Cooler Master MasterCase NC100


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Ghost CanyonことIntel NUC 9 Extreme Kitの基幹パーツ”Compute Element”に対応する、フルサイズグラフィックボードを搭載可能で、CPUクーラー用エアダクトを独自採用したPCケース「Cooler Master MasterCase NC100(型番:MCM-NC100-KNNA65-S00)」をレビューします。
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製品公式ページ:https://www.coolermaster.com/catalog/cases/nuc/mastercase-nc100/
マニュアル:https://coolermaster.egnyte.com/dl/VylytC3Dmu
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Cooler Master MasterCase NC100の自作PC レビュー目次


1.Cooler Master MasterCase NC100について
2.Cooler Master MasterCase NC100の梱包・付属品
3.Cooler Master MasterCase NC100の外観


4.Cooler Master MasterCase NC100のグラフィックボード設置スペース
5.Cooler Master MasterCase NC100の電源ユニット
6.Cooler Master MasterCase NC100のLEDイルミネーションについて


7.Cooler Master MasterCase NC100のビルドギャラリー
  ・Core i9 9980HK&RTX 3090を搭載したMasterCase NC100の冷え具合を試す

8.Cooler Master MasterCase NC100のレビューまとめ



【機材協力:Cooler Master】



Cooler Master MasterCase NC100について

「Cooler Master MasterCase NC100」の概要について最初に紹介します。
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「Cooler Master MasterCase NC100」は、Ghost CanyonことIntel NUC 9 Extreme Kitの基幹パーツ”Compute Element”に対応したPCケースです。Intel NUC 9 Extreme KitからPCケースアップグレードとしても使用できますが、Compute ElementはIntel公式には単品販売も展開されています。(日本国内では2020年8月現在、Intel NUC 9 Extreme KitやCompute Elementの発売は未定)
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「Intel NUC 9 Extreme Kit NUC9i9QNX」をレビュー
Intel NUC 9 Extreme Kit NUC9i9QNX

Cooler Master MasterCase NC100のカラーリングはブラックとホワイトの2色が展開されており、外観も人を選びにくいシンプルなデザインです。外装やシャーシは全て高品質なスチール製です。
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Ghost Canyon純正PCケースの寸法が奥行238mm×高さ216mm×幅96mmで容積4.9Lに対して、「Cooler Master MasterCase NC100」の寸法は奥行370mm×高さ214mm×幅128mmで容積7.9Lと2倍近く大きいサイズです。
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Intel NUC 9 Extreme Kitの純正PCケースが200mm以下のショートグラフィックボードにしか対応しないのに対して、「Cooler Master MasterCase NC100」は奥行きが大きいので全長320mm以下のフルサイズグラフィックボードに対応し、GeForce RTX 2080 Tiのようなハイエンドグラフィックボードを搭載できます。厚みについては51mmまでの2.5スロット占有に対応します。
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「Cooler Master MasterCase NC100」はSFXサイズ電源ユニットに対応しており、同社製SFXサイズ電源ユニットCooler Master V650 Gold SFXが標準で付属します。PCIE補助電源として8PIN×2を使用できます。
Cooler Master V650 Gold SFX
またGhost Canyon純正PCケースでは、Compute Elementの冷却ファン吸気口の目の前にグラフィックボード背面が来るのに対して、「Cooler Master MasterCase NC100」では専用ダクトが付属し、PCケース底面からCompute Elementの冷却ファン吸気口まで直通経路を構築できます。
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Cooler Master MasterCase NC100の梱包・付属品

まずはCooler Master MasterCase NC100の梱包と付属品を簡単にチェックしておきます。
PCケース本体は茶色の専用段ボール箱に梱包され、発泡スチロールのスペーサーとビニール袋で包装・保護されています。
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組み立てに関する付属品はPCケース内に茶色の小分けパッケージで封入されていました。
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「Cooler Master MasterCase NC100」の付属品は、Compute Element固定ネジ、内部USB3.1 Gen2ケーブル、PWM対応4PINファン端子×2分岐ミニコネクタケーブル、ARGB対応LEDコントローラー、マグネット着脱式ダストフィルター、CPUクーラーダクトです。
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「Cooler Master MasterCase NC100」は電源ユニットを標準搭載したPCケースなので、電源ユニットをコンセントに接続するためのACケーブルも付属します。ACケーブルは一般的な3PINタイプです。
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Cooler Master MasterCase NC100の外観

