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16コア32スレッド「Ryzen 9 3950X」、12コア24スレッド「Ryzen 9 3900X」、8コア16スレッド「Ryzen 7 3700X / 3800X」、6コア12スレッド「Ryzen 5 3600 / 3600X」、6コア6スレッド「Ryzen 5 3500」などAMD第3世代Ryzen CPUを搭載するBTO PCについて各社製品の比較とおすすめ機種の紹介をします。NVIDIAやAMDの最新GPU(グラフィックボード)と第3世代Ryzen CPUを組み合わせた高性能ゲーミングPCがBTO PCメーカーから早速リリースされているので、オススメな第3世代Ryzen搭載ゲーミングBTO PCについて詳しく紹介していきます。
目次
1.AMD第3世代Ryzen CPUの特徴
2.第3世代Ryzen搭載PCに最適なグラフィックボードを選ぶ
3.BTO PC詳細スペックの賢い決め方
・CPUやグラボなど各CPU部品の解説記事
4.BTO PCメーカー別の簡易比較と特集記事
5.簡易水冷クーラー採用のBTO PCがおすすめ
6.第3世代Ryzen搭載BTO PCの各社ラインナップ
7.第3世代Ryzen搭載BTO PCの価格比較
8.第3世代Ryzenを搭載するおすすめBTO PCまとめ
付録.その他のGPU搭載BTO PCのまとめ記事
【執筆:2019年7月15日、最終更新:2020年3月10日】
AMD第3世代Ryzen CPUの特徴
まずAMD第3世代Ryzen CPUの特徴を簡単に紹介しておきます。第3世代Ryzenには、16コア32スレッドの「Ryzen 9 3950X」を最上位モデルとして、12コア24スレッドの「Ryzen 9 3900X」、8コア16スレッドの「Ryzen 7 3800X」と「Ryzen 7 3700X」、6コア12スレッドの「Ryzen 5 3600X」と「Ryzen 5 3600」、Radeon Vega Graphicsを内蔵するRyzen APUとして4コア8スレッドの「Ryzen 5 3400G」と4コア4スレッドの「Ryzen 3 3200G」、以上の9モデルがラインナップされています。
コアクロックによって若干前後しますが、3Dレンダリングや動画のエンコードなどコンテンツ製作に関わるクリエイティブタスクで重要なCPUのマルチスレッド性能は概ねコアスレッド数に比例するので、下のテーブルのように、AMD第3世代Ryzen CPUはIntel製CPUと比較してコアスレッド数に対する製品価格が安価、つまりマルチスレッド性能のコストパフォーマンスに優れているところが第3世代Ryzenの大きな特徴の1つです。
また第3世代Ryzenでは各種メジャータイトルについて144FPS~240FPSのハイフレームレートなPCゲーミングにおいて、Ryzen 5 3600X対Core i5 9600K、およびRyzen 9 3900X対Core i9 9900Kで同等の性能を発揮します。第2世代以前ではRyzen CPUが苦手とした分野ですが、第3世代Ryzenはそれを克服しており、ハイフレームレートなPCゲーミングにも対応できるようになったことが第3世代Ryzenのもう1つの大きな特徴です。
第3世代Ryzenのスペックや価格、Zen2アーキテクチャの特長、各性能のレビューなどさらに詳しい情報についてはこちらの記事で紹介しているので気になる方は参考にしてみてください。
・次世代を担う第3世代Ryzenの魅力を徹底解説
・AMD第3世代Ryzen CPUのレビュー記事一覧へ
・【できる!自作PC】最新CPUの選び方とオススメCPUを徹底解説
第3世代Ryzen CPUについては同時に発売されるX570チップセット搭載マザーボードがネイティブサポートするほか、前世代のX470チップセットもしくはB450チップセットを搭載したマザーボードも対応しています。
第3世代RyzenとX570マザーボードを組み合わせた場合、現在主流なPCIE3.0の2倍の帯域幅となるPCIE4.0によるPCIE拡張カードやNVMe M.2 SSDに対応可能となりますが、PCIE4.0は一般的なユースでは今のところ恩恵はあまり感じることができません。なので第3世代Ryzenでも6コア~8コアのRyzen 5/7ならX470やB450のチップセットを搭載したマザーボードでも基本的に問題ありません。
CPUへ電力供給を行うVRM電源の性能については、12コア以上のRyzen 9についても定格TDPはRyzen 7 2700Xと同様に105Wなので、定格運用の範囲内ならX470でも大丈夫です。さらに言えば、Ryzen 5 3600やRyzen 7 3700XなどTDP65Wで第3世代Ryzenの中でも最も売れ筋な2モデルは、エントリーユーザー向けのB450マザーボードで問題なく運用できます。
・主要4社B450マザーボードを徹底比較!第3世代Ryzenにイチオシはどれか?
