G-Gear Mini GI7A-C201_T


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7nmプロセスで改良・製造されるRadeon Graphicsを内蔵するRenoirことAMD第4世代Ryzen APUの8コア16スレッドモデル AMD Ryzen 7 PRO 4750Gを搭載したコンパクトゲーミングBTO PC「G-Gear mini GI7A-C201/T」をレビューします。Mini-ITX対応のコンパクトPCケースであるG-Gear miniオリジナルPCケースについても徹底解説していきます。

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Ryzen 7 PRO 4750G搭載「G-Gear mini GI7A-C201/T」の販売ページへ




G-Gear mini GI7A-C201/T レビュー目次


1.G-Gear mini GI7A-C201/Tの概要とスペック
2.G-Gear mini GI7A-C201/Tの梱包・付属品


3.G-Gear mini GI7A-C201/Tの外観とフロント・リアI/O
4.G-Gear mini GI7A-C201/Tの内部構造の概要
5.G-Gear mini GI7A-C201/Tの裏配線スペースと電源ユニット
6.G-Gear mini GI7A-C201/Tのマザーボード
7.G-Gear mini GI7A-C201/Tのストレージと増設スペース
8.G-Gear mini GI7A-C201/Tのグラフィックボード

9.G-Gear mini GI7A-C201/Tのファン設置スペース

10.G-Gear mini GI7A-C201/TのCPU/GPU/ストレージのスペック
11.G-Gear mini GI7A-C201/TのCPU性能とGPU性能
12.G-Gear mini GI7A-C201/Tのレビューまとめ



【注意】
今回検証するのはレビュー用の貸出機であり一般販売されてユーザーの手元に届く新品ではないので、製品や梱包に若干の傷や痛みがある場合があります。通常は新品で綺麗な状態のものが届くはずなので、サンプル機に傷等があっても無視してください。


【機材協力:TSUKUMO eX.computer】



G-Gear mini GI7A-C201/Tの概要とスペック

最初に今回レビューする「G-Gear mini GI7A-C201/T」の概要と製品スペックについて簡単に紹介しておきます。
今回お借りした「G-Gear mini GI7A-C201/T」のレビュー用サンプル機の構成は次のようになっています。なおマザーボード等の一部パーツは製品公式ページで詳細な記載がないのでサンプル機に採用されているものとは別の部品が使用される可能性もあります。
G-Gear mini GI7A-C201/T 詳細スペック
OS Windows10 Home (64bit) DSP版
CPU AMD Ryzen 7 PRO 4750G
8コア16スレッド
グラフィックボード (カスタマイズで追加可能)
CPUクーラー AMD Wraith Spire
マザーボード ASUS ROG STRIX B550-I GAMING
メモリ Samsung M378A1K43CB2-CTD
16GB (8GB*2枚), DDR4-2666, CL20-19-19, 1.200V
CPU内蔵グラフィックス Radeon Graphics CU:8
ビデオ出力:HDMI2.1、DisplayPort1.4
システムストレージ WD Blue SN550 NVMe M.2 SSD 500GB
データストレージ SSD
(カスタマイズで追加可能)
データストレージ HDD
(カスタマイズで追加可能)
光学ドライブ (USB外付けをカスタマイズで追加可能)
PCケース G-GEAR mini ITXゲーミングケース
(COUGAR QBX KAZE)
対応最大ファームファクタ:Mini-ITX
電源ユニット HEC-500TD-5WX (ATX)
電源容量500W, 80Plus Silver認証取得



G-Gear mini GI7A-C201/Tの梱包・付属品

まず最初にTSUKUMO eX.computerから購入した「G-Gear mini GI7A-C201/T」がユーザーの手元にどんな状態で届くのかを紹介しようと思います。
「G-Gear mini GI7A-C201/T」はコンパクトPCなので梱包も、50cm×36cm×36cmサイズと比較的に小さく重量も軽量なので、成人女性でもなんとか抱えて持ち運べると思います。
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外側の段ボール箱を開くと、段ボール製スペーサーの中にマニュアルや各種付属品が封入されており、その下にはスポンジスペーサーとスポンジ袋に保護されたPC本体が収められています。
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「G-Gear mini GI7A-C201/T」には付属品として、同社独自のクイックセットアップガイド、保証書・スペック表、マザーボードマニュアル、ドライバCD、Window10ライセンスカードがあります。
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組み立て関連のオプションとしては、PCケースのネジ類とACケーブルがあります。モデルによって変わりますが、「G-Gear mini GI7A-C201/T」ではマザーボードにASUS ROG STRIX B550-I GAMINGが採用されているのでWiFiアンテナと3.5mm4極ジャック変換USB Type-Cケーブルが付属します。SATAケーブルなどマザーボード付属品の一部は付かないようです。
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G-Gear mini GI7A-C201/Tの外観とフロント・リアI/O

「G-Gear mini GI7A-C201/T」のPCケース外観をチェックしていきます。
G-Gear mini GI7A-C201/Tには、G-GEAR ミニケースと呼ばれるMini-ITXマザーボードに対応したコンパクトPCケースが採用されています。G-GEAR ミニケースは自作PC向けに販売されていた「COUGAR QBX KAZE」をベースにしたPCケースです。

