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2019年下半期現在メインストリーム向けCPUの頂上に君臨する「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、そして「Intel Core i9 9900KS」の4製品について性能比較しました。2019年トップクラスCPU4種のうち最もオススメなのはどれなのか、詳細レビューから抜粋した実際のクリエイティブタスクやPCゲーミングにおけるベンチマーク結果の性能比較をもとに解説していきます。
目次
1.AMD Ryzen 9 3900X/3950XとIntel Core i9 9900Kの概要
2.AMD Ryzen 9 3900X/3950XとIntel Core i9 9900Kの検証機材・動作設定
3.AMD Ryzen 9 3900X/3950XとIntel Core i9 9900Kのクリエイティブ性能
・3Dレンダリング性能
・動画エンコード性能
・RAW現像性能
・PCゲーム/スマホアプリのビルド性能
4.AMD Ryzen 9 3900X/3950XとIntel Core i9 9900Kのゲーミング性能
・4K解像度/60FPSターゲット
・フルHD解像度/ハイフレームレート
・バトルロイヤル系PCゲーム/240FPSターゲット
5.CPUエンコーダとリアルタイム配信について
6.【まとめ】AMD Ryzen 9 3900Xのコスパが光る
・クリエイティブ性能について
・ゲーム性能について
・総評
AMD Ryzen 9 3900X/3950XとIntel Core i9 9900Kの概要
最初に「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」の概要について簡単に紹介しておきます。「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」の主要な製品スペックをまとめてテーブルで比較すると次のようになっています。重要なチェックポイントを抜粋するとコアスレッド数、TDP、価格の3点です。
Ryzen 9 3900X/3950XとCore i9 9900K/9900KSのスペック簡易比較 | ||||
Ryzen 9 3950X |
Ryzen 9 3900X | Core i9 9900KS | Core i9 9900K | |
コアスレッド | 16コア32スレッド | 12コア24スレッド | 8コア16スレッド | |
ベースクロック | 3.5GHz | 3.8GHz | 4.0GHz | 3.6GHz |
最大ブースト | 4.7GHz | 4.6GHz | 5.0GHz | 5.0GHz |
CPU OC |
O | O (Z390/Z370のみ) |
||
メモリ OC |
O (B450など下位チップセットも対応) |
O (Z390/Z370のみ) |
||
L3キャッシュ | 64MB | 16MB | ||
TDP | 105W | 127W | 95W | |
CPUクーラー | X | 付属 (Wraith Prism) |
X | |
メモリ ch / pcs |
2 / 4 | |||
CPU直結PCIEレーン |
16 + 4 | 16 | ||
iGPU |
X | O | ||
CPUソケット | AMD AM4 |
Intel LGA1151 |
||
対応チップセット | X570, X470, B450, X370, B350, A320など |
Z390, Z370, H370, B365, B360, H310など |
||
おおよその国内価格 (北米希望小売価格) |
9.8万円 (749ドル) |
6.6万円 (499ドル) |
6.6万円 (513ドル) |
5.8万円 (499ドル) |
まずコアスレッド数はCore i9 9900K/9900KSが8コア16スレッドに対して、同価格帯のRyzen 9 3900Xは12コア24スレッドです。価格が上がりますが、第3世代Ryzen最上位モデルのRyzen 9 3950Xはメインストリーム向けCPUながら16コア32スレッドと、9900K/9900KSの2倍のコアスレッド数となっています。
動作クロックについては内部的な仕様が複雑なので、他社間でのスペックはあまり気にせず、実際のベンチマーク結果を参考にしてください。
Ryzen 9 3900X/3950XとCore i9 9900K/9900KSはいずれも倍率アンロックでユーザーによるOCに対応しています。
Ryzen 9 3900X/3950Xはコアクロック的にOCの伸びしろはほぼなく、標準で高い単コア最大クロックを活かすほうがいいので、下位チップセットのマザーボードでもメモリがOCできること以外は気にする必要はありません。
Core i9 9900Kの場合は電力制限の解除やコアクロックを全コア5.0~5.1GHzにOCすることで10%程度の性能向上が期待できますが、OCを行うにはZ390/Z370マザーボードが必要です。Intel環境では下位チップセットはCPUだけでなくメモリも定格2666MHzまでしか対応しておらず、メモリ周波数をOCするためにはZ390/Z370マザーボードが必要になります。
価格については2019年8月現在、Ryzen 9 3900XとCore i9 9900K/9900KSが6万円前後、価格差は数千円程度なのであまり気にならないと思います。Ryzen 9 3950Xだけは9.8万円とほぼ10万円に近い価格になります。
IntelとAMDともにマザーボードの拡張性はチップセットによって異なるので価格に依存しますが、AMD環境は安価なB450チップセット搭載マザーボードでもメモリOCに対応しているので、CPU&マザーボードのプラットフォーム単位で見るとAMD環境のほうがコスパが高いと思います。
・主要4社B450マザーボードを徹底比較!第3世代Ryzenにイチオシはどれか?