とはいえX570チップセットを搭載したマザーボードでは12コアや16コアの第3世代Ryzen上位モデルに対応すべくVRM電源回路が従来よりも強化されたモデルが多いので、Ryzen 9シリーズを選択する人は各種BTO PCがX570チップセット搭載マザーボードを採用しているかどうかに注意してみてもいいと思います。
第3世代Ryzen搭載PCに最適なグラフィックボードを選ぶ
今回の記事では第3世代Ryzenが主役なのでCPUについて先に説明を行いましたが、実はPCゲーム用のBTO PCを選択する時にまず最初に注目すべきは”グラフィックボード”です。グラフィックボードの選択でPCゲームの快適さが9割がた決まると言っても過言ではないくらい重要なパーツになっていますし、グラボを選択してからその他のパーツを選択するのがゲーム用BTO PCを選ぶ定石です。第3世代Ryzen CPUは最新の高画質PCゲームにも余裕で対応可能な性能があるので、第3世代Ryzen搭載PCには現行最新のNVIDIA GeForce RTX 20XXシリーズ / GTX 16XXシリーズやAMD RADEON RX 5700シリーズと組み合わせるのがおすすめです。
下の表は最新グラフィックボードの性能や予算についてGPU別BTO PCの早見表になっています。
上位に上がるほど性能が高く、価格も高価になっています。国内ではNVIDIA製GPUを搭載した製品が主流なので、PCゲーム向けBTO PCの選び方の基本は緑色太字で強調した5バリエーションと考えればOKです。
国内BTO PCに搭載されるGPUはNVIDIA製が主流でラインナップも豊富なので、特にこだわりがなければ初心者にはNVIDIA製GPU搭載BTO PCを探すほうが簡単です。
NVIDIA | AMD | グラフィック (*) |
価格 |
RTX 2080 Ti SLI(マルチGPU) <紹介記事> |
4K/120FPS | -万円~ | |
RTX 2080 Ti <紹介記事> |
UWQHD・最高 4K/60FPS+ |
28.0万円~ | |
RTX 2080 Super <紹介記事> RTX 2080 (近日終売) <紹介記事> |
Radeon VII |
UWQHD・最高 4K |
24.0万円~ |
RTX 2070 Super <紹介記事> RTX 2070 (近日終売) <紹介記事> |
RX 5700 XT |
WQHD・最高 VIVE Pro/Rift S/ VALVE INDEX | 20.0万円~ |
RTX 2060 Super <紹介記事> RTX 2060 <紹介記事> |
RX 5700 | フルHD・最高 WQHD・高 |
16.0万円~ |
GTX 1660 Ti <紹介記事> GTX 1660 SUPER <紹介記事> GTX 1660 <紹介記事> |
RX 5600 XT |
フルHD・高 VR HMD対応 |
12.0万円~ |
GTX 1650 SUPER GTX 1650 |
RX 5500 XT |
FF14 入門 E-Sports |
10.0万円~ |
ゲーム向けのBTO PCの選び方をものすごく簡単に説明すると上の早見表のようになっています。
早見表最下段に掲載したGTX 1650やRX 560はエントリーユーザー向けGPUとなっており、これらを搭載したBTO PCは、OverWatchのようなE-Sports系ゲームやFF14のようなMMO RPGなど比較的軽量なPCゲームの標準画質に対応可能です。ある種の最低水準なので価格だけを見てよくわからずに選ぶと、後々、GTX 1660やRX 580などミドルクラスGPUにした方がよかったと後悔する可能性が高く、グラフィックボードの性能に詳しくない初心者向けの選択肢ではないように思います。逆にマルチGPU(SLI)を搭載したモデルもかなり例外的な製品です。
上で書いたようにPCゲーム向けBTO PCの選び方は早見表の中で太字で強調した5つのバリエーションと考えればOKです。
ちなみに当サイトで推奨する5つのバリエーション中では最下位になっているGTX 1660 TiやGTX 1660 SUPER(もしくはその競合となるRX 580/570)について、PCゲームグラフィックス性能が微妙なのか?というとそんなことは全くありません。例えば国内でも人気の根強いファイナルファンタジー14 漆黒のヴィランズのベンチマークスコアはフルHDの最高品質で10000を余裕で超えており、比較表のグラフィック項目でも書いたように、GTX 1660やRX 580/570などのミドルクラスに位置する製品は、『フルHD解像度の高画質設定』であれば最新の高画質PCゲームを快適に(平均60FPSで)プレイ可能な性能を備えています。
