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ドスパラのゲーミングBTO PCブランドGALLERIAにおいてMicroATX対応ミニタワーPCのスタンダードモデルに採用されている新型PCケース「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX) スタンダード ガンメタリック」をレビューします。
7年ぶりのリニューアルによって最新自作PC向けPCケースの水準に達したBTO PC専用筐体のデザインや設計を徹底解説していきます。
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ガレリア専用 SKMケース (MicroATX) レビュー目次
1.ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)の外観とフロント・リアI/O
2.ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)のサイドパネルとトップパネル
3.ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)の内部構造の概要
4.ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)の裏配線・電源ユニット設置スペース
5.ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)のストレージ設置スペース
6.ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)のグラフィックボード設置スペース
7.ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)のファン・水冷ラジエーター設置スペース
8.ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)のレビューまとめ
【注意】
今回検証するのはレビュー用の貸出機であり一般販売されてユーザーの手元に届く新品ではないので、製品や梱包に若干の傷や傷みがある場合があります。通常は新品で綺麗な状態のものが届くはずなので、サンプル機に傷等があっても無視してください。
今回のレビュー記事では「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX) スタンダード ガンメタリック」を採用するPCからGALLERIA RM5R-R36Tを例にして紹介します。
【機材協力:サードウェーブ】
【執筆:2020年12月25日、最終更新:2020年12月25日】
ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)の外観とフロント・リアI/O
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」のPCケース外観をチェックしていきます。GALLERIAの新型PCケースには今回レビューするMicroATXマザーボード対応ミニタワーSKMに加えて、ATXマザーボード対応ミドルタワーSKの2モデルがあり、本体サイズはミニタワーSKMが高さ425mm×幅220mm×奥行440mm、ミドルタワーSKが高さ480mm×幅220mm×奥行440mmです。完成品の重量は内蔵パーツによって若干前後しますが、参考重量は14~15kgとなっています。
サンプルイメージの外見がほぼ同じで、寸法も幅と奥行きが共通、全高が小さくなっているだけなのでだるま落とし的に小型化したモデルかと思ったのですが、意外と仕様に違いがあったので表にまとめました。
SKMケースはガレリアBTO PCの中でもエントリー~ミドルクラスの安価なゲーミングPCに採用されることの多い筐体なので各所にコストカットの様子が見えます。
またGALLERIA新型PCケースSK/SKMには、重厚かつ落ち着いた雰囲気のガンメタリック塗装のスチール外装パネルを採用する「Standard」に加えて、洗練されたスマートな印象を与えるへアライン表面処理アルミニウム外装パネルを採用する「Premium」の2種類があります。
GALLERIAの2020年以降発売の新モデルではR/X/Z/Uの4シリーズがありますが、R/X/Zの3シリーズは「Standard」、最上位のUシリーズでは「Premium」が採用されています。
ちなみにR/X/Zの下位シリーズでもカスタマイズ項目からアルミニウム外装パネルを採用する「Premium」にアップグレードが可能です。
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」は近年の自作向けPCケースで流行りのフラットデザインをベースに曲面も取り込み、スマートさだけでなく柔らかい印象も与えるデザインです。
旧PCケースではフロントパネル下側のスチールメッシュ部分から吸気する構造が採用されていましたが、「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」ではフロントがエアスリットのないフラットパネルになり、サイドパネルの前方寄りにある青色メッシュ部分を吸気スペースとしています。ファンが固定されているシャーシとフロントパネルの間にはスムーズな吸気ができるように50mm厚程度のスペースが確保されていました。
右側サイドパネルにはブラックスモークのアクリルウィンドウが搭載されており、PCケース内部のCPUクーラーやグラフィックボードがさりげなく見えるところも、高性能ゲーミングPCの所有欲を満足させてくれます。
