AMD Radeon RX 6000AMDの次世代GPU、Big Naviこと「Radeon RX 6000シリーズ」が正式発表。最上位モデルRadeon RX 6900 XT、Radeon RX 6800 XT、Radeon RX 6800がラインナップ。RDNA2はGeForce RTX 30シリーズをワットパフォーマンスで上回る!?



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AMDの次世代GPU、Big Naviこと「Radeon RX 6000シリーズ」が正式に発表されました。
最上位モデルを「AMD Radeon RX 6900 XT」として、下位モデルに「AMD Radeon RX 6800 XT」、「AMD Radeon RX 6800」がラインナップされています。


「AMD Radeon RX 6900 XT」は999ドルで12月8日発売、「AMD Radeon RX 6800 XT」と「AMD Radeon RX 6800」は649ドルと579ドルで11月18日発売となります。
AMD Radeon RX 6000_Aviability


最上位モデル「AMD Radeon RX 6900 XT」のスペックは、コンピュートユニット数が80、シェーダー数が5120で、AMDから2019年初頭に最後にリリースされたハイエンドGPUのRadeon VIIより25%増加しています。コアクロックはゲームクロック2015MHz、最大ブーストクロック2250MHzです。
VRAMには速度16Gbpsで容量16GBのGDDR6メモリが採用され、RDNA2アーキテクチャの特長である超高速キャッシュInfinity Cacheを128MB搭載しています。消費電力の指標となるTBP(Typical Board Power)は300Wです。
AMD Radeon RX 6900 XT_top
「AMD Radeon RX 6900 XT」は、NVIDIAのウルトラハイエンドGPUであるRTX 3090と同等の性能を発揮しつつ、TBP300Wで低消費電力、高ワットパフォーマンスであることがアピールされています。(RX 6900 XTの性能には下記のRAGE MODEとAMD Smart Access Memoryを含む)
AMD Radeon RX 6900 XT_performance_vs-RTX3090

RX 6900 XTの性能比較でも出てきましたが、AMD Radeon RX 6000シリーズの性能をさらに向上させる機能として、「AMD Smart Access Memory」と「RAGE MODE」の2つが発表されています。
まず「AMD Smart Access Memory」はRadeon RX 6000シリーズを同社の次世代CPUであるRyzen 5000シリーズと組み合わせることでビデオメモリアクセスを改善し性能を向上させる機能です。
AMD Smart Access Memory_Platform Synergy



従来ではCPUとグラフィックボードVRAM間では256MB単位でしかデータのやり取りができませんでしたが、AMD Smart Access MemoryではPCIE4.0の高速帯域を用いることで10GBを超える大容量VRAMに対してサイズ制限なくフルアクセスが可能になり、VRAMアクセスによって生じるボトルネックが解消されます。
AMD Smart Access memory
「AMD Smart Access Memory」は実際のPCゲーミングにおいて5%~10%程度の性能向上が期待でき、CPU&GPUのプラットフォーム単位で、NVIDIAやIntelといった競合メーカーに対する優位性がアピールされています。
AMD Smart Access memory_peformance-gain
そしてもう1つの機能「RAGE MODE」はドライバの設定ソフトウェア上から1クリックで自動的に性能を向上させることが可能なOC機能となっています。RAGE MODEを使用したオーバークロックはグラフィックボードの保証に影響しないとのことです。
RAGE MODE
「AMD Smart Access Memory」と「RAGE MODE」の2つを組み合わせることによって、Radeon RX 6800XTでは最大で13%の性能向上が実現できるとのこと。
AMD Smart Access memory_and_RAGE MODE_Perf-gain




「AMD Radeon RX 6800 XT」のスペックは、コンピュートユニット数が72、シェーダー数が4608、コアクロックはゲームクロック2015MHz、最大ブーストクロック2250MHzです。

VRAMには速度16GbpsのGDDR6メモリを容量16GB搭載し、RDNA2アーキテクチャの特長である超高速キャッシュInfinity Cacheを128MB搭載しています。消費電力の指標となるTBPは300Wです。AMD Radeon RX 6800 XT_top
Radeon RX 6800XT_Reference
「AMD Radeon RX 6800 XT」は、4K/60FPS+のPCゲーミングに対応可能なハイエンドGPUです。
AMD Radeon RX 6800 XT_performance_4K
「AMD Radeon RX 6800 XT」はWQHD解像度ハイフレームレートや4K/60FPS+のPCゲーミング性能を比較した時に、RTX 3080と同等の性能で、TBP300Wと20W低く高ワットパフォーマンスであることがアピールされています。
AMD Radeon RX 6800 XT_performance_vs-RTX3080_2560-WQHD
AMD Radeon RX 6800 XT_performance_vs-RTX3080_3840-4K


「AMD Radeon RX 6800」のスペックは、コンピュートユニット数が60、シェーダー数が3840、コアクロックはゲームクロック1815MHz、最大ブーストクロック2105MHzです。
VRAMには速度16GbpsのGDDR6メモリを容量16GB搭載し、RDNA2アーキテクチャの特長である超高速キャッシュInfinity Cacheを128MB搭載しています。消費電力の指標となるTBPは250Wです。AMD Radeon RX 6800_top
Radeon RX 6800_Reference
「AMD Radeon RX 6800」ははWQHD解像度ハイフレームレートや4K/60FPS+のPCゲーミング性能を比較した時に、GeForce RTX 2080 Ti(≒RTX 3070)を上回る性能で、消費電力もTBP250Wで同等です。(RX 6800の性能にはAMD Smart Access Memoryを含む)
AMD Radeon RX 6800_performance_vs-RTX2080Ti_2560-WQHD
AMD Radeon RX 6800_performance_vs-RTX2080Ti_3840-4K