続いて「Cooler Master MasterCase NC100」のPCケース本体の外観についてチェックしていきます。
「Cooler Master MasterCase NC100」の寸法は奥行370mm×高さ214mm×幅128mmで容積7.9Lとなっており、自作PC向けMini-ITX対応PCケースではDAN Cases A4-SFXに近いサイズ感です。
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「Cooler Master MasterCase NC100」の外装は高品質な黒色(もしくは白色)の塗装が施されたスチールパネルとなっています。上下左右のスチールパネルにはひし形を組み合わせたエアベントが設けられています。
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PCケース天面には標準の付属品であるマグネット着脱のダストフィルターを装着できます。
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フロントパネルのみプラスチック製ですが、スチールパネル風の塗装が施されており、安っぽさは全く感じさせません。フロントパネル中央、同社ロゴでもある六角形シンボルはPCケース電源スイッチになっています。
PCケースの天面と底面に装着されたおわん型のスチールパネルは天面でも持ち運びハンドル、底面ではケース足の役割を果たしています。
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PCケース前面の下部にはフロントI/Oが配置されています。フロントI/Oの構成は右から順にリセットスイッチ(ケーブルの繋ぎ変えでLEDスイッチにもなる)、USB3.1 Gen2 Type-A端子×2、マイク・ヘッドホン用4極3.5mmジャックとなっています。
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PCケース底面も一見して天面と同じ形状になっていますが、前後のスチールフレーム上に4つのゴム足が装着されています。
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また中央のエアベントにはマグネット着脱のダストフィルターも装着されていました。
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「Cooler Master MasterCase NC100」の両サイドおよび天面のパネルはそれぞれ背面2か所のハンドスクリューによって固定されており、ハンドスクリューを解除して後方にパネルをスライドさせると着脱できます。ハンドスクリューはいずれもパネルに対して脱落防止機構が備わっています。
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「Cooler Master MasterCase NC100」の左右サイドパネルの内側にはメッシュフィルターが両面テープで張り付けられていました。こちらはマグネットではないのでフィルターの着脱には非対応です。
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「Cooler Master MasterCase NC100」の天面パネルの裏には、標準で92mm角15mm厚のスリムケースファンが2基設置されています。
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「Cooler Master MasterCase NC100」の標準搭載ケースファン(型番:DF921512RFMN)は定格ファン回転数2600RPMでPWM速度調整に対応した4PINファンです。PCケース付属の2分岐ケーブルを使用してNUC9 Compute Elementのファン端子に接続、ファン速度を制御できます。
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「Cooler Master MasterCase NC100」はフロントパネルも着脱が可能です。プラスチックのツメで固定されているだけなので、天面パネルを外してから前方へ引っ張ると簡単に取り外せます。
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Cooler Master MasterCase NC100のグラフィックボード設置スペース

