  • 最大で27厚120mmサイズ簡易水冷ラジエーターを2基設置可能
  • 最長350mmのハイエンドグラフィックボードを搭載可能なスペース
  • 2.5インチ2基、2.5or3.5インチ1基で計3基のストレージを設置可能
悪いところor注意点
  • 水冷ラジエーター2基設置の構成は組むのがかなり難しい
  • 内部USB3.0端子の背が高いので一部の大型トップフローCPUクーラーと干渉する可能性あり

高品質かつ高性能なPCケース多数輩出するPhanteksが送る意欲作的な柱型Mini-ITXケース「Phanteks Enthoo Evolv Shift(型番:PH-ES217E_BK)」はモダンなオシャレ部屋に溶け込む高級インテリアのような外観とそれを実現させた基礎設計コンセプトともいえる幅170mm*奥行274mmの超コンパクトなフットプリントが最大の魅力な製品です。

外観を重視するとPCケースはエアフローが微妙な所謂窒息ケースになりやすいですが、「Phanteks Enthoo Evolv Shift」は底面吸気&上面排気をベースに側面スリットからも適宜吸排気が可能な設計になっており、CPU用とGPU用で最大2基の120サイズラジエーターを搭載可能なので、CPUにはメインストリームCPU最上位のCore i7 8700KやAMD Ryzen 7 1800Xはもちろん、電力設定次第では「ASRock X299E-ITX/AC」と組み合わせてエンスー向けCPUのCore i9を搭載することもできます。さらにグラフィックボードにも簡易水冷GTX 1080 Tiを搭載できるのでインテリアな外見からは想像もつかないような超ハイスペックPCを構築することも可能となっています。

ただし水冷ラジエーターの2基搭載はラジエーター&ファンの干渉回避、知恵の輪的な順序を守った組み立て、電源ユニットAC端子のL字アダプタケーブルの取り回しなどいくつかクリアする必要のある関門があるので自作PCにかなり手馴れていてパーツにも詳しい人でないと難易度が高いと思います。Phanteks公式でラジエーター2基構成については組み方や互換パーツの紹介などがあってもいいかなとも感じました。
とはいえPCケースの6面パネルは全て着脱・開閉が可能な構造になっており内部アクセスも良好であり、各種パーツの取り付けスペースも十分確保されているので、水冷ラジエーターを1つまでの構成であれば組み立ては決して難しくありません。

高級インテリア然としたオシャレな外観にハイエンドなPCパーツを詰め込んで自作PCを組みたいのであれば、「Phanteks Enthoo Evolv Shift」はかなりおすすめなOCだと思います。


以上、「Phanteks Enthoo Evolv Shift」のレビューでした。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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