ミドルクラスGPUのGeForce GTX 1660 SUPERについて、有名な高画質PCゲーム各種のフルHD・高画質設定におけるベンチマーク結果が次のようになっています。ゲームメーカーもユーザーシェアの高いミドルクラスGPUに合わせて、フルHD解像度・高画質プリセットが快適に動作するように開発・最適化してくるので、ゲーミングPC用のグラフィックボードとしてはGTX 1660やRX 580が水準と考えておけば間違いありません。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Anthem(ウルトラ設定プリセット)、Assassin's Creed Odyssey(超高設定プリセット)、Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)、CONTROL(高設定プリセット, DirectX11)、Destiny 2(最高設定プリセット)、The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)、Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)、Gears 5(最高設定プリセット)、Ghost Recon Wildlands(非常に高い設定プリセット)、Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX11)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)、Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, DirectX12)、Middle-Earth: Shadow of War(とても高い設定プリセット)、The Witcher 3(個別設定を全て最高設定)、以上の15タイトルです。
ゲーム公式の推奨動作環境やGPU別/CPU別ベンチマークを参考にした解像度・グラフィック設定別のおすすめのグラフィックボードやCPUについては個別にまとめ記事を公開中です。
・ゲーム別おすすめGPU&CPUまとめ記事の一覧へ
NVIDIAとAMDのどちらのGPUを選べばいいか(各社のGPUの大まかな違い)についてですが、上の表でいくと横並びにした競合製品の比較では次のように大別できます。
NVIDIA製GPUの特長
NVIDIA製GPUのほうが既存のPCゲームの多くでは若干性能が高いのと、プレイ動画録画機能のShadowPlayの動作が軽くて非常に優秀です。国内シェアも高いため各社のラインナップも豊富で選択肢の幅が広く、特にこだわりがなければNVIDIA製GPU搭載BTO PCを探すのが手っ取り早いです。AMD製GPUの特長
AMD製GPUはまだ採用タイトルは少ないですが最新APIのDX12ゲームではNVIDIAよりも若干性能が高く、NVIDIAの競合GPU比で価格もやや安くなっています。またNVIDIA Shadow Playと遜色ない軽量さのプレイ動画録画機能「AMD ReLive」や動画の倍速補完機能「AMD Fluid Motion」(紹介記事)があるのでマルチメディアに楽しむユーザーにはおすすめかもしれません。BTO PC詳細スペックの賢い決め方
続いてグラフィックボード以外の構成パーツの選び方を紹介していきます。一口に○○グラフィックボード搭載BTO PC(BTO パソコン)と言ってもCPUやストレージなど多くの構成パーツにはBTO PCメーカー各社で違いがあり、それが各BTO PCの価格の違いに直結しています。
そのためググった時によく出てくる”BTO PCの価格比較”をうたうもので、各メーカーのデフォルト価格を載せているだけのサイトはほぼ当てになりません。
(全部とは言いませんが、BTO PCでカスタマイズしないユーザー以外にはほぼ意味がないと思います)
そこでどうするのかというと先ほどグラフィックボード別で大まかな価格帯を選んだので、次は「CPU」「メモリ」「電源容量」「ストレージ」「マザーボード」のBTO PCの主要な5パーツに注目します。これら5つの適切な選び方さえ知っていれば各自でカスタマイズすれば簡単にリアルタイムな価格比較もできて自分にとって一番コスパが高くおすすめなBTO PCを選択可能になります。
- CPUについては6コア6スレッドのRyzen 5(3600や3600X)は8コア16スレッドのRyzen 7(3700Xや3800X)と比べてもPCゲームが目的であれば大きな性能差はありません。基本的には予算に合わせて選ぶ形ですが、コスパを優先するならRyzen 5、144Hzや240Hzなどハイリフレッシュレートなゲーミングモニタを使用する環境でCPUボトルネックを確実に避けたいならRyzen 7、もしくは高画質プレイ動画の録画・配信・編集もするならさらに上位のRyzen 9 3900Xや3950Xを選べばいいと思います。
