『Gear1は11世代CPUの性能を下げる可能性がある』というレビューがあがりましたが、Gear1の動作自体に不具合があるというわけではなく、アンコア部消費電力の増加と、PL1/PL2による電力制限が理由。
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海外大手レビューサイトtechpowerupより、Core i5 11400Fの詳細レビューと共に、『Gear1はIntel第11世代CPUの性能を下げる可能性がある(Gear 1 can Lead to Performance Loss on Intel "Rocket Lake" 11th Gen Processors)』とのレポートが上げられました。
誤解なきように、Gear1の動作自体に何らかの不具合があるというわけではないので、そういった現象が発生する可能性とその理由について簡単に説明しておきます。
現在のIntel製CPUには、性能への影響が大きい電力制限として、「Turbo Boost Power Max(長期間電力制限/Power Limit 1)」、「Turbo Boost Short Power Max(短期間電力制限/Power Limit 2)」、「Turbo Boost Power Time Window(短期間電力制限時間/Tau)」という3つのパラメーターがあります。
PL1/PL2/Tauの話は、最近になってやっと国内の大手メディアも取り上げるようになったので、ご存知の方も多いと思います。詳細はここでは割愛するので、詳しくはこちらを。
本題の『Gear1は11世代CPUの性能を下げる可能性』について、
前世代Core i5 10400Fは全コア最大動作倍率で100%負荷がかかったとしても基本的にCPU Package PowerがPL1を超過することはありませんでした。
techpowerupによると、Core i5 11400Fの場合は全コア最大動作倍率で100%負荷がかかるとPL1:65Wの天井にひっかかるらしく、その時にGear1ではGear2よりもアンコア部で5~10W多く消費され、CPUコア部の消費電力がその分だけ制限されるため、性能が低くなってしまうということです。
なおtechpowerupのレビューではメモリ3733MHz/C16にOCされています。3733MHzの場合、VCCSAが1.450V以上要求されるというのが、当サイトにてCore i9 11900KでメモリOCを試した時の結果だったので、メモリ周波数3200MHz~3600MHzでVCCSAが下がった場合も、Gear1とGear2で性能差が逆転するかは検証してみないと分かりません。
突き詰めると電力制限の問題なので、電力制限が無効化されて(もしくは十分に高く設定されて)いれば、Gear1のほうがGear2よりも当然、高速です。
少々条件が異なるのですが、似たような事例として、当サイトで2019年に公開したCore i9 9980XEのレビューでもメモリ周波数を定格よりも上げた時に、PL1/PL2の制限により、コアクロックが下がる(性能が下がる)という現象は報じていました。
ただ今回は6コア12スレッド/TDP65Wで最大動作倍率が一番低いCore i5 11400Fで、TDP65W動作時に同じような現象が発生する可能性があるという話なので、ワットパフォーマンスの問題としては結構深刻だなと思った次第です。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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海外大手レビューサイトtechpowerupより、Core i5 11400Fの詳細レビューと共に、『Gear1はIntel第11世代CPUの性能を下げる可能性がある(Gear 1 can Lead to Performance Loss on Intel "Rocket Lake" 11th Gen Processors)』とのレポートが上げられました。
誤解なきように、Gear1の動作自体に何らかの不具合があるというわけではないので、そういった現象が発生する可能性とその理由について簡単に説明しておきます。
現在のIntel製CPUには、性能への影響が大きい電力制限として、「Turbo Boost Power Max(長期間電力制限/Power Limit 1)」、「Turbo Boost Short Power Max(短期間電力制限/Power Limit 2)」、「Turbo Boost Power Time Window(短期間電力制限時間/Tau)」という3つのパラメーターがあります。
PL1/PL2/Tauの話は、最近になってやっと国内の大手メディアも取り上げるようになったので、ご存知の方も多いと思います。詳細はここでは割愛するので、詳しくはこちらを。
本題の『Gear1は11世代CPUの性能を下げる可能性』について、
- Gear1モードはGear2モードに比べてアンコア部の消費電力が5~10W高くなる
- 第11世代CPUの全コア最大動作倍率で100%負荷がかかった時の消費電力が大きい
前世代Core i5 10400Fは全コア最大動作倍率で100%負荷がかかったとしても基本的にCPU Package PowerがPL1を超過することはありませんでした。
techpowerupによると、Core i5 11400Fの場合は全コア最大動作倍率で100%負荷がかかるとPL1:65Wの天井にひっかかるらしく、その時にGear1ではGear2よりもアンコア部で5~10W多く消費され、CPUコア部の消費電力がその分だけ制限されるため、性能が低くなってしまうということです。
なおtechpowerupのレビューではメモリ3733MHz/C16にOCされています。3733MHzの場合、VCCSAが1.450V以上要求されるというのが、当サイトにてCore i9 11900KでメモリOCを試した時の結果だったので、メモリ周波数3200MHz~3600MHzでVCCSAが下がった場合も、Gear1とGear2で性能差が逆転するかは検証してみないと分かりません。
突き詰めると電力制限の問題なので、電力制限が無効化されて(もしくは十分に高く設定されて)いれば、Gear1のほうがGear2よりも当然、高速です。
少々条件が異なるのですが、似たような事例として、当サイトで2019年に公開したCore i9 9980XEのレビューでもメモリ周波数を定格よりも上げた時に、PL1/PL2の制限により、コアクロックが下がる(性能が下がる)という現象は報じていました。
ただ今回は6コア12スレッド/TDP65Wで最大動作倍率が一番低いCore i5 11400Fで、TDP65W動作時に同じような現象が発生する可能性があるという話なので、ワットパフォーマンスの問題としては結構深刻だなと思った次第です。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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