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米尼からASUS ROG STRIX GTX 1080 OCを購入できたので、水冷ブロックをPPCSから、またEKWB公式通販にしか在庫のなかったニッケルメッキのバックプレートを同時期に購入していました。

発送された先週はドル円レートが100~102円くらいで安定するという個人輸入には激ウマな期間だったので、グラボ単体で7.5万円程、水冷パーツ込で1セット9.5万円くらいで購入できました。

一昨日、ASUS ROG STRIX GTX 1080 OCのデフォルト空冷でレビューも済ませたので早速、水冷化を行います。ASUS ROG STRIX GTX 1080 OCのEKWB製水冷ブロックは先月末に転送サービス経由で個人輸入していたNVIDIA純正のHB SLIブリッジと互換性があります。(GIGABYTE G1やMSI GamingX用の水冷ブロックは互換性がないそうな) 実はこれもSTRIXのオリファンモデルに買い替えた理由の一つでした。

ASUS ROG STRIX GTX 1080を分解
水冷ブロックへの換装前にまずはデフォ装備の空冷クーラーやバックプレートを外すべく分解を行います。GTX 1080 Founders Editionの分解にはかなり小さいプラスねじ用の精密ドライバーやナットネジ用のナットドライバーが必要など実際に試してみないとわからないことも多かったです。今回はASUS ROG STRIX GTX 1080を分解をできるだけ詳しくレポートしていくので購入&水冷化を予定している人は参考にしてください。結論から先に言っておくと、ASUS ROG STRIX GTX 1080の分解には一般的なプラスの精密ドライバーセットがあれば問題なく分解が可能でした。
ASUS ROG STRIX GTX 1080ではFounders Editionと違ってバックプレートがPCB基板側のネジとバックプレート側のネジ穴で固定されているため、まずはGPUクーラーから外します。GPUクーラーはバックプレート側にある6個のバネ付きネジで固定されています。

GPU回り4個とVRM裏側の2個のネジはいずれも同じもののようです。


ネジを外せばクーラーの固定はなくなるのですが、クーラーから基板上にファンケーブルとLEDケーブルが接続されているので貝殻を開く感じでクーラーを基板から外します。ファンケーブルのコネクタは簡単に外せたのですが……。

非常に困ったのがLEDケーブルのコネクタでして、コネクタの摘みが非常に小さいのにコネクタの固定がめちゃくちゃ硬くて素手で外すのが無理でした。そこで取り出だしたるは”ネジサウルス”さんです。

ネジザウルスを使って下の画像のようにLEDケーブルのコネクタをつまんで(PCB基板を挟まないように注意)、ぐりぐりしながら引っ張ると比較的簡単に外すことができました。

ネジザウルスは先端がネジ頭に合わせたU字型になっていたのでコネクタの出っ張りに上手く噛ませることができましたが通常のペンチでは無理だと思います。困ったときはこれを買って外すのがおすすめです。
分解作業は一休みでクーラーの写真をパシャパシャしました。

GPUコアの接触部分は製品サイトでも好評されているようにヒートパイプのダイレクトタッチ形式です。GPUコアが直接触れているのは3本(うち1本は半分だけなので2.5本?)となっており、3本は隣接するヒートパイプからの熱伝導となります。ダイレクトタッチが偶にハズレがありますがGTX1080 ROG STRIXについては先にレビューしたようによく冷えるダイレクトタッチでした。

グリスを拭き取ってみたのですがヒートパイプはあまり研磨されていないようで結構ザラついていました。

極太のヒートパイプ5本が大型ヒートシンクに繋がっています。VRM用のベースプレートはヒートシンクやヒートパイプに接着(溶接?)されているようです。



GPUクーラーのチェックはこの辺りにして基盤とバックプレートの分解を進めます。

まずはVRAMの冷却用ヒートシンクらしきものを外すのですが……、なぜか右側のVRAMはヒートシンクから一部が露出し、左側2枚については接触すらしていません。VRAMの冷却についてはちょっと首を傾げざるを得ない構造になっています。


ヒートシンク裏側にはVRAMとの接触ヵ所にサーマルパッドが張られているのでやはり冷却補助の役割があるようです。なぜヒートシンクが接触しないVRAMがあるんだろうか?

