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変換効率92%のPlatinum認証取得、電源容量1000Wの大容量となるSeasonic製ハイエンド電源ユニット「Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PD」のレビュー用サンプルをメーカーよりご提供いただけたのでレビューしていきます。「Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PD」はシステム負荷50%の環境下において電力変換効率92%の80PLUS Platinum認証を取得、冷却ファンには135mm角の高性能流体動圧軸受(FDB)ファンを搭載し、システム負荷45%以下においてファン動作が停止する「Premium Hybrid Fan Control」というセミファンレス機能にも対応し、電源容量1000Wの大容量でGTX 1080 TiなどハイエンドGPUによるマルチGPUに対応可能なハイパフォーマンスな電源ユニットです。
製品公式ページ:https://seasonic.com/prime-ultra-platinum
代理店公式ページ:http://www.owltech.co.jp/product/ssr-pd
「SSR-1000PD」のモジュラー端子/ケーブル構成(参考)
なお電源ユニットのレビューについては専門的な測定機器もないので写真をまじえた仕様の紹介と負荷別のファンノイズに関する検証が主なコンテンツになります。自作PC用電源ユニットについて基本的な予備知識は下の記事で紹介しているので参考にしてください。
・自作PC電源ユニット(PSU)の徹底解説とおすすめ電源の選び方
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PD レビュー目次
1.Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDの梱包・付属品
2.Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDの外観
3.Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDのケーブルや電源端子について
4.Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDの負荷別のファンノイズについて
5.Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDのレビューまとめ
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDの梱包・付属品
早速パッケージを開封してSeasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDの外観や付属品をチェックしていきます。パッケージを開くとまずは電源ユニットの多言語マニュアルや保証書が入っていました。その下には左側にスポンジのスペーサーで安置された電源ユニットが、右側にはACケーブルと専用不織布バッグの中に入れられた状態でモジュラーケーブル各種が収められています。
スポンジスペーサーの蓋を外すと布製の袋で保護された電源ユニットが安置されています。各種プラグインケーブルが収められた専用不織布バッグなど高級電源らしい梱包です。
電源ユニットの仕様が書かれた多言語マニュアルが入っています。
プラグインケーブル以外の付属品としては、固定ネジ、ケーブルタイ、マジックテープ式ケーブルバンド、メーカーロゴバッジシール、PRIMEロゴシール、電源テスターとなっています。
Seasonic PRIME Ultraシリーズが発表当時、電源テスター機能が話題になりましたが、実際の機能としては単純に電源の起動PINを短絡するアダプターが付属するという仕様でした。そもそも電源ユニットに通電すらできない問題がある場合に同アダプタで原因の切り分けが可能です。
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDの外観
「Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PD」本体をチェックしていきます。Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDは高級電源ユニットなのでスポンジの緩衝材で保護されています。
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDは高級電源では定番なベロア布袋で保護されています。
「Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PD」の電源ユニット本体は次のようになっています。スチール製の電源ユニット外装は粒度の小さいシボ塗装でブラック一色となっており、前モデルでは人を選ぶ感のあったカラフルな製品シールも万人受けするブラックに変わっています。
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDの電源ユニット側面にはPRIME PLATINUMの製品ロゴが鏡面プレートで描かれて、デザイン上のアクセントとしてエアインテーク的な切り込みが施されています。