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前方・左右・天面の4面に金属メッシュパネルを搭載するスケルトンデザインを採用し、内部も全面黒塗装でデザイン性にも優れたスタイリッシュな筐体に仕上がっています。電源ユニットはサイドパネルから常にフレッシュなエアーを吸気し排熱は 天面から排出するチャンバー分け構造です。自然な空気の流れを形成し、電源ユニット内はもちろん、CPUやGPUの冷え具合に影響する筐体内にも熱を留めません。
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底面にも丸型エアスリットが設けられており、120mm角ケースファンを2基増設できるので、底面の吸気or排気によってグラフィックボードの冷却も補強が可能です。PCケース足は前後に2か所ずつ計4つの長方形のゴム足が貼られています。
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「G-Gear mini GI7A-C201/T」は幅183mm×奥行390mm×高さ300mmで、一般的なミドルタワー型PCケースの半分くらいの容積のコンパクトPCです。2020年最新の自作PC向けミドルタワーPCケースとして定番製品の1つであるFractal Design Define 7 Compactと比較するとこんな感じです。
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「G-Gear mini GI7A-C201/T」のI/Oポートは、前方から向かって右側下寄りの角にフロントI/O、背面の左寄りにマザーボードリアI/Oがあります。
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フロントI/Oは前方から向かって右側下寄りに実装され、上から順にパワースイッチ、ストレージアクセスLED、ステレオ出力3.5mmジャック、マイク入力3.5mmジャック、2×USB3.2 Gen1 Type-A端子です。
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G-Gear mini GI7A-C201/TのマザーボードにはASUS ROG STRIX B550-I GAMINGが採用されており、リアI/Oには最新のUSB3.2 Gen2規格に対応したUSB端子として3基のType-Aと1基のType-Cの計4端子が設置されています。そのほかのUSB端子については、1基のUSB2.0 Type-A端子と、オーディオデバイス接続用に1基のUSB2.0 Type-C端子が搭載されています。
マウス・キーボードやVR HMDなどの周辺機器を多数繋ぐことを考えるとUSBポートの数は少なめなのでUSBハブは別途用意した方がいいかもしれません。
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マザーボードにASUS ROG STRIX B550-I GAMINGを採用する「G-Gear mini GI7A-C201/T」には、ビデオ出力としてHDMI 2.1とDisplayPort 1.4を搭載しており、2つのビデオ出力はいずれも4K/60FPSに対応しています。
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ネットワーク関連では一般的なギガビットイーサの2.5倍の帯域幅を実現するIntel製LANコントローラー I225-V(Foxville)による2.5Gb LANを搭載しています。(今回のサンプル機ではver2のSLNJX)
なお有線LANのIntel I225-VはWindows10(1909)の標準ドライバでは動作しないので、別途、ドライバのインストールが必要です。有線でしかインターネットに接続できない場合は、光学ドライブやUSB接続有線LANアダプタが必要になるので注意してください。
Intel 2.5Gb LAN_I225V
加えて次世代規格WiFi6に対応した無線LAN(Intel AX200)も搭載しています。接続規格としてはWi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac/ax、2.4/5GHzデュアルバンド、最大通信速度2400Mbps、Bluetooth 5.0に対応しています。リアI/Oには無線モジュールのアンテナ端子が設置されているので付属のアンテナを接続できます。
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ASUS ROG STRIX B550-I GAMINGは独自機能としてオーディオデバイスに最適化されたUSBポート「Audio USB Type-C Port」を搭載し、ヘッドセット(ヘッドホン&マイク)をケーブル1本で接続できる、コンソールゲーム機では主流な4極3.5mmプラグに対応した変換ケーブルが付属しています。
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Audio USB Type-C Portにはオーディオチップ「Realtek ALC S210 IC」が内蔵されており、オーディオデバイスを自動的に検出し、電源ノイズを低減することで、USBを電源とするオーディオ機器の音質を向上させます。
ASUS Audio USB Type-C Port

G-Gear mini GI7A-C201/TはCPUの内蔵グラフィックスが高性能なAMD Ryzen 7 PRO 4750Gを特長したモデルなので、グラフィックボードを標準では搭載しませんが、PCケース自体には2スロットのPCIEスロットがあり、全長350mmまでのグラフィックボードに対応しています。
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G-Gear mini GI7A-C201/Tの内部構造