- システムメモリはゲーム用途なら16GBあれば十分です。8GBでは足りない場合もあるので16GB以上を推奨します。メモリ枚数は合計容量が同じなら4枚でなくて2枚でOK。
- 電源容量は選択したグラフィックボードによりますが500~700W以上なら大丈夫。変換効率は予算が許すならGold以上を選ぶと電源ユニットの静音性の面で有利かもしれません。
- システムストレージ(WindowsOSをインストールするストレージ)は必ずHDDではなくSSDを選んでください。HDDよりもGB単価は上がりますが実際に体感できるレベルでSSDのほうがキビキビ動きます。Windows10をインストールするシステムドライブのサイズは240GB以上であればOKです。
ゲーム用ストレージはシステムとは別に用意するほうが後々便利です。システムストレージ同様にHDDではなくSSD推奨。ゲーム用ストレージの容量は可能なら1TB(1000GB)、少なくても500GBが望ましいです。500GB以上のSSDは1.2万円程度からでパーツのみを購入できるので各自でBTO PC購入後に増設してもかまいません。
- マザーボードは「X470」「B450」「X570」などチップセット名だけでなく「ASUS PRIME X470-PRO」のように市販のマザーボード名が記載されているor市販マザボを選択できるBTOが推奨です。市販のマザボであれば専用のマニュアルも存在しますし、何かトラブルがあってもググって解決法を見つけるのが容易になります。マザボメーカーは日本語マニュアルが一番しっかりしていてユーザー数の多いASUSを選ぶのが鉄板です。
以上の5項目さえ守ればそうそうハズレを引くことはないはずです。あと、これからゲーム用PCを購入するならOSはWindows10 Home 64bitの一択です。バージョンはProでなくてHomeで大丈夫です。
CPUやグラボなど各CPU部品の解説記事
グラフィックボードや電源ユニットなどBTO PCを選択する上で主要なパーツについては、個別のまとめ記事も公開しているので予備知識としても参考にしてください。・BTO PCにオススメなCPUを用途&予算別で5種厳選
・【できる!自作PC】最新CPUの選び方とオススメCPUを徹底解説
・おすすめグラボまとめ。予算・性能別で比較。各社AIBモデルの選び方
・【SATA SSD vs NVMe SSD vs HDD】 ゲームロード時間を比較
・おすすめSSDまとめ。QLC/TLC/MLCやNVMe/SATA3.0など最新SSD事情を解説
・自作PC電源ユニット(PSU)の徹底解説とおすすめ電源の選び方
・おすすめの自作PCマザーボードを徹底解説
BTO PCメーカー別の簡易比較と特集記事
ここからは各社のBTO PCのラインナップをチェックして価格や構成パーツについて比較していきますが、その前に当サイトでもよく紹介するBTO PCメーカーの取り扱いモデルについて簡単な比較表を紹介しておきます。各パーツを個別に選択できるほうが管理人的には好みですが、固定のほうが価格面では優れていることが多いです。BTO PCメーカーの特徴比較 | ||||
グラフィックボードのモデル | PCケース | マザーボード | 納期 | |
サイコム | 〇:選択可能 | 〇:自作向け | 〇:選択可能 | |
TSUKUMO | 固定 | 自社オリジナル | 固定 (ほぼASUS製) |
|
ドスパラ | 固定 | 自社オリジナル |
固定 |
◎: 最短当日 |
PCショップアーク | 〇:選択可能 | 〇:自作向け | 〇:選択可能 | |
パソコン工房 | 固定 | △:自作向ベースのオリジナル |
固定 | |
マウスコンピューター |
固定 | △:自作向ベースのオリジナル | 固定 |
・TSUKUMO「G-GEAR」のおすすめゲーミングBTO PCの選び方
・ドスパラ「GALLERIA」のおすすめゲーミングBTO PCの選び方
・マウスコンピューター「G-Tune」のおすすめゲーミングBTO PCの選び方
・フロンティアのおすすめゲーミングBTO PCの選び方
簡易水冷クーラー採用のRyzen BTO PCがおすすめ
第3世代Ryzen CPU搭載BTO PCとしてサイコムからはCPUとGPU(グラフィックボード)の両方に簡易水冷クーラーを採用するデュアル水冷をコンセプトにしたBTO PC「G-Master Hydro」シリーズの最新モデル「G-Master Hydro X570A II」が発売されています。「G-Master Hydro X570A II」ではコストパフォーマンスに優れたGeForce RTX 2070 SUPERから2020年最速GPUの最上位モデルGeForce RTX 2080 Tiまで、サイコムが独自に簡易水冷化したオリジナルグラフィックボードを選択可能です。
