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国内ではドスパラが代理店として独占で取り扱っているPalit社製のグラフィックボードからGTX 1070を搭載する3スロット占有かつデフォルトOCされた「Palit GeForce GTX 1070 8GB Super JetStream (NE51070S15P2-1041J)」をレビューします。
先日、ドスパラのGTX 1070グラフィックボード搭載BTO PC「GALLERIA XF」を同社からお借りできたのでレビューしました。
同BTO PCに搭載されていた3スロット占有GPUクーラー搭載の「Palit GTX 1070 JetStream」が思いのほか優秀な冷却性能を発揮したので興味を持って、Palit製のグラフィックボード単体もレビュー用サンプルをご提供いただけませんか?とお願いしてみたところご快諾いただけまして、今回はデフォルトでOCされている「Palit GeForce GTX 1070 8GB Super JetStream (NE51070S15P2-1041J)」をレビューします。
商品公式ページ:https://www.palit.com/palit/vgapro.php?id=2629&lang=jp
Palit GTX 1070 Super JetStream レビュー目次
1.Palit GTX 1070 Super JetStreamの外観
2.Palit GTX 1070 Super JetStreamの分解
3.Palit GTX 1070 Super JetStreamのセットアップ
4.Palit GTX 1070 Super JetStreamのベンチマーク
5.Palit GTX 1070 Super JetStreamの温度・消費電力
6.Palit GTX 1070 Super JetStreamのレビューまとめ
Palit GTX 1070 Super JetStreamの外観
早速、Palit GTX 1070 Super JetStreamを開封していきます。Palit GTX 1070 Super JetStreamはグラボの箱としては珍しく縦長のパッケージで梱包されていました。
グラボ本体はお馴染みの薄い静電防止ビニール袋に入れられてスポンジのスペーサー内に鎮座していました。
付属品は簡易マニュアル、ドライバCD、補助電源変換ケーブル、ステッカーでした。
表側の俯瞰写真は次のようになっています。プラスチックの外装に部分的に金属のプレートが付いています。
GPUクーラーに搭載されている2連ファンの径は100mmでした。
ジェットエンジンのパワーにヒントを得て設計された「ターボファン ブレード」により、強力な風圧と気流を発生させ、高い冷却性能を実現しているそうです。加えて時計回りと反時計回りの方向に羽が付いた並列ファンがそれぞれ異なる方向に回転することにより、気流がぶつかり合うことなく空気の流れが一方向となり、最適なエアフローを実現するとのことです。
外装のサイドにはメーカーロゴが付いています。後ほど紹介しますがサイドのロゴ部分はLEDイルミネーションに対応しています。また2スロットのブラケットからファン側にはみ出しているのが見えるようにPalit GTX 1070 Super JetStreamは3スロット占有の大型GPUクーラーを搭載しています。オリジナル基板のモデルですが補助電源はリファレンス同様に8PIN*1です。
ビデオ出力はGTX 1070搭載グラフィックボードとしては標準的な、HDMI、DP*3、DVI-Dとなっています。またPCIブラケットよりも20mmほど背の高い基盤になっています。
裏面の俯瞰写真は次のようになっています。
GPUコアの裏側だけがくり抜かれたヘアラインアルミ1枚板のバックプレート搭載です。
グラフィックボードの重量を測ってみると、比較的重量の重いGTX 1070 Founders Editionは1024gなのに対して、Palit GTX 1070 Super JetStreamはそれよりも100g以上重い1161gでした。FEは外装も金属であることを考えるとプラスチック外装のPalit GTX 1070 Super JetStreamのヒートシンクの大きさがうかがえますね。
Palit GTX 1070 Super JetStreamの分解
続いてPalit GTX 1070 Super JetStreamのGPUクーラーを分解してみました。GPUクーラーはGPUコア周辺の4つとVRM電源部分の周辺4つの計8か所のネジで固定されていました。3スロット占有の重量級クーラーなので固定ネジが多めなのは安心感があります。
GPUクーラーを外すとこんな感じになっています。
GTX 1070なのでGDDR5のメモリチップが8枚実装され、中央にはGP104-200-A1コアが搭載されています。
VRM電源はリファレンス(Founders Edition)では4+1フェーズでしたが、Palit GTX 1070 Super JetStreamでは8フェーズに盛られています。ちなみにGTX1080のSuper JetStreamでは8フェーズ、Game Rock Premiumでは10フェーズになっているようです。
次はGPUクーラー側を見ていきましょう。
GPUコアとの接触には安定した冷却性能を誇る銅製ベースプレートを採用しており、VRAMやVRM電源部分もGPUクーラーの大型ヒートシンクとサーマルパッド経由で接触しており、3スロットの大型クーラーで一括して冷やす構造になっています。
ご覧の通り3スロット占有の大型クーラーはヒートシンクも激厚20mm超で極太のヒートパイプが効率的な熱拡散を助け、銅製ベースプレートの良好な熱交換効率も相まってGPUコア含めてグラフィックボード全体をガッツリ冷やしてくれそうです。
Palitのグラボは実際に価格も安価で今回分解してみるまでは管理人自身も廉価品というイメージを持っていましたが、GPUクーラーをじっくり見てみた感じではコストカットされた感はなく冷却性能についてはかなり気合を入れているのが確認できました。