TDPについてはRyzen 9 3900X/3950XがTDP105W、Core i9 9900KがTDP95W、Core i9 9900KSがTDP127Wです。
ただしRyzen 9 3900X/3950XはCPUクーラーの性能が十分であればTDP142W相当の動作となります。またCore i9 9900K/9900KSについては組み合わせるマザーボードによってはPL1=TDPの制限が無効化されている可能性があります。
Ryzen 9 3900X/3950XはCore i9 9900KよりもCPUヒートスプレッダが大きく、またCPUダイとヒートスプレッダ間にソルダリングが採用されているため(Core i9 9900K/9900KSもソルダリングに近い性能のSTIMが使用されている)、温度面ではRyzen 9 3900X/3950Xのほうが運用しやすいと思います。
特に上の消費電力比較のグラフを見てもわかるようにCore i9 9900KやCore i9 9900KSを全コア5.0GHz程度で電力制限なしに運用しようとすると発熱がかなり大きくなり、ハイエンド空冷やマルチファン簡易水冷など高性能なCPUクーラーが要求されます。
また今回比較する4機種の中では唯一、Ryzen 9 3900XにはCPUクーラーが標準で付属します。Ryzen 9 3900Xに標準で付属する「AMD Wraith Prism Cooler」はTDP105Wの冷却に対応し、アドレッサブルLEDイルミネーションリングを搭載しています。
この比較記事では簡単のために省略している内容も多いですが、「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」については詳細なフルレビューも公開中です。上位CPUとの比較など、各CPUについてもっと詳しく気になる人はこちらも参考にしてください。
・「AMD Ryzen 9 3900X」をレビュー。9900Kや9920Xと徹底比較
・「AMD Ryzen 9 3950X」をレビュー。スリッパJrの革命的性能を徹底検証
・「Intel Core i9 9900K」をレビュー
・ゲーマー向け最速CPU「Intel Core i9 9900KS」をレビュー
AMD Ryzen 9 3900XとIntel Core i9 9900Kの検証機材・動作設定
以下、「AMD Ryzen 9 3900X」と「Intel Core i9 9900K」の各種検証を行うベンチ機、および比較対象となる各CPUのベンチ機の詳細となります。AMD AM4(X570)環境 テストベンチ機の構成 | |
CPU | 【第3世代Ryzen】 AMD Ryzen 9 3900X (レビュー) AMD Ryzen 9 3950X (レビュー) |
マザーボード | MSI MEG X570 ACE (レビュー) |
CPUクーラー | Corsair H150i PRO RGB (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM x3 (レビュー) |
CPUクーラー (温度制限検証時) |
AMD Wraith Prism (レビュー) |
メインメモリ (第3世代Ryzen) |
G.Skill Trident Z Neo F4-3600C14Q-32GTZN DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) 3600MHz, CL16-16-16-36-CR1 |
メインメモリ (第2世代Ryzen) |
G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 3200MHz, CL14-14-14-34-CR1 |
ビデオカード(共通) | ZOTAC RTX 2080Ti AMP Extreme Core (レビュー) |
システムストレージ(共通) | Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
OS(共通) | Windows10 Home 64bit |
電源ユニット(共通) | Corsair HX1200i (レビュー) |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
AMD AM4(X570)環境では検証機材マザーボードとして「MSI MEG X570 ACE」を使用しています。「MSI MEG X570 ACE」でCPU動作設定を標準設定のAutoとした場合、各CPUは仕様通りの定格動作で問題なく動作するので、測定に当たってソフトウェア的には特に個別の設定は行っていません。
ただしAMD Ryzen CPUではCPUクーラーの冷却性能が十分であれば電力制限を解除して自動的に動作クロックを引き上げる機能「XFR (Extended Frequency Range)」が効くため、電力制限の閾値となるPPTが仕様値のTDPよりも高く設定されています。例えばRyzen 9 3900XではTDP65Wを上回って仕様上の上限値となるPPT 88W以下で動作します。
Intel LGA1151(Z390)環境 テストベンチ機の構成 | |
CPU | Intel Core i9-9900K(レビュー) Intel Core i9-9900KS(レビュー) Intel Core i5-9400F(レビュー) |
マザーボード | ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36 (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM x3 (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 3600MHz, CL16-16-16-36-CR2 |