「Cooler Master MasterCase NC100」のグラフィックボード設置スペースについてチェックしていきます。
「Cooler Master MasterCase NC100」はベースボードを介してPCケース内で垂直にグラフィックボードを設置します。
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Intel NUC 9 Extreme Kitの純正PCケースに装着されているベースボードにはM.2スロットやセカンダリのx4サイズPCIEスロットがありますが、「Cooler Master MasterCase NC100」のベースボードはCompute Elementから余分に1スロットの間を空けて、グラフィックボード用のx16サイズPCIEスロットが1基だけ実装されています。
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「Cooler Master MasterCase NC100」にはグラフィックボード用スペースとして、製品スペック上、『長さ320mm×高さ130mm×幅51mm』が確保されています。
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グラフィックボードの着脱がし易いように、手前上側のシャーシフレームはネジ止めで着脱が可能です。
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PCケース背面にはPCIEブラケットが5段ありますが、奥(下の写真で右寄り)の2段はCompute Element用、中央の1段はブランク、そして手前の2段がグラフィックボード用となっています。PCIEブラケット自体は2つで2スロット分しかありませんが、内部スペース的には厚み51mmが許容されているように、2.5スロットや2.7スロット占有と表記されるような大型グラフィックボードに対応します。
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グラフィックボード設置スペースをより大きく確保するためPCIEブラケットの固定ネジ部分がPCケース外側に配置されているので、PCIEブラケットカバーが装着されています。隙間から埃が混入するのを防止し、外見もスマートになります。
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Intel NUC 9 Extreme Kitの純正PCケースが200mm以下のショートグラフィックボードにしか対応しないのに対して、「Cooler Master MasterCase NC100」は奥行きが大きいので、GeForce RTX 2080 SUPER Founders Editionのような全長270mm程度のハイエンドグラフィックボードも余裕で設置できました。
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細かいポイントをチェックしておくと、グラフィックボード側面と天面ファンまでのクリアランスは、PCIEブラケットを基準にして30mm程度となっておりあまり大きくありません。PCIEブラケットとほぼ同じ高さのGeForce RTX 2080 SUPER Founders Editionでも余裕は10mm程度だったので、基板の背が高く、PCIE補助電源端子がPCIEブラケットよりも10mm以上大きくせり出しているグラフィックボードは、天面ファンと干渉する可能性があるので注意が必要です。
またグラフィックボードを固定するPCIEスロットのラッチは、隙間に指を入れてロックを解除するという構造上、上下に押し込むタイプではなく、左右方向にスライドするタイプにしておいて欲しかったところ。
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参考までに「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3080 Trinity」も設置してみました。後述の通り、厚み方向にサイズオーバーなので実際に使用することはできません。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3080 Trinity」は全長317mmで公式仕様値ギリギリの長さですが、長さ方向的には問題なく収まりました。ただし厚みは「Cooler Master MasterCase NC100」の仕様値である上限51mmを上回る58mm厚なので、シャーシにはギリギリ収まって見えるもののサイドパネルを閉じることはできないので、これくらい大きいグラボが入るくらいのスペースがあるという参考程度に。
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Cooler Master MasterCase NC100の電源ユニットについて

「Cooler Master MasterCase NC100」に標準で付属する電源ユニットについてチェックしていきます。
「Cooler Master MasterCase NC100」はSFXサイズ電源ユニットに対応しており、同社製SFXサイズ電源ユニットCooler Master V650 Gold SFXが標準で付属します。
PCケース右側サイドパネルにもエアスリットがあるのに、なぜか「Cooler Master MasterCase NC100」ではグラフィックボードの背面と向かい合わせになる方向で電源ユニットが装着されていました。

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PCケース前方に電源ユニットが装着されており、延長ケーブルを介してPCケース後方でACケーブルを接続する構造です。
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電源ユニット自体は専用のマウントブラケットを介してPCケースシャーシに固定されていますが、マウントブラケットは前方と右側面の4か所のネジによって固定されています。
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上記の固定ネジを解除するとマウントブラケットごと電源ユニットをPCケースから取り出すことが可能です。
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Cooler Master MasterCase NC100には、同社製SFXサイズ電源ユニット「Cooler Master V650 Gold SFX」が標準で付属します。
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Cooler Master V650 Gold SFXは、50%負荷時の変換効率が90%以上を証明する80PLUS Gold認証を取得、電源容量が650Wのハイパフォーマンスな電源ユニットです。+12V出力はシングルレールで54.1Aに対応しています。
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電源ユニット冷却ファンにはSFXサイズ電源ユニットでは物理的な限界となる92mm角の大型ファンが搭載されています。
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Cooler Master MasterCase NC100では電源ケーブルとして、ベースボード接続用独自12PINコネクタケーブル、EPS 8PINケーブル(4+4PINに分離可能)、PCIE補助電源 8PIN×2ケーブル、SATA電源×2ケーブルの計4本のケーブルが伸びています。
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Cooler Master V650 Gold SFXは自作PC向けSFXサイズ電源ユニットとしても同社から単独で展開されています。フルプラグイン式の電源ユニットなので、未使用のプラグインコネクタがありました。
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PCIE補助電源用コネクタが2つも余っているので、TDP250Wオーバーのハイエンドグラフィックボードとの組み合わせを考えると、PCIE補助電源ケーブルは、2コネクタの2股ケーブル1本ではなく、ケーブル2本構成にも対応しておいてほしかったところです。
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「Cooler Master MasterCase NC100」の付属電源ユニットは、プラグインケーブル構成が異なるものの、電源ユニット本体自体はCooler Master V SFX Goldシリーズの650W版と共通です。
そのため同社から発売されている850Wの大容量なSFXサイズ電源ユニット「Cooler Master V850 SFX Gold」に換装すればTGP300Wクラスのウルトラハイエンドグラフィックボードにも対応できます。
「Cooler Master V850 SFX Gold」をレビュー
Cooler Master V850 SFX Gold