続いて「G-Gear mini GI7A-C201/T」のPCケースの内部構造をチェックしていきます。
「G-Gear mini GI7A-C201/T」のPCケース内部にアクセスするには、サイドパネルを取り外しますが、PCケース後方のハンドスクリュー2本を外し、サイドパネルを後方へスライドさせると簡単に着脱できます。
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マザーボード側のサイドパネルを開くと、側面に取り付けられたケージホルダーと呼ばれる金属製ブラケットが現れます。
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「G-Gear mini GI7A-C201/T」の標準構成では何も搭載されていないブランク状態ですが、ケージホルダーの内側は下の写真のようになっています。
PCケース後方にあたる左側には120mm角ケースファンを1基設置できます。PCケース前方にあたる右側にはストレージベイケージが装着されており、2基の2.5インチストレージと1基の3.5インチストレージを増設できます。
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ケージホルダーを取り外すと、マザーボード側の俯瞰写真は次のようになっています。
「G-Gear mini GI7A-C201/T」のPCケース内レイアウトは、前方にATX電源ユニット対応のPSUスペース、後方にMini-ITXマザーボード対応のMBスペース、そして今回のサンプル機ではブランクですが、下側には最大で全長350mmに対応するグラフィックボードスペースの3つに分かれたシンプルな設計です。
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PCケース後方にはマザーボードスペースがあり、Mini-ITXマザーボードが設置されています。「G-Gear mini GI7A-C201/T」ではASUS ROG STRIX B550-I GAMINGが採用されています。
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G-Gear miniのPCケースは全高105mm以下(側面ケージホルダーに冷却ファンを設置すると厚み分だけスペースが減る)のCPUクーラーに対応していますが、「G-Gear mini GI7A-C201/T」ではAMD Ryzen 7 PRO 4750Gを冷やすCPUクーラーとして、AMD純正CPUクーラーの標準モデル「AMD Wraith Spire」が採用されています。また排気用ファンとして、リアに92mm角ケースファンも標準で搭載されています。
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「G-Gear mini GI7A-C201/T」に搭載されているAMD Ryzen 7 PRO 4750GはTDP65WのCPUですが、「AMD Wraith Spire」はTDP95Wに対応するCPUクーラーです。
「AMD Wraith Spire」の放熱フィン部分は押し出し加工のアルミニウムで造形されています。中央に銅柱が埋め込まれているわけでもなく、安価なCPUクーラーそのものといった仕様です。
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TDP65W対応のAMD Wraith Stealthと比較すると、基本的な仕様はほぼ同じですが、AMD Wraith Stealth の全高が50mm程度でロープロファイルなに対して、TDP95Wに対応するAMD Wraith Spire Coolerはヒートシンク部が大きく全高が70mm程度となっています。
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G-Gear miniのPCケースは公称では全高105mm以下のCPUクーラーに対応となっていますが、サイドパネルとの距離として実際には120~130mm前後がありました。ケージホルダーに25mm厚ケースファンを設置する場合を想定したクリアランスが公式ページでは表記されているようです。
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Mini-ITXマザーボードなのでDDR4メモリスロットはCPUソケットの右側に計2基ありますが、今回のサンプル機では1枚当たり8GB容量のDDR4メモリ2枚で全て埋められていました。
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G-Gear mini GI7A-C201/Tのサンプル機には「Samsung M378A1K43CB2-CTD」という定格2666MHzで1枚当たり8GB容量のDDR4メモリが採用されていました。
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「AMD Ryzen 7 PRO 4750G」などRyzen 4000Gシリーズも第3世代Ryzenと同様にインターコネクトInfinity Fabricの動作周波数はメモリ周波数と同期しており、加えてRyzen APUでは統合グラフィックスであるRadeonグラフィックスのビデオメモリはシステムメモリと共有されているので、メモリ周波数が総合的なパフォーマンス、特にグラフィック性能へ大きく影響します。
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AMD Ryzen 7 PRO 4750G自体がサポートする定格最大メモリ周波数が3200MHz(メモリ2枚組の場合)に対して、今回のサンプル機もそうですが、「G-Gear mini GI7A-C201/T」の標準構成ではメモリ周波数2666MHzのメモリが採用されています。
Ryzen APUの場合はメモリ周波数がグラフィック性能に大きく影響し、AMD Ryzen 7 PRO 4750GなどRyzen 4000Gの場合はメモリ2枚組なら定格で3200MHzに対応しているので、カスタマイズオプションに用意されている、メモリ自体も3200MHz動作に対応している高速メモリへのアップグレードがオススメです。
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G-Gear mini GI7A-C201/Tの裏配線スペースと電源ユニット

「G-Gear mini GI7A-C201/T」の裏配線スペースをチェックしていきます。
マザーボード側と同様にサイドパネルはネジを外して後方へスライドすると簡単に着脱できますが、PCケース裏側の裏配線スペースの俯瞰写真は次のようになっています。
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CPUクーラーメンテナンスホールは広く確保されているので、CPUクーラー固定用バックプレートの着脱も問題なく行えます。流石にマザーボード背面M.2スロットへアクセスできるほどではないので、増設の際はマザーボードを着脱する必要があります。
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裏配線スペースは凹凸によって若干変化しますが、20mm弱程度の厚さで空間が確保されています。ケーブルホールも十分に設けられているので、配線はし易い設計だと思います。
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次に「G-Gear mini GI7A-C201/T」の電源ユニットをチェックしていきます。
「G-Gear mini GI7A-C201/T」のサンプル機には同BTO PCの標準構成と同じく、50%負荷時に88%以上の変換効率を保証する80PLUS SILVER認証を取得し、電源容量500WのATXサイズ電源ユニット「HEC-500TD-5WX」が採用されています。
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ちなみにカスタマイズ項目からは、より高変換効率な80PLUS GOLD認証を取得し、電源容量も大容量なSeasonic製FOCUSシリーズ電源ユニットへのアップグレードも可能です。カスタマイズから高性能なグラフィックボードを追加する場合や、将来的にグラフィックボードの増設を予定している場合は、アップグレードを検討してみてください。
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「HEC-500TD-5WX」の電源ケーブルは本体の左端からの直出し式で、ATX 24PIN電源とEPS 8PIN電源の2本が使用済みです。
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未使用の電源ケーブルとしてはPCIE 8PIN(6+2PIN)補助電源が2つ、SATA電源が4つ、4ピンペリフェラルが1つあり、ケーブルタイで束ねられています。
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電源ユニット冷却ファンの最近のトレンドは140mmサイズファン搭載ですが、「HEC-500TD-5WX」は奥行き140mmのコンパクトサイズなので120mmサイズファンが採用されています。
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電源ユニット冷却ファンの吸気面は裏配線側サイドパネルに面していて、常にフレッシュなエアーを吸気し排熱は天面から排出するチャンバー分け構造です。
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電源ユニットのAC端子はPCケースの延長ケーブルによって、PCケース背面まで延長されており、PCケース背面の端子にACケーブルを接続してコンセントから給電します。
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BTO PCメーカーのサポート外となりますが、上の写真の通り、PCケース天面パネルを取り外すと電源ユニットの着脱も可能、奥行140mm以下のATX電源ユニットに換装が可能です。
ただし電源ケーブルが直出し式でない、プラグイン式の場合は奥行130mm以下でないと、電源ケーブル・コネクタがグラフィックボードと干渉する可能性があります。グラフィックボードを使用しない、もしくはグラフィックボードの全長が170mm以下であれば、奥行150~160mmの電源ユニットも使用できます。
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なおOEM元のCOUGAR QBX KAZEではPCケースに設置可能な電源ユニットのAC端子レイアウトに制限がありましたが、G-Gear miniではフロント光学ドライブマウントを廃しているので、電源ユニットの互換性に制限はありません。
ただしAC端子の向きが下の3種類でない、AC端子の凸が電源ユニット冷却ファンの方向を向いているレイアウトでは、ACケーブルがファンと干渉するため、PCケース天面のファンマウントのうち、前方の1基は使用できなくなります。
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G-Gear mini GI7A-C201/Tのマザーボード