その他 |
レビュー対象CPUのベンチ機と共通 |
Intel LGA1151(Z390)環境では検証機材マザーボードとして「ASUS WS Z390 PRO」を使用しています。Intel第9世代CPUに対応するZ390マザーボードの多くでは、CPU動作設定を標準設定のAutoとした場合、各CPUのPerCore最大動作倍率は単コア/全コアは仕様通りですが、PL1/PL2が無効化される傾向にあります。
Core i9-9900KとCore i7-9700K以外についてはAuto設定でもIntel仕様値のTDP内に収まる動作となるのでAuto設定のまま検証を行っています。しかしながらCore i9-9900KとCore i7-9700KはAuto設定では消費電力が大幅にTDPから超過するため、標準設定のAuto設定に加えて、下のようなBIOS設定(9900Kの例)によってIntelの仕様に合わせたPerCore最大動作倍率および電力制限を適用した”定格動作”についても測定を行っています。
ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製MLCタイプ64層V-NANDのメモリチップを採用する18年最速のプロフェッショナル向け2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 PRO 256GB」を使用しています。Samsung SSD 860 PROシリーズは容量単価が高価ではあるものの、システムストレージに最適な256GBや512GBモデルは製品価格としては手を伸ばしやすい範囲に収まっており、Intel Core-XやAMD Ryzen TRのようなハイエンドデスクトップ環境はもちろん、メインストリーム向けでもハイパフォーマンスな環境を目指すのであれば、システムストレージ用に一押しのSSDです。
・「Samsung SSD 860 PRO 256GB」をレビュー
CPUとCPUクーラー間の熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。使い切りの小容量から何度も塗りなおせる大容量までバリエーションも豊富で、性能面でも熱伝導効率が高く、塗布しやすい柔らかいグリスなのでおすすめです。
グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。Thermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスで適量が塗布されていれば、CPUクーラー固定時の圧着でヒートスプレッダ全体へ自然に伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
サーマルグリスの代用品として、数年スパンの長期使用においても性能低下が基本的になく再利用も可能、グリスが零れてマザーボードが汚れたり壊れる心配もないので、炭素繊維サーマルシート「Thermal Grizzly Carbonaut」もオススメです。
・「Thermal Grizzly Carbonaut」はRyzen 9 3900Xを冷やせるか!?
AMD Ryzen 9 3900X/3950XとIntel Core i9 9900Kのクリエイティブ性能
AMD Ryzen 9 3900X、AMD Ryzen 9 3950X、Intel Core i9 9900K、Intel Core i9 9900KSについて3Dレンダリング、動画エンコード、RAW現像、PCゲーム/スマホアプリのビルドなどクリエイティブ作業に関する性能を各種ベンチマークソフトや実際のアプリケーションで検証しました。AMD Ryzen 9 3900X/3950XとIntel Core i9 9900Kの3Dレンダリング性能
CPUのマルチスレッド性能を比較するベンチマークソフトとして国内外で最も知られている「Cinebench R15」をはじめとして、Cinebenchの2019年最新バージョン「Cinebench R20」、オープンソース3DCGソフト「Blender」の公式ベンチマークソフト、3Dレンダラー「Corona Renderer」の公式ベンチマークソフト、3Dレンダラー「V-Ray」の公式ベンチマークソフトの4種類を使用して、CPUの3Dレンダリング性能についてベンチマーク測定を行いました。Cinebench R15は3Dレンダリング性能を測定するベンチマークソフトになっており、マルチスレッド性能を測定するテストとシングルスレッド性能を測定するテストの2種類を実行しています。また2019年最新バージョンのCinebench R20についてはマルチスレッド性能を測定するテストのみを実行しました。
Cinebench R15 マルチスレッド性能テストについて「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Cinebench R15 シングルスレッド性能テストについて「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Cinebench R20 マルチスレッド性能テストについて「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