空冷GPUクーラーを採用する一般的なBTO PCよりも低い温度で動作可能なので動作クロックも高くなり高性能であり、加えて高い静音性も実現しています。
下はGTX 1080 Tiにおいて空冷モデルと簡易水冷化モデルを比較した例ですが、簡易水冷クーラーであればラジエーターの設置スペースを確保する必要があるものの、TDP250Wで発熱の大きいGTX 1080 TiであってもGPUコア温度は50度前後で運用が可能になります。GPUクーラーの性能差でファン回転数も小さくて済むので、簡易水冷化グラフィックボードの採用により静音性も大幅に上がります。(詳細はこちらの記事で) グラフィックボードの場合は特に空冷と比較して冷却性能が抜群なので高性能なGPUでは簡易水冷の導入を検討する価値は十分にあります。
「G-Master Hydro X570A II」はデュアル水冷の名の通り、独自に水冷化されたGPUクーラーだけでなくCPUクーラーについても簡易水冷CPUクーラーが採用されており、G-Master Hydro Z490には標準で120サイズ簡易水冷の「Asetek LS650 RGB」が搭載されています。
下のグラフは第1世代のRyzen 7 1800Xの例ですが、第3世代Ryzenでも冷却性能に応じた自動OC機能「XFR」が実装されており、「G-Master Hydro X570A II」のように標準の空冷CPUクーラーよりも冷却性能の高い簡易水冷CPUクーラーを使用することによって、高いパフォーマンスと静音性を実現することができます。
さらに「G-Master Hydro X570A II」では従来の120サイズに加えて、カスタマイズオプションから240サイズでより高い冷却性能を発揮する「Asetek LS670 RGB」が追加されています。240サイズ簡易水冷はRyzen 9 3900XやRyzen 9 3950Xにおける当サイト推奨のCPUクーラーなので特にオススメなアップグレード項目です。
当サイトでは簡易水冷グラフィックボード搭載したG-Master Hydroシリーズから、Core i9 10900Kと簡易水冷GeForce RTX 2080 Tiを搭載した2020年最速ゲーミングBTO PC「G-Master Hydro Z490」のレビュー記事を公開中です。別モデルですが共通する部分も多いので、「G-Master Hydro X570A II」などG-Master Hydroシリーズの購入を検討する際には参考になると思います。
・Core i9 10900K&簡易水冷RTX 2080 Ti搭載「G-Master Hydro Z490」をレビュー
第3世代Ryzen搭載BTO PCの各社ラインナップ
「サイコム」「TSUKUMO」「PCショップアーク」「ドスパラ」「パソコン工房」「マウスコンピューター」など当サイトで紹介している主要6社からリリースされているAMD第3世代Ryzen CPU搭載ゲーミングBTO PCについてまずは簡単に紹介します。1.PCショップアーク
PCショップアークでは第3世代Ryzenを搭載したBTO PCとして、自作PC向けの高品質で拡張性の高いPCケースを使用したコンセプトモデルが展開されており、カスタマイズ自由度も高いので、基本的にPCケースの好みで選択していけばOKです。最新PCケースが採用されたおすすめモデルをいくつか紹介すると、NZXT H510をベースにした「CROYDON NZXT H510」、NZXT H710をベースにした「CROYDON NZXT H710」、Fractal Design Meshifyをベースにした「CROYDON Fractal Design Meshify」などがあります。CPUはRyzen 7 3600~Ruzen 9 3900X、Ryzen 9 3950Xまで自由に選択可能であるなど、カスタマイズ項目が多様で採用パーツも高品質なBTOメーカーなので”わかっている”人にはありがたいのですが、初心者向きとは言い辛いかもしれません。グラフィックボードについてNVIDIA製GPUとAMD製GPUの両方があり、ベンダーやモデルもカスタマイズで選択可能です。
2.TSUKUMO(ツクモ) eX.computer