冷却ファンの吸気に当たる箇所にはハニカム形状のエアスリットで大きく通気口が確保されています。通気口はSeasonic PRIMEシリーズの代名詞ともいえる、歯車の歯が噛み合うような独特の凹凸デザインです。
「Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PD」はマルチGPUにも対応可能な電源容量1000Wの大容量電源ユニットとなっており、このクラスでは奥行180mm以上のものも多いですが、変換効率92%のPlatinum認証を取得して発熱の小さい電源なので奥行は170mmとコンパクトサイズに収まっています。
「Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PD」と上位モデルのSeasonic PRIME Ultra Titaniumシリーズを比較すると電源ユニットサイズや外形はほぼ同じですが、側面ロゴや天面のU字プレートの塗装が異なっています。
冷却ファンには最近の電源ユニットのトレンド通りに140mm径で静音性に優れ高寿命な高性能流体動圧軸受け(Fluid Dynamic Bearing)を採用する冷却ファンが採用されています。
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDはATX24PINからPCIE補助電源まで全てのケーブルが着脱可能なプラグインケーブルになっているので環境に合わせて使用するケーブルが選択できます。
ACコンセントケーブルは国内のPC関連でよく使われる3PINタイプの端子になっています。コンセントからの電力供給を簡単にカットできるロッカー型ハードウェアスイッチが付いています。排気面を広く取るためハードウェアスイッチは小さめのものが採用されています。
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDはハードウェアスイッチ1つでON/OFFの切り替えが可能な、
システム負荷45%以下においてがファン動作が停止する「Premium Hybrid Fan Control」というセミファンレス機能にも対応しています。
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDはPCI-E補助電源やEPS電源など12V電源出力がシングルレールの最大83Aと非常にパワフルな電源ユニットです。Intel Core i9やAMD Ryzen ThreadripperのOC環境ではCPUへ電力供給を行うEPS端子だけでも20A以上の出力を要求することもありますが、シングルレーン70Aの出力が可能な「Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PD」なら余裕で安定した電力供給が可能な容量を備えています。
「Seasonic PRIME Ultra Platinum」の最新設計「MTLR(Micro Tolerance Load Regulation)」では、負荷電流(出力電流)の変動に対して電源の出力電圧がどのくらい変動するかという負荷レギュレーションにおいて、非常にタイトな0.5%という負荷制御の許容範囲内で、出力電圧を一定に保ちます。この印象的な電気的性能と安定性は、高性能システムの電源を選ぶ上で理想的な選択肢となります。また1次と2次回路ともに日本製の105℃アルミ電解コンデンサを実装し厳選された部品で構成されています。
背面パネルとPCB(プリント回路基板)が銅板によって接続するケーブルレス接続の内部構造が採用され手動挿入時に製造誤差の可能性を低下させるだけでなく、作動時の出力電力の品質が改善されます。加えて大幅にケーブルが軽減されたことによって内部構造が綺麗に整理され電源ユニット内のエアフロー改善にも寄与しています。
電源ユニットの重量も確認してみたところ標準的なATX電源の「Seasonic PRIME Ultra 850 Titanium SSR-850TR」が2037g、「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium」が2418に対して、「Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PD」は2052gでした。
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDのケーブルや電源端子について
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDに実装されている電源コネクタの種類やケーブル長についてチェックしていきます。Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDのプラグインケーブルは製品パッケージ内の電源ユニット本体右側に収められていた専用不織布バッグの中に入っています。
プラグインケーブルのうちATX 24PIN以外のPCI-E補助電源、EPS電源、SATA電源、4PINペリフェラル電源のケーブルは取り回しに優れ実用性の高い黒色のきしめん型フラットケーブルが採用されています。
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDのATX 24PINケーブルはスリーブまとめ型ケーブルが採用されています。Seasonic製品はPRIMEシリーズ以前の最上位モデルPLATINUM XPシリーズでもそうでしたが高級電源ユニットでもATX 24PINケーブルはスリーブまとめ式のケーブルが採用されており、個人的には取り回しの良いフラットきしめん型ケーブルに変えて欲しいところです。