3DCGソフト「Blender」の公式ベンチマークソフトについて「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Blender」の公式ベンチマークソフトのレンダリング時間だけを見ても性能差が直感的にわかりにくいので、Core i5 9400Fを基準にして(全CPU比較データではCore i5 9400Fが基準)、「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのレンダリング速度を性能比としてグラフ化しました。
3Dレンダラー「Corona Renderer」の公式ベンチマークソフトについて「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
3Dレンダラー「Corona Renderer」の公式ベンチマークソフトのレンダリング時間だけを見ても性能差が直感的にわかりにくいので、Core i5 9400Fを基準にして(全CPU比較データではCore i5 9400Fが基準)、「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのレンダリング速度を性能比としてグラフ化しました。
3Dレンダラー「V-Ray」の公式ベンチマークソフトについて「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
3Dレンダラー「V-Ray」の公式ベンチマークソフトのレンダリング時間だけを見ても性能差が直感的にわかりにくいので、Core i5 9400Fを基準にして(全CPU比較データではCore i5 9400Fが基準)、「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのレンダリング速度を性能比としてグラフ化しました。
AMD Ryzen 9 3900X/3950XとIntel Core i9 9900Kの動画エンコード性能
続いて無料で利用できる動画編集ソフトとして国内外で多数のユーザーがいる「Aviutl」と、商用動画編集ソフト「TMPGEnc Video Mastering Works 7」と「Adobe Premiere Pro(Media Encoder)」を使用して、「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUの動画エンコード性能を比較していきます。AviutlとTMPGEnc Video Mastering Works 7はいずれも、現在主流なH.264 (MPEG-4 AVC) ビデオストリームへエンコードを行う「x264」エンコーダ、そしてH.264より高圧縮・高画質で次世代規格として期待されているH.265(HEVC) ビデオストリームへエンコードを行う「x265」エンコーダが使用できるので、CPUをリソースとして各エンコーダで共通の動画ファイルのエンコードを行いました。
エンコードを行う動画ファイルについては、Tom Clancy's Ghost Recon Wildlandsのゲーム内ベンチマーク(60秒ほど)をNVIDIA ShadowPlayで録画したものを使用しています。1920×1080/60FPS/50Mbpsと3840×2160/60FPS/120Mbpsの2種類の動画ファイルを作成し、「1920×1080 to 1920×1080」、「3840×2160 to 1920×1080」、「3840×2160 to 3840×2160」の3種類のエンコードを行っています。
Aviutlのx264/x265のエンコード設定は次のスクリーンショットのようになっています。TMPGEnc Video Mastering Works 7については固定ビットレートで1920×1080へエンコードする場合は25Mbps、3840×2160へエンコードする場合は60Mbpsに設定しています。
なおエンコーダと解像度設定が同じであればaviutlとTMPGEncのCPU別エンコード速度の傾向は概ね一致するので、aviutlのケースを抜粋してグラフを掲載します。x2/x3/x4のバーについては同じエンコードを添え字の数だけ並列実行した時の合計変換フレームレートを示しています。
x264エンコーダによって1920×1080解像度の動画をH.264 (MPEG-4 AVC)の1920×1080解像度へエンコードした時のエンコード速度について「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
x264エンコーダによって3840×2160解像度の動画をH.264 (MPEG-4 AVC)の1920×1080解像度へエンコードした時のエンコード速度について「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
x264エンコーダによって3840×2160解像度の動画をH.264 (MPEG-4 AVC)の3840×2160解像度へエンコードした時のエンコード速度について「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
x265エンコーダによって1920×1080解像度の動画をH.265(HEVC)の1920×1080解像度へエンコードした時のエンコード速度について「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
x265エンコーダによって3840×2160解像度の動画をH.265(HEVC)の1920×1080解像度へエンコードした時のエンコード速度について「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