Cooler Master MasterCase NC100のLEDイルミネーションについて

「Cooler Master MasterCase NC100」のPCケースフロントに搭載されたLEDイルミネーションについてチェックしていきます。

「Cooler Master MasterCase NC100」に搭載されたLEDイルミネーションは、ARGB対応VD-G型汎用3PIN LEDヘッダーがあるLEDコントローラーによるライティング制御に対応しています。
「Cooler Master MasterCase NC100」にはVD-G型3PIN LEDヘッダーのARGB対応LEDコントローラーが標準で付属するので、これを使ってライティング制御が可能です。
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付属コントローラー上には中央にスイッチが1つだけあり、スイッチを押下することで発光カラー・発光パターンを変更できます。また右上にある「SWITCH」のピンに、PCケースのリセットスイッチを差し替えるとフロントI/Oのリセットスイッチからライティング制御が可能になります。
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「Cooler Master MasterCase NC100」ではPCケースフロントの電源スイッチとボトムの2か所にLEDイルミネーションが内蔵されていて、付属コントローラーでライティング制御が可能です。
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Cooler Master MasterCase NC100の組み立て

「Cooler Master MasterCase NC100」を組み立てる手順や、上手く組み立てる豆知識を紹介していきます。

図解の公式マニュアルも公開されているので、こちらのほうがわかりやすいかも。
マニュアル:https://coolermaster.egnyte.com/dl/VylytC3Dmu

Compute Elementの扱い(SSDやメモリの装着)についてはこちらの記事を事前にご確認ください。
「Intel NUC 9 Extreme Kit NUC9i9QNX」をレビュー
Intel NUC 9 Extreme Kit NUC9i9QNX


何はともあれ、まずは上左右の外装パネルを取り外します。
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地味に見落としそうなポイントとして、購入時点ではベースボードに12PINコネクタの電源ケーブルが接続されていません。
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外装パネルを外したら一番最初に、ベースボードの12PINコネクタへ電源ケーブルを装着しておいてください。
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もう1つ忘れやすいポイントして、「Cooler Master MasterCase NC100」の付属電源ユニットにはロッカー型の電源スイッチがあります。これも標準ではOFF( O )になっているので最初にON( I )にしておくのがオススメです。
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「Cooler Master MasterCase NC100」にはI/Oケーブルとして、フロントオーディオケーブル、フロントスイッチ&LEDケーブル、ARGB対応LEDイルミネーションケーブルの3本があります。
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フロントスイッチ&LEDケーブルをCompute Elementの青色ヘッダーに接続します。また付属の4PINファン端子2分岐ケーブルも規格の合うヘッダーに接続します。
あと任意ですが、CMOSクリア用ヘッダーに市販のケーブルの長い2PINスイッチを挿しておくのもオススメです。電源ユニットの下(プラグインコネクタの方)に収納しておけば、いざという時に簡単にCMOSクリアできます。
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リセットスイッチをLEDイルミネーションのライティング制御に使いたい場合はこのタイミングでリセットスイッチのケーブルも外しておきます。
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Compute Elementをシャーシ内に装着する前にACケーブルをシャーシ後方から外しておきます。
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以上の下準備が済んだら、自作PCのグラフィックボード装着と同じ要領で、Compute ElementをPCケース内の奥にあるPCIEスロットに装着します。PCIEスロットへのネジ止めも忘れずに。
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Compute Elementを装着したら、EPS 8PIN電源ケーブルと内部USB3.1 Gen2ケーブルを装着します。EPS 8PIN電源ケーブルはプラグイン端子の正面を通って、Compute Elementと電源ユニットの間を縫うようにL字状に配線し、内部USB3.1 Gen2は電源ユニット冷却ファンの手前に通しておきます。
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続いて「Cooler Master MasterCase NC100」の大きな特徴の1つであるCPUクーラー冷却ファン用のエアダクトを装着します。エアダクトはプラスチック製、Compute Elementの正面とは両面テープで密着させる構造です。
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エアダクト底面がPCケース底面のスリットに合うよう、上手くスライドさせて装着します。地味にここが一番の難所でした。
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左右のスライドに綺麗にはまったら、一気に押し込まず、内部USB3.1 Gen2ケーブルやPCIE補助電源ケーブルなど、各種ケーブルが干渉していないか十分にちぇっくしてください。
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各種ケーブルが問題なければCompute Elementのほうへエアダクトを押し込んで、両面テープでCompute Elementとエアダクトを密着させます。
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垂直に上から見た時、PCIEスロットのラッチの奥の方の端とエアダクトの端がちょうど重なるくらいまでエアダクトを十分押し込んでください。
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エアダクトの装着が済み、ここまでに配線した各種ケーブルに問題がなければ、後方にあるフロントオーディオケーブルをCompute Elementに接続し、AC延長ケーブルの端子をPCケースシャーシに固定し直します。
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あとはLEDコントローラーをSATA電源ケーブルに接続して、底面手前の隙間辺りに収納すれば「Cooler Master MasterCase NC100」の組み立て作業、その難所と言える部分はほぼ完了です。
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ここまでは「Cooler Master MasterCase NC100」を使用した基本的な組み立て手順ですが、今回はCooler Masterから発売されている850Wの大容量なSFXサイズ電源ユニット「Cooler Master V850 SFX Gold」に換装して、ウルトラハイエンドGPUのGeForce RTX 3090を組み合わせるサンプルビルドを構築してみました。
「Cooler Master V850 SFX Gold」をレビュー
Cooler Master V850 SFX Gold