「G-Gear mini GI7A-C201/T」に使用されているマザーボードを詳しくチェックしていきます。
「G-Gear mini GI7A-C201/T」ではマザーボードとして自作PC向けに市販されている「ASUS ROG STRIX B550-I GAMING」が採用されており、今回検証するサンプル機でも同マザーボードが搭載されていました。自作PC向けに市販されているマザーボードなので詳細な日本語マニュアルも公開されているので、わからないことがあればマニュアルを参照できます。
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「ASUS ROG STRIX B550-I GAMING」にはCPUへの電力供給を行う電源回路として、50A対応Dr. MOSなどの高品質素子で構成される10フェーズのVRM電源が採用されています。
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「G-Gear mini GI7A-C201/T」の標準構成ではグラフィックボードを搭載していないので空ですが、「ASUS ROG STRIX B550-I GAMING」にはPCIE3.0x16帯域のx16サイズPCIEスロットが1基あります。
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NVMe SSDに対応したM.2スロットは、標準構成でシステムストレージとして使用されているCPUソケット下(M.2_1)に加えて、マザーボード背面にも1基(M.2_2)が実装されています。M.2_1M.2_2はいずれもNVMe接続とSATA接続のM.2 SSDの両方に対応しています。
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表面のM.2スロットにはマザーボード標準搭載のM.2 SSDヒートシンクが装着されており、発熱が大きいNVMe M.2 SSDの放熱が補助されています。
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「ASUS ROG STRIX B550-I GAMING」にはSATAストレージ用の端子は4基搭載されています。SATA_1~4の4基はAMD B550チップセットのコントローラーによる接続で、RAID0/1/10のハードウェアRAID構築にも対応しています。
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ゲーミングマザーボードの「ASUS ROG STRIX B550-I GAMING」には、高音質オンボードサウンド機能を従来機種よりもさらに強化した「SupremeFX」が採用されています。7.1チャンネルや32Bit/192kHzのハイレゾ音源に対応するSupremeFX S1220Aコーデック、デジタル部とアナログ部の基板分離などヘッドホン・スピーカー出力の高音質化にも注力しています。
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「ASUS ROG STRIX B550-I GAMING」にはCMOSクリア用のハードウェアスイッチは実装されていないので、PCIEスロットのラッチのすぐ傍にあるCMOSクリア用の2PINヘッダーを短絡してCMOSクリアを行います。ケーブルの長い2PINスイッチをあらかじめ装着しておくのがオススメです。(2PINを短絡するだけなのでPCケースの電源スイッチでも代用できますが、挿し直すのが面倒なのでスイッチを別途購入しておくのがやはりオススメです。)
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G-Gear mini GI7A-C201/Tのストレージ設置スペース

「G-Gear mini GI7A-C201/T」のストレージ設置スペースをチェックしていきます。
まず「G-Gear mini GI7A-C201/T」のサンプル機には標準構成と同じく、NVMe M.2 SSDがマザーボード表面でCPUソケット下のM.2スロットに装着されていました。
「G-Gear mini GI7A-C201/T」の標準構成で採用されているシステムストレージは、96層3D NANDで構成されるNVMe M.2 SSDの「WD Blue SN550 NVMe M.2 SSD 500GB」です。最大連続アクセススピードは2.4GB/s程度で一般的なSATA SSDを4倍以上も上回る高速アクセスを実現しています。
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「G-Gear mini GI7A-C201/T」のストレージ増設スペースとしては、マザーボードの着脱を要しますが、採用マザーボードASUS ROG STRIX B550-I GAMINGの背面にM.2スロットがもう1基あります。
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「ASUS ROG STRIX B550-I GAMING」にはSATAストレージ用の端子は4基搭載されていて、標準構成では全て空いています。
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マザーボードのSATAポートを使用してSATAストレージを増設するPCケース状のスペースとして、まず1つには裏配線スペースのマザーボードトレイ下側に、2.5インチストレージを1基増設できるストレージベイがあります。
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もう1つのスペースとしてはマザーボード側の側面に設置するケージホルダー上のストレージベイがあります。ストレージベイ上には2基の2.5インチストレージと1基の3.5インチストレージを増設可能です。
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G-Gear mini GI7A-C201/Tのグラフィックボード