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDのATX24PINケーブルは大型フルタワーPCケースにも対応可能な610mmのスリーブまとめ型ケーブルが採用されています。
自作PC初心者が間違えやすいPCIE補助電源端子、EPS電源端子およびPSUプラグイン端子には一目でどれがどれか見分けることができるように、コネクタのロックピンがない面に「PCI」「CPU」「PSU」と表記されています。
Intel Skylake-Xに対応するX299マザーボードやAMD Ryzen ThreadRipperに対応するX399マザーボードなどエンスー向け高性能マザーボードではEPS 8+4PINや8PIN×2を要求するものもありますが、Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDではEPS 8ピン端子は2基搭載されているので問題なく対応可能です。ケーブル長は2本とも650mmです。
EPS端子は8PINを4+4PINに分離可能なコネクタが採用されています。欲を言えば使い勝手を考えると2本のうち1つは分離に対応していないコネクタを採用するか、4PIN同士がロックピンで結合できるコネクタ(参考写真)を採用して欲しいところ。
PCI-E補助電源ケーブルにはケーブル1本あたり2コネクタが実装されており、端子部分はいずれも6+2PINで分離しているコネクタが採用されています。
8(6+2)PIN PCIE補助電源ケーブルは675mmから75mm分岐して8(6+2)PIN PCIE補助電源コネクタを2基搭載するケーブルになっており、同じケーブルが4本付属します。8(6+2)PIN PCIE補助電源コネクタは8基用意されており、Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDは電源容量が1000Wの大容量なのでGTX 1080 TiやRadeon RX VegaなどハイエンドGPUを2つ使用したマルチGPUにも対応可能です。
SATA電源ケーブルは全長800mmの4コネクタ(350 + 150 + 150 + 150 mm)のケーブル1本と、全長760mmの4コネクタ(400 + 120 + 120 + 120 mm)のケーブル2本で計12コネクタの3本のケーブルが付属します。
4PINペリフェラル電源ケーブルは全長690mmの3コネクタ(450 + 120 + 120 mm)と全長470mmの2コネクタ(350 +120 mm)の2種類があります。
またオプションケーブルとして4PINペリフェラル端子1つをSATA電源端子2つに分岐できる変換ケーブルも1本付属します。ケーブル長は150mmの二股です。
ほぼディスコンですがフロッピー端子の変換ケーブルも付属します。
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDの負荷別のファンノイズについて
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDの負荷に対する冷却ファンの動作をチェックしてみました。検証機材は次のようになっています。
テストベンチ機の構成 | |
OS | Windows10 Home 64bit |
CPU |
i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
M/B | ASRock Z270 SuperCarrier (レビュー) |
メインメモリ | Corsair Dominator Platinum Special Edition DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) 3200MHz, 14-16-16-36-CR2 |
システムストレージ |
Crucial MX300 SATA M.2 SSD 1TBCT1050MX300SSD4 |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
上記のベンチ機でグラフィックボードをGTX 1050 Ti、GTX 1060、GTX 1070、GTX 1080、GTX 1080 Ti、GTX 1080 Ti SLIに変えてそれぞれについて消費電力と負荷時の電源ファンのファンノイズを測定しました。測定負荷にはFireStrike Extremeグラフィックテスト1を15分以上ループさせています。
消費電力の測定にはBluetooth接続でスマホから消費電力を見れるワットチェッカーを使用して、電源ユニットの変換損を含めたシステム全体の消費電力をチェックしています。なお同ワットチェッカーでは消費電力は1秒ごとにW単位で表示されますが、平均的な数値になっており実際の瞬間最大値はさらに高い値を取っている場合があります。記事中では表示値からおおよその平均を取って表記しますが、実際には+100~200Wの瞬間的な負荷が発生することがあるので注意してください。
サウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しています。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも不快に感じたり感じなかったりとファンノイズが不快に感じるかどうかは音の性質にもよるので注意してください。