グラボ基板をチェックしておくとまずはVRM電源フェーズ数は10フェーズになっています。高性能&高耐久なASUS独自部品の「Super Alloy Power II」を使用しているそうです。

基板上のネジを10個ほど外すとバックプレートを基板から外せます。
グラボの3枚おろしは次のようになります。

バックプレートにはROGのロゴのLEDイルミネーションが付いており、電源ケーブルとコネクタが伸びています。このコネクタは基板裏側に接続されていたのですが固定が緩いので取り外しは簡単でした。

ASUS ROG STRIX GTX 1080 OCは去年からASUSがグラボの製造に組み込んだ自動機械生産(オートメーション)で作られています。フラックス使用の廃止、ハンダ付けによる加熱時間の短縮、機械生産が可能にした基板への素子実装の複雑化などで高性能&高耐久性を実現しているようです。


確かに人の手で組み立てられたものよりも基板の裏面がツルツルでした。


ASUS ROG STRIX GTX 1080を水冷ブロックに換装
かなり長くなりましたがASUS ROG STRIX GTX 1080のデフォルト空冷クーラーの分解も完了したので、続いてEKWB製の水冷ブロックと専用バックプレートへの換装を行います。ちなみにグラボ付属のバックプレートもLEDイルミがカッコいいので使いたい人も多いとは思いますが、ネジ穴がバックプレート側にあるため使えません。
EKWBからはASUS ROG STRIX GTX 1080用水冷ブロックとしてトップカバーが透明なアクリルと黒色のアセタールの2種類が販売されていますが、メイン機用の水冷ブロックとしては耐熱性と耐衝撃性が若干高いのでアセタールを選ぶことにしています。あと中の汚れが気にならないとかも。


水冷ブロックのベース部分はニッケルメッキ済みの銅製となっており、GPUコア、VRAM、VRMのグラボ上3台発熱部位を一括で冷却します。

水冷ブロックのトップカバーにはSTRIXロゴが刻まれています。PCに組み込むと下を向いて見えないですが……。

サーマルパッドをVRAMとVRMに貼ってGPUコアに熱伝導グリスを塗ります。少ないと問題ありますが多くてもはみ出るだけで問題ないので、グリスはちょっと多めに盛っておくのが吉。

EKWB製のバックプレートを使う場合、基板と水冷ブロックの固定には次の7か所だけをネジ止めします。

続いて専用バックプレートですが、こちらはGTX 1080 FoundersEdition用のバックプレート同様にニッケルメッキ版を購入しました。写真ではちょっとわかりにくいですが、やや旋盤跡の残った鏡面の銀色です。

バックプレートにもSTRIXロゴが刻印されています。サンプル画像を見たところブラックよりもロゴがはっきり見えてカッコいい気がしました。

バックプレートをネジ止めしたらASUS ROG STRIX GTX 1080 OCの本格水冷化は完了です。


FEに続いてSTRIXでも完全ワンスロット化の妨げになるDVI端子が憎い……。

2枚目については1枚目を同じなので分解&換装作業は割愛で……完成!

