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PCケース天面にスマートフォンなどのワイヤレス充電が可能なQi充電ポートを搭載し、全長300mmの高性能グラフィックボードにも対応したハイパフォーマンスなMini-ITX対応コンパクトキューブ型PCケース「In Win A1」の改良モデル「In Win A1 Plus Black(型番:A1PLUS-BLACK)」のレビュー用サンプルを正規国内代理店アユート様よりお借りできたので、改良された電源ユニットに焦点を当ててミニレビューをお送りします。
代理店公式ページ:https://www.aiuto-jp.co.jp/products/product_2617.php
レビュー目次
1.In Win A1 Plusについて
2.In Win A1 Plusの外観・内部構造
3.In Win A1 PlusのLEDイルミネーション
4.In Win A1 Plusの電源ユニットとQi充電ポート
5.In Win A1 Plusの電源ユニットのファンノイズとコイル鳴き
6.In Win A1 Plusのレビューまとめ
In Win A1 Plusについて
Mini-ITX対応PCケース「In Win A1 Plus」の概要について最初に紹介します。「In Win A1 Plus」のカラーリングはブラックとホワイトの2色が展開されており、外観も人を選びにくいシンプルなデザインです。外装やシャーシはスチール製で正面から見て左側のサイドパネルは強化ガラス製ウィンドウパネルが採用されています。
「In Win A1 Plus」はMini-ITXマザーボードに対応したコンパクトPCケースで、寸法は幅210mm x 高さ273mm x 奥行355.5mmとなっています。
「In Win A1 Plus」はフラットな外見ですが、フロントサイドに1基、リアに1基(水冷ラジエーター対応)、ボトムに2基の120mmケースファンが搭載できるのでエアフローも良好です。全高160mmのCPUクーラーや全長300mmのグラフィックボードに対応しているのでハイパフォーマンスな小型PCが構築できます。
「In Win A1 Plus」にはPCケース前方上部に80PLUS Gold認証を取得した電源容量650Wの電源ユニットが標準で設置されています。グラフィックボード用補助電源として8PIN(6+2PIN)が2基用意されているので、GeForce RTX 2080 TiやRadeon VIIなどハイエンドグラフィックボードにも対応します。またPCケース天面にはスマートフォン等のワイヤレス充電に対応したQi充電ポートが設置されています。
「In Win A1 Plus」のPCケーススタンド部分は半透明なプラスチックになっていますがアドレッサブルLEDイルミネーションが内蔵され、さらにアドレッサブルLEDイルミネーション搭載ファンも標準で設置されています。
LEDイルミネーションはARGB対応VD-G型汎用3PIN LEDケーブルで電源供給と制御を行う構造になっており、付属コントローラーに加えて、ARGB対応VD-G型汎用3PIN LEDヘッダーを搭載したASUS AURA Sync、ASRock Polychlome RGB Sync、GIGABYTE RGB Fusion、MSI Mystic Lightに対応するマザーボードでライティング制御が可能です。
「In Win A1 Plus」の基本的な仕様はIn Win A1無印版と同様ですが、電源ユニットが80PLUS Gold認証取得で電源容量650Wのハイパフォーマンスなものにアップグレードされています。無印版レビュー時に管理人が唯一気になっていたポイントなので、これは嬉しい改良です。
あとPCケースボトムのLEDイルミネーションがアドレッサブルRGB LEDに変わって、「Sirius Loop ADD RGB Fans」というアドレッサブルLEDイルミネーション搭載ケースファンが標準で2基付属します。
In Win A1 Plusの外観・内部構造
続いて「In Win A1 Plus」のPCケース本体の外観についてチェックしていきます。「In Win A1 Plus」はQi充電に対応した強化ガラス製の天板、PCケース内部を一望できるブラックスモークの強化ガラス製ウィンドウパネル、PCケースフロントを始めとした高い質感の塗装が施されたスチール製パネル、LEDイルミネーションを内蔵した透明プラスチック製ケーススタンドなど、近年流行りのフラットスタイルに独自のアクセントを加えたスマートな佇まいです。