「G-Gear mini GI7A-C201/T」のグラフィックボードやビデオ出力についてチェックしていきます。

「G-Gear mini GI7A-C201/T」はグラフィックボードを標準では非搭載のため、同サンプル機でも同じく、AMD Ryzen 7 PRO 4750Gに内蔵されたRadeon Graphicsによってビデオ出力を行います。
「G-Gear mini GI7A-C201/T」はマザーボードにASUS ROG STRIX B550-I GAMINGが採用されているので、ビデオ出力としてHDMI 2.1とDisplayPort 1.4を利用でき、2つのビデオ出力はいずれも4K/60FPSに対応しています。
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ちなみに「G-Gear mini GI7A-C201/T」は標準構成ではグラフィックボードを非搭載ですが、カスタマイズ項目から追加も可能です。BTO PCで定番のNVIDIA製ではエントリークラスのGeForce GTX 1650からウルトラハイエンドのGeForce RTX 2080 Tiまで、Ryzen APUの内蔵グラフィックスと互換性の高いAMD製GPUではRadeon RX 5500 XTからRadeon RX 5700 XTまで、と幅広く選択が可能です。
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上述の通り「G-Gear mini GI7A-C201/T」はグラフィックボードを標準では搭載していませんが、G-Gear miniのPCケース自体は、2スロット分のPCIE拡張スロットがあり、全長350mm以下のフルサイズグラフィックボードの増設にも対応しています。
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今回は試しに、全長305mmのGeForce RTX 2080 Tiグラフィックボード「ASUS ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING」を設置してみましたが、製品スペックの通り余裕のあるスペースです。
PCケースボトムのファン設置スペースが排他利用になりますが、2.5~3スロット占有の大型グラフィックボードも設置が可能です。
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PCケースサイドパネルとのクリアランスもある程度確保されているので、PCIEブラケットよりも基板の背が高いグラフィックボードでもPCEI補助電源がPCケースと干渉することはないと思います。
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G-Gear mini GI7A-C201/Tのファン設置スペース

「G-Gear mini GI7A-C201/T」のファン設置スペースをチェックしていきます。
最初に、「G-Gear mini GI7A-C201/T」に採用されるマザーボードASUS ROG STRIX B550-I GAMINGには、3基のPWM対応4PINファン端子があります。
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CPUクーラーとリアケースファンで2基が使用されているので、追加で使用可能なファン端子は1基だけです。G-Gear miniのPCケースは下記の通り、ファンの増設スペースが豊富なので、複数のファンを増設するのであればファン分岐ケーブルを使用する必要がありそうです。
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G-Gear miniのPCケースではリアに92mm角ケースファンを1基搭載できます。「G-Gear mini GI7A-C201/T」では標準で1基のケースファンが設置されています。
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PCケースフロントの正面から見て左寄り、マザーボードスペースにアクセスする方向から見て手前には92mm角ケースファンを設置できるスペースがあります。
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マザーボード側の側面に設置するケージホルダー上にも120mm角ケースファンに対応した設置スペースが1基あります。このスペースはケースファンだけでなく、120mmサイズ簡易水冷CPUクーラーのラジエーターの設置にも対応しています。
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PCケースボトムにも2基の120mm角ケースファンを設置可能なスペースがあります。2スロット占有のグラフィックボードまでであれば、グラフィックボードと干渉することなく、25mm厚の標準的な120mm角ケースファンを増設可能です。
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PCケース天面パネルも、PCケース背面のネジを外してパネルを後方にスライドさせると簡単に着脱が可能です。
G-Gear mini GI7A-C201/T review_03060_DxO
天面パネルの裏側には2基の120mm角ケースファンを設置可能なスペースがあります。
G-Gear mini GI7A-C201/T review_03071_DxO
なお注意点として、AC端子の向きが下の3種類でない、AC端子の凸が電源ユニット冷却ファンの方向を向いているレイアウトでは、ACケーブルがファンと干渉するため、PCケース天面のファンマウントのうち、前方の1基は使用できなくなります。
COUGAR QBX KAZE_Compatible-PSU-with-fan_s-horz



G-Gear mini GI7A-C201/TのCPU/GPU/ストレージのスペックについて

G-Gear mini GI7A-C201/Tの各種性能をチェックする前に、同PCに搭載されているCPUとGPUのスペックについて簡単に紹介します。

G-Gear mini GI7A-C201/TのCPUスペック

「G-Gear mini GI7A-C201/T」にはCPUとして、第3世代Ryzenと同じZen2 CPUコアと、7nmプロセスで改良・製造されるRadeon Graphicsを組み合わせた、RenoirことAMD第4世代Ryzen APUのビジネスユーザー向けPROシリーズから、8コア16スレッドの最上位モデル「AMD Ryzen 7 PRO 4750G」が搭載されています。
AMD Ryzen 7 PRO 4750GのIntel公式仕様はコアスレッド数:8コア16スレッド、ベースクロック:3.6GHz、単コア最大ブーストクロック:4.4GHz、L3キャッシュ容量:8MB、TDP:65Wです。

AMD Ryzen 7 PRO 4750G_CPU-Z
「AMD Ryzen 7 PRO 4750G」のAMD公称仕様値としてはTDP65WのCPUですが、実際の内部設定としては定格電力制限『PPT:88W、TDC:65A、EDC:90A』が許容されています。「AMD Ryzen 7 PRO 4750G」はCPUクーラーによるCPUの冷却が十分であれば(CPU温度が閾値95度以下であれば)、PPT88Wの制限下で動作しXFRによって仕様値ベースクロック3.6GHzよりも高い動作クロックへ引き上げられます。
AMD Ryzen 7 PRO 4750G_PPT