シルバーで輝くSTRIXロゴとEKロゴがかっこええ。

水冷化ASUS ROG STRIX GTX 1080をセットアップ
2枚とも水冷化が完了したので早速メイン機に組み込んでいきます。デフォ空冷の時は3スロット版のNVIDIA純正HB SLIブリッジを使っていましたが、今回は水冷化なのでグラボ間の距離を短くしても問題ないため2スロット版を使うことにしました。

先に書いたようにFoundersEditionの水冷化の際はFCターミナルがHB SLIブリッジと干渉しました。

しかし今回のASUS ROG STRIX用水冷ブロックではデフォルトのシングルFCターミナルでもデュアルタイプのFCターミナルでもHB SLIブリッジとは干渉しませんでした。


デュアルタイプのFCターミナルと2スロット版のHB SLIブリッジで問題なく装着できました。

GPUやCPU回りにはKOOLANCEのQDを使っているので水冷環境でも最小限の水抜きで構成パーツを交換できるので非常に便利です。

漏れると気づきにくいFCターミナルの裏側にティッシュを回して水漏れチェックの準備ができたら、ちょっと手抜きでシステムストレージをマザーボードから外して電源を入れました。(水漏れ時のパーツ死亡の危険もあるのでクーラントの充填にはポンプ用の4PINモレックスACアダプタを購入して、そっちでポンプを回すほうが安全です。)

しばらく様子を見て水漏れもなさそうだったのでこれで、クーラントの充填も完了です。

特に問題もなさそうなのでシステムを起動したところ……、シャットダウン前にWinアプデが実行されてたみたいです。Win10からアプデは完全自動が強制されていてキャンセルできないのでこういう時に困る。10分くらい待たされました。

NVコンパネからSLIを有効化するとSLIブリッジのLEDも点灯しました。

水冷化ASUS ROG STRIX GTX 1080の性能チェック
早速、水冷化したASUS ROG STRIX GTX 1080 OCのSLI環境の性能をチェックしてみました。すでに昨日、デフォ空冷状態でFireStrikeUltraのベンチを実行していたのでそちらのベンチスコアやログと比較を行いました。水冷&OCモード、水冷&ゲーミングモード、空冷&OCモードの3つでFireStrikeUltraを2回行い、良いほうのスコアと両方のベンチマーク実行中のFPSの合計値を次の表にまとめました。FPSスコアのリンクからは各テスト中のFPS推移グラフが見れます。
水冷、OCモード | 水冷、Gamingモード | 空冷、OCモード | |
FireStrikeUltra | 10226 | 10003 | 10114 |
Graphics Test | 10462 | 10197 | 10302 |
Physics Test | 25297 | 26082 | 25949 |
Combined Test | 4959 | 4840 | 4930 |
Graphics Test1 FPS | 3394 | 3296 | 3356 |
Graphics Test2 FPS | 3134 | 3070 | 3116 |
Physics Test FPS | 3043 | 3147 | 3168 |
Combined Test FPS | 875 | 855 | 868 |



PhysicsTestのスコアが水冷&OCモードで下がっているのはグラボもシングルループ水路冷やしているので、水温が上昇したせいかも? (グラボ水枕を通るの前後での水温という意味ではありません)
かなり誇張したグラフですが、FireStrikeUltraの総合スコアとグラフィックスコアの比較グラフです。

テスト中のGPU温度推移は次のようになりました。SLI環境にするとグラボ2枚がガンガン熱を出すので、外付けラジ頼り水冷カスタムでケース内外への排気&吸気が弱いこともあり空冷OCモードでは後半は80度付近まで温度が上がってしまいました。本格水冷換装後は流石に優秀で、ゲーミングモードで最高42度、OCモードでも最高46度に収まっています。長時間のゲームプレイでも水冷ならせいぜい50度で安定運用できそうです。

各構成におけるコアクロックの推移は次のようになりました。
水冷のゲーミングモード、空冷のOCモードではそれぞれパワーリミットとサーマルリミットがそれぞれかかってコアクロックが安定しなくなるようですが、水冷&OCモードでコア温度が低くパワーリミットも盛っている状況であればコアクロックも2088MHzで綺麗に張り付きました。

あとベンチ中の最大消費電力は650Wほどでした。1200W電源使っているので変換効率的に良い感じ。

以上、ASUS ROG STRIX GTX 1080 OCのSLI環境を本格水冷化でした。

以上、ASUS ROG STRIX GTX 1080 OCのレビューでした。

(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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