スポンサードリンク
Ryzen 7000シリーズCPUのヒートスプレッダの隙間から零れたグリスが基板や素子に付着するのを防止する「PCER24 Ryzen 7000 CPU用グリスガードブロック」をレビューをします。
「PCER24 Ryzen 7000 CPU用グリスガードブロック」は茶箱の中に緩衝材のエアパッキンでグリスガード本体だけが封入されているというシンプルな梱包でした。グリスガードが輸送中に破損する心配はありません。
グリスガードブロックは3DプリンタによってAMD Ryzen 7000シリーズCPUのヒートスプレッダの凹凸に合わせてピッタリの形状に造形されています。柔らかいわけではありませんが、曲げた時にすぐに折れるというわけでもない柔軟性もあるという素材感です。
平面的に形を合わせているだけでなく、ヒートスプレッダの窪みにハマる立体的な形状です。下側へ立体的に出っ張った部分がIHSにピタッとハマるので装着後に位置がズレません。
PA11と呼ばれるナイロン系素材で耐熱性は180度まで耐え、薬品耐性もあるとのことで、アルコールや電気機器用パーツクリーナーを使用して洗浄しても問題ないとのこと。
「PCER24 Ryzen 7000 CPU用グリスガードブロック」の使い方はシンプルにCPUをマザーボードに固定したら、CPUヒートスプレッダとILMの隙間を埋めるようにグリスガードを装着するだけです。
「PCER24 Ryzen 7000 CPU用グリスガードブロック」のグリスが零れるのを防止するという機能自体は基本的に問題ないのですが、注意点として、組み合わせるマザーボード次第でCPUクーラーとガードパッドが干渉する可能性があります。
AM5マザーボードのCPU固定金具(ILM)にはLOTES製とFoxconn製の2種類があります。ILMメーカーの確認方法は下の写真の通りです。ILMの色は関係ありません。
公式サンプルイメージはLOTES製ILMのマザーボードを使用しているようですが、Foxconn製ILMのマザーボードに「PCER24 Ryzen 7000 CPU用グリスガードブロック」を使用すると、上の写真のようにグリスガードがCPUヒートスプレッダよりも高くなってしまいます。
「PCER24 Ryzen 7000 CPU用グリスガードブロック」の厚み(立体的な部分を除く)は0.8mm程度でした。
3Dプリンタで造形できるのか、強度は問題ないのか、といった問題はありますが、厚み0.4mmくらいにしないとFoxconn製ILMのマザーボードでCPUクーラーと干渉しそうです。
Noctua NA-TPG1の発売が遅れているのはこの問題が原因かも。(エルミタでプレス向けサンプルを使用した先行レビューが公開されていますが、この問題を見落としている可能性あり?)
着脱が容易、再利用できるということで「PCER24 Ryzen 7000 CPU用グリスガードブロック」には期待していたのですが、一部マザーボードと互換性がないのは管理人の用途としては致命的でした。
Amazonで購入できるポリイミドテープで自作したカバーを超えるものがなかなかない……。
【2023年1月8日追記】---------
製造元にフィードバックしたところ、改良版?の「グリスガードブロック アーク」が発売されたので再度確認してみました。
「グリスガードブロック アーク」も基本的な設計や素材は初期モデルと同じです。
初期モデルからの改良ポイントとして、「グリスガードブロック アーク」ではILM左右の高い部分でもCPUヒートスプレッダよりもグリスガードのフレームが高くならないように円弧状に薄くなっています。
測定してみたところ、フレームの大部分は初期モデル同様に0.8~0.9mmでしたが、左右の中央にある最薄部は0.5mm程度に薄くなっていました。
初期モデルでは干渉してしまったFoxconn製ILMのマザーボードで「グリスガードブロック アーク」を試してみました。
左右の中央部は薄くなっている影響か、微妙にたわみました。あとこれも製造誤差かもしれませんが、初期モデルよりもIHSの凹みに対してフレームの出っ張りが大きく、はめ込む&取り外しが硬いところは少々気になりました。
中央のたわんでいる部分はそのままだとヒートスプレッダよりも高くなっていますが、CPUクーラー等で上から抑えればギリギリでヒートスプレッダ天面と同じくらいの高さになります。
初期モデルのようにIHSより明らかに高くなることはないものの、「グリスガードブロック アーク」でも今回使用したFoxconn製ILMのマザーボードだとかなりギリギリの高さです。
改良バージョンの「グリスガードブロック アーク」は、一応、CPUクーラーと干渉していないと思いますが、それでもFoxconn製ILMのマザーボードだとILMやIHSの寸法誤差で干渉してもおかしくない程度のギリギリ感です。
Foxconn製ILMのマザーボードと組み合わせた場合、”絶対に問題ない”と断言できるほどのクリアランスはありません。
Amazonの販売ページでもメーカーの注記で『※一部金具の個体差や相性によって、CPUクーラーのベース面との干渉が発生する場合は紙ヤスリ等で厚みを調整してください』と記載されているので、使用する時は各自で十分に確認してからCPUクーラーを取り付けてください。
以上、「PCER24 Ryzen 7000 CPU用グリスガードブロック」のレビューでした。
関連記事
・AMD Ryzen 7000&AM5マザーボードのレビュー記事一覧へ・Intel第13世代Raptor Lake-Sのレビュー記事一覧へ
・Intel第12世代Alder Lake-Sのレビュー記事一覧へ
・Core i9 12900Kの殻割りクマメタル化&銅製IHSの冷却性能を検証
・AMD Ryzen 5000シリーズCPUのレビュー記事一覧へ
・X570/B550チップセット搭載AM4マザーボードのレビュー記事一覧
・主要4社B450マザーボードを徹底比較!第3世代Ryzenにイチオシはどれか?
・【できる!メモリOC】 OCメモリの選び方から設定まで完全解説
・【できる!自作PC】2019年最新CPUの選び方とオススメCPUを徹底解説
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
スポンサードリンク