x265エンコーダによって3840×2160解像度の動画をH.265(HEVC)の3840×2160解像度へエンコードした時のエンコード速度について「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
加えてAdobe Premiere Pro(Media Encoder)による動画エンコードについても、「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUの動画エンコード性能を比較しました。
Adobe Premiere Proのエンコード設定はCPUリソースのx264エンコードで、1920×1080へエンコードする場合は25Mbps、3840×2160へエンコードする場合は60Mbpsの固定ビットレートです。Media Encoderでは1つのプロジェクトを複数の設定で同時にエンコードできますが、複数のプロジェクトを同時にエンコードすることができないので単一エンコードのみを比較しています。
Adobe Premiere Proによる動画エンコードについてはAMD Ryzen CPUは苦手である評価されていることが多いですが、2019年現在では最適化も進んでおり、コアスレッド数とコアクロックに比例した性能が発揮できるようになっています。
AMD Ryzen 9 3900X/3950XとIntel Core i9 9900KのRAW現像性能
続いてDxO PhotoLabによるRAW現像を行って「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUの性能を比較していきます。「SONY DSC-RX100M5」で撮影した5472×3648解像度のRAW画像ファイル 100枚に対して、DxO PhotoLabの画質プリセット「DxO 標準」をベースにノイズ除去を「PRIME」に変更したプリセットを適用し、RAW現像を行いました。なおDxO PhotoLabによるRAW現像は並列処理数を設定できますが、CPUコア数の半分もしくはそれより一つ少ないくらいの並列処理で最速になるようです。DxO PhotoLabによるRAW現像速度について「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
AMD Ryzen 9 3900X/3950XとIntel Core i9 9900KのPCゲーム/スマホアプリのビルド性能
最後に「Unreal Engine 4」や「Unity」などフリーウェアながら高画質なPCゲームやスマホゲームを製作可能なゲームエンジンを使用したゲーム制作におけるCPU性能の検証として、「Unreal Engine 4」で「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUの性能を比較していきます。検証にはEpic Games Storeで無料配布されているデモプロジェクト「Infiltrator」を使用したビルド時間の比較を行います。検証設定としてリアルタイム表示はオフ、ライティングの品質をプロダクションとしています。Unreal Engine 4のバージョンは4.22.3、Windows10のバージョンは1903で統一しています。
「Unreal Engine 4 - Infiltrator」のビルド時間について「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
「Unreal Engine 4 - Infiltrator」のビルド時間だけを見ても性能差が直感的にわかりにくいので、Core i5 9400Fを基準にして(全CPU比較データではCore i5 9400Fが基準)、「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのビルド速度を性能比としてグラフ化しました。
AMD Ryzen 9 3900X/3950XとIntel Core i9 9900Kのゲーミング性能
AMD Ryzen 9 3900X、AMD Ryzen 9 3950X、Intel Core i9 9900K、Intel Core i9 9900KSのPCゲームに関する性能を実ゲームを用いたベンチマーク測定で検証しました。なお章タイトルではゲーミング性能と表記してはいますが、Intel第7/8/9世代Core-SやAMD第2/3世代Ryzenなどここ数年で発売された4コア4スレッド以上のCPUであればフルHD~4K解像度の60FPSターゲットにおいてCPUボトルネックが発生するケースは多くありません。そのためCPUゲーム性能比較の具体的な内容は”高フレームレートにおけるCPUボトルネック比較”と表現するのが実状に即しています。
ただし最新の超高画質で重いゲームの場合、ゲームプレイの裏で次のシーンのロード作業が動くとロードが遅くなったりスタッター(カクツキ)が発生することがあるので、ゲーミングPCに搭載するCPUとして6コア6スレッド以上を個人的に推奨しています。
ゲームタイトルにもよりますがPCゲームにおけるCPU負荷は基本的にTDP内に収まることが多く、CPUコアクロックは全コア最大動作倍率に張り付きます。フレームレートに対するCPUボトルネックの緩和においては、この全コア最大動作倍率の高さが重要になり、クリエイティブタスクと違って電力制限は支配的ではなくなります。(PCゲームではIntel製CPUのPL1、AMD製CPUのPPTは影響をほとんど及ぼさなくなる)
Core i9 9900KやRyzen 7 3700XのようにTDPに対して全コア動作倍率の高いCPUでは、PCゲームにおいてもCPU使用率が高くなるハイフレームレートでCPU消費電力がTDPを超過するタイミングもありますが、TDP内に制限した場合と比較して大きな差は出ません。