ツクモeX.computerからは第3世代Ryzen CPU搭載BTO PCとして、GTX 1660 TiなどNVIDIA製ミドルクラスGPUとの組み合わせに最適な「G-GEAR GA5A-C194/T」、RTX 2060以上のNVIDIA製高性能GPUとの組み合わせに最適な「G-GEAR GA7A-H194/XT」、Ryzen 9 3900XもしくはRyzen 9 3950XとハイエンドGPUを組み合わせ可能な「G-GEAR GA9A-J194/XT」など複数のモデルがラインナップされています。その他にもAMD製次世代GPUのRadeon RX 5700シリーズを採用する「G-GEAR GA7A-X193/XT」や、ハイエンドタワーPCのG-GEAR neoシリーズでRyzen 9 3950Xを搭載する「G-GEAR neo GX9A-D194/XT」もリリースされています。
ツクモeX.computerの第3世代Ryzen CPU搭載BTO PCは横軸をCPU(およびマザーボードのチップセット)、縦軸をGPUとして組み合わせ別に下のように表で分かりやすくまとめられています。いずれのモデルもCPUはRyzen 5 3600、Ryzen 7 3700X、Ryzen 9 3900X、Ryzen 9 3950Xなど主要3モデルを含めて自由にカスタマイズor選択できます。
3.パソコン工房
パソコン工房のゲーミングBTO PCは主に5つのシリーズが展開されています。5シリーズの中で最も一般的なモデルはミニタワーPCケース採用のLEVEL∞ M-Class、ミドルタワーPCケース採用のLEVEL∞ R-Classの2つです。さらにコンパクトサイズなLEVEL∞ C-Class、フルタワーPCケース最上でハイスペックなLEVEL∞ G-Class、メニーコアなエンスージアスト向けCPUを搭載したハイエンドモデルLEVEL∞ F-Classがあります。パソコン工房のBTO PCでは各モデルでCPUやGPUの組み合わせが固定されていることが多いです。マザーボードや電源ユニットに型番不明の廉価なパーツを使っているのが気になるところ。カスタマイズの幅もさほど広くありませんが価格面では強いです。GPU型番を除いてグラフィックボードのベンダーやモデルを指定できません。
パソコン工房からはAMD第3世代Ryzen CPUが搭載されたゲーミングBTO PCがかなりの数、ラインナップされています。新製品や終売など入れ替わりが多いので、都度、希望のスペックを一覧から探すのがオススメです。【パソコン工房の第3世代Ryzen搭載BTO PCラインナップ一覧へ】
CPU別でオススメなモデルを抜粋すると、Ryzen 5 3600X(B450チップセット)とGeForce GTX 1660 Tiを搭載したミニタワーPC「LEVEL-M0B4-R53-RIS」、Ryzen 7 3700X(X570チップセット)とGeForce RTX 2070 SUPERを搭載したミドルタワーPC「LEVEL-R0X5-R73X-TWA」、Ryzen 9 3900X(X570チップセット)とGeForce RTX 2080 Tiを搭載したミドルタワーPC「LEVEL-R0X5-R93X-XYVI」、Ryzen 9 3900X(X570チップセット)とGeForce RTX 2080 Tiを搭載したハイエンドモデル「LEVEL-FMX5-R93X-XYX」があります。
CPUとGPUは基本的に固定となっており、GPU別で網羅されているわけでもなく穴あきなラインナップのため、希望に合致するモデルがないと選びにくい感じです。
4.サイコム
サイコムからは第3世代Ryzenを搭載したBTO PCとして主に、ゲーミング向けスタンダードモデル「G-Master Spear X570A」とCPU&GPUのダブル水冷システムが採用された「G-Master Hydro X570A II」の2機種がラインナップされています。当サイト的に特にオススメなのは簡易水冷グラフィックボードが搭載された「G-Master Hydro X570A II」です。サイコムではモデル数は少ないもののカスタマイズからCPUはRyzen 7 3600~Ruzen 9 3900X、Ryzen 9 3950Xまで自由に選択可能、GPUなど構成パーツを全て自由にカスタムできます。グラフィックボードについてNVIDIA製GPUとAMD製GPUの両方があり、ベンダーやモデルもカスタマイズで選択可能です。ただしPCパーツに詳しくない初心者には難しいかも。
5.ドスパラ
ドスパラからは第3世代Ryzen CPUを搭載したモデルとして、CPUにRyzen 7 3600(B350チップセット)を搭載するミニタワーPCの「GALLERIA R」シリーズ、Ryzen 7 3700X(B350チップセット)を搭載するミドルタワーPCの「GALLERIA A」シリーズ、Ryzen 7 3700X/Ryzen 9 3900(X570チップセット)を搭載するミドルタワーPCの「GALLERIA AX」シリーズの計3シリーズがラインナップされています。またRyzen 9 3950Xを搭載する「GALLERIA AXZ 3950X搭載」も新たに加わりました。CPU別の各シリーズでは各種NVIDIA製GPUが選択可能で、組み合わせたGPUによって添え字が変わります。下位モデルのGALLERIA RシリーズではRTX 2080以上の上位GPUが選択できない、上位モデルのGALLERIA AXシリーズではRTX 2060未満の下位GPUが選択できないなど制限があります。