「In Win A1 Plus」はMini-ITXマザーボードに対応し、外形寸法は幅210mm x 高さ273mm x 奥行355.5mmとなっており、コンパクトキューブ型に分類されるタイプのPCケースです。
「In Win A1 Plus」のPCケース前面はスチールパネルで、滑らかで質感の高い黒色塗装が施されています。
PCケース天面の正面から見て右側には、ヘアライン仕上げのアルミニウム製プレートで縁取られたフロントI/Oが配置されています。フロントI/Oの構成は前方から順にパワースイッチ、パワー/ストレージLED、USB3.0端子*2、マイク・ヘッドホン用3.5mmジャックとなっています。
「In Win A1 Plus」のPCケース天面中央にはスマートフォンのワイヤレス充電が可能なWPC Qi 1.2認定を受けたに対応した充電ポートが設置されています。In Win A1無印版では最大5Wの給電でしたが、「In Win A1 Plus」では最大10Wへと電力供給能力が向上しています。
In Win A1 Plusの内部をPCケース右側面から見ると次のようになっています。後方にあたる左側にはMini-ITXサイズのマザーボードが設置可能なスペースがあり、前方にあたる右側の上部には電源ユニットが配置され、その下の左サイドパネル寄りには排気用のケースファン設置スペースがあります。PCケース下方には2スロット占有の長尺グラフィックボードも設置可能なスペースがあります。
以上「In Win A1 Plus」の外観と内部構造についてザックリと概要だけ紹介しましたが、基本的な仕様はIn Win A1無印版と共通なので、詳細が気になる方は無印版のレビュー記事をご覧ください。
・Qi充電ポート搭載PCケース「In Win A1」をレビュー
In Win A1 PlusのLEDイルミネーション
「In Win A1 Plus」に標準で搭載されているLEDイルミネーションについてチェックしていきます。In Win A1無印版ではPCケースボトムにRGB LEDイルミネーションが搭載されていましたが、「In Win A1 Plus」では同じくPCケースボトムにアドレッサブルRGB LEDイルミネーションを搭載し、加えて、PCケース内2か所のファンマウントスペースにアドレッサブルRGB LEDイルミネーション搭載ファンが標準で設置されています。
「In Win A1 Plus」のPCケース底面にはPCケース足として半透明プラスチック製のスタンドが装着されています。In Win A1無印版では無色透明でしたが、「In Win A1 Plus」ではブラックスモークの半透明になり、よりLEDイルミネーションの光が視認しやすくなっています。
加えて、「In Win A1 Plus」には冷却ファンフレームの両面にアドレッサブルRGB LEDイルミネーションリングを搭載するIN WINの新製品「Sirius Loop ASL120」が標準で2基付属しています。
「In Win A1 Plus」にはアドレッサブルLEDイルミネーションに給電・制御を行うSATA電源のコントローラーが付属します、加えてASUS AURA Sync、ASRock Polychlome RGB Sync、GIGABYTE RGB Fusion、MSI Mystic Lightなどのマザーボードのライティング制御機能によるライティング制御にも対応しています。
「In Win A1 Plus」のPCケースボトムや標準付属ファンのアドレッサブルLEDイルミネーションはARGB対応VD-G型汎用3PINヘッダーで給電・制御が可能です。各LED機器から伸びるLEDケーブルはオス端子とメス端子の2分岐になっており、数珠繋ぎに接続して1つのコントローラーで制御できます。
In Win A1 Plusの電源ユニットとQi充電ポートについて
In Win A1 Plusに標準で付属する電源ユニットについてチェックしていきます。In Win A1 Plusには変換効率80PLUS Gold認証取得で電源容量650Wの電源ユニットが標準で搭載されています。電源容量が650WあればIntel Core i9 9900KやAMD Ryzen 9 3900Xなどメインストリーム向け最上位CPUに、GeForce RTX 2080 TiやRadeon VIIなどハイエンドグラフィックボードを組み合わせても対応が可能です。
「In Win A1 Plus」に標準で搭載されている電源ユニットについては取り外すと保証対象外になる恐れがありますが、今回は検証のためPCケースから取り出してみました。分解作業は保証対象外となるので注意してください。
「In Win A1 Plus」に標準で内蔵される電源ユニットからは、ATX24PINケーブル、EPS 8PINケーブル(4+4PINに分離可能)、PCIE 8PIN*2ケーブル(6+2PINに分離可能)、SATA電源*3ケーブルの計4本のケーブルが伸びています。