そのためクリエイティブタスクなどここまでの検証において複数の電力制限で測定していたCPUも、PCゲームでは簡単のため電力制限が緩い方だけを使用して性能を測定します。
各CPUのゲーミング性能を測定するため統一検証機材として、2019年最新にして最速のGPUである「NVIDIA GeForce RTX 2080 Ti」を搭載したグラフィックボード「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP Extreme Core」を使用しています。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP Extreme Coreは、RTX 2080 TiのAIBパートナーの中でも屈指のOCチューニング力を誇るZOTACによって良質なGPUコアが選別され、リファレンスよりも200MHz以上も高いブーストクロック、さらにGDDR6メモリのメモリクロックまで引き上げるという、RTX 2080 Tiグラフィックボードで最速を狙えるファクトリーOCが施されています。加えて、ZOTACを高品質メーカーとして一躍ブランド力を押し上げたAMP Extremeシリーズの代名詞とも言える3スロットを占有する超弩級な大型GPUクーラーが採用され、静音性も非常に優れたモデルです。
・「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP Extreme」をレビュー
CPU別ゲーミング性能の比較には2019年最新PCゲームから、Assassin's Creed Odyssey、Tom Clancy's Ghost Recon Wildlands、Shadow of the Tomb Raider、Middle-Earth: Shadow of Warの4種類を使用しています。60FPSの標準フレームレートをターゲットとした4K(3840×2160)解像度/高画質設定と、100FPS以上のハイフレームレートをターゲットとしたフルHD(1920×1080)解像度/中画質設定の2種類について、各ゲームで平均フレームレートと最小フレームレートを測定しました。
なおCPUボトルネック比較の性質上、平均FPSと最小FPSをある程度の精度で測定する必要があるため、検証ではほぼ同一シーンで測定が可能なゲーム内ベンチマークを使用しています。
AMD Ryzen 9 3900XとIntel Core i9 9900Kのゲーム性能 - 4K解像度/60FPSターゲット
まずは60FPSの標準フレームレートをターゲットとした4K(3840×2160)解像度/高画質設定のゲーミング性能について「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」や比較対象CPUのベンチマーク結果をチェックしていきます。なお上述の通り60FPSターゲットでは基本的にCPUボトルネックは発生しないので、グラフの掲載順は性能(平均フレームレート)による昇順ではなく、当サイト既定のCPU分類順としています。
Assassin's Creed Odyssey(4K解像度、超高-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
Tom Clancy's Ghost Recon Wildlands(4K解像度、非常に高い-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
Shadow of the Tomb Raider(4K解像度、DirectX12、最高-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
Middle-Earth: Shadow of War(4K解像度、ウルトラ-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
AMD Ryzen 9 3900XとIntel Core i9 9900Kのゲーム性能 - フルHD解像度/ハイフレームレート
続いて100FPS以上のハイフレームレートをターゲットとしたフルHD(1920×1080)解像度/中画質設定のゲーミング性能について「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」や比較対象CPUのベンチマーク結果をチェックしていきます。Assassin's Creed Odyssey(フルHD解像度、中-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
Tom Clancy's Ghost Recon Wildlands(フルHD解像度、中-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
「AMD Ryzen 9 3950X」はTom Clancy's Ghost Recon Wildlandsにおいて、ハイフレームレートと60FPSターゲットの両方において、スタッターが発生しました。60FPSターゲットではグラフにあまり反映されていませんが、ハイフレームレートでは目に見えて平均・最小FPSが下がっています。同じくCCD×2で構成される12コアCPUのRyzen 9 3900Xや、CPUコア数18コアのCore i9 9980XEの両方では、このスタッターが確認できず、CCD×2で構成される16コアCPUのRyzen 9 3950Xでのみ確認される症状となっており、不思議な結果です。
