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PCIE5.0電源(12VHPWR)にも対応する、Cybenetics Platinum認証を取得かつ電源容量1200WのハイエンドATX電源ユニット「SilverStone HELA 1200R Platinum(型番:SST-HA1200R-PM)」をレビューします。
ハードウェアスイッチで切り替え可能なセミファンレス機能の使い勝手や、GeForce RTX 4090などウルトラハイエンドグラフィックボードを搭載しピーク負荷が500Wオーバーに達する環境において静音動作が可能なのか徹底検証していきます。
製品公式ページ:https://www.silverstonetek.com/jp/product/info/power-supplies/ha1200r-pm/
SilverStone HELA 1200R Platinum レビュー目次
1.SilverStone HELA 1200R Platinumの外観や概要について
2.SilverStone HELA 1200R Platinumのケーブルや電源端子について
3.SilverStone HELA 1200R Platinumのファンノイズ
4.SilverStone HELA 1200R Platinumのレビューまとめ
【機材協力:SilverStone】
SilverStone HELA 1200R Platinumの外観や概要について
早速パッケージを開封して「SilverStone HELA 1200R Platinum」の外観や付属品をチェックしていきます。パッケージの構造はN型箱で開くと、左側にはスポンジスペーサーに保護された電源ユニット本体が収められており、各種ケーブル類は紙製の間仕切りはあるものの素の状態で右側に収められていました。
プラグインケーブル以外の付属品は、ACケーブルと電源ユニット固定用のインチネジ4個です。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」本体をチェックしていきます。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」は電源ユニット側面にメーカーロゴや製品名が描かれたシールが貼られている以外に装飾の類はなく、シンプルな外観です。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」は電源容量1200Wの大容量ですが、変換効率89~91%以上を保証するCybenetics Platinum認証の低発熱を活かして奥行はコンパクトな150mmとなっています。1200Wの電源ユニットとしては最小クラスの奥行です。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」は近年主流な140mm角(135mm径)の冷却ファンを搭載しています。冷却ファンの定格ファン回転数は1700RPM、高耐久な流体動軸受け(FDB; Fluid Dynamic Bearing)を採用しています。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」は電源負荷25%(300W)以下において冷却ファンが停止するセミファンレス機能にも対応しています。セミファンレス機能はAC端子やロッカースイッチの傍に実装されたボタンでオン/オフを切り替えが可能です。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」はATX24PINからPCIE補助電源まで全てのケーブルが着脱可能なフルプラグイン式になっているので環境に合わせて使用するケーブルが選択できます。
ATX24PIN端子と並んで追加で6PINのSense端子が実装されています。Sense端子は製品公式ページでも補足されているように、『1~2%の電力制御パフォーマンス向上』のために実装されています。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」のプラグイン端子のピンアサインは、基本的に同社の従来モデルと共通なので、SilverStone第3世代プラグインコネクタにも対応するショートケーブル PP06BEシリーズだけでなく、従来品のショートケーブルキット PP05-Eも使用できます。
なお上で紹介したATX24PIN電源ケーブルのSense端子はオプショナルな電力供給安定機能なので、PP06BEやPP05-EのようにSense端子のないATX24PIN電源ケーブルも問題なく使用できます。
ただし「SilverStone HELA 1200R Platinum」など第3世代プラグインコネクタのSilverStone製電源ユニットでは従来モデルとの違いとして、EPS電源とPCIE補助電源のプラグインコネクタが共通化しています。従来モデル(第2世代プラグインコネクタ)ではEPS電源は黒色、PCIE補助電源は青色のコネクタでピンアサインも異なっています。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」ではPCIE補助電源プラグインケーブルのみPP05-E/Lなど従来のアクセサリパーツと非互換なので注意してください。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」などPCIE電源とEPS電源でプラグインコネクタが共通化された電源ユニットでPCIE電源ケーブルをショートケーブルに変更したい場合は、新たに発売されたショートケーブル PP06BEシリーズの「PP06BE-PC335(EPS/ATX12V 8pin to PCIe 6+2pin)」を使用してください。