フロント&トップはマットな黒色パネル、スタンダードモデルでは両サイドに重厚かつ落ち着いた雰囲気のガンメタリック塗装のスチール外装パネルを採用し、ブラックとガンメタルのツートンカラーをベースにして鮮やかなブルーがアクセントに加える配色には遊び心を感じさせます。
目を凝らすと若干ラメ感のあるガンメタル塗装なので、ヘアライン仕上げアルミニウムの上位モデルと遜色ない高級感を放ちつつ、暗めのカラーリングで落ち着きを感じます。
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」はスチール製シャーシにも綺麗な黒塗装が施されており、後ろから見ても安っぽさを感じさせることはありません。
新型PCケースの外観デザインは、コンセプトカーや工業プロダクトデザインを手掛けるデザインハウスが担当したとのことですが、「BREAK THE NORMAL(常識を打ち破れ)」をスローガンにリニューアルされた「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」ではそれを象徴するゲート(門)をモチーフにしたLEDイルミネーションがフロントパネルに搭載されているところも大きな特徴の1つです。
ちなみにこのLEDイルミネーションはフロントパネルから伸びるRGB対応4PIN汎用LEDケーブルによって、主にマザーボードのLEDヘッダーから給電されています。出荷時の標準構成では青色に発光するように設定されているようですが、各BTO PCモデル採用マザーボードのライティング制御機能によって発光カラーや発光パターンを変更可能です。ライティング制御の方法については公式ヘルプページで紹介されています。
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」はフロントパネルの着脱も可能です。旧PCケースではフロントパネルにフロントI/Oが統合されていてケーブルの長さ的にパネルの着脱が難しかったのですが、「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」ではフロントパネルとフロントI/Oが分離されてそういった問題もなく、自作er目線では地味に高評価な改良ポイントの1つです。
フロントパネルは自作向けPCケースでもよくある、太めのプラスチックのツメで固定する方式ですが、「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」はBTO PC向け筐体なので、輸送時や持ち運び時に不意にフロントパネルが外れてしまうことがないように、セーフティのネジ止めも採用されています。逆に言うと、このネジを外して、前方にパネルを引っ張ればフロントパネルの着脱が可能です。
GALLERIAの2020年最新モデルでは標準構成において非搭載になっていますが、「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」には1基の5インチベイもスペースとしては実装されており、カスタマイズ項目からDVD/Blu-rayの光学ドライブを追加可能です。
5インチベイ未使用時はカバーで覆われていますが、隙間や段差のないカバーなので、ブランクの5インチベイも目立ちません。またPCケース内部的には5インチベイのブラケットはネジ止めの着脱式になっていて、ブラケットを取り外すことも可能です。(ファン等と排他利用になっているわけでもないのですが)
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」のフロントI/Oはトップパネル前方に実装されています。向かって左から順に、パワースイッチ(パワーLED)、リセットスイッチ、ストレージLED、4×USB3.0 Type-A端子、ステレオ出力3.5mmジャック、マイク入力3.5mmジャックが実装されています。
形状についても床置きや机置きなど場所を問わずアクセスしやすい設計として、斜め45度のデザインを採用していることがアピールされています。
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」のフロントI/Oには4基のUSB3.0対応Type-A端子がありますが、2基ずつが内部USB3.0ヘッダーケーブルによってマザーボードと接続されていました。
またスタート・リセットスイッチ、電源・ストレージLEDなどフロントIOパネルコネクタは個別に分離しておらず10PINコネクタでひとめとめにされていて、ケーブルもリボンケーブルでした。ケーブルがばらけないで取り回しが良く、自作PC初心者的にも優しい構造です。
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」の背面IOを見ると、上側にマザーボードリアI/Oとリアファンスペース、中央に5段のPCIE拡張スロット、下側に電源ユニットという近年のミニタワーPCケースとしては標準的なレイアウトです。なおマザーボードやグラフィックボードのIOポートの種類・数量はBTO PCのモデルによって変わります。
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」のPCケース底面は、電源ユニット用の吸気スリットを除けば黒塗装スチール板のシンプルな形状です。
PCケース足としては、四角錐型で先端が正方形のゴムになっているインシュレーターが四隅に配置されています。グラつきもなくしっかりと安定しています。
ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)のサイドパネルとトップパネル