サンプル機のシステムメモリにはSamsung M378A1K43CB2-CTDが2枚搭載されており、8GB×2=16GB容量、メモリ周波数は2666MHz、メモリタイミングは20-19-19-43-CR1です。
G-Gear mini GI7A-C201_T_Memory_CPU-Z
AMD Ryzen 7 PRO 4750Gの定格メモリ周波数3200MHzに対して、今回のサンプル機に搭載されていたSamsung M378A1K43CB2-CTDはSPDプロファイルでメモリ周波数2666MHzに対応するメモリでしたが、カスタマイズオプションには3200MHz動作に対応している高速メモリへのアップグレードも用意されています。
G-Gear Mini GI7A-C201_T_Customize_memory

基本的には上記の公式カスタマイズオプションからアップグレードするのが推奨で、以下、BTOメーカー公式サポート外ではありますが、今回サンプル機に搭載されていて、製品においてもおそらく標準搭載メモリのSamsung M378A1K43CB2-CTDはメモリ周波数/主要タイミング/メモリ電圧だけのカジュアル設定で3200MHzにOCが可能です。
G-Gear mini GI7A-C201_T_Memory_OC_BIOS-tile
G-Gear mini GI7A-C201_T_Memory_OC_Ramtest
G-Gear mini GI7A-C201_T_Memory_OC_GPU-Stress

メモリOCに関するさらに詳しい情報やオススメOCメモリについてはこちらの記事を参照してください。
【できる!メモリOC】 OCメモリの選び方から設定まで完全解説
【できる!メモリOC】 OCメモリの選び方から設定まで完全解説


G-Gear mini GI7A-C201/TのGPUスペック

「G-Gear mini GI7A-C201/T」では、Ryzen 7 PRO 4750Gに搭載されたiGPUのRadeon Graphicsをビデオ出力用GPUとして使用します。
Ryzen 7 PRO 4750GのRadeon GraphicsはCompute Unit数8(ストリームプロセッサ数512)となっており、アーキテクチャは従来のVega Graphicsを踏襲していますが、7nmプロセスで改良されたことによって定格コアクロックは2100MHzと従来モデル比で50%も高速化しています。
G-Gear mini GI7A-C201_T_Ryzen 7 PRO 4750G_GPU-Z
前世代となる第3世代Ryzen APUの最上位モデルRyzen 5 3400Gに搭載されていたVega GraphicsはCompute Unit数11、定格コアクロック1400MHzだったので、単純計算で10%程度の性能向上が期待できます。システムメモリ周波数や7nmプロセスによる改良によって実性能では20%程度の高速化を果たしているとのこと。
AMD Ryzen PRO APU 4000 Renior_performance


G-Gear mini GI7A-C201/Tのストレージスペック

「G-Gear mini GI7A-C201/T」には標準構成のシステムストレージとしてNVMe M.2 SSDの「WD Blue SN550 NVMe M.2 SSD 500GB」が搭載されています。
G-Gear mini GI7A-C201T_SSD_CDI_WD Blue SN550 500GB
「WD Blue SN550 NVMe M.2 SSD 500GB」ついてストレージ性能の測定において定番ベンチマークのCrystalDiskMarkの結果が次のようになっています。「WD Blue SN550 NVMe M.2 SSD 500GB」はNVMe接続に対応したM.2 SSDとなっており、理想的な最大アクセススピードが500MB/s程度のSATA接続SSDを4倍以上も上回る連続読み出し2.4GB/sの高速アクセスを実現しています。
G-Gear mini GI7A-C201T_SSD_CDM7_WD Blue SN550 500GB

容量1TBモデルですが、WD Blue SN550 NVMe M.2 SSDについては詳細レビューを公開中なので、詳しくはこちらの記事を参照してください。
「WD Blue SN550 NVMe M.2 SSD 1TB」をレビュー
WD Blue SN550 NVMe M.2 SSD 1TB


PCゲームのインストール先としてSSDとHDDではPCゲームのロード時間に大きな差があります。詳しくは下の記事を参照してください。「G-Gear mini GI7A-C201/T」には2.5インチストレージを設置可能なスペースがあるので、注文時にカスタマイズから追加するか、各自で2.5インチSATA SSDを増設するのがオススメです。
【SATA SSD vs NVMe SSD vs HDD】 ゲームロード時間を比較
SSD vs HDD ゲームロード時間比較

また下の記事では、MLC/TLC/QLCのマルチビットセルやNVMe/SATA3.0など2020年最新のSSD事情について徹底解説しています。ストレージについて詳しく知りたい方は参考にしてください。
おすすめSSDまとめ。QLC/TLC/MLCやNVMe/SATA3.0など最新SSD事情を解説
本当に速いSSDはどれか?SSDの実用性能を比較
SSDレビュー記事の一覧へ



G-Gear mini GI7A-C201/TのCPU性能とGPU性能

最後に「G-Gear mini GI7A-C201/T」のCPU性能とGPU性能をチェックしていきます。

G-Gear mini GI7A-C201/TのCPU性能(クリエイティブタスク)

続いて「G-Gear mini GI7A-C201/T」に搭載されたAMD Ryzen 7 PRO 4750GのCPU性能に大きく依存する、クリエイティブタスクにおけるパフォーマンスをチェックしていきます。