「Cooler Master MasterCase NC100」の付属電源ユニットは、プラグインケーブル構成が異なるものの、電源ユニット本体自体はCooler Master V SFX Goldシリーズの650W版と共通なので、特に問題なくCooler Master V850 SFX Goldへ換装できました。
また標準状態で気になっていた電源ユニット冷却ファンの向きをグラフィックボード背面に対面する向きから、サイドパネル側へ切り替えました。
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なお、電源ユニットを逆向きにすると、電源ユニットのプラグインコネクタがエアダクトのフレームに干渉するので少々手を加える必要があります。エアダクトは薄いプラスチック製なので一般的なハサミで簡単にカットできます。
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「Cooler Master MasterCase NC100」は長さ方向については比較的余裕があるのですが厚み51mmの制限が地味に厳しく、搭載可能なRTX 3090/3080グラフィックボードは限られます。今回は「ASUS TUF-RTX3090-O24G-GAMING」を組み込みました。
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そのままだと補助電源コネクタがPCケース天面と干渉してしまうので、アイネックスから発売されているPCIE補助電源のL字変換延長ケーブルを使用しました。
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延長ケーブルを含めてPCIE補助電源ケーブルをPCケースフロント寄りの隙間に収納することで、上手くグラフィックボードと各種ケーブルをPCケース内に収めることができました。
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PCIE補助電源のL字変換のおかげでPCケース天面とギリギリのクリアランスで収まっています。
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あとは各種パネルを装着したら「Cooler Master MasterCase NC100」の組み立ては完了です。
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Core i9 9980HK&RTX 3090を搭載したCooler Master MasterCase NC100の冷え具合を試す

今回、Core i9 9980HKとGeForce RTX 3090を組み合わせて構築したCooler Master MasterCase NC100のサンプルビルドについて、CPUとGPUの冷却性能を簡単にチェックしてみました。