In Win A1無印版ではPOWER MANというメーカーの「IP-P600KQ3-2」という換効率80PLUS Bronze認証取得で電源容量600Wの電源ユニットが採用されていましたが、「In Win A1 Plus」ではIn Win独自電源「IW-GD650PS」が搭載されています。「IW-GD650PS」は50%の電力負荷に置いて90%以上という優れた変換効率を発揮することが確認済みの80Plus Gold認証が取得されており、電源容量は650Wとなっています。EPS(CPU)やPCIE補助電源の電力供給で重要な+12Vについては最大出力54Aが供給可能です。
「In Win A1 Plus」標準搭載の電源ユニットは寸法的には一般的なATXサイズと共通となっており、奥行きは140mmでした。電源ケーブルについては冷却ファンを上向きに、ケーブル根本の側面を正面から見て左端から直出し構造となっています。
「In Win A1 Plus」のQi充電デバイスについてPCケース内部から確認してみたところ、標準搭載の電源ユニットから直接伸びている電源ケーブルによって給電される構造になっていました。
Qi充電デバイスは「IWC000A2」という型番で、5V/2Aもしくは12V/2Aの入力に対してワイヤレスで5V/1Aもしくは9V/1.1Aの給電が可能な仕様でした。またQi充電デバイスと電源ケーブルは独自端子で接続されており、シャーシとコネクタの位置関係もあって基本的に着脱はできません。
Qi充電に対応したスマートフォンを所有していないので、エネループをQiで充電できる充電ボックス(2019年9月現在、終売となっていますが)を使用して動作確認をしてみました。特に問題なく充電中を示すLEDが点灯しました。なおマニュアルでは充電開始でビープ音が鳴るとの表記がありましたが鳴りませんでした。
「In Win A1 Plus」に搭載されたQi充電ポートについては、電源ユニットのACケーブルがコンセントに繋がっていれば、システムがシャットダウンやスリープの状態でも充電される仕様になっています。SATAや4PINペリフェラルなどからQi充電ポートの電源を取得するとシャットダウンやスリープでは充電できなくなるため、「In Win A1 Plus」では専用電源を採用したという事情があるようです。
In Win A1 Plusの電源ユニットのファンノイズとコイル鳴きについて
続いて「In Win A1 Plus」標準搭載の電源ユニットの電力負荷とファンノイズの関係について検証してみました。検証方法としてはCPUにIntel Core i9 9900Kを搭載したベンチ機でグラフィックボードをGTX 1650、GTX 1660 Ti、RTX 2060 SUPER、RTX 2070 SUPER、RTX 2080 SUPER、RTX 2080 Tiなどに変えることでシステム消費電力を変え、その時のファンノイズを測定しました。測定時の負荷にはFireStrike Extremeグラフィックテスト1を15分以上ループさせています。消費電力の測定にはBluetooth接続でスマホから消費電力を見れるワットチェッカーを使用して、電源ユニットの変換損を含めたシステム全体の消費電力をチェックしています。なお同ワットチェッカーでは消費電力は1秒ごとにW単位で表示されますが、平均的な数値になっており実際の瞬間最大値はさらに高い値を取っている場合があります。記事中では表示値からおおよその平均を取って表記しますが、実際には+100~200Wの瞬間的な負荷が発生することがあるので注意してください。
サウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しています。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質にもよるので注意してください。
またベンチ機のCPUクーラーやグラフィックボードから出るファンノイズについては吸音材の板を使用して電源ユニット本体のファンノイズ測定への影響を下げています。非負荷時にグラフィックボードのファン回転数を負荷時の最大値に固定してもサウンドレベルメーターが35~36dBしか示さないのでこれらの影響は基本的に無視して問題ありません。
消費電力とファンノイズの測定結果は次のようになりました。
「In Win A1 Plus」に標準で搭載されている電源ユニットは、TDP100W前後のメインストリーム向け最上位CPUとGeForce RTX 2080 SUPERのようなハイエンドGPUを組み合わせたシステムによって400W前後の負荷をかけてもファンノイズは40dB未満で優秀な静音性を発揮しています。