ACコンセントケーブルは国内のPC関連でよく使われる3PINタイプの端子になっています。コンセントからの電力供給を簡単にカットできるロッカー型ハードウェアスイッチが付いています。排気用の背面エアスリットもほぼ全体に及び大きく取られているので通気性も十分です。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」はCybeneticsが展開するETAという基準において、対応負荷の広域で89~91%以上という優れた電力変換効率揮することが確認済みのCybenetics Platinum認証を取得しています。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」の電源容量は1200Wの大容量で+12Vはシングルレールで100Aの出力に対応します。
10コア以上のウルトラメニーコアCPUへ電力供給を行うEPS電源や、TGP300W超のウルトラハイエンドGPUへ電力供給を行うPCIE補助電源では、それだけで20Aを超える出力を要求することもありますが、「SilverStone HELA 1200R Platinum」はそれらに対して安定した電力供給が可能な容量を備えています。
また「SilverStone HELA 1200R Platinum」はIntelが策定した電源ユニット新規格であるATX3.0(2022年2月のデザインガイド)に準拠しています。
ATX3.0の特に大きな特徴として、将来的に最大600Wの電力供給が可能な12VHPWR電源、瞬間的に電源容量の2倍の出力が可能な2X Peak Power Excursionに対応しています。
12VHPWRの規格として供給可能な電力は最大600Wですが、12VHPWRで接続されたPCIE拡張カード側から認識できる電源ユニットの供給可能電力は600W/450W/300W/150Wの4種類に分けられます。
12VHPWRには実際に電力供給を行う12PINに加えて、電源ユニットとPCIE拡張ボードが供給可能電力や稼働状態を伝えるサイドバンドシグナルのための4PINがあります。
この4PINのうちSense0(S3)とSense1(S4)の状態によってPCIE拡張ボードは接続された電源ユニットが供給可能な電力を認識できます。
例えば電源ユニットがSense0を開放、Sense1を接続(グランド)とすることで、PCIE拡張ボードはその電源ユニットが最大450Wまでの電力供給に対応している、と認識できます。
12VHPWR対応電源ユニットといっても必ずしも最大値の600W給電に対応しているわけではなく、上記の通り、600W/450W/300W/150Wの4種類があるので、IntelのATX3.0デザインガイドでは電源ユニットや電源ケーブル自体が対応している最大電力を12VHPWRケーブルに明記するよう規定されています。
以上を踏まえて、「SilverStone HELA 1200R Platinum」の話に戻ります。
公式ページにおいて『PCIE5.0(12VHPWR)電源に対応』とのみ表記されており、接続された拡張ボード側から認識できる供給可能最大電力は何なのか公表されていませんが、実機を確認したところ、「SilverStone HELA 1200R Platinum」に付属する12VHPWR電源ケーブルには”600W”と記載されていました。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」に付属する12VHPWR電源ケーブルをGeForce RTX 4090グラフィックボードに使用した場合、ファクトリーOCや手動設定による450W以上への電力制限解除に対応しているモデルにおいて450W以上への設定が可能でした。
12VHPWR電源ケーブルが付属する「SilverStone HELA 1200R Platinum」なら、複数基のPCIE 8PINに変換するドングルを使用する必要がないので、GeForce RTX 4090/4080でPCを組む時に配線がスマートになります。
SilverStone HELA 1200R Platinumのケーブルや電源端子について
「SilverStone HELA 1200R Platinum」に実装されている電源コネクタの種類やケーブル長についてチェックしていきます。「SilverStone HELA 1200R Platinum」に付属するプラグインケーブルは12VHPWR端子に接続するケーブルを除いて全て、高級電源に採用されることが多く、省スペースで取り回しに優れたフラットなリボンケーブルです。
HELA Platinumシリーズで容量下位モデルのHELA 850R Platinumも同じくリボンケーブルで、なおかつ非常に柔らかくて、曲げやすいケーブルだったのですが、「SilverStone HELA 1200R Platinum」はリード線が太く、ケーブル被膜も標準的な硬さでした。
また「SilverStone HELA 1200R Platinum」では12VHPWRケーブルだけ黒色スリーブまとめ型の電源ケーブルになっています。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」で使用可能な電源ケーブルの長さやコネクタ数の一覧は次のテーブルのようになっています。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」をはじめSilverStone製のATX電源ユニットは別売りオプションパーツ、SilverStone第3世代プラグインコネクタにも対応するショートケーブル PP06BEシリーズや、従来品のショートケーブルキット PP05-Eも使用できます。