「G-Gear mini GI7A-C201/T」に搭載されたAMD Ryzen 7 PRO 4750Gは、8コア16スレッドのCPUであり、単コア最大動作クロックは4.4GHz、全コア最大動作クロックは4.3GHz、3Dレンダリングや動画のエンコードなど全コアに対して大きく負荷がかかる時の実動クロックは4.3GHz程度となります。AMD Ryzen 7 PRO 4750GはTDP65WのCPUですが、内部設定としてはPPT88Wが許容されているので、CPU消費電力は最大で85W前後に達します。

「G-Gear mini GI7A-C201/T」において8コア16スレッドCPUのAMD Ryzen 7 PRO 4750Gは全コア4.30GHz程度で動作するので、CPUのマルチスレッド性能を測定するベンチマークで定番のCinebench R15のスコアは2000程度、Cinebench R20のスコアは4800程度でした。
AMD Ryzen 7 PRO 4750G_Cinebench R15_mem2666
AMD Ryzen 7 PRO 4750G_Cinebench R20_mem2666

CPU性能の詳細な検証に用いるクリエイティブタスクについてはCPU使用率がフルロードになる3Dレンダリング、動画エンコード、RAW現像、ゲームビルドの4種類となっています。
具体的な測定内容は、3Dレンダリングはオープンソース3DCGソフト「Blender」の公式ベンチマークソフト、動画のエンコードは無料で利用できる動画編集ソフトとして国内外で多数のユーザーがいる「Aviutl」のx264エンコーダによる4K動画のエンコード、RAW現像はDxO PhotoLab(PRIMEあり、5472×3648解像度のRAW画像ファイル 100枚)、デモプロジェクト「Infiltrator」を使用したUnreal Engine 4によるゲームビルドです。

3DCGソフト「Blender」の公式ベンチマークソフトで測定する3Dレンダリング性能についてはレンダリング時間だけを見ても性能差が直感的にわかりにくいので、比較対象の中で最も遅いものを基準にして、「G-Gear mini GI7A-C201/T」に搭載されるAMD Ryzen 7 PRO 4750Gを含めた各種CPUのレンダリング速度を性能比としてグラフ化しました。
AMD Ryzen 7 PRO 4750G_Creative_1_Blender

x264エンコーダによって3840×2160解像度の動画をH.264 (MPEG-4 AVC)の3840×2160解像度へエンコードした時のエンコード速度について「G-Gear mini GI7A-C201/T」に搭載されるAMD Ryzen 7 PRO 4750Gを含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
AMD Ryzen 7 PRO 4750G_Creative_2_Aviutl-x264-FHD

DxO PhotoLabによるRAW現像速度について「G-Gear mini GI7A-C201/T」に搭載されるAMD Ryzen 7 PRO 4750Gを含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
AMD Ryzen 7 PRO 4750G_Creative_3_DxO

「Unreal Engine 4 - Infiltrator」のビルド性能については、ビルド時間だけを見ても性能差が直感的にわかりにくいので、比較対象の中で最も遅いものを基準にして、「G-Gear mini GI7A-C201/T」に搭載されるAMD Ryzen 7 PRO 4750Gを含めた各種CPUのビルド速度を性能比としてグラフ化しました。
AMD Ryzen 7 PRO 4750G_Creative_4_UE

「G-Gear mini GI7A-C201/T」に搭載された8コア16スレッドCPU「AMD Ryzen 7 PRO 4750G」のクリエイティブタスク性能を簡単にまとめると下のグラフのようになっています。()内にはクリエイティブタスクでCPUに100%負荷がかかった時の典型的なシステム消費電力を記載しています。いずれもiGPU使用時ですが、3700XだけはGPUにGeForce GT 1030を搭載した時の消費電力です。
Ryzen 7 PRO 4750Gは全コア4.3GHz程度で動作する定格設定の場合、同じく8コア16スレッドCPUのRyzen 7 3700XやCore i7 10700と概ね同等の性能を発揮します。
ただしUnreal Engine 4だけは大きくスコアを落としました。Intel製CPUのほうが若干優位になりやすいタスクではあるのですが、Ryzen 7 3700Xと比較しても差が大きいので、3700Xの32MBに対して8MBと少ないキャッシュが影響しているのではないかと思います。
AMD Ryzen 7 PRO 4750G_Creative_pefsum

「G-Gear mini GI7A-C201/T」に搭載されたAMD Ryzen 7 PRO 4750Gについては個別の詳細レビューを公開しているので、詳しくはこちらを参照してください。
「AMD Ryzen 7 PRO 4750G」をレビュー。Core i7 10700と徹底比較
AMD Ryzen 7 PRO 4750G


G-Gear mini GI7A-C201/TのGPU性能(PCゲーミング)

続いて「G-Gear mini GI7A-C201/T」に搭載されたRyzen 7 PRO 4750GのiGPUであるRadeon GraphicsのPCゲーミング性能についてチェックしていきます。

