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高速・高信頼性な製品を多数輩出しておりUSBフラッシュメモリやSDメモリカードの分野では高い評価と信頼を得ているSanDiskが送る、USB3.1 Gen1(USB3.0)接続USBフラッシュメモリとしては最速クラスの連続リード420MB/s・連続ライド380MB/sを実現する「SanDisk Extreme Pro USB3.1フラッシュメモリ 256GB (型番:SDCZ880-256G-J57)」をレビューします。

「SanDisk Extreme Pro USB3.1フラッシュメモリ 256GB」がUSBフラッシュメモリとして最速クラスであることはわかりきったことなので、あえてUSBメモリとの比較は行わず、SATA SSDやSATAのUSB3.1/3.0変換と比較してファイルコピー性能を検証していきます。特に同製品をディスる意図はありません。SATA SSDやそのUSB変換と比較されると流石に厳しいというのは当然の結果なので、その辺りの事情は念頭において検証結果を見ていただければと。ちなみにモバイルストレージ関連のレビューをいろいろお送りする予定なのでその下準備的な記事です。
SanDisk Extreme Pro USB3.1フラッシュメモリ 256GB
SanDisk Extreme Pro USB3.1フラッシュメモリ 128GB
SanDisk
SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GBの外観
まずは「SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GB」の外観について簡単に紹介していきます。紙製パッケージを開くとプラスチックスペーサーの中央に「SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GB」本体が配置されています。その他の付属品は専用ソフトウェアのDLシートのみです。


「SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GB」の本体はブラックの金属製筐体で流線形デザインです。

下膨れな楕円形断面の流線形デザインがスマートかつクールです。

SanDiskロゴとUSB3.1ロゴの中央にあるスライダーでUSB端子の出し入れが可能な構造になっています。使用しない時はUSB端子を収納できるので安心です。

USB端子の逆側にはストラップホールがあるので、紛失防止のためのストラップ装着も簡単です。

「SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GB」は現行のSanDisk製USBフラッシュメモリのフラッグシップ製品ですが、前世代フラッグシップの「SanDisk Extreme PRO USB3.0 128GB」と比較するとシルバーからブラックにカラーが変わった以外は外観デザインは共通です。

「SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GB」のサイズを比較するとM2280規格のM.2 SSDよりも厚みはあるものの面積的にはコンパクトです。SATA接続M.2 SSDをUSB3.1 Gen2に変換するエンクロージャーキットと比較すると半分以下のサイズなのでコンパクトさではフラッシュメモリに軍配が上がる感じです。

SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GBの性能について
続いて本題となる「SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GB」のファイルコピー性能を検証していきます。「SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GB」の各種検証を行う環境としては、ASRock Z270 SuperCarrierなどで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。
テストベンチ機の構成 | |
CPU | Intel Core i7 7700K 殻割り&クマメタル化(レビュー) Core:5.0GHz, Cache:4.8GHz |
CPUクーラー | Intel TS15A |
メインメモリ | Corsair Dominator Platinum Special Edition DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) 3200MHz, 14-16-16-36-CR2 |
マザーボード |
ASRock Z270 SuperCarrier (レビュー) |
ビデオカード | 【基礎性能検証用】 MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC (レビュー) |
システムストレージ |
Crucial MX300 SATA M.2 SSD 1TBCT1050MX300SSD4 |
OS | Windows10 Home 64bit |
電源ユニット | Corsair HX1200i (レビュー) |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
まずは「SanDisk Extreme Pro USB3.1フラッシュメモリ 256GB」の基本的な読み出し性能と書き込み性能をを確認するためCrystalDiskMark6.0.0(QD32, 8GiB)のベンチマーク結果を比較してみました。比較対象としては冒頭でも紹介したように、Samsung 850 PRO 2TBのSATA接続、Samsung 850 PRO 2TBの「Plugable USB 3.1 Gen 2 TypeC-SATA変換ケーブル」によるUSB3.1 Gen2変換、Samsung 850 PRO 2TBの「AINEX CVT-08 USB3.0-SATA変換アダプタ」によるUSB3.0(USB3.1 Gen1)変換、以上の3種類を使用しています。


「SanDisk Extreme PRO USB3.1フラッシュメモリ 256GB」についてはUSBフラッシュメモリとしては最速クラスの製品ですが、SATA SSDのネイティブ接続はもとより、同じ接続規格のUSB3.0(USB3.1 Gen1)変換にもやはり及びません。特にランダム性能が大幅に低いという結果が出ています。
SATA SSDのUSB変換についてもチェックしておくと、USB3.0は帯域が5GbpsでSATA3.0の6Gbpsに及ばないのでUSB3.0変換を行うとシーケンシャル性能も下がります。またSATAによるネイティブ接続と比較してUSB3.1 Gen2とUSB3.0ではランダム性能に大きな落差があります。一方でUSB3.1 Gen2とUSB3.0ではランダム性能を見るとベンチマーク上の差はあまりないようです。