PP06BEやPP05-Eの電源ケーブルは長さが短いだけでなく、付属ケーブルよりも細く柔らかいため非常に取り回しがよく、小型PCのビルドに最適化されています。
これらのショートケーブルを使うと実際にMini-ITX対応コンパクトPCケースで自作PCを組む時に電源ケーブルのケーブルマネジメントがとても楽になるので、近年増えているATX電源を搭載可能なコンパクトPCを作成するならSilverStoneの製品は特にオススメです。
SilverStone HELA 1200R Platinumの電源ケーブルについて個別にチェックしていきます。
SilverStone HELA 1200R PlatinumのATX24PINケーブルは一般的なミドルタワーPCケースに対応可能な600mmの黒色リボンケーブルです。
『高い供給電力の安定性を実現するフィードバック制御』を行うために使用される、Sense端子と呼ばれる6PINプラグインコネクタも伸びています。
PCIE補助電源とEPS電源のケーブルは見分けるのが面倒ですが、「SilverStone HELA 1200R Platinum」のプラグインケーブルではコネクタの側面に「PCIE」と「EPS」と表記されて、自作PC初心者にもわかりやすくなっています。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」にはEPS電源ケーブルとして750mmのケーブルが2本付属します。
メインストリーム向けでも高級なマザーボードではEPS電源として8+4PINや8PIN×2を要求するものもありますが、「SilverStone HELA 1200R Platinum」ではEPS電源8PIN端子は2基搭載されているので問題なく対応可能です。
EPS電源ケーブルのEPS端子をチェックすると、両方とも8PINを構成する2つの4PINはロックピンで簡単に固定・分離できる構造です。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」に付属するPCIE補助電源ケーブルは、8PINからもう1つ8PINが分岐する長さが550+150mmのケーブルです。PCIE補助電源の8PINコネクタはいずれも6+2PINに分離可能なタイプです。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」のPCIE補助電源ケーブルは、上記のケーブルが3本が付属しており、最大で6個の8PINコネクタを使用できます。
PCIE/EPS電源ケーブルを装着するプラグイン端子を複数使用してPCIE5.0電源(12VHPWR)ケーブルを接続する電源もありますが、「SilverStone HELA 1200R Platinum」ではPCIE5.0電源(12VHPWR)ケーブル専用コネクタが実装されています。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」にはNVIDIA GeForce RTX 4090にも採用されているグラフィックボード用補助電源の新規格に対応したPCIE5.0電源(12VHPWR)ケーブルも付属しています。PCIE5.0電源ケーブルの長さは550mmです。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」に付属する12VHPWR電源ケーブルは黒色スリーブ部分は太さはあるものの曲げやすい柔らかさですが、コネクタ付近のスリーブを絞っている部分が非常に硬く曲げることができません。緩く弧を描くようにして90度向きを変えるのが難しく、根本付近で曲げることになるので取り扱いには注意してください。
電源ケーブルのコネクタに記載されているように「SilverStone HELA 1200R Platinum」は12VHPWRによる最大600Wの電力供給を正式にサポートしています。
SATA電源ケーブルは全長1050mm(600 + 150 + 150 + 150mm)で4コネクタのケーブルが3本付属します。
4PINペリフェラル電源ケーブルは全長900mm(600 + 150 + 150 mm)で3コネクタのケーブルが1本付属します。4PINペリフェラル電源をフロッピーに変換するアダプタも付属しています。
SilverStone HELA 1200R Platinumのファンノイズ
「SilverStone HELA 1200R Platinum」の負荷に対する冷却ファンの動作をチェックしてみました。「SilverStone HELA 1200R Platinum」の検証機材は次のようになっています。
テストベンチ機の構成 | |
OS | Windows10 Home 64bit |
CPU |
Intel Core i9 9900K (レビュー) |
M/B | ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) |
システムストレージ |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
上記のベンチ機でグラフィックボードをGeForce GTX 1650、GeForce RTX 3050、GeForce RTX 3060 Ti、GeForce RTX 3070、GeForce RTX 3080、GeForce RTX 3090、GeForce RTX 4080、GeForce RTX 4090、Radeon RX 6800 XT、Radeon RX 6900 XTなどに変え、もしくは電力制限等から調整を行って、特定の消費電力に対する負荷時の電源ファンのファンノイズを測定しました。