グラフィック性能比較で最もメジャーな3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」のグラフィックスコアについて、「AMD Ryzen 7 PRO 4750G」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
AMD Ryzen 7 PRO 4750G_Gaming_3DMark_1_FS
3DMarkのCPU統合グラフィックス向けDirectX12ベンチマーク「NightRaid」のグラフィックスコアについて、「AMD Ryzen 7 PRO 4750G」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
AMD Ryzen 7 PRO 4750G_Gaming_3DMark_2_NR
上の2つのグラフを見ての通り、Ryzen 7 PRO 4750GなどRyzen APUではメモリ周波数がとりわけグラフィック性能へ大きく影響します。メモリ周波数2666MHzでは折角性能が向上したはずのiGPUの性能を十分に発揮できず、前モデル3400G程度のグラフィック性能になってしまいます。
AMD Ryzen 7 PRO 4750GなどRyzen 4000Gの場合はメモリ2枚組なら定格で3200MHzに対応しているので、カスタマイズオプションに用意されている、メモリ自体も3200MHz動作に対応している高速メモリへのアップグレードを推奨します。
G-Gear Mini GI7A-C201_T_Customize_memory

国内最大手かつ大人気のMMO RPG「ファイナルファンタジーXIV」の2019年最新大型アップデート「FFXIV: 漆黒のヴィランズ」の公式ベンチマークソフトで、「AMD Ryzen 7 PRO 4750G」のPCゲーミング性能を測定してみました。FFXIV: 漆黒のヴィランズの公式ベンチマークソフトでは総合スコアを1.5×100で割った値がちょうど平均FPSになっています。
「G-Gear mini GI7A-C201/T」に搭載されたAMD Ryzen 7 PRO 4750Gは、グラフィック品質をデスクトップ向け標準にすると、1280×720のHD解像度まで下げても平均60FPSの快適水準を下回ってしまいます。メモリ周波数が完全に足を引っ張っているので、やはり3200MHz対応メモリへのアップグレードは必須だと思います。
3200MHz対応メモリを搭載していれば、流石に最新高画質ゲームは難しいですが、オーバーウォッチやフォートナイトのような軽量なe-Sports系PCゲームなら十分対応が可能ですし、2Dイラストや動画編集などのクリエイティブタスクでCPUの足を引っ張らず作業をサクサク行えるだけのグラフィック性能は備えています。
AMD Ryzen 7 PRO 4750G_FF14_mem2666



G-Gear mini GI7A-C201/Tのレビューまとめ

最後に8コア16スレッドAPUのAMD Ryzen 7 PRO 4750Gを搭載したコンパクトゲーミングBTO PC「G-Gear mini GI7A-C201/T」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • ハードなクリエイティブ作業に対応できる8コアAPUのRyzen 7 PRO 4750Gを搭載
  • Ryzen 7 PRO 4750GのiGPU性能はIntel製iGPUの2倍以上
  • システムメモリはメモリ周波数がネイティブ2933MHz
  • マザーボードが「ASUS ROG STRIX B550-I GAMING」(標準構成)
  • COUGAR QBX KAZEをベースにしたオリジナルPCケースを採用
  • 幅183mm×奥行390mm×高さ300mmのコンパクトサイズ
  • 300mm超のグラフィックボードや簡易水冷CPUクーラーの増設も可能
  • システムストレージはNVMe M.2 SSD「WD Blue SN550 NVMe M.2 SSD 500GB」(標準構成)
  • システムストレージのM.2 SSDには放熱ヒートシンクを搭載
悪いところor注意点
  • 標準構成では2666MHz対応メモリなので、3200MHz対応メモリにアップグレード推奨

「G-Gear mini GI7A-C201/T」に搭載された8コア16スレッドAPUのAMD Ryzen 7 PRO 4750Gは、クリエイティブタスクにおいて一般的なデスクトップ向けCPUのAMD Ryzen 7 3700XやIntel Core i7 10700と同等のマルチスレッド性能を発揮しつつ、iGPU性能ではCore i7 10700のiGPUを2倍以上も上回る卓越した性能を発揮します。
FF15やHorizon Zero Dawnのような最新高画質PCゲームとなるとグラフィックボードが必要ですが、オーバーウォッチやフォートナイトのような軽量なe-Sports系PCゲームなら十分対応が可能ですし、2Dイラストや動画編集などのクリエイティブタスクでCPUの足を引っ張らず作業をサクサク行えるだけのグラフィック性能は備えています。
iGPU非搭載なRyzen 7 3700Xと違ってグラフィックボードも不要なので、その分だけ予算を抑えられるコストパフォーマンスの高さも魅力です。

競合Intelの8コア16スレッドCPUであるCore i7 10700と比較した時に、CPUマルチスレッド性能は同等ですが、Intel第10世代Core i7がコアスレッド数相応の性能を発揮するのにPL1:95W程度を要求するのに対して、「AMD Ryzen 7 PRO 4750G」はRyzen 7 3700Xと同様にPPT:65Wで十分な性能を発揮できる電力効率の高さは魅力で、「G-Gear mini GI7A-C201/T」のような大型CPUクーラーを搭載できないコンパクトPCにおいて静音性を損なうことなく性能を追求できるというメリットがあります。
AMD Ryzen 7 PRO 4750G_Creative_pefsum_vs_10900

G-Gear miniのオリジナルPCケースについては、自作PC向け製品のCOUGAR QBX KAZEがベースになっているので、一般的なミドルタワーPCケースの半分程度というコンパクトサイズながら、300mm超のグラフィックボードや簡易水冷CPUクーラー、最大4基の2.5/3.5インチストレージを搭載できるなど拡張性にも優れていて、将来的にグラフィックボードやストレージの増設にも対応するので、G-Gear miniは自作へのスタートアップPCとしてもオススメできる製品です。

以上、「G-Gear mini GI7A-C201/T」のレビューでした。
G-Gear mini GI7A-C201/T review_03025_DxO_DxO


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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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