またベンチ機のCPUクーラーやグラフィックボードから出るファンノイズについては吸音材の板を使用して電源ユニット本体のファンノイズ測定への影響を下げています。非負荷時にグラフィックボードのファン回転数を負荷時の最大値に固定してもサウンドレベルメーターが35~36dBしか示さないのでこれらの影響は基本的に無視して問題ありません。
消費電力とファンノイズの測定結果は次のようになりました。
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDはメインストリーム向けCPUとハイエンドGPUのマルチGPUであるGTX 1080 Ti SLIを組み合わせた場合の電力負荷700W程度においてファンノイズは40dB程度という優秀な静音性を発揮しています。
同社製品で変換効率的には上位モデルで電源容量850WのSSR-850TRでは、GTX 1080 Tiのパワーリミットを+120%に解除すると瞬間負荷が電源容量を大きく上回ってシステムが落ちてしまいましたが、Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDは電源容量1000Wと余裕があるので長時間の安定動作を確認できました。Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDであればGTX 1080 TiのOC AIBモデルを使用したSLI環境でも安定・静音で運用することができます。
ちなみにTitanium認証で変換効率をベースとしたシリーズ分けでは上位モデルにあたる「Seasonic PRIME Ultra 850 Titanium SSR-850TR」と比較すると同じ電力負荷に対して「Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PD」のほうが若干ファンノイズが大きいという結果になりました。国内ではSeasonic PRIME Ultraシリーズの1000Wモデルは発売されておらず、SSR-850TRとSSR-1000PDは似たような価格帯で販売されているので、静音性を重視するならSSR-850TR、SLI環境などで電源容量が要求されるならSSR-1000PDがおすすめだと思います。
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDは電源ユニット背面に設置されたハードウェアスイッチを非押下状態にすると低負荷においてセミファンレス機能に対応したHybrid Modeで動作させることができます。Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDでは電源容量1000Wの45%~50%負荷にあたる約500Wまでであればファンレスで運用可能です。
なおファン始動のトリガーは電源負荷だけでなく電源ユニット内の温度センサーも含まれており500W以上の負荷であっても短時間であればファンレスで動作します。温度センサーもファンの始動・停止トリガーになっているので、冷却ファンの始動後に停止閾値温度を下回ると、500W以上の連続負荷においてファンの始動と停止を繰り返す場合があります。今回の検証環境では600W程度の電源負荷に対してHybrid Modeでは10分置きくらいで始動と停止を繰り返すことが確認できました。
PWM速度調整の場合はファン始動時に一度高速回転させる場合があるので始動と停止を繰り返すと耳障りに感じることがありますが、「Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum」のHybrid Modeの始動時ファンノイズは大きくないので耳障りに感じることはないと思います。
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDのHybrid Modeにおいてセミファンレス閾値ギリギリの500W前後で長時間の負荷をかけてサーモグラフィーで内部温度を隙間からチェックしてみたところ、電源ユニット内部の最も熱い部分は100度程度まで熱くなりました。Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDは日本製105℃コンデンサなど温度的に高耐久性なパーツが採用されているので、実際に今回の検証において数時間の長時間連続負荷をかけても安定動作しており、すぐに壊れるということはないと思いますが、少し不安になる温度ではあります。
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDは通常モードにおいてGTX 1080 Ti OC SLI環境の負荷700Wにおいてもノイズレベルが40dB程度と優秀な静音性を発揮しているので、ファンノイズが小さいことを考えると、温度が気になるのであれば400W以上においては常時ファンが動作する通常モードで運用してもよいと思います。ファン動作モードであれば負荷700Wでも電源ユニット内部は最大70度程度に収まります。
Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDのレビューまとめ
最後に「Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PD」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 電源容量1000W、変換効率Platinum認証取得のハイエンド電源ユニット
- +12Vは70Aのシングルレーン出力
- PCIE補助電源、EPS電源、SATA、4PINペリフェラルが取り回しの良いフラットきしめん型ケーブル