Palit GTX 1070 Super JetStreamのセットアップ
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、Palit GTX 1070 Super JetStreamを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。CPUはASRockのHyper BCLK Engineを使ったHyperOCでKなしCPUのi5 6400をOCするという若干変則的なものを使用しています。テストベンチ機の構成 | |
CPU | i5 6400 4.0GHzにBCLK OC |
M/B | ASRock Z170M OC Formula |
メインメモリ | DDR4 8GB*2=16GB |
システム・ベンチ ストレージ |
SSD 540 M.2 240GB |
OS | Windows10 64bit Home |
電源ユニット | Corsair RM650i |
電源を入れるとGPUサイドの「Palit」ロゴに備え付けられたLEDが点灯しました。サイドのLEDイルミネーションは発光カラーの変更に対応しておりPalitの専用アプリから調整可能になっています。
Palit GTX 1070 Super JetStreamは3スロット占有クーラーとなっているので4スロット目に搭載しているデータストレージ用のM.2-PCIE変換ボードとの間隔もギリギリです。
3スロット占有の大型クーラー搭載ということもあり重量は1200gとかなり重くなっています。実際に一般的なATXレイアウトのPCに組み込んで水平写真を撮ってみると補助電源側が傾くので、最近発売した長尾製作所のVGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。
Palit GTX 1070 Super JetStreamのベンチマーク・ゲーム性能
Palit GTX 1070 Super JetStreamの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。Palit GTX 1070 Super JetStreamはカタログスペック上はブーストクロックが1835MHzとなっており、リファレンスのFounders Editionのブーストクロック1683MHzよりも152MHzもデフォルトでオーバークロックされています。Palit GTX 1070 Super JetStream(Palit SJ)、EVGA GTX 1070 SC ACX3.0 (EVGA SC)、GTX 1070 Founders Edtioin (FE)について、実働コアクロックを比較してみました。
製品仕様ではブーストクロック1785MHzとなっておりEVGA GTX 1070 SCはPalit GTX 1070 Super JetStreamよりも50MHz低くなっていますが、GTX10XXシリーズではコア温度70度以下でもコア温度によって動作クロックが変動するため大型クーラー搭載で冷却性能に勝りパワーリミットも余裕のあるPalit GTX 1070 Super JetStreamではEVGA SCよりも平均100MHz高いコアクロックで安定しています。
FF14ベンチはスコアが10000台を軽く上回っています。
3DMarkのFireStrike各種のグラフィックスコアは次のようになりました。リファレンスとなるGTX 1070 Founders Edtitonや下位GPUのEVGA GTX 1060 6GB SCと比較しています。
また最新のDirectX12対応ベンチマークである3DMarkのTimeSpyのスコアは次のようになりました。リファレンスとなるGTX 1070 Founders Edtitonや下位GPUのEVGA GTX 1060 6GB SCと比較しています。
続いて高画質PCゲーム各種のフルHD・高画質設定におけるベンチマークを行いました。
ベンチマーク測定を行ったタイトルは、The Division(グラフィック設定)、Grand Theft Auto V(グラフィック設定)、Assassin's Creed Syndicate(最高設定、FXAA)、Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定)、The Witcher3(最高設定)、Dark Souls III(最高設定)、Deus Ex: Mankind Divided(プリセット:VeryHigh、AAなし)、Rise of the Tomb Raider(DX12、最高設定、FXAA)、Gears of War4(DX12、最高設定プリセット)、Battlefield 1(最高設定プリセット)以上10タイトルです。
NVIDIA Geforce GTX 1070であれば最新の高画質PCゲームでもフルHD解像度の最高設定を60FPSで遊んだり、高画質設定のまま120Hzなどの高リフレッシュレートでガチプレイや、WQHDの高解像度&高画質設定で60FPSで安定してプレイが可能になっています。
Palit GTX 1070 Super JetStreamの温度・消費電力
Palit GTX 1070 Super JetStreamの負荷時のGPU温度とファン回転数を検証しました。GTX 1070 Founders Editionと比較しながら検証を行っています。温度とファン回転数の検証負荷としてはFF14ベンチを使用しており、その結果が次のグラフになっています。
Palit GTX 1070 Super JetStreamはここ最近のGTX10XXシリーズのオリファン&オリジナル基板採用モデルとしては一般的になってきたセミファンレス機能を採用しておりGPUコア温度が60度を超えるまではファンが停止し、その後ファン回転数は温度に応じて最高温度69度の時の911RPMで推移しました。