まずはCPUの冷却性能について、Core i9 9980HKを電力制限無効化で動作させて、動画のエンコードで20分程度に渡ってフル負荷をかけ続けました。
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CPU温度は平均で99.7度、最大で103度まで上昇し、上限温度100度に達するので電力制限がかかってCPU Package Powerの平均値は91.5Wでした。テスト開始直後は3.8~4.0GHzのコアクロックで動作するのですが、最終的な実動平均コアクロックは3.6GHz程度に収束します。
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下は同じ検証をCore i9 9980HKに対して同じ動作設定で同じ検証をIntel NUC 9 Extreme Kitの純正PCケースで行った時の結果ですが、CPU Package Powerが106W、CPUコアクロックは3.8GHzで動作しています。
エアダクト構造も採用しているので、
Cooler Master MasterCase NC100の冷却性能はIntel NUC 9 Extreme Kitの純正PCケースより低い、というのは予想外の結果でした。
冷却性能に差が出た原因はシンプルに天面冷却ファンのファン速度だと思います。天面冷却ファンはCPUクーラーヒートシンクの排気口のすぐ手前にあって排気ファンとしても機能するので、天面
ファンが2000RPM超の高速で動作するIntel NUC 9 Extreme Kitの純正PCケースの方が冷えたようです。Intel NUC 9 NUC9i9QNX_temp_CPU-stress_PLNO
「Cooler Master MasterCase NC100」は冷却性能では純正PCケースに劣る結果となりましたが、ストレステスト終盤のファンノイズを比較すると、純正PCケースが47dB程度に対して44dB程度と静音性には優れます。
小径ファンが1400RPM程度で動作する「Cooler Master MasterCase NC100」に対して、純正PCケースは2000RPMの高速動作なので体感のファンノイズでは「Cooler Master MasterCase NC100」のほうがいっそう静かに感じました。
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続いてGPUの冷却性能について、これは搭載するグラフィックボードのGPUクーラーにも依るところが大きいのですが、今回は上に掲載している写真の通り、「ASUS TUF-RTX3090-O24G-GAMING(Quiet Mode)」で検証を行いました。
約20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress TestでGPU温度やファン速度をチェックしたところ、GPU温度は70度前半、GPUクーラー冷却ファンも17000RPMに収まる良い結果が得られました。
冒頭に書いたように実際の静音性や冷却性能は各グラフィックボードのGPUクーラーに依るところも大きいものの、「Cooler Master MasterCase NC100」はTGP300W超クラスのグラフィックボードを搭載しても高い静音性を維持してしっかりと冷却できる一例にはなったと思います。
なおGhost Canyon純正PCケースと同様ですがGPU負荷時でもやはりCPU温度は比較的に高温になりやすく、CPUクーラー冷却ファンが2500RPM程度で動作するのでこれがファンノイズのボトルネックになる可能性が高いです。
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Cooler Master MasterCase NC100のレビューまとめ

最後に「Cooler Master MasterCase NC100」の実機サンプルを検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 高品質なスチール製パネルとシャープで洗練されたデザイン
  • フロントとボトムに付属コントローラーで制御可能なLEDイルミネーションを搭載
  • Intel Compute Elementに対応したPCケース
  • 最長で320mm、51mm厚のフルサイズグラフィックボードを搭載可能
  • CPUクーラーの冷却性能を高めるエアダクトを搭載
  • 変換効率80PLUS Gold認証取得で電源容量650Wの電源ユニットを標準搭載
  • 同社製の850W容量SFXサイズ電源ユニットに換装も可能
  • 750Wや850Wの電源に換装すればTGP300W超のハイエンドグラフィックボードも使用可能
悪いところor注意点
  • ベースボードにはグラボ用x16サイズスロットのみで、セカンダリスロットやM.2スロットがない
  • 天面ファンが低速で静音性が高い反面、純正PCケースよりもCPU冷却性能は低い

「Cooler Master MasterCase NC100」は、Ghost CanyonことIntel NUC 9 Extreme Kitの基幹パーツ”Compute Element”に対応したPCケースです。
純正PCケースではショート基板で8PIN×1のグラフィックボードしか増設できないので選択肢はエントリーからミドルクラス、ごく一部オリファンモデルでミドルハイクラスのGPUに限定されてしまいますが、「Cooler Master MasterCase NC100」は全長320mmかつ厚み51mmまでのフルサイズグラフィックボードを搭載可能なスペースがあり、PCIE補助電源も8PIN×2を使用できるので、ハイエンドGPUにも対応できるのが最大の特長です。


「Cooler Master MasterCase NC100」の寸法は奥行370mm×高さ214mm×幅128mmで容積7.9Lと純正ケースの2倍近く大きいサイズとなっており、Mini-ITXサイズマザーボードが搭載可能なコンパクトPCケースに近づいてしまいますが、独自の魅力として、2基のThunderbolt3ポートなど自作PC向けMini-ITXマザーボードでは実現しにくい豊富なIOを搭載したCompute Elementにフルサイズグラフィックボードを組み合わせられるメリットは大きいと思います。

一方でもう1つの特長であるCPUクーラー用エアダクトについては評価が難しいところです。エアダクトのおかげで冷却性能が全く向上しないか、というとそんなことはないと思うのですが、天面冷却ファンが低速化して静音性が向上した反面、天面ファンはCPUクーラーの排気ファンとしても機能しているため純正PCケースと比較して総合的には冷却性能が下がるという結果でした。

以上、「Cooler Master MasterCase NC100」のレビューでした。
Cooler Master MasterCase NC100








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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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