また、12VHPWRにネイティブ接続もしくは変換ドングルによって対応し、安定して電力供給を行うことができるかを検証する機材として、2022年最新のウルトラハイエンドGPUを搭載したグラフィックボード「PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8 Gaming VERTO EPIC-X RGB OC 3FAN」も使用しています。
PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8は、ベイパーチャンバー構造のベースコアや、厚みのあるファンブレードをバリヤーリングで結合した重厚な冷却ファンを採用する4スロット占有大型GPUクーラーにより、各社AIBモデルの中でもトップクラスの静音性を実現しています。
メーカーのPNYは2022年に株式会社アスクが販売代理店契約を結んだばかりの新参なので国内での知名度は高くありませんが、北米など海外市場では30年以上に渡りコンシューマーならびにビジネス向けで電子機器の製造・販売を行う大手メーカーです。
国内正規品なら代理店を介してPNY公式のグローバル保証と同じ3年間の長期保証が受けられるところも魅力です。
・「PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8」をレビュー
消費電力の測定にはBluetooth接続でスマホから消費電力を見られるワットチェッカー「ラトックシステム REX-BTWATTCH1」を使用して、電源ユニットの変換損を含めたシステム全体の消費電力をチェックしています。
なお同ワットチェッカーでは消費電力は1秒ごとにW単位で表示されますが、平均的な数値になっており実際の瞬間最大値はさらに高い値を取っている場合があります。記事中では表示値からおおよその平均を取って表記しますが、実際には+100Wから+200Wの瞬間的な負荷が発生することがあるので注意してください。
・ラトックシステムのスマホ対応ワットチェッカー第2世代を試す
電源ユニットのファンノイズはサウンドレベルメーターを利用してノイズレベルを測定・比較していきます。
電源ユニットは机の上に横置きとし、電源ユニットの吸気面と向かい合わせにして50cmほど離した位置にサウンドレベルメーターを設置しています。
消費電力とファンノイズの測定結果は次のようになりました。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」のファンノイズについては、シングルグラフィックボード環境で一般的に消費される400Wはもちろん、TGP300W超のRTX 4080やRX 7900 XTXを搭載した500W負荷、さらにTGP450WのRTX 4090に高性能CPUを組み合わせた600~700W負荷まで、ノイズレベルは32dB以下という極めて優れた静音性を発揮しました。
800Wまでの負荷ならノイズレベルは36dB以下に収まるので、「SilverStone HELA 1200R Platinum」がグラフィックボードやCPUクーラーを押しのけて騒音上のボトルネックになることはないはずです。ただし800Wを超えた辺りから急にファン速度が上がりノイズレベルが39dBを超え、ファンノイズが煩くなります。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」はTGP300W超のグラフィックボードにCore i9 13900KやRyzen 9 7950Xなどメインストリーム向け最上位CPUを組み合わせた時のピーク負荷に近い700W程度の消費電力でもファンノイズは30db以下に収まりました。
シングルグラフィックボード環境なら電源ユニットのファンノイズが煩く感じることはまずない、というかPCケース内からファンの動作を認識するのも難しいレベルだと思います。
一方で、「SilverStone HELA 1200R Platinum」は電源容量が1200Wの電源ユニットですが、電源負荷が800Wを超えた辺りで急激にファンノイズが大きくなります。静音性が必要なら800~1200Wの負荷が発生するシステムで使用するのはオススメできません。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」の電源ユニット冷却ファンは電源負荷に比例して即座にファン速度が変化するので、700~800Wを頻繁に跨ぐような負荷が発生すると、空ぶかし的な乱高下のファンノイズが生じてしまうのにも注意が必要です。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」は背面のスイッチによってセミファンレス機能ZERO RPM FAN MODEのオン/オフを切り替え可能です。
公式ページや製品パッケージには25%負荷(300W前後)を境にしてファンが始動するようなファンカーブが掲載されていますが、実際の動作を確認してみたところ、ファンが強制的に始動する閾値は700W前後となっており、500W~600Wの負荷でも即座にファンが始動することはありませんでした。
700W超の負荷がファン始動条件の1つですが、それ以外にもセーフティとして内部温度センサーも始動の条件になっており、500W前後の負荷をかけ続けると15分弱程度でファンが始動しました。