Shadow of the Tomb Raider(フルHD解像度、DirectX12、中-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
Middle-Earth: Shadow of War(フルHD解像度、中-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
AMD Ryzen 9 3900XとIntel Core i9 9900Kのゲーム性能 - バトルロイヤル系PCゲーム
最後に近年流行りのオンライン対戦PCゲームの中でも競技ゲーマーにも愛用される240Hzの超ハイリフレッシュレートなゲーミングモニタのユーザーが多いであろうバトルロイヤル系PCゲームにおけるCPU別ゲーム性能をチェックしていきます。検証にはバトルロイヤルというジャンルにおける4大タイトルと言っても過言ではない、Apex Legends、Call of Duty: Black Ops 4、Fortnite、PlayerUnknown’s Battlegroundsを使用します。
Apex Legends(フルHD解像度、RTX 2080 Tiの既定プリセット)に関する「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
一応、平均FPSの昇順で並べましたが、Apex Legendsは240FPSターゲットでもCPUボトルネックの影響が小さいタイトルとなっており、第1/2世代Ryzenが若干劣る程度で、第3世代Ryzenや第9世代Coreなど最新CPUは6コア6スレッド以上なら横並びです。
Call of Duty: Black Ops 4(フルHD解像度、RTX 2080 Tiの既定プリセット)に関する「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
Fortnite(フルHD解像度、高-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。10月のチャプター更新で整合性のある検証ができなくなったので、AMD Ryzen 9 3950XとIntel Core i9 9900KSについては測定データなしとしていますが、Fortniteはコアスレッド数に比例する傾向があるのでIntel Core i9 9900KSが最速、AMD Ryzen 9 3950XはAMD Ryzen 9 3900Xと同程度の位置に食いこむ性能だと思います。
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(フルHD解像度、中-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 9 3900X」、「AMD Ryzen 9 3950X」、「Intel Core i9 9900K」、「Intel Core i9 9900KS」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
PUBGのベンチマーク測定に使用しているトレーニングモードは他プレイヤーの影響を受けやすく測定精度は他の検証に比べるとやや劣るのですが、今回検証した中ではCore i9 9900Kが頭1つ飛びぬけ、第3世代Ryzen各種やCore i7は測定誤差の範囲内でほぼ同性能といった具合でした。それ以下ではCore i5(6C6T)、Core i3(4C4T)、第2世代Ryzenと順に性能がスケーリングしていきます。
CPUエンコーダとリアルタイム配信について
ゲーム実況やライブ配信と呼ばれるPCゲームのリアルタイム配信について、現在ではNVIDIA GeForce GTX 1660やAMD Radeon RX 580などミドルクラスGPUをエンコーダとすることでフルHD解像度で必要十分な画質とフレームレートが得られます。GPUエンコーダは動作自体も軽いので、これらGPUエンコーダの登場によってリアルタイム配信やプレイ動画の録画におけるCPUエンコーダの役目は終わったというのが一時期の私見でしたが、メインストリーム向けCPUのコアスレッド数の増加に伴い、x264 Mediumのような高画質プリセットのプレイ&録画が一般ユーザー的にも現実的になってきています。
Youtube LiveやTwitchなどリアルタイム配信(ライブストリーミング)サービスで、PS4/Xbox/Switch等のコンシューマーゲーム機やPCゲームのプレイ動画・ゲーム実況を快適に配信するのに必要なCPU性能については、現在、連載を続けている【快適配信】シリーズで詳細に解説しています
一口にゲーム実況と言っても、『1.ビデオキャプチャを使用してPCは録画配信作業のみを行う』、『2.PC1台で同時にゲームプレイと録画配信を行う』の2つのケースに大別され、どちらで使用するのかで要求されるCPU性能やCPUメーカー毎の得手不得手など事情が変わってくるので注意してください。
・【快適配信】シリーズの記事一覧へ
ざっくりと現状でCPUを使用したリアルタイム配信・ゲーム実況に要求されるCPU性能だけ述べておくと、『ビデオキャプチャを使用した配信の最低水準は6コア12スレッドのCPU』、『ゲームをプレイしながら配信の最低水準は8コア16スレッドのCPU』です。
【まとめ】Ryzen 9 3900Xのコスパが光る
最後に以上のベンチマーク結果を参考にして『AMD Ryzen 9 3900X、AMD Ryzen 9 3950X、Intel Core i9 9900K、Intel Core i9 9900KSのどれを買うべきか』についてまとめます。クリエイティブ性能について