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」のサイドパネルとトップパネルについて解説します。まずは「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」のサイドパネルについてチェックしてきます。
今回レビューするスタンダードモデルについては重厚かつ落ち着いた雰囲気のガンメタリック塗装のスチール外装パネルがサイドパネルに採用されています。
目を凝らすと若干ラメ感のあるガンメタル塗装なので、ヘアライン仕上げアルミニウムの上位モデルと遜色ない高級感を放ちつつ、暗めのカラーリングで落ち着きを感じます。メッシュの鮮やかなブルーをアクセントに加える配色に遊び心を感じさせます。
裏配線側の左サイドパネルはシンプルなソリッドパネルですが、マザーボード側の右サイドパネルにはブラックスモークのアクリルウィンドウが搭載されており、PCケース内部のCPUクーラーやグラフィックボードがさりげなく見えるところも、高性能ゲーミングPCの所有欲を満足させてくれます。
なおGALLERIA新型PCケースSK/SKMのサイドパネルには、今回レビューしている「Standard」で採用される重厚かつ落ち着いた雰囲気のガンメタリック塗装のスチール外装パネルに加えて、「Premium」で採用される洗練されたスマートな印象を与えるへアライン表面処理アルミニウム外装パネルの2種類があります。
GALLERIAの2020年以降発売の新モデルではR/X/Z/Uの4シリーズがありますが、R/X/Zの3シリーズは「Standard」、最上位のUシリーズでは「Premium」が採用されています。
ちなみにR/X/Zの下位シリーズでもカスタマイズ項目からアルミニウム外装パネルを採用する「Premium」にアップグレードが可能です。
左右の両サイドパネルはPCケース背面において上下2か所のハンドスクリューでそれぞれ固定されています。
ネジ止めを外して後方にスライドさせるとサイドパネルを開くことができます。上下左右に位置を合わせてからシャーシの溝にスライドツメを嵌め込む構造になっています。
位置合わせを間違えると、ガタンっとパネルを落としてしまうので、欲を言えば、下端をヒンジにするようにサイドパネルをシャーシに乗せてから閉じ、スライドしてロックするような構造を採用して欲しかったところです。
続いて「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」のトップパネルについてチェックしていきます。
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」のPCケース天面には、ひし形(正確には45度回転の正方形)のエアベントが設けられたマットな黒塗装のプラスチック製パネルが装着されています。エアベントはありますが、フラットな形状なので、キーボードなど物を置くことも可能です。
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」のトップパネルは、エアベント外装パネル、ダストフィルター、ファン・ラジエーターマウントブラケット(PCケースシャーシ)の3層構造になっており、前2つはPCケースシャーシから着脱が可能です。
標準ミドルタワーのSKケースでは天面パネルはスチール製でしたが、今回レビューするミニタワーのSKMケースはプラスチック製でした。
トップパネルは背面2か所のネジで固定されており、ネジを外して後方へスライドさせるとトップパネルを取り外すことができます。
ただしトップパネルがサイドパネルの内側にあるので、トップパネルを外すには先に左右両側サイドパネルを外す必要があります。トップパネルに中にはダストフィルターもあるので、メンテナンス性を考えると若干引っかかる構造でした。
トップパネルに下にはマグネット固定で着脱が簡単な防塵メッシュフィルターが設置されています。
その下にはPCケースシャーシの天面ファン・ラジエーター設置スペースがあり、広範囲に渡ってヘックス型エアベントが設けられています。縦長のネジ穴スリットが複数列用意されており、マザーボードに寄せるor離す形でオフセット配置も可能となっており、最大で2基の140mm角ケースファンや、240サイズ水冷ラジエーターに対応します。
ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)の内部構造の概要
続いて「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」の内部構造の概要をチェックしていきます。まずはマザーボード側の俯瞰写真は次のようになっています。
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」は、前方に5インチベイが1基あるものの、基本的には近年の自作向けPCケースで主流なオープンレイアウトをベースに設計されており、PCケースフロントは大きく開放されています。
また近年のPCケースの流行としてPCケースボトムに設置される電源ユニットをチャンバー分けして、電源ケーブルを隠すPSUシュラウドも採用されています。PSUシュラウド上はストレージトレイが設置されています。
今回レビューに使用しているモデルRM5R-R36Tには横幅の狭いMicroATXマザーボードが採用されているのですが、「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」のマザーボードトレイには標準でMicroATXに合わせたスペーサーが装着されています。PCIEスロット数はMicroATXフォームファクタの4段に+1段で計5段が設置されています。
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」は最大で全高180mm程度までの空冷CPUクーラーに対応します。