消費電力(W) | ファンノイズ(dB) |
|
アイドル | 70 | 37.3 |
GTX 1650 | 140 | 37.3 |
GTX 1660 Ti | 230 | 37.5 |
RTX 2060 Super / RX 5700 | 260 | 37.5 |
RTX 2070 Super / RX 5700 XT | 290 | 37.6 |
RTX 2080 Super |
380 | 37.6 |
「In Win A1 Plus」に標準で搭載されている電源ユニットは電源容量650Wなのでギリギリで対応できると思ったのですが、GeForce RTX 2080 TiのOCオリファンモデルなど消費電力の大きいグラフィックボードを使用すると瞬間的に発生する大きな電力負荷に耐えられず、電源が落ちました。RTX 2080 SUPERについては消費電力的には問題ないと思いますが、大幅なファクトリーOCが施されたモデルの場合、同様に電源が落ちる可能性があるので注意が必要です。
In Win A1 Plusのレビューまとめ
最後に「In Win A1 Plus」の実機サンプルを検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- スチール・アルミニウム・プラスチック・強化ガラスなど素材の魅力を生かしたデザイン
- ツールレスで簡単に開閉できるブラックスモークの強化ガラスウィンドウパネルを搭載
- 透明スタンドにはアドレッサブルLEDイルミネーションを搭載
- アドレッサブルLEDイルミネーション搭載ファンが標準で2基付属
- 全高160mmの空冷CPUクーラーに対応
- リアに120mmサイズラジエーターを設置可能
- 最長300mmのハイエンドグラフィックボードに対応
- グラフィックボードホルダーを標準で搭載
- 変換効率80PLUS Gold認証取得で電源容量650Wの電源ユニットを標準搭載
- スマホのワイヤレス充電が可能なQi充電ポートを搭載
- ボトムのファンマウントスペースはファンが設置しにくい
- ストレージ設置スペースは2基の2.5インチストレージのみ
- RTX 2080 Tiなど消費電力の大きいグラフィックボードでは電源が落ちる可能性あり
In Win A1 Plusは独創的なPCケースを多数輩出してきた先駆者的メーカーIn Winらしく、PCケースでは珍しいQi充電ポートを搭載したり、デザイン面でも挑戦をしつつ、コンパクトなハイパフォーマンスPCを組みたいという一定の支持層として存在するユーザーの希望を叶える優秀なPCケースです。スチール、アルミニウム、強化ガラス、透明プラスチックなど複数の素材が使用されていますが、「In Win A1 Plus」を構成する上で各所に最適な素材が使用されて各々の魅力を活かしつつ、調和がとれているところは流石、素材を知るIn Winだと感じました。
コンパクトなMini-ITX機を組むうえで電源ユニットの選択は1つ大きな壁なので、そこが最初からクリアできているという点で、「In Win A1 Plus」は自作PC初心者にも優しいPCケースです。シンプルかつオシャレな外見やスマホのワイヤレス充電が可能なQi充電ポートを搭載していることからも、普段自作PCとは縁遠い層にも訴求した製品なのだと思いますし、実際に組んでみた感想としてそういう層にお勧めできるPCケースだと思います。
In Win A1の付属電源ユニットは最近では自作PC向けパーツでもあまり見かけない80PLUS Bronze認証となっており、一定以上の負荷がかかるとコイル鳴きも発生しました。In Win A1では付属電源ユニットの品質が同製品をオススメする上でネックになる部分だったので、「In Win A1 Plus」で変換効率80PLUS Gold認証取得かつ電源容量650Wの電源ユニットへとアップグレードされたところは最大の特長と言っても過言ではありません。
変換効率80PLUS Gold認証取得にアップグレードされたIn Win A1 Plus付属電源ユニットの静音性はどうかというと、「In Win A1 Plus」がターゲットにするメインストリーム向け最上位CPUとハイエンドGPUを組み合わせた400W前後の負荷に対してもノイズレベル40dB未満と優秀な結果でした。
以上、「In Win A1 Plus」のレビューでした。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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