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ProGrade Digital(プログレードデジタル)から発売中の、最大で読み出し800MB/s、書き込み700MB/sに達し、動画撮影向け性能規格VPG400に対応するCFexpress Type Aメモリカード「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R 160GB(型番:PGCFXA160GPJP)」をレビューします。
ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800Rについて
まずは「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R」の製品実物をチェックしていきます。「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R」は160GB容量で3万円以上という非常に高価なメモリカードですが(NVMe M.2 SSDなら容量2TBのものも買える)、梱包は紙製スリーブにプラスチックケースという簡素な構成です。付属品もソフトウェアDLシートと簡易マニュアルのみ。
「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R」のメモリカード本体をチェックしていきます。
「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R」は、その名の通り、CFexpress Type A規格のメモリカードです。補強・放熱のために表裏に装着された金属製プレートのシルバーが高級感を醸し出しています。
「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R」などCFexpress Type Aメモリカードの接続端子数は1列13本です。またSDカードで一般的な書き込みロックのスライドスイッチはメモリカード上に実装されていません。
ちなみにCFexpress Type Aカード初期製品であるSony製はサンプルイメージだと分かり難いですが、外装カバーは金属製で、金属板からインサート成型されています。
もう少し詳しくは、高速化と耐久性の向上のためIC部品とメモリーを1パッケージで樹脂封入するSIP構造を採用し、SIP構造部と下ケースの間に放熱板を配置し外装ケースへ効率的な熱伝導を実現しています。
「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R」の寸法は横20.0mm×縦28.0mm×厚み2.8mmです。高速メモリカードとして主流なSDXCカードと比較すると、大幅に高速化しているにもかかわらずカードサイズは小型になっています。
「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R」は接続規格(物理インターフェース)としてCFexpress Type Aに対応しています。下の写真のように純正メモリカードではありませんがSony α1でも問題なく使用できます。
今のところCFexpress Type Aをサポートするカメラはあまり多くありませんが、2021年末に発売されたSony α7 IVが対応しているので、フルサイズミラーレス一眼ユーザーにとって全く手が届かない存在というわけでもありません。
CFexpressが策定する動画向け性能指標 VPG(ビデオパフォーマンスギャランティ)について、「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R」は400MB/sで安定した動画記録が可能な”VPG400”の認証を取得しており、4K/8Kの超高解像度なビデオ録画に最適なメモリカードです。
加えて多くのメモリメーカーではフラッシュメモリのビット記録方式(SLC/MLC/TLCなど)は非公表ですが、
「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R」は書き込み速度、書き込み耐久性、低発熱性に優れたSLCメモリが採用されています。
ProGrade Digital製CFexpress Type Aカードリーダーについて
ProGrade Digitalからは今回レビューするCOBALT 800RのようなCFexpress Type Aカードに対応するUSB接続カードリーダーとして「ProGrade Digital CFexpress Type A and SDXC UHS-II Dual-Slot Card Reader(型番:PGRWCFXTASDAJP)」が発売されています。ProGrade Digital製CFexpress Type Aカードリーダーは化粧箱の蓋を開くと、プラスチック製スペーサーの左側に本体が収めれていました。右側にはケーブルなど付属品があります。
ProGrade Digital製CFexpress Type Aカードリーダーの付属品は、USB Type-C to Type-Cケーブル、USB Type-A to Type-Cケーブル、マグネット固定用シール、ソフトウェアDLシートです。
ProGrade Digital製CFexpress Type Aカードリーダーのカードリーダー本体をチェックしていきます。
ProGrade Digital製CFexpress Type Aカードリーダーの本体サイズは、横幅70.8mm×奥行70.8mm×厚み18mmです。
Sony純正のCFexpress Type AカードリーダーMRW-G2はアルミニウム製外装なので、プラスチック製のProGrade Digital製CFexpress Type Aカードリーダーは見た目が少しチープかもしれませんが、本体重量は79gで20g程度軽量です。
縦横70mmの正方形板という感じの形状で、前面には縦に並んでメモリカードスロットがあり、後方にUSB Type-Cポートがあります。側面の上下角に設けられた縦スリットは放熱のための通気口になっています。
ProGrade Digital製CFexpress Type Aカードリーダーの底面には中央くりぬきで四角枠のゴム足が貼り付けられています。
ProGrade Digital製CFexpress Type Aカードリーダーは本体底面側にマグネットを内蔵しています。
上の写真ではスチール製スタンドにマグネット貼り付けていますが、ProGrade Digital製CFexpress Type Aカードリーダーにはマグネット固定のベースにするためのシールが付属しており、モバイルPC天板等にシールを貼れば、場所を選ばず簡単に固定できます。
Sony製CFexpress Type AカードリーダーはCFexpress Type AとSDXC UHS-IIの両方に対応したスロットが1基だけ実装されていますが、ProGrade Digital製CFexpress Type AカードリーダーにはCFexpress Type AとSDXC UHS-IIのメモリスロットがそれぞれ縦に並んで実装され、USB3.2 Gen2帯域の最大10Gbps(約1200MB/s)で同時に読み書きが可能です。
今回紹介しているのはCOBALT 800Rに合わせてCFexpress Type A&SDXC USH-IIのデュアルスロットモデルですが、ProGrade Digital製メモリカードリーダーには、SDXC USH-II×2のデュアルスロットや、CFexpress Type B対応など幅広いモデルが発売されています。