ケースファンについてはフロントとリアの2か所に140mm角ファンが搭載されていました。いずれもマザーボード上ファン端子からの給電となっています。
旧PCケースでは4PINペリフェラル電源から給電する固定回転動作の煩いファンを搭載したモデルも多かったので、全てのファンがマザーボードからファン制御できるようになったのは嬉しい改良ポイントです。
ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)の裏配線・電源ユニット設置スペース
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」の裏配線スペースと電源ユニット設置スペースをチェックしていきます。まずはマザーボード裏側の裏配線スペースの俯瞰写真は次のようになっています。
マザーボードトレイのCPUクーラーメンテナンスホールも大きくとられていて、縦長でメンテナンスホールからはみ出しやすいAM4マザーボードもしっかりと収まっています。バックプレート型のCPUクーラーでもマザーボードをPCケースに装着したままで着脱が可能です。
PCケース前方寄りの裏配線スペースの厚みが大きい2段構造が採用されていて、フロントI/Oケーブルや電源ユニットからの電源ケーブルの動線を綺麗に確保でき、ケーブルマネジメントにも優れた設計です。
裏配線スペースの厚さはマザーボードトレイやシャーシの凹凸で若干前後しますが、マザーボードトレイの裏が18mm前後、ケーブルホールよりも前方の凹み部分は30mm程度が確保されています。
続いて「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」の電源ユニット設置スペースをチェックしていきます。
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」では最近のPCケースで主流なボトム吸気型の電源ユニットのボトム配置構造を採用、マザーボード側からは電源ユニットや電源ユニットから伸びるケーブルを隠してケース内をキレイに見せるPSUシュラウドも採用されています。
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」では電源ユニットの固定方法として、単純にPCケース内から電源ユニットを配置して外側からネジ止めする構造が採用されています。
電源ユニットの奥行のクリアランスについて、「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」はボトムスペースにストレージ用のシャドウベイ等は一切ないので、PSUシュラウド内は基本的に全て電源ユニットや電源ケーブルのスペースとして利用でき、自作PC向け電源ユニットを想定すれば奥行クリアランスの制限はありません。
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」では電源ユニットがPCケース底面から吸気を行う構成なので、PCケース底面にはスライド式で簡単に着脱可能なナイロンメッシュの防塵ダストフィルターが付属しています。
PCケース底面には電源ユニット冷却ファンが吸気するためのエアスリットがありますが、幅100mm、奥行15~150mmのレイアウトになっていて、ファン吸気面の大部分はカバーできているものの、幅は若干狭めです。
ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)のストレージ設置スペース
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」のストレージ設置スペースをチェックしていきます。まず「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」のレビュー用サンプル機として使用しているGALLERIA RM5R-R36Tでは、同モデルの標準構成と同じく、NVMe M.2 SSDがマザーボードのチップセット下M.2スロットに装着されていました。
各BTO PCモデルで採用されているマザーボードによっては2つ以上のM.2スロットを搭載していることもあり、そういった製品では空きのM.2スロットを使用してストレージの増設が可能です。また標準搭載のM.2 SSDヒートシンクがある場合はヒートシンクも使用されます。
ポート数はマザーボードによって異なりますが、Micro-ATXマザーボードの場合、基本的には少なくとも4基くらいは空きのSATAポートがあるはずなので、後述のストレージ設置スペースを使用して、2.5インチSSDや3.5インチHDDの増設が可能です。フロントには5インチベイも1基あるので、光学ドライブも増設できます。
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」の主なストレージ設置スペースは裏配線側にあり、マザーボードトレイ裏面の2.5インチストレージトレイ×2、およびPSUシュラウド上の3.5インチストレージトレイ×2の2か所です。
3.5インチストレージトレイは単純に両端でマザーボード側PSUシュラウド上にネジ止めされています。3.5インチ規格だけでなく2.5インチ規格のネジ穴も開けられているので、3.5インチHDDや2.5インチSSDを装着できます。
カスタマイズ項目としても用意されていますが、PCケースフロントには5インチベイも1基あるので、DVD/Blu-rayの光学ドライブも追加可能です。
ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)のグラフィックボード設置スペース
