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NVIDIAの次世代GPU Pascal第一弾GTX1080については5月17日に解禁となった先行レビューで大概の情報は出尽くしていますが、隙間を埋めるようなニッチなところを突くレビューができたらいいなと思いつついろいろ検証しています。

ちょくちょく小分けにレビュー記事を書いていたのでもう何回目かわかりませんが、今回はみなさん待望?の本格水冷化です。サーマルスロットリング何それ、美味しいの?と言わんばかりの圧倒的冷却能力と引き換えに国内保証は消え去りますが、まあ水冷自作erにとっては慣れた道なので気にしない。最近では水冷パーツメーカーも手馴れてきて、整地された茨の道になりつつありますが。
ともあれGTX1080の水冷化レビューをしようと思います。
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GTX1080用の水冷ブロックを手に入れるまで

GTX1080のクーラーを水冷ブロックに換装します。今回使うのはEKWB製の水冷ブロック「EK-FC1080 GTX - Acetal+Nickel」とバックプレート「EK-FC1080 GTX Backplate - Nickel」です。実はこれを入手するまでも紆余曲折ありました。
最初はEKWB公式通販で購入しようと思っていたのですが、EKWB公式通販の開始が27日のところ、アメリカの水冷パーツショップPPCSでは数日早く予約開始しており、しかも26日から出荷開始ということでした。ただ予約開始当初は水枕のほうは欲しいものがあったのですが、バックプレートはブラックのみでニッケルの予約ページがありませんでした。特にどうしてもニッケル!というわけでもなかったため、とりあえずブラックで予約したのですが、半日くらいして深夜にニッケルのバックプレートが予約可能になっていたので注文をし直しました。前の注文をキャンセルするので注文順は繰り下がります。これで初回入荷枠を逃しました。とはいえ2回目の入荷枠には収まるだろうと思っていたのですが、予想外なことにニッケルのバックプレートがPPCSに入荷するのは6月中旬という事実が6月5日頃に判明したのです!! 先に言ってよと。知ってたらそもそも最初の注文をキャンセルして再注文なんかしなかったというのに……。結局PPCS、EKWBともにバックプレートが1週間ほど入荷待ち状態でタイミングを逸したため仕方なく待とうと思っていたところ、国内の水冷パーツショップであるCoolingLabに水冷ブロックとニッケルのバックプレートが入荷していたので、すかさずポチってPPCSの入荷待ちの注文をキャンセルしました。そして今日6月8日商品が到着したのですよ。
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届いたぜ、ヒャッハー!と狂気乱舞しつつ開封の儀を進めていきいました。
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水冷ブロックとご対面じゃーー!  裏返すと……。
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え……、???
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ニッケルじゃなくてカッパーの方じゃねーかっ!!

慌ててパッケージを確認しましたが確かに「Acetal+Nickel」と記載されています。焦ってもう一つの水冷ブロックを開封したところニッケルメッキされた水冷ブロックが出てきました。
そうまさかのEKWBさんの梱包ミスというオチ。
慌ててCoolinglabに至急交換してくれ!と連絡したところショップに残っている最後の1つもまさかの梱包ミスでカッパーさんが入っていたそうな……。 
なお交換の場合、在庫がないので次回入荷は1ヶ月先とのこと。詰んだ。
どうしようかなーと思ってPPCSの商品ページを覗いてみるとバックプレートはやはり入荷待ち状態だったのですが、水冷ブロック本体の方は各種在庫が潤沢でした。
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もともとPPCSを最初に使おうと思ったのもQDなどフィッティング類の補充も兼ねていたので、渡りに船?ということでPPCSで再注文して、間違った商品は返品&返金で今に至るというわけです。
以上、水冷ブロックを入手するまでの(現在進行形な)紆余曲折についてでした。



GTX1080のリファクーラーを分解する

前置きが非常に長くなりましたが、本格的にクーラーの換装をしていきます。
先行レビューでGTX1080のリファレンス基板の分解にはナットドライバーが必要だとわかっていたのですが、ナットドライバーだけ別に購入するのも微妙なので、かねてより欲しかったマグネットありドライバーセットを新たに購入しました。購入したのは「Ifixit 54 Bit Driver Kit」です。
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こいつを使ってまずはGTX1080のバックプレートを外してみます。GTX1080のリファレンス基板の分解で要注意なのはバックプレートに埋まっためっちゃ小さいネジと、基板とクーラーを固定しているナットネジです。
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この二つは「PH0」規格のプラスドライバーと「4.0」径のナットドライバーで外せました。
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バックプレートネジはめっちゃ小さいので失くさないように要注意です。
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バックプレートはプラスチック製みたいなのですがなぜかGPUコアの裏ともう一か所にサーマルパッドが貼ってありました。意味はあるのだろうか……?
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続いてナットネジを外しにかかる前にPCIブラケットとクーラーを固定しているネジ2本を予め外しておいた方がいいです。忘れることがあるので。
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ナットネジはEKWBの水枕マニュアルではペンチを使えと書いてありますが、管理人的には非常に危険な気がするので非推奨です。滑って基板裏の素子や基板自体を傷つけたら10万がお釈迦になるのでせいぜい1000円くらいですしナットドライバーの使用を強く推奨します。
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ナットネジを全て外せばグラボの分解作業はほぼ終わりです。クーラーを変にぶつけてGPUコアをコア欠けしないようように注意してLEDとファンのケーブルを外します。
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以上でグラボの三枚おろし完了です。
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GPUコアとVRM部のアップ写真も載せておきます。
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GTX1080のクーラーを水冷ブロックに換装する