AMD第3世代Ryzenの12コア24スレッドモデルRyzen 9 3900Xと、2020年最速となるNVIDIA GeForce RTX 2080 Tiグラフィックボードを搭載するウルトラハイエンドモデル「GALLERIA AXZ」については当サイトでも詳細レビューを公開中です。
・「GALLERIA AXZ」をレビュー。3900X&RTX 2080 Ti搭載BTO PCを徹底解説
6.マウスコンピューター
マウスコンピューター G-Tuneの第3世代Ryzen搭載BTO PCは大まかに、若干廉価なミニタワーケース採用「NEXTGEAR-MICRO」(PCケース詳細)、中堅モデルでミドルタワーケース採用の「NEXTGEAR」(PCケース詳細)、高級品の「MASTERPIECE」(PCケース詳細)という松竹梅の3段構成のバリエーションとなっています。GPUとCPUの組み合わせが固定されているので、希望の組み合わせを探すのが少し難しいかもしれません。カスタマイズの幅は広くありませんが、その分だけ他社と比べて安価になっています。
マウスコンピューターでは第3世代Ryzen CPUを搭載したモデルとして、いくつか抜粋すると、NEXTGEAR-MICROシリーズからRyzen 3600XとGeForce GTX 1660を搭載した「am560SA1」、NEXTGEARからRyzen 3700XとRadeon RX 5700を搭載した「EN-A」などがラインナップされています。CPUは標準モデルよりも上にアップグレードは対応しているものの、GPUは基本的に固定されており、希望の組み合わせを探すのが難しい印象です。
マウスコンピューターからは「NEXTGEAR-MICRO」、「NEXTGEAR」、「MASTERPIECE」、「LITTLEGEAR」の4シリーズを基本ラインアップとして、CPU&GPUセット別で細かく分類されたBTO PCが販売されています。詳しくは『マウスコンピューター「G-Tune」のおすすめゲーミングBTO PCの選び方』の記事を参考にしてください。
第3世代Ryzen搭載BTO PCを価格比較
ここでは上で簡単に紹介した各社のBTO PCからコスパの高そうなモデルをピックアップして、管理人おすすめな構成をベースにしてパーツも公平になるように揃え、第3世代Ryzen搭載BTO PCの価格比較を行います一口にBTO PCと言ってもCPUやストレージに各社違いがありカスタマイズ可能なのでデフォルト価格をリストアップして高い安いと判断するのはあまり意味がありません。構成パーツによって価格が上下するので可能な限り公平な比較を行うため次のパーツ構成に可能な限り合わせる形で価格比較を行います。
AMD第3世代Ryzenを搭載したBTO PCの賢い選び方については第3章を参照してください。賢い選び方に従って各自でカスタマイズすればリアルタイムで価格比較が可能です。
表の基本パーツ構成に可能な限り準拠した状態で価格を比較します。
価格比較用のパーツ構成 | |
OS | Windows10 Home |
CPU | Ryzen 5 3600 Ryzen 7 3700X Ryzen 9 3900X |
メモリ | 16GB (8GB*2) |
グラボ | GeForce RTX 2070 SUPER |
システムストレージ | SSD 240GB |
データストレージ | なし(実際の購入に際しては480GB以上のSSDが推奨) |
電源 | 600~700W (Gold認証以上が推奨) |
その他付属品 | なし |
比較を行う上での注意点
・ゲーム用のデータストレージは480GB以上のSSDがおすすめですが、個別に購入しても問題ないので簡単のためになしの設定で比較します。ちなみに480~512GBのSSDの価格相場は1.2万円程です。
・各社カスタマイズできない設定で1TB HDD(2千円程度)やオリジナルCPUクーラー(2~3千円程度)の有無があり最終価格には数千円誤差がある場合があります。
・第3世代RyzenではCPU毎にモデルが異なるBTO PCが多く、上位モデルでは自動的に良いパーツが採用されるため、下記テーブルの電源やマザーボードはRyzen 5 3600を搭載したBTO PCに採用されている部品を表記します。
BTOメーカー | 型番 | 電源 | マザーボード | 参考価格 |
PCショップアーク |
CROYDON CY-AR8X57ARN7-N5 |