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」のグラフィックボード設置スペースについてチェックしていきます。「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」はPCケース前方にドライブベイなどがないオープンレイアウトで、写真のように長さ方向のクリアランスも300mm以上と十分なので、グラフィックボードの互換性を心配する必要はありません。
PCケースフロントに簡易水冷ラジエーターを設置したとしても、ファン&ラジエーターで一般的な60mm厚以下であれば、グラフィックボードの長さクリアランスとして310~320mmを確保できます。
グラフィックボードの高さ方向についても、PCIEブラケットと同じ高さからPCケースサイドパネルまでが80mm程度と十分な余裕があるので、PCIEブラケットから大きくはみ出すような背の高いオリファンモデルでもPCIE補助電源ケーブル/コネクタがPCケースと干渉する心配はありません。
ミドルクラスGPUのGeForce RTX 3060 Ti搭載などエントリー~ミドルクラスのゲーミングPCでも、「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」を採用するガレリアBTO PCなら、将来的に全長300mmクラスのグラフィックボードに増設が可能です。
ドスパラ専売で同社のRTX 3090/3080搭載BTO PCにも採用されているPalit GeForce RTX 3090/3080 GamingProは全長約300mmかつ3スロット占有の超大型グラフィックボードですが、「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」では余裕をもって設置できました。
管理人がPCケースをチェックする時の重箱の隅をつつくような細かい項目、PCIEスロットの固定ネジとシャーシの干渉についてですが、「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」では固定ネジがシャーシの外側にあって、シャーシがネジに被っておらず、ドライバーを使用した拡張ボードのネジ止めも簡単です。
ネジ穴が外にある場合は拡張ボードのPCIEブラケットを装着する構造上、PCIEブラケットの手前に穴が開いてしまうのですが、ここを隠すための開閉式カバーも設置されています。
ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)のファン・水冷ラジエーター設置スペース
続いて「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」の冷却ファンと水冷ラジエーターの設置スペースについてチェックしていきます。従来PCケースKT/KTMではフロント下方に120mmサイズで設けられていた吸気スペースは、新型PCケース「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」では、サイドパネル前方の両側面となり面積は約3倍に広くなっています。またフロントに搭載可能なファンサイズも140mmへと大型化され、最大で120mmファン2基まで増設にも対応します。
PCケースリアのファン・ラジエーター設置スペースについて、120mm角もしくは140mm角のケースファンを1基設置可能です。固定ネジ穴は縦長のスリット状になっているので、120mm角ケースファンであれば、上下方向に若干のオフセット配置が可能です。
水冷ラジエーターについては120mmサイズでもシャーシと干渉する可能性が高く基本的に設置はできません。
PCケースフロントのファン・ラジエーター設置スペースについて、120mm角×2もしくは140mm角×1のケースファンを設置可能です。水冷ラジエーターは120/140/240サイズを問題なく設置できます。
ファン・ラジエーター固定用のネジ穴は縦長スリットなのでラジエーターのネジ穴間隔に合わせて設置が可能です。
PSUシュラウド前方にはフロント側ファンマウントスペースとの間に厚み70mm程度のホールがあります。一般的な簡易水冷クーラーでファン&ラジエーターの厚みは60mm以下なので、PSUシュラウドとファン&ラジエーターが干渉する心配はありません。
PCケースフロントはサイドパネル前方が吸気面となっていますが、PCケース内への埃の混入を抑えるため側面のメッシュ部分がダストフィルターの役割も果たすので吸気スペースに使用するのがおすすめです。
PCケーストップのファン・ラジエーター搭載スペースについて、120mm角もしくは140mm角のケースファンを2基設置可能です。水冷ラジエーターは120/140/240サイズは問題なく設置できます。280サイズはネジ穴的には問題ないのですが、マザーボードやメモリと干渉する可能性が非常に高いです。
PCケース天面のファン・ラジエーター設置スペースは、マザーボード上端との間隔が25mm程度しかありません。水冷ラジエーターを使用する場合はマザーボードやメモリとのクリアランスが少々厄介なので、ファン&ラジエーターが1基だけであれば、PCケースフロントに設置するのが推奨です。
ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)のレビューまとめ
最後にドスパラのゲーミングBTO PCブランドGALLERIAにおいてMicroATX対応ミニタワーPCのスタンダードモデルに採用されている新型PCケース「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX) スタンダード ガンメタリック」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- BTO PC用オリジナル筐体とは思えないスタイリッシュな外観