一度ファンが始動すると、負荷100W程度の状態で30分以上放置してもファンが停止することはなかったので、システムをシャットダウンしないと再度、セミファンレス動作になることはないようです。
セミファンレス機能に対応した電源ユニットの一部ではファン始動時、瞬間的にファンが全速になり大きなファンノイズを発することがありますが、「SilverStone HELA 1200R Platinum」は始動時の急激なファン速度の変化もなく、静かに始動します。
ただし電源負荷に対するファン速度がそのまま始動時の速度になるので、800W以上の負荷で始動する場合、相応のファンノイズが生じます。
SilverStone HELA 1200R Platinumのレビューまとめ
最後に「SilverStone HELA 1200R Platinum」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 電源容量1200W、Cybenetics Platinum認証取得のハイパフォーマンス電源ユニット
- +12Vは100Aのシングルレール出力
- PCIE5.0電源(12VHPWR)ケーブルが標準で付属、ATX3.0規格に準拠
- 1200W容量で奥行150mmのコンパクトなサイズのATX電源ユニット
- 700W以下の負荷に対してノイズレベルは30dB以下
- 低負荷でファンが停止するセミファンレス機能に対応
- セミファンレス機能は背面スイッチで簡単にON/OFF切り替えが可能
- 5年間の長期保証
- 電源負荷800W以上でのファンノイズが煩い
- 電源容量1200Wで税込み4.6万円程と高価
- 12VHPWR電源ケーブルのコネクタ付近が曲げ難い
「SilverStone HELA 1200R Platinum」は変換効率が89~91%以上のCybenetics Platinum認証を取得かつ電源容量も1200Wの大容量、+12V出力はシングルレール100Aとなっており、GeForce RTX 4090/4080やRadeon RX 7900 XTX/XTなどTGP300W超級グラフィックボードにも余裕で対応できます。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」はIntelが策定した電源ユニット新規格であるATX3.0(2022年2月のデザインガイド)に準拠しており、GeForce RTX 40シリーズで本格的に採用が始まっている12VHPWR電源ケーブルが標準で付属するところも魅力の1つです。
12VHPWR端子を搭載するGeForce RTX 40シリーズには従来のPCIE 8PIN補助電源を複数使用する変換ケーブルも付属しますが、ネイティブな12VHPWR電源ケーブルならケーブル1本で配線がよりスマートになります。
冷却ファンの静音性についても「SilverStone HELA 1200R Platinum」は、一般的なシングルグラフィックボード環境における400W程度から、TDP300W超な最新ハイエンドGPU環境における500W程度、さらには700W程度というハイエンドゲーミングPCのピーク負荷まで、ノイズレベル30dB以下という極めて優れた性能を発揮しました。
「SilverStone HELA 1200R Platinum」はセミファンレス機能にも対応しており、ハードウェアスイッチで簡単にON/OFFの切り替えが可能です。セミファンレスで問題になりがちな、ファン始動時の急激なファン速度の上昇や、始動と停止を繰り返すことで(落差が大きいため)耳障りに感じるといった現象もありません。
電源負荷が700W以下のシステムで運用する分には「SilverStone HELA 1200R Platinum」は上述の通り極めて静音性の高い電源ユニットですが、電源負荷が800Wを超えるとファンノイズが急に煩くなります。
Core i9 13900KとRTX 4090に同時にフル負荷をかける、くらいでないと発生しない電源負荷なので、一般的には気にする必要がない条件ですが、800~1200Wの負荷が発生するシステムに組み込むのを検討している人はご注意ください。
加えて「SilverStone HELA 1200R Platinum」は1200Wの超大容量ながら、ATXサイズ電源ユニットとしてはコンパクトな奥行150mmであるところも魅力です。
コンパクトゲーミングPCを一から組む時に最適なのはもちろん、電源ユニットスペースの制限が決まっている既存PCにおいてPCケースとの干渉を気にせず、古くなった電源を交換したり、より大容量・高静音な電源へアップグレードしたりもでき、そのコンパクトさゆえに多様なニーズにマッチします。
以上、「SilverStone HELA 1200R Platinum」のレビューでした。
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PCIE5.0電源(12VHPWR)にも対応する、Cybenetics Platinum認証を取得かつ電源容量1200WのハイエンドATX電源ユニット「SilverStone HELA 1200R Platinum」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) January 22, 2023
RTX 4090やRX 7900 XTXを静音で運用できるか徹底検証。https://t.co/hgtjchyOIt pic.twitter.com/bHL3I6Q0T6
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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