Antec NeoECO NE750 750W Gold |
ASRock X570 Extreme4 ATX |
21.0万円 22.2万円 24.2万円 |
TSUKUMO |
G-GEAR GA7A-H194/XT |
Seasonic SSR-650FM 650W Gold |
ASRock X570 Steel Legend ATX |
17.7万円 19.7万円 25.2万円 |
パソコン工房 SSDが500GB |
LEVEL-M/R |
850W Gold電源 |
ASUS X570-PRO ATX |
18.9万円 21.1万円 23.7万円 |
サイコム |
G-Master Spear X570A |
Antec NeoECO NE650 650W Gold |
ASRock X570 Extreme4 ATX |
22.3万円 24.3万円 25.9万円 |
G-Master Hydro X570A II |
Seasonic SSR-650RMS 650W Gold |
ASRock X570 Extreme4 ATX |
24.7万円 26.7万円 28.3万円 |
|
ドスパラ SSDが500GB |
GALLERIA |
SilverStone SST-ST75F-PT 750W Platinum |
B350(詳細不明) Micro-ATX |
15.7万円 19.1万円 26.3万円 |
マウス コンピューター メモリが32GB、 SSDが1TB CPUが3600では GPUがGTX 1650 |
NEXTGEAR |
800W Titanium電源 |
X570 ATX |
12.7万円 22.3万円 25.2万円 |
おすすめ第3世代Ryzen搭載BTO PCのまとめ
構成パーツが多少違うので誤差はあるものの、各BTOメーカーやPCの種類で上の表のような価格になることが分かりました。上記参考価格とBTOメーカーの特色を踏まえて簡単にまとめます。- PCショップアークはカスタマイズの幅も広く、自作PC向けPCケースが採用されているので、拡張性が高くメンテナンス性にも優れています。ただし下位CPUを選択すると価格は若干高めになりますが、カスタマイズの幅が広いので上位CPU選択時にその他のパーツで価格を抑えやすいです。
- TSUKUMOはパーツの品質は良いですし、第3世代Ryzenにネイティブ対応のX570マザーボード採用機種としては最安値です。自社製のよくわからないPCケースを採用している点がネックですが、それ以外の品質は高いので、Ryzen 5 3600XやRyzen 7 3700Xを搭載したBTO PCとしてはかなりオススメです。
- パソコン工房はGPUの選択肢が限られるためちょうどいいモデルを選ぶのが難しいのと、電源やマザーボードが詳細不明なのは気になりますが、どのCPUを搭載したモデルも比較的安価です。
- サイコムについてはPCショップアークと同じ傾向のBTO PCになっており、PCケースの拡張性も高くて各パーツも素性がはっきりしていて良いのですが、やはり他社と比較するとやや割高になっています。サイコムで購入するのであればデュアル水冷採用のG-Master Hydroがオススメです。
- ドスパラは電源・マザボ共に型番不明で、マザーボードチップセットがB350なのがネックですが、価格が最安値クラスなのは魅力です。「当日で出荷可能、カスタマイズしても翌日」という納期に関する面では頭一つ飛び抜けています。早く欲しいということであればかなり有力な候補でしょう。
- マウスコンピューターはCPUとGPUの組み合わせが限られており、メモリやストレージの容量にも縛りが多いです。希望のものを探すのが難しいのがマイナスポイントですが、相対的に安価な製品もあります。
当サイトの結論としては、
TSUKUMOの「G-GEAR GA5A-C194/T」や「G-GEAR GA7A-H194/XT」が第3世代Ryzen CPU搭載BTO PCとしてはコスパが高いのでおすすめです。CPUやGPUの組み合わせの選択も同モデルを含めたいくつかにまとまっていてわかりやすいところもポイントです。
第3世代Ryzen CPU搭載の一般的なBTO PCよりも2,3万円ほど高くなってしまいますが、CPUとGPUのクーラーに簡易水冷を採用しているサイコムの「G-Master Hydro X570A II」はPCケースも自作PC向けに市販されている製品が使用されており、自作er目線でもよくできたPCなので、予算が許すのであればおすすめです。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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