- ハードウェアスイッチで常時ファン動作モードとセミファンレス対応Hybridモードを切り替え可能
- 負荷45~50%、500W以下でセミファンレス動作可能
- 700W負荷でもファンノイズ40dB程度と静音性は優秀
- 12年間の長期新品交換保証
- ATX 24PINケーブルがスリーブまとめ型ケーブル
- 18年3月現在、国内価格4.4万円と非常に高額
Seasonic PRIMEシリーズの登場以前はSeasonicのフラッグシップ電源ユニットとしてハイエンド自作PCユーザーに好評を博したSeasonic 80PLUS PLATINUM電源 XP3シリーズの置き換えにあたる、「Seasonic PRIME Ultra Platinum」シリーズの電源容量1000Wモデルとなる「Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PD」はSeasonic製電源ユニットの最上位を飾るに十分すぎるパフォーマンスを発揮しています。
電源容量は1000Wの大容量、変換効率も50%負荷時に最大92%以上のPlatinum認証、+12Vはシングルレーンで70Aとなっており、シングルGPUであればGTX 1080 TiやRX Vega 64のようなハイエンドGPUとの組み合わせであっても、Core i7 8700KやRyzen 7 1800Xのようなメインストリーム向けCPUだけでなく、Intel Core i9やAMD Ryzen Threadripperなどエンスー向けCPUとの構成にも余裕で対応可能なスペックです。
さらにマルチGPUについてはリファレンスTDP250Wを超えるOC AIBモデルであってもGTX 1080 Ti搭載ハイエンドグラフィックボードのSLIに対応可能な電源容量を有しています。ただし瞬間的なピーク負荷時の安定性を考えるとマルチGPU選択時はエンスー向けCPUはやめて、メインストリーム向けCPUを選択するのがおすすめです。
Seasonic電源は高い信頼性と性能からブランド決め打ちで購入するハイエンド自作PCユーザーも少なくないので、国内展開されているSeasonic PRIMEシリーズの中で最上位クラス製品かつ同価格帯な「Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PD」か「Seasonic PRIME Ultra 850 Titanium SSR-850TR」で迷うかもしれませんが、静音性ではSSR-850TRが、マルチGPU対応な電源容量ではSSR-1000PDが優れるので、シングルGPU環境であればSSR-850TR、マルチGPU環境であればSSR-1000PDのようにシステム構成で分けて導入するのが推奨だと思います。
「Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PD」のファンノイズについては検証結果のとおりとても優秀です。平均700W程度の電源負荷に対してもノイズレベル40dB程度と非常に静かに動作しているので、グラフィックボードやCPUクーラーよりも電源が煩くなる心配は皆無だと思います。
ファンが常時動作する通常モードと、低負荷時にファンが停止するセミファンレス機能に対応したHybridモードはハードウェアスイッチのワンタッチで簡単に切り替えることが可能です。ファン始動閾値の負荷500W前後では電源ユニット内部の温度がかなり高温になるので電源温度が心配であれば、ファンが常時動作する通常モードでもファンノイズはごくごく小さいのでお好みで動作モードを選択すればOKだと思います。
機能や性能面では自作PC用電源ユニットとしては抜群に優れている「Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PD」ですが、国内価格4.8万円という国内相場だけはやはりネックだと思います。国内外相場の乖離もそうですが、国内で販売されている電源ユニットとしても5万円前後となるとTitanium認証の1200Wクラスに手が伸ばせてしまいます。オウルテック取り扱いのSeasonic製品については過去に管理人もSS-860XP2やSS-1200XP3を使用していた経験があり同社サポート体制が十分であることは承知していますが、過去にSS-1200XP3が4万円未満で購入できたことを考えると、12年間の新品交換保証を加味してもSSR-1000PDはせいぜい4万円前後で流通して欲しいというのが正直なところです。
以上、Seasonic PRIME Ultra 1000 Platinum SSR-1000PDのレビューでした。
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・「Seasonic PRIME Ultra 850 Titanium SSR-850TR」をレビュー・自作PC電源ユニット(PSU)の徹底解説とおすすめ電源の選び方
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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(そのぶん、ケースにエアフィルターはきちんとつけよう)
Seasonicはもともと静かなのでケースに入れたらほぼわからなくなると思う。
私は今でもシングルGPUでSS-760XP2使ってますが、夏になると手動で常時ファンONに切り替えてますね。
お値段に関しては、下がることを祈るばかり…