- ガンメタルスチールパネルとヘアラインアルミニウムパネルの2種類
- ブラックスモークのアクリルウィンドウを搭載
- ゲートを模したLEDイルミネーション搭載(ライティング制御にも対応)
- 自作向けPCケースでも主流なオープンレイアウトを採用
- ゆとりのある裏配線スペースで綺麗なケーブルマネジメントが可能
- 300mm超の大型グラフィックボードに対応、PCIEスロットを5段搭載
- 5インチベイ対応ドライブを1基増設可能
- 2.5インチストレージを2基増設可能
- 3.5インチストレージを2基増設可能(2.5インチストレージにも対応)
- 電源ユニットのクリアランスで奥行制限はなし
- スライド式で着脱の容易な電源ユニット冷却ファン用のダストフィルター
- 240mmサイズ水冷ラジエーターを搭載可能(非公式)
- サイドパネルの着脱はシャーシに上から乗せる構造にして欲しかった
- トップパネルは左右サイドパネルを外した状態でないと着脱できない
- 天面とMB上端の間隔は25mm程度なので、水冷ラジエーター設置スペースとしては不向き
- フロントUSBポートをフルに使うにはマザーボード上に内部USB3.0が2基必要
- GPUホルダー「リジッドカードサポート」には非対応(2020年12月現在、今後変わるかも)
新生GALLERIAでリニューアルされた「ガレリア専用 SKケース (ATX)」は、近年の自作向けPCケースのトレンドをふんだんに取り入れ、デザイン面では鮮やかな青色メッシュを組み込むなど美しさの中にユニークさも感じられ、自作er目線でも高評価なPCケースでした。
ミニタワーPCケースの「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」はというと、検証前はSKケースがダルマ落とし的に高さが低くなっただけと想像していたのですが、GPUホルダーやPSUスロットイン構造の省略、天面パネルのプラスチック化など、小型化に影響されない部分にもコストカットの跡を感じました。もともとガレリアBTO PCの中でもエントリー~ミドルクラスの安価なゲーミングPCに採用される筐体なので仕方ないところなのでしょう。
とはいえ「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」も、鮮やかな青色メッシュを組み込むユニークで美しいデザインはSKケースと共通ですし、オープンレイアウトやPSUシュラウド採用といった近年のPCケーストレンドも押さえるべきポイントは押さえて、PCケースの作りもペラペラ感やガタつきもなく高い製造精度でガッシリとしています。
同社SKケースと比較すると評価は下がるのは否めませんが、自作PC向けに1万円以下で販売されているエントリー~ミドルクラスのPCケースと比較すれば、上位互換な高コストパフォーマンス筐体だと思います。
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」はガレリアBTO PCの中でも比較的にコンパクトなグラフィックボードを搭載するエントリーからミドルクラスのゲーミングPCに採用されることの多いPCケースですが、内部スペース的には全長300mm&3スロット占有な超大型ハイエンドグラフィックボードにも余裕で対応が可能です。
「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」を採用するエントリー~ミドルクラスのゲーミングPCは価格も安価なので、まずは低予算でゲーミングPCに入門してみて将来的に上位GPUへのアップグレードを狙う初心者ゲーマーにもマッチするPCケースです。
ドスパラのゲーミングBTO PCブランドGALLERIAというと、『価格はそこそこ、納期が飛び抜けて早い』もののPCケース設計が古臭いといのが玉に瑕だと自作er目線で感じていましたが、今回のリニューアルでそういった評価は完全に払しょくされました。新PCケースの採用によって設計の古いPCケースを採用したままのBTO PC競合メーカーとの差が開くのは間違いないと思います。
今回はリニューアルされた「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」について解説しましたが、ドスパラのゲーミングブランド「GALLERIA(ガレリア)」で販売されるゲーミングBTO PCの特徴や賢い選び方、おすすめのモデルについてはこちらの記事も参考にしてください。
・ドスパラ「GALLERIA」のおすすめゲーミングBTO PCの選び方
以上、「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」のレビューでした。
・ドスパラ ゲーミングBTO PC「GALLERIA」の販売ページへ
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ドスパラのゲーミングBTO PC”GALLERIA”の新型ミニタワーPCケース「ガレリア専用 SKMケース (MicroATX)」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) December 25, 2020
意外とコストカットされているSKMケースと、標準ミドルタワーSKケースとの違いを比較解説。https://t.co/HleZli5FHH pic.twitter.com/rdGV9kbpoG
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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