ProGrade Digital製CFexpress Type Aカードリーダーにメモリカードを挿入すると、CFexpress Type Aは末端が2mm程度飛び出す状態ですが、ほぼ全体がスロット内に収まります。一方でSDカードは10mm程度が飛び出した状態になります。
またProGrade Digital製CFexpress Type AカードリーダーのCFexpress Type Aスロットはバネ仕掛けになっていて、メモリカード挿入状態でさらに押し込むと、メモリカードが押し出されます。
ProGrade Digital製CFexpress Type Aカードリーダーはメモリカードスロットを前方として、後方にUSB Type-Cポートが実装されています。
USB Type-AケーブルとUSB Type-Cケーブルの両方が付属するのでPC側USB端子がどちらでも問題なく使用できます。
ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800Rの性能を比較検証
「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R 160GB」の性能をIOベンチマークや、ミラーレス一眼カメラを使用した実用シーンで検証していきます。「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R 160GB」はアウトボックスの状態で、ファイルフォーマットはexFAT、使用可能な空き容量はおおよそ一致で148GBでした。
まずはPC向けSSD同様にCFexpress Type Aカードでも定番のベンチマークCrystalDiskMark8を使用して、「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R 160GB」の性能をチェックしてみました。
「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R 160GB」はCFexpress Type Aに対応したUSB3.2 Gen2(10Gbps)接続のカードリーダーと組み合わせることでPC接続時に最大で読み出し800MB/s、書き込み760MB/sの高速アクセスに対応します。
USB3.2 Gen2(10Gbps)接続のCFexpress Type Aカードリーダーを使用してCrystalDiskMark8を実行したところ、「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R 160GB」は連続読み出しで900MB/sと連続書き込みで750MB/s超という公式スペックを上回る性能を発揮しました。
現在最も普及しているSDXCカードで現状最速のUHS-II対応製品でも読み出し300MB/s、書き込み250MB/s程度なので、3倍程度と大幅に高速です。
続いてカードリーダーを介したPC上でのIOベンチではなく、もうちょっと実用寄りな検証結果をご紹介していきます。
検証にはCFexpress Type Aに対応するフルサイズミラーレス一眼カメラ「Sony α1」を使用します。
「Sony α1」や「Sony α7S III」のように4K以上の超高解像度や120FPS以上のハイフレームレートで動画撮影が可能なデジタル一眼カメラでは安定して動画撮影ができるように、SDカードのVideo Speed ClassやCFexpressが策定する動画向け性能指標 VPG(ビデオパフォーマンスギャランティ)によって設定可能な画質モードに制限がかかります。
Sony α1の各記録方式における対応メモリーカードの詳細は公式サポートページを参照してもらうとして、今回レビューする「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R」はCFexpressが策定する動画向け性能指標 VPG(ビデオパフォーマンスギャランティ)のVPG400に対応しているので、Sony α1と組み合わせた場合、XAVC S-I 4K形式による4K/60p(600Mbps)やXAVC HS 8K形式による8K/30p(520Mbps)の動画撮影が可能です。
実用的な性能の検証として、フルサイズのミラーレス一眼カメラ Sony α1のJPEG保存(50M, X.FINE)、最速30枚/秒のHi+モードで連写を行い、「ProGrade Digital SDXC UHS-II COBALT 300R 256GB」がどれくらい速く写真保存を完了できるか比較してみました。
Sony α1で撮影する対象は当然同じ、各SDカードはフォーマット直後の状態で連写をスタートしています。連写で撮影する枚数は200枚になるよう揃えました。合計容量は5GB程度でした。
動画を見ての通り、UHS-I接続規格のSDXCカードではバッファ超過で連写速度が落ちるまでに撮影できる枚数が120枚前後に対し、「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R 160GB」なら160枚前後も撮影できます。
計200枚の写真の保存が完了するまでSDXC UHS-Iカードで1分10秒(70秒)前後、UHS-IIのCOBALT 300Rで22秒前後ですが、「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R 160GB」は15秒弱で完了してしまいます。
また「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R 160GB」はバッファ超過後も15枚/秒で連写ができています。SDXCだとUHS-Iで3枚/秒、UHS-IIでも10枚/秒程度なので、圧倒的に高速です。
スチルの連写は10枚以下、動画はフルHDがメインということであれば、価格もこなれているUHS-I規格のSDXCカードが容量単価においてコストパフォーマンス面で優秀ですが、数十枚以上の連写をしたい、4K/8Kなど超高解像度の動画撮影をしたいということならCFexpress Type A接続規格の「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R」はオススメです。
以上、「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R 160GB」のレビューでした。
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書込性能700MB/s、動画撮影性能VPG400に対応するメモリカード「ProGrade Digital CFexpress Type A COBALT 800R 160GB」をレビュー。5010万画素で8K動画撮影も可能なSony α1で検証してみる。https://t.co/HDB5gwMxnN pic.twitter.com/83N2WZ9p7y
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) March 6, 2022
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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