USBフラッシュメモリを始めとして外付けストレージの性能評価で最重要項目となるファイルコピーにおける読み出し・書き込みについて性能比較をしてみました。ファイルコピー性能の比較対象として、Samsung 850 PRO 2TBのSATA接続、Samsung 850 PRO 2TBの「Plugable USB 3.1 Gen 2 TypeC-SATA変換ケーブル」によるUSB3.1 Gen2変換、Samsung 850 PRO 2TBの「AINEX CVT-08 USB3.0-SATA変換アダプタ」によるUSB3.0 (USB3.1 Gen1) 変換、の3種類を使用しました。
検証に使用するデータとしては次のような50GBの動画ファイル、80GBで多数のファイルが入ったゲームのフォルダ(The Witcher 3とRise of the tomb Raiderなどのゲームフォルダ)、1KB~1MBの画像ファイル10,000枚が入った3GBのフォルダ、5MB~8MBの画像ファイル1,000枚が入った7GBのフォルダの4種類を使用しています。


データのコピーにおいては当然ですが、元データのあるストレージの読み出し性能とコピー先の書き込み性能の両方が重要になります。測定においては書き込み先/読み出し元の対象となるストレージが必要になるため、各ストレージのコピー相手にはM.2-PCIE変換アダプタ「Aquacomputer kryoM.2」に設置したSamsung 960 PRO 512GBを使用しています。


コピーテストにおいて検証ストレージがコピー相手「Samsung 960 PRO 512GB」と同じくNVMe SSDの場合は、ASRock Z270 SuperCarrierの1段目PCI-Eスロットにグラフィックボード、3段目PCI-Eスロットにコピー相手「Samsung 960 PRO 512GB」、5段目PCI-Eスロットに検証ストレージを装着しています。

Z270プラットフォームではCPU-チップセット間のDIMM3.0の帯域がボトルネックになって複数のNVMe SSDへ同時にアクセスが発生するとトータルのアクセススピードが4GB/s程度に制限される場合がありますが、ASRock Z270 SuperCarrierではPLXスイッチチップを介するもののCPU直結PCI-Eレーンに接続されているので、この問題は発生しません。

「SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GB」など各種検証ストレージとSamsung 960 PRO 512GBとの間で50GBの動画ファイルおよび80GBのゲームフォルダをコピーした時間の比較結果は次のようになりました。
まずは50GBの動画ファイルのコピーについてですが、動画ファイルは単一の大容量ファイルなので実際のコピーではベンチマークのシーケンシャルリード・ライト性能が重要になってきます。
動画ファイルのコピー読み出しについて、USBフラッシュメモリとしては最速クラスのSanDisk Extreme PRO USB 256GBであってもSATA3.0-USB3.0変換から若干遅れています。とはいえ50GBで137秒なので読み出し速度360MB/s程度はマークしています。SATA3.0ネイティブ接続およびSATA3.0 SSDのUSB3.1 Gen2変換ではCrystalDiskMarkのベンチマーク結果同様に100秒程度で横並びになっており、読み出し速度は500MB/s程度となっています。USB3.0変換は帯域が5Gbpsに制限されるので、こちらはベンチマークスコアに比例して遅れる形になっています。

動画ファイルのコピー書き込みについても、SanDisk Extreme PRO USB 256GBはSATA3.0-USB3.0変換から若干遅れています。50GBで158秒なので書き込み速度は320MB/s程度です。

続いてゲームフォルダのコピーについてですが、ゲームフォルダは大小様々なファイルを含むので、実際のコピーではベンチマークの連続性能だけでなく、ランダム性能も重要になってきます。
動画ファイルのコピー読み出し同様にゲームフォルダのコピー読み出しにおいても「SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GB」ははSATA3.0-USB3.0変換から若干遅れる結果です。多少ランダム性能が効いてくる検証ですが、ベンチマークにおけるランダム性能の差は実際のコピー速度では出ないようです。

ゲームフォルダのコピー書き込みは動画ファイルのコピー書き込みと同じ傾向の結果になりました。

続いて1KB~1MBの画像ファイル10,000枚が入った3GBのフォルダのコピーについてですが、1つ1つのファイルサイズは1KB~1MBと比較的小さいのでゲームフォルダのコピーテストよりもベンチマークのランダム性能が重要になります。ただし合計サイズが3GBと小さいのでキャッシュ性能もコピー速度に効いてきます。
小容量画像ファイルを多数含むコピー読み出しにおいては、SanDisk Extreme PRO USB 256GBはSATA-USB変換の倍近い時間がかかるのでランダム性が上がってくるとSATA SSDに比べてUSBフラッシュメモリは厳しくなるようです。

コピー書き込み時間ではさらに差が顕著になって、「SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GB」はSATA3.0-USB3.0変換と比較しても3倍近い時間がかかってしまいます。SATA SSDの書き込みキャッシュがかなり効いている感じです。