AMD Radeon RX 6000に採用されている新アーキテクチャ「RDNA2」について、まず最初に強調されたのがワットパフォーマンスの改良です。Radeon RX 400シリーズのGCNと比較してRadeon RX 5000シリーズでは+50%、RDNA2アーキテクチャを採用するRadeon RX 6000ではさらに+50%以上のワットパフォーマンスが向上し、最上位モデルのRX 6900 XTに至っては+65%のワットパフォーマンス向上を実現しています。
AMD RDNA2_Performance-per-Watt_improvement
NVIDIAの次世代GPU、GeForce RTX 30シリーズに対しても、ワットパフォーマンスにおけるアドバンテージを強調しており、省電力性能でNVIDIAに一歩遅れるというAMDのイメージを大きく覆す発表でした。
AMD RDNA2_Perf-per-Watt_vs-RTX30

RDNA2アーキテクチャの大きな4つの特長として、この省電力性能(電力効率)向上を支える3つ、「さらに高性能になったコンピュートユニット」、「革新的なキャッシュ機能Infinity Cache」、「動作クロックの向上(Breakthrough High-Speed Design)」、そして性能向上とは別の「Advanced Feature」が挙げられています。
AMD RDNA2_about
まず1つ目の特長であるコンピュートユニットの改良についてですが、シンプルに実行ユニット自体の改善で、「Prevasive Fine-Grain Clock Gating」、「Aggressive Pipeline Rebalancing」、「Redesigned Data Paths for Efficient Movement」の3つが挙げられています。
AMD RDNA2_compute_unit_improvement
2つ目の特長は超高速キャッシュメモリ「Inifinity Cache」を採用したことです。バス幅384bitのGDDR6メモリへのアクセスと比較して、128MBの大容量なInifinity Cacheとバス幅256bitのGDDR6メモリを組み合わせたRDNA2は2.17倍の実効帯域、10%低い消費電力を実現しています。
Radeon RX 6000シリーズのうち今回発表されたRX 6900 XT、RX 6800 XT、RX 6800の3モデルはいずれも128MBの大容量キャッシュメモリを搭載しています。
AMD RDNA2_Inifinity Cache
3つ目の特長として、RDNA2ではアーキテクチャの改良(最適化)によって同等の消費電力でコアクロックを30%も高速化に成功しています。
AMD RDNA2_Clock_improvement
以上3つの改良によって初代RDNAと比較して、Radeon RX 6000に採用されるRDNA2アーキテクチャでは54%ものワットパフォーマンス向上を実現しています。
AMD RDNA2_Graphic-Accomplishment
”Big Navi”というコードネームの通り、RDNA2アーキテクチャでは、初代RDNA採用の最上位モデルRX 5700 XTでも対応が難しかった4Kゲーミングにおいて2倍の性能を実現しています。
AMD RDNA2_Perfomance_vs-RX5700XT
RDNA2アーキテクチャについてはさらに拡張的な特徴として、レイトレーシング表現(DirextX Raytracing)への対応、可変レートシェーディングなどにも対応しています。
AMD RDNA2_Advanced-Feature
詳細は語られていませんが、GeForce RTX 30シリーズのRT Coreのように、レイトレーシング表現専用コア「Ray Accelerator」が実装されているようです。
AMD RDNA2_Ray-Accelerators



RX6000シリーズ公式ページ:https://www.amd.com/ja/graphics/amd-radeon-rx-6000-series
RX6900XT:https://www.amd.com/ja/products/graphics/amd-radeon-rx-6900-xt
RX6800XT:https://www.amd.com/ja/products/graphics/amd-radeon-rx-6800-xt
RX6800:https://www.amd.com/ja/products/graphics/amd-radeon-rx-6800



AMD Radeon RX 6900/6800シリーズ スペック一覧

RX 6900 XT
RX 6800 XT
RX 6800 Radeon VII
GPUコア Navi 21 XTX
Navi 21 XT
Navi 21 XL Vega
製造プロセス 7nm FinFET 7nm FinFET 7nm FinFET 7nm FinFET
Compute Unit数
80
72
60 60
シェーダー数 5120
4608 3840
3840
ベースクロック - MHz - MHz - MHz 1450 MHz
ゲームクロック 2015 MHz 2015 MHz 1815 MHz - MHz
ブーストクロック 2250 MHz 2250 MHz 2105 MHz 1800 MHz
単精度性能 23.07 TFLOPs 20.74 TFLOPs 16.17 TFLOPs 13.8 TFLOPs
Infinity Cache
128MB 128MB 128MB -
VRAM 16 GB GDDR6 16 GB GDDR6 16 GB GDDR6 16 GB HBM2
バス幅 256-bit 256-bit 256-bit 4096-bit
メモリクロック 16.0 GHz 16.0 GHz 16.0 GHz 2.0 GHz
メモリ帯域 512 GB/s 512 GB/s 512 GB/s 1000 GB/s
補助電源 8PIN×2~ 8PIN×2~ 8PIN×2~ 8PIN×2~
TBP 300 W 300W 250W 250W
発売日 2020年12月8日 2020年11月18日 2020年11月18日 2019年2月
希望小売価格 999ドル~ 649ドル~ 579ドル~
699ドル



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