AMD Ryzen 9 3900Xのクリエイティブ性能については、12コア24スレッドでコアクロックは全コア4.0GHz程度ですが、前世代比で15%程度コアクロック当たりの性能が向上しているので、同価格帯で競合する8コア16スレッドのCore i9 9900KやCore i9 9900KSをコアスレッド数の通りに40~50%も上回る優れたパフォーマンスです。上位モデルのRyzen 9 3950Xは16コア32スレッドなので、さらに30%程度高いパフォーマンスをはっきりしており、メインストリーム向けCPUのクリエイティブタスク性能に関してはAMD第3世代RyzenはIntel第9世代Core-Sの追随を許しません。
同価格帯の競合製品である8コア16スレッドのIntel Core i9 9900シリーズより40~50%程度高い性能を発揮しているので、”6万円台のCPUでクリエイティブタスクを重視するユーザーはRyzen 9 3900Xを選べ”と断言しても間違いないと思います。とにかくマルチスレッド性能のコストパフォーマンスの高さが光る製品です。
後述するようにRyzen 9 3900Xはハイフレームレートも含めてPCゲーミングでも優れた性能を発揮するので、PC1台でPCゲームのプレイ&配信を行うゲーム実況やプレイ動画の編集を行う人に最適なCPUだと思います。
ゲーム性能について
まずゲーム性能検証の冒頭でも述べたようにフルHD~4K解像度の60FPSターゲットであれば4コア4スレッド以上の最新CPUであればどれを使用しても大差はありません。ただし最新の超高画質で重いゲームの場合、ゲームプレイの裏で次のシーンのロード作業が動くとロードが遅くなったりスタッター(カクツキ)が発生することがあるので、ゲーミングPCに搭載するCPUとしては6コア6スレッド以上を個人的に推奨しています。また60FPSターゲットであってもAssassin's Creed OdysseyのようにCPUによって差が出るケースもあるので、PCゲームメーカーの最適化の優先順位まで考慮するとIntelのメインストリーム向け最新CPUのPCゲーミングにおける安定性にはやはり信頼がおけます。
GeForce RTX 2080 Tiを使用したハイフレームレート環境について、Ryzen 9 3900X/3950XとCore i9 9900K/9900KSを比較してみると、Intelが”ゲーマー向け最速CPU”と強く推すだけあってCore i9 9900KとCore i9 9900KSは頭一つ抜きんでた性能を発揮しています。
とはいえ第2世代RyzenがハイフレームレートなPCゲーミングにおいてはCore i5 9400Fにすら及ばなかったのと比較すれば、Ryzen 9 3900XとRyzen 9 3950XはCore i9 9900Kに迫る性能を発揮しており、実用レベルには十分に達しています。
ただ、今回検証した中ではTom Clancy's Ghost Recon Wildlandsのように一部例外的なケースかもしれませんが、Ryzen 9 3900Xでも発生しないスタッターがRyzen 9 3950Xで確認されました。ゲームシーンにおける汎用性を考えると、Ryzen 9 3950XよりもRyzen 9 3900XやRyzen 7 3700Xなど下位モデルのほうが推奨かもしれません。
総評
PCゲームのプレイ専門、とりわけハイフレームレートに特化であればIntel Core i9 9900Kや9900KSも選択肢として悪くありませんが、総合的に考えるとクリエイティブタスクで重要なマルチスレッド性能で50%程度上回り、ハイフレームレートなPCゲーミングにも対応可能な「AMD Ryzen 9 3900X」のコストパフォーマンスの高さが光っており、メインストリーム向け最上位クラスの中でイチオシなCPUです。Ryzen 9 3950Xは2万円以下のマザーボードで使用できるメインストリーム向けCPUなので、Intel第10世代Core-XやAMD第3世代Ryzen Threadripperのようにマザーボード単体で4,5万円の予算が要求されるエンスージアスト向けCPUと比較するとコスパは高いのですが、Ryzen 9 3900Xと比べると性能向上に対して割高感があります。また奮発すれば手が届きそうな6万円に対して10万円というのは腰が重くなる価格ではないかとも。
ゲーム実況の用途としては8コア16スレッドが推奨、12コア24スレッドのRyzen 9 3900Xなら余裕といった感じなので性能が過剰ですし、ゲーム特化のCore i9 9900K/9900KSとは逆に、12コアのRyzen 9 3900Xでは性能が足りないクリエイターが選択するクリエイティブタスク性能特化なポジションだと思います。
以上、『Ryzen 9 3900Xのコスパが光る、9900Kと3950Xとの頂上決戦!!』でした。
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Ryzen 9 3900Xの在庫が潤沢な今だからこそ必見な比較レビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) December 7, 2019
メインストリーム向け最上位CPUのAMD Ryzen 9 3900Xと3950X、Intel Core i9 9900Kと9900KSはどれがオススメなのか、実際のクリエイティブタスクやPCゲーミングにおけるベンチマーク性能比較から徹底解説https://t.co/2qUoPMN981
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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