最後に5MB~8MBの画像ファイル1,000枚が入った7GBのフォルダのコピーについてですが、1つ1つのファイルサイズは5MB以上で比較的大きいので、完全にシーケンシャル性能というわけではありませんが、シーケンシャルに近い形でアクセスが発生します。やはりキャッシュ性能も効いてきます。
比較的大きい画像ファイルを多数含むフォルダのコピー読み出しにおいては、「SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GB」はUSB3.0変換から若干遅れる形なので、大容量動画ファイルのコピーと同じ傾向になっています。

一方で比較的大きい画像ファイルを多数含むフォルダのコピー書き込みにおいては、「SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GB」はSATA3.0-USB3.0変換に遅れるのは同様ですが、性能比率は50GB動画ファイルや80GBゲームフォルダよりも下がっているので、10GB以下になるとシーケンシャル性が強いコピー書き込みでも書き込みキャッシュ機能の差が大きく出るようです。

SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GBのレビューまとめ
最後に「SanDisk Extreme Pro USB3.1フラッシュメモリ 256GB (型番:SDCZ880-256G-J57)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 連続リード420MB/s、連続ライト380MB/s(仕様値)でUSBフラッシュメモリとしては最速クラス
- ファイルコピーテストの実測で連続リード360MB/s、連続ライト320MB/sを達成
- 容量256GBの大容量、同性能の128GBモデルも
- USB端子はスライド収納可能なので非使用時の保管も安心
- SATA接続M.2 SSD変換と比較しても、さらに小さいコンパクトサイズ
- USBフラッシュメモリとしてはとサイズは大きめ
- 1.5万円前後なのでUSBフラッシュメモリとしては高価
- SATA-USB3.0変換と比較すると低速で、特にランダム性能で劣る
「SanDisk Extreme Pro USB3.1フラッシュメモリ 256GB」がUSBフラッシュメモリというジャンルの中では最速クラスであることは既知として、ではSATA3.0 SSDのUSB3.0変換やUSB3.1 Gen2変換に対してどれくらいのパフォーマンスを発揮できるのかを今回は検証してみました。「SanDisk Extreme Pro USB3.1フラッシュメモリ 256GB」の連続リード・ライト性能は仕様値の読み出し420MB/sや書き込み380MB/sの数値通り比較的SATA SSDに迫る性能を発揮できましたが、ランダム性の高いコピーや書き込みキャッシュが効いてくる10GB以下のコピーでは同じ接続規格のSATA-USB3.0と比較してもそこそこの性能落差があるという結果になりました。
モバイルストレージとしてあくまで読み出し性能と書き込み性能を重視するのであればSATA-USB3.0変換やSATA-USB3.1 Gen2変換を用いるのがベストになるようですが、「SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GB」はUSBフラッシュメモリらしいコンパクトさもメリットの1つなので、SATA-USB変換に近い性能を維持しつつ、コンパクトさも重視するのであれば「SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GB」は有望な製品だと思います。
以上、「SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GB」のレビューでした。

SanDisk Extreme Pro USB3.1フラッシュメモリ 256GB
SanDisk Extreme Pro USB3.1フラッシュメモリ 128GB
SanDisk
おまけ:SATA-USB3.0変換の個体差について
SATA SSDをUSB3.0に変換する変換ケーブルや2.5インチ変換ケースは各社から多数リリースされていますが、「AINEX CVT-08 USB3.0-SATA変換アダプタ」、「Sabrent USB 3.0 2.5インチSATA/SSD 変換アダプタケーブル」、「Century MOBILE BOX USB3.0接続 SATA6G CMB25U3BK6G」の3種類を使用してUSB3.0変換ごとに性能差はあるのかチェックしてみました。検証機材の2.5インチ SATA SSDには記事本編同様にSamsung 850 PRO 2TBを使用しています。まずはCrystalDiskMark6.0.0(QD32, 8GiB)のベンチマーク結果を比較してみました。シーケンシャル性能についてはCenturyが若干低めなもののほぼ横並びですが、ランダム性能にはかなり大きな差が出ています。



では実際のファイルコピー性能についてはどうなのかを上のレビュー記事本文と同じ内容で検証してみました。検証結果を確認してみたところ若干の差はあるもののベンチマーク結果ほどのコピー時間の差はいずれのテストでも出ませんでした。SATA3.0-USB3.0変換については基本的に大差ないようです。








AINEX CVT-08 2.5インチSATA-USB3.0変換アダプタ
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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既定のクイック削除で大量のファイルを書き込むと、同じ所の同じファイル($MFT)を何度も書き換えるのでNANDのRead-Modify-Writeやウエアレベリングが多発して性能が落ちやすい傾向が。
CrystalDiskMarkではOSの書き込みキャッシュを無効化する為差異は目立ちませんが、ファイルコピーすると表に出てきます。
おまけの変換チップ測定等で、7GBや3GBの書き込みでスコアがCDMの比率よりも落ち込んだのはクイック削除時の挙動が効いてる気がします。
また、経験的にSSDよりも書き換えに弱いUSBメモリだとより顕著に表れる気がします。
管理人さんは恐らく既定のクイック削除の設定でベンチマークされたと思いますが、いかがでしょう?
多分高パフォーマンスに設定すると、そこそこ書き込み性能が上がる気もします。