ここまで来ればあとは本当に簡単です。
まずはグラボの基板と水冷ブロックにマニュアルに従ってサーマルパッドを貼ります。
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サーマルパッドを貼り終えたら、GPUコアにグリスを塗ります。管理人のおすすめグリスは「Thermal Grizzly Kryonaut」です。非常に柔らかいグリスなので適当に中心に山盛りにしておけばネジ止めの圧で勝手に伸びてくれて非常に楽です。銀系、ダイヤ系も試しましたがこれが一番冷えた気がします。
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グリスを塗ったら上から水冷ブロックを被せて、ネジ止めしたら完了です。
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あと今回は専用のバックプレートも購入していたので装着します。写真だと黒っぽく見えますがやや鏡面の銀色のニッケルメッキです。
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これまでEKWBの水枕を購入したときはブラックのバックプレートばかりで、ニッケルのバックプレートは初めて購入しましたが、ニッケルのほうがひんやり冷えそうで気に入りました。やや鏡面なのもいいです。ただし指紋が結構気になります。
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EKWBの水冷ブロックユーザーのあるあるネタ。EKロゴの青い保護シールを剥がし忘れないように。いやまあ付けたままでも支障はないのですが。
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水冷化でしっかり1スロットに収まっていますね。  DVI端子が憎い……。
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あとは水漏れチェックをしながら注水してセットアップ完了です。今回は水冷ブロックが1枚しかないので2枚目はリファクーラーのままになっています。
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水冷化GTX1080のオーバークロック

事前に空冷のまま2枚のGTX1080をOCしてOC耐性の高いほうを見極めていました。だいたいのOC耐性の確認の仕方はこちらの記事を参考にしてください。
GTX1080 OCでFireStrikeを回してみた。あとOC耐性について。

ちなみに2.1GHz回る固体かどうかの簡単な判別方法ですが、次の2つをクリアできれば水冷化ならばほぼ確実に2.1GHz越えを達成できると思います。
定格のままで最大ブーストクロックが1890以上(張り付きでなくて瞬間でOK)
空冷のままでも200MHz盛ってFireStrikeを完走できる
(サンプルが少ないので下限についてはよくわかりません。上を達成できなくても2.1GHz達成可能かも)

管理人の個体では200MHz盛ってFireStrikeを完走できるやつとできないやつがあったので今回は完走できたOC耐性の高そうな方を水冷化しました。コアクロックを200MHz盛ると問題なく2.1GHz達成できました。
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200MHz盛りの状態でゲームをプレイしてみましたが安定動作しました。GTX1080は消費電力が小さいので負荷をかけ続けても50度を超えませんね。TitanXや980tiだと本格水冷でもこうはいきません。


さらに20MHz盛ってFireStrike Extremeも回してみました。
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その時のログがこちらです。コアクロックは最大で2126MHzまで上がりました。
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ただ2.1GHz付近になると高負荷時にコアクロックが張り付かず若干変動するので、このあたりではパワーリミットの制限に引っかかっている気がします。これ以上のOCはBIOSの改造でコア電圧のロック解除やパワーリミットの解除も必要っぽいです。
実際にAfterbunerから普段モニタリングしていないのですが、PowerLimitとVoltageLimitを確認したところ高クロックになるところで制限がかかっていました。
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仮に電力・電圧のロックをBIOSから解除できても2.2GHz以上を狙うなら8PIN*1のリファレンス基板はハード的に力不足化もしれないので、EKWBやBitspowerのオリジナル基板専用水冷ブロックの登場に期待ですね。





グラボの本格水冷に興味のある方はこちらの記事で比較的導入のハードルが低い方法を紹介しています。
圧倒的な冷却性能を誇る本格水冷のGTX TitanXや980tiを使う比較的安価で簡単な方法を紹介
GTX1080はHydroCupperが発売されていませんが、リファレンス基板と水冷ブロックを個別に購入すれば同じように本格水冷化可能です。執筆当時と違って一部国内で入手できないものもあるようなのでPPCSやEKWB公式通販から個人輸入が必要みたい。



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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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