GTX 1070の消費電力が150W程度と小さくリファレンスクーラーでも十分対処可能な発熱のため、GPU温度についてはPalit GTX 1070 Super JetStreamとFounders Editionとで大差はありません。しかしながらファン回転数に着目するとFounders Editionが2000RPMを超える一方、Palit GTX 1070 Super JetStreamは1000PRM未満という非常にゆっくりとした回転数で安定しています。
Palit GTX 1070 Super JetStreamは最大温度69度、最大ファン回転数900RPMと3スロット占有の大型ヒートシンクによる抜群の放熱性能を見せつけてくれました。
FF14ベンチ終盤のPalit GTX 1070 Super JetStreamのファンノイズとコイル鳴きについて確認のため動画を録画しました。測定にはグラボから30㎝ほど離した位置にカメラを置いて撮影を行っています。
Palit GTX 1070 Super JetStreamのコイル鳴きについては軽微なので問題ないと思います。
なおコイル鳴きは最近のグラボだとTitanXでも980tiでもGTX1080でも基本的に鳴くので60FPS程度の高負荷時にPCケースに入れていても気に障る程度の大きさかどうかで主観的になりますが「軽微」or「問題あり」として当ブログ記事では判断します。同じ型番のグラボでも個体差がある項目なので参考に留めていただけるとありがたいです。
続いてPalit GTX 1070 Super JetStreamの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。測定にはCorsair RM650i電源ユニットのCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた純粋な検証システム全体への入力電力をチェックしています。また測定方法は「FireStrike Extremeのグラフィックテストを3回行い、その際の平均値を消費電力に、最大値を瞬間的な最大電源負荷」としました。測定結果は次のようになっています。
Palit GTX 1070 Super JetStreamの補助電源はリファレンスと同じく8PIN*1ですがコアクロックが
デフォルトOCされており、コアクロックの安定具合からパワーリミットの上限も上げられているようで消費電力は220W、瞬間的な最大電源負荷は245Wとなり、GTX 1070 Founders Editionよりも24Wほど大きい数値となりました。電源フェーズ数も盛られたOCモデルでなのでリファレンス比で消費電力は20W増となりオリジナル基板搭載モデルの標準的な数値となっています。
(参考画像:ログ1、ログ2)
Palit GTX 1070 Super JetStreamのレビューまとめ
最後に「Palit GTX 1070 Super JetStream (NE51070S15P2-1041J)」の実機サンプルを検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 3スロット占有の大型ヒートシンク&大口径2連ファンで冷却性が抜群
- GPU温度は60度後半でファン回転数は900RPM以下と静音性にはかなり優れる
- GPUコアクロックも1.9GHz越えで安定動作
- 販売価格は4.7万円程度とGTX 1070搭載グラフィックボードとしては最安値の価格帯
- セミファンレス機能に対応している
- 補助電源は8PIN*1のみ
- グラボ長、グラボ幅ともに非常に大きいのでケースと干渉しないか事前チェックは必須
- 重量が重く補助電源側が傾きがちなのでつっかえ棒的なツールの利用を推奨
Palit GTX 1070 Super JetStreamはGTX 1070搭載グラフィックボードなので最新の高画質PCゲームでもフルHD解像度の最高設定を60FPSで遊んだり、高画質設定のまま120Hzなどの高リフレッシュレートでガチプレイや、WQHDの高解像度&高画質設定で60FPSで安定してプレイが可能になっています。
Palit GTX 1070 Super JetStreamのGPUクーラーはセミファンレス対応でアイドル・低負荷時は完全無音動作が可能となっており、3スロット占有の大型クーラーを採用しているため負荷時もコア温度60度後半、ファン回転数900RPM以下とクーラーの冷却性・静音性は抜群です。
加えてZOTAC AMP Extreme、GIGABYTE Xtreme Gaming、GALAX HOFなど各社のフラッグシップブランドにのみ搭載される3スロット占有クーラーは高級・高価なイメージですが、ドスパラで販売されている「GTX 1070 8GB Super JetStream (NE51070S15P2-1041J)」は税込み4.7万円とGTX 1070グラフィックボードとしては最安値の価格帯に位置しており一般ユーザーにも手の出しやすいリーズナブルなモデルになっています。
(注:価格は10月14日現在のものであり、変動する場合があります。)
3スロット占有でグラボ自体が非常に大きいためケースとの干渉に注意が必要という点を除けば、グラフィック性能、冷却性、静音性いずれも高いレベルでまとまった製品に仕上がっています。PCケース内のスペースに余裕があるのであれば、冷却性能・静音性能の高い3スロット占有クーラーを搭載しながらGTX 1070グラボとしては最安値の価格帯となっているPalit GTX 1070 Super JetStreamはおすすめできる製品です。
以上、Palit GTX 1070 Super JetStreamのレビューでした。
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・3スロ占有で冷える GTX 1070搭載「ドスパラ GALLERIA XF」BTO PCレビュー(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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ZOTACにするつもりでしたが、これを買うことにします。
管理人さんレビューありがとうございます。